説明

ダウンロードシステム、拠点サーバ及びプログラム

【課題】電子装置で使用するデータをダウンロードするシステムにおいて、サーバの負荷を軽減し、電子装置の稼働率を向上する。
【解決手段】通信網5に接続され、電子装置3、4で用いるデータをセンターサーバ1からダウンロードして格納する1台以上の拠点サーバ2を備え、データはそれぞれ更新時刻の情報を含む属性情報を有し、拠点サーバ2が格納しているデータの更新時刻と、センターサーバ1に格納されているデータの更新時刻とを比較して、センターサーバ1に新規に登録されたデータを識別し、新規に登録されたデータを選択して、センターサーバ1からダウンロードして格納する。電子装置3、4は、保有するデータの更新時刻と、拠点サーバ2に格納されているデータの更新時刻とを比較して、新規に登録されたデータを識別し、新規に登録されたデータを選択して、拠点サーバ2からダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信網に接続される電子装置で用いられるデータを、サーバから通信網を介してダウンロードするダウンロードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信網に接続される電子装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ(FAX)装置、デジタル複写機、スキャナ装置、デジタル複合機等の画像処理装置を初め、ネットワーク家電、自動販売機、医療機器、電源装置、空調システム、ガス・水道・電気等の計量システム等について、その電子装置で用いられるデータ、例えば、電子装置の制御を行わせるプログラム(組込ソフトウェア)、又は郵便番号簿のようなデータを、センターサーバからダウンロードして更新することが行われている。
【0003】
ダウンロードシステムでは、通信網に接続されたセンターサーバに最新のデータをアップロードしておいて、通信網に接続された電子装置からセンターサーバにアクセスして、最新のデータをダウンロードする。このようなダウンロードシステムを効率よく運用するために、いろいろな技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1は、ネットワーク上に存在するコンテンツの収集の容易化を図る目的で、デバイスのドライバを提供するサーバにおいて、ドメイン下の所定の位置に属性情報を保存する技術が記載されている。特許文献1の技術では、属性情報は、そのサーバで提供されるドライバについてサーバ上での所在、対応機種、バージョン、インストール方法、プラットフォームなどの属性をXML(eXtensible Markup Language)形式で提供する。ドライバの利用者は、ネットワークに接続されたコンピュータから、この属性情報を取得し、内容を解析すれば、サーバ内がどのように構成されていても、ドライバの所在を容易に特定することができる。また、ドライバの更新がされているか否かについても属性情報から確認することができる。この結果、更新されたドライバの自動取得を容易に実現することができるとしている。
【0005】
また、特許文献2は、セットトップボックス(STB)に新たな構成を要しないプリンタファームウェアの更新システムの技術が記載されている。特許文献2の技術では、STBは、プリンタが接続され、プリンタのファームウェアを更新するための更新データと、前記更新データを印刷対象とする旨の記述を含む表示コンテンツとを外部から受信する受信部と、前記表示コンテンツをTVに表示させるための表示データを生成する表示データ生成部と、表示コンテンツに対する印刷命令を取得するリモコン受信部と、印刷命令をリモコン受信部が受けたとき、前記更新データを印刷の対象であるデータとしてプリンタへ出力する印刷出力部とを備える。
【0006】
また、特許文献3は、電子装置のソフトウェア更新による稼動率の低下を回避する技術が記載されている。特許文献3の技術では、電子装置である仲介装置は、管理装置から更新日時を取得すると、その更新日時を記憶手段に書き込み、その更新日時に達したとき、管理装置へファームウェア(ソフトウェア)の送信を要求し、それに対して管理装置からファームウェアを取得すると、それを記憶手段に書き込んだ後、そのファームウェアをファーム更新が必要な画像形成装置へ送信してファーム更新を行わせる。あるいは、管理装置からファームウェアおよび更新日時を取得すると、そのファームウェアおよび更新日時を記憶手段に書き込み、その更新日時に達したとき、そのファームウェアをファーム更新が必要な電子装置へ送信してファーム更新を行わせる。
【特許文献1】特開2001−337833号公報
【特許文献2】特開2004−005454号公報
【特許文献3】特開2004−139572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サーバからデータをダウンロードする電子装置の数が増えると、データを供給するサーバとサーバに接続する通信回線の負荷が増大する。そのため、データを供給するサーバの処理能力と、通信回線の容量を増強する必要がある。それでも、データをダウンロードする電子装置側では、データのダウンロードに待ち時間が発生したり、実効的なデータ伝送速度が低下して、稼働率が低下したりデータの更新が遅くなるという問題がある。
【0008】
特許文献1の技術は、ダウンロードするデータの属性情報がネットワーク上で供給されるが、データを提供するサーバの負荷を軽減することができない。特許文献2の技術は、放送型のメディアを対象としている。通信網でダウンロードするシステムに適用しても、サーバの負荷を軽減することができない。
【0009】
特許文献3は、ファームウェアの更新が必要な電子装置側の稼働率を向上させることを目的として、センター装置側から電子装置のファームウェアを更新するものである。
【0010】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信網に接続される電子装置で用いられるデータを、サーバから通信網を介してダウンロードするダウンロードシステムにおいて、サーバの負荷を軽減し、また電子装置の稼働率を向上するダウンロードシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るダウンロードシステムは、通信網に接続される電子装置で用いられるデータを更新するために、前記データを前記通信網に接続されたサーバから、前記通信網を介してダウンロードするダウンロードシステムであって、
前記通信網に接続され、前記電子装置で用いられるデータを格納するセンターサーバと、
前記通信網に接続され、前記電子装置で用いられるデータを前記センターサーバからダウンロードして格納する1台以上の拠点サーバと、
を備え、
前記データはそれぞれ、当該データが更新された時刻の情報を含む属性情報を有し、
前記拠点サーバは、
