ティッシュ・シート用ディスペンサ及びその製造工程
相互折込された使い捨てシート用ディスペンサ、及び、そのディスペンサを製造するための関連方法は、相互折込された使い捨てシート・クリップの受容に十分な内部容積部を定める取り出し容器(10)を含み、該容器は、除去可能パネル(22)によって定められた取り出し口(42)を有する第1の壁(20)を含む。接着材料(50)の少なくとも一部分は、接着剤が、粘着性状態で容器の内部容積部に露にされないように、除去可能パネル上のある位置に配置される。相互折込された使い捨てシート・クリップ(12)は、容器の内部容積部内に挿入される。クリップの挿入後、接着材料は、容器の内部容積部に粘着性状態で露にされ、接着剤と相互折込されたシート・クリップの最上シートとが接触し、除去可能パネルが最上シートに貼り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本開示は、相互折込された使い捨てシートを取り出すためのディスペンサに向けられる。
【背景技術】
【0002】
化粧用ティッシュペーパー、ハンド・シート、濡れた拭き取り布等の個々の折り畳みシート製品を取り出すための使い捨てシート型ディスペンサは、当技術分野では周知のものである。一般に、使い捨てシート用ディスペンサは、典型的には、容器と、容器内部に配置され、予め折り畳まれた相互折込されたシートのスタック又はクリップとを含む。シートは、C形折り畳み、V形折り畳み、Z形折り畳み、タブ接着型又は平型にすることができ、クリップの一番上のシートが引き出されると、下にあるシートが、次の使用のために個々に示される。
【0003】
使い捨てシート用ディスペンサに共通する問題の1つは、「二重引き出し」の問題に係る。これは、先頭シートを引き出すとき、一枚より多くのシートが容器から出てくる場合に起こる。更に、「ストリーミング」の問題が、使い捨てシート用ディスペンサには起こり得る。ストリーミングは、ユーザが1枚目のシートを引き出し、次のシートの分離が起らずに次のシートも引き出されるときに生じる。
【0004】
これらの問題の幾つかを克服するために、使い捨てシート用ディスペンサは、スリットを定めるプラスチック・フィルムで覆われた取り出しスロットを設けて設計されてきた。スリットの使用は、上記の問題の幾つかを解消するのに良好に役立っており、狭いスリットはまた、次の取り出しのためにティッシュ・シートを示すのに好適である。しかしながら、幾つかの用途では、スリットがあると、最初のシートをスタックから取り出すのが困難な場合がある。例えば、スリットは、ユーザが先端部をつかむことができる機能を妨げる可能性がある。
【0005】
これらの問題の幾つかを克服するために、全ての目的に関して引用によりここに組み入れられる、MASUIに付与された米国特許第4,574,952号において、テープ又は紐が箱の除去可能パネルの下面及び化粧用ティッシュの最上部に取り付けられた、化粧用ティッシュペーパーを収容する箱が開示されている。こうすると、箱が開けられ、除去可能パネルがミシン目線に沿って除去されるときに、最上部の化粧用ティッシュペーパーは、除去可能パネルと一緒に容器から自動的に取り出される。
同じく全ての目的に関して引用によりここに組み入れられる、Thomsに付与された米国特許第6,715,633号において、スタック中の1枚目のシートに剥離可能に貼り付けられた除去可能パネルを有する、使い捨てシートのスタック取り出し用ディスペンサが開示されている。除去可能パネルが容器から引き剥がされるとき、スタック中の1枚目のシートは、容器から部分的に引き出される。しかしながら、部分的に引き出された後で、シートは除去可能パネルから剥がされる。
【0006】
上記の2つの特許は、当該技術分野に進歩をもたらしたが、更なる改善がまだ必要である。例えば、上で引用された特許に開示された方法を用いると、構造体の製作、及び次の相互折込されたシート・クリップの挿入の際に、接着剤がディスペンサの内部容積部に露になる。この状況は、接着剤が、ディスペンサ容器の製造、及び、シート・クリップをディスペンサ内に詰め込むのを妨げ得る点で不利益である。また、接着剤は、ティッシュ製品を加工処理する何れかの設備内に内在する粒子状物質の何らかの挙動によって汚損され、従って接着剤を無効にする可能性がある。
【発明の開示】
【0007】
一般に、本開示は、相互折込された使い捨てシートを取り出すためのディスペンサに向けられる。相互折込された使い捨てシートのスタック(「クリップ」)は容器内部に収容され、シートは、容器から一枚ずつ引き出されるように配置される。シートは、化粧用ティッシュペーパー、ペーパー・タオル、産業用ワイパ、研究室用ワイパ、濡れた拭き取り布等を含む種々の紙製品とすることができる。取り出し容器は除去可能パネルを含み、このパネルは除去されると、シートを引き出すための開口部を見えるようにする。特定の実施形態において、除去可能パネルは、消費者によって容易に除去されるようにミシン目が入れられた容器の上壁又は側壁の一部分である。他の実施形態においては、除去可能パネルは、例えばフィルム、板紙等の材料の別個の要素とすることができ、取り出し口の上に重なるように容器の壁に除去可能なように取り付けられ、ディスペンサの使用前に消費者によって除去される。
【0008】
除去可能パネルは、相互折込されたシート・クリップの1枚目のシートに貼り付けられる。具体的には、除去可能パネルが1枚目のシートに接着されるので除去可能パネルが取り出し容器から除去されるときに1枚目のシートが容器の取り出し口を通して引き出される。このシートは除去可能パネルから剥離して少なくとも部分的に容器内部に残るようにすることができ、又は、パネルが除去されるときに取り出し容器から完全に引き出すことができる。
【0009】
特定の実施形態において、除去可能パネルは、相互折込されたシート・クリップが容器内に挿入された後にのみ、粘着性即ち「活性化」状態で容器の内部容積部に露にされる接着材料によって、相互折込されたシート・クリップの1枚目のシートに貼り付けられる。クリップ挿入前は、接着剤は非活性(即ち、非粘着性)であるか、又は、粘着性状態の場合には、容器の内部容積部から隔離しておく。このようにすると、接着材料は、製造工程、特に、相互折込されたシート・クリップの容器への挿入を妨げない。
【0010】
相互折込されたシート・クリップが取り出し容器内に詰め込まれると、接着剤は、次に、粘着性状態で容器の内部容積部に露にされ、様々な手段によって、クリップの1枚目のシートと接触させることができる。例えば、容器を反転させて、クリップの1枚目のシートを除去可能パネル上に載せることができる。代替的に、除去可能パネルの外面に外圧を加えることによって、除去可能パネルを、クリップの1枚目のシートと接触するまで押し込むことができる。
【0011】
特定の実施形態において、接着材料は、非活性化状態において除去可能パネルの下面と相互折込されたシート・クリップとの間に塗布され、続いてクリップの容器への挿入後に活性化されて粘着性状態になる。例えば、接着材料は、非活性化状態において除去可能パネルの下面全体に塗布し、続いてシート・クリップがディスペンサ内に詰め込まれた後にディスペンサを外的刺激に曝すことにより活性化することができる。種々の市販のRF又はUV活性化接着材を含む様々な種類の活性化可能な接着剤を、こうした実施形態において用いることができ、その場合、容器はクリップ挿入後にRF又はUVエネルギー源に曝されて、接着剤が活性化される。
【0012】
代替の実施形態において、接着材料は、2つの成分部分が接触するまで活性化されない二液型接着剤である。例えば、二液型接着剤は、樹脂成分が硬化成分と接触するまで活性化されないエポキシ系接着剤とすることができる。接着剤の第1の部分は、除去可能パネルの下面に配置することができ、接着剤の第2の部分は、相互折込されたシート・クリップの最上シートの上に配置することができる。しかしながら、個々の部分は粘着性状態ではないので、クリップの挿入又は他の製造ステップを妨げない。クリップが挿入された後、接着材料は、最上シートを除去可能パネルの下面に接触させることにより活性化され又は粘着性状態で内部容積部に露にされ、その結果、接着剤の成分が混和して接着材料を形成するのに十分な時間接触する。
【0013】
代替の実施形態において、接着材料は、クリップ挿入後まで容器の内部容積部から物理的に隔離することができ、その場合、接着剤は隔離された位置から容器内部の、クリップの一番上のシートに接触する位置まで移動させられる。特定の実施形態においては、除去可能パネルはヒンジ式フラップを含み、接着材料は、フラップの上(外)面に配置される。このフラップは様々な形態をとることができる。例えば、フラップは、除去可能パネルのミシン目を入れられた部分とするか、又は除去可能パネル内の開口部を覆って配置された別個の材料とすることができる。接着材料は、フラップの位置を変えて接着剤が相互折込されたシート・クリップの最上シートに面する位置までくるようにすることによって、容器の内部容積部に露にされる。フラップは、単に内部容積部内に押し下げることにより位置を変えて除去可能パネルの下に少なくとも部分的に折り曲げ、接着材料を最上シートに対して露にすることができる。フラップは、除去可能パネルの下に折り曲げられた後、単にフラップから手を放すことによりクリップの1枚目のシートと直接接触するまで移動するのに十分な弾力性を有することができる。代替的に、容器を反転させて、1枚目のシートが、フラップの下向きに曲がった面の接着剤に接触するようにさせることができる。所望であれば、ディスペンサを使用する前にユーザによって除去される剥離ライナによって、接着剤を保護することができる。
