説明

タービンロータの補修方法

【課題】補修溶接部の欠陥検査に費やされる時間を軽減することのできるタービンロータの溶接補修方法を提供する。
【解決手段】回転軸が水平に支持されたタービンロータ10をその回転軸を中心に回転させながら肉盛り溶接を行うとともに、肉盛り溶接を行いながら溶接された部位を電磁超音波探触子20により欠陥検査を順次行うタービンロータの補修方法。この場合、溶接欠陥の種類ごとに対応する欠陥モデルを保持しておき、この欠陥モデルと、実際に検出された溶接欠陥に対応する欠陥情報とを比較することで、検出された溶接欠陥の種類を特定し、その特定結果に応じた処理を行うことが好ましい。また、補修溶接部には熱処理が施されるが、肉盛り溶接の工程からこの熱処理の工程まで、電磁超音波探傷法による検査を継続することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンロータの補修方法に関するものであり、発生した損傷を除去した後に肉盛り溶接を行いながら溶接部分を非破壊検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電プラント、原子力発電プラントは蒸気タービンを用いて発電を行っている。タービンロータを始めとする蒸気タービンの構成部材は腐食されやすい環境に晒されている。タービンロータの翼溝など応力が集中する部分に、応力腐食割れ、腐食疲労等による亀裂が発生する。この亀裂は、運転の継続によって大きくなり、そのまま放置しておくと、ついには翼がタービンロータから外れて他の部位を破壊することになる。したがって、発電プラントでは定期的に検査を行って、タービンロータ各部位の亀裂発生の有無を検査し、その成長状況を定期的に把握するようにしている。
【0003】
発生した亀裂に対して必要に応じて補修を行う。補修では対応できないような場合には、タービンロータを取替えるが、コストを考慮すると取替えに至る前に補修を行うことが望ましい。タービンロータを構成するタービンディスク(以下、本願では便宜上、タービンロータという)の補修は、肉盛り溶接にて行うことが一般的である(例えば、特開2004−181480号公報(特許文献1)、特開2006−51524号公報(特許文献2))。肉盛り溶接によりタービンロータを補修する際には、TIG(TungstenInert Gas)溶接又はサブマージアーク溶接(Submerged arc welding)が採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−181480号公報
【特許文献2】特開2006−51524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タービンロータを肉盛り溶接により補修する際に、その途中及び溶接を全て終えた後に、非破壊検査にて補修溶接部に欠陥が生じていないかを確認する。これまで、この非破壊検査は、磁粉探傷試験(Magnetic particle Testing:MT)、超音波探傷試験(Ultrasonic Testing:UT)にて行なわれている。これらの検査の際には、補修溶接部表面をグラインダにより手入れする等の前処理が必要である。そのため、溶接の途中で欠陥検査を行う場合には、タービンロータの回転を停止して溶接作業を中断する必要がある。そのために、欠陥が発生したとしてもその発見が遅れることで、欠陥を手直しするのに要する時間が長くなることがある。また、溶接作業中には、タービンロータの溶接施工面をバーナに300℃程度に加熱(予熱)するが、欠陥検査の間は、この予熱も中断する必要がある。したがって、欠陥検査のために溶接作業を中断すると、欠陥検査終了後に改めて予熱を行わなければならないが、所定の温度にタービンロータを加熱するためには相当の時間が必要である。肉盛り溶接を全て終えたあとに欠陥検査を改めて行うと、さらに時間が費やされる。
