説明

ダブルクラッドファイバ及びファイバレーザ装置

【課題】従来のダブルクラッドファイバは、ファイバ長さ方向に対して同一断面形状であるので、レーザ光発生に寄与しないスキュー光が発生した場合、そのスキュー光が低減しないという課題を有していた。
【解決手段】レーザ媒質を含み、レーザ光を発生、伝播させるコア11と、励起光を伝播させるインナークラッド12と、励起光を閉じ込めるアウタークラッド13を備えるダブルクラッドファイバにおいて、前記インナークラッド12の断面形状が、励起光が導入される概ね円形の断面形状を持つ励起領域と、レーザ光を伝播させる概ね円形の発振領域から成り、前記励起領域もしくは前記発振領域のうち少なくともどちらかの領域は断面形状の円周の一部を直線で構成する平坦部を持ち、前記平坦部の長さが前記ダブルクラッドファイバの長さ方向に沿って変化する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料加工に用いるダブルクラッドファイバ及びファイバレーザ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、材料加工に用いられるレーザの光源としてファイバレーザが注目されている。なかでも、ダブルクラッドファイバの採用により、従来ではYAGなどの固体レーザでしか実現できなかった高出力レーザ光を要する材料加工分野への普及が見られている。
【0003】
ファイバレーザの場合、高品質なレーザ光を取り出す観点からコア径の大径化には限界があり、一方、高出力レーザ光を取り出す観点からは、高出力な励起光が必要となるが、高出力な励起光は集光性が悪く、大きな断面積をもつインナークラッドが必要とされている。
【0004】
従来の高出力ファイバレーザ装置に用いているダブルクラッドファイバは、大きな断面積をもつインナークラッドとして励起光を導入する導波路とレーザ光を発生する導波路を一体として並行に設けているものもある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、大きな断面積をもつインナークラッドにおいて発生し易いスキュー光(レーザ光発生に寄与しない光)低減のためにインナークラッドの一部に平坦部を設けているものもある(例えば特許文献2参照)。
【0006】
図5は従来のダブルクラッドファイバの断面を示しており、その全長に渡って同一断面形状である。このダブルクラッドファイバは、レーザ媒質である希土類が添加され、発生するレーザ光を閉じ込めるコア101、励起光を伝播させるインナークラッド102、励起光を閉じ込めるアウタークラッド103から構成されている。そして、励起光はインナークラッドに注入される。
【0007】
以上のように構成されたダブルクラッドファイバについて、その動作を説明する。インナークラッドに注入された励起光はインナークラッドを伝播する。伝播中、励起光はコアを横断してレーザ媒質である希土類を励起し、光を生じ、ダブルクラッドファイバに設けられた光共振器によりレーザ光として取り出される。
【特許文献1】特開2001−144350号公報(第1図)
【特許文献2】特表平10−510104号公報(第3図及び第4図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のダブルクラッドファイバは、ファイバ長さ方向に対して同一断面形状であるので、レーザ光発生に寄与しないスキュー光が発生した場合、そのスキュー光が低減しないという課題を有していた。
【0009】
また、従来のダブルクラッドファイバを搭載したファイバレーザ装置は、そのスキュー光が低減せず、効率よくレーザ光を発生することが出来ないので、効率よくレーザ光を取り出すことができないという課題を有していた。
【0010】
本発明は、スキュー光を低減させるダブルクラッドファイバを提供することを第1の目的とし、効率よくレーザ光を取り出すことができるファイバレーザ装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のダブルクラッドファイバは、その両端を除いて、断面を構成する円周の一部に平坦部を設け、その平坦部の長さが、ダブルクラッドファイバの長さ方向に沿って、ダブルクラッドファイバの中央に近づくに従って、増加する形状である。
【0012】
そして、この構成によりスキュー光を低減することができる。
【0013】
また、本発明のダブルクラッドファイバを搭載したファイバレーザ装置は、スキュー光が低減しており、効率よくレーザ光を取り出すことが出来る。
【発明の効果】
【0014】
本発明のダブルクラッドファイバによれば、スキュー光を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、図1及び図2を用いて実施の形態1を説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態1のダブルクラッドファイバの説明図である。図2は、本実施の形態1のファイバレーザ装置の概略構成図である。
