説明

チオール化合物と超音波を利用したペプチドの加水分解方法

【課題】 ペプチドにおけるすべてのアミノ酸残基のペプチド結合だけを特異的に分解し、副次反応なしで迅速な反応系を開発し、微量解析能を特長とするMALDI-TOFMSと組み合わせてアミノ酸配列を決定できるようにすること。
【解決手段】 チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射することを含む、ペプチドの加水分解方法。チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射して、ペプチドを加水分解することを含む、ペプチドのアミノ酸配列決定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チオール化合物と超音波を利用したペプチドの加水分解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテオミクスを含むタンパク質化学分野においては、ペプチド・タンパク質のアミノ酸配列解析技術が重要な役割を担っている。分子量の大きいタンパク質のアミノ酸配列情報を得るためには、タンパク質を酵素で消化してペプチド断片とし、このペプチド断片をさらに分解して、液体クロマトグラフィーや質量分析にかけ、ペプチド断片のアミノ酸配列を決定する。10個程度のアミノ酸からなる配列情報が得られれば、アミノ酸配列データベースを用いてタンパク質の同定が可能である。
【0003】
これまで、種々のペプチド分解法が研究されてきた。
【0004】
エドマン分解法は最も汎用されている方法であるが、N末端の修飾ペプチドを加水分解することができず、また、プロリン部位で収率が低下する。アミノ酸配列解析に要する時間については、1残基目の分析に120分を要し、以降1残基毎に30分を要する。
【0005】
過フッ素酸分解法によるペプチド、タンパク質の酸加水分解により、アミノ酸配列解析が可能である(非特許文献1)。分析にマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOFMS)を利用可能で迅速性があるが、プロリン部位で収率が低下する。分解反応に120分以上が必要である。また、フッ素化合物には毒性がある。
【0006】
希塩酸分解法によるペプチドの酸加水分解により、アミノ酸配列解析が可能である(非特許文献2)。分析にMALDI-TOFMSを利用可能で迅速性があるが、プロリン部位で収率が低下する。分解反応に数時間以上が必要である。また、副次反応として脱水を伴う。
【0007】
タンデム質量分析法によるペプチドの衝突分解によりアミノ酸配列解析が可能である(非特許文献3)。分析に質量分析計(MS)を利用するため迅速性があるが、分解部位が非特異的であるため、解析に経験を要する他、分解操作にも高い技術的能力を要する。
【0008】
他の質量分析分解法としては、ペプチド、タンパク質主鎖のN-C結合をラジカル分解させる方法によりアミノ酸配列解析が可能である(非特許文献4)。MSを利用するため迅速性があるが、プロリン部位での分解が起こらない。機器操作には高い技術的能力を要する。
【0009】
また、ペプチド同定用にアスパラギン酸部位での特異的分解反応が特許出願されている(特許文献1)。
【0010】
さらに、本発明者は、カテコール又はヒドロキノンと超音波を用いてペプチドを分解し、アミノ酸配列情報を反映するMALDIスペクトルを得ることに成功した(非特許文献5及び6)が、このスペクトルには酸化反応の影響や副次反応に由来するピークが観察され、アミノ酸配列解析を困難にしている。
【0011】
【非特許文献1】Anal. Chem., 71(1999)919.
【非特許文献2】J. Biomol. Tech., 10 (1999)194.
【非特許文献3】Int. J. Mass Spectrom. Ion Processes, 86(1988)137
【非特許文献4】J. Am. Chem. Soc., 121(1999)2857. J. Am. Soc. Mass Spectrom., 12(2001)1044.