以上のように、補修溶接部の欠陥検査がタービンロータの補修に占める時間は決して小さくない。本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、補修溶接部の欠陥検査に費やされる時間を軽減することのできるタービンロータの溶接補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、タービンロータに肉盛溶接を行っている最中に溶接欠陥を検出できる検査法について検討したところ、検査対象に対して非接触な探傷法を適用できることを確認し、以下のタービンロータの補修方法に至った。すなわち本発明のタービンロータの補修方法は、回転軸が水平に支持されたタービンロータをその回転軸を中心に回転させながら肉盛り溶接を行うものであり、肉盛り溶接を行いながら、溶接された部位をタービンロータに対して非接触な探傷法により順次検査する、ことを特徴とする。
本発明のタービンロータの補修方法は、肉盛り溶接を行いながら欠陥検査を行うことができるので、溶接を中断する必要がない。したがって、中断に伴う直接的な時間の経過はもちろん、予熱の中断、再加熱のための時間を費やす必要がないので、タービンロータの補修に要する時間を軽減できる。また、本発明によると、迅速に溶接欠陥を検出できるので、欠陥の手直しに必要な時間をも軽減できる。
本発明における非接触探傷法としては、電磁超音波探傷法が好ましい。
【0007】
本発明のタービンロータの補修方法においては、溶接欠陥の種類ごとに対応する欠陥モデルを保持しておき、この欠陥モデルと、実際に検出された溶接欠陥に関する欠陥情報とを比較することで、検出された溶接欠陥の種類を特定し、その特定結果に応じた処理を行うことが好ましい。特定結果に応じた処理としては、少なくとも、溶接自体を停止する、及び、溶接条件を変更する、の二つが掲げられる。すなわち、手直しが必要な溶接欠陥の場合には溶接自体を停止し、手直しまでは必要がない場合には溶接条件を変更する。
【0008】
肉盛り溶接が終わった後に、補修溶接部には熱処理が施される。熱処理を行うことで欠陥が顕在化することもあるので、本発明はこの熱処理が完了するまで電磁超音波探傷法等の非接触な探傷法による欠陥の検査を継続することが好ましい。
この場合、タービンロータに肉盛り溶接による補修を行ったのと同じ状態で熱処理を施すようにすれば、補修溶接の際に用いた探傷装置をそのまま用いることができるので、作業効率を向上できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、肉盛り溶接を行いながら電磁超音波探傷法により溶接欠陥を検出できるので、タービンロータの補修に要する時間を軽減できるとともに、迅速に溶接欠陥を検出できるので欠陥の手直しに要する時間をも軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るタービンロータの補修溶接方法の主要工程を説明する図である。
【図2】本実施の形態における肉盛り溶接方法を示す正面図である。
【図3】電磁超音波探傷法の原理を説明する図である。
【図4】電磁超音波探傷装置の基本構成の一例を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態により欠陥を検出したときの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】直後熱の際に電磁超音波探傷法により欠陥を検出する様子を示す図である。
【図7】溶接後の熱処理の際に電磁超音波探傷法により欠陥を検出する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
はじめに、タービンロータ10を肉盛り溶接により補修する主要な工程を図1に基づいて説明する。
タービンロータ10の翼溝12に亀裂Cが入り損傷していることを定期的な検査で発見したものとする(図1(a))。
そうすると、亀裂Cが入っていない翼溝12の部分も含めて、タービンロータ10の外周から亀裂Cを除去できる深さまでを削り取ることで、損傷のないタービンロータ10を得る(図1(b))。なお、このタービンロータ10は、当初よりも径が縮小されている。
次に、損傷が除かれたタービンロータ10の外周に肉盛り溶接による補修溶接部13を設ける(図1(c))。前述したように、肉盛り溶接は、タービンロータ10を例えば図2に示すようにバーナ14により所定温度に加熱しながら行われる。
