説明

ダイエットコーラ飲料

ダイエットコーラ飲料および他の飲料製品並びにその製造方法が開示されている。そのダイエットコーラ飲料は、水と、少なくとも1種類の天然の効力のある非栄養甘味料と、少なくとも1種類の天然の低効力の低カロリー甘味料と、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸、カラメル着色料、およびコーラ香味料を含む。

【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その開示をここに引用する、2007年3月14日に出願された、「ダイエットコーラ飲料」と題する、米国特許出願第11/686335号の同時係属出願の一部継続出願である。
【技術分野】
【0002】
本発明は、飲料および飲料濃縮物などの他の飲料製品に関する。特に、本発明は、非栄養甘味料を含み、飲料における天然成分および代わりの栄養特徴および風味プロファイルの市場の要望を満たすのに適した配合物を有するコーラ飲料および他のコーラ飲料製品に関する。
【背景技術】
【0003】
コーラ風味の炭酸飲料は、数十年に亘り米国および全世界に非常に人気がある。2004年には、米国だけで合計で48億ケース(1ケース当たり8オンス(約240cc)のボトルが24本)のコーラ飲料が消費された。一般に、コーラは、水、二酸化炭素、高果糖コーンシロップ(HFCS)または砂糖、リン酸、カラメル色素、およびコーラ香味料を含有している。例えば、減カロリーやノーカロリーを含む、代わりの栄養特徴を有する飲料が市場で要望されている。ダイエットコーラは、米国および世界中の多くの他の国において、非常に人気のある飲料である。2004年、ダイエットコーラは、米国で消費された全コーラ飲料の37%より多くを占めた。ダイエットコーラは、HFCSまたは砂糖が、少なくとも1種類の人工甘味料、例えば、アスパルテームにより置き換えられたことを除いて、通常の完全なカロリーのコーラと同様の成分を有する。微生物に対する安全性を確実にするために、安息香酸ナトリウムなどの人工保存料を含んでもよい。しかしながら、人工甘味料を使用すると、完全なカロリーの飲料とは異なる品質の甘味を有する飲料ができてしまい、この甘味は、一部の消費者から嫌われている。例えば、特許文献1では、サッカリンまたはステビア抽出物のアスパルテームとのブレンドを含有する炭酸飲料は、砂糖を含有する飲料よりも、それほど官能的に満足する傾向にないと示唆されている。
【0004】
そのため、良好な味覚、口当たりなどを含む、良好な風味プロファイルを有するダイエットコーラ飲料が市場で要望されると認知されている。その上、その配合物が、天然成分を多く使う、すなわち、加工が制限されたかまたはさらに加工が行われない、蒸留された、抽出された、濃縮されたまたは収穫された食物または他の天然に生成する供給源から同様に得られた成分を多く使用した、飲料および飲料濃縮物などの他の飲料製品に、消費者の関心が寄せられている。
【0005】
例えば、ステビア抽出物(ステビオール配糖体、レバウディオサイドAなど)、羅漢果抽出物(ジュース濃縮物、粉末およびモグロサイドVなどの配糖体等を含む)、モナチン、タウマチン、ブラゼイン、モネリンなどの天然に生じる効力のある甘味料の単独または組合せで甘くされたダイエットコーラ飲料が提案されてきた。しかしながら、人工甘味料を上述した天然に生じる効力のある甘味料でそのまま置き換えても、後味(苦味、出だしの遅さ、甘草および長引くことなど)の問題に遭遇し、コーラまたはダイエットコーラに一般に関連する味覚を伴わない飲料ができてしまう。
【0006】
それゆえ、新たな飲料配合物、例えば、代わりの甘味料、酸味料、香味料、調味料などを用いた新たな飲料配合物の開発により、それに付随する苦味および/または他のまずさに対処する課題が生じる。その上、そのような課題は、典型的に、代わりの栄養学的特徴および/または風味プロファイルのために開発された新たな飲料配合物において示される。栄養、風味、賞味期限、および他の目的を含む目的の組合せを満足に満たすことのできる新たな飲料配合物が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4956191号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、飲料および他の飲料製品を提供することにある。本発明の少なくともある実施の形態の課題(すなわち、必ずしも本発明の全ての実施の形態ではない)は、望ましい味覚特性を有する飲料および他の飲料製品を提供することにある。本発明の少なくともある(すなわち、必ずしも全てではない)実施の形態の課題は、改善された配合物を有する飲料および他の飲料製品を提供することにある。本発明および本発明の特定の実施の形態のこれらと他の目的、特徴および利点は、以下の開示および例示の実施の形態の説明から当業者には明らかであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、水;天然の効力のある非栄養甘味料;天然の低効力の低カロリー甘味料;乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸の内の少なくとも1つを含む酸味料;カラメル着色料;およびコーラ香味料を含む、ダイエットコーラ飲料または飲料濃縮物などのダイエットコーラ飲料製品または他の製品が提供される。「甘味料」という記載は、文脈から明らかではない限り、甘味料成分または多数の甘味料成分の組合せを意味することが意図されているのが理解されよう。
【0010】
別の態様によれば、ダイエットコーラ飲料製品を調製する方法であって、水を、必要に応じて、その全てまたはいくつかが任意の組合せで予備混合された他の成分と混合する工程を有してなり、これら他の成分が、天然の効力のある非栄養甘味料;天然の低効力の低カロリー甘味料;乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸の内の少なくとも1つを含む酸味料;カラメル着色料;およびコーラ香味料を含むものである方法が提供される。
【0011】
