説明

チューニング装置およびプログラム

【課題】全ての弦について調弦状況を一目瞭然にし、しかも音感が十分でない初心者ユーザであっても、弦の破断を引き起こすことなく簡単に調弦できるチューニング装置を実現する。
【解決手段】センサプローブSPが各弦を所定ストロークS分押下すると、CPUは、センサ部20の出力に基づき各弦の検出反発力を表す測定データを発生し、それらと各弦の基準反発力を表す基準データとの差分を各弦毎に算出する。差分が許容範囲データで表される許容範囲内ならば適正に調弦されていると判別し、許容範囲の上限を超えていれば弦の張力が高過ぎる状態と判別し、許容範囲の下限を超えていれば弦の張力が低過ぎる状態であると判別する。各弦の判別結果を表示部のアジャストLED表示器で可視表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばギターなどの弦楽器の調弦に用いて好適なチューニング装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ギターなどの弦楽器の調弦に用いるチューニング装置が知られている。例えば特許文献1には、弾弦で生じる弦振動から検出した検出音高が何れの音名に対応するかを表示すると共に、その音名の基準音高と検出音高とのズレ量を表示し、さらに検出音高に対応する弦番号も表示するようにしたチューニング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05−066765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に開示の技術のように、弾弦で生じる弦振動から検出した検出音高の音名で調弦する場合、音感が十分でない初心者ユーザであると、基準音高と同じ音名にしようとして、誤って基準音高より1オクターブ上や1オクターブ下の検出音高にチューニングしてしまう問題が生じ、とりわけ1オクターブ上の検出音高にチューニングしようとして弦を巻き過ぎ、これにより弦を破断させてしまう事もしばしば起こる。
【0005】
また、上記特許文献1に開示の装置では、一弦ずつ調弦する為に、全ての弦について調弦状況を一目瞭然にすることも叶わないという問題もある。以上を換言すれば、全ての弦について調弦状況を一目瞭然にし、しかも音感が十分でない初心者ユーザであっても、弦の破断を引き起こすことなく簡単に調弦することが出来ない、という問題を有する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、全ての弦について調弦状況を一目瞭然にし、しかも音感が十分でない初心者ユーザであっても、弦の破断を引き起こすことなく簡単に調弦することができるチューニング装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、張設された複数の弦を押下した時に生じる各弦の反発力を検出反発力として取得する反発力取得手段と、適正に調弦された状態で取得された各弦の基準反発力を予め記憶しておき、これら各弦の基準反発力と前記反発力取得手段により取得された各弦の検出反発力との差分を各弦毎に算出する差分算出手段と、前記差分算出手段により算出される各弦毎の差分が予め定められた許容範囲に収まっているか否かを判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づき各弦の状態を表示する状態表示手段とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、全ての弦について調弦状況を一目瞭然にし、しかも音感が十分でない初心者ユーザであっても、弦の破断を引き起こすことなく簡単に調弦することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の一形態によるチューニング装置100の概要を説明するための外観図である。
【図2】チューニング装置100の構成を示すブロック図である。
【図3】ROM11のデータ構成を示すメモリマップである。
【図4】RAM12のデータ構成を示すメモリマップである。
【図5】表示部14のアジャスト表示器を説明するための図である。
【図6】メインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図7】判別処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.発明の概要
図1は、実施の一形態によるチューニング装置100の概要を示す外観図である。この図に示すチューニング装置100は、センサ部20および本体部30に大別される。センサ部20は、図示されていない検査治具によってギターのフレット(棹)に対向する所定位置に配置され、ブリッジ/ナット間の弦をセンサプローブSPで押下するようになっている。
【0011】
具体的には、ブリッジ端を基準にして離間距離Lを隔てた位置において、センサ部20のセンサプローブSPを弦STに当接してから所定ストロークS分押下する。センサ部20のセンサプローブSPの基端には、圧力センサ(後述する圧力センサ20−1〜20−6)が設けられており、センサプローブSPが弦STを所定ストロークS分押下した時の圧力、すなわち弦STの反発力(以下、検出反発力と称す)を検出して本体部30に出力する。センサ部20は、全ての弦に対向配置されるセンサプローブSPおよび圧力センサを備えるので、各弦の検出反発力を一度に取得し得る。
