説明

タービンエンジン用の圧縮性支持体

【課題】タービンの部品間の摩擦又は干渉を避けること。
【解決手段】タービンエンジン用の第1のタービン整列部品88と、金属発泡体を含むシム90とを備えるシステムが提供される。シム90は、第1のタービン整列部品88の第1の表面と、第2のタービン整列部品88の第2の表面との間に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、タービンエンジンに関し、より具体的には、タービンエンジンの部品の組立て、支持、及び整列に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の応用において、タービンは、設置中に組み付けられるように設計された種々のセクションを含むことができる。各タービンは、「台座部」(「受台」とも呼ばれる)又は排気フレームにより支持されるタービンシェル及びその軸受によって包むことができる。タービンシェルは、アーム又は他の延長部を含むことができ、これらは台座部自体の上に垂直支持体によるなど、支持体によって支持することができる。タービンシェルはまた、地上に取り付けられる脚部により垂直方向に支持することができる。
【0003】
軸受ハウジングは一般に、タービンの軸受を覆って保護する。設置中、軸受ハウジングは、ロータがタービンシェルと同心状にあり、他の部品との干渉を避けるように位置付けられる。排気フレーム上の支持体は、軸受ハウジング上に支持部分を係合し、該軸受ハウジングを垂直方向及び/又は水平方向に整列し支持することができる。排気フレーム及び軸受ハウジング支持部分の支持に応じて、作動中のクリアランスが増大又は減少する場合がある。クリアランスのこれらの変化は、静止部品に対する軸受の位置の不確定性をもたらす可能性があり、こうした部品間の摩擦又は干渉を生じる結果となる場合がある。
【0004】
タービンシェルは一般に、タービンの回転部品を覆い保護する。設置中、タービンシェルは、一般に、部品との干渉を避けるために回転部品と整列される。地上に対する支持体は、タービンシェル上の支持部分と係合し、該タービンシェルを垂直方向及び/又は水平方向に整列し支持することができる。支持部分及び/又は台座部の支持体の熱膨張に起因して、所望のクリアランスを得ることが困難な場合がある。例えば、台座部の支持体及び支持部分の構成に応じて、作動中にクリアランスが増大又は減少する可能性がある。これら変化するクリアランスは、回転部品に対するタービンシェルの位置の不確定性をもたらす可能性があり、最終的にはこうした部品間の摩擦又は干渉を生じる結果となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7414413号明細書
【発明の概要】
【0006】
本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明の幾つかの実施形態について要約する。これらの実施形態は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲を限定するものではなく、本発明の可能な形態を簡単にまとめたものである。実際、本発明は、以下に記載する実施形態と同様のものだけでなく、異なる様々な実施形態を包含する。
【0007】
第1の実施形態では、システムは、タービンシェルを含むタービンエンジンと、タービンエンジンを支持するよう構成され、少なくとも第1及び第2の突出部によって画成されるキー溝を含む支持組立体と、タービンシェルから延在して、キー溝と嵌合するよう構成されたジブと、ジブと第1の突出部との間に配置され、金属発泡体を含む第1のシムとを含む。
【0008】
第2の実施形態では、システムは、タービンエンジン用の第1のタービン整列部品と、金属発泡体を含むシムとを備え、シムは、第1のタービン整列部品の第1の表面と、第2のタービン整列部品の第2の表面との間に取り付けられる。
【0009】
第3の実施形態では、システムは、底部、第1の側部、及び該第1の側部と反対側の第2の側部を有するキー溝と、該キー溝に挿入されて、タービンエンジンのタービンシェルの横方向整列を提供するよう構成されたキーとを含む、タービンエンジン用の支持特徴部と、キーと第1の側部との間でキー溝内に配置された第1のシムと、キーと第2の側部との間でキー溝内に配置された第2のシムと、を備え、第1のシム及び第2のシムが金属発泡体を含む。
【0010】
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点については、図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができるであろう。図面を通して、同様の部材には同様の符号を付した。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ガスタービン、蒸気タービン、及び排熱回収ボイラ(HRSG)システムを有する複合サイクル発電システムの一実施形態の概略流れ図。
