説明

テレビジョンおよびDVD一体型テレビジョン

【課題】スロットイン方式のディスク装置や、スロットイン方式のディスク装置を備えるテレビジョンにおいて待機電力の削減を図る。
【解決手段】スロットイン方式のDVDドライブ60を備えるテレビジョン10において、メニュー画面より「通常設定」と「節電設定」とを選択可能とする。節電設定では、電源オン時はディスク挿入を監視するために発光している赤外線LED70を、テレビジョンマイコン48にて実行される制御プログラムにて常時発光させるとともに、スタンバイ時は赤外線LED70の発光間隔を徐々に長くし、所定時間経過後に発光を停止させる。一方、通常設定では従来どおり電源オン時は赤外線LED70を常時発光させ、スタンバイ時は所定の時間間隔を置いて間歇的に発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットイン方式のDVDドライブを備え、省電力設定を行えるテレビジョンおよびDVD一体型テレビジョンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDとテレビジョンのコンボモデルなどにおいて、テレビジョンに液晶テレビジョンを使用することが多くなってきたため、薄型のスロットインタイプのDVD機器が使用されることが多くなってきている。スロットインタイプのDVD機器は、ディスクトレイ式のDVD機器と違い、待機中はディスクの挿入を赤外線LEDと赤外線センサによって検知して機器を起動するものが一般的である。このディスク挿入検知するための赤外線LEDは、電源がオンのときは常時発光し、スタンバイ時は一定の時間間隔をおいて間歇的に発光する。
【0003】
特許文献1にはCDやMDなどのディスクに記録されたオーディオ情報を再生するポータブルディスクプレーヤにおいて、通常モードと本体機能を制限して動作させる節電モードとを、ユーザが選択可能とすることについて開示されている。節電モードにおいてユーザが制限可能な機能としては液晶表示、キー操作、レジューム機能、ランダム再生機能、ボリューム機能などが挙げられている。
【0004】
特許文献2には、複数種類の情報記録媒体に対応するドライブ装置において、待機中に処理を行わない処理系の稼動状態をスリープ状態とすることで省電力を行えるようにすることについて開示されている。
【特許文献1】実用新案登録第3060892号
【特許文献2】特開2004−310403
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スロットイン方式のディスク機器において、ディスクの挿入を検知するためには、待機中にもディスクの挿入を監視しなければならない。このため、赤外線LEDと赤外線センサーはディスクの挿入を監視するため待機中も発光し続けることになり、省電力の妨げとなっていた。
上記特許文献に記載された装置は、ポータブルオーディオプレーヤーやディスクドライブ装置全般に関する技術であって、スロットイン方式のディスク装置での省電力化についての技術ではなく、ディスクの挿入を監視する赤外線LEDを含むセンサに関する記載はない。
昨今の省エネ志向においては、テレビジョンを使用しないときには主電源を切ったりコンセントを抜いたりする人も多く、待機電力の更なる削減が望まれていた。本発明では、スロットイン方式のディスク装置や、スロットイン方式のディスク装置を備えるテレビジョンにおいて、さらなる省電力化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、映像を画面に表示する平坦な表示面を前面に向けた液晶表示パネルと、音声を出力するスピーカと、テレビ放送を受信して映像を上記液晶表示パネルに表示させるとともに音声を上記スピーカにて出力させる主基板と、上記液晶表示パネルと上記スピーカと上記主基板とを収容する樹脂製のキャビネットと、赤外線センサと赤外線LEDとが対向して設置され、上記赤外線センサと上記赤外線LEDとの間にディスクが挿入されるとディスクの挿入を検知してディスクを内部に引き込むスロットイン方式のDVDドライブと、所定の経過時間を計時するタイマと、上記赤外線LEDの発光タイミングを制御するマイコンとを備えるDVD一体型テレビジョンにおいて、上記マイコンは、複数の発光タイミングを組み合わせた節電設定と通常設定とを選択して実行可能であり、上記節電設定においては、上記テレビジョンの電源がオンの時は上記赤外線LEDを常時発光させ、上記テレビジョンがスタンバイ時にはまず一定の時間間隔を置いて上記赤外線LEDを間歇的に発光させたのち、徐々に赤外線LEDの発光間隔を長くして間歇的に発光させ、さらに所定の時間経過後に上記赤外線LEDの発光を停止させ、ディスクが上記DVDドライブに挿入されている間は上記赤外線LEDの発光を停止させ、上記通常設定においては、上記テレビジョンの電源がオンの時は上記赤外線LEDを常時発光させ、上記テレビジョンがスタンバイ時には常に所定の時間間隔を置いて上記赤外線LEDを間歇的に発光させ、ディスクが上記DVDドライブに挿入されている間は上記赤外線LEDの発光を停止させる構成としてある。
