説明

ダクト継手

【課題】互いに交差する2つの被取付面に跨って2つの配管ダクトを連通接続する際に用いられるダクト継手において、各配管ダクトを容易に嵌着できるようにする。
【解決手段】略多角形断面筒状の継手本体5は、天井2の仕上げ面2aに接触する取付面部51と、壁3の仕上げ面に沿う対向面部と、第1配管ダクト20を嵌着して接続するための第1接続口部53と、第2配管ダクト30を嵌着して接続するための第2接続口部54とを備えている。第1接続口部53は、対向面部に第1段差部が設けられることにより、壁3の仕上げ面から離間している。第2接続口部54は、取付面部51に第2段差部51aが設けられることにより、天井2の仕上げ面2aから離間している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに交差する2つの被取付面(例えば、天井の仕上げ面および壁の仕上げ面)に跨って2つの配管ダクトを連通接続する際に用いるのに好適なダクト継手に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のダクト継手としては、略長方形断面筒状の継手本体の4つの外側面のうち、2つの被取付面に対向する2つの外側面が平坦に形成され、その継手本体の両端部に、それぞれの配管ダクトを嵌着して接続するための2つの接続口部が一体的に形成されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4522178号公報(〔請求項1〕〔請求項2〕〔請求項3〕の欄、図6、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなダクト継手では、2つの被取付面に対向する継手本体の2つの外側面が平坦に形成されているため、このダクト継手を被取付面に取り付けると、ダクト継手の2つの接続口部と2つの被取付面との間に隙間がほとんど生じない状態となる。その結果、このダクト継手の各接続口部に各配管ダクトを嵌着して接続するときに、この嵌着作業に困難を伴い、ひいては配管ダクトの配設時の作業性が低下するという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑み、互いに交差する2つの被取付面に跨って2つの配管ダクトを連通接続する際に、これらの配管ダクトを接続口部に容易に嵌着して接続することが可能なダクト継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、互いに交差する2つの被取付面のうち、一方の被取付面に取り付けられる第1配管ダクトと、他方の被取付面に取り付けられる第2配管ダクトとを連通接続するダクト継手であって、略多角形断面筒状の継手本体を有し、この継手本体は、前記一方の被取付面に接触する取付面部と、この取付面部に連設され、前記他方の被取付面に沿う対向面部と、前記第1配管ダクトを嵌着して接続するための第1接続口部と、前記第2配管ダクトを嵌着して接続するための第2接続口部とを備え、前記第1接続口部は、前記対向面部に第1段差部が設けられることにより、前記他方の被取付面から離間し、前記第1配管ダクトを嵌着して接続するときに、当該第1配管ダクトと前記他方の被取付面との間に所定の隙間が形成されるとともに、前記第2接続口部は、前記取付面部に第2段差部が設けられることにより、前記一方の被取付面から離間し、前記第2配管ダクトを嵌着して接続するときに、当該第2配管ダクトと前記一方の被取付面との間に所定の隙間が形成されるように構成されているダクト継手としたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記継手本体は、前記一方の被取付面に固定される略コ字断面形状の取付ベースと、この取付ベースに着脱自在に取り付けられる略コ字断面形状のカバー片とから構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記取付ベースには、前記取付面部の全部、前記対向面部の一部、前記第1接続口部の一部および前記第2接続口部の一部が形成されているとともに、前記カバー片には、前記対向面部の残部、前記第1接続口部の残部および前記第2接続口部の残部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記一方の被取付面が天井の仕上げ面であるとともに、前記他方の被取付面が壁の仕上げ面であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記2つの被取付面が2つの壁の仕上げ面であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1接続口部と他方の被取付面との間に隙間が生じると同時に、第2接続口部と一方の被取付面との間に隙間が生じるようになる。その結果、互いに交差する2つの被取付面に跨って2つの配管ダクトを連通接続する際に、これらの配管ダクトを第1接続口部および第2接続口部に容易に嵌着して接続することができる。したがって、配管ダクトの配設時の作業性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1に係るダクト継手を示す図であって、(a)はその組立斜視図、(b)はその分解斜視図である。