【0017】
図1は構成を示すもので、ダブルクラッドファイバ10の構成は、レーザ光を伝送するコア11、励起光を伝送するインナークラッド12、励起光を閉じ込めるアウタークラッド13から構成しており、その全長は数十メートルである。
【0018】
図1には、併せてダブルクラッドファイバ10の1A点から1E点における断面図を示している。
【0019】
図1において、コア11はレーザ媒質を含み、レーザ光を発生、伝播させるもので、具体的にはレーザ媒質である希土類、望ましくはイッテルビウム、を添加した石英ガラスであり、その断面形状は円形で、直径は10マイクロメートルである。
【0020】
インナークラッド12は励起光を伝播させるもので、具体的には石英ガラスであり、その断面形状は、励起光が導入される概ね円形の断面形状を持つ励起領域と、レーザ光を伝播させる概ね円形の発振領域から成り、励起領域もしくは発振領域のうち少なくともどちらかの領域は断面形状の円周の一部を直線で構成する平坦部を持ち、この平坦部の長さがダブルクラッドファイバ10の長さ方向に沿って変化している。
【0021】
ダブルクラッドファイバ10の端面(1A点、及び、1E点)における断面形状は、直径440マイクロメートルの円形を2つ重ねた達磨形状で、その重なり部分の幅は20マイクロメートルである。
【0022】
また、2つ重ねた円のうちの1つの円はその中心付近にコア11を有する。コア11を有する円で構成する領域を発振領域とし、コア11を有しない円で構成する領域を励起領域とする。
【0023】
1A点からダブルクラッドファイバ10の長さ方向中央付近(1C点)に向かって、1A点から所望の距離、望ましくは1メートル以上離れた位置1B点から1C点までの間におけるインナークラッド12の断面形状は、前記励起領域を構成する円周の一部に平坦部を設ける形状であり、加えて、その平坦部の長さは、長さ方向中央付近(1C点)に近づくにつれて増加している。
【0024】
同様に、1E点から1C点に向かって、1E点から上述した所望の距離だけ離れた位置1D点から1C点までの間におけるインナークラッド12の励起領域形状は、前記励起領域形状を構成する円周の一部に平坦部を設ける形状であり、加えて、その平坦部の長さは1C点に近づくにつれて増加している。
【0025】
インナークラッド12は、前記発振領域となる円形断面コアと円形断面クラッド構造を持つファイバ構造母材と、前記励起領域になる母材の側面を、母材の長さ方向に沿って、徐々に深く研削した円形断面を持つ石英母材、を一括線引きすることで得られる。
【0026】
アウタークラッド13は励起光を閉じ込めるもので、上記線引き後のコーティングで用いるポリマーであり、ダブルクラッドファイバ10を保護する。屈折率は、コア11、インナークラッド12、アウタークラッド13の順に低くなる構造である。
【0027】
次に、図2は本実施の形態例のダブルクラッドファイバ10を用いたファイバレーザ装置の概略構成を示し、励起光を発生するファイバ付き半導体レーザ21、26、ファイバ付き半導体レーザを駆動する電源20、25、所望の波長の光を帰還する高反射端28、レーザ出力を取り出す伝送ファイバ29から構成されている。
【0028】
図2において、電源20はファイバ付き半導体レーザ21に接続しており、ファイバ付き半導体レーザ21を駆動する。ファイバ付き半導体レーザ21のファイバは、コア直径400マイクロメートル、クラッド直径440マイクロメートルであり、ダブルクラッドファイバ10の端面1A点において、そのコアはインナークラッド12の励起領域に接続している。
【0029】
同様に、電源25はファイバ付き半導体レーザ26に接続しており、ファイバ付き半導体レーザ26を駆動する。ファイバ付き半導体レーザ26のファイバは、ダブルクラッドファイバ10の端面1E点において、そのコアはインナークラッド12の励起領域に接続している。
【0030】
また、ダブルクラッドファイバ10の端面1A点においては、上記の接続に併せて、コア直径10マイクロメートル、クラッド直径400マイクロメートルのファイバ型の高反射端28が、発振領域のコア11に接続している。
【0031】
一方、ダブルクラッドファイバ10の端面1E点においては、上記の接続に併せて、コア直径10マイクロメートル、クラッド直径400マイクロメートルのファイバ型の伝送用ファイバ29が、発振領域のコア11に接続している。
【0032】
以上のように構成されたダブルクラッドファイバを用いたファイバレーザ装置について、その動作を説明する。
【0033】
