説明

テキスタイル基材をコーティングする方法

本発明は、テキスタイルに滑り止め特性を与えることができる重付加によって架橋可能なシリコーンエラストマー組成物でテキスタイル材料をコーティングする方法に関する。本発明はまた、こうしてコーティングされたテキスタイル物品、例えば衣類及びレースであって、皮膚や別のテキスタイル、繊維質基材等のような様々な基材に対して良好な接着性を示すものにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキスタイル(繊維素材、編織布等)に滑り止め(ノンスリップ)特性を与えることができる重付加架橋性エラストマー状シリコーン組成物でテキスタイル材料をコーティングするための方法に関する。本発明はまた、こうしてコーティングされたテキスタイル物品、例えば衣類及びレースであって、皮膚や別のテキスタイル、繊維質基材等のような様々な基材(支持体)に対して良好な接着性を示すものにも関する。
【0002】
本発明の概括的分野は、重付加反応によって架橋して薄いフィルムの形のエラストマーを生成することができるシリコーン組成物を様々なテキスタイル用のコーティングとして使用する分野である。
【背景技術】
【0003】
斯かるシリコーンコーティングは、繊維質基材をコーティングし、次いでポリオルガノシロキサンの不飽和基(アルケニル、例えばSi−Vi基)と同じ又は別のポリオルガノシロキサンの水素との間の重付加により架橋させることによって、得ることができる。
【0004】
皮膚に対する接着性及び滑り止め特性を得る目的で、特にある種の衣類及び衛生物品用のようなテキスタイル材料をコーティングするためにシリコーン組成物を用いることが知られている。しかしながら、接着又は粘着効果だけでは、滑り止め効果を提供するのには不充分である。従って、この滑り止め効果は、皮膚にテキスタイル材料を押しつける(押し当てる、圧迫する)ことによって、補完される。
【0005】
しかしながら、着用者の快適性を改善するためには、コーティングされたテキスタイル材料の皮膚への粘着性を増大させることによって、滑り止め効果を提供するのに必要な圧力を少なくすることが大切である。粘着性のレベルは最適化されなければならない。何故ならば、粘着性レベルが高すぎると、くっつく感覚が強くなり、使用者にとって心地よくなく不快なものとなるからである。逆に、粘着性レベルが低すぎると、滑り止め機能が充分でなく、より強く押しつけることが必要となる。これらの束縛は現在、医療用途用(サポートストッキング)又は装飾用のものであることができる自己固定式ストッキングの分野において特に遭遇する。
【0006】
従って、使用者が感じる押しつけられる感覚(圧迫感)を減らすために、仏国特許第2887124号明細書に記載された発明は、3成分型シリコーン組成物から調製されるシリコーンフォームを用いることに関する。前記成分の内の1つは、変形効果を有していて皮膚へのテキスタイル材料の押しつけを減らすための膨張剤である。
【0007】
さらに、テキスタイル材料をコーティングするために一般的に用いられるシリコーン組成物は、特にヤーン及びファイバーをコーティングすることによって、このテキスタイル材料中に大幅に含浸され、材料を通り抜け、最初にコーティングされた面とは反対の面に現れる。これは、外観上の美的問題及びその後のこのテキスタイル材料を着色する時の問題を有する。
【0008】
仏国特許第2899248号明細書には、重付加反応によって架橋可能なシリコーン組成物であって、テキスタイル表面の深さ方向への含浸、特にテキスタイル表面のもう一方の面中への又は該面からのシリコーン組成物の移動を防止しつつ、使用者の皮膚への接着性に関して特性の良好な折衷点を該組成物に提供するチキソトロープ剤を含有する前記組成物が教示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許第2887124号明細書
【特許文献2】仏国特許第2899248号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
また、シリコーン組成物をテキスタイルに塗布して架橋させた後に、テキスタイル及びその包装を汚す恐れがある油状物質の浸出が起こっていないことを裏付けるために、測定も行うべきである。
【0011】
このシリコーン組成物はまた、非毒性且つ無臭でなければならない。
【0012】
また、コーティングが洗浄や擦れに対して耐性があることも望まれ、テキスタイル材料が取り扱われている時にコーティングが良好な伸び耐性を有していることも望まれる。
【0013】
この点で、本発明の1つの本質的な目的は、重付加によって架橋可能(「重付加架橋性」と言う)であり、テキスタイル上で架橋させた後に、テキスタイル材料の皮膚への押しつけを増やさなくても粘着効果を提供するエラストマー状シリコーン組成物によってテキスタイルをコーティングするための方法を開発することにある。
【0014】
本発明の別の本質的な目的は、非毒性であり(特にスズ系の触媒を含有せず)、無臭であり、テキスタイル表面をコーティングした場合にこの表面を通り抜けないシリコーン組成物を提供することにある。
【0015】
本発明の別の本質的な目的は、皮膚に僅かに押しつけるだけで所定レベルの粘着性を有し、テキスタイル材料又はその包装を汚す恐れがある油状物質が浸出しない重付加架橋シリコーン組成物でコーティングされたテキスタイル材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらのすべての目的及び他の目的は、本発明によって達成される。本発明は、エラストマーの前駆体であり且つ重付加架橋性であるシリコーン組成物(A)をテキスタイル基材上にコーティングするための、次の工程(a)、(b)及び(c)を含む方法に関する:
(a)エラストマーの前駆体であり且つ重付加架橋性であるシリコーン組成物(A)であって、次の(B)〜(I)を含む前記シリコーン組成物(A)を調製する工程:
◆アルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(B):
(1)タイプM=(X)s(R)tSiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基Rは同一であっても異なっていてもよく、随意に置換されたC1〜C6直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又は置換若しくは非置換アリール基に相当し、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、sは0又は1であり、tは2又は3であり、s+tは3である);及び
(2)タイプD=(X)u(R1)vSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R1はRと同じ定義を満たし、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、uは0又は1であり、vは1又は2であり、u+vは2である):
(このポリオルガノシロキサン(B)は、1分子当たり少なくとも2個の基Xを含む);
◆1分子当たり1個のアルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(C):
(1)タイプM=(X)w(R2)xSiO1/2の同一であっても異なっていてもよい末端シロキシル単位(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R2はRと同じ定義を満たし、wは0又は1であり、xは2又は3であり、w+xは3である);及び
(2)シロキシル単位D=(X)y(R3)zSiO2/2(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R3はRと同じ定義を満たし、yは0又は1であり、zは1又は2であり、y+zは2である):