【0014】
本発明は、本明細書において説明された方法原理によって製造されるいかなる様式のディスペンサをも包含する。
取り出し容器は様々な材料から製造することができ、本発明にとっては概して重要ではない。例えば、取り出し容器は、板紙から又は可撓性の高分子フィルムから製造することができる。取り出し容器は、矩形の箱、正方形の箱の形状とするか、又は任意の他の適切な形状の形態とすることができる。
【0015】
本発明の他の特徴及び態様が、下記にさらに詳細に論じられる。
本発明の実施形態が、例証として、添付の図面を参照して説明される。
本明細書及び図面における参照文字の繰り返し使用は、同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここで本発明の実施形態について詳細に言及され、その1つ又はそれ以上の実施例が図面に示される。それぞれの実施例は、本発明の説明のために与えられるものであり、本発明の限定を意味するものではない。例えば、1つの実施形態の一部として示され説明される特徴を、別の実施形態と共に用いて、更に第3の実施形態を生じることができる。本発明は、これら及び他の変更及び変形を含むことが意図される。
【0017】
一般に、本開示は、相互折込された使い捨てシートをクリップから取り出すためのディスペンサに向けられる。使い捨てシートは、例えば、化粧用ティッシュペーパー、ペーパー・タオル、産業用ワイパ、研究室用ワイパ、濡れた拭き取り布等とすることができる。取り出し容器は、除去されると、シートを引き出すための開口部を見えるようにする除去可能パネルを含む。除去可能パネルは、相互折込されたシート・クリップが容器内に詰め込まれるまでは、粘着性状態で容器の内部容積部に露にされない接着材料を用いて、クリップの1枚目のシートに貼り付けられる。クリップが容器内に配置された後、接着材料を、配置して活性化するか、又は別の方法により粘着性状態で内部容積部内に露にされるように振舞わせることができる。クリップ内の最上(「一番上の」又は「1枚目の」)シートは、次に、接着材料と接触させられてシートが除去可能パネルに貼り付けられる。この方法の種々の実施形態が、以下で図面を参照して詳細に論じられる。
【0018】
特定の用途及び所望の結果に応じて、接着材料は、除去可能パネルをクリップ内の1枚目のシートにしっかりと付着させることができ、又は、1枚目のシートに剥離可能に貼り付けることができる。例えば、1つの実施形態において、除去可能パネルは、パネルが取り出し容器から除去されるときに1枚目のシートが部分的に引き出されるような様式で、1枚目のシートに貼り付けられる。シートが部分的に引き出されると、次に1枚目のシートは除去可能パネルから引き離される。従って、パネルが容器から除去されると、クリップの1枚目のシートは、容易に且つ速やかに取り出し可能となる。この特徴のより詳細な説明に関しては、上述の(及び、引用により本明細書に組み入れられた)米国特許第6,715,633号を参照されたい。代替的な実施形態において、除去可能パネルは、使い捨てシート・クリップ内の1枚目のシートによりしっかりと付着させて、除去可能パネルが除去されるときに、1枚目のシートが取り出し容器から完全に引き出されるようにすることができる。パネル除去の際に1枚目のシートの少なくとも部分的な引き出しをもたらす、接着剤とクリップ内の1枚目のシートとの間の如何なる程度の貼り付けも、本発明の範囲内にあることを認識されたい。
【0019】
図面を一般的に参照すると、取り出し容器10の実施形態は、一般に、化粧用ティッシュペーパーのような任意の様式の相互折込されたシート・クリップ12を収容するように示される。本発明は、相互折込された使い捨てシートの如何なる特定の種類にも限定されないことを理解されたい。相互折込された使い捨てシート・クリップ12は、C形折り畳み、V形折り畳み、Z形折り畳み、タブ接着型とするか、又は、当該技術分野で公知の任意の手段によって互いに配置させたものとすることができる。
取り出し容器10は、任意の所望の幾何学的形状及びサイズにすることができる。示される実施形態において、容器10は、一対の側面又は壁16、端壁15、底壁14及び上壁20を含む。壁は、相互折込されたシート・クリップ12を受け入れるサイズの、一般に底壁14の上の、内部容積部を定める。
【0020】
容器10の上壁20は除去可能パネル22を含み、このパネルは除去されると、上壁20内にある取り出し口42を露にする。除去可能パネル22は、その一端又は両端に端部拡張部26を含み、消費者がパネル22を上壁20から引き離すために端部拡張部26のどちらかを掴むことができるように構成することができる。パネル22は、種々の手段によって上壁20に対して「除去可能」にすることができる。例えば、図1乃至図3の実施形態において、パネル22は、上壁20の材料内のミシン目24によって定められる。例えば図4及び図6Aに示される代替の実施形態においては、パネル22は、取り出し口42を覆って上壁20に、例えば任意の適切な剥離可能接着剤によって貼り付けられた別個の材料部材である。この別個の材料部材は、容器の壁に用いられるのと同じ材料とするか又はフィルムのような異なる材料とすることができる。
【0021】
図1乃至図3に示されるように、除去可能パネル22に加えて、取り出し口42を覆うフィルム層25を含むことが望ましい場合がある。このフィルム25は、スリット等の開口部を含む任意の適切な高分子フィルムとすることができ、シートを一度に一枚ずつ取り出すのを容易にし、また、種々の接着剤の組合せ及び本明細書で説明される実施形態に適合させることができる。
一般に、取り出し容器10は、種々の材料から製造することができる。例えば、容器は、板紙又はボール紙から製造できる。代替的に、容器は、熱可塑性フィルム等のプラスチック・フィルムから製造できる。容器の壁を形成するために用いられる材料は、堅い又は可撓性のものとすることができる。
【0022】
図面に示されるように、上壁20の下に、最上の即ち一番上のシート28を有する相互折込されたシート・クリップ12がある。シートは、C形折り畳み、V形折り畳み等の、当業者には既知の様々な折り畳み型で相互折込されたることができる。図4及び図6Aでは、1枚目のシート28は、シートの引き出しを容易にするために、頂部において複数回折り畳まれる。それ自体の上に折り重ねられることに加えて、1枚目のシート28の端部はまた、接着材料50によって除去可能パネル22に接合される。こうして、除去可能パネル22が容器の上壁20から除去されるとき、1枚目のシート28は開口部42を通して少なくとも部分的に引き出される。しかしながら、1枚目のシート28の端部が開口部42を通して引き出されると、1枚目のシート28がスタック12内の次のシートと折り合わされているため、及び/又は、シートが開口部42を通して引き出される際の抵抗力のため、抵抗力が増加する。接着材料50の強度によっては、この増加した抵抗力は、1枚目のシート28を部分的に露にしたまま、1枚目のシート28の端部を除去可能パネル22から剥離させるのに十分である可能性がある。例えば図3に示される代替の実施形態において、1枚目のシート28は、パネル22に貼り付けられたままであり、パネル22の除去に伴って、開口部42を通して容器10から完全に引き出される。また、開口部42のサイズ及び構造は、使い捨てシート・スタック内の1枚目のシートを部分的に取り出すか又は完全に取り出すのに必要な力の量を制御するために利用することができる。例えば、開口部42は、1枚目のシートが容器から引き出されるときにそれに加わる抵抗力を強めるように設計することができる。抵抗力を強めると、シートと除去可能パネルの間の剥離を容易にする。反対に、抵抗力を弱めると、シート全体を引き出すことが可能になる。
【0023】
種々の実施形態において、一番上のシート28を除去可能パネル22に貼り付けるために用いられる接着材料50は、相互折込されたシート・クリップ12が容器10内に挿入されるまで、活性化されないか又は粘着性状態で容器10の内部容積部に露にされない。こうして、接着材料50は、製造工程、特に、クリップ12の容器内への挿入を妨げない。
【0024】
