説明

チップハウジングの製造方法

【課題】電子部品に対して実質的に無害で、低いコストのハウジング製造方法を提供すること。
【解決手段】カバー層(12)及び対向カバー層(13)を有し、チップ(11)などの少なくとも1つの電子部品をカバー層及び対向カバー層の間に収容するハウジング、及び、そのようなハウジングの製造方法において、カバー層(12)及び対向カバー層(13)の内面に導体通路(15,16又は24,25)を設けて、カバー層(12)の導体通路(15,16)が電子部品(11)の端子面(21,22)を対向カバー層(13)の導体通路(24,25)に接続するようにし、対向カバー層(13)の導体通路(24,25)がハウジング(10)の外部端子(32,33)に到達し、カバー層(12)及び/又は対向カバー層(13)は可撓性のキャリア層(14)を有し、かつ、電子部品(11)を包囲するカバー層接続領域内で相互に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップなどの少なくとも一つの電子部品を収容するハウジングに関し、そのハウジングは、その間に電子部品を収容するカバー層及び対向カバー層を備える。更に、本発明はそのようなハウジングを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特にチップに関連して、意図しない機械的及び化学的影響からの保護、また、しばしば分散熱の排出及び分配のため、チップに遮蔽ハウジングを設けることが知られている。ハウジングの端子導体構成の外部へ扇形に広がる形状により、チップの端子面により可能なよりも広い空間を端子面間に設けることができるので、このハウジングは、チップの端子面から外部へ延びる端子導体構成が爾後の接続処理の実行を容易にするという長所も提供する。
【0003】
従って、現在汎用されている表面実装技術(SMT)では、チップを単体又は他の電子部品と一緒に合成樹脂のハウジング内に収容することが一般的に行われる。これとの関連において、チップをフレーム状のチップキャリアにボンディングし、チップを完全に密封するために合成樹脂を用いた鋳造(casting)のためのコンパウンドでチップキャリアを満たし、チップのその中に封入することが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チップキャリアのフレーム又は型としての機能面からその設計は特別な要求を有するので、この種のハウジングの製造は実際にはコストがかかることがわかっている。さらに、チップ、及びチップキャリア上に配置されうるあらゆる他の電子部品は、合成樹脂を用いた鋳造のためのコンパウンドでチップキャリアを満たす際に高い熱応力を受けるので、電子部品の機能を害するような損傷を受けることがしばしばである。
【0005】
従って、本発明の目的は、個々の電子部品に対して実質的に無害に製造可能な電子部品のためのハウジングを提案すること、及び、とりわけ低いコストでそのようなハウジングの製造を容易にする方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載された特徴を有するハウジングの製造方法により実現することができる。
【0007】
本発明に係るハウジングにおいては、カバー層の導体通路が電子部品の端子面を対向カバー層の導体通路に接続するようにカバー層及び対向カバー層の電子部品に対向する内面に導体通路が設けられ、対向カバー層の導体通路がハウジングの外部端子に到達し、カバー層及び/又は対向カバー層は可撓性のキャリア層を有し、かつ、電子部品を包囲するカバー層接続領域内で相互に接続される。
【0008】
少なくとも一つのカバー層、即ちカバー層又は対向カバー層の可撓性設計により、合成樹脂その他により鋳造すること無く電子部品を密閉して封入することができる。また、これは、合成樹脂の鋳造に伴い、熱応力が部品に加わることを防止することに役立つ。さらに、少なくとも一つのカバー層の可撓性設計により、カバー層及び対向カバー層の設計上の特別の要求無しに部品を封入することができる。また、本発明のハウジングは、製造を容易化し、実質上、ハウジングの密閉を、カバー層の導体通路と対向カバー層の導体通路との間の接続の確立と共に一つの工程で行う。
【0009】