当該拠点サーバが格納している前記データの更新された時刻と、前記センターサーバに格納されている前記データの更新された時刻とを比較して、前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する新規データ識別手段と、
前記新規データ識別手段で識別した前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記センターサーバからダウンロードして格納する新規データダウンロード手段と、
を備え、
前記電子装置は、
当該電子装置が保有するデータの更新された時刻と、前記拠点サーバ又は前記センターサーバに格納されているデータの更新された時刻とを比較して、前記拠点サーバ又は前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する差分データ識別手段と、
前記新規データ識別手段で識別した前記拠点サーバ又は前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記拠点サーバからダウンロードする差分ダウンロード手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
【0012】
さらに、前記拠点サーバは、
前記新規データダウンロード手段によってダウンロードしたデータが、正しくダウンロードされたか否かを判断するダウンロード正否判断手段と、
前記ダウンロード正否判断手段で判断した結果を、当該ダウンロードしたデータの属性情報に記録する正否情報記録手段と、
を備え、
前記電子装置は、
前記拠点サーバに格納されたデータの属性情報から前記ダウンロード正否情報を取得して、当該データのダウンロード正否を判断するダウンロード可否判断手段を備え、
前記差分ダウンロード手段は、前記拠点サーバに登録されたデータのうち、正しくダウンロードされたデータのみダウンロードすることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記データの属性情報は、前記拠点サーバ又は前記電子装置におけるダウンロードを操作するための画面を制御する情報を含み、
前記拠点サーバ又は前記電子装置は、前記データのダウンロードに先立って、前記ダウンロードを操作する画面の制御情報を前記センターサーバ又は前記拠点サーバから取得するダウンロード画面情報取得手段と、
前記ダウンロード画面情報取得手段によって取得した、前記ダウンロードを操作する画面の制御情報に従って、ダウンロード画面を表示する画面表示手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
なお、前記データは、前記電子装置で実行可能なファームウェア、及び当該ファームウェアに関連するファイルを含む、複数の種類のファイルから構成され、
前記ダウンロード画面の制御情報は、前記複数の種類のファイルの種別ごとに分類してダウンロードすべきファイルの名称を表示するレイアウト情報を含むことを特徴とする。
【0015】
また、前記センターサーバ及び前記拠点サーバは、前記拠点サーバ又は前記電子装置にダウンロードするデータを、一つ以上のファイルをまとめて圧縮したアーカイブファイル形式とする圧縮手段を備え、
前記拠点サーバ及び前記電子装置は、前記新規データダウンロード手段又は前記差分ダウンロード手段によってダウンロードした前記アーカイブファイル形式のデータを、元の一つ以上のファイルに解凍する解凍手段を備える、
ことを特徴とする。
【0016】
さらに、前記センターサーバは、前記拠点サーバが前記センターサーバから前記データのダウンロードを開始する時刻を、当該拠点サーバに設定するダウンロード時刻指定手段を備え、
前記拠点サーバの前記新規データダウンロード手段は、前記ダウンロード時刻指定手段によって設定された時刻に、前記センターサーバから前記データのダウンロードを開始する、ことを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の観点に係る拠点サーバは、通信網に接続される電子装置で用いられるデータを更新するために、前記電子装置で用いられるデータを格納するセンターサーバと、前記電子装置とに、前記通信網で接続され、前記電子装置に前記通信網を介してデータをダウンロードする拠点サーバであって、
当該拠点サーバが格納している前記データの更新された時刻と、前記センターサーバに格納されている前記データの更新された時刻とを比較して、前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する新規データ識別手段と、
前記新規データ識別手段で識別した前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記センターサーバからダウンロードして格納する新規データダウンロード手段と、
を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、通信網に接続される電子装置で用いられるデータを更新するために、前記電子装置で用いられるデータを格納するセンターサーバと、前記電子装置とに、前記通信網で接続され、前記電子装置に前記通信網を介して前記データをダウンロードするコンピュータを、
当該拠点サーバが格納している前記データの更新された時刻と、前記センターサーバに格納されている前記データの更新された時刻とを比較して、前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する新規データ識別手段、
前記新規データ識別手段で識別した前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記センターサーバからダウンロードして格納する新規データダウンロード手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明のダウンロードシステムによれば、センターサーバの負荷を分散し、電子装置の稼働効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係るダウンロードシステムの一実施の形態について、図を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係るダウンロードシステム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、ダウンロードシステム100は、センターサーバ1と、1つ以上の拠点サーバ2と、クライアント3と、端末機器4から構成される。センターサーバ1、拠点サーバ2、クライアント3は通信網5によって接続している。端末機器4は通信網5に接続するものがある。端末機器4には、通信網5とは別の通信線でクライアント3に接続する端末機器4bがある。
【0021】
