説明

チェーンガイドおよびチェーンテンショナ装置

【課題】メカニカルロスを一層少なくするできるチェーンガイドを提供する。
【解決手段】チェーンガイド11は、タイミングチェーン22の延在方向に沿って延びるテンショナベース12と、テンショナベース12の長手方向所定間隔に配設された複数の軸15と、軸15の外周面を包囲する円筒形状の外輪18と、軸15の外周面と外輪18の内周面との間に配置された複数のころ19とを備える。そして、外輪18がタイミングチェーン22を転がり接触可能に押圧してタイミングチェーン22に張力を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個の回転体に巻き掛けられて動力を伝達する無端のベルトあるいはチェーンを押圧して、かかるベルトあるいはチェーンに張力を付与するチェーンテンショナ装置のチェーンガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
チェーンテンショナ装置は、駆動スプロケットと従動スプロケットに巻き掛けられた駆動チェーンの途中部分に、チェーンガイドを駆動チェーンの移動方向と略直角方向に押し付けることによって、高速で移動する駆動チェーンに張力を付与する。このとき、チェーンガイドと駆動チェーンとの間で摺動抵抗が発生し、騒音およびメカニカルロスが大きくなるという問題があった。
【0003】
そこで騒音およびメカニカルロスを抑制する技術としては従来、例えば、特開平9−236157号公報(特許文献1)に記載のものが知られている。特許文献1に記載のチェーンテンショナ装置は、エンジンの動弁駆動系に設けられて、タイミングチェーンに張力を付与するものであって、湾曲形状のチェーンガイドのうちタイミングチェーンと接触する摺動面部にローラを配設し、長手方向に高速移動するタイミングチェーンをローラが転がりながら押圧することによって、摺動抵抗を解消するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−236157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来のようなチェーンテンショナ装置にあっては、なおも以下に説明するような問題を生ずる。つまり、ローラが滑り軸受を介してチェーンガイドに取り付けられているため、ローラの回転に伴い滑り摩擦が発生する。しかも、チェーンガイドに配設されたローラがタイミングチェーンを大きな押圧力で押圧するため、ローラとチェーンガイドとの間の滑り摩擦が大きくなり、依然としてメカニカルロスが存在する。
【0006】
本発明は、上述の実情に鑑み、メカニカルロスを一層少なくすることができるチェーンガイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため本発明によるチェーンガイドは、駆動チェーンの延在方向に沿って延びるテンショナベースと、テンショナベースの長手方向所定間隔に配設された複数の軸と、軸の外周面を包囲する円筒形状の外輪と、軸の外周面と外輪の内周面との間に配置された複数の転動体とを備え、外輪が駆動チェーンを転がり接触可能に押圧して駆動チェーンに張力を付与する。
【0008】
かかる本発明によれば、テンショナベースの長手方向所定間隔に配設された複数の軸と、軸の外周面を包囲する円筒形状の外輪と、軸の外周面と外輪の内周面との間に配置された複数の転動体とを備えることから、チェーンガイドが転がり軸受を介して高速移動する駆動チェーンを押圧することが可能になり、外輪と外輪を支持する軸との間で滑り摩擦が発生することがない。したがって、従来のチェーンガイドと比較してメカニカルロスを極めて小さくすることができる。なお、転がり軸受の内輪が軸の外周に取り付けられた軸も、請求項でいう軸の範疇に含まれる。またチェーン以外の無端送り部材、たとえばベルト等の無端帯も、請求項でいうチェーンの範疇に含まれる。
【0009】
本発明は一実施形態に限定されるものではなく、外輪がテンショナベースからはみださないものであってもよいが、テンショナベースは、テンショナベースの長手方向に延在して軸の両端とそれぞれ結合する1対の側板部材を有し、外輪の外周のうち駆動チェーンと転がり接触する部分が1対の側板部材間から駆動チェーン側へはみ出していてもよい。かかる実施形態によれば、駆動チェーンと転がり接触する外輪の外周が1対の側板部材間から駆動チェーン側へはみ出していることから、駆動チェーンがテンショナベースの側板部材と当接することがない。したがって、テンショナベースの摩耗を防止して長寿命を図ることができる。