別の態様によれば、水;少なくとも1種類の天然の効力のある非栄養甘味料;少なくとも1種類の天然の低効力の低カロリー甘味料;乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸の内の少なくとも1つを含む酸味料;およびコーラ香味料を含む、透明なダイエットコーラ飲料が提供される。ここに用いたように、実質的に透明とは、その飲料が濁度を実質的に有さず、実質的に無色であることを意味する。
【0012】
本発明の少なくともある実施の形態は、望ましい風味プロファイル、栄養学的特徴などを提供するのに適した改善されたまたは代わりの配合物を有することが、ここに開示される飲料および他の飲料製品の特定の例示の実施の形態に関する以下の説明の恩恵を受けた当業者によって認識されるであろう。本発明のまたは本発明の特定の実施の形態のこれらと他の態様、特徴および利点は、例示の実施の形態の以下の説明から、当業者によってさらに理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この開示による飲料および他の飲料製品は、様々な異なる特定の配合物または構成要素のいずれを有していてもよいことが理解されよう。この開示による飲料製品の配合物は、製品の意図する市場区分、その望ましい栄養学的特徴、風味プロファイルなどの要因に応じて、ある程度変動しても差し支えない。例えば、一般に、以下に記載する飲料配合物のいずれかを含む特定の飲料の実施の形態の配合物にさらに別の成分を加えることも1つの選択肢であろう。追加の(すなわち、さらに別のおよび/または他の)甘味料を加えてもよく、味覚、口当たり、栄養学的特徴などを変えるために、一般に、香味料、電解質、ビタミン類、フルーツジュースまたは他のフルーツ製品、味物質、マスキング剤など、調味料、および/または炭酸化剤を、任意のそのような配合物に加えても差し支えない。一般に、この開示による飲料は、典型的に、少なくとも水、甘味料、酸味料およびコーラ香味料を含む。この開示による少なくともある配合物に適しているであろう例示の随意的な追加の香味料としては、柑橘類香味料、スパイス香味料などが挙げられる。二酸化炭素の形態にある炭酸化剤を、発砲のために加えてもよい。所望であれば、他の成分、製造技法、所望の賞味期限などに応じて、保存料を加えても差し支えない。必要に応じて、カフェインを加えても差し支えない。ここに開示されたコーラ風味の炭酸飲料のある例示の実施の形態は、特徴として、炭酸水、甘味料、コーラナッツ抽出物および/または他のコーラ風味料、カラメル着色料、および必要に応じての他の成分を含有する。本発明の飲料はまた、制限するものではなく、ビタミン類、天然の緩衝剤、保存料、塩、増粘剤、および消泡剤を含む他の成分を含有してもよい。追加の代わりの適切な成分は、この開示の恩恵を受ければ、当業者により認識されるであろう。
【0014】
ここに開示された飲料製品としては、飲料、すなわち、ボトルや缶入りの直ぐに飲める(ready to drink)液体配合物、飲料濃縮物などが挙げられる。飲料の例としては、炭酸および非炭酸のソフトドリンク、ドリンクサーバー向け飲料(fountain beverages)、フローズンタイプの直ぐに飲める飲料、液体濃縮物、コーヒー飲料、紅茶飲料、乳飲料、風味の付いた水、強化水、フルーツジュースおよびフルーツジュース風味の飲料、スポーツドリンク、およびアルコール製品が挙げられる。「飲料濃縮物」および「シロップ」という用語は、この開示中で互換的に用いられる。検討された飲料濃縮物の少なくともある例示の実施の形態は、追加の成分がそこに加えられる初期体積の水により調製される。濃縮還元(full strength)飲料組成物は、さらに追加の体積の水を濃縮物に加えることによって、飲料濃縮物から調製できる。典型的に、例えば、濃縮還元飲料は、約1部の濃縮物を約3から約7部の水と混合することによって、濃縮物から調製できる。ある例示の実施の形態において、濃縮還元飲料は、1部の濃縮物を5部の水と混合することによって調製される。ある例示の実施の形態において、濃縮還元飲料を調製するために用いられる追加の水は、炭酸水である。ある他の実施の形態において、濃縮還元飲料は、濃縮物の調製とその後の希釈を必要とせずに、直接調製される。
【0015】
水は、ここに開示された飲料における原料であり、典型的に、残りの成分が溶解される、乳化される、懸濁されるまたは分散されるビヒクルまたは主要液体部分である。ここに開示した飲料のある実施の形態の製造に、純水を用いても差し支えなく、飲料の味覚、香り、または外観に悪影響を与えないように、標準的な飲料品質の水を用いても差し支えない。水は、一般に、透明無色であり、好ましくないミネラル、味覚および香りを含まず、有機物質を含まず、アルカリ度が低く、飲料の製造時に適用できる産業界および政府の基準に基づいて認可される微生物学的品質のものである。ある典型的な実施の形態において、水は、飲料の約80質量%から約99.9質量%のレベルで存在する。少なくもある例示の実施の形態において、ここに開示した飲料および濃縮物内で用いられる水は「処理水」であり、これは、随意的な追加、例えば、米国特許第7052725号明細書に開示されたようなカルシウムの添加の前に、水の総溶解固形物を減少させるために処理された水を称する。処理水を製造する方法は当業者に公知であり、その例としては、中でも、脱イオン、蒸留、濾過および逆浸透(「r−o」)が挙げられる。「処理水」、「純水」、「脱塩水」、「蒸留水」、および「r−o水」という用語は、この議論において概して同義であると理解され、実質的に全てのミネラル含量が除去され、典型的に、約500ppm以下の総溶解固形物、例えば、250ppmの総溶解固形物を含有する水を称する。
【0016】
