説明

テトラゾリル化合物またはその塩、ならびに殺菌剤

【課題】農園芸用殺菌剤の提供。
【解決手段】式(II)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩。


式(II)中、L1は単結合若しくはC1〜8アルキレン基など、R2は水素原子またはC1〜8アルキル基など、Xは単結合や酸素原子など、R3はハロゲン原子など、L2は単結合またはC1〜6アルキレン基など、Arはフェニル基など、Tetはテトラゾリル基、R'1はC1〜4アルキル基などを示す。mはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なテトラゾリル化合物またはその塩、ならびに該テトラゾリル化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する殺菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されているが、従来の防除薬剤の多くは、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、植物体に薬害や汚染を生じさせたり、若しくは人畜魚類に対する毒性や環境への影響が大きかったりなどで、十分に満足できるものではなかった。そのため、かかる欠点の少ない安全に使用できる薬剤の出現が強く要望されている。
【0003】
本発明に関連して、下記の特許文献1または2には、本発明化合物と類似の化学構造を有するテトラゾリル誘導体、およびそれを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2003/016303
【特許文献2】WO2009/115558
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規なテトラゾリル化合物またはその塩、ならびにこれらの化合物の少なくとも1種を有効成分として含有する、効果が確実で安全に使用できる殺菌剤を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、式(I)、式(II)または式(III)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩を得るに至った。そして、このテトラゾリル化合物またはその塩は、効果が確実で安全に使用できる殺菌剤の有効成分として有用であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討し完成するに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は以下の態様を包含するものである。
〔1〕 式(I)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩。
【0008】
【化1】

式(I)中、
Arは、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を示す。
2は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキレン基を示す。

Tetは、
【0009】
【化2】

で表される基、または
【0010】
【化3】

で表される基を示す。*1はL2との結合部位を示す。Yは、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。

Hetは、式(D1)〜(D13)で表される基を示す。
【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
式(D1)〜(D13)中の、*2はCH2との結合部位を示す。
3は、ハロゲン原子、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基を示す。
式(D1)〜(D11)におけるmはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のR3同士は、互いに同一であってもよいし、相異なっていてもよい。
式(D12)〜(D13)におけるnはR3の数を示し且つ0または1である。

Aは、式(IV)で表わされる基を示す。
【0014】
【化6】

式(IV)中の、*3は式(D1)〜(D13)で表される基との結合部位を示す。
1は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基を示す。
2は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
Xは、単結合、O、S、またはNR4を示す。
4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
1は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基を示す。
【0015】
〔2〕 式(II)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩。
【0016】
【化7】

式(II)中、
Arは、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を示す。
2は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキレン基を示す。

Tetは、
【0017】
【化8】

で表わされる基、または
【0018】
【化9】

で表わされる基を示す。*1はL2との結合部位を示す。Yは、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。

3は、ハロゲン原子、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基を示す。
mはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のR3同士は、互いに同一であってもよいし、相異なっていてもよい。

2は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
Xは、単結合、O、S、またはNR4を示す。
4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
1は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基を示す。
R'1は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜4アルキル基を示す。
【0019】
〔3〕 式(III)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩。
【0020】
【化10】


式(III)中、
Arは、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を示す。
2は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキレン基を示す。

Tetは、
【0021】
【化11】

で表わされる基、または
【0022】
【化12】

で表わされる基を示す。*1はL2との結合部位を示す。Yは、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。

3は、ハロゲン原子、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基を示す。
mはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のR3同士は、互いに同一であってもよいし、相異なっていてもよい。