【図2】本発明の一実施形態に係るタービン台座部とタービンシェルの斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係るタービン支持特徴部の概略正面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る金属発泡体の応力/歪み曲線のグラフ。
【図5】本発明の一実施形態に係る図3のタービン支持特徴部のキー溝突出部の斜視図。
【図6】本発明の一実施形態に係る図3のタービン支持特徴部のキー溝突出部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の1以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するため、現実の実施に際してのあらゆる特徴について本明細書に記載しないこともある。実施化に向けての開発に際して、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトの場合と同様に、実施毎に異なる開発者の特定の目標(システム及び業務に関連した制約に従うことなど)を達成すべく、実施に特有の多くの決定を行う必要があることは明らかであろう。さらに、かかる開発努力は複雑で時間を要することもあるが、本明細書の開示内容に接した当業者にとっては日常的な設計、組立及び製造にすぎないことも明らかである。
【0013】
本発明の様々な実施形態の構成要素について紹介する際、単数形で記載したものは、その構成要素が1以上存在することを意味する。「含む」、「備える」及び「有する」という用語は内包的なものであり、記載した構成要素以外の追加の要素が存在していてもよいことを意味する。
【0014】
本発明の実施形態は、タービン支持体(例えば、台座部)上に支持される蒸気又はガスタービンのタービン部品(例えば、タービンシェル)を整列させるためのコンプライアントシム(例えば、金属発泡シム)を含む。金属発泡シムは、タービン部品のキー溝とタービン支持体のジブとの間のシムとして設置することができる。作動中、金属発泡シムは、高温のタービン部品の熱膨張に応答して圧縮し、キー溝とジブとの間に所望のクリアランスが残存するのを確保することができる。一部の実施形態では、摩耗パッド(例えば、ステライト摩耗パッド)を金属発泡シムとキー溝との間に設け、ジブ及び/又はキー溝により作用される何らかの剪断荷重を支持することができる。幾つかの実施形態では、金属発泡シムの厚み、相対密度、及び材料は、金属発泡シムが望ましい線形弾性及び長寿命を確実にもたらすよう選ぶことができる。
【0015】
図1は、ガスタービン12、蒸気タービン22、及び排熱回収ボイラ(HRSG)システム32を有する複合サイクル発電システム10の一実施形態の概略流れ図である。システム10は、1以上の支持特徴部を利用して、ガスタービン12、蒸気タービン22、及び排熱回収ボイラ(HRSG)システム32における種々の部品を整列させることができる。以下で検討するように、支持特徴部は、高温のタービン部品の熱膨張にもかかわらず好適なクリアランスを維持するために1以上のコンプライアントシム(例えば、金属発泡シム)を含む。
【0016】
システム10は、第1の負荷14を駆動するガスタービン12を含むことができる。第1の負荷14は、例えば、電力を生成するための発電機とすることができる。ガスタービン12は、タービン16、燃焼器又は燃焼室18、及び圧縮機20を含むことができる。システム10はまた、第2の負荷24を駆動するための蒸気タービン22を含むことができる。第2の負荷24はまた、電力を生成するための発電機とすることができる。しかしながら、第1及び第2の負荷14、24は共に、ガスタービン12及び蒸気タービン22により駆動できる他のタイプの負荷であってもよい。加えて、ガスタービン12及び蒸気タービン22は、図示の実施形態で示すように、別個の負荷14及び16を駆動できるが、縦一列の形態で利用して単一のシャフトを介して単一負荷を駆動してもよい。図示の実施形態では、蒸気タービン22は、1つの低圧セクション26(LP ST)、1つの中圧セクション28(IP ST)、及び1つの高圧セクション30(HP ST)を含むことができる。しかしながら、蒸気タービン22並びにガスタービン12の特定の構成は、実装時固有とすることができ、セクションのあらゆる組み合わせを含むことができる。
【0017】
