説明

チップを含浸する方法及び装置

本発明は化学パルプ製造中のチップの含浸方法に関わる。チップは気圧で維持されている含浸槽(101)の最上部へスチーム前処理なしに連続して供給される。含浸流体(BL)は含浸槽(101)に加えられて流体レベルLIQ_LEVを確立する。加えられたチップは流体レベルの少なくとも3m〜5m上部にチップレベルCH_LEVを確立し、槽内の最上部の温度は基本的に周囲温度に連動する。本発明は、流体レベルLIQ_LEVで確立された温度が90℃〜115℃、好ましくは95℃〜105℃の範囲内で確立されるような温度と量で、含浸流体BLが含浸槽へ供給されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
チップビンを備えた前処理用装置は、連続蒸解釜における従来の化学セルロースパルプ製造において使用されてきた。そこでは、好ましくは70℃〜80℃の温度でスチームによりチップの最初の加熱が実行される。前処理に続いてスチーム処理槽では、蒸解釜で蒸解処理が確立される前、含浸するチップシュートを伴って、チップが110℃〜120℃までスチームで過酷に加熱される。この処理過程はチップビン同様スチーム処理槽においても大量のスチームを必要とする。
【0003】
上述の通り、1つの又は複数のステップでのスチーム処理は、チップビンにおいて、また含浸流体或いは移動流体を伴うそれに続くチップスラリー形成の前に、用いられてきた。スチーム処理は、含浸流体がチップに完全に浸透できるように、また空気がチップと共に蒸解過程に吸い込まれないように、チップに結合した空気と水が放出されるのを保証するために全体的に必要であると考えられてきた。
【0004】
このようにして単純なシステムが得られるように、チップビンと含浸槽とを一体化する試みが成された。
【0005】
米国特許第3,532,594号には、スチーム処理及びスラリー形成を、1〜2大気圧の過圧に維持される単一圧力槽で行なう連結槽が開示されている。このシステムは、早くも1970年代におけるスウェーデン国のパルププラントで用いられていた。この場合、離脱式ストレーナー35−ポンプ23−熱交換器25−吐出口/セントラルパイプ19から構成される循環系において、含浸流体は105℃の推奨温度を維持する黒液付加の間、再循環されている。この場合の発想は、すべての水蒸気がスチームによってチップ上皮層から放出され、またこの水蒸気が吐出口12を通って引き出される(換気される)ことにある。このシステムには強力な熱交換器25が必要である。入口13から漏れ出す悪臭の非凝縮性ガス(NCG)の深刻なリスクが存在する。さらに米国特許ではスチームの付加を全体的に除去するのが可能であって、黒液付加の間において加熱流量によってチップの強化間接加熱が行われる、と明記されている。冷えたチップを加熱できるようにするためには、熱交換器で非常に大きな再循環流量と大量のエネルギーを必要とすることから、この加熱技術を実施することは困難である。
【0006】
米国特許第5,635,025号には、チップがスチームによる前処理をせず、チップビンと含浸槽とチップシュートとの連結された形態によって槽内に供給されるシステムが開示されている。槽の下位において含浸流体の単純付加が行なわれ、流体レベルの上層にあるチップのスチーム処理はスチームソースからのスチームの付加によってこの配置で行なわれる。
【0007】
さらに米国特許第6,280,576号には、チップがスチームによる前処理をせず、およそ130℃〜140℃の温度で維持されている熱せられた黒液の付加によってチップが加熱され、その気圧下で含浸槽内へ供給されるようなシステムが開示されている。ガスが放つ悪臭が槽の最上部から換気されると、熱せられた黒液は流体レベルの下層に加えられ、その圧力はチップ層から上に向かって減少する。これは大量の悪臭ガスを発生させ、よってそれらは特殊なシステムで処理され、破壊されなければならない。
【0008】
スウェーデン国特許第523850号には、別のシステムが開示されている。熱せられて加圧された黒液が、125℃〜140℃の温度で蒸解釜から直接取り出され、スチーム処理槽の上部、流体レベルの上層であるがチップレベルの下層、へ加えられる。それによって、圧力が解放された黒液が槽内で確立された流体レベルの上層にあるチップのスチーム処理のために、大量のスチームを放出する。このシステムでは140℃〜160℃の間の温度が含浸槽内で確立されている。
