説明

ダクト接続継手

【課題】下がり天井の内部に配管されている排気ダクトのように、建物側のダクト位置に制約がある場合にも自在に方向変換可能とすることでダクト接続が容易になり、しかも、接続排気口が設けられているレンジフードの上部からキッチン天井に至る高さが低いレンジフードの設置条件に対しても使用することができるダクト接続継手を提供する。
【解決手段】レンジフードB上部の接続排気口1に連通させて当該上部に取り付けられる第1の変換部材A1と、第1の変換部材A1に連通させる連通口15を備えて該第1の変換部材A1に載置固定されるとともに、建物側の排気ダクト2に接続される接続口20を有する第2の変換部材A2とを備える。第1の変換部材A1は、接続排気口1に連通させてレンジフードBの上部に取り付けられる固定部材3と、固定部材3に回動可能に突合せ重合される回動部材4とを備えて、第2の変換部材A2を接続排気口1に接続するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダクト接続継手に係り、詳しくは、加熱調理器の上方に位置して設置される壁設置タイプのレンジフード上部の接続排気口を、建物外壁の屋外排気口に一端側が接続されて配管されている排気ダクトの他端側に接続するに際して、レンジフードの設置条件に応じて接続排気口から排気ダクトへの接続方向を変える方向変換用として好適なダクト接続継手に関する。
【背景技術】
【0002】
マンションなどの集合住宅におけるキッチンへのレンジフードの設置は、例えば、図7および図8に示すように、ダイニングやリビングなどを仕切る建物の間仕切り壁のキッチン側に面する壁面に、当該壁面に背を向けた状態でレンジフードを取り付ける。そして、バルコニなどの建物外壁に設置される屋外排気口に一端側が接続されてリビングなどの下がり天井の内部に配管される排気ダクトの他端側に対するレンジフードの上部に設けられている接続排気口の接続がエルボ管などを用いて行われる。
これにより、調理中に加熱調理器や調理鍋などから発生する排気流(廃ガス、油煙、湯煙など)を吸い込み捕集し、捕集された排気流がレンジフードの接続排気口に接続する排気ダクトを通して屋外排気口から排気されるようにしている。
【0003】
このようにして行われるマンションなどの集合住宅におけるレンジフードの設置において、従来ではレンジフード上部の接続排気口の排気ダクトに対する接続を、例えば、特許文献1や特許文献2などで知られている排気エルボを用いることなどによって行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−148692号公報
【特許文献2】実開昭63−22537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の従来技術では、特許文献2に記載の排気エルボに対し、排気エルボがボックス状に形成されていることで、レンジフードの上部に対する取り付け高さを低く設定することができ、しかも、排気ダクトとの接続口を低位置に設けることができるために、レンジフードの上部からキッチン天井に至る高さ(空間)が低いレンジフードの設置条件においては有益である。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術における排気エルボは、レンジフードの接続排気口が開口されている上部(天板など)に対する取り付け下面に形成されているフランジ部のネジ挿通孔とレンジフードの上部に設けられているネジ孔とを合わせてネジ止めする必要があるために、排気エルボを用いた排気ダクトへの接続方向は、レンジフードの背面方向か、或いは両側面何れか方向の90°でしか変換することができない。
そのために、特許文献1に記載の従来技術では、下がり天井の内部に配管されている排気ダクトが、レンジフードの接続排気口に対して45°や60°などの接続方向に位置(存在)しているレンジフードの設置条件には適用(使用)することができない問題があった。
【0007】