蒸気タービン22の各セクション、例えば低圧セクション26、中圧セクション28、及び高圧セクション30は、一般に、中間台座部29(例えば、受台)により支持され分離することができる。同様に、末端台座部31(例えば、受台)は、一般に、高圧セクション30及び低圧セクション26の端部を支持することができる。台座部29、31は、タービン22の軸線に沿って配置することができ、支持体、ピックアップ、及びタービンセクション26、28、30間の配管のような種々の部品を含むことができる。以下で詳細に説明するように、台座部29、31はまた、ジブ及びキー溝の係合を介してセクション26、28、30のタービンシェルの横方向(すなわち、水平方向)の整列を提供することができる。ジブ及びキー溝間の係合は、本明細書で説明される金属発泡シムの使用により調整することができる。ガスタービン12はまた、1以上のセクション及び台座部の同様の配置を含むことができ、更に、以下で検討するように横方向の整列のためにジブ、キー溝、及び金属発泡シムを利用することができる点は理解されたい。
【0018】
システム10はまた、多段HRSG32を含むことができる。図示の実施形態におけるHRSG32の部品は、HRSG32の簡易的表現であり、限定を意図するものではない。むしろ、図示のHRSG32は、このようなHRSGシステムの一般的動作を伝達するために示されている。ガスタービン12からの加熱された排出ガス34は、HRSG32に移送され、これを用いて蒸気タービン22に動力を伝達するのに使用される蒸気を加熱することができる。蒸気タービン22の低圧セクション26からの排出ガスは、復水器36に送ることができる。復水器36からの凝縮物は、凝縮ポンプ38を用いてHRSG32の低圧セクションに送ることができる。
【0019】
次いで、凝縮物は、低圧エコノマイザ40(LPECON)を通って流れることができ、エコノマイザは、凝縮物を加熱するのに用いることができるガスを用いて給水を加熱するよう構成された装置である。低圧エコノマイザ40からの凝縮物の一部は、低圧蒸発器42(LPEVAP)に送ることができ、凝縮物の残りは、中圧エコノマイザ44(IPECON)に向けてポンプ送給することができる。低圧蒸発器42からの蒸気は、蒸気タービン22の低圧セクション26に戻すことができる。同様に、中圧エコノマイザ44からの凝縮物の一部は、中圧蒸発器46(IPEVAP)に送ることができ、凝縮物の残りは、高圧エコノマイザ48(HPECON)に向けてポンプ送給することができる。中圧蒸発器46からの蒸気は、蒸気タービン22の中圧セクション28に送ることができる。この場合も同様に、図示の実施形態は単に、本発明の実施形態の固有の態様を利用できるHRSGシステムの一般的動作の例証に過ぎないので、エコノマイザ、蒸発器、及び蒸気タービン22間の接続は、実装毎に異なる可能性がある。
【0020】
最後に、高圧エコノマイザ48からの凝縮物は、高圧エバポレータ50(HPEVAP)に送ることができる。高圧エバポレータ50から流出する蒸気は、1次高圧過熱器52及び最終高圧過熱器54に送ることができ、ここで蒸気が過熱され、最終的には蒸気タービン22の高圧セクション30に送られる。蒸気タービン22の高圧セクション30からの排出ガスは、蒸気タービン22の中圧セクション28に送ることができる。中圧セクション28からの排出ガスは、蒸気タービン22の低圧セクション26に送ることができる。
【0021】
段間アテンポレータ56は、1次高圧過熱器52と最終高圧過熱器54との間に配置することができる。段間アテンポレータ56は、最終高圧過熱器54からの蒸気の排出温度のより堅牢な制御を可能にすることができる。具体的には、段間アテンポレータ56は、最終高圧過熱器54から流出する蒸気の排出温度が所定値を超えるときは常に、最終高圧過熱器54の上流側の過熱蒸気に低温給水スプレーを注入することにより、最終高圧過熱器54から流出する蒸気の温度を制御するよう構成することができる。
【0022】
加えて、蒸気タービン22の高圧セクション30からの排出ガスは、1次再熱器58及び2次再熱器60に送ることができ、ここで排出ガスを再熱した後、蒸気タービン22の中圧セクション28に送ることができる。1次再熱器58及び2次再熱器60はまた、再熱器からの排出蒸気温度を制御するための段間アテンポレータ62と関連付けることができる。具体的には、段間アテンポレータ62は、2次再熱器60から出る蒸気の排出温度が所定値を超えるときは常に、2次再熱器60の上流側の過熱蒸気に低温の給水スプレーを注入することにより、2次再熱器60から出る蒸気の温度を制御するよう構成することができる。
【0023】
システム10のような複合サイクルシステムにおいて、高温ガス34は、ガスタービン12からHRSG32を通って流れることができ、これを用いて高圧高温蒸気を生成することができる。次いで、HRSG32により生成される蒸気は、発電のため蒸気タービンを通過することができる。加えて、生成された蒸気はまた、過熱蒸気を用いることができる他の何れかのプロセスに供給することができる。ガスタービン12サイクルは、「トッピングサイクル」と呼ばれることが多く、蒸気タービン22発生サイクルは、「ボトミングサイクル」と呼ばれることが多い。図1に示すようにこれら2つのサイクルを組み合わせることによって、複合サイクル発電システム10は両方のサイクルにおいてより高い効率をもたらすことができる。詳細には、トッピングサイクルからの排熱を取り込み、これを用いてボトミングサイクルで使用するための蒸気を発生させることができる。