【0009】
この場合、過度の流体、黒液は槽の下部から引き出されることができる。
【0010】
このように、大抵の場合、従来技術はチップ加熱の大部分にスチーム処理を用いてきた。そこで用いられたスチームは、新たに発生したスチームであっても、蒸解処理ステップから黒液の減圧に従って得られたスチームによっての何れでも構成されている。
【0011】
これは、エネルギー消費に関連して相対的にスチームの大流量を保証し、また制御可能なスチーム処理システムを必要としている。また、スチーム処理は大量の悪臭ガスの発生と関っており、それらの発生は所定濃度での爆発の高いリスクを抱えている。
【0012】
国際特許第WO03106765号は、上述で説明されたこれらの解決策に関連しているいくつもの問題を避ける試みにおける装置を開示している。含浸流体(BL1/BL2/BL3)は、この場合異なる位置(P1、P2、P3)における上昇温度と、含浸槽の最頂部で逆流流量ゾーン(Z1)の構築によって、加えられる。この場合、放出された弱ガスの相当量が同時に除去されることが可能である間において、スチーム処理の必要性は減少され得る。木材の揮発性の合成物の大部分は、回収された含浸流体(REC)と結合している。事実、この場合、離脱式のストレーナーに向かって上流の流れが、回収された材料の温度を30℃の低温に維持することができるよう適応させることになっていて、またそれがこのようにチップ層で上がっている気化を避けることが可能であることを示唆している。チップ上皮層の高いレベルにおいて、この稼働方法は、高密度で特定の種類の木材(特定のユーカリ材)には適している。しかしながら、チップが含浸流体の中に沈むことができるためには、流体レベルでの温度があまりに低すぎるとき、チップが沈むための特定の稼働条件(木材の種類及びチップ上皮層カラムの高さ)のもとでは困難である。
【0013】
驚くべきことに、1つ或いはいくつかのステップにおいて、従来の技術で用いられてきた、少なくとも1つの圧力槽を用いた過酷なチップのスチーム処理の使用、及びチップ層を完全に通すスチームの強制換気は、必ずしも必要でないことが明瞭になってきた。対照的に、確立された安定稼働の間におけるスチーム処理の要求を、含浸槽内の流体レベルの上層にあるチップ層の限られたゾーンに制限することができる。完全に最適なスチーム処理は、低密度の木材を使用するときでさえも、或いはチップ上皮層のカラムがより低いレベルのシステムを使用するときでも、また障害のないチップカラムの均等な動きが含浸槽のどこで確立されても、流体レベルの上のチップ層の予定された高さと、チップが含浸流体に沈む限られたスチーム処理との組み合わせによって達成される。本発明の限られたスチーム処理は、含浸槽における「コールド・トップ」規制として知られていることを実現させ、チップ層の上部表面が基本的に通常の周囲温度15℃〜25℃を維持して、そしてチップ層から非凝縮性ガス(NCGs)を連続して放出するスチームに関わらないことを意味しており、そうでなければ、ガスはそれらの有害で悪臭を放つガスの抽出システムを必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の主なる目的は、先行技術の説明で記載した他の公知の解決策に関わる欠点を持たない、スチームによる処理しないチップの含浸及び加熱のための改良方法及び改良装置を達成することにある。
【0015】
第二の目的は、チップが含浸流体内に沈むことを保証することにある。
【0016】
第三の目的は、流体レベルで確立される温度が90℃〜115℃の間、好ましくは90℃〜105℃で確立されるような温度と量で、含浸槽に含浸流体を加えることにある。
【0017】
第四の目的は、圧力を明確にする必要なく、投資費用を削減する、含浸に大気圧下においてより簡易な槽を用いることを可能にすることにある。
【0018】
さらなる目的は、必要とされる付加的なスチーム量を絶対最小値まで削減することにある。
【0019】
さらなる目的は、排出されるNCG及び悪臭ガスを最小値まで削減し、それにより弱ガス管理システムの必要性を減らし或いは容量を大幅に減らすことにある。
【0020】
これらの目的は、請求項1に記載の方法で達成される。
【0021】