一方、特許文献2に記載の従来技術では、特許文献1に記載の従来技術のように、排気ダクトに対する接続方向に制約されることなく、自在に接続方向を変換できるという利点があるものの、曲率半径を必要とするために、レンジフードの上部からの取り付け高さが高くなり、レンジフードの上部からキッチン天井に至る高さ(空間)が低いレンジフードの設置条件においては適用することができない問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題を解消することを課題に創案されたものである。すなわち、下がり天井で目隠しされた状態で該下がり天井の内部に配管されている排気ダクトのように、建物側のダクト位置に制約がある場合にも自在に方向変換可能とすることでダクト接続が容易になり、しかも、接続排気口が設けられているレンジフードの上部からキッチン天井に至る高さ(空間)が低いレンジフードの設置条件に対しても使用することができるように改良されたダクト接続継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明に係るダクト接続継手では少なくとも以下の構成を具備している。
すなわち、本発明は、レンジフードの上部に設けられている接続排気口と建物に設けられている排気ダクトを接続するダクト接続継手であって、
前記接続排気口に連通させて前記レンジフードの上部に取り付けられる第1の変換部材と、前記第1の変換部材に連通させる連通口を備えて該第1の変換部材に載置固定されるとともに、前記排気ダクトに接続される側面開口の接続口を有する第2の変換部材とを備えてなり、前記第1の変換部材は、前記接続排気口に連通させて前記レンジフードの上部に取り付けられる固定部材と、前記固定部材に回動可能に突合せ重合される回動部材とを備えて、前記第2の変換部材を前記接続排気口に接続するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記第2の変換部材は、下面開口の前記連通口と、側面開口の前記接続口を備える略L形ボックス状に形成されている。また、前記第2の変換部材は、前記連通口の開口縁から平面視で略四角形状に連設させたフランジ部を備えていることが好適なものとなる。
【0011】
このような構成によれば、レンジフードの上部に設けられている接続排気口に連通させた状態で、レンジフードの上部に第1の変換部材を介して第2の変換部材を回動可能に取り付けることができる。これにより、レンジフードの上部に設けられている接続排気口と建物に設けられている排気ダクトを接続する際に第2の変換部材の接続方向を自在に回動変換せしめて、該第2の変換部材の接続口を排気ダクトに接続することができる。このとき、エルボ管などの繋ぎ管を用いて第2の変換部材の接続口を排気ダクトに接続するとよい。
【0012】
また、第2の変換部材は、略L形ボックス状に形成されており、排気ダクトに接続される接続口を側面に備え、第1の変換部材に連通される連通口を下面に備え、該接続口と連通口は互いに直角に位置している。すなわち、略L形ボックス状の直交する二面に接続口と連通口を備えた構造であるため、既知のエルボ管などのように曲率半径を必要とせずに、当該開口部分を形成するために必要な加工幅のみで構成される。
これにより、第2の変換部材のレンジフード上部からの取り付け高さを低く抑えることができる。
【0013】
また、前記第1の変換部材の前記固定部材および前記回動部材は、前記接続排気口の開口に相当する大きさで適宜高さの円筒形状を呈する連通口の一端開口縁から平面視で略四角形状に連設させたフランジ部を備えているとともに、当該連通口の他端開口縁には回動可能に突合せ重合させる突合せ接続部を備えてなり、前記突合せ接続部のうち、前記固定部材の連通口側に設けられる突合せ接続部は、開口縁部から外周方向に突出させた第1の座面部と、この第1の座面部の外周縁から突合せ重合方向に突出させた第2の座面部と、から断面視で略L字形状に形成されている受け口と成し、前記回動部材の連通口側に設けられる前記突合せ接続部は、開口縁部から外周方向に突出されて前記第1の座面部に突合せ重合される第1の当接面部と、この第1の当接面部の外周縁から前記第2の座面部と同じ突合せ重合方向に突出されて該第2の座面部の内側に当接される第2の当接面部とから断面視で略L字形状に形成されている挿し口と成し、前記受け口上に前記挿し口を突合せ重合させ、前記受け口の前記第2の座面部の外周面側から締付け部材によって締め付けて、前記第1の座面部と前記第1の当接面部、前記第2の座面部と前記第2の当接面部をそれぞれ圧接させることで前記固定部材に前記回動部材を回動不能に連結するように形成されていることが好適なものとなる。