2は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
Xは、単結合、O、S、またはNR4を示す。
4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
1は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基を示す。
R'1は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜4アルキル基を示す。
【0023】
〔4〕 前記〔1〕、〔2〕または〔3〕に記載のテトラゾリル化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含む殺菌剤。
【発明の効果】
【0024】
本発明のテトラゾリル化合物またはその塩は、効果が確実で安全に使用できる殺菌剤の有効成分として有用な新規化合物である。
本発明の殺菌剤は優れた防除効果を有し、植物体に薬害を生じることがなく、人畜魚類に対する毒性や環境への影響が少ない薬剤である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を、1)テトラゾリル化合物またはその塩、および2)殺菌剤に項分けして詳細に説明する。
【0026】
1)テトラゾリル化合物またはその塩
本発明に係るテトラゾリル化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある。)、式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)と表記することがある。)、または式(III)で表される化合物(以下、化合物(III)と表記することがある。)である。
【0027】
本発明に係るテトラゾリル化合物またはその塩には、水和物、各種溶媒和物や結晶多形なども含まれる。さらに、本発明に係るテトラゾリル化合物またはその塩は、不斉炭素原子、二重結合などに基づく立体異性体およびそれらの混合物を包含する。
【0028】
まず、式(I)、式(II)または式(III)における、「無置換の」および「置換基を有する」の意味を説明する。
「無置換の」の用語は、該基が母核となる基のみであることを意味する。「置換基を有する」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換の」意味である。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同じまたは異なる構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に置換された他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、置換基を有するC1〜6アルキル基は、母核となる基が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基で、該アルキル基の中のいずれかの水素原子が異なる構造の基で置換されているものである。
「C1〜6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを示している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0029】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。
「置換基」となり得る基としては、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基、好ましくはC1〜6アルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、好ましくはC3〜8シクロアルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シンナミル基などのアルケニル基、好ましくはC2〜6アルケニル基;
2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基などのシクロアルケニル基、好ましくはC3〜8シクロアルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などのアルキニル基、好ましくはC2〜6アルキニル基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基、好ましくはC1〜6アルコキシ基;
【0030】
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのアルケニルオキシ基、好ましくはC2〜6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのアルキニルオキシ基、好ましくはC2〜6アルキニルオキシ基;
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などのアリール基、好ましくはC6〜10アリール基;
フェノキシ基、1−ナフトキシ基などのアリールオキシ基、好ましくはC6〜10アリールオキシ基;
ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、好ましくはC7〜11アラルキル基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのアラルキルオキシ基、好ましくはC7〜12アラルキルオキシ基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニルなどのアシル基、好ましくはC1〜7アシル基;
ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などのアシルオキシ基、好ましくはC1〜7アシルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、好ましくはC1〜6アルコキシカルボニル基;
カルボキシル基;
水酸基;
【0031】
クロロメチル基、クロロエチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのハロアルキル基、好ましくはハロC1〜6アルキル基;
2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのハロアルケニル基、好ましくはハロC2〜6アルケニル基;
4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのハロアルキニル基、好ましくはハロC2〜6アルキニル基;
2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基などのハロアルコキシ基、好ましくはハロC1〜6アルコキシ基;
2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのハロアルケニルオキシ基、好ましくはハロC2〜6アルケニルオキシ基;
4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基などのハロアリール基、好ましくはハロC6〜10アリール基;
4−フルオロフェニルオキシ基、4−クロロ−1−ナフトキシ基などのハロアリールオキシ基、好ましくはハロC6〜10アリールオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基などのハロゲン置換アシル基;
【0032】
シアノ基;イソシアノ基;ニトロ基;イソシアナト基;シアナト基;アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのアルキルアミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基、アントラセニルアミノ基などのアリールアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェニルエチルアミノ基などのアラルキルアミノ基;
メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、i−プロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、t−ブチルスルホニルアミノ基などのアルキルスルホニルアミノ基、好ましくはC1〜6アルキルスルホニルアミノ基;
フェニルスルホニルアミノ基などのアリールスルホニルアミノ基、好ましくはC6〜10アリールスルホニルアミノ基;
ピペラジニルスルホニルアミノ基などのヘテロ環スルホニルアミノ基、好ましくは3〜8員ヘテロ環スルホニルアミノ基;
ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのアシルアミノ基、好ましくはC1〜7アシルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのアルコキシカルボニルアミノ基、好ましくはC1〜6アルコキシカルボニルアミノ基;
フルオロメチルスルホニルアミノ基、クロロメチルスルホニルアミノ基、ブロモメチルスルホニルアミノ基、ジフルオロメチルスルホニルアミノ基、ジクロロメチルスルホニルアミノ基、1,1−ジフルオロエチルスルホニルアミノ基、トリフルオロメチルスルホニルアミノ基、1,1,1−トリフルオロエチルスルホニルアミノ基、ペンタフルオロエチルスルホニルアミノ基などのハロアルキルスルホニルアミノ基、好ましくはハロC1〜6アルキルスルホニルアミノ基;
ビス(メチルスルホニル)アミノ基、ビス(エチルスルホニル)アミノ基、(エチルスルホニル)(メチルスルホニル)アミノ基、ビス(n−プロピルスルホニル)アミノ基、ビス(i−プロピルスルホニル)アミノ基、ビス(n−ブチルスルホニル)アミノ基、ビス(t−ブチルスルホニル)アミノ基などのビス(アルキルスルホニル)アミノ基、好ましくはビス(C1〜6アルキルスルホニル)アミノ基;
【0033】
ビス(フルオロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(クロロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(ブロモメチルスルホニル)アミノ基、ビス(ジフルオロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(ジクロロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(1,1−ジフルオロエチルスルホニル)アミノ基、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(1,1,1−トリフルオロエチルスルホニル)アミノ基、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミノ基などのビス(ハロアルキルスルホニル)アミノ基、好ましくはビス(ハロC1〜6アルキルスルホニル)アミノ基;
ヒドラジノ基、N'−フェニルヒドラジノ基、N'−メトキシカルボニルヒドラジノ基、N'−アセチルヒドラジノ基、N'−メチルヒドラジノ基などの無置換若しくは置換ヒドラジノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル基などの無置換の若しくは置換基を有するアミノカルボニル基;
ヒドラジノカルボニル基、N'−メチルヒドラジノカルボニル基、N'−フェニルヒドラジノカルボニル基などの無置換の若しくは置換基を有するヒドラジノカルボニル基;
N−メチルイミノメチル基、1−N−フェニルイミノエチル基、N−ヒドロキシイミノメチル基、N−メトキシイミノメチル基などのN無置換の若しくはN置換イミノアルキル基;
【0034】
メルカプト基;イソチオシアナト基;チオシアナト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのアルキルチオ基、好ましくはC1〜6アルキルチオ基;
ビニルチオ基、アリルチオ基などのアルケニルチオ基、好ましくはC2〜6アルケニルチオ基;
エチニルチオ基、プロパルギルチオ基などのアルキニルチオ基、好ましくはC2〜6アルキニルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのアリールチオ基、好ましくはC6〜10アリールチオ基;
2−ピリジルチオ基、3−ピリダジルチオ基などのヘテロアリールチオ基、好ましくは5〜6員ヘテロアリールチオ基;
ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのアラルキルチオ基、好ましくはC7〜10アラルキルチオ基;
メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、n−プロピルチオカルボニル基、i−プロピルチオカルボニル基、n−ブチルチオカルボニル基、i−ブチルチオカルボニル基、s−ブチルチオカルボニル基、t−ブチルチオカルボニル基などのアルキルチオカルボニル基、好ましくはC1〜6アルキルチオカルボニル基;
【0035】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのアルキルスルフィニル基、好ましくはC1〜6アルキルスルフィニル基;
アリルスルフィニル基などのアルケニルスルフィニル基、好ましくはC2〜6アルケニルスルフィニル基;
プロパルギルスルフィニル基などのアルキニルスルフィニル基、好ましくはC2〜6アルキニルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基などのアリールスルフィニル基、好ましくはC6〜10アリールスルフィニル基;
2−ピリジルスルフィニル基、3−ピリジルスルフィニル基などのヘテロアリールスルフィニル基、好ましくは5〜6員ヘテロアリールスルフィニル基;
ベンジルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基などのアラルキルスルフィニル基、好ましくはC7〜10アラルキルスルフィニル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのアルキルスルホニル基、好ましくはC1〜6アルキルスルホニル基;
アリルスルホニル基などのアルケニルスルホニル基、好ましくはC2〜6アルケニルスルホニル基;
プロパルギルスルホニル基などのアルキニルスルホニル基、好ましくはC2〜6アルキニルスルホニル基;
フェニルスルホニル基などのアリールスルホニル基、好ましくはC7〜10アリールスルホニル基;
2−ピリジルスルホニル基、3−ピリジルスルホニル基などのヘテロアリールスルホニル基、好ましくは5〜6員ヘテロアリールスルホニル基;
ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基などのアラルキルスルホニル基、好ましくはC7〜10アラルキルスルホニル基;
【0036】
フラン−2−イル基、フラン−3−イル基、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基、ピロール−2−イル基、ピロール−3−イル基、オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基、チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、チアゾール−5−イル基、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、イソチアゾール−3−イル基、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基、イミダゾール−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、イミダゾール−5−イル基、ピラゾール−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピラゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基などの不飽和複素5員環基;
ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、5−クロロ−ピリジン−3−イル基、3−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピリダジン−4−イル基、ピラジン−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−4−イル基、ピリミジン−5−イル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基、1,2,4−トリアジン−3−イル基などの不飽和複素6員環基;
テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドラピラン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、ピロリジン−2−イル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、N−メチルピペラジニル基などの飽和複素環基;
2−ピリジルオキシ基、3−オキサゾリルオキシ基などの複素環オキシ基;
などを挙げることができる。
【0037】
「置換基」としては、上記以外にも、−Si(Me)3、−SiPh3、−Si(cPr)3、−Si(Me)2tBu)などの−Si(R20)(R21)(R22)で表される基などが挙げられる。上記のR20、R21、およびR22は、夫々独立して、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基またはフェニル基を示す。C1〜6アルキル基およびC3〜8シクロアルキル基の具体例としては、前記と同様のものが挙げられる。また、これらの「置換基」はさらに別の「置換基」を有するものであってもよい。
【0038】
式(I)、式(II)または式(III)中のArは、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を示す。
「置換基を有するフェニル基」としては、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基などが挙げられる。
【0039】
式(I)、式(II)または式(III)中のL2は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキレン基を示す。
「C1〜6アルキレン基」は、直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。
【0040】
Tetは、
【0041】
【化13】