1つの好ましい実施形態によるさらなる目的は、流体レベルのレベルで流体の離脱と結合した流体レベルにおいて高い温度を擁し、流体レベルの上層にあるチップカラムの中に短い距離を上昇して、制御された気化を達成することを可能にし、またこのような方法でチップから揮発性の合成物を放出することを可能にすることである。稼働が確立されたとき、均衡条件は達成されて、気化の限られたゾーンからの凝縮物は流体レベルに配置された離脱式ストレーナーから回収される。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、含浸槽内のチップが含浸流体に沈むのを処理することができるか否かを決定付けるのが、含浸槽内の含浸流体の表面温度であるという驚くべき洞察に基づいている。驚くべきことに、流体の表面温度がある狭い範囲内の温度であるならば、次にチップフラグメント内の空気が完全にチップが含浸槽内に含浸することができるのに十分な範囲まで放出される事例を判明した。流体表面の上層にあるチップカラムにおいて、また流体表面と直結した状態において非常に限られた量のチップのための、より軽量でより簡易な局部的なスチーム処理の形態は、チップカラムが沈むのを可能にするスチーム処理を達成するには十分である。
【0023】
本発明により、流体表面で確立される温度は90℃〜115℃の範囲、好ましくは95℃〜105℃であって、そのような温度と量で、流体表面の±1mで結合して含浸流体を加えることによって達成される。
【0024】
上述の従来技術によると、含浸槽内で変動するチップの問題は、チップビン及びそれに続くスチーム処理槽での過酷なチップスチーム処理によって解決されてきた。この方法は非常に大きなスチーム容量を必要とし、高額な弱ガスシステムで管理されなければならない膨大な量のNCGを発生させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
“非処理チップ”(Untreated chips)の概念は以下の詳細な説明で用いられる。ここでは、“非処理チップ”はチップが含浸されるために含浸槽内へ供給される前に、例えばスチーム処理或いはそれに類似の如何なる前処理の形態をも経ていないチップを表すために使用される。
【0026】
また、流体レベルを“LIQ_LEV”及びチップレベルを“CH_LEV”とする概念が用いられる。流体レベル“LIQ_LEV”の用語は、ここでは含浸槽101に加えられる含浸流体BLが槽内で確立されるレベルを表わすのに用いられる。チップレベル“CH_LEV”の用語は、ここでは流体レベルLIQ_LEVの上に位置決めされるチップ層(チップのみで構成する)の部分の高さを表わすのに用いられる。
【0027】
図1は、化学パルプ製造におけるチップの含浸装置を示している。基本的に装置は、垂直に配置された円筒形の含浸槽101で構成されている。そこに非加熱チップ/非スチーム処理チップは、スチーム処理なしで小さなチップビン102の形態による供給装置と、水門供給装置/チップ供給装置103とを通して、含浸槽の最上部へ連続して供給される。槽の最上部109の温度は、基本的に15℃〜25℃の周囲温度と連動している。もし周囲温度が通常の温度を下回るならば、チップ温度がこの範囲内で確立されるような量で、スチームSTが付加されてもよい。通常、含浸槽内へ供給されるチップは、周囲温度±5℃の温度で同様に維持される。供給されたチップは含浸槽の上部でチップレベルCH_LEVを確立する。
【0028】
本発明により、供給ライン108は含浸流体BLを包含し、上記含浸流体で構成する流体レベルLIQ_LEVを確立するために含浸槽へ接続されている。含浸流体は、流体レベルLIQ_LEV±1mで直接供給される。含浸流体BLは、含浸槽の中央部に加えられ、また流体レベルCH_LEVでの温度が90℃〜115℃の範囲、好ましくは95℃〜105℃の範囲内で確立されるような温度と量で含浸槽内へ供給され、スチームがチップ上皮層を通り抜けない間、同時に、局部的に流体レベルの上のチップ上皮層へ上昇して流体の気化が起こる。
【0029】
チップ上皮層へ上昇する気化は、チップレベルCH_LEVの上皮層の半分の高さを超えない距離で起こり、チップレベルCH_LEVの上皮層の25%を超えない距離でチップ上皮層へ上昇する気化が起こるのが、好ましい。
【0030】