【0007】
上記一定の時間間隔としては、1秒であっても2秒であってその他のいかなる間隔であってもよく、様々な時間間隔を採用可能であり、徐々に間隔を長くするように変更しても構わない。上記所定の時間としては5分でも10分でも1時間でも、いかなる時間であっても構わない。
【0008】
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載のテレビジョンでは、外部の商用電源等から電源電圧の供給を受けて各回路へ供給可能な電源回路と、スロットイン方式のディスク状記録媒体読取装置と、上記ディスク状記録媒体読取装置へのディスク状記録媒体挿入を検知する赤外線LEDと赤外線センサとから成るディスク状記録媒体挿入検知センサと、所定の経過時間を計時するタイマと、上記タイマの計時結果に基づいて計時が長くなるにしたがって発光間隔の時間を長くする発光間隔設定手段と、上記発光間隔に基づいて上記赤外線LEDを間欠的に発光させる発光制御手段とを備える構成としてある。
【0009】
上記発光間隔設定手段は、上記タイマの計時する所定の経過時間に基づいて計時が長くなるに従って発光間隔の時間を長くし、上記発光制御手段が上記発光間隔に基づいて赤外線LEDを間欠的に発光させて、上記ディスク状記録媒体読取装置へのディスク状記録媒体挿入を、上記ディスク状記録媒体挿入検知センサが検知する。
【0010】
上記ディスク状記録媒体としては、DVDであってもCDであってもよく、ディスク状の記録媒体であればいかなる形態のものであっても構わない。また上記間歇発光手段は、上記赤外線LEDを間歇的に発光させることが可能であればいかなるものであってもよく、マイコンであってもICであっても電子回路であっても構わない。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明では、スロットイン方式のDVDドライブにおいて、ディスクの挿入を監視するセンサの一部として使用されている赤外線LEDの発光を、スタンバイ時には、徐々に発光と発光の間隔を長くし最終的には発光を停止させる節電設定と、一定の間隔で間歇的に発光させ続ける通常設定とを設け、節電設定と通常設定とを選択可能にした。節電設定を選択すると、従来1W程度であった待機電力を0.1〜0.2W削減することが可能となる。また、従来どおりのスタンバイ方法である通常設定も選択可能としたため、ユーザの利便性が損なわれることもない。
また請求項2にかかる発明によれば、赤外線LEDの発光間隔を徐々に延ばすため、スタンバイ時やDVDドライブを使用せずにテレビジョンのみを使用している場合などに、ユーザの利便性を損なわずに徐々に待機電力を減らしていくことが出来る。
そして請求項3にかかる発明によれば、DVDドライブにディスクが挿入されている間はディスクの挿入を監視する必要がないため、この間の赤外線LEDの発光を停止させ、消費電力を削減することが可能となる。
さらに請求項4にかかる発明によれば、赤外線LEDを間歇的に発光させるとき、発光間隔を徐々に延ばしていく設定と、一定の間隔で発光させ続ける設定とを選択可能となるため、発光間隔が長くなると利便性が落ちると感じるユーザにも対応可能となる。
また請求項5にかかる発明によれば、赤外線LEDを間歇的に発光させるとき、発光間隔を徐々に延ばしていくとともに、最終的には赤外線LEDの発光を完全に停止させるため、待機電力を大きく削減することが可能となる。
そして請求項6にかかる発明によれば、ユーザの生活スタイルに合わせて赤外線LEDの発光を方法を指定できるため、ユーザの利便性を損なうことなく、待機電力の削減を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)DVD一体型テレビジョンの構成:
(2)赤外線LEDの発光タイミング:
(3)節電設定選択処理:
(4)変形例:
(5)まとめ:
【0013】
(1)DVD一体型テレビジョンの構成:
以下、本考案の一実施形態にかかるDVD一体型テレビジョンについて説明する。図1は、DVD一体型テレビジョンを斜め前方より見た斜視図である。同図において、テレビジョン10は、キャビネット12と映像を画面に表示する平坦な表示面を前面に向けた液晶表示パネル14と脚部16とから構成されている。キャビネット12は、液晶表示パネル14をその表示面が前面側に露出するように保持しており、キャビネット内部に音声を出力するスピーカ(不図示)が設置されている。脚部16は、キャビネット12を支持しており、それにより液晶表示パネル14の表示面が略鉛直に配向させられている。キャビネット右側面上方にはスロットイン方式のDVDドライブ60のフロントパネルに対応する矩形の穴が形成され、テレビジョン10内部に設置されたDVDドライブに外部からディスクを挿入できるようになっている。
【0014】