【0024】
図2は、例えば、低圧セクション26、中圧セクション28、及び高圧セクション30のシェルなど、タービンシェル72を支持するタービン台座部70(例えば、中間台座部29及び末端台座部31)の斜視図である。台座部70は、上側半部分74と下側半部分76とを含むことができ、タービンシェル72は、上側半部分タービンシェル78又は下側半部分タービンシェル80を含むことができる。タービンシェル72は、一般に、矢印79で示された領域におけるなど、台座部70上に配置された支持フレームにより支持され整列することができる。支持特徴部は、ジブとキー溝との係合及び1以上の金属発泡シムの調整を通じて、矢印81で示される方向など、x軸に沿ってタービンシェル72を横方向に整列させて支持することができる。上述のように、ガスタービン12はまた、支持特徴部を用いて、同様にして台座部とガスタービンの1つ又は複数のシェルを横方向に整列させることができる。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態に係るタービン支持特徴部82の概略図である。図3に示すように、タービン支持特徴部82は、台座部70上にキー溝84と、タービンシェル下側半部分80から延在する突出部(例えば、ジブ(「キー」とも呼ばれる))とを含むことができる。キー溝84は、台座部70から延在する突出部88によって画成することができる。突出部88間のスペース83は、キー溝84を画成することができる。一部の実施形態では、突出部は、台座部70から機械加工され、又は台座部70上に溶接され、或いは、何らかの好適な技法により製造することができる。ジブ86は、キー溝84と嵌合し、x軸に沿ってタービンシェル72の整列及び支持を提供するよう構成される。
【0026】
キー溝84とジブ86との間のクリアランスは、例えば、タービンセクションが作動状態ではなく且つ作動温度未満であるときなど、「低温」条件中に設定することができる。例えば、キー溝84及びジブ86の突出部間に幾らかのクリアランスを設けて、ジブ86に対する損傷を防ぐことができる。作動中、タービンセクション及びタービンシェル72が加熱すると、ジブ86はキー溝84内部で熱的に膨張することができる。ジブ86とキー溝84との間の所望の取り付けを確保するために、ジブ86と、キー溝84を画成する各突出部との間に1以上のコンプライアントシム(例えば、金属発泡シム90)を配置することができる。例えば、図3に示すように、第1の金属発泡シム90Aは、ジブ86の一方側と突出部88との間に挿入することができ、第2の金属発泡シム90Bは、ジブ86の他方側と突出部88との間に挿入することができる。タービンシェル72が加熱し、ジブ86がキー溝84内で大きくなると、金属発泡シム90は加圧され、ジブ86とキー溝84の側部との間のクリアランスを維持することができる。
【0027】
以下で更に説明するように、金属発泡シム90は、FeCrAlY発泡体、ステンレス発泡体、銅発泡体、インコネル発泡体、ニッケル発泡体、アルミニウム発泡体、又は何らかの好適な発泡体を含むことができ、金属発泡体の厚み、相対密度、及び材料は、膨張するジブ86により作用される力に応答して、金属発泡体が線形弾性を確実に維持するよう選択することができる。更に、金属発泡シム90は、ジブ86の熱膨張中にジブ86及び/又はキー溝に対する損傷を阻止するのに十分にコンプライアントであり、更に、ジブ86とキー溝84との間の所望の横方向整列を維持し、すなわちタービンシェル72の整列を維持するのに十分な剛性を保持することができる。有利には、金属発泡体により、低温時の支持特徴部の調整を可能にし、組立をより容易にすることができる。加えて、支持特徴部における金属発泡シム90は、何れかの低温又は高温の横方向位置の不確実性を排除又は最小限にし、タービンの静止及び回転部品間のより緊密なクリアランスを得ることができる。
【0028】
上述のように、金属発泡体は、所望の降伏強さ又はヤング係数を有する金属発泡体を選択することなどにより、所望の線形弾性を提供するよう選択することができる。理解されるように、降伏強さ又はヤング係数の両方は、相対密度の関数とすることができる。図4は、例えば、15%相対密度を有するFeCrAlY金属発泡体など、例示的な金属発泡体についての強度/歪み曲線94を描いている。図4に示すように、y軸は、x軸上の所与の歪み(in/in)に対する金属発泡体の応力(lbf/in2)に相当する。線形領域96は、線形弾性を示すFeCrAlY金属発泡体の応力/歪み曲線の該当部分に相当する。例えば、図4に描く線形領域では、FeCrAlY金属発泡体のヤング係数は約61259psiとすることができる。他の領域は、歪みに対して金属発泡体の応力が変化しない安定領域98と、歪みに対して金属発泡体の密度が増大し、応力が急激に増大する高密度領域99とを含むことができる。
【0029】