対向カバー層が少なくとも1つの部品収容領域を有し、その部品収容領域がカバー層及び対向カバー層の接続面に対して窪んでおり、カバー層と共に部品キャリア構成を形成する部品が部品収容領域内に係合してカバー層及び対向カバー層の接続領域がハウジングの中心面に対して後退しているように構成することが特に有効であることがわかっている。こうすることにより、ハウジングの中央面に対して実質的に対称的なハウジング設計が達成でき、上方又は下方に面したカバー層により、ハウジングの配置のための空間的要求を変更すること無く、配置の際にハウジングの任意の配置が可能となる。
【0010】
対向カバー層が接続領域により離隔した複数の部品収容領域を有し、各々の部品収容領域が部品キャリア構成と結合してサブハウジングを形成するように構成すれば、サブハウジング内に収容された任意数のチップを直線的に配列していわゆるマルチチップモジュールのためのハウジング構造を特に単純な方法で提供することができる。更に、ハウジングの直線的2次元構成に加え、サブハウジングのカバー層及び対向カバー層に可撓性キャリア層を設ければ、ハウジングの3次元構成を得ることができ、例えば、サブハウジングを螺旋状に形成することができる。こうして、非常に高いチップ密度のマルチチップモジュールを製造することができる。
【0011】
直線的に配置されたサブハウジングを有する上述の複数のハウジング、又は、そのようなハウジングと請求項1又は2記載のハウジングを重ねて配置したハウジング構成において、ハウジングのサブハウジング又はハウジングが、カバー層接続領域により近傍のハウジングのサブハウジング間に形成されるセットバック領域内に係合するようにハウジングを相対的に配置するハウジング構成においては、個別に収容されたチップを有するさらに高いチップ密度のマルチチップモジュールを実現することができる。これにより、歯状のようなハウジング構成を容易にすることができる。
【0012】
ハウジングの個々のサブハウジングの直線的配置により、個々のサブハウジング間に延びる導体通路を介してサブハウジングを電気直列回路の如くに一つずつ接続することができる。サブハウジング又はハウジングのカバー層の導体通路が、他のサブハウジング又はハウジングの対向カバー層の導体通路に接続されるようにサブハウジング同士又はサブハウジングとハウジングとがスルー接点により相互接続されれば、サブハウジング又はハウジング内に収容された個々のチップを電気並列回路の如くに電気的に接続することもできる。
【0013】
特にその長所の観点から上述された、特にチップなどの少なくとも一つの電子部品を収容するハウジングの製造を容易にする本発明の方法は、
部品の端子面とカバー層の導体通路との間に部品/カバー層接続を確立して部品キャリア構成を形成する工程と、
カバー層及び/又は対向カバー層を変形させることにより、カバー層及び対向カバー層をそれらの接続領域と共に移動させ、カバー層の導体通路と対向カバー層の導体通路との間にカバー層接続を確立する工程と、を有する。
【0014】
このように、本発明の方法は最小の工程数で、かつ、部品キャリア構成に関する特別な要求無しにチップハウジングの製造を容易にすることができる。よって、いわゆるフリップチッププロセスの如き既知の接続手法をチップハウジングの製造方法に特に有効な方法で統合することができる。従って、例えば第1工程においてチップの如き電子部品を、カバー層として機能する可撓性基板の導体通路上に、フリップチップ工程においてその端子面によりボンディングすることができる。第2工程では、こうして形成された部品キャリア構成を対向カバー層に接続し、ここではいわゆる熱圧着プロセスのような既知の接続手法を再度用いることができる。
【0015】
カバー層接続を確立するために、相互に接続されるべき導体通路を接触領域内で相互に加圧し、接触領域内で、レーザー放射によりカバー層又は対向カバー層を後方へ動作させることは特に有効であることがわかっている。こうすることにより、導体通路を接続するために必要なエネルギーをできる限り不連続な形で、カバー層又は対向カバー層のキャリア層の広い領域に熱応力を加えることなく、導入することができる。
【0016】
カバー層又は対向カバー層が透過性キャリア層を有する場合に、レーザー放射が実質的にキャリア層を通過し、接触領域内で吸収されるように、キャリア層の透過性、接触領域内での吸収及びレーザー放射の波長を相互に適合させれば、カバー層又は対向カバー層のキャリア層に大きな熱応力を加えることなく導体通路の熱接続が可能となる。
【0017】
接触領域の熱処理のための放射エネルギーと、例えばポリアミドなどから構成される透過性合成樹脂材料のキャリア層との結合は、金属製接触領域の良好な吸収特性と相俟って、熱接続に必要な温度が接続領域内のみで発生することを確実にする。こうして、実質的にカバー層又は対向カバー層のキャリア層により形成されるチップの密閉封入は、接続工程中に損傷を受けることが無い。