当業者には、便宜上、飲料製品の配合物に加えられる成分の元の形態を参照することにより、特定の場合におけるある成分がここに記載されると理解されよう。そのような元の形態は、その成分が、完成した飲料製品中に見られる形態と異なるであろう。それゆえ、例えば、この開示による天然のコーラ飲料製品の特定の例示の実施の形態において、ショ糖および液体ショ糖は、一般に、その飲料中に実質的に均質に溶解され、分散される。同様に、固形物、濃縮物(例えば、ジュース濃縮物)などと特定される他の成分は、一般に、その元の形態で残留するというよりむしろ、飲料中、または飲料濃縮物中に均質に分散される。それゆえ、飲料製品配合物のある成分の形態への参照は、飲料製品中のその成分の形態についての限定と捉えるべきではなく、むしろ、製品配合物の単離された構成要素としてその成分を記載する都合の良い手段として捉えるべきである。
【0017】
様々な甘味料が、ここに開示した飲料の配合物に含まれる。甘味料は、消費に適した、飲料に使用するための可食消耗品である。「可食消耗品」により、人または動物の消費のための食品または飲料もしくは食品または飲料のための成分を意味する。ここと請求項に用いられる甘味料または甘味剤は、甘味を飲料に提供する、すなわち、味覚によって甘いと感じられる天然の非栄養または低カロリー飲料成分または添加剤(もしくはそれらの混合物)であることが好ましい。調味料および甘味剤の認識は、要素の相互関係にある程度依存するであろう。風味および甘味は、別々に知覚されるであろう。すなわち、風味と甘味の知覚は、互いに依存するものと依存しないものの両方であろう。例えば、多量の調味料が用いられる場合、少量の甘味剤は容易に知覚できるであろうし、その逆もそうであろう。それゆえ、調味料と甘味剤との間の口の嗅覚の相互作用は、要素の相互関係を含むであろう。
【0018】
ここに用いたように、「味覚」は、甘味の知覚、甘味の知覚の一時的効果、すなわち、開始と持続、まずさ、例えば、苦味と舌を刺すような味、残留知覚(後味)および触覚知覚、例えば、こく(body)と濃度の組合せを称する。ここに用いたように、「効力のある甘味料」は、砂糖の少なくとも2倍甘い甘味料、すなわち、質量基準で、同等の甘味を達成するのに砂糖の質量の半分以下しか必要としない甘味料を意味する。例えば、効力のある甘味料は、砂糖による10ブリックス(Brix)度のレベルまで甘くされた飲料における同等の甘味を達成するために砂糖の質量の半分未満しか必要としないであろう。効力のある甘味料としては、栄養甘味料および非栄養甘味料の両方が挙げられる。その上、効力のある甘味料としては、天然の効力のある甘味料および人工の効力のある甘味料の両方が挙げられる。しかしながら、ここに開示された天然の飲料製品について、天然の効力のある甘味料のみが用いられる。ある効力のある甘味料に関する一般に受け入れられている効能数値としては、例えば、
チクロ 砂糖の30倍の甘さ
ステビオサイド 砂糖の100〜250倍の甘さ
モグロサイドV 砂糖の100〜300倍の甘さ
レバウディオサイドA 砂糖の150〜300倍の甘さ
アセスルファムK 砂糖の200倍の甘さ
アスパルテーム 砂糖の200倍の甘さ
サッカリン 砂糖の300倍の甘さ
ネオヘスペリジンヒドロカルコン 砂糖の300倍の甘さ
スクラロース 砂糖の600倍の甘さ
ネオテーム 砂糖の8,000倍の甘さ
が挙げられる。
【0019】
ここに用いたように、「低効力の」甘味料は、等質量の砂糖より甘くない甘味料である。ここに用いたように、「非栄養甘味料」は、典型的な使用量で著しいカロリー量を提供しないもの、すなわち、砂糖の10ブリックス度と同等の甘味を達成するのに給仕する飲料8オンス(約240cc)当たり5カロリー未満しか与えないものである。ここに用いたように、「減カロリー飲料」は、完全なカロリーの飲料、典型的に、以前に商品化された完全なカロリーの飲料と比較して、給仕する飲料8オンス(約240cc)当たりカロリーが少なくとも25%減少した飲料を意味する。ここに用いたように、「低カロリー」の天然甘味料は、一般に、飲料に甘味を与え、約4.0cal/g未満のカロリー量を有する天然に生じる物質である。ここに用いたように、「低カロリー飲料」は、給仕する飲料8オンス(約240cc)当たり40カロリー未満である。ここに用いたように、「ゼロカロリー」は、例えば、給仕する飲料8オンス(約240cc)当たり5カロリー未満であることを意味する。ここに用いたように、「ダイエット」は、「ゼロカロリー」または「低カロリー」飲料製品を称する。
【0020】
ここに開示された飲料製品の天然コーラの実施の形態は、通常は食品中にあることが予期されない人工または合成のもの(供給源にかかわらず、任意の着色料を含む)を含有しないという点で天然である。したがって、ここに用いたように、「天然」飲料組成物は、以下のガイドラインにしたがって定義される:天然成分の原料は天然に存在するかまたは天然に由来する。発酵および酵素を含む生合成を用いることができるが、化学薬剤による合成は利用しない。人工色、保存料、および香味料は、天然成分とは考えない。成分は、少なくとも物理的プロセス、発酵、および酵素性分解を含むある特定の技法により、処理または精製してもよい。適切なプロセスおよび精製技法は、少なくとも、吸収、吸着、凝集、遠心分離、切刻み、調理(ベーキング、フライ、煮込み、ロースト)、冷却、切断、クロマトグラフィー、コーティング、結晶化、消化、乾燥(噴霧、フリーズドライ、真空)、蒸発、蒸留、電気泳動、乳化、被包、抽出、押出し、濾過、発酵、研削、浸出、浸漬、微生物学的(レンネット、酵素)、混合、皮むき、浸透(percolation)、冷蔵/冷凍、圧搾、前洗い、洗浄、加熱、イオン交換、凍結乾燥、浸透(osmose)、沈殿、塩析、昇華、超音波処理、濃縮、凝集、均質化、再構成、酵素性分解(天然に見つかる酵素を用いた)を含む。加工助剤(清澄剤、触媒、凝集剤、濾過助剤、および結晶化阻害剤などを含む、食品成分の外観または有用性を向上させるための製造助剤として使用される物質と現在定義される。米国食品添加物コードFDR 21CRF1703(o)(24)を参照のこと)が、二次的な添加剤として考えられ、適切に除去されれば使用してもよい。
【0021】