従って、上述の方法でシムとして使用するために金属発泡体を選択する場合、金属発泡体は、タービンの作動中又はタービンシェル70の膨張中に金属発泡体シムに誘起されると予想される歪みまでの線形弾性を確実に提供するよう選択することができる。上述のように、金属発泡体は、FeCrAlY発泡体、ステンレス発泡体、銅発泡体、インコネル発泡体、ニッケル発泡体、アルミニウム発泡体、又は何らかの好適な発泡体を含むことができる。更に、金属発泡体は、連続気泡金属発泡体又は独立気泡金属発泡体を含むことができる。加えて、使用される金属発泡体は、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、又はそれ以上など、約5%よりも大きな相対密度を有することができる。
【0030】
例えば、図3において上述したジブ86及びキー溝84を参照すると、幅が約6インチ、高さが約8インチ、長さが約20インチのジブ86において、600°F及び300°Fの定常状態ジブ温度では、15%相対密度FeCrAlY金属発泡体で発生する応力は約860psiであり、図4に描いた線形弾性領域96内にある。加えて、このような実施形態では、金属発泡体上に発生する全横力は137,600lbfである。
【0031】
一部の実施形態では、金属発泡シム90は、追加の部品と共に用いることができる。図5は、摩耗パッド100及び留めプレート102を有するキー溝突出部88の一実施形態の斜視図を描いており、図6は、留めプレート102無しのキー溝突出部88の斜視図を描いている。図5に示すように、摩耗パッド100は、矢印104で示され、キー溝突出部88上のジブ86により作用される剪断荷重の一部又は全てを吸収することができる。図6に示すように、摩耗パッド100は、金属発泡シム90とジブ86との間に配置することができる。一部の実施形態では、摩耗パッド100は、ステライト、スチール、又は他の何れかの好適な材料、或いはこれらの組み合わせとすることができる。留めプレート102を用いて、キー溝突出部88と整列した状態で金属発泡シム90及び摩耗パッド100を保持することができる。例えば、留めプレート102は、矢印104で示される方向でパッド上に作用する何らかの剪断荷重に抗して摩耗パッド100を保持することができる。同様に図5及び6に示されるように、摩耗パッド100は、釘、スクリュー、ボルト、リベット、又は他の何れかの好適なファスナーなど、1以上のファスナー106により金属発泡シム90に機械的に固定することができる。他の実施形態では、摩耗パッド100は、ろう付け、溶接、接着、又は他の何れかの好適なプロセスにより金属発泡シム90に接合することができる。従って、一部の実施形態では、摩耗パッド100及び金属発泡シム90は、共に接合されて単一の部品を形成することができ、他の実施形態では、摩耗パッド100は金属発泡シム90とは別個の部品であってもよい。他の実施形態では、摩耗パッド100を省くことができ、金属発泡シム90は、ジブ86とキー溝突出部88との間に配置される唯一の部品であってもよい。同様に、留めプレート102は、釘、スクリュー、又は他の何れかの好適なファスナーなど、1以上のファスナー108によりキー溝突出部88に機械的に固定することができる。図6に同様に示すように、突出部88は、該突出部88の特別な区域にシム90を位置付け/受け入れるよう構成された凹部110を含むことができる。この凹部110は、突出部88の内側表面の1以上の窪み或いは延長部によって画成することができる。一部の実施形態では、キー溝84を画成する1以上の突出部88は、凹部を含むことができる。
【0032】
他の実施形態では、キー溝はタービンシェル72上に位置付けることができ、ジブ86はタービン台座部上に位置付けることができる点は理解されたい。このような実施形態では、金属発泡シム90を用いて、上述のようにしてジブとキー溝との間に所望のクリアランスを提供することができる。更に、上述のようなコンプライアントシム(例えば、金属発泡シム)は、例えば、第1及び第2の整列特徴部、雄及び雌整列特徴部、その他を有する他の支持特徴部において用いることができる点は理解されたい。
【0033】
本明細書では、本発明を最良の形態を含めて開示するとともに、装置又はシステムの製造・使用及び方法の実施を始め、本発明を当業者が実施できるようにするため、例を用いて説明してきた。本発明の特許性を有する範囲は、特許請求の範囲によって規定され、当業者に自明な他の例も包含する。かかる他の例は、特許請求の範囲の文言上の差のない構成要素を有しているか、或いは特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を有していれば、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0034】
10 発電システム
12 ガスタービン
22 蒸気タービン
32 HRSGシステム
14 第1の負荷
16 タービン
18 燃焼室