【0010】
ここで好ましくは、軸は、駆動チェーンと対面するテンショナベースの縁部に沿って配置される。かかる実施形態によれば、外輪の外径を大きくする必要なく、外輪の外周のうち駆動チェーンと転がり接触する部分を側板部材間からはみ出させることができる。
【0011】
外輪は1個の部材であってもよいが、外輪は円筒形状の金属製本体と、該本体の外周に同軸に取り付けられた環状部材を含んでもよい。かかる実施形態によれば、外輪は円筒形状の金属製本体と、本体の外周に同軸に取り付けられた環状部材を含むことから、金属製の駆動チェーンと金属製本体との金属部品同士の当接を回避することができる。したがって、振動の抑制および消音効果を得ることができる。
【0012】
好ましくは、環状部材は、軸線方向両端部で外径方向に突出した1対の鍔部を有し、これら1対の鍔部間で駆動チェーンと環状部材とが転がり接触する。かかる実施形態によれば、駆動チェーンが外輪から外れることを防止することができる。
【0013】
好ましくは、鍔部の突出高さは、駆動チェーンの断面高さよりも小さい。かかる実施形態によれば、駆動チェーンが外輪と転がり接触しながら移動する際に鍔部の外縁が駆動チェーンよりも突出することがなく、チェーンガイドの省スペース化および軽量化を図ることができる。
【0014】
好ましくは、環状部材は樹脂製である。かかる実施形態によれば、金属製の駆動チェーンが樹脂製の環状部材と転がり接触するときの振動および騒音を一層抑制することができる。
【0015】
好ましくは、外輪の外周面に複数の凹部が形成される。凹部として具体的には、ディンプルあるいは溝である。かかる実施形態によれば、ディンプルおよび溝が潤滑油を保持することから、潤滑性能が向上する。
【0016】
また、本発明によるチェーンテンショナ装置は、上述のチェーンガイドと、チェーンガイドを駆動チェーンに押し付けるチェーンテンショナとを備える。かかる本発明によれば、メカニカルロスの極めて小さなチェーンテンショナ装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
このように本発明は、軸の外周面と外輪の内周面との間に配置された複数の転動体を備えることから、チェーンガイドが、転がり軸受を介して、移動する駆動チェーンを押圧することが可能になる。したがって、チェーンテンショナと駆動チェーンとの間で滑り摩擦が発生することがなく、従来のチェーンテンショナと比較してメカニカルロスを極めて小さくすることができる。このため、エンジンの動弁駆動系に本発明を採用することによって、燃料消費率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施例になるチェーンガイドを示す斜視図である。
【図2】同実施例のチェーンガイドを幅方向外側からみた側面図である。
【図3】同実施例のチェーンガイドを湾曲外側、すなわちタイミングチェーンからみた正面図である。
【図4】同実施例のチェーンガイドの横断面図である。
【図5】変形例のチェーンガイドの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
【0020】
図1は本実施例になるチェーンガイドを示す斜視図であり、図2は同実施例のチェーンガイドを幅方向外側からみた側面図であり、図3は同実施例のチェーンガイドを湾曲外側、すなわちタイミングチェーンからみた正面図であり、図4は同実施例のチェーンガイドの横断面図である。本実施例のチェーンガイドは、エンジンの動弁駆動系に用いられるタイミングチェーンに張力を付与するものである。
【0021】
まず、エンジンの吸気弁および排気弁を駆動するタイミングチェーンについて説明する。駆動チェーンになる金属製のタイミングチェーンは、内リンクと外リンクとを一列となるよう交互に回動可能に連結して無端に構成されている。かかるタイミングチェーンは可撓性を有し、エンジンのクランク軸に固着されたクランクスプロケットと、エンジンのシリンダヘッドに設けられたアイドルスプロケットとに巻き掛けられる。アイドルスプロケットは、吸気弁および排気弁をアップリフトするカム機構と駆動結合する。クランク軸が回転するとき、タイミングチェーンは自身の延在方向に移動して、アイドルスプロケットにクランク軸の回転を伝達し、これにより吸気弁および排気弁が開閉動作する。