【0014】
このような構成によれば、突合せ連結される固定部材側の受け口に、回動部材側の挿し口を同軸上に対面させて突合せ重合させ、この突合せ状態で、受け口側の第2の当接面部の外周面側から締付け部材によって締め付ける。
これにより、固定部材の受け口と回動部材の挿し口との突合せ方向の第1の座面部と第1の当接面部とを、そして円周方向の第2の座面部と第2の当接面部とを圧接させて固定部材に対して回動部材を回動不能に連結することができる。このとき、締付け部材を仮締め状態とすることで、回動部材は固定部材に対して回動可能と成し、回動部材のフランジ部に取り付けられて第1の変換部材上に載置固定される第2の変換部材の接続口を建物に設けられている排気ダクトの方向へと自在に回動変換することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明のダクト接続継手によれば、下がり天井で目隠しされた状態で該下がり天井の内部に配管されている建物側の排気ダクトとレンジフードの上部に設けられている接続排気口との接続のように、該接続排気口と排気ダクトの位置が異なる設置条件下においても、第2の変換部材の側面開口の接続口を自在に方向変換することで、排気ダクトとの接続が容易に可能となる。
【0016】
また、第2の変換部材は、側面開口の接続口と下面開口の連通口を直角となる位置に設けてなる略L形ボックス状に形成されていることで、既知のエルボ管などのように曲率半径を必要とせずに、当該開口部分を形成するために必要な加工幅のみで構成することができるので、レンジフード上部からの取り付け高さを低く抑えることができる。
これにより、レンジフードの上部からキッチン天井に至る高さ(空間)が低いレンジフードの設置条件に対してもレンジフード上部の接続排気口と排気ダクトとを接続するダクト接続継手として使用することができる。
【0017】
また、第1の変換部材の突合せ連結される固定部材側の受け口に回動部材側の挿し口を突合せ重合させ、受け口側の第2の当接面部の外周面側から締付け部材によって締め付けることで、固定部材に対して回動部材を回動不能に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るダクト接続継手を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、縦断面図である。
【図2】ダクト接続継手を構成する第1の変換部材を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、縦断面図である。
【図3】第1の変換部材の固定部材を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、縦断面図である。
【図4】第1の変換部材の回動部材を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、縦断面図である。
【図5】締付け部材を示す斜視図である。
【図6】ダクト接続継手を構成する第2の変換部材を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、縦断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るダクト接続継手が適用されたレンジフードの接続設置の一例を示す斜視図である。
【図8】同レンジフードの接続設置の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るダクト接続継手を示す斜視図および縦断面図である。
【0020】
≪ダクト接続継手の構成≫
ダクト接続継手Aは、例えば、後記の図7および図8に例示したように、ダイニングやリビングなどを仕切る建物の間仕切り壁CのキッチンK側に面する壁面cに、当該壁面cに背を向けた状態で設置されるレンジフードBの接続排気口1を、下がり天井Dの内部に配管されている排気ダクト2に接続するときのように、接続排気口1と排気ダクト2の位置が左右にずれている場合などにおいても、排気ダクト2との接続を容易に可能とする配管継手である。
【0021】