で表される基、または
【0042】
【化14】

で表される基を示す。*1はL2との結合部位を示す。Yは、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。
【0043】
「C1〜6アルキル基」としては、前記「置換基」における「C1〜6アルキル基」の例示と同様のものが挙げられる。
【0044】
「置換基を有するC1〜6アルキル基」としては、シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロオクチルエチル基などのシクロアルキルアルキル基、好ましくはC4〜10シクロアルキルC1〜6アルキル基; シクロペンテニルメチル基、3−シクロヘキセニルメチル基、2−(3−シクロヘキセニル)エチル基などのシクロアルケニルアルキル基、好ましくはC4〜8シクロアルケニルC1〜6アルキル基; フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トルフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロヘキシル基、パークロロヘキシル基、2,4,6−トリクロロヘキシル基などのハロアルキル基、好ましくはハロC1〜6アルキル基; ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などのアリールアルキル基、好ましくはC6〜10アリールC1〜6アルキル基;
【0045】
2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−(2−ピリジル)エチル基、2−(3−ピリジル)エチル基、2−(4−ピリジル)エチル基、3−(2−ピリジル)プロピル基、3−(3−ピリジル)プロピル基、3−(4−ピリジル)プロピル基、2−ピラジニルメチル基、3−ピラジニルメチル基、2−(2−ピラジニル)エチル基、2−(3−ピラジニル)エチル基、3−(2−ピラジニル)プロピル基、3−(3−ピラジニル)プロピル基、2−ピリミジルメチル基、4−ピリミジルメチル基、2−(2−ピリミジル)エチル基、2−(4−ピリミジル)エチル基、3−(2−ピリミジル)プロピル基、3−(4−ピリミジル)プロピル基、2−フリルメチル基、3−フリルメチル基、2−(2−フリル)エチル基、2−(3−フリル)エチル基、3−(2−フリル)プロピル基、3−(3−フリル)プロピル基などのヘテロ環アルキル基、好ましくは5〜10員ヘテロ環C1〜6アルキル基; ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基などのヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシC1〜6アルキル基; メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシn−プロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシエチル基、s−ブトキシメチル基、t−ブトキシエチル基、2,2−ジメトキシエチル基などのアルコキシアルキル基、好ましくはC1〜6アルコキシC1〜6アルキル基; ホルミルオキシメチル基、アセトキシメチル基、2−アセトキシエチル基、プロピオニルオキシメチル基、プロピオニルオキシエチル基などのアシルオキシアルキル基、好ましくはC2〜7アシルオキシC1〜6アルキル基;などが挙げられる。
【0046】
式(I)中のHetは、式(D1)〜(D13)で表される基を示す。
【0047】
【化15】