必要な肉盛り溶接が完了すると、特に補修溶接部13の組織を調整して必要な機械的特性を得ることを目的とする熱処理を施す。なお、熱処理を行う前に、翼溝12及びその他の部分について粗加工を行うことができる。熱処理が終了すると、翼溝12を含めて仕上げ加工を行うとタービンロータ10の補修は終了する(図1(d))。新たに形成された翼溝12を介して翼をタービンロータ10に取付けることで、タービンロータ10が再生される。
本実施の形態は、肉盛り溶接を行いながら、以下に図2〜図4を参照しながら説明するように、上記工程の中で、肉盛り溶接をする工程に特徴を有している。
【0012】
本実施の形態による肉盛り溶接装置50は、回転軸が水平に支持されたタービンロータ10をその回転軸(図示省略)を中心に回転させながら、溶接トーチ30により肉盛り溶接を行う。肉盛り溶接は、前述したように、TIG溶接又はサブマージアーク溶接を適用できる。本実施の形態は肉盛り溶接を行いながら、電磁超音波探触子20により肉盛り溶接による補修溶接部13の欠陥を検出する。肉盛り溶接装置50は、電磁超音波探触子20の検出結果に基づいて、肉盛り溶接の条件変更、停止を制御するコントローラ40を備えている。コントローラ40には、タービンロータ10の設計に関する情報が記憶されており、補修溶接部13に欠陥が検出されると、その欠陥が検出された位置を特定することができる。電磁超音波探触子20には赤外線式の測距センサ15が設けられており、コントローラ40は、測距センサ15から電磁超音波探触子20とタービンロータ10までの距離情報を取得することで、電磁超音波探触子20からタービンロータ10までの距離が一定に保たれるように制御する。なお、タービンロータ10は回転軸が回転可能に支持されているが、係る支持・回転機構については公知の機構を用いればよいので、ここでの記載を省略している。
【0013】
ここで、電磁超音波探触子20の原理を図3に基づいて説明する。
永久磁石若しくは電磁石よりなる磁石体1に磁束Bが発生したとき、磁石体1と導電性の被検体2との間に設けた送信コイル3に正弦波状の高周波電流Iを流すと、被検体2の表面に渦電流Jが生じ、この渦電流Jと上記磁束Bとの相互作用により、ローレンツ力Fが発生し、このローレンツ力Fを振動源として超音波Sが発生する。そしてこの超音波Sを受信すると、上記とは逆の過程で超音波信号が電信信号に変換される。補修溶接部13を含むタービンロータ10が、被検体2に相当する。
【0014】
この原理を利用した電磁超音波探触子20を有する電磁超音波探傷装置の一例を、図4に示すとおりである。なお、これはあくまで一例であり、本発明を限定するものではない。図4において、磁石体1と送信コイル3と受信コイル4とより電磁超音波探触子20が構成され、受信信号増幅アンプ部21、電磁超音波信号処理部22、正弦波送信用パワーアンプ部23、送信整合回路24、及び受信整合回路25を備えている。
正弦波送信用パワーアンプ部23から送信コイル3に数A〜数十Aの正弦波電流を流す。この場合、送信波形の反射を抑制するために、アンプの出力インピーダンスに負荷インピーダンスを整合させて、反射による振動波形を少なくさせるための送信整合回路24を挿入している。超音波が発生し、対象物から反射して帰ってくる反射超音波信号により、受信コイル4に数μV〜数百μVの微小信号が誘起される。この信号は、送信と同様に受信信号増幅アンプ部21の入力インピーダンスに整合させるための受信整合回路25を介して受信信号増幅アンプ部21により増幅されて、電磁超音波信号処理部22により反射超音波信号が検出、表示される。電磁超音波信号処理部22では、反射の超音波信号の有無により対象物の有無が判り、また反射して帰ってくる反射超音波信号の時間により対象物までの距離(時間×音速/2:往復)が求められる。
【0015】
電磁超音波探触子20に受信される反射超音波エコーの波形は、肉盛り溶接部に欠陥がない場合と、欠陥がある場合で、相違する。また、欠陥の種類により、その波形は相違する。そこで、本実施の形態は、理想的な波形(理想モデル)、欠陥固有の波形(欠陥モデル)を記憶しておく。そして、電磁超音波探触子20より送られてくる波形(欠陥情報)と、記憶されているモデル(理想モデル及び欠陥モデル)とをコントローラ40が比較することで、欠陥の有無、欠陥の種類を認識することができる。本実施の形態における欠陥は線欠陥及びブローホールの二種類であり、コントローラ40には各々に対応する波形が記憶されている。また、ブローホールについては、そのサイズに対応した波形が記憶されている。