例えば図1乃至図5Bに示される実施形態において、接着材料50は、取り出し容器10製造中、且つ、クリップ12を容器10内に詰める前のある時点で、除去可能パネル22の下面27上の選択された位置に塗布される。しかしながら、接着材料50は、非活性化状態で塗布することができる種類の接着剤であり、外的刺激を受けるまでは活性化されない又は粘着性状態に変化しない。この点で、種々の市販のRF又はUV活性化接着剤を含む様々な種類の活性化可能接着剤を用いることができる。図5Aは、容器を箱状構造に形成する前に非活性化状態で除去可能パネル22の下面に塗布された接着材料50を有する容器10の内部に挿入される相互折込されたシート・クリップ12を示す。クリップ12が容器10内に挿入され、任意の従来方法によって端壁15が密封又は接合された後で、容器10全体に、一般に図5Bの52のような外的刺激を与えて接着材料50を活性化することができる。例えば、図5Bを参照すると、容器10は、上壁20及び除去可能パネル22が、RF又はUV光源54の上を容易に通過することができるように反転した状態で示される。光源54は、任意の従来のUV又はRF生成源とすることができ、図5Bにおいて概念上の目的だけのために図式的に示される。接着材料50が外的刺激によって活性化された後、容器10は反転されて、スタック12内の一番上のシート28が材料に速やかに接着することになる。勿論、代替の実施形態において、容器10を反転させて一番上のシート28を接着材料50に接触させるステップは、接着材料50が外部光源54により(容器10の上又は下から)活性化された後で実施することができる。
【0025】
図4は、シート・スタック12が容器10内に詰め込まれた後の、しかし接着材料50の活性化及び一番上のシート28を接着材料50と接触させるための容器10の反転又は他の操作の前の、図5Bの実施形態の断面図である。一番上のシート28を接着材料50と接触させる代替的な方法は、除去可能パネル22の上面に外圧力を加え、パネル及び活性化された接着材料50を押し込んで一番上のシート28と接触させることを含むことができる。
光、UV、RF又はマイクロ波源等の外的刺激によって硬化する様々な種類の単一成分接着剤は、接着技術分野においては周知であり、本発明の実施形態と共に用いることができることを認識されたい。これらの種類の接着剤の供給業者は、Jenton UV(Jenton Internationalの事業部)、Cyberbond LLC、Electro−Lite社、及びParson Adhesive株式会社を含む。
【0026】
クリップ12の挿入後に引き続く時点で接着材料50が活性化される実施形態は、従来の製造ラインに容易に適合可能であり、その場合、取り出し容器10は一体素材から形成された後、組み立てられて平らなスリーブ構造にされる。非活性化接着材料50は、素材を平らなスリーブ構造に形成する前に、上壁20及び除去可能パネル22の下面に対応する素材パネルの上のある位置に塗布することができる。利便性及び製造効率のために、取り出し容器10は、次の製造場所で使い捨て相互折込されたシート・クリップが詰め込まれる前は、平らなスリーブ構造で保管され運搬される場合が多い。この平らなスリーブ構造では、上壁の下面は、容器10の他の壁と接触して位置する。しかしながら、接着材料50は非活性状態であるので、接着剤は壁を互いに接着させず、従って、次に平らなスリーブ体を箱型容器10に形成するのを妨げない。
活性化可能接着剤の種類に応じて、外的刺激を与えるために、容器内に準備が必要な可能性があることを認識されたい。例えば、UV活性化接着剤の場合、シート・クリップの挿入に続いて、UVエネルギーを接着剤に与えることができるように、容器内のある位置に透明なパネル又はフィルムを備える必要があり得る。上壁20又はその壁の一部分は透明な材料で作成することができる。
【0027】
図6A及び図6Bは、接着材料が、相互折込された使い捨てシート・スタック12が容器10の内部に詰め込まれるまで、非活性化状態又は非粘着性状態に維持される代替的な実施形態を示す。この実施形態において、接着材料50は、2つの成分部分が接触するまで活性化しない二液型接着剤である。例えば、二液型接着剤50は、樹脂成分が硬化剤成分と接触するまでは活性化されない、エポキシ系、アクリル系、又はウレタン系の接着剤とすることができる。図面を参照すると、図6Bに詳しく示されるように、接着剤の第1の成分部分50aは、除去可能パネル22の下面上に配置することができ、接着剤の第2の成分部分50bは、相互折込されたシート・クリップ12の最上シート28上に配置することができる。成分の粘着性部分の粘稠度は、成分が一般に非流動性となるように制御することができ、ほぼ固形状態であることが好ましい。こうして、成分部分50a、50bは、容器10の製造中及びクリップ12の容器内への詰め込みの間、所望の位置に留まる。個々の成分50a及び50bは、個々には粘着性をもたず、従って、クリップ12の挿入又は他の製造ステップを妨げない。
【0028】
図6Aは、クリップ12が容器10内に詰め込まれた後の実施形態を示す。成分の粘着性部分50a及び50bは、対面する向きにあるが、まだ互いに接触していないことが分かる。クリップ12が詰め込まれ、容器10の端部15が密封された後で、成分50a及び50bは、容易に互いに接触させて接着剤を活性化することができる。これは、上述のように、容器10を反転させることにより、又は圧力を除去可能パネル22の外面に加えることによって行うことができる。
かなり多数の多成分型接着剤が市販されており、本発明の種々の実施形態において用いることができる。こうした接着剤の例は、二液型のアクリル系、エポキシ系及びウレタン系を含む。3M社は、これらの接着剤の様々な型の市販物を販売している。
【0029】
図7A乃至図7Cは、相互折込された使い捨てシート・クリップ12の挿入後まで、接着材料50が容器10の内部容積部から隔離される、更に別の代替的な実施形態を示す。この実施形態は、接着材料50を隔離するための機械的手段を示す。具体的には、除去可能パネル22は、例えばミシン目55によってパネル22内に定められたヒンジ式フラップ56を含む。接着材料50は、任意の所望のパターンで、ヒンジ式フラップ56の上面に配置される。ヒンジ式フラップ56の少なくとも一部分は接着材料50で覆われておらず、ヒンジ式フラップ56は、ユーザの指又は親指によって接着材料50に接触することなく、容器10の内部容積部内に押し込めることが好ましい。また、以下に説明するように、剥離ライナ58をヒンジ式フラップ56の上に配置して、ヒンジ式フラップ56の位置を変えて接着材料50を容器10の内部容積部に露にするときまで、接着材料50を保護することができる。
【0030】
図7Bは、ヒンジ式フラップ56の位置を変えるプロセスを示す。具体的には、剥離ライナ58は、ヒンジ式フラップ56の上面から引き離されて接着材料50を露にする。次に、ヒンジ式フラップ56は、下に向かって押し下げられ、パネル22からミシン目55に沿って分離される。この動作は、ヒンジ式フラップ56をヒンジ線60に沿って容器10の内部容積部内まで回転させ、パネル22の下に少なくとも部分的に折り曲がるようにする。フラップ56は、図7Cに詳しく示されるように、接着材料50が、相互折込されたシート・クリップ12の一番上のシート28に面する位置まで押される。フラップ56は、十分な弾力性を有し、除去可能パネル22の下に折り曲げられた後、1枚目のシート28と直接接触するまで戻ることができる。このように、接着材料50は、一番上のシート28と接触するまで押し付けられてシートをフラップ56に接着させる。代替的に、容器を反転させて1枚目のシート28をフラップ56表面上の接着剤50に接触させることができる。この時点で、一番上のシート28は除去可能パネル22に十分に接着し、一番上のシート28は、上述のように、上壁20からのパネル22除去の際に、取り出し口42から引き出されることになる。
【0031】
図7A乃至図7Cの実施形態において用いられる接着材料50は、熱溶解接着剤又は感圧接着剤を含む任意の適切な接着剤を含むことができる。適切な熱溶解接着剤は、Bostik Findleyから市販されている。適切な感圧接着剤は、例えば、米国特許第5,045,569号、米国特許第4,988,567号、米国特許第4,994,322号、米国特許第4,786,696号、米国特許第4,166,152号、米国特許第3,857,731号、及び米国特許第3,691,140号に開示されており、これらの全部は、全ての目的に関してそれらの全体が引用により本明細書に組み入れられる。ヒンジ式フラップ56に塗布される接着剤の量は、用いられる接着材料の種類、及び、除去可能パネル22と上部の使い捨てシート28との間で接着が望まれる広さ、を含む種々の要因に応じて変えることができる。
【0032】
本明細書で示され説明されたいずれの実施形態も、図2、図3及び図4に詳しく示されるように、除去可能パネル22と相互折込されたシート・クリップの一番上のシート28との間に、高分子フィルム25を含むことができることを認識されたい。フィルム25は、一番上のシート28を、除去可能パネル22又はヒンジ式フラップ56に貼り付けるために用いられた特定の種類の接着材料50に適応するように、任意の様式のスリット、穴、開口部又は他の構造部を含むことができる。
【0033】