(このポリオルガノシロキサン(C)は1分子当たり1個だけ基Xを含む);
◆少なくとも2種のヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D)
[そのうちの一方の(D−1)は連鎖延長剤の役割を有し、もう一方の(D−2)は架橋剤の役割を有し、
・連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R4)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R4はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R5)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R5はRと同じ定義を満たす)
を含み、この連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は1分子当たり2個のSiH官能基を含み;
・架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R6)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R6はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R7)p(H)qSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R7はRと同じ定義を満たし、pは1又は2であり、qは0又は1であり、p+qは2である)
を含み、この架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は1分子当たり少なくとも3個のSiH官能基を含む];
◆少なくとも1種の無機フィラー(E);
◆有効量の少なくとも1種のヒドロシリル化触媒(F);
◆少なくとも1種の架橋抑制剤(G);
◆随意としての、次の(1)及び(2)を含む1種以上の非反応性ポリオルガノシロキサン(H):
(1)タイプM=(R8)3SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R8はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R9)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R9はRと同じ定義を満たす);並びに
◆随意としての、配合添加剤(I)
(ここで、ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)の量は、架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比r2
0.10≦r2≦0.40、
好ましくは0.15≦r2≦0.35、
さらにより一層好ましくは0.20≦r2≦0.30
となるように選択される);
(b)次に、前記シリコーン組成物(A)を前記テキスタイル基材上に連続式で又は不連続式で付着させる工程;並びに
(c)加熱及び/又は赤外線によって前記シリコーン組成物(A)の架橋を行う工程。
【発明の効果】
【0017】
これらの目的を達成するために、本発明者らは、全く驚くべきことにそして予期しなかったことに、本発明に従うシリコーン組成物(A)の次の特徴:
(1)1分子当たり1個のアルケニル単位を有する少なくとも1種のポリオルガノシロキサン(C)(モノアルケニル化ポリオルガノシロキサン)を存在させること;及び
(2)比r2を特定範囲内、この場合には0.10≦r2≦0.40に保つこと(この比r2は、架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比である):
が、本発明の方法に従って、皮膚に対する良好なレベルの粘着性を有するコーティングされたテキスタイルを得ることを可能にするということを立証するという功績を立てた。
【発明を実施するための形態】
【0018】
架橋工程は、テキスタイル表面が分解する温度より低い架橋温度において、熱風又は電磁放射線、例えば赤外線を用いて、特に10秒〜10分間、実施するのが好ましい。架橋したシリコーン組成物に乾いた感触を与えるために、乾燥操作を実施するのが一般的である。
【0019】
好ましい実施形態に従えば、ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)をシリコーン組成物(A)に、ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)及び(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比rが1超、好ましくは1〜1.35の範囲、さらにより一層好ましくは1〜1.25の範囲となるように、添加する。
【0020】
好ましくは、シリコーン組成物(A)は、100000mPa・s超の動的粘度(動粘性係数)を有する。本明細書に記載するすべての粘度は、1972年2月のAFNOR NFT 76 102規格に従ってBrookfield器具を用いて25℃においてそれ自体周知の態様で測定される動的粘度に相当する。高流動性物質については、本明細書における当該粘度は、25℃における「ニュートン」粘度と称されるもの、即ちそれ自体既知の態様で、測定される粘度が剪断速度とは独立したものとなるように充分低い剪断速度において測定された動的粘度である。
【0021】
本発明の好ましい実施形態に従えば、前記シリコーン組成物(A)は、少なくとも2つの部分P1及びP2を混合することによって得られる。これら部分P1及びP2には、前記の成分(B)〜(G)並びに随意としての(H)及び(I)が含まれ、但し、ヒドロシリル化反応用の触媒(F)と成分(D)とは分離される。部分P1及びP2の粘度並びにそれらの混合物の粘度は、成分の量を変えることにより及び異なる粘度のポリオルガノシロキサンを選択することにより、調節することができる。
【0022】
1つの特に好ましい実施形態に従えば、用いられるシリコーン組成物(A)は、該シリコーン組成物(A)の総重量に対する重量百分率で表わして次の割合で成分(B)〜(I)を含む:
(B)40〜90
(C)4〜20
(D−1)1〜2
(D−2)0.1〜0.6
(E)5〜20
(F)0.005〜0.25
(G)0.010〜0.020
(H)0〜10
(I)0〜5。
【0023】
さらにより一層特に好ましい実施形態に従えば、本発明に従って用いられるシリコーン組成物(A)は、該シリコーン組成物(A)の総重量に対する重量百分率で表わして次の割合で成分(B)〜(I)を含む:
(B)50〜85
(C)8〜18
(D−1)1.2〜1.8
(D−2)0.2〜0.5
(E)8〜18
(F)0.005〜0.25
(G)0.010〜0.020
(H)0〜5
(I)0〜3。
【0024】
さらに別のより一層特に好ましい実施形態に従えば、本発明に従って用いられるシリコーン組成物(A)は、該シリコーン組成物(A)の総重量に対する重量百分率で表わして次の割合で成分(B)〜(I)を含む:
(B)60〜80
(C)10〜17
(D−1)1.2〜1.8
(D−2)0.2〜0.5
(E)10〜17
(F)0.005〜0.25
(G)0.010〜0.020
(H)0〜2
(I)0〜1。
【0025】
本発明の好ましい実施形態に従えば、工程(b)において前記シリコーン組成物(A)をテキスタイル基材上に、トランスファーロールコーター、キスロール(lick roll)コーター、ノズルを用いた吹付、ドクターブレード、ロータリーフレーム、又はリバースロールコーターによって、塗布する。テキスタイル上に塗布される組成物(A)の層の厚さは、0.1〜0.5mmの範囲、好ましくは0.1〜0.4mmの範囲、さらにより一層好ましくは0.1〜0.3mmの範囲とする。
【0026】