【0012】
本体部30では、適正にチューニングされた状態で取得された各弦の基準反発力を予め記憶しておき、この基準反発力とセンサ部20により取得された検出反発力とを各弦毎に比較し、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲に収まっていれば弦が適正に調弦されていると判別する。また、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の上限を超えていれば、弦の張力が高過ぎる状態と判別する。さらに、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の下限を超えていれば、弦の張力が低過ぎる状態と判別する。本体部30では、こうした判別結果に基づき各弦の状態を表示する。
【0013】
B.チューニング装置100の構成
図2は、センサ部20および本体部30を含むチューニング装置100の構成を示すブロック図である。この図において、CPU10は、後述するメインルーチン(図6参照)を実行することによって、予め記憶された各弦の基準反発力と、センサ部20により取得された各弦の検出反発力との比較に基づき各弦の張力の状態を判別し、判別した各弦の状態を表示部14に表示させる。
【0014】
ROM11は、図3に示すように、プログラムエリアPE、基準データエリアREおよび許容範囲データエリアKEを備える。プログラムエリアPEには、CPU10にロードされる各種プログラムが記憶される。各種プログラムとは、後述する本体処理(図6参照)および判別処理(図7参照)を含む。基準データエリアREには、適正にチューニングされた状態で取得された各弦(第1弦〜第6弦)の基準反発力を表す基準データRD(1)〜RD(6)が記憶される。許容範囲データエリアKEには、検出反発力と基準反発力との差分が適正であるか否かを判断するための許容範囲を表す許容範囲データPD(1)〜PD(6)が各弦別に記憶される。
【0015】
RAM12は、図4に示すように、ワークエリアWE、サンプリングエリアSEおよび測定データエリアMEを備える。ワークエリアWEには、CPU10の処理に用いられる各種レジスタ・フラグデータが一時記憶される。サンプリングエリアSEには、センサ部20を構成する圧力センサ20−1〜20−6の各出力を一定時間サンプリングして取得した検出データ群が一時記憶される。測定データエリアMEには、上記サンプリングエリアSEに一時記憶された検出データ群に平均化処理を施して得られる測定データMD(1)〜MD(6)が格納される。測定データMD(1)〜MD(6)は、それぞれ第1弦〜第6弦の検出反発力を表す。
【0016】
操作部13は、本体部30をパワーオン/パワーオフする電源スイッチや、測定の開始/終了を指示する測定スイッチなどを備え、スイッチ操作に応じたイベントを発生する。操作部13が発生するイベントはCPU10により取り込まれる。表示部14は、LCDパネルおよびアジャストLED表示器を備える。表示部14のLCDパネルには、CPU10から供給される表示制御信号に応じて、装置の動作状態や設定状態が画面表示される。
【0017】
表示部14のアジャストLED表示器は、図5に図示する一例のように、各弦に対応して配列されるUP LED、OK LEDおよびDOWN LEDを備える。これらLED(発光素子)は、上述した判別結果に基づき点灯制御される。すなわち、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲に収まり、弦が適正に調弦されていると判別された場合には、OK LEDが点灯される。また、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の上限を超え、弦の張力が高過ぎる状態と判別された場合には、UP LEDが点灯される。さらに、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の下限を超え、弦の張力が低過ぎる状態と判別された場合には、DOWN LEDが点灯される。こうした表示形態により全ての弦について調弦状況が一目瞭然になる。
【0018】
センサ部20は、前述したように、検査治具(不図示)を用いて弦に当接してから所定ストロークS分押下されるセンサプローブSPと、センサプローブSPの基端に設けられ、検出反発力(弦の反発力)を検出する圧力センサ20−1〜20−6とから構成される。圧力センサ20−1〜20−6には、例えば公知のピエゾ抵抗型半導体圧力センサが用いられる。A/D変換部21は、センサ部20から出力される圧力センサ20−1〜20−6の各出力をレベル増幅した後にA/D変換して検出データを発生する。A/D変換部21が発生する検出データは、CPU10の制御の下に、RAM12のサンプリングエリアSE(図4参照)に一時記憶される。
【0019】
C.動作
次に、図6〜図7を参照して上記構成によるチューニング装置100の動作を説明する。以下では、チューニング装置100の動作として、CPU10が実行するメインルーチンの動作およびメインルーチンからコールされる判別処理の動作について述べる。