本発明に対するこれら及び他の変更及び変形は、当業者であれば、添付の特許請求の範囲においてより詳しく説明される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施することができる。更に、種々の実施形態の態様は、全体的にも部分的にも置き換えることができることを理解されたい。さらに、当業者であれば、前述の説明は一例に過ぎず、添付の特許請求の範囲において更に説明される本発明を限定することを意図するものではないことを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本開示によって製造されたディスペンサの1つの実施形態の斜視図である。
【図2】ディスペンサが部分的に開けられた状態を示す、図1に示されたディスペンサの斜視図である。
【図3】ディスペンサの除去可能パネルが除去されて、引き出し可能なシート材料を露にした状態を示す、図1に示されたディスペンサの斜視図である。
【図4】除去可能パネル部材の下面に配置された非活性化接着剤を示す、ディスペンサの特定の実施形態の断面図である。
【図5A】除去可能パネル部材の下面に非活性化接着剤を有するディスペンサ内に詰め込まれる、相互折込されたシート・クリップを示す斜視図である。
【図5B】外的刺激源の上を通されて除去可能パネル部材の下面上の接着剤が活性化される、詰め込まれたディスペンサを示す斜視図である。
【図6A】除去可能パネル部材と相互折込されたシート・クリップ内の最上シートとの間の二液型接着剤を示す、ディスペンサの特定の実施形態の断面図である。
【図6B】相互折込されたシート・クリップ及びディスペンサを示し、特に、二液型接着剤の使用を示す斜視図である。
【図7A】接着剤が、除去可能パネルのヒンジ式フラップ部材上に配置された、ディスペンサの特定の実施形態の斜視図である。
【図7B】接着剤が、除去可能パネルのヒンジ式フラップ部材上に配置された、ディスペンサの特定の実施形態の斜視図である。
【図7C】接着剤が、除去可能パネルのヒンジ式フラップ部材上に配置された、ディスペンサの特定の実施形態の断面図である。
【技術分野】
【0001】
一般に、本開示は、相互折込された使い捨てシートを取り出すためのディスペンサに向けられる。
【背景技術】
【0002】
化粧用ティッシュペーパー、ハンド・シート、濡れた拭き取り布等の個々の折り畳みシート製品を取り出すための使い捨てシート型ディスペンサは、当技術分野では周知のものである。一般に、使い捨てシート用ディスペンサは、典型的には、容器と、容器内部に配置され、予め折り畳まれた相互折込されたシートのスタック又はクリップとを含む。シートは、C形折り畳み、V形折り畳み、Z形折り畳み、タブ接着型又は平型にすることができ、クリップの一番上のシートが引き出されると、下にあるシートが、次の使用のために個々に示される。
【0003】
使い捨てシート用ディスペンサに共通する問題の1つは、「二重引き出し」の問題に係る。これは、先頭シートを引き出すとき、一枚より多くのシートが容器から出てくる場合に起こる。更に、「ストリーミング」の問題が、使い捨てシート用ディスペンサには起こり得る。ストリーミングは、ユーザが1枚目のシートを引き出し、次のシートの分離が起らずに次のシートも引き出されるときに生じる。
【0004】
これらの問題の幾つかを克服するために、使い捨てシート用ディスペンサは、スリットを定めるプラスチック・フィルムで覆われた取り出しスロットを設けて設計されてきた。スリットの使用は、上記の問題の幾つかを解消するのに良好に役立っており、狭いスリットはまた、次の取り出しのためにティッシュ・シートを示すのに好適である。しかしながら、幾つかの用途では、スリットがあると、最初のシートをスタックから取り出すのが困難な場合がある。例えば、スリットは、ユーザが先端部をつかむことができる機能を妨げる可能性がある。
【0005】
これらの問題の幾つかを克服するために、全ての目的に関して引用によりここに組み入れられる、MASUIに付与された米国特許第4,574,952号において、テープ又は紐が箱の除去可能パネルの下面及び化粧用ティッシュの最上部に取り付けられた、化粧用ティッシュペーパーを収容する箱が開示されている。こうすると、箱が開けられ、除去可能パネルがミシン目線に沿って除去されるときに、最上部の化粧用ティッシュペーパーは、除去可能パネルと一緒に容器から自動的に取り出される。
同じく全ての目的に関して引用によりここに組み入れられる、Thomsに付与された米国特許第6,715,633号において、スタック中の1枚目のシートに剥離可能に貼り付けられた除去可能パネルを有する、使い捨てシートのスタック取り出し用ディスペンサが開示されている。除去可能パネルが容器から引き剥がされるとき、スタック中の1枚目のシートは、容器から部分的に引き出される。しかしながら、部分的に引き出された後で、シートは除去可能パネルから剥がされる。
【0006】
上記の2つの特許は、当該技術分野に進歩をもたらしたが、更なる改善がまだ必要である。例えば、上で引用された特許に開示された方法を用いると、構造体の製作、及び次の相互折込されたシート・クリップの挿入の際に、接着剤がディスペンサの内部容積部に露になる。この状況は、接着剤が、ディスペンサ容器の製造、及び、シート・クリップをディスペンサ内に詰め込むのを妨げ得る点で不利益である。また、接着剤は、ティッシュ製品を加工処理する何れかの設備内に内在する粒子状物質の何らかの挙動によって汚損され、従って接着剤を無効にする可能性がある。
【発明の開示】
【0007】
一般に、本開示は、相互折込された使い捨てシートを取り出すためのディスペンサに向けられる。相互折込された使い捨てシートのスタック(「クリップ」)は容器内部に収容され、シートは、容器から一枚ずつ引き出されるように配置される。シートは、化粧用ティッシュペーパー、ペーパー・タオル、産業用ワイパ、研究室用ワイパ、濡れた拭き取り布等を含む種々の紙製品とすることができる。取り出し容器は除去可能パネルを含み、このパネルは除去されると、シートを引き出すための開口部を見えるようにする。特定の実施形態において、除去可能パネルは、消費者によって容易に除去されるようにミシン目が入れられた容器の上壁又は側壁の一部分である。他の実施形態においては、除去可能パネルは、例えばフィルム、板紙等の材料の別個の要素とすることができ、取り出し口の上に重なるように容器の壁に除去可能なように取り付けられ、ディスペンサの使用前に消費者によって除去される。
【0008】
除去可能パネルは、相互折込されたシート・クリップの1枚目のシートに貼り付けられる。具体的には、除去可能パネルが1枚目のシートに接着されるので除去可能パネルが取り出し容器から除去されるときに1枚目のシートが容器の取り出し口を通して引き出される。このシートは除去可能パネルから剥離して少なくとも部分的に容器内部に残るようにすることができ、又は、パネルが除去されるときに取り出し容器から完全に引き出すことができる。
【0009】
特定の実施形態において、除去可能パネルは、相互折込されたシート・クリップが容器内に挿入された後にのみ、粘着性即ち「活性化」状態で容器の内部容積部に露にされる接着材料によって、相互折込されたシート・クリップの1枚目のシートに貼り付けられる。クリップ挿入前は、接着剤は非活性(即ち、非粘着性)であるか、又は、粘着性状態の場合には、容器の内部容積部から隔離しておく。このようにすると、接着材料は、製造工程、特に、相互折込されたシート・クリップの容器への挿入を妨げない。
【0010】
相互折込されたシート・クリップが取り出し容器内に詰め込まれると、接着剤は、次に、粘着性状態で容器の内部容積部に露にされ、様々な手段によって、クリップの1枚目のシートと接触させることができる。例えば、容器を反転させて、クリップの1枚目のシートを除去可能パネル上に載せることができる。代替的に、除去可能パネルの外面に外圧を加えることによって、除去可能パネルを、クリップの1枚目のシートと接触するまで押し込むことができる。
【0011】
特定の実施形態において、接着材料は、非活性化状態において除去可能パネルの下面と相互折込されたシート・クリップとの間に塗布され、続いてクリップの容器への挿入後に活性化されて粘着性状態になる。例えば、接着材料は、非活性化状態において除去可能パネルの下面全体に塗布し、続いてシート・クリップがディスペンサ内に詰め込まれた後にディスペンサを外的刺激に曝すことにより活性化することができる。種々の市販のRF又はUV活性化接着材を含む様々な種類の活性化可能な接着剤を、こうした実施形態において用いることができ、その場合、容器はクリップ挿入後にRF又はUVエネルギー源に曝されて、接着剤が活性化される。
【0012】
代替の実施形態において、接着材料は、2つの成分部分が接触するまで活性化されない二液型接着剤である。例えば、二液型接着剤は、樹脂成分が硬化成分と接触するまで活性化されないエポキシ系接着剤とすることができる。接着剤の第1の部分は、除去可能パネルの下面に配置することができ、接着剤の第2の部分は、相互折込されたシート・クリップの最上シートの上に配置することができる。しかしながら、個々の部分は粘着性状態ではないので、クリップの挿入又は他の製造ステップを妨げない。クリップが挿入された後、接着材料は、最上シートを除去可能パネルの下面に接触させることにより活性化され又は粘着性状態で内部容積部に露にされ、その結果、接着剤の成分が混和して接着材料を形成するのに十分な時間接触する。