このダクト接続継手Aは、図1、図7および図8に示すように、接続排気口1が設けられているレンジフードBの天板bに取り付けられる第1の変換部材A1と、この第1の変換部材A1に連通させて該第1の変換部材A1の後記する回動部材4に載置固定されるとともに、排気ダクト2に対する接続方向に向けて該排気ダクト2に接続される第2の変換部材A2とを備えて構成されている。
【0022】
≪第1の変換部材の構成≫
図2は、第1の変換部材を示す斜視図および縦断面図である。ここでは、図1を適宜参照しながら説明する。
第1の変換部材A1は、図1の(b)に示すように、レンジフードBの接続排気口1に略同軸上に連通させてレンジフードBの天板bに取り付けられる固定部材3と、この固定部材3に回動可能に突合せ重合される回動部材4と、この回動部材4を固定部材3に対して回動不能に連結するための締付け部材5とを備えて構成されている。
【0023】
≪固定部材の構成≫
図3は、固定部材を示す斜視図および縦断面図である。
固定部材3は、レンジフードBの接続排気口1に後記する連通口6を連通させた状態でレンジフードBの天板b上にネジ止めなどによって取り付けられる。
この固定部材3は、接続排気口1に連通させる連通口6の一端開口縁にフランジ部7を備えているとともに、当該連通口6の他端開口縁には回動部材4の後記する突合せ接続部10を回動可能に突合せ重合させる突合せ接続部8を備えている。
【0024】
連通口6は、接続排気口1の開口に相当する大きさで適宜高さの円筒形状で、突合せ接続部8が備えられる他端開口縁側からフランジ部7が備えられる一端開口縁側に向けて口径を漸次湾曲拡開させた略ラッパ口形状に形成されている。
【0025】
フランジ部7は、レンジフードBの接続排気口1の周り要所に設けられている図示省略のネジ孔に止めネジにて取り付けられる。このフランジ部7は、連通口6の一端開口縁から外周に向けて平面視で略四角形状に連設形成されているとともに、四隅コーナーにネジ挿通孔9を備えている。
【0026】
突合せ接続部8は、回動部材4の突合せ接続部10を突合せ内在させる受け口8aである。この受け口8aは、連通口6の他端開口縁から外周方向に突出させた第1の座面部8a−1と、この第1の座面部8a−1の外周縁から図2に示すように、回動部材4の後記する連通口11方向の筒方向に突出させた第2の座面部8a−2とから断面視で略L字形状に形成されている。
【0027】
≪回動部材の構成≫
図4は、回動部材を示す斜視図および縦断面図である。
回動部材4は、締付け部材5によって固定部材3の受け口8に連結される。
この回動部材4は、固定部材3の連通口6に連通させる連通口11の一端開口縁にフランジ部12を備えているとともに、当該連通口11の他端開口縁には固定部材3の受け口8に回動可能に突合せ重合させる突合せ接続部10を備えている。
【0028】
連通口11は、固定部材3の連通口6の口径と同径とする円筒形状で、突合せ接続部10が備えられる他端開口縁側からフランジ部12が備えられる一端開口縁側に向けて口径を漸次湾曲拡開させた略ラッパ口形状に形成されている。
【0029】
フランジ部12は、第2の変換部材A2をネジ止めにて載置固定するものであり、連通口11の一端開口縁から外周に向けて平面視で略四角形状に連設形成されているとともに、四隅コーナーにネジ孔13を備えている。
【0030】
突合せ接続部10は、固定部材3の受け口8に突合せ内在させる指し口10aである。この指し口10aは、連通口11の他端開口縁から外周方向に突出させた第1の座面部10a−1と、この第1の座面部10a−1の外周縁から図2に示すように、固定部材3の連通口6方向の筒方向に突出させた第2の座面部10a−2とから断面視で略L字形状に形成されている。
【0031】
そして、このように形成されている回動部材4のフランジ部12の一辺側には、図4に示すように、略クランク形状に折り曲げ形成されている引掛け部14を縁辺に沿わせて備えている。
これにより、図1の(b)に示すように、第2の変換部材A2の後記する連通口15のフランジ部16の一辺側を差し込み掛止させた状態で他辺側を止めネジ17を用いてネジ止めすることで、第2の変換部材A2を回動部材4に載置固定し得るようにしている。
【0032】
≪締付け部材の構成≫
図5は、締付け部材を示す斜視図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