【0020】
(1)メインルーチンの動作
電源スイッチ操作によりチューニング装置100(本体部30)がパワーオンされると、CPU10は図6に図示するメインルーチンを実行してステップSA1に進み、装置各部を初期化するイニシャライズを行う。イニシャライズが完了すると、次のステップSA2に進み、測定スイッチがオン操作されたか否かを判断する。測定スイッチがオン操作されなければ、判断結果は「NO」になり、ステップSA6に進み、例えば圧力センサ20−1〜20−6の各出力を較正(オフセット調整)する等の、その他の処理を実行した後、上記ステップSA2に処理を戻す。
【0021】
一方、図1に図示したように、検査治具を用い、センサ部20のセンサプローブSPがブリッジ端を基準にして離間距離Lを隔てた位置の各弦を所定ストロークS分押下するようセットされた状態で測定スイッチがオン操作されたとする。そうすると、上記ステップSA2の判断結果が「YES」になり、ステップSA3に進む。ステップSA3では、圧力センサ20−1〜20−6の各出力をA/D変換部21がレベル増幅した後にA/D変換した所定サンプル数分の検出データを、RAM12のサンプリングエリアSE(図4参照)に格納する。
【0022】
続いて、ステップSA4では、RAM12のサンプリングエリアSEに一時記憶され、各弦あたり所定サンプル数分の検出データについて平均化処理を施し、これにより第1弦〜第6弦の検出反発力をそれぞれ表す測定データMD(1)〜MD(6)を生成してRAM12の測定データエリアME(図4参照)に格納する。そして、ステップSA5に進み、判別処理を実行する。
【0023】
判別処理では、後述するように、ポインタnで指定される第n弦の測定データMD(n)と基準データRD(n)との差分RESが、許容範囲データPD(n)で表される許容範囲内ならば、第n弦が適正に調弦されていると判別し、差分RESが許容範囲内の上限を超えると、第n弦の張力が高過ぎる状態であると判別し、差分RESが許容範囲内の下限を超えていれば、第n弦の張力が低過ぎる状態であると判別する。こうした判別をポインタnの歩進に応じて第1弦〜第6弦の全てについて行い、これにより得られた各弦の判別結果に基づきアジャストLED表示器に各弦の状態を可視表示する。
【0024】
(2)判別処理の動作
次に、図7を参照して判別処理の動作を説明する。上述したメインルーチンのステップSA5を介して本処理が実行されると、CPU10は図7に図示するステップSB1に進み、弦の番号を指定するポインタnに初期値「1」をセットする。続いて、ステップSB2では、ポインタnが「7」より小さいか否か、つまり全ての弦について判別し終えたかどうかを判断する。ポインタnが「7」を超えた場合、すなわち全ての弦について判別し終えたならば、ここでの判断結果は「NO」となり、本処理を終えるが、全ての弦について判別し終えておらず、ポインタnが「7」より小さければ、判断結果は「YES」となり、次のステップSB3に進む。
【0025】
ステップSB3では、ポインタnで指定される第n弦の測定データMD(n)をRAM12の測定データエリアMEから読み出すと共に、ポインタnで指定される第n弦の基準データRD(n)をROM11の基準データエリアREから読み出し、読み出した測定データMD(n)と基準データRD(n)との差分値をレジスタRESにストアする。レジスタRESにストアされた差分値は、検出反発力と基準反発力との差分を表す。以後、レジスタRESの内容を差分RESと称す。
【0026】
次いで、ステップSB4では、ポインタnに応じてROM11の許容範囲データエリアKEから読み出される第n弦の許容範囲データPD(n)で表される許容範囲内に差分RESが収まるか否か、つまりポインタnで指定される第n弦が適正に調弦されているかどうかを判別する。差分RESが許容範囲データPD(n)で表される許容範囲内に収まっていれば、判断結果は「YES」になり、ステップSB5に進み、表示部14のアジャストLED表示器において、ポインタnで指定される第n弦に対応付けられたOK(n) LEDの点灯を指示して適正に調弦されていることをユーザに報知する。この後、ステップSB6に進み、ポインタnをインクリメントして歩進させて上述のステップSB2に処理を戻す。
【0027】
以後、歩進されたポインタnが「7」を超え、全ての弦について判別し終えるまでの間、上述したステップSB3以降を繰り返す。その過程で差分RESが許容範囲データPD(n)で表される許容範囲を超えた場合には、上述したステップSB4の判断結果が「NO」になり、ステップSB7に進む。ステップSB7では、差分RESが許容範囲データPD(n)で表される許容範囲の上限を超えているか否かを判断する。
【0028】
許容範囲の上限を超えていると、上記ステップSB7の判断結果が「YES」になり、ステップSB8に進み、表示部14のアジャストLED表示器において、ポインタnで指定される第n弦に対応付けられたUP(n) LEDの点灯を指示して弦の張力が高過ぎる状態であることをユーザに報知する。これに対し、許容範囲の下限を超えていれば、上記ステップSB7の判断結果が「NO」になり、ステップSB9に進み、表示部14のアジャストLED表示器において、ポインタnで指定される第n弦に対応付けられたDOWN(n) LEDの点灯を指示して弦の張力が低過ぎる状態であることをユーザに報知する。