加えられた含浸流体BLは、それに続く蒸解釜における蒸解ゾーンで使用された後、 50%以上を蒸解流体によって構成され、含浸流体BLは少なくとも15g/lのアルカリ度を有する。槽101へ加えられた含浸流体BLの量は、5m/ADT〜10m/ADTの間、好ましくは7m/ADT〜9m/ADTの間である。“ADT”とはパルプの“空気・乾燥メートルトン”(Air−dry tonne)の略語である。
【0031】
供給ライン108における含浸流体BLの温度は、115℃〜150℃の温度に維持され、そしてチップレベルCH_LEVは、含浸流体内にチップが沈むのを助けるために流体レベルの少なくとも1m〜2m、好ましくは流体レベルLIQ_LEVの3m〜5m上に位置していて、そこでチップは加熱される。加えられた含浸流体BLの温度が過度にならないよう保証するために、好ましくは冷却手段111が含浸槽101の正面に配置されてもよい。冷却手段は間接的な熱交換器、減圧サイクロン或いは他の気化冷却装置であってもよい、或いは低温流体、好ましくは冷却プロセス流体、アルカリ或いは洗浄ろ過水を付加してもよい。
【0032】
非スチーム処理チップが、自然発生的な水分レベルで25℃に維持されると仮定すると、流体レベルでのチップ混合物でおよそ115℃の温度を確立するためには、5メートルトンの流体が139℃に維持される必要がある。
【0033】
もしチップ混合物で100℃の温度が確立されるとするならば、同様の基本条件を仮定すると、5メートルトンの含浸流体が120℃に維持される必要がある。
【0034】
流体レベルCH_LEVに関わる含浸流体を付加することによって、チップ内に存在する空気は外へ押し出され、チップは含浸流体へ沈む。
【0035】
1つの好ましい実施形態において、離脱式ストレイナー110は、流体レベルLIQ_LEVで含浸流体RECを含浸槽101から回収するために利用することができる。
【0036】
1つの好ましい実施形態において、回収された物質RECの温度は測定される、そしてこの場合、加えられた含浸流体BLの温度又は量のうちのどちらか1つが、回収された物質RECのための必要な目標値が維持されるように、調整される。
【0037】
槽内の圧力は、含浸槽の最上部における換気ライン105に配置された加減弁104を通して、要求通りに調整することができる。換気ライン105は、気圧を確立するために外気に直接解放されてもよい。大気圧レベルでの圧力が達成されるか、或いは‐0.2bar(‐20kPa)の僅かに低い負の圧力か、或いは0.2bar(20kPa)の僅かに超過の圧力が、好ましい。
【0038】
必要であれば、換気流量SW_AIR(掃引外気)の付加が最上部から加えられてもよく、換気流量が如何なるガスをも除去することを保証している。しかしながら確立された稼働の間は、通常必要としない。
【0039】
含浸されたチップは、ここでは含浸槽101の底部で、底部スクレーパー(図示されていない)と関連して構成された出口107の形態による出力手段を通して外へ連続して排出される。
【0040】
次のような有利性が本発明により達成される。
+ チップは含浸流体に沈み、同時にそれらが変動するリスクはない。
+ 加えられるスチームの量はより低量である。
+ NCGs量及び放出される悪臭ガスは最小限である。
【0041】
本発明は示された実施形態に限定されるものではない。別の実施形態が特許請求の範囲内で可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による化学パルプ製造におけるチップの含浸装置を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)前スチーム処理なしでチップが含浸槽(101)の最上部へ連続して供給され、かかる槽の底部から含浸したチップが外へ排出され、
b)含浸流体(BL)が含浸槽(101)へ加えられ、
c)加えられた含浸流体(BL)が含浸槽(101)で流体レベル(LIQ_LEV)を確立し、また加えられたチップがチップレベル(CH_LEV)を確立し、またチップレベルが流体レベルを覆って少なくとも1〜2m、好ましくは3〜5mを擁し、さらにかかる槽の最上部(109)の温度が基本的に周囲温度に相応している、
化学パルプ製造におけるチップの含浸方法において、
含浸槽(101)内の最上部の圧力が、基本的に大気圧のレベル±0.5bar、好ましくは±0.2barで確立され、