【0048】
*2はCH2との結合部位を示す。
3は、ハロゲン原子、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基を示す。
【0049】
「ハロゲン原子」としては、前記「置換基」における「ハロゲン原子」の例示と同様のものがが挙げられる。
「無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基」としては、前記Yにおけるそれと同じものが挙げられる。
「C1〜6アルキルチオ基」としては、前記「置換基」における「C1〜6アルキルチオ基」の例示と同様のものが挙げられる。
「置換基を有するC1〜6アルキルチオ基」としては、1−クロロエチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、2−ブロモエチルチオ基、パーフルオロプロピルチオ基などのハロC1〜6アルキルチオ基;2−メトキシエチルチオ基、エトキシメチルチオ基、2−i−プロポキシエチルチオ基、2−メトキシ−1,1−ジメチルエチルチオ基、1−エトキシ−1−メチルエチルチオ基などアルコキシC1〜6アルキルチオ基などが挙げられる。
【0050】
「C1〜6アルコキシ基」としては、前記「置換基」における「C1〜6アルコキシ基」の例示と同様のものが挙げられる。
「置換基を有するC1〜6アルコキシ基」としては、1−クロロエトキシ基、2,2−ジクロロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基などのハロC1〜6アルコキシ基;メトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基などのアルコキシC1〜6アルコキシ基などが挙げられる。
【0051】
「無置換の若しくは置換基を有するアミノ基」としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのモノC1〜6アルキルアミノ基またはジC1〜6アルキルアミノ基;メチリデンアミノ基、エチリデンアミノ基などのモノC1〜6アルキリデンアミノ基;フェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基などのモノアリールアミノ基、好ましくはモノC6〜10アリールアミノ基; ジ1−ナフチルアミノ基などのジアリールアミノ基、好ましくはジC6〜10アリールアミノ基; アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのアシルアミノ基、好ましくはC1〜6アシルアミノ基;などが挙げられる。
【0052】
式(D1)〜(D11)におけるmはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のR3同士は、互いに同一であってもよいし、相異なっていてもよい。
式(D12)〜(D13)におけるnはR3の数を示し且つ0または1である。
【0053】
式(I)中のAは、式(IV)で表わされる基を示す。
【0054】
【化16】

式(IV)中、*3は式(D1)〜(D13)で表される基との結合部位を示す。
【0055】
式(IV)中のR1は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基を示す。
1における「無置換のC1〜8アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
「置換基を有するC1〜8アルキル基」としては、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、ニトロメチル基、クロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−クロロエトキシメチル基などが挙げられる。
【0056】
式(II)、式(III)または式(IV)中のR2は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
2における「無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基」としては、前記R1におけるそれと同じものが挙げられる。
【0057】
「無置換のアシル基」としては、前記「置換基」における「アシル基」の例示と同様のものが挙げられる。
「置換基を有するアシル基」としては、フルオロアセチル基、クロロアセチル基、ブロモアセチル基、ジフルオロアセチル基、ジクロロアセチル基、ジブロモアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリブロモアセチル基、3,3,3−トリフルオロプロピオニル基、3,3,3−トリクロロプロピオニル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピオニル基などのハロゲン原子が置換したC1〜8アシル基、好ましくはハロゲン原子が1〜3個置換したC1〜6アシル基;などが挙げられる。
【0058】
「C1〜8アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。
「置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基」としては、シクロプロピルメチルオキシカルボニル基、2−シクロペンチルエチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、クロロメトキシカルボニル基、ジクロロエトキシカルボニル基などが挙げられる。
【0059】
式(II)、式(III)または式(IV)中のXは、単結合、O、S、またはNR4を示す。
4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基としては、前記R2におけるそれらと同じものが挙げられる。
【0060】
式(II)、式(III)または式(IV)中のL1は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基を示す。
「無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基」としては、直鎖状または分岐鎖状の2価の炭化水素基である。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基などが挙げられる。
【0061】
式(II)または式(III)中のR'1は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜4アルキル基を示す。R'1における、無置換の若しくは置換基を有するC1〜4アルキル基は、炭素原子1〜4個で構成される飽和炭化水素基である。
R'1における、「C1〜4アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
R'1における、「置換基を有するC1〜4アルキル基」としては、シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロオクチルエチル基などのシクロアルキルC1〜4アルキル基; シクロペンテニルメチル基、3−シクロヘキセニルメチル基、2−(3−シクロヘキセニル)エチル基などのシクロアルケニルC1〜4アルキル基; フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トルフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基などのハロC1〜4アルキル基; ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などのアリールC1〜4アルキル基;
【0062】
2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−(2−ピリジル)エチル基、2−(3−ピリジル)エチル基、2−(4−ピリジル)エチル基、3−(2−ピリジル)プロピル基、3−(3−ピリジル)プロピル基、3−(4−ピリジル)プロピル基、2−ピラジニルメチル基、3−ピラジニルメチル基、2−(2−ピラジニル)エチル基、2−(3−ピラジニル)エチル基、3−(2−ピラジニル)プロピル基、3−(3−ピラジニル)プロピル基、2−ピリミジルメチル基、4−ピリミジルメチル基、2−(2−ピリミジル)エチル基、2−(4−ピリミジル)エチル基、3−(2−ピリミジル)プロピル基、3−(4−ピリミジル)プロピル基、2−フリルメチル基、3−フリルメチル基、2−(2−フリル)エチル基、2−(3−フリル)エチル基、3−(2−フリル)プロピル基、3−(3−フリル)プロピル基などのヘテロ環C1〜4アルキル基; ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基などのヒドロキシC1〜4アルキル基; メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシn−プロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシエチル基、s−ブトキシメチル基、t−ブトキシエチル基、2,2−ジメトキシエチル基などのアルコキシC1〜4アルキル基; ホルミルオキシメチル基、アセトキシメチル基、2−アセトキシエチル基、プロピオニルオキシメチル基、プロピオニルオキシエチル基などのアシルオキシC1〜4アルキル基;などが挙げられる。
【0063】
式(I)、式(II)または式(III)で表されるテトラゾリル化合物には、オキシム部の炭素−窒素二重結合に基づく、E体およびZ体の立体異性体が存在する。これら2つの立体異性体およびこれらの混合物はいずれも本発明に含まれる。通常、合成物は、Z体のみ、若しくはE体とZ体の混合物として得られる。E体とZ体の混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの公知の手法により分離精製することにより、2つの異性体をそれぞれ単離することができる。Z体およびE体とも殺菌活性を有しており、中でもZ体が好ましい。
【0064】
本発明のテトラゾリル化合物の塩は、式(I)、式(II)または式(III)で表される化合物の塩である。塩としては、農園芸学上許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸の塩;酢酸塩、乳酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩などの有機酸の塩;が挙げられる。
【0065】
(テトラゾリル化合物およびその塩の製造方法)
式(I)、式(II)または式(III)で表されるテトラゾリル化合物は、例えば、WO03/016303号パンフレットに記載された方法に準じて製造することができる。
【0066】
例えば、式(7)で表される化合物と式(8)で表される化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより、式(1)で表される本発明に係るテトラゾリル化合物を得ることができる。
【0067】
【化17】