【0018】
レーザー放射をカバー層又は対向カバー層に導入し、かつ、導体通路を加圧するように機能する光ファイバを使用してレーザー放射の処理を行うことが特に有効であることがわかっている。本発明のそのような変形工程を利用することにより、その方法の実行のために必要な装置について最小のコストでその方法を実行することが可能となる。
【0019】
導体通路の接触領域に圧力を加える他の実現性は、第1サブサーフェスがカバー層に当接する圧力ダイスを使用して圧力を印加することであり、その圧力は、圧力ダイスの第2サブサーフェスと対向カバー層との間で有効となる真空により接触領域内で発生する。圧力の印加のために発生する真空は、ハウジング内部を真空排気するための特に有効な手法において使用可能であり、それにより、内部に収容されたチップの大きさに適合した非常に省スペースの構造を有するハウジングを製造することを可能とする。
【0020】
カバー層間の接続を確立する前に、部品キャリア構成又は対向カバー層を、接続領域により包囲される部品領域と共に接続領域の面と離間したアセンブリ面上に配置すれば、ハウジングの中央面に対する接続領域の接続面の位置を、その後のハウジングの配置に有利になるような方法で規定することができる。
【0021】
配置面上に部品キャリア構成又は対向カバー層を固定するための特に有効な実現性は、真空の使用である。特にカバー層又は対向カバー層が可撓性設計の場合には、後者を特に容易に所定の形状に形成することができる。
【0022】
真空固定を使用して対向カバー層を配置面上に固定すれば、配置面上への真空による固定の実現性を特に有効に使用することができ、部品キャリア構成の製造後、後者は部品と共に対向カバー層の部品領域内に配置され、そうするとカバー層が接続領域内の接続面内で接続される。
【0023】
上述の製造工程が独立のチップハウジングの製造に使用される場合、カバー層間の接続の確立後に、切断装置を使用してカバー層及び対向カバー層をカバー層接続領域内でトリムすることが有効であることがわかっている。更に切断装置が加熱されていれば、切断工程と同時にハウジングの密封を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のハウジングを製造するのに特に適切な本発明の方法について、図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0025】
図1は、チップハウジング10と、カバー層12及び対向カバー層13との間に収容されたチップ11とを示す。カバー層12は、例えばポリアミドなどの透過性合成物質により構成された可撓性キャリア層14を有し、そのキャリア層14には既知の方法により導体通路15、16が設けられる。導体通路15、16はそれらの内側端部17、18において、隆起した接点メタライゼーション19、20を有するチップの端子面21、22と接続される。
【0026】
対向カバー層13も同様に、透過性、可撓性合成物質により構成され、導体通路24、25を有するキャリア層23を有する。カバー層12の導体通路15、16は、それらの外側端部26、27において導体通路24、25の内端部28、29と接続される。自由なアクセスが可能なように構成されたそれらの外側端部30、31において、対向カバー層13の導体通路24、25は外部端子32、33を形成する。
【0027】
複数の端子面及び対応する数の導体通路を設けることができるが、図示の便宜上、図1及びそれに続く図はチップ11及びカバー層12及び対向カバー層13を、2つの端子面21、22のみ、及びいずれの場合も2つの導体通路15、16及び24、25と共にのみ示す。
【0028】
図2及び3は2つの実現性を例示し、図1に示すチップハウジング10の製造のための第1の処理工程では、カバー層12及びチップ11を含む部品キャリア構成34が形成される。カバー層12の導体通路15、16とチップ11のメタライゼーション19、20の間に部品/カバー層接続35を確立するために、図2に示す工程変形は光ファイバ36を使用し、その光ファイバの端面38は、導体通路15、16と逆側のキャリア層14の背面側37に押し当てられる。ここで、光ファイバ36を当てる位置は、導体通路15又は16と、接点メタライゼーション19又は20との間の接点領域39によるカバーが生じるように選択される。個々の導体通路15又は16とそれに割り当てられた接点メタライゼーション19又は20との接続は、いわゆる一点ボンディング(single-point-bonding)プロセスにより生じ、導体通路15又は16と接点メタライゼーション19又は20との個々のペア間の接続が連続的に確立される。