【0022】
無端のタイミングチェーンによって囲まれた内部領域には、クランクスプロケットおよびアイドルスプロケットが位置する一方で、タイミングチェーンの外部領域には、これらスプロケットの間でタイミングチェーンを内部領域側へ押圧して、タイミングチェーンに張力を付与するチェーンガイドと、チェーンガイドを内部領域側へ押し付けるチェーンテンショナが配設される。これらチェーンガイド、チェーンテンショナ、タイミングチェーン、スプロケット、およびカム機構は、特許文献1に記載される従来のものであってよい。
【0023】
チェーンガイド11は、図1および図2に示すように湾曲形状を有し、湾曲外側縁が仮想線で示されるタイミングチェーン22の延在方向に沿って配置される。チェーンガイド11は、タイミングチェーン22の延在方向に沿って延びるテンショナベース12を備える。テンショナベース12は、湾曲形状であり、長手方向一方端に貫通孔13を有する。テンショナベース12は、貫通孔13を軸支持されて、長手方向他方端がタイミングチェーン22に向かって揺動可能とされる。
【0024】
チェーンガイド11は貫通孔13を基端として、例えばエンジンカバーの内壁に取り付けられる。遊端を含む長手方向他方端部には、図示しないチェーンテンショナを配置する。チェーンテンショナは、一例として、チェーンガイド11の揺動方向に進退動するプランジャを有し、エンジンカバーの内壁に取り付けられる。そして、プランジャの先端がチェーンガイド11の湾曲内側縁と当接して、チェーンガイド11をタイミングチェーン22に押し付ける。チェーンテンショナは、チェーンガイド11の押圧力を調整可能なアジャスタ機能を備えるものであったり、チェーンガイド11の押圧力を制御可能な油圧式であってもよいこと勿論である。そして、チェーンテンショナおよびチェーンガイド11がチェーンテンショナ装置を構成する。なお、チェーンテンショナ装置において、チェーンガイド11はチェーンレバーとも称される。
【0025】
テンショナベース12は、チェーンガイド11の幅方向に離隔する1対の側板部材14,14を有する。側板部材14は、テンショナベース12の長手方向に延在する。
【0026】
1対の側板部材14,14間には、複数の軸15を架設する。軸15の両端は1対の側板部材14,14とそれぞれ固定される。軸15は側板部材14と一体結合してもよい。また、隣り合う軸15,15同士の間には、1対の側板部材14,14を連結する柱部材16,17を配置する。柱部材17は、テンショナベース12の長手方向一方側に配置された板状の部材である。柱部材16は、テンショナベース12の長手方向他方側に配置された円柱状の部材である。これら側板部材14および柱部材16,17を含むテンショナベース12は金属製であり、好ましくはアルミニウムなどの軽金属製がよい。
【0027】
複数の軸15はそれぞれ、円筒形状の外輪18を貫通する。したがって外輪18は軸15の外周面を包囲する。軸15の外周面と外輪18の内周面との間には、複数のころ19が配置される。ころ19は軸15の外周面および外輪18の内周面を転走する転動体である。これら軸15、外輪18、およびころ19は転がり軸受を構成する。さらに複数のころ19を周方向所定間隔に保持する保持器を備えていてもよい。ここで外輪18全体が側板部材14,14間に完全に収容されず、外輪18の外周が側板部材14,14間からはみ出している。このためテンションベース12の湾曲外側縁からはみ出した外輪18が、タイミングチェーンと当接する際、テンションベース12がタイミングチェーンから離隔される。
【0028】
このため軸15は、タイミングチェーン22と対面するテンショナベース12の湾曲外側の縁部に配置される。ただし本実施例のようにテンショナベース12の湾曲内側縁から湾曲外側縁までの厚み寸法が外輪18の外径よりも小さい場合は、湾曲内側縁と湾曲外側縁との略中央部に軸15を配置することができる。
【0029】
なお、ころ19は、1個のころ19における一部が側板部材14,14間からはみ出しているか、あるいはすべてのころ19が側板部材14,14間に収容される。これにより、側板部材14は、ころ19の軸線方向移動を規制する。
【0030】
外輪18の外周面には、ディンプルあるいは溝を複数設けるとよい。ディンプルは微小な球面窪みであればよい。溝の場合、軸線方向に延びる溝あるいは周方向に延びる溝である。
【0031】
本実施例のチェーンガイド11の動作につき説明する。