【0016】
コントローラ40は、肉盛り溶接装置50の動作を制御するものである。つまり、タービンロータ10の回転動作、溶接トーチ30による肉盛り溶接の動作、電磁超音波探触子20の動作を司る。特に、タービンロータ10を回転させながら、電磁超音波探触子20が溶接トーチ30の周方向に並ぶように、電磁超音波探触子20と溶接トーチ30を同期してタービンロータ10の幅方向に移動するようにコントローラ40により動作が制御されている。また、電磁超音波探触子20と溶接トーチ30は、溶接された補修溶接部13が凝固した直後に電磁超音波探触子20で検知されるように、その間隔が設定される。
以下、図5を参照しながら、コントローラ40による肉盛り溶接装置50の制御の一例を説明する。
【0017】
溶接トーチ30による肉盛り溶接が開始されると、コントローラ40は、電磁超音波探触子20から送られてくる波形と、記憶されている理想モデルとを逐次比較することで、肉盛り溶接部の欠陥の有無を判断する(図5 ステップS101)。欠陥を検出しなければ、この処理を繰り返す。
【0018】
欠陥があるものと判断されると、コントローラ40は、送られた波形と線欠陥に対応する欠陥モデルとを比較することで、当該欠陥が線欠陥に該当するか否かを判断する(図5 ステップS103)。
コントローラ40は、当該欠陥が線欠陥に該当する、と判断すると、タービンロータ10の回転を停止するとともに、溶接トーチ30による溶接を停止することで、肉盛り溶接装置50の運転を停止する(図5 ステップS105)。線欠陥は溶接に対する入熱が多すぎることで生ずるものであり、作業員により手直しをする必要があるので、肉盛り溶接装置50の運転を停止する。なお、コントローラ40には、前述したように、タービンロータ10の設計情報も記憶されているので、コントローラ40は線欠陥が生じた位置を特定し、手直しの便宜に供することができる。
【0019】
当該欠陥が線欠陥に該当しないものとステップS103で判断した場合には、次に、送られた波形とブローホール欠陥に対応する欠陥モデルとを比較することで、当該欠陥がブローホール欠陥に該当するか否かを判断する(図5 ステップS107)。なお、ここで本実施形態は、ブローホール欠陥に該当しないものと判断されると、欠陥はなかったものと判断し、ステップS101に戻ることとしている。
【0020】
ブローホール欠陥が発生したものと判断すると、コントローラ40は、記憶されているタービンロータ10の設計情報を参照することで、ブローホール欠陥が翼溝12の付近に発生したか否か判断する(図5 ステップS109)。これは、タービンロータ10の使用時に翼溝12の付近ほど付加される応力が大きいので、より小さな欠陥を検出する必要があるからである。
【0021】
ブローホール欠陥が翼溝12の付近に発生したものと判断すると、コントローラ40は次に、ブローホール欠陥のサイズ(径)がA(mm)以上であるか否か判断する(図5 ステップS111)。
コントローラ40は、ブローホール欠陥のサイズ(径)がA(mm)以上と判断すると、上記と同様に、作業員により手直しをする必要があるので、肉盛り溶接装置50の運転を停止する(図5 ステップS113)。
コントローラ40は、ブローホール欠陥のサイズ(径)がA(mm)未満と判断すると、TIG溶接の場合には溶接トーチ30に対して供給されるシールドガスの流量を増やす(図5 ステップS115)。ブローホール欠陥は、シールドガスが不足している場合に生ずるからである。この際に増やすシールドガスの量は、例えば従前の量に対して5%などと設定すればよいが、供給される最大流量を超えないように制御することが好ましい。所定量だけシールドガスを増量したならば、ステップS101からの処理が繰り返される。
【0022】
ブローホール欠陥が翼溝12の付近に発生したものではないと判断すると、コントローラ40は次に、ブローホール欠陥のサイズ(径)がB(mm)以上であるか否か判断する(図5 ステップS117)。なお、例えば、BはAの3倍程度の値に設定する。
コントローラ40は、ブローホール欠陥のサイズ(径)がB(mm)以上と判断すると、上記と同様に、作業員により手直しをする必要があるので、肉盛り溶接装置50の運転を停止する(図5 ステップS113)。