図2は、本発明の実施形態にかかるテレビジョン10の概略構成をブロック図により示している。テレビジョン10は、概略、テレビジョン部30とDVD部60とリモコン80とからなる。
テレビジョン部30は、概略、アンテナ33の接続されたチューナ回路32と、画像データ生成回路34と、パネル駆動回路36と、液晶表示パネル14と、電源回路42と、テレビジョンマイコン48と、EEPROM44と、赤外線受光回路46と、インバータ回路40と、バックライト38と、タイマ回路50とからなる。上記構成においてテレビジョンマイコン48は、テレビジョン部30を構成する各部および後述するDVDマイコン62や赤外線センサ68や赤外線LED70などと電気的に接続しており、テレビジョンマイコン48内部の構成部品としてのCPUが、同じくテレビジョンマイコン48内の構成部品であるROMやRAMなどに書き込まれた各プログラムに従って、テレビジョン10全体を制御する。
【0015】
またテレビジョンマイコン48はOSD(オンスクリーンディスプレイ)回路を備えており、OSD回路は、画像データ生成回路34に接続され、液晶表示パネル14の画面にOSD表示する画像を表すOSD信号を生成し映像信号に重畳する。テレビジョンマイコン48は、CPUの制御により、赤外線受光回路46から電圧信号を入力されて対応するキー操作を検知するとリモコン80からの操作入力を受け付け、受け付けた操作入力に対応したOSD信号を生成する。なお、テレビジョンマイコン48におけるCPUやROMやRAMやOSD回路については図示を省略している。
【0016】
チューナ回路32は、テレビジョンマイコン48の制御によりアンテナ33よりテレビ放送を受信し、所定の信号増幅処理等を行いつつ、テレビジョン放送信号から中間周波信号としての映像信号を抽出し、画像データ生成回路34へ出力する。画像データ生成回路34は、入力された映像信号をその信号レベルに応じてデジタル信号化するとともに、映像信号から抽出した輝度信号と色差信号とに基づいてマトリクス変換処理を行ない、画像データとしてのRGB(レッド、グリーン、ブルー)信号を生成する。
【0017】
パネル駆動回路36では、画像データ生成回路34から上記RGB信号を入力されると、RGB信号に対して液晶表示パネル14の画素数(横縦比、m:n)に合わせたスケーリング処理を行い、液晶表示パネル14に表示する1画面分の画像データを生成する。そして、このように生成された画像データを液晶表示パネル14に出力することにより、液晶表示パネル14に画像データに基づく画像表示をさせる。
【0018】
電源回路42は、外部の商用電源等から電源電圧(交流)の供給を受けるとともに、同供給された電源電圧を、テレビジョンマイコン48を始めインバータ回路40等、各回路へ供給する。電源回路42は、必要に応じて各回路へ供給する電圧を交流から直流へと変換する。
インバータ回路40は、電源回路42から供給された直流電圧を交流電圧に変換し、駆動信号としての当該交流電圧をバックライト38に供給し、バックライト38を点灯させる。バックライト38は、液晶表示パネル14を背面から照射する光源の役割を果たす。
ここで、主基板には、概略、チューナ回路32と、画像データ生成回路34と、パネル駆動回路36と、電源回路42と、テレビジョンマイコン48と、タイマ回路50とが搭載されるものとする。
【0019】
またDVD部は、概略、DVDマイコン62と、ディスク回転モータ64と、ローディングモータ66と、赤外線センサ68と、赤外線LED70と、光ピックアップ72と、ディスク排出ボタン74とから成る。上記構成において、DVDマイコン62は、DVD部60を構成する各部と電気的に接続されており、テレビジョンマイコン48の制御信号に従ってDVDマイコン62内部の構成部品としてのCPUが、同DVDマイコン62内の構成部品であるROMやRAMなどに書き込まれた各プログラムに従って、DVD部60全体を制御する。なお、CPUやROMやRAMについては図示を省略している。
【0020】
図3にスロットイン方式DVDドライブの断面図を示す。ディスク挿入口付近には赤外線LED70と赤外線センサ68が対向して設置され、赤外線LED70から赤外線センサ68に向けて赤外光が発光されている。ディスクがディスク挿入口より挿入されると、赤外線センサ68は赤外線LED70からの赤外線を受光できなくなり、赤外線を受光していない旨の信号を出力する。DVDマイコン62またはテレビジョンマイコン48は、赤外線センサ68が出力する信号を監視しており、赤外線センサ68からの受光していない旨の信号を検知することでディスクの挿入を検知する。
【0021】
電源オン時には、赤外線LED70および赤外線センサ68はDVDマイコン62によって制御されるが、スタンバイ時にはDVDマイコン62への電力の供給が停止されるため、赤外線LED70および赤外線センサ68はテレビジョンマイコン48によって直接制御されるとともに、赤外線センサ68の出力する電圧信号はテレビジョンマイコン48に出力される。
【0022】