端末機器4、4bは、例えば、プリンタ、ファクシミリ(FAX)装置、デジタル複写機、スキャナ装置、デジタル複合機等の画像処理装置を初め、ネットワーク家電、自動販売機、医療機器、電源装置、空調システム、ガス・水道・電気等の計量システム等、通信網5に接続される電子装置である。クライアント3は、例えば、パーソナルコンピュータであって、それが用いられる業務に応じた各種のプログラムと周辺装置を備え、例えば、複写機などの端末機器4bを保守する目的で、端末機器4bに接続される。クライアント3及び端末機器4、4bを総称して、電子装置という。
【0022】
ダウンロードシステム100では、拠点サーバ2同士は相互に通信できなくてもよい。センターサーバ1とクライアント3又は端末機器4は直接通信できなくてもよい。すなわち、センターサーバ1と拠点サーバ2を接続する通信網5と、拠点サーバ2とクライアント3を接続する通信網5は異なるものであってもよい。
【0023】
拠点サーバ2はセンターサーバ1からデータをダウンロードして、クライアント3又は端末機器4にデータを供給する。クライアント3又は端末機器4は、拠点サーバ2からデータをダウンロードする。端末機器4bは、クライアント3からデータをダウンロードされる。
【0024】
図1に示すセンターサーバ1は、図2に示すように、制御部11、主記憶部12、外部記憶部13、入力部14、表示部15および送受信部16から構成される。主記憶部12、外部記憶部13、入力部14、表示部15および送受信部16はいずれも内部バス10を介して制御部11に接続されている。
【0025】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部13に記憶されているプログラムに従って、電子装置で用いられるデータを外部記憶部13に格納し、拠点サーバ2の要求に従って、格納しているデータを拠点サーバ2にダウンロードする。また、拠点サーバ2がセンターサーバ1に接続してダウンロードを開始する時刻を、各拠点サーバ2に設定する。
【0026】
主記憶部12はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、制御部11の作業領域として用いられる。
【0027】
外部記憶部13は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc Rewritable)等の不揮発性メモリから構成され、前記の処理を制御部11に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、制御部11の指示に従って、このプログラムやそのほか電子装置が用いるデータを制御部11に供給し、制御部11から供給されたデータを記憶する。
【0028】
入力部14はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス10に接続するインターフェース装置から構成されている。入力部14を介して、データの格納、拠点サーバ2へのダウンロード時刻の設定などが入力され制御部11に供給される。
【0029】
表示部15は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、格納するデータの一覧、拠点サーバ2のダウンロード時刻などを表示する。
【0030】
送受信部16は、モデム又は網終端装置などと接続するシリアルインタフェース又はLAN(Local Area Network)インターフェースから構成されている。送受信部16を介して、通信網5に接続し、拠点サーバ2へのダウンロード時刻の設定、拠点サーバ2からのダウンロード要求の受信、拠点サーバ2へダウンロードするデータの送信などを行う。その他、図示しないが、ダウンロードするデータや拠点サーバ2へ設定するダウンロード時刻などを印字するために、印字部を備えてもよい。
【0031】
図1に示す拠点サーバ2は図3に示すように、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、入力部24、表示部25、送受信部26及び印字部27から構成される。主記憶部22、外部記憶部23、入力部24、表示部25、送受信部26及び印字部27はいずれも内部バス20を介して制御部21に接続されている。
【0032】
制御部21はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部23に記憶されているプログラムに従って、後述する処理を実行する。
【0033】
主記憶部22はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、制御部21の作業領域として用いられる。
【0034】
外部記憶部23は、フラッシュメモリ、ハードディスク装置、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc Rewritable)、大容量光ディスク装置等の不揮発性メモリから構成され、後述する処理を制御部21に行わせるための前記プログラムを予め記憶し、また、制御部21の指示に従って、このプログラムやそのほかセンターサーバ1からダウンロードして格納したデータを制御部21に供給し、制御部21から供給されたデータを記憶する。また、センターサーバ1から設定されたダウンロード開始時刻などのデータを記憶する。
【0035】
入力部24は、拠点サーバ2の状態を表示部25に表示させる指令や、オペレータが介在してデータをセンターサーバ1からダウンロードする場合の指令を入力する。
【0036】
表示部25は、制御部21の指令に従って、拠点サーバ2に格納されているデータの一覧や、センターサーバ1にアップロードされた新規データ及びダウンロードするデータを選択するための画面などを表示する。
【0037】
送受信部26は拠点サーバ2を通信網5に接続する。送受信部26はセンターサーバ1から設定されるダウンロード開始時刻、及びセンターサーバ1からダウンロードするデータを受信する。送受信部36は、クライアント3又は端末機器4に対して、ダウンロードするデータを送信する。
【0038】
印字部27は、プリンタとプリンタインターフェースから構成されている。印字部27は、センターサーバ1から受信したダウンロード開始時刻、ダウンロードしたデータ、クライアント3又は端末機器4にデータをダウンロードした記録などを印字するために用いられる。
【0039】
図1に示すクライアント3は図4に示すように、制御部31、主記憶部32、外部記憶部33、入力部34、表示部35、送受信部36及び端末装置部37から構成される。主記憶部32、外部記憶部33、入力部34、表示部35、送受信部36及び端末装置部37はいずれも内部バス30を介して制御部31に接続されている。通信網5に接続し、拠点サーバ2からデータをダウンロードする端末機器4もまた、図4に示されるように、クライアント3と同様に構成されている。
【0040】