ここに開示された飲料製品の様々な天然に甘くされたダイエットコーラの実施の形態に使用するのに適した甘味料は、天然甘味料を含む。適切な甘味料および甘味料の組合せは、所望の栄養学的特徴、味覚プロファイル、飲料の口当たり、および他の官能要因に関して選択される。少なくともある例示の実施の形態に適した天然甘味料の例としては、エリトリトール、タガトース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、グリシルリジン、マリトール、乳糖、羅漢果(「LHG」)、ステビオール配糖体、レバウディオサイドA、ステビオサイドなどのレバウディオサイド、キシロース、アラビノース、ラクチトール、マルチトール、およびリボース、並びにタウマチン、モネリン、ブラゼイン、およびモナチンなどのタンパク質甘味料が挙げられる。以下にさらに論じるように、ここに開示された飲料製品のいくつかのまたは全ての実施の形態に適した例示の天然の効力のある非栄養甘味料の例としては、ステビア抽出物、ステビオール配糖体、例えば、レバウディオサイドAおよびステビオサイド、羅漢果抽出物、羅漢果粉末、モグロサイドV、モナチン、グリシルリジン、タウマチン、ブラゼイン、モネリン、およびそれらの内の任意のものの混合物が挙げられる。ここに開示された飲料製品のいくつかのまたは全ての実施の形態に適した例示の天然の低効力の低カロリー甘味料としては、エリトリトール、タガトース、およびそれらの混合物が挙げられる。また、ここに開示された飲料製品の少なくともある例示の実施の形態において、甘味および所望の味覚プロファイルおよび栄養的特徴の他の態様を提供するため、すなわち、非常に良好な味覚の天然に甘くされたダイエットコーラ飲料を提供するために、1種類以上の天然の効力のある非栄養甘味料、および1種類以上の天然の低効力の低カロリー甘味料の組合せが用いられる。そのような甘味料のあるものは、ここに開示された飲料の様々な実施の形態において、例えば、問題の飲料におけるその(またはそれらの)甘味の知覚閾値未満の量で用いられたときに、加えてまたは代わりにのいずれかで、味物質、マスキング剤などとして働くことも理解すべきである。非栄養の効力のある甘味料は、典型的に、その甘味力、その飲料を市場に出すべき国の任意の適用される規制対策、飲料の甘味の所望のレベルなどにしたがって、飲料の液量オンス(約30cc)当たり数ミリグラムのレベルで用いられる。この開示の恩恵を受ければ、ここに開示された飲料製品の様々な実施の形態に使用するための適切な追加のまたは代わりの甘味料を選択することは、当業者の能力の範囲内であろう。
【0022】
上述したように、ここに開示された飲料の少なくともある例示の実施の形態は、甘味のために、ステビオール配糖体、例えば、レバウディオサイドとステビオサイドおよび関連化合物を用いる。これらの甘味料は、例えば、ステビア植物からの抽出などによって得ることができる。ステビア(例えば、ステビア・レバウディアナ・ベルトニー)は、甘い味覚の植物である。それらの葉は、天然の甘いジテルペン配糖体の複雑な混合物を含有する。ステビオール配糖体、例えば、レバウディオサイドおよびステビオサイドは、甘味の原因となるステビアの成分である。一般に、これらの化合物は、ステビオサイド(乾燥質量で4〜13%)、ステビオール配糖体(微量)、レバウディオサイドA(2〜4%)、レバウディオサイドB(微量)、レバウディオサイドC(1〜2%)、レバウディオサイドD(微量)およびレバウディオサイドE(微量)を含むレバウディオサイド、並びにズルコサイドA(0.4〜0.7%)を含むことが分かった。以下の非甘味成分も、ステビア植物の葉中に特定された:ラブダン、ジテルペン、トリテルペン、ステロール、フラボノイド、揮発性油成分、顔料、ゴムおよび無機物質。
【0023】
様々な異なる綴りと発音を有し、ここではいくつかの例においてLHGと省略される甘味料の羅漢果は、植物のウリ科、Jollifieae連、Thladianthinae亜連、ラカンカ属の果物から得られる。LHGは、しばしば、S.grosvenorii、S.siamensis、S.silomaradjae、S.sikkimensis、S.africana、S.borneensis、およびS.taiwanianaの属/種から得られる。適切な果物とては、しばしば羅漢果と呼ばれる、属/種S.grosvenoriiの果物が挙げられる。LHGは、トリテルペン配糖体またはモグロサイドを含有し、それらの成分をLHG甘味料として用いてもよい。羅漢果は、天然栄養または天然非栄養甘味料として提供できる効力のある甘味料である。例えば、羅漢果ジュース濃縮物が栄養甘味料であり、羅漢果粉末は非栄養甘味料であろう。羅漢果は、ジュースまたはジュース濃縮物、粉末などとして使用できる。LHGジュースは、少なくとも約0.1%、例えば、約0.1%から約15%のモグロサイド、好ましくはモグロサイドV、モグロサイドIV、(11−オクソ−モグロサイドV)、シアメノサイドおよびそれらの混合物を含有することが好ましい。LHGは、例えば、米国特許第5411755号明細書に論じられているように、製造することができる。他の果物、野菜または植物からの甘味料を、ここに開示した飲料の少なくともある例示の実施の形態において天然のまたは処理された甘味料または甘味増進剤として用いてもよい。
【0024】
ここに開示されたコーラ飲料に用いられる酸は、例えば、飲料の味覚に酸味を与える、美味しさを向上させる、喉の渇きを癒す効果を増大させる、甘味を変える、および穏やかな保存料として働く、を含むいくつかの機能の任意の1つ以上を果たすことができる。適切な酸は、公知であり、この開示の恩恵を受ければ、当業者には明白である。人工化合物であるリン酸が、最初からコーラ配合物に関連していた。リン酸を天然酸で置き換えることが課題である。本出願人等は、ここで、リン酸を、少なくとも1種類のカルボン酸を含む酸味料で置き換えることによって、天然の効力のある甘味料により甘くされたダイエットコーラに関連する苦味および酸っぱい後味が著しく減少することを発見した。ここに開示された天然に甘くされたダイエットコーラ飲料製品のいくつかまたは全ての実施の形態に使用するのに適していることが分かった例示の酸としては、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、アスコルビン酸、グルコン酸、およびこれらの内の任意のものの混合物が挙げられる。