本願発明の目的について、用語「テキスタイル」とは、すべてのテキスタイル構造を包含する包括的な用語である。このテキスタイルは、ヤーン、ファイバー、フィラメント及び/又は他の材料から成ることができる。これらは特に柔軟な布帛(織られ、くっつけられ、編まれ、組まれ、フェルト状にされ、針で縫われ、縫い合わされ又は別の製造方法で製造されたもの)を含む。
【0027】
これらのテキスタイルは、開口部を備えたものであることができ、即ちテキスタイルから成らないフリースペースを含むことができる。本発明のシリコーン組成物によるコーティングが効率的であるためには、これらのフリースペースの最小寸法が5mm未満、特に1mm未満であるのが好ましい。
【0028】
用語「ヤーン」とは、例えば、連続マルチフィラメント物品、複数のヤーンを組み立てることによって得られる連続ヤーン又は連続ファイバーの紡糸ヤーン(これは1つのタイプのファイバーから若しくはファイバーの混合物から得られる)を意味するものとする。用語「ファイバー」とは、例えば、短ファイバー若しくは長ファイバー、紡糸によって加工されることが予定されるファイバー、不織物品の製造用のファイバー、又は短ファイバーを作るために細断されることが予定されるケーブル若しくはコードを意味するものとする。テキスタイル基材を製造する前に例えばテキスチャリング、ストレッチング、ストレッチ−テキスチャリング、サイジング(ensimage)、リラックシング(relaxation)、ホットボンディング(thermofixation)、加撚(torsion)、セッティング(fixation)、クレーピング(frisage)、洗浄及び/又は染色工程のような1種以上の処理工程に付したヤーン、ファイバー及び/又はフィラメントからテキスタイルを形成させることも完全に可能である。
【0029】
本発明に従えば、任意のタイプのテキスタイル基材を用いることができる。指標として、次のものを挙げることができる:
・天然テキスタイル、例えば以下のもの:植物起源のテキスタイル、例えばコットン、リネン(亜麻布)、麻、ジュート(黄麻)、ココ椰子及び紙セルロース繊維;並びに動物起源のテキスタイル、例えばウール、毛皮、レザー及びシルク;
・人造テキスタイル、例えば以下のもの:セルロースベーステキスタイル、例えばセルロース又はその誘導体;及び動物又は植物起源のタンパク質テキスタイル;並びに
・合成テキスタイル、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリマリックアルコール(alcools polymalliques)、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、アクリロニトリル、(メタ)アクリレート−ブタジエン−スチレンコポリマー及びポリウレタンテキスタイル。
【0030】
重合又は重縮合によって得られる合成テキスタイルは特に、それらのマトリックス中に様々なタイプの添加剤、例えば顔料、艶消剤(delustrants)、マッティング剤(matifiants)、触媒、熱及び/又は光安定剤、帯電防止剤、難燃剤並びに抗菌剤、抗真菌剤及び/又は抗ダニ剤を含むことができる。
【0031】
テキスタイル表面のタイプとしては、以下のものを特に挙げることができる:ヤーン又は布帛を直線的に連結することによって得られる表面、ヤーン又はニットを曲線的に織り交ぜることによって得られる表面、ミクスティリーニュ(mixtilignes)又はチュールの表面、不織表面及び複合表面。本発明の方法において用いることができる数多くの可能なテキスタイルの中では、次のものを挙げることができる:フェルト、デニム、ジャカード織り、エギィレット(針状布帛、aiguilletes)、縫製布帛、クローシェ布帛(鉤針編み)、グレナディーン、レース及びスカラップ、ダマスク織り、ヴェール、アルパカ毛織、バラシア織り、ディミティ、ループ布帛、ブロケード、キャラコ、ヴェルヴェット、カンバス、雑巾、フロック加工布帛、サイズ処理布帛、エタミン、組紐、ファイユ、フラール、ガーゼ(チーズクロス)、ジオテキスタイル、ジャスペ布帛、マトラッセ織り、房状布帛、オーガンザ、プリーツ付き布帛、リボン及びシーツ。
【0032】
本発明の方法において用いられるテキスタイル基材は、様々な方法で組み立てられた1つの又は2つ以上の同一の若しくは異なるテキスタイルから成ることができる。このテキスタイルは、単層又は多層であることができる。例えば、テキスタイル基材は、機械的手段、例えば縫製、溶着又は結合(点点で又は切れ目なく)のような様々な組立て手段によって製造することができる多層構造から成ることができる。
【0033】
テキスタイル基材は、本発明に従うコーティング方法に加えて、1つ以上の別のその後の処理(仕上げ又は向上処理とも称される処理)に付すことができる。これらの別処理は、本発明のコーティング方法の前、後及び/又は間に実施することができる。別の後処理としては、特に次のものを挙げることができる:染色、プリンティング、積層、コーティング、別のテキスタイル材料若しくは表面との組立て、洗浄、脱脂、予成形又は定着。
【0034】
本発明の好ましい実施形態に従えば、テキスタイル基材はレース又は伸縮性ストリップ(バンド、包帯等)である。
【0035】
本発明の別の主題は、次の(B)〜(I)を含み、エラストマーの前駆体である重付加架橋性のシリコーン組成物(A)にある:
◆アルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(B):
(1)タイプM=(X)s(R)tSiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基Rは同一であっても異なっていてもよく、随意に置換されたC1〜C6直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又は置換若しくは非置換アリール基に相当し、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、sは0又は1であり、tは2又は3であり、s+tは3である);及び
(2)タイプD=(X)u(R1)vSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R1はRと同じ定義を満たし、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、uは0又は1であり、vは1又は2であり、u+vは2である):
(このポリオルガノシロキサン(B)は、1分子当たり少なくとも2個の基Xを含む);
◆1分子当たり1個のアルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(C):
(1)タイプM=(X)w(R2)xSiO1/2の同一であっても異なっていてもよい末端シロキシル単位(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R2はRと同じ定義を満たし、wは0又は1であり、xは2又は3であり、w+xは3である);及び
(2)シロキシル単位D=(X)y(R3)zSiO2/2(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R3はRと同じ定義を満たし、yは0又は1であり、zは1又は2であり、y+zは2である):
(このポリオルガノシロキサン(C)は1分子当たり1個だけ基Xを含む);
◆少なくとも2種のヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D)
[そのうちの一方の(D−1)は連鎖延長剤の役割を有し、もう一方の(D−2)は架橋剤の役割を有し、