【非特許文献5】第56回質量分析総合討論会(2008)講演要旨集、2P-54 「水素ラジカルと超音波を利用したペプチドの分解反応物のMALDI-TOFMS解析」、板倉幹始・高山光男、2008年5月 1日発行
【非特許文献6】Ultrasonics Sonochemistry, “Sonolytic hydrolysis of peptides in aqueous solution upon addition of catechol”, M. Sakakura, M. Takayama, in press(但し、WEB(www.elsevier.com/locate/ultsonch)上でオープンになっている)
【特許文献1】特表2008-513769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これまでの酸加水分解法などでは、ペプチドのプロリン部位での分解反応が起こり難く脱水などの副次反応を伴っただけでなく、反応修了に数時間を要した。そこで、本発明は、すべてのアミノ酸残基のペプチド結合だけを特異的に分解し、副次反応なしで迅速な反応系を開発し、微量解析能を特長とするMALDI-TOFMSと組み合わせてアミノ酸配列を決定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、ペプチドの分解反応のために超音波を利用し、かつ還元性添加物を工夫した。すなわち、ペプチド水溶液への超音波照射は酸化反応を生じるので、還元試薬の添加によって酸化を抑制するためにチオール化合物を添加物とした。具体的には、チオール化合物を添加したペプチド水溶液に超音波を照射したところ、10分程度の照射時間でもプロリン部位を含むすべてのアミノ酸残基のペプチド結合だけが特異的に開裂反応を起こした。また、酸化反応や副次反応は起こらなかった。反応生成物をMALDI-TOFMSで解析したところアミノ酸配列を決定することができた。本発明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
【0014】
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射することを含む、ペプチドの加水分解方法。
(2)チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射して、ペプチドを加水分解することを含む、ペプチドのアミノ酸配列決定方法。
(3)チオール化合物を含む、ペプチド加水分解試薬。
(4)チオール化合物を含む、ペプチドのアミノ酸配列決定のための試薬。
(5)(3)記載の試薬を含む、ペプチド加水分解キット。
(6)(4)記載の試薬を含む、ペプチドのアミノ酸配列決定のためのキット。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、ペプチドのプロリン部位を含むアミノ酸残基のペプチド結合に特異的に開裂反応を起こすことができるようになった。酸化反応や副次反応は抑制される。さらに、反応生成物をMALDI-TOFMSなどで解析することにより、アミノ酸配列を決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
【0017】
本発明は、チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射することを含む、ペプチドの加水分解方法を提供する。
【0018】
ペプチドは、一般に、2個以上のアミノ酸がペプチド結合により結合したものである。ペプチドを構成するアミノ酸の数は、特に限定されるものではないが、2〜50個が適当であり、10〜30個が好ましく、15〜20個がより好ましい。ペプチドを構成するアミノ酸の数が50個よりも多い場合には、トリプシンなどの酵素で消化処理を行ってから、本発明のペプチド加水分解方法に用いるとよい。ペプチドを構成するアミノ酸の種類は限定されるものではなく、いかなるアミノ酸であってもよい。また、アミノ酸は、アセチル化、メチル化、リン酸化、グリコシル化などの修飾がなされていてもよい。
【0019】
チオール化合物は、チオール基を有する還元性試薬であればよく、例えば、ベンゼンチオール、1,4-ベンゼンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオールなどを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。チオール化合物は、芳香族チオール、特に、ベンゼン環を有するものが好ましく、その中でも、1,4-ベンゼンジチオールがより好ましい。
【0020】
本発明のペプチド加水分解方法において、チオール化合物の使用量は、ペプチド1モルに対して、5〜20モルが適当であり、10〜15モルが好ましい。溶媒は水であるとよい。溶媒中のペプチド濃度は、5〜100pmol/μLが適当であり、10〜20pmol/μLが好ましい。また、ヒドロキノンやカテコールなどのフェノール化合物を添加してもよい。添加物の添加量は、ペプチド1モルに対して、0.5〜10モルが適当であり、1〜5モルが好ましい。
【0021】
超音波は、通常、20 kHz〜数GHzの周波数をとりうる。本発明のペプチド加水分解方法においては、20 kHz程度の周波数が好ましいが、これに限定されるわけではない。超音波の出力値は、上限2000 W程度までとりうる。本発明のペプチド加水分解方法においては、平均出力値が50 W程度であることが好ましいが、これに限定されるわけではない。種々の超音波発生装置が市販されており、本発明のペプチド加水分解方法に利用可能である。市販の超音波発生装置の中では、カップ型破砕ホーンを有するものが好ましい。
【0022】
ペプチドの加水分解反応は、例えば、通常0〜20℃、好ましくは0〜5℃の温度で、チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を通常5〜40分、好ましくは20〜30時間照射することにより行う。