【0029】
このように、判別処理では、ポインタnで指定される第n弦の測定データMD(n)と基準データRD(n)との差分RESを算出し、算出した差分RESがポインタnで指定される第n弦の許容範囲データPD(n)で表される許容範囲に収まっていれば、ポインタnで指定される第n弦が適正に調弦されていると判別し、差分RESが許容範囲データPD(n)で表される許容範囲の上限を超えていれば、弦の張力が高過ぎる状態であると判別し、差分RESが許容範囲データPD(n)で表される許容範囲の下限を超えていれば、弦の張力が低過ぎる状態であると判別する。そして、こうした判別をポインタnの歩進に応じて第1弦〜第6弦の全てについて行い、各弦について行われた判別結果をアジャストLED表示器で可視表示する。
【0030】
以上のように、本実施形態では、センサ部20のセンサプローブSPがブリッジ端を基準にして離間距離Lを隔てた位置の各弦を所定ストロークS分押下するようセットされた状態で測定を開始すると、圧力センサ20−1〜20−6の各出力をA/D変換した所定サンプル数分の検出データを平均化して第1弦〜第6弦の検出反発力をそれぞれ表す測定データMD(1)〜MD(6)を生成し、ROM11に記憶され、適正にチューニングされた状態で取得された各弦の基準反発力を表す基準データRD(1)〜RD(6)との差分RESを各弦毎に算出する。検出反発力と基準反発力との差分RESが許容範囲データPD(n)で表される許容範囲内ならば、適正に調弦されていると判別する。一方、許容範囲の上限を超えていれば弦の張力が高過ぎる状態と判別し、許容範囲の下限を超えていれば弦の張力が低過ぎる状態であると判別し、各弦の判別結果をアジャストLED表示器に表示するので、全ての弦について調弦状況を一目瞭然にし、しかも音感が十分でない初心者ユーザであっても、弦の破断を引き起こすことなく簡単に調弦することが出来る。
【0031】
なお、上述した実施形態では、説明の簡略化を図る為、温度補償については言及していないが、調弦する環境の室温を計測し、計測した室温に応じた所定係数を基準反発力を表す基準データRDに乗算して温度補償したり、予め各室温に対応した基準データRDを用意しておき、その中から調弦する環境の室温に合致した基準データRDを選択して温度補償したりする手法などを用いて温度変化に応じた弦の張力変化を補償するようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、ブリッジ端を基準にして離間距離Lを隔てた位置で各弦を押下するようにしたが、これに限定されず、検出反発力を測定するための押下位置を複数箇所設け、各箇所の測定結果に基づき調弦の適否を判別する態様としても構わない。
【0033】
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下では、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された各発明について付記する。
【0034】
(付記)
[請求項1]
張設された複数の弦を押下した時に生じる各弦の反発力を検出反発力として取得する反発力取得手段と、
適正に調弦された状態で取得された各弦の基準反発力を予め記憶しておき、これら各弦の基準反発力と前記反発力取得手段により取得された各弦の検出反発力との差分を各弦毎に算出する差分算出手段と、
前記差分算出手段により算出される各弦毎の差分が予め定められた許容範囲に収まっているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に基づき各弦の状態を表示する状態表示手段と
を具備することを特徴とするチューニング装置。
【0035】
[請求項2]
前記反発力取得手段は、各弦の所定位置を一定長分押下した時の圧力を検出反発力として各弦毎に検出する圧力検出手段を備えることを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【0036】
[請求項3]
前記状態表示手段は、前記判別手段により検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲に収まっていると判別された場合に、弦が適正に調弦された状態である旨を表示することを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【0037】
[請求項4]
前記判別手段は、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の上限を超えている否かを判別する上限超過判別手段と、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の下限を超えている否かを判別する下限超過判別手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【0038】
[請求項5]
前記状態表示手段は、前記上限超過判別手段により検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の上限を超えたと判別された場合に、弦の張力が高過ぎる状態である旨を表示することを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【0039】