・連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R4)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R4はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R5)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R5はRと同じ定義を満たす)
を含み、この連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は1分子当たり2個のSiH官能基を含み;
・架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R6)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R6はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R7)p(H)qSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R7はRと同じ定義を満たし、pは1又は2であり、qは0又は1であり、p+qは2である)
を含み、この架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は1分子当たり少なくとも3個のSiH官能基を含む];
◆少なくとも1種の無機フィラー(E);
◆有効量の少なくとも1種のヒドロシリル化触媒(F);
◆少なくとも1種の架橋抑制剤(G);
◆随意としての、次の(1)及び(2)を含む1種以上の非反応性ポリオルガノシロキサン(H):
(1)タイプM=(R8)3SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R8はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R9)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R9はRと同じ定義を満たす);並びに
◆随意としての、配合添加剤(I):
(ここで、ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)の量は、架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比r2
0.10≦r2≦0.40、
好ましくは0.15≦r2≦0.35、
さらにより一層好ましくは0.20≦r2≦0.30
となるように選択される)。
【0036】
有利には、上記のシリコーン組成物(A)において、ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)は、ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)及び(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比rが1超、好ましくは1〜1.30の範囲、さらにより一層好ましくは1〜1.25の範囲となるように、添加する。
【0037】
シリコーン組成物(A)及び上記の方法の両方について、ポリオルガノシロキサン(POS)(B)、(C)、(D)及び随意としての(H)、即ち本発明に従う組成物の主成分は、直鎖状、分岐鎖状又は架橋状であることができ、特に炭化水素基並びに反応性基、例えばアルケニルシリル基及び/又はヒドロゲノシリル基を含むことができる。オルガノポリシロキサン組成物は、文献に充分に記載されており、特に「Chemistry and Technology of Silicones」という題名のWalter Nollの著書(Academic Press, 1968, 2nd edition, pages 386 to 409)に記載されている。
【0038】
本発明に従うポリオルガノシロキサン(B)は、ケイ素に結合したC2〜C6アルケニル不飽和官能基Xを1分子当たり少なくとも2個有する。用語「アルケニル」とは、少なくとも1個のオレフィン性二重結合、好ましくは1個だけの二重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状の置換又は非置換不飽和炭化水素鎖を意味するものとする。好ましくは、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子、より一層好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。この炭化水素鎖は、O、N又はSのようなヘテロ原子1個以上を随意に含む。アルケニル基の好ましい例には、ビニル、アリル及びホモアリル基があり、ビニル基が特に好ましい。
【0039】
オルガノポリシロキサン(B)はまた、随意に置換されたC1〜C6直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又は置換若しくは非置換アリール基に相当する同一の又は異なる基R及びR1を含むこともできる。
【0040】
用語「アルキル」とは、環状、直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素鎖(これは、随意に(例えば1個以上のアルキル基で)置換されていてもよく、1〜10個の炭素原子、例えば1〜8個の炭素原子を有するのが好ましく、1〜4個の炭素原子を有するのがより一層好ましい)を意味する。アルキル基の例には、特に次のものがある:メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、t−ブチル、イソブチル、n−ブチル、n−ペンチル、イソアミル及び1,1−ジメチルプロピル。「アルコキシ」基の「アルキル」部分は、上で定義した通りである。アルキルは、ペルフッ素化されていてもよく、用語「ペルフッ素化アルキル」とは、少なくとも1個のペルフルオロアルキル基を含むアルキル基、好ましくは次式:
−(CH2)p−Cq2q+1
(ここで、pは0、1、2、3又は4であり;qは1〜10の整数であり;Cq2q+1は直鎖状又は分岐鎖状である)
を有するものを意味する。この基の好ましい例には、次式のものがある。
−(CH2)2−(CF2)5−CF3及び−(CF2)7−CF3
【0041】
「アリール」という表現は、単環式又は多環式、好ましくは単環式又は二環式の、6〜18個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基を意味する。本発明の目的のためには、用語「多環式芳香族基」は、互いに縮合(オルト縮合、又はオルト縮合及びペリ縮合)した、即ち、対を成す少なくとも2個の炭素を共通に有する、2個以上の芳香環を有する基を意味する。アリールの例としては、例えばフェニル基を挙げることができる。
【0042】
ポリオルガノシロキサン(B)の例には、直鎖状及び環状化合物、例えば次のものがある:ジメチルビニルシリル末端基含有ジメチルポリシロキサン、トリメチルシリル末端基含有(メチルビニル)(ジメチル)ポリシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシリル末端基含有(メチルビニル)(ジメチル)ポリシロキサンコポリマー及び環状メチルビニルポリシロキサン。特に意図的に用いられるポリオルガノシロキサン(B)は、α,ω−(ジメチルビニルシロキシ)ポリジメチルシロキサン又はポリ(ジメチルシロキシ)−(メチルビニルシロキシ)−α,ω−(ジメチルビニルシロキシ)タイプのポリオルガノシロキサンである。
【0043】
本発明に従うポリオルガノシロキサン(C)は、ケイ素に結合したC2〜C6アルケニル不飽和官能基Xを1分子当たり1個有する。用語「アルケニル」とは、少なくとも1個のオレフィン性二重結合、好ましくは1個だけの二重結合を有する直鎖状又は分岐鎖状の置換又は非置換不飽和炭化水素鎖を意味するものとする。好ましくは、アルケニル基は、2〜8個の炭素原子、より一層好ましくは2〜6個の炭素原子を有する。この炭化水素鎖は、O、N又はSのようなヘテロ原子1個以上を随意に含む。アルケニル基の好ましい例には、ビニル、アリル及びホモアリル基があり、ビニル基が特に好ましい。これらのポリオルガノシロキサン(C)はまた、基R及びR1について上記したものと同じ定義を満たす同一の又は異なる基R2及びR3を含むこともできる。