意外なことに、天然のクエン酸、酒石酸、および乳酸の混合物を含む酸味料が、天然に甘くされたダイエットコーラ飲料配合物のある例示の実施の形態に、リン酸により酸性化された従来のコーラ飲料にうまく似た味覚を与えることが分かった。クエン酸:酒石酸:乳酸の比は、約20:1:2から約14:1:2までであり得る。飲料中の酸味料の濃度は約2.0から約4.0g/lまでである。酸味料は、完成した飲料の約4.0から約6.0g/lまでの総酸味料濃度で、約6:1から約9:1までの比でクエン酸および酒石酸の混合物を含むことが好ましい。酸味料は、完成した飲料の約4.0から約6.0g/lまでの総酸味料濃度で、約1:9から約9:1までの比でクエン酸およびリンゴ酸の混合物を含むことも好ましい。酸味料は、例えば、溶液形態で、飲料の所望のpHを提供するのに十分な量で用いることができる。典型的に、例えば、酸味料の1種類以上の酸は、使用される酸味料、所望のpH、使用する他の成分などに応じて、合計で、飲料の約0.01質量%から約1.0質量%、例えば、飲料の0.1質量%から0.25質量%などの、飲料の約0.05質量%から約0.5質量%の量で用いられる。ここに開示された飲料の少なくともある例示の実施の形態のpHは、約2.0から約5.0の範囲、例えば、典型的に、約2.0から約3.0までの値であり得る。ある例示の実施の形態における酸は、飲料の風味を向上させる。酸が多すぎると、飲料の風味が損なわれ、酸味や他のまずさが生じることがある一方で、酸が少なすぎると、飲料の味覚があまりしなくなることがある。
【0025】
選択される特定の1種類または複数の酸および使用される量は、一部には、他の成分、飲料製品の所望の賞味期限、並びに飲料のpH、滴定酸度、および風味への影響に依存する。この開示の恩恵を受ければ、当業者には、カルシウムを補給した飲料の調製において、カルシウム塩の存在によりpHが増し、これには、塩の解離を補助すること、および望ましいpHを維持することを補助するために、追加の酸が必要であることが、理解されよう。組成物の滴定酸度を増加させる、飲料組成物中の追加の酸の存在により、得られる飲料に、より酸味のまたは酸っぱい味覚を与えてしまう。ここに開示された飲料製品の任意の特定の実施の形態の酸味料成分について、適切な酸または酸の組合せおよびそのような酸の量を選択することは、この開示の恩恵を受ければ、当業者の能力の範囲内である。
【0026】
コーラ飲料は、典型的に、カラメル着色料に由来する濃褐色を示す。カラメルは、食品グレードの炭水化物の注意深い熱処理から得られる濃褐色の物質であり、したがって、「焼けた砂糖色」としても知られている。カラメルには、追加の反応体の含有またはそれによる処理により分類される4つの部類がある。カラメルIは、反応体が加えられていないそのままのカラメルであり、よって、天然である。カラメルの色を濃くするために、苛性亜硫酸塩および/またはアンモニアなどの人工反応体を加えても差し支えない。カラメルIIは、苛性亜硫酸塩により処理されたカラメルである。カラメルIIIは、アンモニアにより処理されたカラメルである。カラメルIVは、苛性亜硫酸塩およびアンモニアの両方により処理されたカラメルであり、コーラ飲料に濃褐色を与えるために飲料業界で現在用いられている。カラメルの4つの部類の中で、現在唯一カラメルIが、天然のコーラ飲料における着色料として使用することができるが、ここに開示された天然のコーラ飲料の少なくともある例示の実施の形態について、カラメルI自体は、所望のコーラの外観を満たすためには不十分な濃褐色であることのある色しか与えない。カラメルIおよび濃縮リンゴ抽出物を含む天然の着色料が、満足なコーラの外観を与えるのに十分な濃褐色を提供することが分かった。それゆえ、ここに開示されたコーラ飲料のある実施の形態に適した着色料は、カラメルIおよび濃縮リンゴ抽出物を含む。ある例示の実施の形態において、濃縮リンゴ抽出物は、リンゴから抽出された着色化合物および砂糖を含む。そのような濃縮リンゴ抽出物は、約1.2の最少色指数(420nm、d=10mm、0.4%)、約4から約6のpH、および約65から約72のブリックス値を有する濃褐色の粘性液体からなることが好ましい。少なくともある例示の実施の形態において、カラメルIの濃縮リンゴ抽出物に対する質量比は、約1:3から約1:5であり、約1:3.8が好ましい。少なくともある例示の実施の形態において、着色料の総濃度は、飲料の約5.0から約10.0g/lであり、飲料の約6.5g/lが好ましい。この開示の恩恵を受ければ、ここに開示された飲料製品の様々な実施の形態に使用するための適切な追加のまたは代わりの着色料を選択することは、当業者の能力の範囲内である。
【0027】
ここに開示された飲料製品のある例示の実施の形態は、pHを調節するために少量の緩衝剤を含有してもよい。そのような緩衝剤の例としては、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸のナトリウム塩またはカリウム塩が挙げられる。含まれる量は、もちろん、緩衝剤の種類、pHを調節すべき程度に依存する。
【0028】
ここに開示された飲料は、例えば、天然の果物の風味、植物の風味、他の風味などの香味料、およびそれらの混合物を含む追加の成分を必要に応じて含有する。ここに用いたように、「果物の風味」という用語は、一般に、種子植物の食用の生殖部分に由来する風味を称する。甘い果肉が種子に関連するもの、例えば、リンゴ、バナナ、トマト、クランベリーなど、および小さな果肉質ベリー類を有するものの両方が含まれる。ベリーという用語も、凝集果物、すなわち、「本当の」ベリーではなく、通常そのように認められた果物を含むようにここに用いられる。適切な果物またはベリーの供給源の例としては、ベリー全体またはその一部、ベリージュース、ベリージュース濃縮物、ベリーピューレおよびそれらのブレンド、乾燥ベリー粉末、乾燥ベリージュース粉末などが挙げられる。
【0029】