制御部31はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部33に記憶されているプログラムに従って、拠点サーバ2からのダウンロード処理を実行する。
【0041】
主記憶部32はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、制御部31の作業領域として用いられる。
【0042】
外部記憶部33は、フラッシュメモリ、ハードディスク装置、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)、大容量光ディスク装置等の不揮発性メモリから構成され、ダウンロード処理を制御部31に行わせるためのプログラムを予め記憶し、また、制御部31の指示に従って、このプログラムやそのほか拠点サーバ2からダウンロードして格納したデータを制御部31に供給し、制御部31から供給されたデータを記憶する。
【0043】
入力部34は、クライアント3の状態を表示部35に表示させる指令や、オペレータが介在してデータをセンターサーバ1からダウンロードする場合の指令を入力する。
【0044】
表示部35は、制御部31の指令に従って、拠点サーバ2からダウンロードして格納されているデータの一覧や、拠点サーバ2がダウンロードした新規データ及びダウンロードするデータを選択するための画面などを表示する。
【0045】
送受信部36はクライアント3を通信網5に接続する。送受信部36は制御部31の指令に従って、拠点サーバ2へデータをダウンロードする要求を送信し、拠点サーバ2からダウンロードするデータを受信する。
【0046】
端末装置部37は、クライアント3又は端末機器4に特有の装置で構成される。例えば、クライアントが画像処理装置であれば、画像処理を行う高速な演算装置で構成される。端末機器4の場合は、例えば、前述のプリンタの場合は、記録紙を供給する給紙装置、記録紙を搬送する装置、記録紙に印字する印字部、印字した記録紙を仕分けるソーターなどから構成される。端末装置部37は、制御部31によって制御される。
【0047】
前述の端末機器4bに接続されるクライアント3の場合は、例えば、複写機などの端末機器4bを保守するための装置であって、端末装置部37は、複写機と通信するインタフェースである。クライアント3と端末機器4bとの通信は、例えば、RS−232C、USB(Universal Serial Bus)、IrDA(Infrared Data Association:赤外線通信の規格)又はインターネットと接続されないLANや無線LANなどである。
【0048】
クライアント3から端末機器4bへのデータの受け渡しは、通信ではなく記録媒体を介したオフラインの場合を含む。その場合、端末装置部37は、端末機器4bに組み込まれるプログラム等のデータを、ROM、フラッシュメモリ、SDメモリカード(Secure Digital memory card)、CD−R(Compact Disk Recordable)、CD−RW(Compact Disk ReWritable)、DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)又はDVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)などの記憶媒体に記録する書き込み装置である。
【0049】
次に、図1に示すダウンロードシステム100の動作を、図5乃至図12を参照して説明する。なお、上述のように、センターサーバ1、拠点サーバ2、クライアント3、及び端末機器4の動作は、制御部11、21、31が主記憶部12、22、32、外部記憶部13、23、33、入力部14、24、34、表示部15、25、35、送受信部16、26、36、及び印字部27などの周辺回路と協働して行う。ただし、以下の説明では、理解を容易にするため、制御部11,21、31の動作に逐一言及することを避け、センターサーバ1、拠点サーバ2、クライアント3、及び端末機器4の動作として説明する。
【0050】
図5は、本発明の実施の形態に係るセンターサーバ1において、電子装置が用いるためにダウンロードするデータの構成例を示す図である。図6は、拠点サーバ2におけるデータ構成の例を示す図である。
【0051】
図5において、新たに登録されたデータに関する更新情報は、例えば、XML(eXtensible Markup Language)で表現されている(更新情報XML)。XMLは、文書やデータの意味や構造を記述するためのマークアップ言語の一つである。更新情報XMLは更新されたデータを示すレコードの集合で表される。レコードは更新された新しいデータから順に並べられる。図5ではレコード1が最も新しい更新情報を示す。
【0052】
更新情報XMLの各レコードは、それぞれ更新されたデータ内の属性情報を指している。例えば、レコード1は品種1のデータの属性情報のうち、レコード1に対応している。品種1のデータの属性情報のレコード1に対応する情報には、データが格納されているサーバ内の場所を示すURL(Uniform Resource Locator)、データの作成日時、データの更新日時などが記録されている。この属性情報の更新日時を参照して、そのデータが更新された日時を知ることができる。
【0053】
同様に、図5の更新情報XMLのレコード2は、品種3のデータの属性情報のレコード2に対応している。品種3のデータの属性情報のレコード2に対応する情報にも、データURL、作成日時、更新日時が記録されている。更新情報XMLのレコード3は、品種2のデータの属性情報のレコード3に対応している。
【0054】
また、更新情報XMLのレコード4は、品種1のデータの属性情報のレコード4に対応している。品種1のデータの属性情報のレコード1はレコード4より新しい情報である。図5の例では、品種1のデータは少なくともレコード4の更新日時ののちに更新されていることを示す。
【0055】
拠点サーバ2は、センターサーバ1から更新情報XMLを入力し、さらに更新情報のレコードをたどって、それらに対応するデータの属性情報を参照することによって、データの更新日時を知ることができる。そこで、拠点サーバ2は既に外部記憶部23に格納されているデータの最新の更新日時と、センターサーバ1の更新情報から参照できる更新日時を比較して、センターサーバ1の更新されたデータを識別する。
【0056】
更新情報XMLのレコードは、データの更新日時の新しいものから更新日時順に並べられているので、拠点サーバ2は、更新情報XMLのレコードをたどって、すでに保有しているデータの最新更新日時より古い更新情報を見いだしたときに、更新データの検索を終了する。
【0057】
拠点サーバ2は、センターサーバ1の更新されたデータをダウンロードして、外部記憶部23に格納する。そして、拠点サーバ2の更新情報を書き換える。図6は、センターサーバ1から更新されたデータをダウンロードして、更新情報を書き換えたのちの拠点サーバ2の更新情報を示す。図5のセンターサーバ1のデータ構成に比べて、各データの属性情報に、ダウンロードするデータの拠点サーバ2内の格納場所を示すダウンロードデータパスが追加されている。