【0044】
本発明に従う好ましいポリオルガノシロキサン(C)には、(ジメチルビニルシロキシ)ポリジメチルシロキサン又はポリ(ジメチルシロキシ)−(メチルビニルシロキシ)−α,ω−(トリメチルシロキシ)タイプのポリオルガノシロキサン等の一官能性ポリオルガノシロキサンがある。
【0045】
本発明に従う組成物中にはまた、2つのタイプのヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D)も存在し、一方の(D−1)は連鎖延長剤の役割を有し、もう一方の(D−2)は架橋剤の役割を有する。連鎖延長剤のヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は、例えばヒドロゲノジメチルシリル末端基含有ジメチルポリシロキサンのように、末端シロキシル単位上にSiH結合を1分子当たり2個有する。架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は、側鎖及び末端シロキシル単位上にSiH結合を1分子当たり少なくとも3個有する。例示として、次のものを挙げることができる:トリメチルシリル末端基含有(ジメチル)(ヒドロゲノメチル)ポリシロキサン単位を有するコポリマー、ヒドロゲノジメチルシリル末端基含有(ジメチル)(ヒドロゲノメチル)ポリシロキサン単位を有するコポリマー、トリメチルシリル末端基含有ヒドロゲノメチルポリシロキサン及び環状ヒドロゲノメチルポリシロキサン。好ましくは、架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は、ヒドロゲノジメチルシリル末端基含有ポリ(ジメチル)(ヒドロゲノメチル)ポリシロキサンオイルである。
【0046】
ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D)はまた、基R及びR1について上記したものと同じ定義を満たす同一の又は異なる基R4、R5、R6及びR7を含むこともできる。
【0047】
本発明に従うシリコーン組成物はさらに、一般的に組成物の粘度を調節し又は希釈剤としての働きをするために、少なくとも1種の非反応性ポリオルガノシロキサン(H)(特にオイル又は樹脂の形のもの)を含むことができる。このポリオルガノシロキサン(H)は、アルケニルシリル及び/又はヒドロゲノシリル反応性基を含まない。これらの非反応性ポリオルガノシロキサン(H)はまた、基R及びR1について上記したものと同じ定義を満たす同一の又は異なる基R8及びR9を含むこともできる。
【0048】
有利には、非反応性ポリオルガノシロキサン(H)は、トリメチルシリル末端基含有ジメチルポリシロキサンオイルである。
【0049】
上記のポリオルガノシロキサン(B)、(C)、(D)及び随意としての(H)中に存在させることができる一価炭化水素基R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8及びR9の別の例としては、次のものを挙げることができる:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、クロロメチル、ジクロロメチル、α−クロロエチル、α,β−ジクロロエチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、α,β−ジフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、トリフルオロシクロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、3,3,5,5,5,5−ヘキサフルオロペンチル、β−シアノエチル、γ−シアノプロピル、フェニル、p−クロロフェニル、m−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、テトラクロロフェニル、o−、p−又はm−トリル、α,α,α−トリフルオロトリル、キシリル、例えば2,3−ジメチルフェニル、及び3,4−ジメチルフェニル。好ましくは、ケイ素原子に結合した基R、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は、メチル若しくはフェニル基(これらの基は随意にハロゲン化されていることができる)、又はシアノアルキル基である。ハロゲンは、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素であり、塩素又はフッ素であるのが好ましい。
【0050】
無機フィラー(E)に関しては、補強用又は増量用フィラーが好ましい。補強用フィラーは、ヒュームドシリカ又は沈降シリカであるのが好ましい。シリカ無機フィラーは好ましくは、BET法を用いて測定して少なくとも50m2/g、特に50〜400m2/g、好ましくは70m2/g超の比表面積、0.1μm未満の一次粒子平均寸法、及び200g/リットル未満の嵩密度を有する。
【0051】
シリカ無機フィラーは、親水性であるのが好ましく、そのままでシリコーン組成物中に組み込むこともでき、相溶化剤で処理しておくこともできる。別法に従えば、これらのシリカは、随意に1種以上の有機ケイ素化合物、例えばオルガノシラン又はオルガノシラザン(一般的にこの目的のために用いられるもの)で処理することができる。斯かる化合物の中には、次のものがある:メチルポリシロキサン、例えばヘキサメチルジシロキサン及びオクタメチルシクロテトラシロキサン;メチルポリシラザン、例えばヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン及びテトラメチルジビニルジシラザン、クロロシラン、例えばジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン及びジメチルビニルクロロシラン;並びにアルコキシシラン、例えばジメチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン及びトリメチルメトキシシラン。これらの化合物は、単独で又は混合物として用いることができる。
【0052】
随意に、前記シリカをシリコーンオイル中に予分散させて懸濁液を得ることができる。特に、ポリオルガノシロキサンオイル中、特にポリビニルシロキサンオイル中のヒュームドシリカ(特にヘキサメチルジシラザンで処理したもの)の懸濁液を用いるのが好ましい。
【0053】
無機フィラー(E)としての好ましいシリカに加えて、別のタイプのフィラー、特に増量用シリカ、例えば石英粉末、ケイ藻土、炭酸カルシウム及び/又はカオリン等を組成物に加えることができる。
【0054】
成分(F)に関して、「有効量の少なくとも1種のヒドロシリル化反応触媒」という表現は、ヒドロシリル化反応を開始させるのに足りる量を意味するものとする。用いられる触媒として有効量に関しては、当業者であれば言うまでもなくヒドロシリル化反応を促進するために最適な触媒の量を決定することが完全に可能である。この量は特に当該触媒及びポリオルガノシロキサンの性状に依存する。より特定的には、この量は組成物(A)の総重量に対して0.001〜0.5重量%の範囲とすることができる。
【0055】