【0013】
代替の実施形態において、接着材料は、クリップ挿入後まで容器の内部容積部から物理的に隔離することができ、その場合、接着剤は隔離された位置から容器内部の、クリップの一番上のシートに接触する位置まで移動させられる。特定の実施形態においては、除去可能パネルはヒンジ式フラップを含み、接着材料は、フラップの上(外)面に配置される。このフラップは様々な形態をとることができる。例えば、フラップは、除去可能パネルのミシン目を入れられた部分とするか、又は除去可能パネル内の開口部を覆って配置された別個の材料とすることができる。接着材料は、フラップの位置を変えて接着剤が相互折込されたシート・クリップの最上シートに面する位置までくるようにすることによって、容器の内部容積部に露にされる。フラップは、単に内部容積部内に押し下げることにより位置を変えて除去可能パネルの下に少なくとも部分的に折り曲げ、接着材料を最上シートに対して露にすることができる。フラップは、除去可能パネルの下に折り曲げられた後、単にフラップから手を放すことによりクリップの1枚目のシートと直接接触するまで移動するのに十分な弾力性を有することができる。代替的に、容器を反転させて、1枚目のシートが、フラップの下向きに曲がった面の接着剤に接触するようにさせることができる。所望であれば、ディスペンサを使用する前にユーザによって除去される剥離ライナによって、接着剤を保護することができる。
【0014】
本発明は、本明細書において説明された方法原理によって製造されるいかなる様式のディスペンサをも包含する。
取り出し容器は様々な材料から製造することができ、本発明にとっては概して重要ではない。例えば、取り出し容器は、板紙から又は可撓性の高分子フィルムから製造することができる。取り出し容器は、矩形の箱、正方形の箱の形状とするか、又は任意の他の適切な形状の形態とすることができる。
【0015】
本発明の他の特徴及び態様が、下記にさらに詳細に論じられる。
本発明の実施形態が、例証として、添付の図面を参照して説明される。
本明細書及び図面における参照文字の繰り返し使用は、同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここで本発明の実施形態について詳細に言及され、その1つ又はそれ以上の実施例が図面に示される。それぞれの実施例は、本発明の説明のために与えられるものであり、本発明の限定を意味するものではない。例えば、1つの実施形態の一部として示され説明される特徴を、別の実施形態と共に用いて、更に第3の実施形態を生じることができる。本発明は、これら及び他の変更及び変形を含むことが意図される。
【0017】
一般に、本開示は、相互折込された使い捨てシートをクリップから取り出すためのディスペンサに向けられる。使い捨てシートは、例えば、化粧用ティッシュペーパー、ペーパー・タオル、産業用ワイパ、研究室用ワイパ、濡れた拭き取り布等とすることができる。取り出し容器は、除去されると、シートを引き出すための開口部を見えるようにする除去可能パネルを含む。除去可能パネルは、相互折込されたシート・クリップが容器内に詰め込まれるまでは、粘着性状態で容器の内部容積部に露にされない接着材料を用いて、クリップの1枚目のシートに貼り付けられる。クリップが容器内に配置された後、接着材料を、配置して活性化するか、又は別の方法により粘着性状態で内部容積部内に露にされるように振舞わせることができる。クリップ内の最上(「一番上の」又は「1枚目の」)シートは、次に、接着材料と接触させられてシートが除去可能パネルに貼り付けられる。この方法の種々の実施形態が、以下で図面を参照して詳細に論じられる。
【0018】
特定の用途及び所望の結果に応じて、接着材料は、除去可能パネルをクリップ内の1枚目のシートにしっかりと付着させることができ、又は、1枚目のシートに剥離可能に貼り付けることができる。例えば、1つの実施形態において、除去可能パネルは、パネルが取り出し容器から除去されるときに1枚目のシートが部分的に引き出されるような様式で、1枚目のシートに貼り付けられる。シートが部分的に引き出されると、次に1枚目のシートは除去可能パネルから引き離される。従って、パネルが容器から除去されると、クリップの1枚目のシートは、容易に且つ速やかに取り出し可能となる。この特徴のより詳細な説明に関しては、上述の(及び、引用により本明細書に組み入れられた)米国特許第6,715,633号を参照されたい。代替的な実施形態において、除去可能パネルは、使い捨てシート・クリップ内の1枚目のシートによりしっかりと付着させて、除去可能パネルが除去されるときに、1枚目のシートが取り出し容器から完全に引き出されるようにすることができる。パネル除去の際に1枚目のシートの少なくとも部分的な引き出しをもたらす、接着剤とクリップ内の1枚目のシートとの間の如何なる程度の貼り付けも、本発明の範囲内にあることを認識されたい。
【0019】
図面を一般的に参照すると、取り出し容器10の実施形態は、一般に、化粧用ティッシュペーパーのような任意の様式の相互折込されたシート・クリップ12を収容するように示される。本発明は、相互折込された使い捨てシートの如何なる特定の種類にも限定されないことを理解されたい。相互折込された使い捨てシート・クリップ12は、C形折り畳み、V形折り畳み、Z形折り畳み、タブ接着型とするか、又は、当該技術分野で公知の任意の手段によって互いに配置させたものとすることができる。
取り出し容器10は、任意の所望の幾何学的形状及びサイズにすることができる。示される実施形態において、容器10は、一対の側面又は壁16、端壁15、底壁14及び上壁20を含む。壁は、相互折込されたシート・クリップ12を受け入れるサイズの、一般に底壁14の上の、内部容積部を定める。
【0020】
容器10の上壁20は除去可能パネル22を含み、このパネルは除去されると、上壁20内にある取り出し口42を露にする。除去可能パネル22は、その一端又は両端に端部拡張部26を含み、消費者がパネル22を上壁20から引き離すために端部拡張部26のどちらかを掴むことができるように構成することができる。パネル22は、種々の手段によって上壁20に対して「除去可能」にすることができる。例えば、図1乃至図3の実施形態において、パネル22は、上壁20の材料内のミシン目24によって定められる。例えば図4及び図6Aに示される代替の実施形態においては、パネル22は、取り出し口42を覆って上壁20に、例えば任意の適切な剥離可能接着剤によって貼り付けられた別個の材料部材である。この別個の材料部材は、容器の壁に用いられるのと同じ材料とするか又はフィルムのような異なる材料とすることができる。
【0021】
図1乃至図3に示されるように、除去可能パネル22に加えて、取り出し口42を覆うフィルム層25を含むことが望ましい場合がある。このフィルム25は、スリット等の開口部を含む任意の適切な高分子フィルムとすることができ、シートを一度に一枚ずつ取り出すのを容易にし、また、種々の接着剤の組合せ及び本明細書で説明される実施形態に適合させることができる。
一般に、取り出し容器10は、種々の材料から製造することができる。例えば、容器は、板紙又はボール紙から製造できる。代替的に、容器は、熱可塑性フィルム等のプラスチック・フィルムから製造できる。容器の壁を形成するために用いられる材料は、堅い又は可撓性のものとすることができる。
【0022】
図面に示されるように、上壁20の下に、最上の即ち一番上のシート28を有する相互折込されたシート・クリップ12がある。シートは、C形折り畳み、V形折り畳み等の、当業者には既知の様々な折り畳み型で相互折込されたることができる。図4及び図6Aでは、1枚目のシート28は、シートの引き出しを容易にするために、頂部において複数回折り畳まれる。それ自体の上に折り重ねられることに加えて、1枚目のシート28の端部はまた、接着材料50によって除去可能パネル22に接合される。こうして、除去可能パネル22が容器の上壁20から除去されるとき、1枚目のシート28は開口部42を通して少なくとも部分的に引き出される。しかしながら、1枚目のシート28の端部が開口部42を通して引き出されると、1枚目のシート28がスタック12内の次のシートと折り合わされているため、及び/又は、シートが開口部42を通して引き出される際の抵抗力のため、抵抗力が増加する。接着材料50の強度によっては、この増加した抵抗力は、1枚目のシート28を部分的に露にしたまま、1枚目のシート28の端部を除去可能パネル22から剥離させるのに十分である可能性がある。例えば図3に示される代替の実施形態において、1枚目のシート28は、パネル22に貼り付けられたままであり、パネル22の除去に伴って、開口部42を通して容器10から完全に引き出される。また、開口部42のサイズ及び構造は、使い捨てシート・スタック内の1枚目のシートを部分的に取り出すか又は完全に取り出すのに必要な力の量を制御するために利用することができる。例えば、開口部42は、1枚目のシートが容器から引き出されるときにそれに加わる抵抗力を強めるように設計することができる。抵抗力を強めると、シートと除去可能パネルの間の剥離を容易にする。反対に、抵抗力を弱めると、シート全体を引き出すことが可能になる。