【0068】
式(1)、(7)および(8)中、Ar、L2、Tet、およびHetは前記と同じ意味を示し、Lはハロゲン原子などの脱離基を示す。
【0069】
この反応に用いる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基;トリエチルアミン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンなどの有機塩基;などが挙げられる。これらの塩基は一種単独で、若しくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
塩基の使用量は、式(7)で表される化合物1モルに対し、通常0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜5倍モルである。
【0070】
この反応は、溶媒存在下若しくは無溶媒で行うことができる。
用いる溶媒としては、本反応に不活性な溶媒であれば特に限定されない。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒;水;およびこれらの混合溶媒;などが挙げられる。
【0071】
この反応を行う時の温度は、通常、−70℃〜+200℃、好ましくは−20℃〜+100℃である。反応時間は反応規模などにもよるが、通常、30分間〜24時間である。
【0072】
また、式(I)、式(II)または式(III)で表される化合物の塩は、常法に従い、式(I)、式(II)または式(III)で表される化合物に酸を作用させることにより製造することができる。
【0073】
式(8)で表される化合物中のHetが、式(D1)〜式(D13)で表される基、または式(D14)若しくは式(D15)で表される基である場合には、上記の反応によって直接に式(1)で表される化合物を得ることができる。
【0074】
【化18】