【0032】
タイミングチェーン22が、延在方向に高速移動して駆動力を伝達するとき、テンショナベース12の湾曲内側縁がこの湾曲内側に配置される図示しないチェーンテンショナから押付力を受ける。これによりチェーンガイド11は、長手方向一方端の貫通孔13を遊端とし長手方向他方端を遊端として、タイミングチェーン22に当接し、タイミングチェーン22がチェーンガイド11の湾曲外側縁に沿って延在する。そして外輪18の外周面が、タイミングチェーン22の側面を転がり接触しながら押圧する。この結果、タイミングチェーンに張力が付与される。タイミングチェーンの移動が高速になるほど、外輪18も回転速度も高速になる。本実施例によれば、軸15、外輪18、およびころ19が転がり軸受を構成することから、タイミングチェーン22が高速移動する場合であっても、従来のチェーンガイドよりも僅かな転がり抵抗でタイミングチェーン22に張力を付与することができる。しかも、タイミングチェーン22に対する外輪18の押圧力が大きい場合であっても、転がり抵抗は僅かである。
【0033】
次に本発明の変形例を説明する。図5は本発明の変形例を示す横断面図である。この変形例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。この変形例では図5に示すように、外輪18の外周面に環状部材20が圧入固定される。換言すると、外輪は円筒形状の金属製外輪本体18と、外輪本体18の外周に同軸に取り付けられた環状部材20を含む。環状部材20は樹脂製であり、軸15の両端部で外径方向に突出した1対の鍔部20f,20fを有する。なお図4および図5には外輪18の軸線を一点鎖線で示す。図5に示すように、タイミングチェーン22は、鍔部20f,20f間で環状部材20の外周面と当接する。鍔部20fの突出高さは、タイミングチェーン22の断面高さよりも小さい。
【0034】
鍔部20f,20f間に位置する環状部材20の外周面には、ディンプルあるいは溝を複数設けるとよい。ディンプルは微小な球面窪みであればよい。溝の場合、軸線方向に延びる溝あるいは周方向に延びる溝である。
【0035】
ところで本実施例のチェーンガイド11によれば、タイミングチェーン22の延在方向に沿って延びるテンショナベース12と、テンショナベース12に長手方向所定間隔に配設された複数の軸15と、軸15の外周面を包囲する円筒形状の外輪18と、軸15の外周面と外輪18の内周面との間に配置された複数のころ19とを備え、外輪18がタイミングチェーン22を転がり接触可能に押圧してタイミングチェーン22に張力を付与することから、チェーンガイド11が転がり軸受を介して、高速移動するタイミングチェーン22を押圧することが可能になり、チェーンガイド11とタイミングチェーン22との間で滑り摩擦が発生することがない。したがって、従来のチェーンガイドと比較してメカニカルロスを極めて小さくすることができる。
【0036】
また本実施例によれば、テンショナベース12は、テンショナベース12の長手方向に延在して軸15の両端とそれぞれ結合する1対の側板部材14,14を有し、外輪18の外周のうちタイミングチェーン22と転がり接触する部分が1対の側板部材14,14間からタイミングチェーン22側へはみ出していることから、タイミングチェーン22がテンショナベース12の側板部材14と当接することがない。したがって、テンショナベース12の摩耗を防止して長寿命を図ることができる。テンショナベース12がアルミニウム等の軽金属製の場合、特に有用である。
【0037】
ここで、軸15をタイミングチェーン22と対面するテンショナベース12の湾曲外側縁部に沿って配置することにより、外輪18の外径を小さくしながら外輪の外周のうちタイミングチェーン22と転がり接触する部分を側板部材14からタイミングチェーン22はみ出させることができる。
【0038】
また図5に示す変形例によれば、外輪は円筒形状の金属製の外輪本体18と、外輪本体18の外周に同軸に取り付けられた環状部材20を含むことから、金属製のタイミングチェーン22と金属製の外輪本体18との金属部品同士の当接を回避することができる。したがって、振動の抑制および消音効果を得ることができる。
【0039】
また本実施例によれば、環状部材20は、軸線方向両端部で外径方向に突出した1対の鍔部20fを有し、これら1対の鍔部20f,20f間でタイミングチェーン22と環状部材20とが転がり接触することから、タイミングチェーン22が転がり軸受の外輪から外れることを防止することができる。