【0023】
種々の実施形態において、一番上のシート28を除去可能パネル22に貼り付けるために用いられる接着材料50は、相互折込されたシート・クリップ12が容器10内に挿入されるまで、活性化されないか又は粘着性状態で容器10の内部容積部に露にされない。こうして、接着材料50は、製造工程、特に、クリップ12の容器内への挿入を妨げない。
【0024】
例えば図1乃至図5Bに示される実施形態において、接着材料50は、取り出し容器10製造中、且つ、クリップ12を容器10内に詰める前のある時点で、除去可能パネル22の下面27上の選択された位置に塗布される。しかしながら、接着材料50は、非活性化状態で塗布することができる種類の接着剤であり、外的刺激を受けるまでは活性化されない又は粘着性状態に変化しない。この点で、種々の市販のRF又はUV活性化接着剤を含む様々な種類の活性化可能接着剤を用いることができる。図5Aは、容器を箱状構造に形成する前に非活性化状態で除去可能パネル22の下面に塗布された接着材料50を有する容器10の内部に挿入される相互折込されたシート・クリップ12を示す。クリップ12が容器10内に挿入され、任意の従来方法によって端壁15が密封又は接合された後で、容器10全体に、一般に図5Bの52のような外的刺激を与えて接着材料50を活性化することができる。例えば、図5Bを参照すると、容器10は、上壁20及び除去可能パネル22が、RF又はUV光源54の上を容易に通過することができるように反転した状態で示される。光源54は、任意の従来のUV又はRF生成源とすることができ、図5Bにおいて概念上の目的だけのために図式的に示される。接着材料50が外的刺激によって活性化された後、容器10は反転されて、スタック12内の一番上のシート28が材料に速やかに接着することになる。勿論、代替の実施形態において、容器10を反転させて一番上のシート28を接着材料50に接触させるステップは、接着材料50が外部光源54により(容器10の上又は下から)活性化された後で実施することができる。
【0025】
図4は、シート・スタック12が容器10内に詰め込まれた後の、しかし接着材料50の活性化及び一番上のシート28を接着材料50と接触させるための容器10の反転又は他の操作の前の、図5Bの実施形態の断面図である。一番上のシート28を接着材料50と接触させる代替的な方法は、除去可能パネル22の上面に外圧力を加え、パネル及び活性化された接着材料50を押し込んで一番上のシート28と接触させることを含むことができる。
光、UV、RF又はマイクロ波源等の外的刺激によって硬化する様々な種類の単一成分接着剤は、接着技術分野においては周知であり、本発明の実施形態と共に用いることができることを認識されたい。これらの種類の接着剤の供給業者は、Jenton UV(Jenton Internationalの事業部)、Cyberbond LLC、Electro−Lite社、及びParson Adhesive株式会社を含む。
【0026】
クリップ12の挿入後に引き続く時点で接着材料50が活性化される実施形態は、従来の製造ラインに容易に適合可能であり、その場合、取り出し容器10は一体素材から形成された後、組み立てられて平らなスリーブ構造にされる。非活性化接着材料50は、素材を平らなスリーブ構造に形成する前に、上壁20及び除去可能パネル22の下面に対応する素材パネルの上のある位置に塗布することができる。利便性及び製造効率のために、取り出し容器10は、次の製造場所で使い捨て相互折込されたシート・クリップが詰め込まれる前は、平らなスリーブ構造で保管され運搬される場合が多い。この平らなスリーブ構造では、上壁の下面は、容器10の他の壁と接触して位置する。しかしながら、接着材料50は非活性状態であるので、接着剤は壁を互いに接着させず、従って、次に平らなスリーブ体を箱型容器10に形成するのを妨げない。
活性化可能接着剤の種類に応じて、外的刺激を与えるために、容器内に準備が必要な可能性があることを認識されたい。例えば、UV活性化接着剤の場合、シート・クリップの挿入に続いて、UVエネルギーを接着剤に与えることができるように、容器内のある位置に透明なパネル又はフィルムを備える必要があり得る。上壁20又はその壁の一部分は透明な材料で作成することができる。
【0027】
図6A及び図6Bは、接着材料が、相互折込された使い捨てシート・スタック12が容器10の内部に詰め込まれるまで、非活性化状態又は非粘着性状態に維持される代替的な実施形態を示す。この実施形態において、接着材料50は、2つの成分部分が接触するまで活性化しない二液型接着剤である。例えば、二液型接着剤50は、樹脂成分が硬化剤成分と接触するまでは活性化されない、エポキシ系、アクリル系、又はウレタン系の接着剤とすることができる。図面を参照すると、図6Bに詳しく示されるように、接着剤の第1の成分部分50aは、除去可能パネル22の下面上に配置することができ、接着剤の第2の成分部分50bは、相互折込されたシート・クリップ12の最上シート28上に配置することができる。成分の粘着性部分の粘稠度は、成分が一般に非流動性となるように制御することができ、ほぼ固形状態であることが好ましい。こうして、成分部分50a、50bは、容器10の製造中及びクリップ12の容器内への詰め込みの間、所望の位置に留まる。個々の成分50a及び50bは、個々には粘着性をもたず、従って、クリップ12の挿入又は他の製造ステップを妨げない。
【0028】
図6Aは、クリップ12が容器10内に詰め込まれた後の実施形態を示す。成分の粘着性部分50a及び50bは、対面する向きにあるが、まだ互いに接触していないことが分かる。クリップ12が詰め込まれ、容器10の端部15が密封された後で、成分50a及び50bは、容易に互いに接触させて接着剤を活性化することができる。これは、上述のように、容器10を反転させることにより、又は圧力を除去可能パネル22の外面に加えることによって行うことができる。
かなり多数の多成分型接着剤が市販されており、本発明の種々の実施形態において用いることができる。こうした接着剤の例は、二液型のアクリル系、エポキシ系及びウレタン系を含む。3M社は、これらの接着剤の様々な型の市販物を販売している。
【0029】
図7A乃至図7Cは、相互折込された使い捨てシート・クリップ12の挿入後まで、接着材料50が容器10の内部容積部から隔離される、更に別の代替的な実施形態を示す。この実施形態は、接着材料50を隔離するための機械的手段を示す。具体的には、除去可能パネル22は、例えばミシン目55によってパネル22内に定められたヒンジ式フラップ56を含む。接着材料50は、任意の所望のパターンで、ヒンジ式フラップ56の上面に配置される。ヒンジ式フラップ56の少なくとも一部分は接着材料50で覆われておらず、ヒンジ式フラップ56は、ユーザの指又は親指によって接着材料50に接触することなく、容器10の内部容積部内に押し込めることが好ましい。また、以下に説明するように、剥離ライナ58をヒンジ式フラップ56の上に配置して、ヒンジ式フラップ56の位置を変えて接着材料50を容器10の内部容積部に露にするときまで、接着材料50を保護することができる。
【0030】
図7Bは、ヒンジ式フラップ56の位置を変えるプロセスを示す。具体的には、剥離ライナ58は、ヒンジ式フラップ56の上面から引き離されて接着材料50を露にする。次に、ヒンジ式フラップ56は、下に向かって押し下げられ、パネル22からミシン目55に沿って分離される。この動作は、ヒンジ式フラップ56をヒンジ線60に沿って容器10の内部容積部内まで回転させ、パネル22の下に少なくとも部分的に折り曲がるようにする。フラップ56は、図7Cに詳しく示されるように、接着材料50が、相互折込されたシート・クリップ12の一番上のシート28に面する位置まで押される。フラップ56は、十分な弾力性を有し、除去可能パネル22の下に折り曲げられた後、1枚目のシート28と直接接触するまで戻ることができる。このように、接着材料50は、一番上のシート28と接触するまで押し付けられてシートをフラップ56に接着させる。代替的に、容器を反転させて1枚目のシート28をフラップ56表面上の接着剤50に接触させることができる。この時点で、一番上のシート28は除去可能パネル22に十分に接着し、一番上のシート28は、上述のように、上壁20からのパネル22除去の際に、取り出し口42から引き出されることになる。
【0031】
図7A乃至図7Cの実施形態において用いられる接着材料50は、熱溶解接着剤又は感圧接着剤を含む任意の適切な接着剤を含むことができる。適切な熱溶解接着剤は、Bostik Findleyから市販されている。適切な感圧接着剤は、例えば、米国特許第5,045,569号、米国特許第4,988,567号、米国特許第4,994,322号、米国特許第4,786,696号、米国特許第4,166,152号、米国特許第3,857,731号、及び米国特許第3,691,140号に開示されており、これらの全部は、全ての目的に関してそれらの全体が引用により本明細書に組み入れられる。ヒンジ式フラップ56に塗布される接着剤の量は、用いられる接着材料の種類、及び、除去可能パネル22と上部の使い捨てシート28との間で接着が望まれる広さ、を含む種々の要因に応じて変えることができる。