まず、電源20により駆動されたファイバ付き半導体レーザ21は、コア12に添加したレーザ媒質である希土類を励起する波長の励起光を発生する。
【0034】
励起光は断面が円形のファイバにより伝送され、1A点のインナークラッド12の励起領域に注入される。このとき、インナークラッド12の励起領域の断面形状が、平坦部を持たないので、励起光を効率よくインナークラッド12の励起領域に注入できる。
【0035】
注入された励起光は、インナークラッド12の励起領域と発振領域を伝播する。1A点に注入された励起光はインナークラッド12の励起領域と発振領域を伝播しながら1B点に達する。
【0036】
この間に生じたスキュー光は1B点から設けたインナークラッド12の平坦部により、そのダブルクラッドファイバ10の断面方向の進行方向を変化させられ、一部は励起に寄与する光線となる。加えて、1B点以降の平坦部は、1C点に至までその長さを増加する為、励起領域と発振領域の形状、すなわちインナークラッド12の断面形状が変化する。この変化に伴いスキュー光は1B点から1C点間で徐々に減少し、1C点ではスキュー光は最小となる。
【0037】
同様に、電源25により駆動されたファイバ付き半導体レーザ26は、コア12に添加したレーザ媒質である希土類を励起する波長の励起光を発生する。励起光はファイバにより伝送され、1E点のインナークラッド12の励起領域に注入される。このとき、インナークラッド12の励起領域の断面形状が平坦部を持たないので、励起光を効率よくインナークラッド12に注入できる。
【0038】
注入された励起光は、インナークラッド12を伝播する。1E点に注入された励起光はインナークラッド12を伝播しながら1D点に達する。
【0039】
この間に生じたスキュー光は1D点から設けたインナークラッド12の平坦部により、そのダブルクラッドファイバ10の断面方向の進行方向を変化させられ、励起に寄与する光線と、スキュー光に分けられる。加えて、1D点以降の平坦部は、1C点に至までその長さを増加する為、励起領域と発振領域の非対称性が変化する。従ってスキュー光は1D点から1C点間で徐々に減少して1C点ではスキュー光は最小となる。
【0040】
そして、励起により生じた光は、高反射端28と伝送用ファイバ29の端面で構成する光共振器内で多重帰還増幅されてレーザ光となり、伝送用ファイバ29の端面から取り出される。
【0041】
なお、本実施の形態ではインナークラッド12の励起領域に平坦部を設けたが、インナークラッド12の発振領域、もしくは、インナークラッド12の励起領域と発振領域の両領域に平坦部を設ける構造としても同様の効果が得られる。
【0042】
以上のように平坦部を設け、その平坦部の長さをダブルクラッドファイバの長さ方向に関して変化させることにより、効率よくレーザ媒質である希土類を励起でき、効率よくレーザ光を取り出すことが出来る。
【0043】
(実施の形態2)
以下、図3、及び、図4を用いて実施の形態2を説明する。
【0044】
図3は、本実施の形態2のダブルクラッドファイバの説明図である。図4は、本実施の形態2のファイバレーザ装置の概略構成図である。
【0045】
図3において、本実施の形態2のダブルクラッドファイバ30は、レーザ媒質を含み、レーザ光を発生、伝播させるコア31、励起光を伝播させるインナークラッド32、励起光を閉じ込めるアウタークラッド33から構成している。このダブルクラッドファイバ30は、その全長は数十メートルである。図3には、併せてダブルクラッドファイバ30の3A点から3E点における断面図を示している。
【0046】
図3において、コア31はレーザ媒質である希土類、望ましくはイッテルビウム、を添加した石英ガラスであり、その断面形状は円形で、直径は10マイクロメートルである。
【0047】
インナークラッド32は石英ガラスであり、励起光が導入される概ね円形の断面形状を持つ励起領域と、レーザ光を伝播させる概ね円形の発振領域から成り、前記励起領域もしくは前記発振領域のうち少なくともどちらかの領域は断面形状の円周の一部を一定長さの直線で構成する平坦部を持ち、前記平坦部の位置が前記コアに対して前記ダブルクラッドファイバの長さ方向に沿って連続的に変化している。
【0048】
ダブルクラッドファイバ30の断面形状は、直径440マイクロメートルの1つの円形と、円周の一部に平坦部を持つ直径440マイクロメートルのもう1つの円形の互いの円周部を重ねた達磨形状である。
【0049】
その2つの円のうち、平坦部を持たない円の中心付近にコア31を有しており、2つの円の重なり部分の幅が20マイクロメートルの形状である。
【0050】
平坦部を持つ円で構成する領域を励起領域とし、コア31を有する円で構成する領域を発振領域とする。
【0051】
前記励起領域を構成する円周の一部に設けた平坦部の長さは一定であるが、その平坦部の位置はダブルクラッドファイバ30の長さ方向に沿ってコア31に対して時計回りもしくは反時計回りに連続的に変化している。