【0058】
クライアント3又は端末機器4は、予め決められた拠点サーバ2から更新情報XMLを入力し、さらに更新情報のレコードをたどって、それらに対応するデータの属性情報を参照することによって、データの更新日時を知ることができる。クライアント3又は端末機器4は、保有するデータの属性情報と、拠点サーバ2の更新情報から参照できる更新日時を比較して、拠点サーバ2の更新されたデータを識別する。拠点サーバ2の更新されたデータのうち、クライアント3又は端末機器4で用いるデータを、拠点サーバ2からダウンロードする。
【0059】
通信網5には、1つ以上の拠点サーバ2が接続され、更新データが拠点サーバ2にダウンロードされるので、クライアント3又は端末機器4は更新データをダウンロードするためにセンターサーバ1に集中して通信を行うことはない。また、拠点サーバ2、クライアント3及び端末機器4は、データの更新日時を参照して、保有しているデータよりも新しいデータのみをダウンロードするので、ダウンロードは効率的に行われる。
【0060】
更新されたデータが、前の版と部分的にしか違わない場合は、異なる部分を更新するためのデータ、いわゆるアップデーター(Updater)のみをダウンロードするように構成してもよい。アップデーターは、例えば、前の版の内容の一部を追加、削除、変更するプログラムで構成される。更新された部分が、全体に比べて小さい場合は、ダウンロードするデータをアップデーターとすることによって、ダウンロードの伝送データ量を削減することができる。
【0061】
次に、ダウンロードするデータを選択するための操作画面について説明する。図7は、ダウンロードするデータを選択する画面を制御する情報の例を示す図である。図8は、ダウンロードデータを選択する画面のうち、製品レベルを選択する画面の構成例を示す。図9は、ダウンロードデータを選択する画面のうち、ファイルレベルを選択する画面の構成例を示す。図10は、ダウンロードデータを選択する画面のうち、ファイルレベルを選択する画面の異なる構成例を示す。
【0062】
図7の左側の枠Lは、ダウンロードを操作する上位の画面の情報を表し、データを使用する電子装置の分類と、その分類に含まれる電子装置の名称が記載されている。図7では、製品カテゴリ1には製品1、製品2、製品3...が含まれる。製品カテゴリ2には、製品4、製品5、製品6...が含まれる。例えば、製品カテゴリ1は、プリンタであり、製品カテゴリ2はファクシミリである。そして、製品1等はプリンタの機種を表す。
【0063】
図7の右側の枠Rは、ダウンロードを操作する下位の画面の情報を表し、電子装置ごとに電子装置が用いるデータを構成するファイルの名称が記載されている。図7では、製品1が用いるデータは、ファイルカテゴリ1に属するファイル1、ファイル2、ファイル3...から構成されている。また、製品2が用いるデータは、ファイルカテゴリ1に属するファイル1、ファイル4、ファイル5...と、ファイルカテゴリ2に属するファイル6、ファイル7...から構成されている。例えば、ファイルカテゴリ1は、組み込みソフトウェアであり、ファイルカテゴリ2は、ヘルプファイルなどの操作説明のデータである。
【0064】
図7の右側の枠R(下位の画面)の製品1は、左側の枠L(上位の画面)の製品1に対応している。すなわち、上位の画面で製品1が選択されると、製品1が用いるデータとして、ファイルのリストが表示されることになる。ある電子装置について、その電子装置が用いるデータとして、ファイルが追加されたり削除される場合でも、ダウンロード画面を制御する情報にファイルの名称を追加したり削除することによって、拠点サーバ2又はクライアント3もしくは端末機器4において、使用するデータにファイルが追加されたこと、又は削除されたことが認識できる。
【0065】
ファイル名称と前述の更新情報を比較することによって、データが更新されたかどうかを判断することができる。そして、更新されたデータについて、その更新された部分(ファイル)のみをダウンロードすることができる。
【0066】
図8は、図7に示されるダウンロード画面を制御する情報に対応した、ダウンロードを操作する上位の画面S1の例を示す。図7の製品カテゴリと製品のリストに対応して、操作画面S1に製品カテゴリ1、製品1、製品2、製品3...等が表示される。例えば、製品名称にカーソルを合わせてクリックするなどの操作によって製品を選択して、「次へ」を選択すると、ダウンロードを操作する下位の画面に遷移する。
【0067】
図9は、図8で製品1を選択した場合の下位の操作画面S2の例を示す。この下位の操作画面S2(ファイルレベルを選択する画面)において、ファイルの名称にカーソルを合わせてクリックするなどの操作によって、ダウンロードする1つ以上のファイルを選択して、「次に」を選択することによって、ダウンロードを開始する。この画面S2を表示するときに、拠点サーバ2又はクライアント3もしくは端末機器4は、その画面S2に対応する電子装置(図9では、製品1)が使用するデータについて、更新情報を検索し、更新されてダウンロードすべきファイルが自動的に選択されてもよい。
【0068】
図10は、図8で製品2を選択した場合の下位の操作画面S3の例を示す。図10では、ファイルカテゴリが複数ある場合に、それらが表示されていることを示す。ある電子装置が使用するデータに、複数の種類のファイルがあっても、ダウンロードを操作する画面S3では必要なファイル名称が表示されるので、データにファイルの種類やファイルが追加された場合でも、拠点サーバ2又はクライアント3もしくは端末機器4において、それを認識することができる。
【0069】
なお、センターサーバ1又は拠点サーバ2は、ファイルを拠点サーバ2又はクライアント3もしくは端末機器4にダウンロードするときに、選択された1以上のファイルを1つにまとめてデータ圧縮したアーカイブファイル形式で送信する。ファイルを圧縮する形式として、例えば、Zip形式、GZIP形式、LZH形式などがある。データはダウンロードの都度アーカイブファイル形式にしてもよいが、アーカイブファイル形式で外部記憶部13に格納しておいて、ダウンロードのときに繰り返して利用すれば、アーカイブ形式にする手間が省ける。アーカイブファイル形式とする単位は、全製品カテゴリの更新データ、製品カテゴリ単位、製品ごとの単位、ファイルカテゴリ単位などに設定する。
【0070】
また、拠点サーバ2は圧縮・解凍プログラムを備えられるので、センターサーバ1のデータ圧縮形式は専用のデータ形式でよい。端末機器4では解凍プログラムを備えない場合があり、拠点サーバ2における圧縮形式は自己解凍とすることが望ましい。
【0071】
拠点サーバ2は複数のクライアント3もしくは端末機器4に対応するので、更新データも複数の電子装置に対応したものとなる。拠点サーバ2では、センターサーバ1から複数の電子装置に対応した更新データをまとめてアーカイブファイル形式でダウンロードする場合、ダウンロードしたアーカイブファイル形式の更新データを一旦解凍して、ファイルごとに格納する。