【0029】
導体通路15とそれに割り当てられた接点メタライゼーション19との間の温度結合については、カバー層12が光ファイバ36のファイバ端部38と共にチップ11に対して加圧され、それにより導体通路15と接点メタライゼーション19とが相互に隙間なく保持される。カバー層12へのレーザー放射40の印加は、光ファイバ36に接続されたレーザー光源(ここでは詳細な図示を省略)により行われる。また、上述の物質の組み合わせ例、即ち、カバー層12のキャリア層14にポリアミドを使用し、導体通路15に金コートされた銅を使用し、接点メタライゼーション19、20に金/錫合金を使用する例では、波長1.065ナノメートル(nm)のレーザー放射を行うNd−YAGレーザーが特に適当である。波長に関しては、ポリアミドのキャリア層14は88%の透過率を有する。透過されない放射の殆どの割合は反射され、かなり少量の放射のみが吸収される。レーザー放射40は殆どが銅製の導体通路15内で吸収され、それによって導体通路15は加熱する。上述したような、導体通路15の接点メタライゼーション19への隙間の無い結合により、レーザーエネルギーは接点メタライゼーション19内へ殆ど損失無しに前方伝達し、そのエネルギーは熱エネルギーに変換され、その結果接点メタライゼーションは要求される融解温度まで加熱される。
【0030】
図3は、部品キャリア構成34を形成するためにチップ11とカバー層12との間に部品/カバー層接続35を確立する他の実現性を示す。ここで、いわゆるフリップチッププロセスでは一般的であるように、接点メタラーゼーション19、20を有するチップ11が導体通路15、16に押し当てられ、熱影響下においてチップ11とカバー層12との間に接続が確立する。図2に示す接続手法と比較すると、図3に示すフリップチッププロセスではチップ11にはかなり高い熱応力が加わることになる。
【0031】
図4は、カバー層接続装置41による、図1に示すチップハウジング10への部品キャリア構成34の更なる処理を示す。
【0032】
ここでは単独で図示はしない初期構成において、カバー層接続装置41は、配置面43を有する対向カバー層収容装置42を有し、その配置面43は周辺端部部材44により包囲されている。図4に示すカバー層接続装置42の実施形態では、端部部材44は、配置台45に接続された独立の構成要素の形態を採る。しかし、端部部材44を配置台45と一体化した部分として形成することもできる。
【0033】
カバー層12と対向カバー層13の接続領域48、49間の接続面47内でカバー層接続46を確立する前に、対向カバー層13の接続領域49が端部部材44上に位置するように対向カバー層13を配置台45に対して配置する。対向カバー層13を配置台45上に固定するために、対向カバー層13の部品収容領域50を配置台45の真空ボア51の真空により、背後の方向に動作させて、部品収容領域50が配置台45の配置面43に当接するようにする。必要であれば、端部部材44に部分的に真空ボアを設け(詳細は図示せず)、対向カバー層13の接続領域49が端部部材44に確実に当接するようにすることもできる。
【0034】
それから、部品キャリア構成34は、部品キャリア構成34がチップ11と共に対向カバー層13の部品収容領域50に挿入されるように、上記のようにして対向カバー層収容装置に固定された対向カバー層13と結合する。カバー層12の接続領域48と対向カバー層13の接続領域49との間の接続の確立については、ここではフレームの形状である圧力ダイス52がカバー層12の接続領域48に向かって、図4に示すように接続領域48、49が接続面47内で相互に当接して配置されるように移動する。こうして、チップハウジング10は図4及び図1に示される形態となる。
【0035】
図4は、圧力ダイス52の内側サブサーフェス53のみがカバー層12の接続領域48に当接することを示す。外側サブサーフェス54の領域では、圧力ダイス52は対向カバー層13の接続領域49から離隔しており、O型リングシール55の補助によりカバー層12の接続領域48を包含する空間56を取り囲む。真空ボア72は空間56内に至り、それにより、真空が適用されると真空の力が空間56内で有効となり、その結果圧力ダイス52のサブサーフェス53がカバー層12の接続領域48を対向カバー層13の接続領域49に対して押し付ける。