【図2】同実施の形態1に係る組立状態のダクト継手を示す図であって、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその底面図、(d)はその左側面図、(e)はその右側面図、(f)は(a)のF−F線による断面図である。
【図3】同実施の形態1に係るダクト継手を用いて2つの配管ダクトを連通接続した状態を示す図であって、(a)はその組立斜視図、(b)はその分解斜視図である。
【図4】同実施の形態1に係るダクト継手を用いて2つの配管ダクトを連通接続した状態を示す正断面図である。
【図5】図4のV矢視図である。
【図6】図4のVI矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0014】
図1乃至図6には、本発明の実施の形態1を示す。
【0015】
実施の形態1に係るダクト継手1は、図3に示すように、互いに90°で交差する天井2の仕上げ面(一方の被取付面)2aおよび壁3の仕上げ面(他方の被取付面)3aに跨って第1配管ダクト20および第2配管ダクト30を互いに連通接続する際に用いられるものである。
【0016】
このダクト継手1は、図1および図4に示すように、略長方形断面筒状の継手本体5を有している。継手本体5は、図1および図2に示すように、天井2の仕上げ面2aにねじ10で固定される略コ字断面形状の取付ベース6と、この取付ベース6に爪係止方式で着脱自在に取り付けられる略コ字断面形状のカバー片7とから構成されている。すなわち、取付ベース6に一対の係止爪6aが形成されているとともに、カバー片7に一対の係止孔7aが形成されており、一対の係止爪6aが一対の係止孔7aに係合することにより、取付ベース6とカバー片7とが互いに連結された状態になるとともに、一対の係止孔7aに対する一対の係止爪6aの係合が解除されることにより、取付ベース6とカバー片7との連結が解除された状態になる。
【0017】
そして、この継手本体5は、取付ベース6にカバー片7が取り付けられて略長方形断面筒状に一体化された状態では、図1〜図3に示すように、天井2の仕上げ面2aに接触する取付面部51と、この取付面部51に連設され、壁3の仕上げ面3aに沿う対向面部52と、第1配管ダクト20を内側に嵌着して接続するための第1接続口部53と、第2配管ダクト30を外側に嵌着して接続するための第2接続口部54とを備えている。なお、取付面部51は、その全部が取付ベース6に形成されている。対向面部52は、その一部が取付ベース6に形成されているとともに、残部がカバー片7に形成されている。第1接続口部53は、その一部が取付ベース6に形成されているとともに、残部がカバー片7に形成されている。第2接続口部54は、その一部が取付ベース6に形成されているとともに、残部がカバー片7に形成されている。
【0018】
ここで、第1接続口部53は、図5および図6に示すように、対向面部52に第1段差部52aが設けられることにより、壁3の仕上げ面3aから所定の距離L1(例えば、L1=3.5mm)だけ離間している。したがって、この第1接続口部53に第1配管ダクト20等を嵌着して接続するときに、第1配管ダクト20と壁3の仕上げ面3aとの間に所定の隙間が形成される。そのため、ダクト継手1に対する第1配管ダクト20等の接続が容易になる。詳細については、後述する。
【0019】
一方、第2接続口部54は、図4に示すように、取付面部51に第2段差部51aが設けられることにより、天井2の仕上げ面2aから所定の距離L2(例えば、L2=3.5mm)だけ離間している。したがって、この第2接続口部54に第2配管ダクト30を嵌着して接続するときに、第2配管ダクト30と天井2の仕上げ面2aとの間に所定の隙間が形成される。そのため、第2配管ダクト30の取付ベース31に対するカバー片32の取付が容易になる。詳細については、後述する。
【0020】
さらに、取付ベース6には、図1に示すように、取付面部51のほぼ中央部に、ねじ止め部6bが形成されているとともに、第1接続口部53に、第1配管ダクト20を所定の位置に位置決めするための位置決め片6cが形成されている。
【0021】