例示の果物の風味としては、柑橘類の風味、例えば、オレンジ、レモン、ライム、タンジェリン、マンダリンオレンジ、タンジェロ、ザボン、およびグレープフルーツ、並びにリンゴ、ブドウ、チェリー、およびパイナップルの風味などの風味、およびそれらの混合物が挙げられる。ある例示の実施の形態において、飲料濃縮物および飲料は、果物の風味成分、例えば、ジュース濃縮物またはジュースを含む。ここに用いたように、「植物の風味」という用語は、果物以外の植物の部分に由来する風味を称する。それゆえ、植物の風味は、エッセンシャルオイルおよびナッツ、樹皮、根および葉の抽出物由来の風味を含んで差し支えない。そのような風味の例としては、コーラの風味、紅茶の風味など、およびそれらの混合物が挙げられる。風味成分はさらに、上述した風味の様々なブレンドを含んで差し支えない。飲料製品および飲料のある例示の実施の形態において、コーラの風味成分または紅茶の風味成分が用いられる。本発明の飲料に風味の特徴を与えるために有用な風味成分の特定の量は、選択される風味、所望の風味の効果、および風味成分の形態に依存する。当業者は、この開示の恩恵を受ければ、所望の風味の効果を達成するのに用いられる任意の特定の風味成分の量を容易に決定することができるであろう。
【0030】
ここに開示した飲料製品の少なくともある例示の実施の形態に使用するのに適した他の香味料の例としては、桂皮、クローヴ、シナモン、コショウ、生姜、バニラスパイス香味料、カルダモン、コリアンダー、ルートビア、サッサフラス、朝鮮人参などが挙げられる。少なくともある例示の実施の形態に使用するのに適した数多くの追加のおよび代わりの香味料が、この開示の恩恵を受ければ、当業者には明白であろう。香味料は、抽出物、含油樹脂、ジュース濃縮物、瓶詰め業者のベース、または当該技術分野において公知の他の形態にあって差し支えない。少なくともある例示の実施の形態において、そのようなスパイスまたは他の風味は、ジュースまたはジュースの組合せの風味を引き立たせる。
【0031】
1種類以上の香味料を乳濁液の形態で使用して差し支えない。香味料乳濁液は、香味料のいくつかまたは全てを、必要に応じて飲料の他の成分と共に、乳化剤と混合することにとよって調製できる。この乳化剤は、香味料を一緒に混合するときにまたはその後に加えてもよい。ある例示の実施の形態において、乳化剤は水溶性である。例示の適した乳化剤としては、アラビアゴム、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース、トラガカント、ガッチゴム(gum ghatti)および他の適切なゴムが挙げられる。追加の適切な乳化剤は、この開示の恩恵を受ければ、飲料配合物の当業者にとって明白であろう。例示の実施の形態における乳化剤は、香味料および乳化剤の混合物の約3%より多くを構成する。ある例示の実施の形態において、乳化剤は、混合物の約5%から約30%である。
【0032】
ここに開示されたコーラ飲料のある例示の実施の形態に発泡を与えるために、二酸化炭素が使用される。飲料に炭酸を含ませるための当該技術分野に公知の技法および炭酸化装置のいずれを用いても差し支えない。二酸化炭素は、飲料の味覚と外観を向上させ、好ましくない細菌を抑制し破壊することによって、飲料の純度を守るのに役立つことができる。ある実施の形態において、例えば、飲料は、約7.0体積の二酸化炭素までのCO2レベルを有する。典型的な実施の形態は、例えば、約0.5から5.0体積の二酸化炭素を有するであろう。ここに用いられるように、1体積の二酸化炭素は、60°F(16℃)および大気圧で、任意の所定の量の水により吸収される二酸化炭素の量として定義される。気体の体積は、その気体を吸収する水が占めるのと同じ空間を占める。二酸化炭素含量は、発泡の所望のレベルおよび飲料の味覚または口当たりへの二酸化炭素の影響に基づいて、当業者によって選択できる。
【0033】
必要に応じて、ここに開示された飲料の様々な実施の形態にカフェインを加えても差し支えない。加えるカフェインの量は、所望の飲料の性質、飲料を市場に出すべき国の任意の適用規制対策などにより決まる。ある例示の実施の形態において、カフェインは、飲料の0.02質量パーセント以下のレベルで含まれる。カフェインは、食品および飲料に使用するのに適用可能な純度のものでなければならない。カフェインが天然起源であることが好ましい。
【0034】
ここに開示された飲料濃縮物および飲料は、必要に応じて、一般に、飲料配合物に典型的に見られるもののいずれをも含む他の追加の成分を含有してもよい。これらの追加の成分は、例えば、典型的に、安定化された飲料濃縮物に加えることができる。そのような追加の成分の例としては、以下に限られないが、カラメルおよび他の着色料または染料、消泡剤、ゴム、乳化剤、茶葉固形物、濁り成分、およびミネラルと非ミネラルの栄養補給物が挙げられる。非ミネラルの栄養補給成分の例は、当業者に知られており、その例としては、ビタミンA、D、E(トコフェロール)、C(アスコルビン酸)、B(チアミン)、B2(リボフラビン)、B6、B12、およびK、ナイアシン、葉酸、ビオチン、並びにそれらの組合せを含む酸化防止剤およびビタミン類が挙げられる。随意的な非ミネラルの栄養補給物は、典型的に、良好な製造慣例の下で一般に許容される量で存在する。例示の量は、RDVが確立されている場合には、約1%から約100%のRDVの間である。ある例示の実施の形態において、非ミネラルの栄養補給成分は、確立されている場合、約5%から約20%のRDVの量で存在する。これらの追加の成分は、天然起源であることが好ましい。
【0035】