【0036】
真空効果により、カバー層12の導体通路15、16の外側端部26、27は導体通路24、25の内側端部28、29に対して加圧され、それにより後者が相互に隙間無く当接する。これは、図2の例について説明したように、レーザー放射40の結果、カバー層12の導体通路15、16と対向カバー層13の導体通路24、25との間で、それらの接触領域57又は58内で熱接続が生じ、カバー層接続領域73を形成する。圧力ダイス52から接続領域48、49へ加えられる圧力のおかげで光ファイバ36のファイバ端面38からは圧力を送る必要が無いので、ボア59を介してそれらの接触領域57、58内の導体通路15、16及び24、25へのエネルギー印加を容易にする図4に示す光ファイバ36を使用する代わりに、適当な焦点制御光学装置によりレーザー処理を行うことができる。
【0037】
対向カバー層13としての使用に特に適当なのは、導体通路24、25を形成するための銅製メタライゼーションを有する可撓性シートである。これらの導体通路を、約10ミクロンの厚さの共晶亜鉛/鉛合金のコーティングにより予備的に亜鉛めっきしておくことが特に有益であることが証明された。上述のように、カバー層12の導体通路15、16は、例えば0.5ミクロンの厚さの金コーティングを有する銅製のメタライゼーションにより形成することができる。試験において製造されたチップハウジング10の場合、外部端子32、33間の中心距離は400ミクロンであった。試験のために選択された光ファイバ36は直径600ミクロンのコアを有するものであった。レーザー処理は、10ワット、パルス幅40ミリ秒(ms)で行った。ここで、ファイバ端面38上の圧力は約40cNであった。上述の接続手法は、室温で、フラクシング物質を使用せずに行われた。配置台45の温度を摂氏100度に維持することにより、8ワットのレーザーパワーでも十分であることが証明された。
【0038】
カバー層12と対向カバー層13との間のカバー層接続46の完了に続いて、チップ11を周辺環境から密閉するために、図1及び図4に示されるチップハウジング10のカバー層12の接続領域48の周辺端部60に密閉コンパウンド61(図1)を設けることができる。
【0039】
図5及び6は、2つの例を参照して、独立なハウジングとして設計されたチップハウジング10と複数のサブハウジング63を有するチップハウジング62との使用により、ハウジング構成64(図5)及び65(図6)を使用してマルチチップモジュール66及び67を形成する方法を示す。
【0040】
図5は、線形ハウジング構成64を有するマルチチップモジュール66を示し、独立のサブハウジング63がカバー層接続領域73を介して一列に接続されている。独立のサブハウジング63内に収容されたチップ11間の電気的接続は、カバー層接続領域73内の導体通路24、25を通じて行われる。
【0041】
接続領域49を介して相互接続され、図4に示す対向カバー層13に従って設計された複数の補助的対向カバー層69を有する対向カバー層68は、図5に示すハウジング構成64を製造するために使用することができる。図4を参照して詳細に説明したように、独立の部品キャリア構成34のチップ11を補助的対向カバー層69の独立の部品保持領域50内に挿入することができる。また、部品キャリア構成を連続的とし、対向カバー層に対して単一ユニットとして接続することもできる。
【0042】
最後に、図6はマルチチップモジュール67の形成のためのハウジング構成65を示す。図5に示すハウジング構成64と対照的に、ハウジング構成64は多重層構造を有し、サブハウジング63とチップハウジング10とがオフセット(offset)形で重ね合わされる。ここで、ハウジング10は、サブハウジング63のカバー層接続領域73により形成されるセットバック(setback)領域70内に係合する。また、カバー層接続領域73とカバー層12との間のオーバーラップ領域71内にオフセット形で重ね合わされたチップ11の電気的接続を容易にするため、スルー接点(詳細な図示は省略)を設け、オフセット形で重ねられたチップハウジング10及び/又はサブハウジング63の導体通路15、16及び24、25を相互接続することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】チップハウジングの断面図であり、チップがカバー層と対向カバー層との間に配置されている。