また、第1配管ダクト20は、図3〜図6に示すように、直管型のダクトで、天井2の仕上げ面2aにねじ11で固定される略コ字断面形状の取付ベース21と、この取付ベース21に爪係止方式で着脱自在に取り付けられる略コ字断面形状のカバー片22とから構成されている。すなわち、取付ベース21に一対の係止溝21aが形成されているとともに、カバー片22に一対の係止爪22aが形成されており、一対の係止爪22aが一対の係止溝21aに係合することにより、取付ベース21とカバー片22とが互いに連結された状態になるとともに、一対の係止溝21aに対する一対の係止爪22aの係合が解除されることにより、取付ベース21とカバー片22との連結が解除された状態になる。そして、この第1配管ダクト20は、取付ベース21にカバー片22が取り付けられて角筒状に一体化されると、図4〜図6に示すように、その両方の開放端に2つの接続口部23、24が形成された状態となる。なお、取付ベース21の接続口部23近傍には、図4に示すように、ねじ止め部21bが形成されている。
【0022】
また、第2配管ダクト30は、図3〜図6に示すように、エルボ形のダクトで、壁3の仕上げ面3aにねじ12で固定される略正方形板状の取付ベース31と、この取付ベース31に爪係止方式で着脱自在に取り付けられる略直方体箱形状のカバー片32とから構成されている。すなわち、取付ベース31に3つの係止孔31aが形成されているとともに、カバー片32に3つの係止爪32aが形成されており、3つの係止爪32aが3つの係止孔31aに係合することにより、取付ベース31とカバー片32とが互いに連結された状態になるとともに、3つの係止孔31aに対する3つの係止爪32aの係合が解除されることにより、取付ベース31とカバー片32との連結が解除された状態になる。そして、この配管ダクト30は、取付ベース31にカバー片32が取り付けられてエルボ形に一体化されると、図3(a)および図4に示すように、その両方の開放端に2つの接続口部33、34が形成された状態となる。なお、取付ベース31のほぼ中央部には、図4に示すように、ねじ止め部31bが形成されている。
【0023】
さらに、第2配管ダクト30の下側に連通接続される配管ダクト40は、図3〜図6に示すように、直管型のダクトで、壁3の仕上げ面3aにねじ13で固定される略コ字断面形状の取付ベース41と、この取付ベース41に爪係止方式で着脱自在に取り付けられる略コ字断面形状のカバー片42とから構成されている。すなわち、取付ベース41に一対の係止溝41aが形成されているとともに、カバー片42に一対の係止爪42aが形成されており、一対の係止爪42aが一対の係止溝41aに係合することにより、取付ベース41とカバー片42とが互いに連結された状態になるとともに、一対の係止溝41aに対する一対の係止爪42aの係合が解除されることにより、取付ベース41とカバー片42との連結が解除された状態になる。そして、この配管ダクト40は、取付ベース41にカバー片42が取り付けられて角筒状に一体化されると、図4〜図6に示すように、その両方の開放端に2つの接続口部43、44が形成された状態となる。なお、取付ベース41の接続口部43近傍には、図4に示すように、ねじ止め部41bが形成されている。
【0024】
ダクト継手1は以上のような構成を有するので、天井2の仕上げ面2aおよび壁3の仕上げ面3aに跨って配管(図示せず)を施工する際には、次の手順により、このダクト継手1を用いて、天井2の仕上げ面2aおよび壁3の仕上げ面3aに跨って第1配管ダクト20および第2配管ダクト30を互いに連通接続した後、第2配管ダクト30に配管ダクト40を連通接続する。
【0025】
まず、第1ベース取付工程で、天井2の仕上げ面2a上の所定の位置にダクト継手1の取付ベース6をねじ10で固定する。それには、取付ベース6の取付面部51を天井2の仕上げ面2aに宛い、この状態で、取付ベース6のねじ止め部6bに、ねじ10を挿通して天井2にねじ込む。
【0026】
次に、第2ベース取付工程に移行し、このダクト継手1の第1接続口部53の一部(取付ベース6に形成された部分)の内側に第1配管ダクト20の接続口部23の一部(取付ベース21に形成された部分)を嵌着し、この状態で、この取付ベース21を天井2の仕上げ面2aにねじ11で固定する。それには、取付ベース21を天井2の仕上げ面2aに宛った状態で、取付ベース21のねじ止め部21bに、ねじ11を挿通して天井2にねじ込む。
【0027】
その後、第3ベース取付工程に移行し、ダクト継手1の第2接続口部54の一部(取付ベース6に形成された部分)の外側に第2配管ダクト30の接続口部33の一部(取付ベース31に形成された部分)を嵌着し、この状態で、この取付ベース31を壁3の仕上げ面3aにねじ12で固定する。それには、取付ベース31を壁3の仕上げ面3aに宛った状態で、取付ベース31のねじ止め部31bに、ねじ12を挿通して壁3にねじ込む。