【0023】
特定に理論に拘泥するわけではないが、本発明のペプチド加水分解方法において、チオール化合物から発生する水素ラジカルH・と超音波により、ペプチドのアミノ酸残基のペプチド結合が開裂すると考えられる。また、超音波照射により、水からヒドロキシラジカルOH・が生成し、その強い酸化力のためにペプチドの酸化反応が起こるが、還元性試薬であるチオール化合物を添加することにより、ペプチドの酸化反応が抑制されると考えられる。
【0024】
本発明のペプチド加水分解方法は、タンパク質およびポリペプチド主鎖のペプチド結合の特異的分解、またはアミノ酸配列解析を目的とするバイオ分野に利用可能である。また、有害有機化学物質を分解無害化できる可能性があり、環境分野でも役立つと考えられる。
【0025】
本発明のペプチド加水分解方法によって生成したペプチド分解物を質量分析計にかけ、マススペクトルをとることにより、ペプチドのアミノ酸配列を決定することができる。本発明は、チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射して、ペプチドを加水分解することを含む、ペプチドのアミノ酸配列決定方法も包含する。
【0026】
飛行時間型、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型などの種々の質量分析計が市販されており、本発明のアミノ酸配列決定方法においては、いずれの質量分析計を使用してもよいが、飛行時間型質量分析計が好ましい。
【0027】
質量分析計でマススペクトルをとるにあたっては、通常、ペプチド分解物をイオン化する。マトリックス支援レーザー脱離イオン化法、エレクトロスプレーイオン化法、高速原子衝突法などの種々のイオン化の方法が知られており、本発明のアミノ酸配列決定方法においては、いずれのイオン化法を利用してもよいが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法が好ましい。
【0028】
マトリックスとしては、例えば、α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸などを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。こちらのうち、α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸が好ましい。ペプチド分解物に対するマトリックスの添加量は、ペプチド分解物1モルに対して5000モル程度が好ましいが、これに限定されるわけではない。
【0029】
イオン化のためのレーザーとしては、波長337 nmの窒素レーザー、波長226nmのネオジウムYAGレーザーなどを用いることができ、このうち、波長337 nmの窒素レーザーが好ましい。生成するイオンの加速電圧は20〜25 kV程度が適当であるが、これに限定されるわけではない。
【0030】
得られたマススペクトルからアミノ酸配列情報を読み取るには、各ピーク間の質量差Δ(m/z)を読み、その値をアミノ酸残基の質量と照合すればよい。
【0031】
本発明のペプチド加水分解方法により生成したペプチド分解物のマススペクトルにおいては、酸化反応の影響や解析を妨害する副次反応に由来するピークが観察されないことから、本発明のペプチド加水分解方法は反応の特異性が高い(すなわち、ペプチド結合だけが分解し、脱水やアミノ酸側鎖の分解、酸化反応などが起こらない)ことがわかった。また、プロリン部位での分解効率も高いことがわかった。
【0032】
また、本発明は、チオール化合物を含む、ペプチド加水分解試薬を提供する。
【0033】
チオール化合物については上述の通りである。
【0034】
さらに、本発明は、チオール化合物を含む、ペプチドのアミノ酸配列決定のための試薬を提供する。
【0035】
チオール化合物については上述の通りである。
【0036】
さらにまた、本発明は、上記のペプチド加水分解試薬を含む、ペプチド加水分解キットを提供する。
【0037】
このキットには、さらに、超音波発生装置、キットの使用方法、注意書、内容物などを記した説明書などを含めてもよい。
【0038】
本発明は、上記のアミノ酸配列決定のための試薬を含む、ペプチドのアミノ酸配列決定のためのキットも提供する。
【0039】
このキットには、さらに、超音波発生装置、マトリックス、キットの使用方法、注意書、内容物などを記した説明書、標準ペプチドなどを含めてもよい。
【実施例】
【0040】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0041】
〔実施例1〕
実験方法:
超音波発生装置には、Branson model 450 (Danbury, CT, USA) を使用した。本装置の超音波周波数は 20 kHz、最大出力は 400 W であった。超音波照射用ホーンは、直径 3.2 mm、長さ 50 mmであった。実験に用いた平均出力は 50 W であった。ペプチド水溶液の濃度は 10 pmol/μL、実験に用いた試料量は 1000 μL であった。試料水溶液 1000 μLには 100 μmol のベンゼンジチオールを添加した。超音波照射時間は 0〜60 min であった。超音波照射中の試料溶液の温度は 0 ℃ に保たれた。
【0042】
ペプチド分解物の水溶液試料は、その 5 μL をマトリックス溶液(α-cyano-4-hydroxycinnamic acid の飽和水溶液)5 μL と混合し、混合後の試料溶液 1 μL を試料ターゲット上に塗布し、自然乾燥により試料結晶を作成した。試料結晶を塗布したターゲットを質量分析計に導入した。
【0043】