【0032】
本明細書で示され説明されたいずれの実施形態も、図2、図3及び図4に詳しく示されるように、除去可能パネル22と相互折込されたシート・クリップの一番上のシート28との間に、高分子フィルム25を含むことができることを認識されたい。フィルム25は、一番上のシート28を、除去可能パネル22又はヒンジ式フラップ56に貼り付けるために用いられた特定の種類の接着材料50に適応するように、任意の様式のスリット、穴、開口部又は他の構造部を含むことができる。
【0033】
本発明に対するこれら及び他の変更及び変形は、当業者であれば、添付の特許請求の範囲においてより詳しく説明される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施することができる。更に、種々の実施形態の態様は、全体的にも部分的にも置き換えることができることを理解されたい。さらに、当業者であれば、前述の説明は一例に過ぎず、添付の特許請求の範囲において更に説明される本発明を限定することを意図するものではないことを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本開示によって製造されたディスペンサの1つの実施形態の斜視図である。
【図2】ディスペンサが部分的に開けられた状態を示す、図1に示されたディスペンサの斜視図である。
【図3】ディスペンサの除去可能パネルが除去されて、引き出し可能なシート材料を露にした状態を示す、図1に示されたディスペンサの斜視図である。
【図4】除去可能パネル部材の下面に配置された非活性化接着剤を示す、ディスペンサの特定の実施形態の断面図である。
【図5A】除去可能パネル部材の下面に非活性化接着剤を有するディスペンサ内に詰め込まれる、相互折込されたシート・クリップを示す斜視図である。
【図5B】外的刺激源の上を通されて除去可能パネル部材の下面上の接着剤が活性化される、詰め込まれたディスペンサを示す斜視図である。
【図6A】除去可能パネル部材と相互折込されたシート・クリップ内の最上シートとの間の二液型接着剤を示す、ディスペンサの特定の実施形態の断面図である。
【図6B】相互折込されたシート・クリップ及びディスペンサを示し、特に、二液型接着剤の使用を示す斜視図である。
【図7A】接着剤が、除去可能パネルのヒンジ式フラップ部材上に配置された、ディスペンサの特定の実施形態の斜視図である。
【図7B】接着剤が、除去可能パネルのヒンジ式フラップ部材上に配置された、ディスペンサの特定の実施形態の斜視図である。
【図7C】接着剤が、除去可能パネルのヒンジ式フラップ部材上に配置された、ディスペンサの特定の実施形態の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互折込された使い捨てシート用ディスペンサを製造する方法であって、
相互折込された使い捨てシート・クリップを受けいれるのに十分な内部容積部を定め、且つ、除去可能パネルによって定められた取り出し口を有する第1の壁を含む、取り出し容器を準備し、
接着材料の少なくとも一部分を前記除去可能パネル上の位置に、前記接着材料が前記容器の前記内部容積部に粘着性状態で露出されないように配置し、
相互折込された使い捨てシート・クリップを、前記容器の前記内部容積部内に挿入し、
前記相互折込された使い捨てシート・クリップが前記容器内部に収容された後で、前記接着材料を粘着性状態で前記容器の前記内部容積部に露にし、そして、前記相互折込されたシート・クリップの最上シートを前記露にされた接着材料と接触させて前記除去可能パネルを最上シートに貼り付ける、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記接着材料は、前記除去可能パネルの下面と前記相互折込されたシート・クリップとの間に非活性化状態で塗布され、その後、前記相互折込されたシート・クリップの前記容器内への挿入後に、活性化されて粘着性状態になることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接着材料は、非活性化状態で、前記除去可能パネルの下面全体に塗布されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着材料は外的刺激によって活性化されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記接着材料はRF又はUV活性化接着剤であり、前記接着材料を前記露にするステップは、前記容器を、前記接着剤を活性化させるのに十分なRF又はUV源に曝すステップを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記接着材料は、二液が接触するまで活性化されない二液型接着剤であり、前記接着剤の第1の部分は前記除去可能パネルの下面上に配置され、前記接着剤の第2の部分は前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シート上に配置され、前記接着材料を前記露にするステップは、前記最上シートを前記除去可能パネルの前記下面に接触させて前記接着剤成分を接触させるステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記除去可能パネルは、ヒンジ式フラップと、前記フラップの上面に配置された前記接着材料とを含み、前記接着材料を前記露にするステップは、前記フラップの位置を変えて前記接着剤を前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シートに面する位置まで動かすステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フラップは、外部から前記容器の前記内部容積部内に押し込まれて前記除去可能パネルの下に少なくとも部分的に折り重なり、前記接着材料を前記最上シートに対して露にすることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記除去可能パネルは、前記第1の壁の材料の除去可能部分によって定められることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記除去可能パネルは、取り出し口を覆って延びるフィルム材料によって定められることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
相互折込された使い捨てシート・クリップを取り出すためのディスペンサであって、
相互折込された使い捨てシート・クリップの受容に十分な内部容積部を定め、且つ、除去可能パネルによって定められる取出し口を有する第1の壁を含む、容器と、
前記除去可能パネル上のある位置に配置された接着材料の少なくとも一部分であって、前記容器の前記内部容積部に粘着性状態で露にされないように配置された前記接着材料の少なくとも一部分と、
を含み、
前記接着材料は、前記相互折込された使い捨てシート・クリップの前記容器の前記内部容積部内への挿入後、前記内部容積部内において粘着性状態で露にされるように構成可能であり、その結果前記相互折込されたシート・クリップの最上シートは、前記露にされた接着材料に貼り付いて、前記容器から前記除去可能パネルを除去する際に、前記取り出し口を通して前記容器から外へ、少なくとも部分的に引き出されることを特徴とするディスペンサ。
【請求項12】
前記接着材料は、非活性化状態で前記除去可能パネルの下面に塗布され、前記容器への前記相互折込されたシート・クリップの挿入後、粘着性状態に活性化することが可能であることを特徴とする、請求項11に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記接着材料は、非活性化状態で前記除去可能パネルの前記下面全体に塗布されることを特徴とする、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記接着材料は、外的刺激によって活性化可能であることを特徴とする、請求項13に記載のディスペンサ。
【請求項15】
前記接着材料は、RF又はUV活性化接着剤を含むことを特徴とする、請求項14に記載のディスペンサ。
【請求項16】
前記接着材料は、二液が接触するまで活性化されない二液型接着剤を含み、前記二液型接着剤の第1の部分は前記除去可能パネルの前記下面の上に配置され、前記二液型接着剤の第2の部分は前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シートの上に配置され、前記接着材料は、前記最上シートを前記除去可能パネルの前記下面に接触させて前記第1及び第2の接着剤部分を接触させることによって活性化されることを特徴とする、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項17】