【0028】
次に、第4ベース取付工程に移行し、この第2配管ダクト30の接続口部34の一部(取付ベース31に形成された部分)の内側に配管ダクト40の接続口部43の一部(取付ベース41に形成された部分)を嵌着し、この状態で、この取付ベース41を壁3の仕上げ面3aにねじ13で固定する。それには、取付ベース41を壁3の仕上げ面3aに宛った状態で、取付ベース41のねじ止め部41bに、ねじ13を挿通して壁3にねじ込む。
【0029】
こうして、ダクト継手1の取付ベース6および第1配管ダクト20の取付ベース21が天井2の仕上げ面2aに固定されるとともに、第2配管ダクト30の取付ベース31および配管ダクト40の取付ベース41が壁3の仕上げ面3aに固定されたところで、配管工程に移行し、これらの取付ベース6、21、31、41に沿って配管(図示せず)を配設する。
【0030】
その後、第1カバー取付工程に移行し、この配管の一部(第1配管ダクト20の取付ベース21に沿う部分)を覆うように、第1配管ダクト20のカバー片22を取付ベース21に取り付ける。
【0031】
このとき、ダクト継手1の第1接続口部53は、上述したとおり、壁3の仕上げ面3aから所定の距離L1だけ離間しているので、第1配管ダクト20を内側に嵌着して接続するときに、第1配管ダクト20と壁3の仕上げ面3aとの間に距離L1の隙間が形成される。そのため、図6に示すように、第1配管ダクト20の接続口部24にダクト継手60を介して直管ダクト61を接続するとき、そのダクト継手60が爪係止方式のもの(つまり、取付ベースの係止孔にカバー片の係止爪が係合することにより、取付ベースとカバー片とが互いに連結されるもの)であっても、このカバー片の係止爪が開くスペースを壁3の仕上げ面3aとの間に確保することができるため、ダクト継手60を第1配管ダクト20の接続口部24に容易に嵌着することが可能となる。
【0032】
次に、第2カバー取付工程に移行し、この配管の一部(配管ダクト40の取付ベース41に沿う部分)を覆うように、配管ダクト40のカバー片42を取付ベース41に取り付ける。
【0033】
その後、第3カバー取付工程に移行し、この配管の一部(ダクト継手1の取付ベース6に沿う部分)を覆うように、ダクト継手1のカバー片7を取付ベース6に取り付ける。
【0034】
最後に、第4カバー取付工程に移行し、この配管の一部(第2配管ダクト30の取付ベース31に沿う部分)を覆うように、第2配管ダクト30のカバー片32を取付ベース31に取り付ける。それには、カバー片32の3つの係止爪32aを外向きに少し開いて取付ベース31の3つの係止孔31aに引っ掛けて係合する。
【0035】
このとき、取付ベース31が嵌着されたダクト継手1の第2接続口部54は、上述したとおり、天井2の仕上げ面2aから所定の距離L2だけ離間している。したがって、カバー片32と天井2の仕上げ面2aとの間に所定の隙間が形成され、カバー片32の係止爪32aが開くスペースを天井2の仕上げ面2aとの間に確保することができるため、取付ベース31に対するカバー片32の取付作業を円滑に行うことができる。
【0036】
これで、配管がダクト継手1、第1配管ダクト20、第2配管ダクト30および配管ダクト40に覆われて保護された状態となり、ここで配管の施工が終了する。
[発明のその他の実施の形態]
【0037】
なお、上述した実施の形態1では、2つの被取付面が天井2の仕上げ面2aおよび壁3の仕上げ面3aである場合について説明した。しかし、2つの被取付面が互いに交差するものである限り、どのような被取付面の組合せ(例えば、2つの壁の仕上げ面、軒天井と外壁の仕上げ面、マンションその他の集合住宅の梁の仕上げ面など)に第1配管ダクト20および第2配管ダクト30を取り付ける場合であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0038】
また、上述した実施の形態1では、互いに90°で交差する2つの被取付面(天井2の仕上げ面2aおよび壁3の仕上げ面3a)に跨って第1配管ダクト20および第2配管ダクト30を互いに連通接続する場合について説明した。しかし、これらの被取付面は必ずしも90°で交差する必要はなく、90°以外の角度(鋭角であると鈍角であるとを問わない)で交差する2つの被取付面に跨って第1配管ダクト20および第2配管ダクト30を互いに連通接続する場合であっても、本発明を同様に適用することができる。
【0039】