【0075】
【化19】

【0076】
式(D14)若しくは式(D15)中のR'1、R2、R3、X、L1、およびmは、式(II)若しくは式(III)におけるそれらと同じ意味を示す。*2はCH2との結合部位を示す。
【0077】
本発明のテトラゾリル化合物およびその塩は、式(8)で表される化合物に代えて、アミノ置換ピリジン化合物またはアミノ置換チアゾール化合物などを用いて上記と同じ手法で反応させ、アミノ置換ピリジル基またはアミノ置換チアゾリル基が導入された化合物を得、該アミノ基を置換して式(IV)で表わされる基にする方法で製造することができる。
【0078】
上記いずれの反応においても、反応終了後においては、通常の後処理操作を行うことにより、目的とする式(I)、式(II)または式(III)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩を単離することができる。また、生成物の精製が必要であれば、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィーなどの公知慣用の精製手段を採用することができる。
目的物の構造は、1H−NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトルの測定や、元素分析などにより、同定・確認することができる。
【0079】
2)殺菌剤
本発明の殺菌剤は、式(I)、式(II)または式(III)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するものである。
また、本発明の化合物の製造工程において製造される中間体の中には殺菌活性を示すものがある。
本発明の殺菌剤は、本発明化合物のみからなるものであってもよいし、本発明化合物と他の成分とからなるものであってもよい。
本発明の殺菌剤は、一般の農薬のとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、フロアブルなどの形態に製剤化することができる。
【0080】
固形製剤においては、大豆粉、小麦粉などの植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレイなどの鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝などの有機および無機化合物などの添加剤および/または担体を用いることができる。
【0081】
液体製剤においては、ケロシン、キシレンおよびソルベントナフサなどの石油留分、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロロエチレン、メチルi−ブチルケトン、鉱物油、植物油、水などの溶剤を用いることができる。
【0082】
さらに、本発明の殺菌剤においては、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じて界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、i−ブチレン−無水マレイン酸の共重合体などが挙げられる。
【0083】
製剤中の有効成分量は、特に限定されないが、通常、製剤全体に対して、好ましくは0.5〜95質量%であり、より好ましくは2〜70質量%である。
【0084】
本発明の殺菌剤が、水和剤、乳剤、フロアブル剤である場合には、水で所定の濃度に希釈して懸濁液若しくは乳濁液として使用することができる。また、本発明の殺菌剤が、粉剤・粒剤である場合には、そのまま植物に散布する方法などで使用することができる。
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤などを水で希釈して施用する場合、その施用濃度は1〜1000ppm、好ましくは10〜250ppmである。
本発明殺菌剤の施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物などにより異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分化合物量にして1〜1,000g、好ましくは10〜100gである。
【0085】
本発明殺菌剤は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対し優れた殺菌力を有する。
従って、本発明の殺菌剤は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物に発生する種々の病害の防除をするために行われる種子処理、茎葉散布、土壌施用、水面施用などに使用することができる。
本発明殺菌剤は、例えば、
「テンサイ」の、褐斑病(Cercospora beticola)、黒根病(Aphanomyces cochlloides)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris);
「ラッカセイ」の、褐斑病(Mycosphaerella arachidis、黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi);
「キュウリ」の、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum orbiculare)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassicola)、苗立枯病(Pythium debaryanam、Rhizoctonia solani Kuhn)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv.Lecrymans);
「トマト」の、灰色かび病(Botrytis cinerea)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);
「ナス」の、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒枯病(Corynespora melongenae)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii);
【0086】
「イチゴ」の、灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Sohaerotheca humuli)、炭そ病(Colletotrichum acutatum、Colletotrichum fragariae)、疫病(Phytophthora cactorum);
「タマネギ」の、灰色腐敗病(Botrytis allii)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、白斑葉枯病(Botrytis squamosa)、べと病(Peronospora destructor);
「キャベツ」の、根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、軟腐病(Erwinia carotovora)、べと病(Peronospora parasitica);
「インゲン」の、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea);
「りんご」の、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、モニリア病(Monilinia mali)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、腐らん病(Valsa mali)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭そ病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、褐斑病(Diplocarpon mali)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena);
「カキ」の、うどんこ病(Phyllactinia kakicola)、炭そ病(Gloeosporium kaki)、角斑落葉病(Cercospora kaki);
【0087】
「モモ」の、灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.);
「オウトウ」の、灰星病(Monilinia fructicola)
「ブドウ」の、灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、晩腐病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、べと病(Plasmopara viticola)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、褐斑病(Pseudocercospora vitis)、黒腐病(Guignardia bidwell II);
「ナシ」の、黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、うどんこ病(Phyllactinia mali);
「チャ」の、輪斑病(Pestalotia theae)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis);
「カンキツ」の、そうか病(Elsinoe fawcetti)、青かび病(Penicillium italicum)、緑かび病(Penicillium digitatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒点病(Diaporthe citri)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv.Citri);
「コムギ」の、うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tritici)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia recondita)、褐色雪腐病(Pythium iwayamai)、紅色雪腐病(Monographella nivalis)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、雪腐小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐大粒菌核病(Myriosclerotinia borealis)、立枯病(Gaeumanomyces graminis);
【0088】
「オオムギ」の、斑葉病(Pyrenophora graminea)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici、U.nuda);
「イネ」の、いもち病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ごま葉枯病(Cochliobolus niyabeanus)、苗立枯病(Pythium graminicola)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、褐条病(Acidovorax avenae)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae);
「タバコ」の、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);
「チューリップ」の、灰色かび病(Botrytis cinerea);
「ベントグラス」の、雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、赤焼病(Pythium aphanidermatum);
「オーチャードグラス」の、うどんこ病(Erysiphe graminis);
などの防除に使用することができる。
【0089】
また、ジャガイモ・トマトの疫病(Phytophthora infestans)、キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウべと病(Plasmopara viticola)などのメタラキシルに耐性を有する菌;キュウリべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウべと病(Plasmopara viticola)などのストロビルリン系殺菌剤(例えば、クレソキシムメチル、アゾキシストロビンなど)に耐性を有する菌に対しても本発明の化合物は有効である。
【0090】
本発明化合物の適用が好ましい病害としては、ブドウべと病菌(Plasmopara viticola)、ウリ類のべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)、バレイショやトマトの疫病菌(Phytophthora infestans)、 芝のピシウム菌(Pythium aphanidermatum他)、テンサイ黒根病菌(Aphanomyces cochlloides)などを代表とする卵菌類が引き起こす多種の病害が挙げられる。
【0091】
本発明の殺菌剤は、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、共力剤などと混合して使用することができる。
【0092】
本発明の殺菌剤と混合して使用できる他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤の代表例として以下のものが挙げられる。
【0093】
〈殺菌剤〉
銅剤;塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅など。 硫黄剤;チウラム、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、ジラム、プロピネブ、ポリカーバメートなど。 ポリハロアルキルチオ剤;キャプタン、フォルペット、ジクロルフルアニドなど。 有機塩素剤;クロロタロニル、フサライドなど。 有機リン剤;IBP、EDDP、トリクロホスメチル、ピラゾホス、ホセチルなど。 ベンズイミダゾール剤;チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダジム、チアベンダゾールなど。 ジカルボキシイミド剤;イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、フルオルイミドなど。 カルボキシアミド剤;オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、テクロフタラム、トリクラミド、ペンシクロンなど。 アシルアラニン剤;メタラキシル、オキサジキシル、フララキシルなど。 ストロビルリン系剤;アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、ピラクロストロビン、トリフロキシストロビン、ピリベンカルブ、ファモキサドン、フェンアミドンなど。
【0094】
アニリノピリミジン剤;アンドプリン、メパニピリム、ピリメタニル、ジプロジニルなど。 SBI剤;トリアジメホン、トリアジメノール、ビテルタノール、ミクロブタニル、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、トリフルミゾール、プロクロラズ、ペフラゾエート、フェナリモール、ピリフェノックス、トリホリン、フルシラゾール、エタコナゾール、ジクロブトラゾール、フルオトリマゾール、フルトリアフェン、ペンコナゾール、ジニコナゾール、イマザリル、トリデモルフ、フェンプロピモルフ、ブチオベート、エポキシコナゾール、メトコナゾール、プロチオコナゾール、スピロキサミン、フェンヘキサミド、ピリブチカルブなど。
【0095】
抗生物質剤;ポリオキシン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン、硫酸ジヒドロストレプトマイシンなど。 アニライド系剤;ボスカリド、ペンチオピラド、フルオピラム、ビキサフェンなど。 グアニジン系剤;イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩、ドジン、グアザチンなど。 バリン系剤;ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、ベンチアバリカルブ、マンジプロパミドなど。
【0096】
その他の殺菌剤;シモキサニル、シアゾファミド、アミスルブロム、プロパモカルブ、フルアジナム、プロパモカルブ酢酸塩、エタボキサム、フルオピコリド、ゾキサミド、シフルファナミド、メトラフェノン、プロキナジッド、ヒドロキシイソキサゾール、メタスルホカルブ、アニラジン、イソプロチオラン、フェリムゾン、プロペナゾール、チアジニル、アシベンゾラルSメチル、イソチアニル、ピロキロン、フタライド、トリシクラゾール、カルプロパミド、フェノキサニル、ジクロシメット、フルアジナム、フルジオキソニル、ピロールニトリン、ヒドロキシイソオキサゾール、フルスルファミド、ジエトフェンカルブ、キントゼン、メタスルホカルブ、アニラジン、キノメチオナート、ジチアノン、ジノカブ、ジクロメジン、オキソリニック酸、レシチン、重曹、フェナミノスルフ、フェナジンオキシドなど。
【0097】
〈殺虫剤、殺ダニ剤〉
有機燐およびカーバメート系殺虫剤;フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブなど。
【0098】
ピレスロイド系殺虫剤;ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロクス、シクロプロトリン、トロラメトリン、シラフルオフェン、ブロフェンプロクス、アクリナスリンなど。
【0099】
ベンゾイルウレア系その他の殺虫剤;ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テトラベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、フィプロニル、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、エマメクチン、フルベンジアミド、スピノサド、機械油、BTや昆虫病原ウイルスなどの微生物農薬など。
【0100】
殺線虫剤;フェナミホス、ホスチアゼートなど。 殺ダニ剤;クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル、フルアクリピリムなど。
【0101】
〈植物生長調節剤〉
ジベレリン類(例えばジベレリンA3、ジベレリンA4、ジベレリンA7)、IAA、NAAなど。
【0102】
本発明の殺菌剤は、水棲生物が船底、魚網などの水中接触物に付着するのを防止するための防汚剤として使用することもできる。
また、本発明の殺菌剤を塗料や繊維などに混入させることで、壁や浴槽、若しくは靴や衣服の防菌、防黴剤として使用することもできる。
【実施例】
【0103】
次に、実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0104】
【化20】