【0072】
センターサーバ1に登録された更新データをダウンロードするために、ダウンロードするデータを選択する画面の例を示したが、更新データをダウンロードするときにオペレータが介在しなくてもよい。拠点サーバ2では、定期的に又はセンターサーバ1から指定された時刻にダウンロードすべき更新データを検索して、その拠点サーバ2が対応している電子装置が使用する更新データ全てを、自動的にダウンロードしてよい。
【0073】
また、クライアント3もしくは端末機器4においても、そのクライアント3もしくは端末機器4が使用するデータについて、例えば定期的に拠点サーバ2の更新データを検索して、拠点サーバ2から自動的に更新データをダウンロードしてもよい。その場合でも、ダウンロードを操作する画面の情報から、新規に登録された必要なデータを認識することができる。
【0074】
次に、図1に示すダウンロードシステム100の動作の例を説明する。図11は、センターサーバ1から拠点サーバ2に、更新データをダウンロードする動作の一例を示すフローチャートである。図12は、拠点サーバ2からクライアント3に更新データをダウンロードする動作の一例を示すフローチャートである。
【0075】
図11において、センターサーバ1に更新データが登録されると、センターサーバ1は登録されている拠点サーバ2Aに対して、更新データのダウンロードを開始する時刻を設定する(ステップA1)。拠点サーバ2Aは、センターサーバ1から受信したダウンロード開始時刻を外部記憶部23に記憶する(ステップA2)。同じく、拠点サーバ2Bに対して、更新データのダウンロードを開始する時刻を設定し(ステップA3)、拠点サーバ2Bは、ダウンロード開始時刻を記憶する(ステップA4)。同様に、登録されている拠点サーバ2すべてに、更新データのダウンロードを開始する時刻を設定する。拠点サーバ2それぞれのダウンロードを開始する時刻は、センターサーバ1と同時に通信する各拠点サーバ2の数が、センターサーバ1の処理能力と通信容量の許容範囲に収まるように設定する。
【0076】
拠点サーバ2Aは、ダウンロード開始時刻になったら、センターサーバ1に通信して、データ更新情報を取得する(ステップA6)。センターサーバ1は拠点サーバ2Aのデータ更新情報要求に対して、データ更新情報を送信する(ステップA5)。拠点サーバ2は、データ更新情報から更新されたファイルを検出する(ステップA7)。前述のとおり、データ更新情報のデータ更新日時と、自拠点サーバ2が格納しているデータの更新時刻を比べて、自拠点サーバ2Aが格納しているデータの更新時刻より新しい更新日時のファイルを、更新されたファイルとして検出する。
【0077】
拠点サーバ2Aは、検出した更新ファイルのダウンロード要求をセンターサーバ1に送信する(ステップA8)。センターサーバ1では、ダウンロード要求されたファイルを1つにまとめてデータ圧縮したアーカイブファイル形式にする(ステップA9)。前述のとおり、アーカイブファイル形式のデータは外部記憶部13に保存して、繰り返し利用することができる。また、アーカイブファイル形式とする単位は、製品カテゴリ単位、製品種別単位、ファイルカテゴリ単位などであってもよい。
【0078】
センターサーバ1は、アーカイブファイル形式に圧縮された更新データを、拠点サーバ2Aに送信する(ステップA10)。拠点サーバ2Aは、センターサーバ1から更新ファイルをダウンロードする(ステップA11)。拠点サーバ2Aは、ダウンロードしたアーカイブファイル形式のデータを解凍して、外部記憶部23に格納し、更新情報を書き換える(ステップA12)。
【0079】
ここで、ダウンロードの通信にエラーがあった場合は、そのエラーがあったファイルについて、拠点サーバ2Aの更新情報を記録しない。従って、エラーがあったファイルについては、最新の更新日時は今回のダウンロード処理以前のままである。アーカイブファイル形式の単位が、製品カテゴリ、製品種別、ファイルカテゴリなどの場合は、ダウンロードするアーカイブファイル形式単位ごとにダウンロードの正否を判断して、更新情報を記録する。更新情報に更新日時とともにダウンロード正否情報を記録してもよい。
【0080】
更新データが多量の場合は、ダウンロードする更新データを適当な単位に分割してアーカイブファイル形式とする。通信網5の通信品質が低い場合は、アーカイブファイル形式の単位を適当に小さくした方が、ダウンロードの成功率(ダウンロード成功ファイル数/ダウンロードファイル数)は高くなる。
【0081】
拠点サーバ2Bについても、同様に、設定されたダウンロード開始時刻に、更新情報から更新ファイルを検出して、更新ファイルをダウンロードする(ステップA13乃至ステップA20)。
【0082】
図12は、拠点サーバ2からクライアント3(もしくは端末機器4)が更新データをダウンロードする動作の一例を示すフローチャートである。拠点サーバ2からのダウンロード動作についてはクライアント3を例に説明するが、端末機器4が拠点サーバ2から更新データをダウンロードする場合も同様である。
【0083】
クライアント3は、適当なタイミングで、予め決められた拠点サーバ2に通信して、更新情報を問い合わせる(ステップB1)。例えば、週又は月に1回などのように定期的に更新情報を問い合わせる。あるいは、クライアント3が起動したときに問い合わせてもよい。
【0084】
クライアント3がデータをダウンロードする拠点サーバ2は、クライアント3ごとに決めておく。例えば、クライアント3の製造番号に応じて拠点サーバ2を決めてもよいし、クライアント3が設置される地域で拠点サーバ2を割り振ってもよい。拠点サーバ2が対応するクライアント3は適当に分散されることが望ましい。
【0085】
拠点サーバ2はクライアント3から更新情報問い合わせを受信すると、クライアント3に対応した更新情報を抽出して(ステップB2)、更新情報をクライアント3に送信する(ステップB3)。クライアント3が複数の製品カテゴリにわたる保守用の端末などの場合は、図6に示すような更新情報を送信してもよい。ここでクライアント3に送信される更新情報には、図7に示すようなダウンロードするデータを選択する画面を制御する情報が含まれる。
【0086】
クライアント3(もしくは端末機器4)の製品種別が特定できる場合は、その製品種別の更新情報のみ抽出して送信するように構成してもよい。ダウンロードするデータを選択する画面を制御する情報についても、クライアント3(もしくは端末機器4)の製品種別に応じた情報のみを送信してもよい。
【0087】