[請求項6]
前記状態表示手段は、前記下限超過判別手段により検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の下限を超えたと判別された場合に、弦の張力が低過ぎる状態である旨を表示することを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【0040】
[請求項7]
コンピュータに、
張設された複数の弦を押下した時に生じる各弦の反発力を検出反発力として取得する反発力取得ステップと、
適正に調弦された状態で取得された各弦の基準反発力を予め記憶しておき、これら各弦の基準反発力と前記反発力取得ステップにて取得された各弦の検出反発力との差分を各弦毎に算出する差分算出ステップと、
前記差分算出ステップにより算出される各弦毎の差分が予め定められた許容範囲に収まっているか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップの判別結果に基づき各弦の状態を表示する状態表示ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0041】
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 操作部
14 表示部
20 センサ部
20−1〜20−6 圧力センサ
30 本体部
100 チューニング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
張設された複数の弦を押下した時に生じる各弦の反発力を検出反発力として取得する反発力取得手段と、
適正に調弦された状態で取得された各弦の基準反発力を予め記憶しておき、これら各弦の基準反発力と前記反発力取得手段により取得された各弦の検出反発力との差分を各弦毎に算出する差分算出手段と、
前記差分算出手段により算出される各弦毎の差分が予め定められた許容範囲に収まっているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段の判別結果に基づき各弦の状態を表示する状態表示手段と
を具備することを特徴とするチューニング装置。
【請求項2】
前記反発力取得手段は、各弦の所定位置を一定長分押下した時の圧力を検出反発力として各弦毎に検出する圧力検出手段を備えることを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【請求項3】
前記状態表示手段は、前記判別手段により検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲に収まっていると判別された場合に、弦が適正に調弦された状態である旨を表示することを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【請求項4】
前記判別手段は、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の上限を超えている否かを判別する上限超過判別手段と、検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の下限を超えている否かを判別する下限超過判別手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【請求項5】
前記状態表示手段は、前記上限超過判別手段により検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の上限を超えたと判別された場合に、弦の張力が高過ぎる状態である旨を表示することを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【請求項6】
前記状態表示手段は、前記下限超過判別手段により検出反発力と基準反発力との差分が許容範囲の下限を超えたと判別された場合に、弦の張力が低過ぎる状態である旨を表示することを特徴とする請求項1記載のチューニング装置。
【請求項7】
コンピュータに、
張設された複数の弦を押下した時に生じる各弦の反発力を検出反発力として取得する反発力取得ステップと、
適正に調弦された状態で取得された各弦の基準反発力を予め記憶しておき、これら各弦の基準反発力と前記反発力取得ステップにて取得された各弦の検出反発力との差分を各弦毎に算出する差分算出ステップと、
前記差分算出ステップにより算出される各弦毎の差分が予め定められた許容範囲に収まっているか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップの判別結果に基づき各弦の状態を表示する状態表示ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−159648(P2012−159648A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18622(P2011−18622)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】