締付け部材5は、図5に示すように、バンド5aと、このバンド5aの円周開放端を接近させる方向側を引き寄せて、該バンド5aを縮径方向に締め付ける締付け具5bとを備えて構成されている。
【0033】
バンド5aは、図1および図2に示すように、固定部材3の受け口8a側の第2の座面部8a−2の外側に沿って該第2の座面部8a−2の全周にわたり巻き付けセットされる程度の長さを有する断面視で略台形形状に形成されている
そして、このバンド5aの両端開放側には、図5に示すように、締付け具5bを構成する略L字形状の連繋部材18が溶接やその他の固着手段によってそれぞれ備えられており、この連繋部材18の間にわたり締付けボルト19が貫通架橋状に備えられている。
【0034】
≪第2の変換部材の構成≫
図6は、ダクト接続継手を構成する第2の変換部材を示す斜視図および縦断面図である。
第2の変換部材A2は、図6に示すように、下面開口の連通口15と側面開口の接続口20を、直角に屈曲する屈曲部分21の内周21aに設けてなる略L形ボックス状に形成されている。
具体的に説明すると、第2の変換部材A2は、屈曲部分21の内周21aが曲率半径を必要とせずに、当該屈曲部分21を形成するために必要な加工幅のみで構成され、図6に示すように、円筒状で側面開口の接続口20と略正四角形状で下面開口の連通口15が90°の角度差で内周21aの流路軸線方向両側に設けられている。
また、第2の変換部材A2は、屈曲部分21の外周21bを湾曲面とすることで、排気流の圧損を小さく抑える流路形状としている。
【0035】
そして、下面開口の連通口15の開口周縁にはフランジ部16が備えられているとともに、円筒状の接続口20には排気流などの逆流を防ぐためのシャッタ22が備えられている。
【0036】
フランジ部16は、第2の変換部材A2のフランジ部12に載置固定するものであり、連通口15の開口縁から外周に向けて平面視で略四角形状に連設形成されているとともに、四隅コーナーにネジ挿通孔23を備えている。
また、フランジ部16は、接続口20が開口する側に位置する一辺側の幅を広く形成して、回動部材4のフランジ部12上に載置固定するとき、当該幅広一辺側をフランジ部12の一辺側に備えられている引掛け部14に差し込み掛止し得るようにしている。
【0037】
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されている本実施形態に係るダクト接続継手Aを適用させたレンジフードBの天板bに設けられている接続排気口1を、リビングなどの下がり天井Dの内部に配管されている排気ダクト2へ接続する場合について説明する。
図7および図8は、本発明の実施形態に係るダクト接続継手が適用されたレンジフードの接続設置の一例を示す斜視図および平面図である。ここでは、図1〜図5を適宜参照しながら説明する。
【0038】
まず、図3および図4に示す第1の変換部材A1を構成する固定部材3の受け口8aに回動部材4の挿し口10aを突合せ重合させ、この重合状態で図5に示す締付け部材5のバンド5aを受け口8aの第2の座面部8a−2の外側に沿わせて装着して、図2に示す第1の変換部材A1を組み立てる。このとき、締付けボルト19によるバンド5aの縮径方向への締めを仮締め状態として、回動部材4を固定部材3に回動可能に突合せ連結する。
【0039】
つぎに、第2の変換部材A2の連通口15に備えられているフランジ部16の一辺側(側方開口の接続口20側)を回動部材4のフランジ部12に備えられている引掛け部14に差し込み掛止させるとともに、その他辺側を止めネジ17を用いてフランジ部12にネジ止めして、図1に示すように、第2の変換部材A2を回動部材4上に載置固定する。
【0040】
そして、このようにして第1の変換部材A1の回動部材4上に第2の変換部材A2を載置固定するダクト接続継手Aの組み立てが終了した後に、第1の変換部材A1の固定部材3をレンジフードBの接続排気口1が設けられている天板bにビス止めにより固定する。つぎに、第2の変換部材A2の側面開口の接続口20を、レンジフードBが設置された間仕切り壁Cの開口部24から臨む排気ダクト2方向に向けるように、固定部材3に回動可能に連結されている回動部材4を介して第2の変換部材A2を回動させるとともに、図7および図8に示すように、エルボ管25を介して排気ダクト2に接続する。