ここに開示された飲料の少なくともある実施の形態において、保存料を用いてもよい。すなわち、少なくともある例示の実施の形態は、随意的な溶解した保存料系を含有する。4.0未満のpHの溶液、特に、3.0未満のpHの溶液は、典型的に、「微生物安定性(microstable)」である。すなわち、それらの溶液は、微生物の増殖を阻害し、それゆえ、さらに保存料を必要とせずに、消費前に長期間の貯蔵に適している。ここに開示された飲料のある実施の形態に含まれる酸味料(カルボン酸の混合物を含む)は、2.9未満のpHを有する飲料を提供でき、それゆえ、飲料の微生物安定性を向上させ、よって、安息香酸塩および他の人工保存料を飲料に含ませる必要がない。しかしながら、所望であれば、追加の保存料系を用いても差し支えない。保存料系が用いられる場合、製造中の任意の適切なときに、例えば、ある場合には、甘味料の添加前に、飲料製品の加えて差し支えない。ここに用いたように、「保存料系」または「保存料」という用語は、制限を意図するものではなく、安息香酸ナトリウムまたはカリウム、ソルビン酸塩、例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カルシウムおよびソルビン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、EDTA、ナイシン、桂皮酸、クエン酸塩、例えば、クエン酸ナトリウムとクエン酸カリウムなどの公知の保存料、およびアスコルビン酸などの酸化防止剤を含む、食品および飲料の組成物に認可された全ての適切な保存料を含む。保存料は、適用される法律および規則の下で指定された最大レベルを超えない量で使用できる。使用される保存料のレベルは、典型的に、計画された最終製品のpH、並びに特定の飲料配合物の微生物学的腐敗可能性(spoilage potential)の評価にしたがって、調節される。利用される最大レベルは典型的に、飲料の約0.05質量%である。この開示の恩恵を受ければ、この開示にしたがう飲料に関する適切な保存料または保存料の組合せを選択することは、当業者の能力の範囲内であろう。
【0036】
ここに開示された飲料製品の少なくともある例示の実施の形態に適した飲料保存の他の方法としては、例えば、高温充填およびトンネル滅菌などの、熱処理または熱加工工程が挙げられる。そのような工程は、人工保存料の添加の代わりに、飲料製品における酵母、カビおよび微生物の増殖を減少させるために使用することができる。例えば、ブラウム(Braum)等の米国特許第4830862号明細書には、フルーツジュース飲料の製造における滅菌の使用、並びに炭酸飲料における適切な保存料の使用が開示されている。カスティン(Kastin)の米国特許第4925686号明細書には、安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸カリウムを含有する熱滅菌された冷凍可能なフルーツジュース組成物が開示されている。
【0037】
ここに開示された飲料のある例示の実施の形態において、飲料はゼロカロリー飲料である。ある例示の実施の形態において、飲料は人工甘味料を含有しない。ある例示の実施の形態において、飲料はリン酸を含まない。ある例示の実施の形態において、飲料は安息香酸塩を含有しない。
【実施例】
【0038】
以下の実施例は、本発明の特別な実施の形態であり、本発明を制限することを意図するものではない。別記しない限り、全ての単位はグラムで表されている。
【0039】
実施例1
【表1】

【0040】
対照は、レバウディオサイドAで甘くされたダイエットコーラ配合物である。上述した変形例の各々は、0.5リットルのシロップを得るために十分な水中で激しく撹拌しながら上記成分を溶解することによって調製した。次いで、完成したダイエットコーラ飲料を生成するために、そのシロップを、1プラス5「スロー(throw)」(1部のシロップを5部の炭酸水と混合することを意味する)で炭酸水により希釈した。ガスを抜いた飲料のpHおよび滴定酸度(TA)を測定し、その値が以下の表2に要約されている。
【表2】

【0041】
対照と変形例のダイエットコーラ飲料の各々を、少なくとも6人のコーラの味覚専門家によって評価した。味覚評価の結果が、以下の表3に要約されている。表3から分かるように、甘味料として、レバウディオサイドAおよびエリトリトールを、酸味料として、それぞれ、乳酸、クエン酸および酒石酸の3成分ブレンド、またはクエン酸および酒石酸の2成分ブレンドを含有する、変形例3および6が、非常に良好なコーラの風味と味覚を有すると判定された。
【表3】

【0042】
実施例2
実施例1に開示されたダイエットコーラ飲料の変形例を、安息香酸ナトリウムまたはEDTAを用いずに調製する。クエン酸、酒石酸、および乳酸の量は、完成した飲料の変形例の各々のpHが約2.9未満となるように調製する。シロップを炭酸水で希釈した後、完成した飲料の変形例の各々に、10分間に亘り155°F(約68℃)でのトンネル滅菌を施す。カルボン酸およびトンネル滅菌の組合せにより、人工保存料が必要ないほど十分な微生物安定性を提供すると考えられる。
【0043】
例示の実施の形態の上述した開示および説明の恩恵を受ければ、ここに開示された本発明の一般原則と調和する、様々な代わりの異なる実施の形態が可能であることが当業者には明らかである。当業者には、そのような全ての様々な改変および代わりの実施の形態が、本発明の真の範囲および精神に含まれることが理解されよう。添付の特許請求の範囲は、そのような改変および代わり実施の形態の全てを包含することが意図されている。この開示および以下の特許請求の範囲における単数形の使用は、特定の例において、その用語が、具体的に1つおよび唯一を意味することを意図していることが文脈から明らかではない限り、「少なくとも1つ」を意味する特許における伝統手法に従うことが理解されよう。同様に、「含む」という用語は、制限なしのものであり、追加の項目、特徴、成分などを排除するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 水、
(b) 少なくとも1種類の天然の効力のある非栄養甘味料、
(c) 少なくとも1種類の天然の低効力の低カロリー甘味料、
(d) 乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸の内の少なくとも1つを含む酸味料、
(e) カラメル着色料、および
(f) コーラ香味料、
を有してなるダイエットコーラ飲料製品。
【請求項2】
前記天然の効力のある非栄養甘味料が、ステビア抽出物、レバウディオサイドA、ステビオール配糖体、羅漢果抽出物、羅漢果粉末、モグロサイドV、モナチン、グリシルリジン、タウマチン、ブラゼイン、およびモネリンの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項3】
前記天然の効力のある非栄養甘味料がレバウディオサイドAを含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項4】