また、上述した実施の形態1では、ダクト継手1の第1接続口部53の内側に第1配管ダクト20の接続口部23を嵌着するとともに、ダクト継手1の第2接続口部54の外側に第2配管ダクト30の接続口部33を嵌着する場合について説明した。しかし、ダクト継手1の第1接続口部53の外側に第1配管ダクト20の接続口部23を嵌着する場合や、ダクト継手1の第2接続口部54の内側に第2配管ダクト30の接続口部33を嵌着する場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0040】
さらに、上述した実施の形態1では、ダクト継手1の第1接続口部53に直管型の第1配管ダクト20を嵌着して接続するとともに、ダクト継手1の第2接続口部54にエルボ形の第2配管ダクト30を嵌着して接続する場合について説明した。しかし、第1配管ダクト20と第2配管ダクト30とが、互いに交差する2つの被取付面に別個に取り付けられるものである限り、第1配管ダクト20および第2配管ダクト30の形状は特に限定されない。例えば、直管型の第1配管ダクト20と直管型の第2配管ダクト30とを互いに連通接続する場合や、エルボ形の第1配管ダクト20とエルボ形の第2配管ダクト30とを互いに連通接続する場合にも、本発明を同様に適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、互いに交差する2つの被取付面に跨って2つの配管ダクトを連通接続する際に用いられるダクト継手に広く適用することができる。この配管ダクトとしては、空調用配管、冷媒管、ドレン管、給水・給湯用の配管、電気配線、ガス配管、排水管など各種の配管を覆って保護する配管ダクトが挙げられる。
【符号の説明】
【0042】
1……ダクト継手
2……天井
2a……仕上げ面(一方の被取付面)
3……壁
3a……仕上げ面(他方の被取付面)
5……継手本体
6……取付ベース
6a……係止爪
6c……位置決め片
7……カバー片
20……第1配管ダクト
21……取付ベース
22……カバー片
30……第2配管ダクト
31……取付ベース
32……カバー片
40……配管ダクト
41……取付ベース
42……カバー片
51……取付面部
51a……第2段差部
52……対向面部
52a……第1段差部
53……第1接続口部
54……第2接続口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する2つの被取付面のうち、一方の被取付面に取り付けられる第1配管ダクトと、他方の被取付面に取り付けられる第2配管ダクトとを連通接続するダクト継手であって、
略多角形断面筒状の継手本体を有し、この継手本体は、前記一方の被取付面に接触する取付面部と、この取付面部に連設され、前記他方の被取付面に沿う対向面部と、前記第1配管ダクトを嵌着して接続するための第1接続口部と、前記第2配管ダクトを嵌着して接続するための第2接続口部とを備え、
前記第1接続口部は、前記対向面部に第1段差部が設けられることにより、前記他方の被取付面から離間し、前記第1配管ダクトを嵌着して接続するときに、当該第1配管ダクトと前記他方の被取付面との間に所定の隙間が形成されるとともに、
前記第2接続口部は、前記取付面部に第2段差部が設けられることにより、前記一方の被取付面から離間し、前記第2配管ダクトを嵌着して接続するときに、当該第2配管ダクトと前記一方の被取付面との間に所定の隙間が形成されるように構成されていることを特徴とするダクト継手。
【請求項2】
前記継手本体は、前記一方の被取付面に固定される略コ字断面形状の取付ベースと、この取付ベースに着脱自在に取り付けられる略コ字断面形状のカバー片とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のダクト継手。
【請求項3】
前記取付ベースには、前記取付面部の全部、前記対向面部の一部、前記第1接続口部の一部および前記第2接続口部の一部が形成されているとともに、
前記カバー片には、前記対向面部の残部、前記第1接続口部の残部および前記第2接続口部の残部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のダクト継手。
【請求項4】
前記一方の被取付面が天井の仕上げ面であるとともに、前記他方の被取付面が壁の仕上げ面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のダクト継手。
【請求項5】
前記2つの被取付面が2つの壁の仕上げ面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のダクト継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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