【0105】
実施例1
[工程1]
3−ブロモ−5−t−ブトキシカルボニルアミノピリジンの製造
3−アミノ−5−ブロモピリジン9.55g(53.5mmol)をテトラヒドロフラン110mLに溶解させ、ナトリウムヘキサメチルジシラジドのテトラヒドロフラン溶液62mL(1.9M、118mmol)を0℃で加え、同温で30分間攪拌した。ここに二炭酸ジt−ブチル12.84g(58.8mmol)のテトラヒドロフラン溶液(60ml)を滴下し室温で一晩攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、有機層と水層とを分離した後、水層を酢酸エチルで抽出した。分離された有機層を混ぜ合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで減圧濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルとヘキサンから再結晶させ、目的物11.08gを得た。
【0106】
[工程2]
3−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−ホルミルピリジンの製造
3−ブロモ−5−t−ブトキシカルボニルアミノピリジン3.43g(12.6mmol)をジエチルエーテル130mLに溶解させ、−78℃に冷却した。ここにn−BuLiのヘキサン溶液16.2mL(1.63M、26.4mmol)を滴下し、−78℃で15分間、さらに0℃で30分間攪拌した。次いで、この溶液を−78℃に冷却し、N,N−ジメチルホルムアミド5.1mLをテトラヒドロフラン15mLで希釈した溶液を滴下した。−78℃で1時間、室温で30分間攪拌した。その後、反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。有機層と水層とを分離した。水層を酢酸エチルで抽出した。分離された有機層を混ぜ合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物1.67gを得た。
【0107】
[工程3]
(5−t−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)−メタノールの製造
3−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−ホルミルピリジン1.67g(7.51mmol)をエタノール35mLに溶解させ、0℃に冷却した。ここに水素化ホウ素ナトリウム0.71g(18.8mmol)を少しずつ加えた。その後、室温で数時間攪拌した。この反応液に水を加え、エタノールを減圧留去した。その後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物1.35gを得た。
【0108】
[工程4]
t−ブチル{5−{[(Z)−(1−メチル−1H−5−テトラゾリル)フェニルメチレン]アミノオキシメチル}−3−ピリジル}カーバメートの製造
(5−t−ブトキシカルボニルアミノピリジン−3−イル)−メタノール1.35g(6.02mmol)のジクロロメタン溶液(60mL)に、塩化チオニル0.93g(7.82mmol)を滴下し、室温で数時間攪拌した。その後、反応混合物を減圧濃縮し、3−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−クロロメチルピリジン0.73gを得た。
3−t−ブトキシカルボニルアミノ−5−クロロメチルピリジン0.73g(3.49mmol)と(Z)−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)(フェニル)メタノン オキシム0.85g(4.18mmol)とをN,N−ジメチルホルムアミド35mLに溶解させ、これに炭酸カリウム1.2g(8.68mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出で分離された有機層を混ぜ合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより式(a)で表わされる化合物0.60gを得た。
融点:78〜80℃
【0109】
【化21】

【0110】
実施例2
実施例1と同様の方法にて、下記の式(b)で表わされる化合物を得た。融点は185〜186℃であった。
【0111】
【化22】

【0112】
実施例3
実施例1と同様の方法にて、下記の式(c)で表わされる化合物を得た。
1H NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3, δppm):1.50 (s, 9H), 3.96 (s, 3H), 5.33 (s, 2H), 7.17 (brs, 1H), 7.25 (d, 1H), 7.33-7.51 (m, 5H), 7.92 (d, 1H), 8.52 (d, 1H).
【0113】
【化23】

【0114】
実施例4
実施例1と同様の方法にて、下記の式(d)で表わされる化合物を得た。1H NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3, δppm):1.42 (s, 18H), 3.86 (s, 3H), 5.29 (s, 2H), 7.28-7.50 (m, 6H), 7.72 (d, 1H), 8.48 (s, 1H).
【0115】
【化24】

【0116】
実施例5
実施例1と同様の方法にて、下記の式(e)で表わされる化合物を得た。該化合物の融点は137〜138℃であった。1H NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3, δppm):1.49 (s, 9H), 3.88 (s, 3H), 5.28 (s, 2H), 7.09-7.62 (m, 7H), 8.41 (d, 1H).
【0117】
【化25】

【0118】
実施例6
実施例1と同様の方法にて、下記の式(f)で表わされる化合物を得た。該化合物はアモルファスであった。1H NMRの測定結果は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3, δppm):1.54 (s, 9H), 3.84 (s, 3H), 5.23 (s, 2H), 7.12-7.50 (m, 7H), 8.34 (d, 1H), 9.09 (s, 1H).
【0119】
【化26】