【図2】カバー層及びそれに接続されたチップから、チップハウジングの部品キャリア構成を製造する方法を示す図。
【図3】カバー層及びそれに接続されたチップから部品キャリア構成を製造する他の方法を示す図。
【図4】図1に示すチップハウジングを製造する装置を示す図。
【図5】マルチチップモジュールを構成するチップハウジング及び複数のサブハウジングを示す図。
【図6】マルチチップモジュールを構成するチップハウジング及び複数のサブハウジングを示す他の図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品をカバー層と対向カバー層との間に収容するハウジングの製造方法において、
部品の端子面とカバー層の導体通路との間に部品/カバー層接続を確立して、端子面に対向する導体通路が端子面と接触するように部品キャリア構成を形成する工程と、
カバー層及び対向カバー層の少なくとも1つを変形させることにより、カバー層及び対向カバー層をそれらの接続領域と共に移動させ、相互に対向する導体通路が相互に接触するようにカバー層の導体通路と対向カバー層の導体通路との間にカバー層接続を確立する工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
カバー層接続を確立するために、相互に接続されるべき導体通路を接触領域内で相互に加圧し、
接触領域内で、レーザー放射によりカバー層又は対向カバー層を後方へ動作させることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
カバー層又は対向カバー層が透過性キャリア層を有する場合に、レーザー放射が実質的にキャリア層を通過し、接触領域内で吸収されるように、キャリア層の透過性、接触領域内での吸収及びレーザー放射の波長を相互に適合させることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
レーザー放射をカバー層又は対向カバー層に導入し、かつ、加圧するように機能する光ファイバを使用してレーザー放射の処理を行うことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
接触領域内での加圧は圧力ダイスにより行われ、圧力ダイスの第1サブサーフェスはカバー層に当接し、接触領域内での圧力は圧力ダイスの第2サブサーフェスと対向カバー層との間で動作する真空により発生することを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
カバー層接続の確立に先立ち、接続領域により包囲された部品収容領域と共に、部品キャリア構成又は対向カバー層を接続領域の面から離隔した配置面上に配置することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
部品収容領域を真空により配置面上に配置することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
部品キャリア構成の形成後、部品キャリア構成を部品と共に、配置面上に配置された対向カバー層の部品収容領域内に配置し、
次に接続領域の接続面内でカバー層接続を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
カバー層接続の確立後に、好ましくは加熱切断装置により、カバー層接続領域内でカバー層及び対向カバー層をトリムすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−140515(P2006−140515A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368383(P2005−368383)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【分割の表示】特願平8−523158の分割
【原出願日】平成8年1月12日(1996.1.12)
【出願人】(597159765)フラウンホーファーゲゼルシャフト ツール フォルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシユング エー.フアー. (68)
【出願人】(501198796)パック テック−パッケージング テクノロジーズ ゲーエムベーハー (12)
【出願人】(506051946)