【0052】
インナークラッド32は、前記発振領域となる円形断面コアと円形断面クラッド構造を持つファイバ構造母材と、前記励起領域になる母材の側面を、円形断面を持つ母材の長さ方向に沿って、一定深さで最初に母材を時計回りに90度、その後反時計回りに180度、時計回りに180度、反時計回りに180度、時計回りに180度と繰り返して母材を回転させながら送る研削を施した石英母材、を一括線引きすることで得られる。
【0053】
アウタークラッド13は上記線引き後のコーティングで用いるポリマーであり、ダブルクラッドファイバ30を保護する。屈折率は、コア31、インナークラッド32、アウタークラッド33の順に低くなる構造である。
【0054】
図4は、本実施の形態2のダブルクラッドファイバ30を用いたファイバレーザ装置の概略構成を示し、励起光を発生するファイバ付き半導体レーザ41、46、ファイバ付き半導体レーザを駆動する電源40、45、所望の波長の光を帰還する高反射端48、レーザ出力を取り出す伝送ファイバ49で構成している。
【0055】
図4において、電源40はファイバ付き半導体レーザ41に接続しており、ファイバ付き半導体レーザ41を駆動する。
【0056】
ファイバ付き半導体レーザ41のファイバは、コア直径400マイクロメートル、クラッド直径440マイクロメートルであり、ダブルクラッドファイバ30の端面3A点において、そのコアはインナークラッド32の励起領域に接続している。
【0057】
同様に、電源45はファイバ付き半導体レーザ46に接続しており、ファイバ付き半導体レーザ46を駆動する。ファイバ付き半導体レーザ46のファイバは、ダブルクラッドファイバ30の端面3E点において、そのコアはインナークラッド32の励起領域に接続している。
【0058】
また、ダブルクラッドファイバ30の端面3A点においては、上記の接続に併せて、コア直径10マイクロメートル、クラッド直径400マイクロメートルのファイバ型の高反射端48が、発振領域のコア31に接続している。
【0059】
一方、ダブルクラッドファイバ30の端面3E点においては、上記の接続に併せて、コア直径10マイクロメートル、クラッド直径400マイクロメートルのファイバ型の伝送用ファイバ49が、発振領域のコア31に接続している。
【0060】
以上のように構成されたダブルクラッドファイバについて、その動作を説明する。
【0061】
まず、電源40により駆動されたファイバ付き半導体レーザ41は、コア32に添加したレーザ媒質である希土類を励起する波長の励起光を発生する。励起光はファイバにより伝送され、3A点においてインナークラッド32の励起領域に注入される。
【0062】
注入された励起光は、インナークラッド32を伝播する。3A点に注入された励起光のうちスキュー光は、インナークラッド32に設けた、連続的にその位置を変化する平坦部によって徐々に減少して低減し、3A点に注入された全励起光は励起に寄与する。
【0063】
同様に、電源45により駆動されたファイバ付き半導体レーザ46は、コア32に添加したレーザ媒質である希土類を励起する波長の励起光を発生する。励起光はファイバにより伝送され、3E点においてインナークラッド32の励起領域に注入される。
【0064】
注入された励起光は、インナークラッド32の励起領域と発振領域を伝播する。3E点に注入された励起光のうちスキュー光は、インナークラッド32に設けた、連続的にその位置を変化する平坦部によって進行方向を変化させられ、徐々に減少する。
【0065】
励起により生じた光は、高反射端48と伝送用ファイバ49の端面で構成する光共振器内で多重帰還増幅されてレーザ光となり、伝送用ファイバ49の端面から取り出される。
【0066】
なお、本実施の形態ではインナークラッド32の励起領域に平坦部を設けたが、インナークラッド32の発振領域、もしくは、インナークラッド32の励起領域と発振領域の両領域に平坦部を設ける構造としても同様の効果が得られる。
【0067】
また、本実施の形態では平坦部作製時に母材の回転を時計回り、反時計回りと反転させて形成したが、反転させずに平坦部を製作しても良い。
【0068】
以上のように一定の長さの平坦部を設け、その平坦部の位置をダブルクラッドファイバの長さ方向に関して変化させることにより、効率よくレーザ媒質である希土類を励起でき、効率よくレーザ光を取り出すことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかるダブルクラッドファイバ及びファイバレーザ装置は、スキュー光を低減することができるので、材料加工に用いるダブルクラッドファイバ及びファイバレーザ装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施の形態1におけるダブルクラッドファイバの説明図