ペプチドの分解生成物の検出には、マトリックス支援レーザー脱離イオン化 (MALDI) 法を搭載した飛行時間型(TOF)質量分析計 AXIMA-CFR (Shimadzu, Kyoto, Japan) を使用し、レーザーには波長337 nmの窒素レーザーを用いた。生成したイオンの加速電圧は 20 kVであった。
【0044】
使用したペプチドは副腎皮質刺激ホルモンフラグメント ACTH18-39 (Mr 2465.7) で、ペプチド研究所 (Minoh, Osaka, Japan) から購入したものをそのまま使った。
【0045】
結果:
超音波処理なしの試料ペプチドのマススペクトルを図1に示す。質量 m/z 2465に観測されたピークはペプチドのプロトン化分子 [M+H]+ を表し、ペプチドが分解していないことを示す。
【0046】
ベンゼンジチオールを添加せずに 40分間の超音波処理を行った場合、その分解生成物のマススペクトルは、ペプチド分子の酸化生成物および解析が困難な副次反応生成物を示した(図2参照)。酸化生成物は、水溶液への超音波照射によって生成したヒドロキシラジカル HO・ が芳香族アミノ酸に作用して酸化反応を起こしたものと考えられる。また、副次反応生成物のピークは、酸化分解反応や加水分解反応などによって生成したもので、これらのピークから有用な情報を得ることは困難であった。
【0047】
図2に示したように、添加物なしのペプチド水溶液への超音波照射では、下記のようなヒドロキシラジカル HO・の生成によって、その強い酸化力のためにペプチドの酸化反応が優先したと考えられる。
【0048】
【化1】

そこで、酸化反応を抑制するため、還元性試薬として知られるベンゼンジチオールを試料溶液に添加し超音波処理を行った。図3には、ベンゼンジチオールを添加し0℃で 27 分の超音波処理を行ったときに得られた分解生成物のマススペクトルを示す。スペクトル中、各ピークのトップに記載した数値は分解生成物の質量 m/z を示し、その上に記載されている番号 1-n は、ペプチドのアミノ酸配列の1番目からn番目までの断片ペプチドであることを示す。マススペクトル中のピークより、1-4 から 1-22 までのアミノ酸配列情報が得られていることがわかる。得られたマススペクトル中には、解析を妨害する目立った酸化反応物に相当するピークは観測されず、酸化反応が抑制されたことを示している。また、各ピークの質量から、生じた分解反応はペプチド主鎖上のペプチド結合 C-N の加水分解であることがわかった(下式参照)。
【0049】
【化2】

図3に得られたマススペクトルからアミノ酸配列情報を読み取るには、各ピーク間の質量差 Δ(m/z) を読み、その値をアミノ酸残基の質量と照合すればよい。図4には、質量差からアミノ酸残基を割り当てる方法を示す。
【0050】
上記実験結果に関連し、フェノール性還元試薬を添加した場合にも同様の結果が得られることをすでに報告した(Ultrasonics Sonochemistry, “Sonolytic hydrolysis of peptides in aqueous solution upon addition of catechol”, M. Sakakura, M. Takayama, in press(但し、WEB(www.elsevier.com/locate/ultsonch)上でオープンになっている))が、酸化反応の影響および解析を妨害する副次反応に由来するピークが観測されただけでなく、反応に要する時間もやや長く、ベンゼンジチオールの添加の方が効果的であった(図5参照)。
【0051】
以上より、ここで得られた結果は下記のような特長を持ち、ペプチドのアミノ酸配列解析に有用であることが判明した。
【0052】
〈改善点・特長〉
・反応が10分〜30分で終了する。
・プロリン部位での分解効率が高い。
・反応の特異性が高い。すなわち、ペプチド結合だけが分解し、脱水やアミノ酸側鎖の分解、酸化反応などが起こらない。
・質量分析の結果が明瞭で、解析が容易である。
・還元性試薬の添加効果は明瞭である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、タンパク質およびポリペプチド主鎖のペプチド結合の特異的分解、またはアミノ酸配列解析を目的とするバイオ分野に利用可能である。また、有害有機化学物質を分解無害化できる可能性があり、環境分野でも役立つと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】ペプチド ACTH18-39 の MALDI-TOF マススペクトル。
【図2】ベンゼンジチオールなしで 40分間超音波処理したペプチド ACTH18-39 の MALDI-TOF マススペクトル。黒丸は解析困難な副次反応によるピーク。
【図3】ペプチドACTH18-39の水溶液にベンゼンジチオール HS-Ph-SH を添加し、27 分の超音波処理を行ったときの分解物試料のマススペクトル。
【図4】マススペクトル中のピーク間の質量差からアミノ酸配列を読み取る方法。
【図5】フェノール性還元試薬を添加した場合の分解物のマススペクトル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射することを含む、ペプチドの加水分解方法。
【請求項2】
チオール化合物の存在下でペプチドに超音波を照射して、ペプチドを加水分解することを含む、ペプチドのアミノ酸配列決定方法。
【請求項3】
チオール化合物を含む、ペプチド加水分解試薬。
【請求項4】
チオール化合物を含む、ペプチドのアミノ酸配列決定のための試薬。
【請求項5】
請求項3記載の試薬を含む、ペプチド加水分解キット。
【請求項6】
請求項4記載の試薬を含む、ペプチドのアミノ酸配列決定のためのキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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