【0120】
上記の実施例に記載の方法に準じて、製造できる本発明のテトラゾリル化合物の例を、式(A)〜式(J)と表1〜表4とを用いて示す。
表1は、式(A)、式(B)、式(C)、式(D)、式(E)、式(F)または式(G)で示される化合物の置換基A、および(R3mを示している。
表2は、式(H)で示される化合物の置換基A、および(R3nを示している。
表3は、式(I)および式(J)示される化合物の置換基A、および(R3nを示している。
表1〜3中の各欄において置換基の先頭に表記されている数値は、式(A)〜式(J)で示される化合物中のピルジン環に示した数値に対応する置換位置を示す。
なお、式(A)〜式(J)と表1〜表3とは、上記の方法などで製造できる本発明のテトラゾリル化合物の一部を示したに過ぎない。本明細書において具体的に示しきれなかった他の化合物、すなわち本発明の趣旨と範囲を逸脱しない種々の基に置換されたものが上記方法などによって製造でき且つ使用できることは本明細書の記載によって当業者において容易に理解できることである。
【0121】
【化27】

【0122】
【表1】

【0123】
【化28】

【0124】
【表2】

【0125】

【0126】
【化29】

【0127】
【表3】

【0128】
次に、本発明の殺菌剤の製剤実施例を若干示すが、添加物および添加割合は、これら実施例に限定されるものではなく、広範囲に変化させることが可能である。 製剤実施例中の部は質量部を示す。
【0129】
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
クレー 53部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 3部
以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得る。
【0130】
製剤実施例2 乳剤
本発明化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解して、有効成分10%の乳剤を得る。
【0131】
製剤実施例3 粉剤
本発明化合物 10部
クレー 90部
以上を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分10%の粉剤を得る。
【0132】
製剤実施例4 粒剤
本発明化合物 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0133】
製剤実施例5 懸濁剤
本発明化合物 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕して、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0134】
製剤実施例6 顆粒水和剤
本発明化合物 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物 5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後、適量の水を加えてから練り込んで粘土状にする。粘土状物を造粒した後乾燥し、有効成分40%の顆粒水和剤を得る。
【0135】
(試験例1)トマト疫病(PN)防除試験
素焼きポットで栽培したトマト幼苗(品種「レジナ」、4〜5葉期)に、前記製剤実施例2の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。散布後、室温で自然乾燥し、トマト疫病菌(Phytophthora infestans)の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種し、明暗を12時間毎に繰り返す高湿度の恒温室(20℃)に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果(防除価)を求めた。
【0136】
実施例3で得られた式(c)で表される化合物についてトマト疫病防除試験を実施したところ、化合物濃度100ppmで防除価が70%以上であった。なお、化合物番号は表1〜5の化合物番号に対応している。
【0137】
防除価[%]
=〔(無処理区の発病度−処理区の発病度)/(無処理区の発病度)〕
×100
【0138】
(試験例2)抗菌試験
化合物をジメチルスルホキシドに溶解し、PSY培地を用いて96穴マイクロプレート上で所定の2倍濃度となるように希釈し薬液とした。一方、PSY培地を用いてジメチルスルホキシド希釈液を調製し、薬剤無処理区とした。
液体培養した供試菌(Pythium apanidermatum)の懸濁液を薬液と等量ずつ混合し、25℃の暗所で培養した。培養3〜7日目に、菌糸生育量を観察して、菌糸伸長阻害率を求めた。
実施例2で得られた式(b)で表される化合物および実施例3で得られた式(c)で表される化合物について、抗菌試験を実施したところ、化合物濃度1ppmにおいて、いずれも菌糸伸長阻害率が50%以上であった。
【0139】
以上のように、本発明のテトラゾリル化合物およびその塩は、Hetが、式(D1)〜式(D15)で表される基であれば、それ以外の部分の基が変更されても、多少の強弱はあるものの、植物病害に対して優れた病害防除効果を示すことがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩。


式(I)中、
Arは、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を示す。
2は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキレン基を示す。

Tetは、

で表わされる基、または

で表わされる基を示す。*1はL2との結合部位を示す。Yは、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。

Hetは、式(D1)〜(D13)で表される基を示す。





式(D1)〜(D13)中の、*2はCH2との結合部位を示す。
3は、ハロゲン原子、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基を示す。
式(D1)〜(D11)におけるmはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のR3同士は、互いに同一であってもよいし、相異なっていてもよい。
式(D12)〜(D13)におけるnはR3の数を示し且つ0または1である。

Aは、式(IV)で表わされる基を示す。



式(IV)中の、*3は式(D1)〜(D13)で表される基との結合部位を示す。
1は、水素原子、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基を示す。
2は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
Xは、単結合、O、S、またはNR4を示す。
4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
1は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基を示す。
【請求項2】
式(II)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩。



式(II)中、
Arは、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を示す。
2は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキレン基を示す。

Tetは、

で表わされる基、または

で表わされる基を示す。*1はL2との結合部位を示す。Yは、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。

3は、ハロゲン原子、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基を示す。
mはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のR3同士は、互いに同一であってもよいし、相異なっていてもよい。

2は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
Xは、単結合、O、S、またはNR4を示す。
4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
1は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基を示す。
R'1は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜4アルキル基を示す。
【請求項3】
式(III)で表されるテトラゾリル化合物またはその塩。



式(III)中、
Arは、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基を示す。
2は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキレン基を示す。

Tetは、

で表わされる基、または

で表わされる基を示す。*1はL2との結合部位を示す。Yは、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基を示す。

3は、ハロゲン原子、水酸基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルキルチオ基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜6アルコキシ基、または無置換の若しくは置換基を有するアミノ基を示す。
mはR3の数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。mが2以上のとき、複数のR3同士は、互いに同一であってもよいし、相異なっていてもよい。

2は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
Xは、単結合、O、S、またはNR4を示す。
4は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するアシル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルコキシカルボニル基を示す。
1は、単結合、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキレン基を示す。
R'1は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜4アルキル基を示す。
【請求項4】
請求項1、2または3に記載のテトラゾリル化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含む殺菌剤。

【公開番号】特開2011−236197(P2011−236197A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49828(P2011−49828)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】