クライアント3では、受信した更新情報を外部記憶部33に格納し(ステップB4)、既に保有しているデータの更新日時と比較して、更新されているデータを抽出する(ステップB5)。例えば、図8乃至図10に示すようなダウンロードするデータを選択する画面S1〜S3で、更新されたファイルの名称を、例えば反転表示するなどの印をつけて表示し、ダウンロードするデータを選択する。オペレータが介在しない場合は、更新されたファイルを自動的に選択する。その際、拠点サーバ2がセンターサーバ1からデータをダウンロードしたときにエラーがあるものは、更新情報に記載されていないか、ダウンロード正否情報のエラー情報によって、選択されない。
【0088】
クライアント3は、抽出した更新データをダウンロードするよう、更新データ要求を拠点サーバ2に送信する(ステップB6)。拠点サーバ2は、更新データ要求を受信すると、要求されたファイルをまとめて圧縮したアーカイブファイル形式のデータとする(ステップB7)。そして、アーカイブファイル形式のデータをクライアント3に送信する(ステップB8)。
【0089】
クライアント3は、更新データをダウンロードすると(ステップB9)、ダウンロードしたアーカイブファイル形式のデータを解凍して、外部記憶部33などに格納する(ステップB10)。そののち、必要に応じてクライアント3(又は端末機器4)を再起動する。
【0090】
クライアント3が端末機器4bの保守用端末などである場合は、クライアント3を端末機器4bに接続して、更新データを端末機器4bにインストールする。あるいは、端末機器4bが読み取ることができる記録媒体、例えばSDメモリカードにデータを書き込んで、データを書き込んだSDメモリカードなどの記録媒体を端末機器4bに接続して、データをインストールする。端末機器4bでは、記録媒体からデータをメモリに展開して使用するか、又は記録媒体のデータをそのまま用いる。
【0091】
このようにして、通信網5に接続されない端末機器4bについても、端末機器4bに応じたデータ更新が可能となる。特に、保守する端末機器4bの種類が多く、全ての端末機器4bのデータを保守員が保有していない場合でも、クライアント3である保守端末を通信網5(例えば、携帯電話網や無線LANなど)に接続して、必要なデータをダウンロードできる。その結果、端末機器4bが設置された現場で、最新のデータをダウンロードして端末機器4bにインストールすることが可能となる。
【0092】
以上、説明したように、電子装置が使用するデータが、センターサーバ1から分散して配置された拠点サーバ2にダウンロードされ、電子装置は拠点サーバ2からデータをダウンロードするので、センターサーバ1の負荷が分散され、電子装置のダウンロード処理は複数の拠点サーバ2で同時に行われるので、電子装置1台あたりのダウンロードに要する時間は減少し、電子装置の稼働率が向上する。そして、更新データの電子装置への反映が早くなる。
【0093】
また、センターサーバ1から拠点サーバ2にダウンロードするデータ、及び拠点サーバ2から電子装置にダウンロードするデータは、更新されたデータだけに限定されるので、ダウンロードするデータ量が削減される。その結果、ダウンロード処理に要する時間がさらに短縮される。
【0094】
センターサーバ1から拠点サーバ2へのダウンロードの正否を判別できるので、拠点サーバ2から電子装置への無効なダウンロードが行われることがない。
【0095】
さらに、ダウンロードを操作するための画面を制御する情報がセンターサーバ1から拠点サーバ2に、また拠点サーバ2から電子装置に送信されるので、新たに必要になったデータを電子装置で認識することができる。その結果、電子装置のプログラム等の構成を変更する改訂を行うことが容易になる。
【0096】
ダウンロードする更新データには、電子装置のファームウェアに限らず、例えば、マニュアル文書やヘルプファイルなどを含むことができる。そして、それらの更新データをアーカイブファイル形式にまとめて圧縮して伝送するので、更新データを一括してダウンロードすることができ、通信時間が短縮される。
【0097】
また、拠点サーバ2はセンターサーバ1から設定された時刻に、更新データをセンターサーバ1からダウンロードするので、センターサーバ1の負荷の集中を回避できる。その結果、拠点サーバ2のダウンロード処理効率が向上し、ダウンロードシステム100の運用効率も向上する。
【0098】
その他、前記のハードウエア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更及び修正が可能である。
【0099】
制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、入力部24、内部バス20などから構成される拠点サーバ2のダウンロード処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する拠点サーバ2を構成してもよい。また、インターネット等の通信網5上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで拠点サーバ2を構成してもよい。
【0100】
また、拠点サーバ2の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0101】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、通信ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の一実施の形態に係るダウンロードシステムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るセンターサーバの構成の例を示すブロック図である。
【図3】本発明に実施の形態に係る拠点サーバの構成の例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るクライアント又は端末機器の構成の例を示すブロック図である。
【図5】センターサーバにおいて、電子装置が用いるためにダウンロードするデータの構成例を示す図である。
【図6】拠点サーバにおけるデータ構成の例を示す図である。
【図7】ダウンロードするデータを選択する画面を制御する情報の例を示す図である。
【図8】ダウンロードデータを選択する画面のうち、製品レベルを選択する画面の構成例を示す図である。
【図9】ダウンロードデータを選択する画面のうち、ファイルレベルを選択する画面の構成例を示す図である。
【図10】ダウンロードデータを選択する画面のうち、ファイルレベルを選択する画面の異なる構成例を示す図である。
【図11】センターサーバから拠点サーバに、更新データをダウンロードする動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】拠点サーバからクライアントに更新データをダウンロードする動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0103】
1 センターサーバ
2 拠点サーバ
3 クライアント(電子装置)
4、4b 端末機器(電子装置)
5 通信網
10、20、30 内部バス
11、21、31 制御部
12、22、32 主記憶部