【0040】
また本実施例によれば、鍔部20fの突出高さは、タイミングチェーン22の断面高さよりも小さいことから、転がり軸受の外輪の軽量化を図ることができ、チェーンガイド11の重量が小さくなるとともに省スペース化を達成することができる。
【0041】
また本実施例によれば、環状部材20は樹脂製であることから、金属製のタイミングチェーン22が環状部材20と転がり接触するときの振動および騒音を一層抑制することができる。あるいは、環状部材20は弾力性を具備するゴム製であってもよい。
【0042】
また本実施例によれば、外輪18または環状部材20の外周面に複数の凹部が形成される。凹部として具体的には、ディンプルであってもよいし、溝であってもよい。これにより、凹部が潤滑油を保持することから、タイミングチェーン22が外輪18または環状部材20の外周面と転がり接触するとき、両者間に油膜を介在させることが可能になり、潤滑性能が向上する。
【0043】
本実施例のチェーンガイド11は、エンジンのタイミングチェーンの他、様々な無端ベルトあるいは駆動チェーンに張力を付与することができ、しかもメカニカルロスを低減することができる。
【0044】
そして、貫通孔13を基端として揺動可能に支持されたチェーンガイド11と、チェーンガイド11をタイミングチェーン22に押し付けるチェーンテンショナとを備え、エンジンカバーの内壁に取り付けられるチェーンテンショナ装置によれば、エンジンのタイミングチェーンのメカニカルロスを低減して、燃料消費率を向上させることができる。
【0045】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
この発明になるチェーンガイドおよびチェーンテンショナ装置は、エンジンなど、駆動チェーンに張力を与える機構において有利に利用される。
【符号の説明】
【0047】
11 チェーンガイド、12 テンショナベース、13 貫通孔、14 側板部材、15 軸、16,17 柱部材、18 外輪、19 ころ、20 環状部材、20f 鍔部、22 タイミングチェーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動チェーンの延在方向に沿って延びるテンショナベースと、前記テンショナベースの長手方向所定間隔に配設された複数の軸と、前記軸の外周面を包囲する円筒形状の外輪と、前記軸の外周面と前記外輪の内周面との間に配置された複数の転動体とを備え、
前記外輪が前記駆動チェーンを転がり接触可能に押圧して前記駆動チェーンに張力を付与するチェーンガイド。
【請求項2】
前記テンショナベースは、テンショナベースの長手方向に延在して前記軸の両端とそれぞれ結合する1対の側板部材を有し、
前記外輪の外周のうち前記駆動チェーンと転がり接触する部分が前記1対の側板部材間から駆動チェーン側へはみ出している、請求項1に記載のチェーンガイド。
【請求項3】
前記軸は、前記駆動チェーンと対面するテンショナベースの縁部に沿って配置される、請求項2に記載のチェーンガイド。
【請求項4】
前記外輪は円筒形状の金属製本体と、該本体の外周に同軸に取り付けられた環状部材を含む、請求項2または3に記載のチェーンガイド。
【請求項5】
前記環状部材は、軸線方向両端部で外径方向に突出した1対の鍔部を有し、これら1対の鍔部間で前記駆動チェーンと環状部材とが転がり接触する、請求項4に記載のチェーンガイド。
【請求項6】
前記鍔部の突出高さは、前記駆動チェーンの断面高さよりも小さい、請求項5に記載のチェーンガイド。
【請求項7】
前記環状部材は樹脂製である、請求項4〜6のいずれかに記載のチェーンガイド。
【請求項8】
前記外輪の外周面に複数の凹部が形成された、請求項1〜7のいずれかに記載のチェーンガイド。
【請求項9】
前記凹部はディンプルである、請求項8に記載のチェーンガイド。
【請求項10】
前記凹部は溝である、請求項8に記載のチェーンガイド。
【請求項11】
揺動可能に支持された請求項1〜10のいずれかに記載のチェーンガイドと、
前記チェーンガイドを駆動チェーンに押し付けるチェーンテンショナとを備える、チェーンテンショナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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