流体レベル(LIQ_LEV)で確立される流体と木材の混合物の温度が90℃〜115℃の範囲内、好ましくは95℃〜105℃の範囲内で確立されるように、含浸流体(BL)が木材の単位メートルトン当り5メートルトン超の量及び115℃〜150℃の範囲の含浸流体温度で流体レベルと関連して含浸槽(101)内へ供給され、
さらに加えられた含浸流体のアルカリ度が15g/lを上回る、
ことを特徴とするチップの含浸方法。
【請求項2】
再生のための含浸流体(REC)の回収が、流体レベル(LIQ_LEV)のレベルでかかる槽から行なわれ、かかる回収量が0.1〜1.5m/ADTの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
流体の気化が、チップ上皮層からスチームが通り抜けるような方法でなく、流体レベルの上で局部的にチップ上皮層内へ行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
周囲温度及びチップ温度が15℃〜25℃の範囲内であり、また周囲温度及びチップ温度がこの温度範囲を下回る場合のみスチームが加えられ、またチップ温度がこの範囲内で確立されるような量でスチーム量が加えられることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
チップ上皮層内に上昇する気化が、チップの上皮レベルの高さの半分を超えないレベルで行われることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
チップ上皮層内に上昇する気化が、チップの上皮レベルの高さの25%を超えない程度で行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
含浸流体(BL)が、流体レベル(LIQ_LEV)±1mと直接関連して供給されることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
含浸流体(BL)が、槽(101)の中央部で加えられることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
回収された物質(REC)の温度が計測され、また加えられた含浸流体(BL)の温度及び量のうちの少なくとも一方が、回収された物質(REC)の所望の温度目標値を維持するように、調整されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項10】
槽(101)に加えられる含浸流体(BL)が、それに続く蒸解窯から部分的に消費された蒸解流体で50%以上構成され、含浸流体(BL)が少なくとも15g/lのアルカリ含有量を有することを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
部分的に消費された蒸解流体によって、或いは部分的に消費された蒸解流体の寄与を含む混合物によって、構成される含浸流体の少なくとも一部分が、槽(101)へのその付加の前に冷却装置で冷却されることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
部分的に消費された蒸解流体によって、或いは部分的に消費された蒸解流体の寄与を含む混合物によって、構成される含浸流体の少なくとも一部分が、槽(101)へのその付加の前に加熱装置で加熱されることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
加えられる含浸流体の量が、5〜10m/ADT、好ましくは7〜9m/ADTの範囲内であることを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−506862(P2008−506862A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521435(P2007−521435)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【国際出願番号】PCT/SE2005/001162
【国際公開番号】WO2006/006934
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(591014190)メッツオ ファイバー カルルスタード アクチボラグ (19)
【Fターム(参考)】