架橋触媒(F)としては、特に少なくとも1種の白金族の金属又は化合物から成る触媒を選択することができる。白金族の金属は、プラチノイドの名称で知られたものであり、この名称は、白金以外に、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム及びイリジウムをカバーする。好ましくは、白金又はロジウム化合物を用いる。例えば次のものを挙げることができる:白金黒、クロロ白金酸、アルコール変性クロロ白金酸、クロロ白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレン性アルコールとの錯体、等々。米国特許第2823218号明細書にはクロロ白金酸ヒドロシリル化触媒が開示され、米国特許第3419593号明細書はクロロ白金酸/ビニルシロキサンタイプのオルガノシリコーン錯体から成る触媒に関する。ヒドロシリル化触媒として有用な白金/炭化水素触媒は、米国特許第3159601号及び同第3159662号の各明細書に開示されている。米国特許第3723497号明細書には白金アセチルアセトネートが記載され、米国特許第3220972号明細書の主題は白金アルコラートをベースとする触媒である。
【0056】
架橋抑制剤(G)としては、POS架橋反応において慣用的に用いられているものを用いることができる。これらは特に次の化合物から選択することができる:
・少なくとも1個のアルケニルで置換されたポリオルガノシロキサン(これは環状の形にあることができ、テトラメチルビニルテトラシロキサンが特に好ましい);
・ピリジン;
・有機ホスファイト及びホスフィン;
・不飽和アミド;
・アルキル化マレエート;並びに
・アセチレン性アルコール。
【0057】
好ましい熱ヒドロシリル化反応防止剤を構成するアセチレン性アルコール(例えば仏国特許第1528464号及び同第2372874号の両明細書を参照されたい)としては、特に次のものから選択することができる:1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3−メチル−1−ドデシン−3−オール、3,7,11−トリメチル−1−ドデシン−3−オール、1,1−ジフェニル−2−プロピン−1−オール、3−エチル−6−エチル−1−ノニン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール及び3−メチル−1−ペンタデシン−3−オール。
【0058】
さらに、本発明に従うシリコーン組成物(A)はまた、その他の慣用の配合物添加剤(I)、例えば染料、顔料、難燃剤、殺菌剤、無機又は有機顔料を含有することもできる。
【0059】
本発明はまた、上記の方法によって得ることができるコーティングされたテキスタイルにも関する。
【0060】
こうして得られるテキスタイルは、そのままで又はテキスタイル物品に転化させて、多くの用途、例えば衣類の分野、特にブラジャーやストッキングの上部のレース等のランジェリー類、及び衛生物品、例えばサポーターや包帯に用いることができる。これらのテキスタイル物品は、人体や衣服上の様々な箇所に、例えばシリコーンエラストマーによってもたらされる接着力によって、再配置することができる。
【0061】
本発明はまた、テキスタイルをコーティングするため、より特定的にはレースや伸縮性のストリップ(バンド、包帯等)をコーティングするための、上記のシリコーン組成物(A)の使用にも関する。
【0062】
本明細書においては、本発明の原理を理解するのを容易にするために、特定の言語を用いる。しかしながら、この特定言語を使用することによって本発明の範囲が何ら限定されるものではない。特に、当業者であればその一般的な知識に基づいて変更及び改良を構想することができる。用語「及び/又は」等は、「及び」等の意味、「又は」の意味、及びこの用語によって連結される要素のその他のすべての可能な組合せを包含する。
【0063】
本発明のさらなる詳細及び利点は、以下に単に例示として与えた実施例に鑑みて、より一層明らかになるであろう。
【実施例】
【0064】
組成物
【0065】
シリコーン組成物を調製するために用いた様々な化合物を,下記の表1に詳しく説明する。
【0066】
注:すべての例について、PDMSオイル=ポリジメチルシロキサンオイルである。
【0067】
【表1】

【0068】
試験した様々な2成分型組成物(部分A及びB)を下記の表2に詳しく説明する。各トライアルについて、100重量部の部分Aと10重量部の部分Bとを混合した。
【0069】
【表2】

試験したすべてのシリコーン組成物は、非毒性且つ無臭だった。
【0070】
試験したそれぞれの組成物について、2つのタイプの試験を実施した。
【0071】
1.本発明に従う方法:部分A及びBを互いに混合した後に、ポリアミド、ポリエステル及びエラスタンを基材とする標準的な編みレース上にこの組成物を0.3mmの厚さで連続的にコーティングした。コーティングされたレースを次いで90℃のオーブン中に5分間入れてシリコーン組成物を架橋させた。レースのもう一方の面からのシリコーン組成物の移動は何ら観察されなかった。上記の組成物を用いてコーティングして架橋させた後のテキスタイルの性能を測定するために、2つの試験を用いた。
【0072】
油浸出試験:シリコーン組成物をコーティングして架橋させた後のレースを、そのコーティング面をクラフト紙と接触させて、4日間置いた。次いでクラフト紙を目で見てチェックして油の浸出を測定した。
・きれいなクラフト紙:油浸出なし(0);
・油っぽいクラフト紙:クラフト紙上に観察された付着物に応じて油の浸出を分類:非常に僅か(レベル1)〜非常に多い(レベル4)。
2を超えた油浸出レベルは、不合格と見なす。
【0073】
使用者快適性試験:コーティングされたそれぞれのレースについて、使用者による感触を測定した:不快な粘着感又はいらいらする圧迫感;そして、滑り止め機能が適切に得られているかどうかチェックした。
【0074】
2.試験した様々な組成物を架橋させた後に得られたシリコーンエラストマーの特性
【0075】
ISO R37又はAFNOR T46002規格に従う弾性率の測定
【0076】
部分A及びBを互いに混合した後に、得られた組成物をプレス中で120℃において30分間架橋させた。得られたエラストマー板状物を細断してダンベル状の試験片にした。試験は、一定のジョー分離速度を保証することができる引張試験機を用い且つ伸び計を用いて所定寸法のダンベル試験片を壊れるまで引っ張ることから成るものだった。100%伸びにおいて到達した引張係数(MPa)を測定した。これは働かせた応力対得られた伸びの比である。この値が高ければ高いほど、このエラストマーでコーティングされたテキスタイル材料の弾性率が高くなり、使用者が感じる圧迫感が強くなる。
【0077】
接着又は粘着性を評価するための摩擦試験
【0078】
部分A及びBを互いに混合した後に、10cm×5cmの寸法のブリストル紙上に前記組成物を0.1mmの厚さでコーティングし、次いで90℃において5分間架橋させた。こうしてコーティングされたブリストル紙にワイヤを取り付けて引っ張られるようにした。試験片の幅全体に力が加えられるようにするために、試験片を歯付きジョーに固定し、ジョー自体を引張ワイヤに取り付けた。前記試験片をそのコーティングされた面がエポキシ樹脂製の基材に相対するように配置させ、試験直前にその上から200gの重量を1〜2分間加えて、粘着性表面が基材に均一に接触するようにした。基材から試験片を完全に剥がすのに要した最大の力(N)を測定して記録した。この最大力が大きければ大きいほど、使用者の皮膚に対するテキスタイル試験片の接着性が大きいことになる。
【0079】
下記の表3に、得られたすべての結果を与える。
【表3】

【0080】
上記の表3は、本発明に従う組成物(例1及び2)、即ちモノビニルポリオルガノシロキサンを含有し且つSiH(架橋用)/SiViモル比r2が0.10〜0.40の範囲である組成物だけが、性能の良好な折衷点を得ることを可能にし、即ち、使用者にとって不快な粘着感やいらいらする圧迫感なしで滑り止め機能が提供される上に、油状種の浸出量が少なく、油性の付着物がほとんど観察されないことを示している。
【0081】
皮膚への良好な粘着レベルを有する上に利用者にとっていらいらする圧迫感がないコーティングされたテキスタイルを得るためには、次の2つの条件が必要である:
(1)モノアルケニル化ポリオルガノシロキサン1分子当たり1個のアルケニル単位を持つポリオルガノシロキサンの存在;及び
(2)0.10〜0.40の範囲の架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比r2
これは、比較例1(モノビニル化オイルが存在するがしかしSiH(架橋用)/SiVi比が0.45)及び比較例4(SiH(架橋用)/SiVi比が0.38だがモノビニル化オイルが不在)によって示される。
【0082】
粘着感は粘着性を評価するための摩擦試験で得られた結果に結びつけることができ、圧迫感は用いるエラストマーの弾性率に結びつけることができる。特に、必要な剥離力が35N未満である場合(比較試験1及び4)、使用者は粘着感を持たないがコーティングされたエラストマーの弾性率が高く、使用者はいらいらする圧迫感を持つ。他方、測定された必要剥離力が55N超である場合(比較試験2及び3)、使用者は、使用に耐えない不快な粘着感を覚える。
【0083】
比較例2及び3は、シリコーン組成物がモノビニル化ポリオルガノシロキサンを含有せず且つSiH/SiViモル比が1未満である場合には、粘着性レベルが高すぎ(94〜101N)、クラフト紙上の油状物付着によって測定される油状物質の浸出が許容できないもの(レベル4及び5)になることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマーの前駆体であり且つ重付加架橋性であるシリコーン組成物(A)をテキスタイル基材上にコーティングする方法であって、
次の工程(a)、(b)及び(c):
(a)エラストマーの前駆体であり且つ重付加架橋性であるシリコーン組成物(A)であって、次の(B)〜(I)を含む前記シリコーン組成物(A)を調製する工程:
◆アルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(B):
(1)タイプM=(X)s(R)tSiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基Rは同一であっても異なっていてもよく、随意に置換されたC1〜C6直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又は置換若しくは非置換アリール基に相当し、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、sは0又は1であり、tは2又は3であり、s+tは3である);及び
(2)タイプD=(X)u(R1)vSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R1はRと同じ定義を満たし、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、uは0又は1であり、vは1又は2であり、u+vは2である):
(このポリオルガノシロキサン(B)は、1分子当たり少なくとも2個の基Xを含む);
◆1分子当たり1個のアルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(C):
(1)タイプM=(X)w(R2)xSiO1/2の同一であっても異なっていてもよい末端シロキシル単位(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R2はRと同じ定義を満たし、wは0又は1であり、xは2又は3であり、w+xは3である);及び
(2)シロキシル単位D=(X)y(R3)zSiO2/2(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R3はRと同じ定義を満たし、yは0又は1であり、zは1又は2であり、y+zは2である):
(このポリオルガノシロキサン(C)は1分子当たり1個だけ基Xを含む);
◆少なくとも2種のヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D)
[そのうちの一方の(D−1)は連鎖延長剤の役割を有し、もう一方の(D−2)は架橋剤の役割を有し、
・連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R4)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R4はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R5)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R5はRと同じ定義を満たす)
を含み、この連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は1分子当たり2個のSiH官能基を含み;
・架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R6)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R6はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R7)p(H)qSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R7はRと同じ定義を満たし、pは1又は2であり、qは0又は1であり、p+qは2である)
を含み、この架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は1分子当たり少なくとも3個のSiH官能基を含む];
◆少なくとも1種の無機フィラー(E);
◆有効量の少なくとも1種のヒドロシリル化触媒(F);
◆少なくとも1種の架橋抑制剤(G);
◆随意としての、次の(1)及び(2)を含む1種以上の非反応性ポリオルガノシロキサン(H):
(1)タイプM=(R8)3SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R8はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R9)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R9はRと同じ定義を満たす);並びに
◆随意としての、配合添加剤(I):
(ここで、ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)の量は、架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比r2
0.10≦r2≦0.40、
好ましくは0.15≦r2≦0.35、
さらにより一層好ましくは0.20≦r2≦0.30
となるように選択される);
(b)次に、前記シリコーン組成物(A)を前記テキスタイル基材上に連続式で又は不連続式で付着させる工程;並びに
(c)加熱及び/又は赤外線によって前記シリコーン組成物(A)の架橋を行う工程:
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)を前記シリコーン組成物(A)に、ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)及び(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比rが1超、好ましくは1〜1.35の範囲、さらにより一層好ましくは1〜1.25の範囲となるように添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シリコーン組成物(A)が100000mPa・s超の動的粘度を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記シリコーン組成物(A)が少なくとも2つの部分P1及びP2を混合することによって得られ、前記の成分(B)〜(G)並びに随意としての(H)及び(I)がこれら部分P1及び/又はP2に含まれ、但し、ヒドロシリル化反応用の触媒(F)と成分(D)とが分離されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記シリコーン組成物(A)が該シリコーン組成物(A)の総重量に対する重量百分率で表わして次の割合:
(B)40〜90
(C)4〜20
(D−1)1〜2
(D−2)0.1〜0.6
(E)5〜20
(F)0.005〜0.25
(G)0.010〜0.020
(H)0〜10
(I)0〜5
で成分(B)〜(I)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程(b)において前記シリコーン組成物(A)をテキスタイル基材上に、トランスファーロールコーター、キスロールコーター、ノズルを用いた吹付、ドクターブレード、ロータリーフレーム、又はリバースロールコーターによって、塗布することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記テキスタイル基材がレース又は伸縮性ストリップであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
エラストマーの前駆体であり且つ重付加架橋性であるシリコーン組成物(A)であって、次の(B)〜(I):
◆アルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(B):
(1)タイプM=(X)s(R)tSiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基Rは同一であっても異なっていてもよく、随意に置換されたC1〜C6直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又は置換若しくは非置換アリール基に相当し、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、sは0又は1であり、tは2又は3であり、s+tは3である);及び
(2)タイプD=(X)u(R1)vSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R1はRと同じ定義を満たし、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、uは0又は1であり、vは1又は2であり、u+vは2である):
(このポリオルガノシロキサン(B)は、1分子当たり少なくとも2個の基Xを含む);
◆1分子当たり1個のアルケニル基を有し且つ次の(1)及び(2)を含む少なくとも1種の直鎖状又は分岐鎖状のポリオルガノシロキサン(C):
(1)タイプM=(X)w(R2)xSiO1/2の同一であっても異なっていてもよい末端シロキシル単位(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R2はRと同じ定義を満たし、wは0又は1であり、xは2又は3であり、w+xは3である);及び
(2)シロキシル単位D=(X)y(R3)zSiO2/2(ここで、基Xは2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基、好ましくはビニル基に相当し、基R3はRと同じ定義を満たし、yは0又は1であり、zは1又は2であり、y+zは2である):
(このポリオルガノシロキサン(C)は1分子当たり1個だけ基Xを含む);
◆少なくとも2種のヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D)
[そのうちの一方の(D−1)は連鎖延長剤の役割を有し、もう一方の(D−2)は架橋剤の役割を有し、
・連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R4)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R4はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R5)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R5はRと同じ定義を満たす)
を含み、この連鎖延長剤ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)は1分子当たり2個のSiH官能基を含み;
・架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は次の(1)及び(2):
(1)タイプM=(R6)2(H)SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R6はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R7)p(H)qSiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R7はRと同じ定義を満たし、pは1又は2であり、qは0又は1であり、p+qは2である)
を含み、この架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)は1分子当たり少なくとも3個のSiH官能基を含む];
◆少なくとも1種の無機フィラー(E);
◆有効量の少なくとも1種のヒドロシリル化触媒(F);
◆少なくとも1種の架橋抑制剤(G);
◆随意としての、次の(1)及び(2)を含む1種以上の非反応性ポリオルガノシロキサン(H):
(1)タイプM=(R8)3SiO1/2の末端シロキシル単位(ここで、基R8はRと同じ定義を満たす)、及び
(2)タイプD=(R9)2SiO2/2の同一であっても異なっていてもよいシロキシル単位(ここで、基R9はRと同じ定義を満たす);並びに
◆随意としての、配合添加剤(I):
(ここで、ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)の量は、架橋用ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比r2
0.10≦r2≦0.40、
好ましくは0.15≦r2≦0.35、
さらにより一層好ましくは0.20≦r2≦0.30
となるように選択される):
を含む、前記シリコーン組成物(A)。
【請求項9】
前記ポリオルガノシロキサン(B)、(C)及び(D)が前記シリコーン組成物(A)に、ヒドロゲノポリオルガノシロキサン(D−1)及び(D−2)のケイ素に結合した水素原子対ポリオルガノシロキサン(B)及び(C)のケイ素に結合したアルケニル基のモル比rが1超、好ましくは1〜1.30の範囲、さらにより一層好ましくは1〜1.25の範囲となるように添加されたことを特徴とする、請求項8に記載のシリコーン組成物(A)。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって得られるコーティングされたテキスタイル。
【請求項11】
テキスタイル基材、より特定的にはレース又は伸縮性ストリップをコーティングするための、請求項8又は9に記載のシリコーン組成物(A)の使用。

【公表番号】特表2012−528947(P2012−528947A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513650(P2012−513650)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000411
【国際公開番号】WO2010/139868
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(507421304)ブルースター・シリコーンズ・フランス (62)
【Fターム(参考)】