前記前記天然の効力のある非栄養甘味料が、エリトリトールおよびタガトースの内の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項5】
前記酸味料がリン酸を含まないことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項6】
前記酸味料がクエン酸および酒石酸を含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項7】
クエン酸対酒石酸の質量比が、約6:1から約9:1までであることを特徴とする請求項6記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項8】
前記酸味料の濃度が、完成した飲料の約4.0g/lから約6.0g/lまでであることを特徴とする請求項6載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項9】
前記酸味料がクエン酸およびリンゴ酸を含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項10】
クエン酸対リンゴ酸の質量比が、約1:9から約9:1までであることを特徴とする請求項9記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項11】
前記酸味料の濃度が、完成した飲料の約2.0g/lから約4.0g/lまでであることを特徴とする請求項9載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項12】
前記酸味料が、クエン酸、酒石酸、および乳酸を含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項13】
クエン酸対酒石酸対乳酸の質量比が、約20:1:2から約14:1:2までであることを特徴とする請求項12記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項14】
前記酸味料の濃度が、完成した飲料の約2.0g/lから約4.0g/lまでであることを特徴とする請求項12載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項15】
乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸のナトリウム塩またはカリウム塩の内の少なくとも1つを含む緩衝剤をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項16】
安息香酸ナトリウムまたはカリウム、ソルビン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、およびEDTAの内の少なくとも1つを含む保存料をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項17】
前記水が炭酸水であることを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項18】
ゼロカロリー飲料製品であることを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項19】
人工甘味料を含有しないことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項20】
リン酸を含有しないことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項21】
安息香酸塩を含有しないことを特徴とする請求項1記載のダイエットコーラ飲料製品。
【請求項22】
ダイエットコーラ飲料を調製する方法であって、
(a) 水、
(b) 少なくとも1種類の天然の効力のある非栄養甘味料、
(c) 少なくとも1種類の天然の低効力の低カロリー甘味料、
(d) 乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸の内の少なくとも1つを含む酸味料、
(e) カラメル着色料、および
(f) コーラ香味料、
を任意の順序で一緒に混合する工程を有してなる方法。
【請求項23】
前記ダイエットコーラ飲料中に炭酸水を含ませる工程をさらに含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記ダイエットコーラ飲料にトンネル滅菌を施す工程をさらに含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
【請求項25】
(a) 水、
(b) 少なくとも1種類の天然の効力のある非栄養甘味料、
(c) 少なくとも1種類の天然の低効力の低カロリー甘味料、
(d) 乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、桂皮酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、およびコハク酸の内の少なくとも1つを含む酸味料、および
(e) コーラ香味料、
を有してなる透明なダイエットコーラ飲料製品。

【公表番号】特表2010−521162(P2010−521162A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553757(P2009−553757)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/056764
【国際公開番号】WO2008/112839
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(509257411)ザ コンセントレイト マニュファクチャリング カンパニー オブ アイルランド (31)
【氏名又は名称原語表記】THE CONCENTRATE MANUFACTURING COMPANY OF IRELAND
【Fターム(参考)】