【図2】本発明の実施の形態1におけるファイバレーザ装置の概略構成図
【図3】本発明の実施の形態2におけるダブルクラッドファイバの説明図
【図4】本発明の実施の形態2におけるファイバレーザ装置の概略構成図
【図5】従来のダブルクラッドファイバの説明図
【符号の説明】
【0071】
10 ダブルクラッドファイバ
11 コア
12 インナークラッドクラッド
13 アウタークラッド
20 電源
21 ファイバ付き半導体レーザ
25 電源
26 ファイバ付き半導体レーザ
28 高反射端
29 伝送用ファイバ
30 ダブルクラッドファイバ
31 コア
32 インナークラッドクラッド
33 アウタークラッド
40 電源
41 ファイバ付き半導体レーザ
45 電源
46 ファイバ付き半導体レーザ
48 高反射端
49 伝送用ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ媒質を含み、レーザ光を発生、伝播させるコアと、励起光を伝播させるインナークラッドと、励起光を閉じ込めるアウタークラッドを備えるダブルクラッドファイバにおいて、前記インナークラッドの断面形状が、励起光が導入される概ね円形の断面形状を持つ励起領域と、レーザ光を伝播させる概ね円形の発振領域から成り、前記励起領域もしくは前記発振領域のうち少なくともどちらかの領域は断面形状の円周の一部を直線で構成する平坦部を持ち、前記平坦部の長さが前記ダブルクラッドファイバの長さ方向に沿って変化するダブルクラッドファイバ。
【請求項2】
レーザ媒質を含み、レーザ光を発生、伝播させるコアと、励起光を伝播させるインナークラッドと、励起光を閉じ込めるアウタークラッドを備えるダブルクラッドファイバにおいて、前記ダブルクラッドファイバ両端における前記インナークラッドの断面形状が、励起光を導入する概ね円形の形状をもつ励起領域と、レーザ光を伝播させる概ね円形の発振領域から成り、前記ダブルクラッドファイバ両端を除く部位での断面形状が、前記励起領域もしくは前記発振領域のうち少なくともどちらかの領域は断面形状の円周の一部を直線で構成する平坦部を持ち、前記平坦部の長さが前記ダブルクラッドファイバの長さ方向に沿って変化するダブルクラッドファイバ。
【請求項3】
1つの励起光入射端面を備え、励起光を入射する端面からの距離の増加に伴って前記平坦部の長さが増加する請求項1または請求項2記載のダブルクラッドファイバ。
【請求項4】
両端に励起光入射端面を備え、端面から長さ方向の中央に向かって前記平坦部の長さが増加する請求項1または請求項2記載のダブルクラッドファイバ。
【請求項5】
レーザ媒質を含み、レーザ光を発生、伝播させるコアと、励起光を伝播させるインナークラッドと、励起光を閉じ込めるアウタークラッドを備えるダブルクラッドファイバにおいて、前記インナークラッドの断面形状が、励起光が導入される概ね円形の断面形状を持つ励起領域と、レーザ光を伝播させる概ね円形の発振領域から成り、前記励起領域もしくは前記発振領域のうち少なくともどちらかの領域は断面形状の円周の一部を一定長さの直線で構成する平坦部を持ち、前記平坦部の位置が前記コアに対して前記ダブルクラッドファイバの長さ方向に沿って連続的に変化するダブルクラッドファイバ。
【請求項6】
レーザ媒質を含み、レーザ光を発生、伝播させるコアと、励起光を伝播させるインナークラッドと、励起光を閉じ込めるアウタークラッドを備えるダブルクラッドファイバにおいて、前記ダブルクラッドファイバ両端における前記インナークラッドの断面形状が、励起光を導入する概ね円形の形状をもつ励起領域と、レーザ光を伝播させる概ね円形の発振領域から成り、前記ダブルクラッドファイバ両端を除く部位での断面形状が前記励起領域もしくは前記発振領域のうち少なくともどちらかの領域は断面形状の円周の一部を一定長さの直線で構成する平坦部を持ち、前記平坦部の位置が前記コアに対して前記ダブルクラッドファイバの長さ方向に沿って連続的に変化するダブルクラッドファイバ。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れかに記載のダブルクラッドファイバと、前記ダブルクラッドファイバの前記インナークラッドの励起領域に接続したファイバと、前記ファイバに接続した半導体レーザと、前記半導体レーザに電力を供給する電源を備えたファイバレーザ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−212479(P2010−212479A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57702(P2009−57702)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】