コントローラ40は、ブローホール欠陥のサイズ(径)がB(mm)未満と判断すると、上記のステップS115と同様に溶接トーチ30に対して供給されるシールドガスの流量を増やす(図5 ステップS119)。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、電磁超音波探触子20を用いて溶接の欠陥を検出するものであるが、この欠陥の検出は電磁超音波探触子20が被検体であるタービンロータ10に対して非接触で行うことができるため、グラインダによる手入れ等の前処理が不必要であるとともに、肉盛り溶接作業と同時に欠陥の検査が可能である。したがって、溶接作業を中断する必要がないので、タービンロータの補修に要する時間を軽減できるとともに、迅速に溶接欠陥を検出できるので欠陥の手直しに要する時間をも軽減できる。また、電磁超音波探触子20による検出結果をフィードバックすることで、停止も含め自動で溶接条件を調整することができることで、手直しの効率をさらに向上できる。また、電磁超音波探触子20の位置を、溶接トーチ30の動作に同期させることで、欠陥の検出も含めて自動運転が可能となる。
【0024】
タービンロータ10への肉盛り溶接による補修が終了した後、溶接トーチ30をタービンロータ10から退避させた後に、溶接割れ防止のために、例えばバーナ14で所定温度、時間熱し続け、冷却する。この加熱は直後熱と呼ばれる。直後熱を施し、一旦冷却した後に、熱処理を行う。熱処理の前に、肉盛り溶接部を機械加工(粗加工)することができる。熱処理後に、翼溝12も含め、必要な機械加工を行う。
この直後熱及び熱処理を、肉盛り溶接が終了したままの状態で行うことができる。つまり、図6に示すように、直後熱はタービンロータ10を回転させながらバーナ14で加熱すればよい。また、熱処理は、図7に示すように、誘導加熱コイル16をタービンロータ10の肉盛り溶接による補修溶接部13を挟み込むように設け、このコイルに図示しない電源から通電することにより加熱することができる。
このような構成にすることで、溶接補修、直後熱・冷却、及び溶接後熱処理・冷却の溶接補修の一連のプロセスを通して電磁超音波探傷法により欠陥の発生を監視することができるので、欠陥が検出されると迅速に各工程を停止して、手直しをすることができる。また、タービンロータ10を移動することなく熱処理後まで欠陥を検出できるので、作業負担を軽減できる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。例えば、電磁超音波探傷法にかえて、渦流探傷法、空中超音波探傷法、レーザ超音波探傷法等の他の非接触探傷法を本発明に適用することができる。
【符号の説明】
【0025】
10…タービンロータ、12…翼溝、13…補修溶接部
20…電磁超音波探触子、30…溶接トーチ、40…コントローラ、50…肉盛り溶接装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸が水平に支持されたタービンロータをその回転軸を中心に回転させながら肉盛り溶接を行うとともに、
前記肉盛り溶接を行いながら、溶接された部位を前記タービンロータに対して非接触な探傷法により順次検査する、
ことを特徴とするタービンロータの補修方法。
【請求項2】
前記非接触な探傷法は、電磁超音波探傷法である請求項1に記載のタービンロータの補修方法。
【請求項3】
溶接欠陥の種類ごとに対応する欠陥モデルを保持しておき、前記欠陥モデルと、実際に検出された溶接欠陥に関する欠陥情報とを比較することで、検出された前記溶接欠陥の種類を特定する、
請求項1又は2に記載のタービンロータの補修方法。
【請求項4】
前記肉盛り溶接による補修溶接部に熱処理が施されるまで、前記非接触な探傷法による欠陥検査を継続する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のタービンロータの補修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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