13、23、33 外部記憶部
14、24、34 入力部
15、25、35 表示部
16、26、36 送受信部
27 印字部
37 端末装置部
100 ダウンロードシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続される電子装置で用いられるデータを更新するために、前記データを前記通信網に接続されたサーバから、前記通信網を介してダウンロードするダウンロードシステムであって、
前記通信網に接続され、前記電子装置で用いられるデータを格納するセンターサーバと、
前記通信網に接続され、前記電子装置で用いられるデータを前記センターサーバからダウンロードして格納する1台以上の拠点サーバと、
を備え、
前記データはそれぞれ、当該データが更新された時刻の情報を含む属性情報を有し、
前記拠点サーバは、
当該拠点サーバが格納している前記データの更新された時刻と、前記センターサーバに格納されている前記データの更新された時刻とを比較して、前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する新規データ識別手段と、
前記新規データ識別手段で識別した前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記センターサーバからダウンロードして格納する新規データダウンロード手段と、
を備え、
前記電子装置は、
当該電子装置が保有するデータの更新された時刻と、前記拠点サーバ又は前記センターサーバに格納されているデータの更新された時刻とを比較して、前記拠点サーバ又は前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する差分データ識別手段と、
前記新規データ識別手段で識別した前記拠点サーバ又は前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記拠点サーバからダウンロードする差分ダウンロード手段と、
を備える、
ことを特徴とするダウンロードシステム。
【請求項2】
前記拠点サーバは、
前記新規データダウンロード手段によってダウンロードしたデータが、正しくダウンロードされたか否かを判断するダウンロード正否判断手段と、
前記ダウンロード正否判断手段で判断した結果を、当該ダウンロードしたデータの属性情報に記録する正否情報記録手段と、
を備え、
前記電子装置は、
前記拠点サーバに格納されたデータの属性情報から前記ダウンロード正否情報を取得して、当該データのダウンロード正否を判断するダウンロード可否判断手段を備え、
前記差分ダウンロード手段は、前記拠点サーバに登録されたデータのうち、正しくダウンロードされたデータのみダウンロードすることを特徴とする請求項1に記載のダウンロードシステム。
【請求項3】
前記データの属性情報は、前記拠点サーバ又は前記電子装置におけるダウンロードを操作するための画面を制御する情報を含み、
前記拠点サーバ又は前記電子装置は、前記データのダウンロードに先立って、前記ダウンロードを操作する画面の制御情報を前記センターサーバ又は前記拠点サーバから取得するダウンロード画面情報取得手段と、
前記ダウンロード画面情報取得手段によって取得した、前記ダウンロードを操作する画面の制御情報に従って、ダウンロード画面を表示する画面表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のダウンロードシステム。
【請求項4】
前記データは、前記電子装置で実行可能なファームウェア、及び当該ファームウェアに関連するファイルを含む、複数の種類のファイルから構成され、
前記ダウンロード画面の制御情報は、前記複数の種類のファイルの種別ごとに分類してダウンロードすべきファイルの名称を表示するレイアウト情報を含むことを特徴とする請求項3に記載のダウンロードシステム。
【請求項5】
前記センターサーバ及び前記拠点サーバは、前記拠点サーバ又は前記電子装置にダウンロードするデータを、一つ以上のファイルをまとめて圧縮したアーカイブファイル形式とする圧縮手段を備え、
前記拠点サーバ及び前記電子装置は、前記新規データダウンロード手段又は前記差分ダウンロード手段によってダウンロードした前記アーカイブファイル形式のデータを、元の一つ以上のファイルに解凍する解凍手段を備える、
ことを特徴とする請求項4に記載のダウンロードシステム。
【請求項6】
前記センターサーバは、前記拠点サーバが前記センターサーバから前記データのダウンロードを開始する時刻を、当該拠点サーバに設定するダウンロード時刻指定手段を備え、
前記拠点サーバの前記新規データダウンロード手段は、前記ダウンロード時刻指定手段によって設定された時刻に、前記センターサーバから前記データのダウンロードを開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載のダウンロードシステム。
【請求項7】
通信網に接続される電子装置で用いられるデータを更新するために、前記電子装置で用いられるデータを格納するセンターサーバと、前記電子装置とに、前記通信網で接続され、前記電子装置に前記通信網を介してデータをダウンロードする拠点サーバであって、
当該拠点サーバが格納している前記データの更新された時刻と、前記センターサーバに格納されている前記データの更新された時刻とを比較して、前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する新規データ識別手段と、
前記新規データ識別手段で識別した前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記センターサーバからダウンロードして格納する新規データダウンロード手段と、
を備えることを特徴とする拠点サーバ。
【請求項8】
通信網に接続される電子装置で用いられるデータを更新するために、前記電子装置で用いられるデータを格納するセンターサーバと、前記電子装置とに、前記通信網で接続され、前記電子装置に前記通信網を介して前記データをダウンロードするコンピュータを、
当該コンピュータが格納している前記データの更新された時刻と、前記センターサーバに格納されている前記データの更新された時刻とを比較して、前記センターサーバに新規に登録されたデータを識別する新規データ識別手段、
前記新規データ識別手段で識別した前記センターサーバに新規に登録されたデータを選択して、前記センターサーバからダウンロードして格納する新規データダウンロード手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−213434(P2007−213434A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34302(P2006−34302)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】