20 圧縮機
24 第2の負荷
26 低圧セクション
28 中圧セクション
30 高圧セクション
29 中間台座部
31 末端台座部
34 加熱排出ガス
36 復水器
38 凝縮ポンプ
40 低圧エコノマイザ
42 低圧蒸発器
44 中圧エコノマイザ
46 中圧蒸発器
48 高圧エコノマイザ
50 高圧蒸発器
52 高圧過熱器
54 高圧過熱器
56 段間アテンポレータ
58 1次再熱器
60 2次再熱器
62 段間アテンポレータ
70 タービン台座部
72 タービンシェル
74 上側半部分
76 下側半部分
78 上側半部分タービンシェル
80 下側半部分タービンシェル
79 矢印
81 矢印
82 タービン支持特徴部
83 スペース
84 キー溝
86 ジブ
88 突出部
90 金属発泡体シム
94 応力/歪み曲線
96 線形領域
98 安定領域
99 高密度領域
100 摩耗パッド
102 留めプレート
104 矢印
106 ファスナー
108 ファスナー
110 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンシェル(72)を含むタービンエンジン(12)と、
前記タービンエンジン(12)を支持するよう構成され、少なくとも第1及び第2の突出部(88)によって画成されるキー溝(84)を含む支持組立体(70)と、
前記タービンシェル(72)から延在して、前記キー溝(84)と嵌合するよう構成されたジブ(86)と、
前記ジブ(86)と第1の突出部(88)との間に配置され、金属発泡体を含む第1のシム(90A)と
を備えるシステム(10)。
【請求項2】
前記金属発泡体が、FeCrAlY、ステンレス鋼、銅、インコネル、ニッケル、又はアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記金属発泡体が、少なくとも約5%以上の相対密度を有する、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記支持組立体(70)が、前記タービンシェル(72)の横方向移動を低減又は阻止する、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記ジブ(86)と第2の突出部(88)との間に配置され、金属発泡体を含む第2のシム(90B)を備える、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記支持組立体(70)が、前記タービンエンジン(12)のタービン段(26、28、30)の末端部分にて軸受、潤滑システム、及びロータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
底部、第1の側部、及び該第1の側部と反対側の第2の側部を有するキー溝(84)と、該キー溝(84)に挿入されて、タービンエンジン(12)のタービンシェル(72)の横方向整列を提供するよう構成されたキー(86)とを含む、前記タービンエンジン(12)用の支持特徴部(82)と、
前記キー(86)と第1の側部との間で前記キー溝(84)内に配置された第1のシム(90A)と、
前記キー(86)と第2の側部との間で前記キー溝(84)内に配置された第2のシム(90B)と
を備えるシステム(10)であって、第1のシム(90A)及び第2のシム(90B)が金属発泡体を含む、システム(10)。
【請求項8】
第1の側部が、第1のシム(90A)を受けるように構成された第1の凹部(110)を含み、第2の側部が、第2のシム(90B)を受けるように構成された第2の凹部(110)を含む、請求項7記載のシステム。
【請求項9】
第1の凹部(110)に第1のシム(90A)を保持するよう構成された第1の留めプレート(102)と、第2の凹部(110)に第2のシム(90B)を保持するよう構成された第2の留めプレート(102)とを備える、請求項8記載のシステム。
【請求項10】
第1のシム(90A)と前記キー(86)との間に配置された第1の摩耗パッド(100)と、第2のシム(90B)と前記キー(86)との間に配置された第2の摩耗パッド(100)とを備える、請求項8記載のシステム。
【請求項11】
第1の摩耗パッド(100)及び第2の摩耗パッド(100)が、前記キー溝(84)において前記キー(86)により作用される剪断力を受けるよう構成される、請求項8記載のシステム。
【請求項12】
第1の摩耗パッド(100)が第1のシム(90A)に結合され、第2の摩耗パッド(100)が第2のシム(90B)に結合される、請求項8記載のシステム。
【請求項13】
前記金属発泡体が、FeCrAlY、ステンレス鋼、銅、インコネル、ニッケル、又はアルミニウムを含む、請求項8記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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