前記除去可能パネルはヒンジ式フラップを含み、前記接着材料は前記フラップの上面に配置され、前記フラップは、前記容器の前記内部容積部内に、前記接着材料が前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シートに少なくとも部分的に面する位置まで折り曲げ可能であることを特徴とする、請求項11に記載のディスペンサ。
【請求項18】
前記フラップは、前記除去可能パネルのミシン目部分を含み、該ミシン目部分は前記容器の前記内部容積部内に押し込んで前記除去可能パネルの下に少なくとも部分的に折り曲げることができることを特徴とする、請求項17に記載のディスペンサ。
【請求項19】
前記除去可能パネルは、前記第1の壁の除去可能部分を含むことを特徴とする、請求項18に記載のディスペンサ。
【請求項20】
前記除去可能パネルは、前記取り出し口を覆って延びるフィルム材料を含むことを特徴とする、請求項18に記載のディスペンサ。
【請求項1】
相互折込された使い捨てシート用ディスペンサを製造する方法であって、
相互折込された使い捨てシート・クリップを受けいれるのに十分な内部容積部を定め、且つ、除去可能パネルによって定められた取り出し口を有する第1の壁を含む、取り出し容器を準備し、
接着材料の少なくとも一部分を前記除去可能パネル上の位置に、前記接着材料が前記容器の前記内部容積部に粘着性状態で露出されないように配置し、
相互折込された使い捨てシート・クリップを、前記容器の前記内部容積部内に挿入し、
前記相互折込された使い捨てシート・クリップが前記容器内部に収容された後で、前記接着材料を粘着性状態で前記容器の前記内部容積部に露にし、そして、前記相互折込されたシート・クリップの最上シートを前記露にされた接着材料と接触させて前記除去可能パネルを最上シートに貼り付ける、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記接着材料は、前記除去可能パネルの下面と前記相互折込されたシート・クリップとの間に非活性化状態で塗布され、その後、前記相互折込されたシート・クリップの前記容器内への挿入後に、活性化されて粘着性状態になることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接着材料は、非活性化状態で、前記除去可能パネルの下面全体に塗布されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記接着材料は外的刺激によって活性化されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記接着材料はRF又はUV活性化接着剤であり、前記接着材料を前記露にするステップは、前記容器を、前記接着剤を活性化させるのに十分なRF又はUV源に曝すステップを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記接着材料は、二液が接触するまで活性化されない二液型接着剤であり、前記接着剤の第1の部分は前記除去可能パネルの下面上に配置され、前記接着剤の第2の部分は前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シート上に配置され、前記接着材料を前記露にするステップは、前記最上シートを前記除去可能パネルの前記下面に接触させて前記接着剤成分を接触させるステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記除去可能パネルは、ヒンジ式フラップと、前記フラップの上面に配置された前記接着材料とを含み、前記接着材料を前記露にするステップは、前記フラップの位置を変えて前記接着剤を前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シートに面する位置まで動かすステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フラップは、外部から前記容器の前記内部容積部内に押し込まれて前記除去可能パネルの下に少なくとも部分的に折り重なり、前記接着材料を前記最上シートに対して露にすることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記除去可能パネルは、前記第1の壁の材料の除去可能部分によって定められることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記除去可能パネルは、取り出し口を覆って延びるフィルム材料によって定められることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
相互折込された使い捨てシート・クリップを取り出すためのディスペンサであって、
相互折込された使い捨てシート・クリップの受容に十分な内部容積部を定め、且つ、除去可能パネルによって定められる取出し口を有する第1の壁を含む、容器と、
前記除去可能パネル上のある位置に配置された接着材料の少なくとも一部分であって、前記容器の前記内部容積部に粘着性状態で露にされないように配置された前記接着材料の少なくとも一部分と、
を含み、
前記接着材料は、前記相互折込された使い捨てシート・クリップの前記容器の前記内部容積部内への挿入後、前記内部容積部内において粘着性状態で露にされるように構成可能であり、その結果前記相互折込されたシート・クリップの最上シートは、前記露にされた接着材料に貼り付いて、前記容器から前記除去可能パネルを除去する際に、前記取り出し口を通して前記容器から外へ、少なくとも部分的に引き出されることを特徴とするディスペンサ。
【請求項12】
前記接着材料は、非活性化状態で前記除去可能パネルの下面に塗布され、前記容器への前記相互折込されたシート・クリップの挿入後、粘着性状態に活性化することが可能であることを特徴とする、請求項11に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記接着材料は、非活性化状態で前記除去可能パネルの前記下面全体に塗布されることを特徴とする、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記接着材料は、外的刺激によって活性化可能であることを特徴とする、請求項13に記載のディスペンサ。
【請求項15】
前記接着材料は、RF又はUV活性化接着剤を含むことを特徴とする、請求項14に記載のディスペンサ。
【請求項16】
前記接着材料は、二液が接触するまで活性化されない二液型接着剤を含み、前記二液型接着剤の第1の部分は前記除去可能パネルの前記下面の上に配置され、前記二液型接着剤の第2の部分は前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シートの上に配置され、前記接着材料は、前記最上シートを前記除去可能パネルの前記下面に接触させて前記第1及び第2の接着剤部分を接触させることによって活性化されることを特徴とする、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項17】
前記除去可能パネルはヒンジ式フラップを含み、前記接着材料は前記フラップの上面に配置され、前記フラップは、前記容器の前記内部容積部内に、前記接着材料が前記相互折込されたシート・クリップの前記最上シートに少なくとも部分的に面する位置まで折り曲げ可能であることを特徴とする、請求項11に記載のディスペンサ。
【請求項18】
前記フラップは、前記除去可能パネルのミシン目部分を含み、該ミシン目部分は前記容器の前記内部容積部内に押し込んで前記除去可能パネルの下に少なくとも部分的に折り曲げることができることを特徴とする、請求項17に記載のディスペンサ。
【請求項19】
前記除去可能パネルは、前記第1の壁の除去可能部分を含むことを特徴とする、請求項18に記載のディスペンサ。
【請求項20】
前記除去可能パネルは、前記取り出し口を覆って延びるフィルム材料を含むことを特徴とする、請求項18に記載のディスペンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【公表番号】特表2009−519183(P2009−519183A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545567(P2008−545567)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/024384
【国際公開番号】WO2007/070098
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/024384
【国際公開番号】WO2007/070098
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
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