エルボ管25を介して第2の変換部材A2の接続口20を排気ダクト2に接続した後、締付け部材5の締付けボルト19でバンド5aを本締めせしめて回動部材4を固定部材3に回動不能に連結するこれら一連の作業を行うことで、レンジフードBの天板bに設けられている接続排気口1を、リビングなどの下がり天井Dの内部に配管されている排気ダクト2に接続するダクト接続作業が終了する。
【符号の説明】
【0041】
A ダクト接続継手
A1 第1の変換部材
A2 第2の変換部材
B レンジフード
1 接続排気口
2 排気ダクト
3 固定部材
4 回動部材
5 締付け部材
5a バンド
5b 締付け具
6,11,15 連通口
8,10 突合せ接続部
8a 受け口
8a−1 第1の座面部
8a−2 第2の座面部
10a 挿し口
10a−1 第1の当接面部
10a−2 第2の当接面部
20 接続口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンジフードの上部に設けられている接続排気口と建物に設けられている排気ダクトを接続するダクト接続継手であって、
前記接続排気口に連通させて前記レンジフードの上部に取り付けられる第1の変換部材と、
前記第1の変換部材に連通させる連通口を備えて該第1の変換部材に載置固定されるとともに、前記排気ダクトに接続される側面開口の接続口を有する第2の変換部材と、を備えてなり、
前記第1の変換部材は、前記接続排気口に連通させて前記レンジフードの上部に取り付けられる固定部材と、
前記固定部材に回動可能に突合せ重合される回動部材と、を備えて、前記第2の変換部材を前記接続排気口に接続するように構成されていることを特徴とするダクト接続継手。
【請求項2】
前記第2の変換部材は、下面開口の前記連通口と、側面開口の前記接続口を備える略L形ボックス状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のダクト接続継手。
【請求項3】
前記第1の変換部材の前記固定部材および前記回動部材は、前記接続排気口の開口に相当する大きさで適宜高さの円筒形状を呈する連通口の一端開口縁から平面視で略四角形状に連設させたフランジ部を備えているとともに、当該連通口の他端開口縁には回動可能に突合せ重合させる突合せ接続部を備えてなり、
前記突合せ接続部のうち、前記固定部材の連通口側に設けられる突合せ接続部は、開口縁部から外周方向に突出させた第1の座面部と、この第1の座面部の外周縁から突合せ重合方向に突出させた第2の座面部と、から断面視で略L字形状に形成されている受け口と成し、
前記回動部材の連通口側に設けられる前記突合せ接続部は、開口縁部から外周方向に突出されて前記第1の座面部に突合せ重合される第1の当接面部と、この第1の当接面部の外周縁から前記第2の座面部と同じ突合せ重合方向に突出されて該第2の座面部の内側に当接される第2の当接面部と、から断面視で略L字形状に形成されている挿し口と成し、
前記受け口に前記挿し口を突合せ重合させ、前記受け口の前記第2の座面部の外周面側から締付け部材によって締め付けて、前記第1の座面部と前記第1の当接面部、前記第2の座面部と前記第2の当接面部をそれぞれ圧接させることで前記固定部材に前記回動部材を回動不能に連結するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダクト接続継手。
【請求項4】
締付け部材は、前記受け口の前記第2の座面部の外周面に沿って巻かれるバンドと、
該バンドの円周開放端に装着されて、該バンドを縮径方向に締め付ける締付け具と、から構成されていることを特徴とする請求項3に記載のダクト接続継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−207815(P2012−207815A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71829(P2011−71829)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000237374)富士工業株式会社 (112)
【出願人】(595106969)大東建託株式会社 (5)
【Fターム(参考)】