DVDマイコン62またはテレビジョンマイコン48は、ディスクの挿入を検知するとローディングモータ66を回転させてディスクをDVDドライブ60の内部に引き込む。そしてディスク回転モータ64がディスク中央の穴に接触してディスクを回転させ、光ピックアップ72がディスクの径方向や回転方向に移動しながらディスクに光を照射して、その反射光を検出することによりディスクに書き込まれた情報を取得する。そしてディスク排出ボタン74が押し下げ操作されると、ローディングモータ66はディスクを挿入したときとは逆方向に回転し、ディスクを排出する。
【0023】
リモコン80は操作を受け付ける複数のキーと、上記赤外線信号を上記赤外線受光回路に向けて送信する赤外線送信回路とを有し、同複数のキーの操作に応じた赤外線信号を所定のフォーマットで送出する。例えば、図4に図示するリモコン80を用いて所望のチャンネルを受信させるべく操作すると、赤外線送信部85より対応する赤外線リモコン信号が送出される。そして、テレビジョンマイコン48が赤外線受光回路46を介して同赤外線リモコン信号を受信し、対応するチャンネルを受信させるように周波数データをチューナ回路32に送出する。またリモコン80はテンキー83、音量調節キー82a,82b、上下左右カーソル移動キー81a,81b,81c,81d、カーソル選択キー81e、およびメニューキー87を備えている。
【0024】
図5はリモコン80の概略構成を示すブロック図である。リモコン80は、制御回路92を備え、同制御回路92に接続された操作キー91(図では3つの操作キーを例示)は図4のテンキー83、音量調節キー82a,82b、上下左右カーソル移動キー81a,81b,81c,81d、カーソル選択キー81e、およびメニューキー87にあたる。また制御回路92には赤外線送信回路96が接続されている。
【0025】
赤外線送信回路96は、図示しない赤外線発光素子を有しており、制御回路92から出力される信号に対応した赤外線信号(無線信号)が、外部へ送信されるようになっている。制御回路92は、CPU93、ROM94、RAM95等を備えている。そして、CPU93がRAM95をワークエリアとして利用しながらROM94に記憶された所定のプログラムを実行し、リモコン80全体の制御を行う。リモコン80は、操作キーから操作入力を受け付け、入力された内容に対応する制御データを生成し、赤外線信号に変換して送信する。
【0026】
(2)赤外線LEDの発光タイミング
スロットイン方式のDVDドライブにおいては、ディスクの挿入を検知してディスクを引き込む必要があるため、挿入口付近に赤外線LED70および赤外線センサ68が対向して設置され、赤外線LED70が間歇的に発光している。この発光間隔は、電源オンのときはDVDマイコン62によって実行される制御プログラムによって制御され、スタンバイ時はテレビジョンマイコン48により実行される制御プログラムにて制御される。
【0027】
制御の方法としては、トランジスタによるスイッチング回路を設けるなどして、テレビジョンマイコン48またはDVDマイコン62からL/H出力することで、赤外線LED70に流れる電流のオン/オフを制御すればよい。むろんそれ以外にもボタンスイッチとICや電子回路とを組み合わせて赤外線LED70に流れる電流のオン/オフを制御するなどしても構わない。
【0028】
図6に赤外線LED70の発光間隔を表すタイミングチャート示す。同図において、赤外線LED70はONのとき発光し、OFFのとき発光を停止する。赤外線LED70は、第一パターンでは発光し続け、第二パターンでは一定間隔をおいて間歇的に発光し、第三パターンでは第二パターンよりも発光と次の発光の間隔を長くした間歇発光であり、第四パターンでは発光しない。電力消費量は第一パターン、第二パターン、第三パターン、第四パターンの順に少なくなり、第四パターンでは赤外線LED70の電力消費量は0となる。
【0029】
第二パターン発光の間隔としては、1秒であっても2秒であってその他のいかなる間隔であってもよく、様々な時間間隔を採用可能である。また、第三パターンの発光の間隔は、第二パターンよりも長く、経過時間とともに発光の間隔が次第に長くなるものとする。例えば、第二パターンの発光間隔を1秒間隔とすると、第三パターンでは初期状態では2秒間隔で発光し、時間の経過とともに3秒、4秒、と徐々にその間隔を延ばしていく。
【0030】
従来においては、DVD一体型テレビジョンを含むDVD機器は、電源オン時は図6の第一パターンのように赤外線LED70は常に発光しており、スタンバイ時は図6の第二パターンのように赤外線LED70は間歇的に発光して、電力消費を抑えつつディスクの挿入を監視している。また、ディスクがDVDドライブに挿入され、ロードされている間も赤外線LED70は発光し続けていた。従来の方法に、ディスク挿入中の赤外線LED70の発光を停止する構成を加えた、電源オン時には第一パターン、スタンバイ時には第二パターン、ディスク挿入時は電源オン/スタンバイに関わらず第四パターン、のタイミングで赤外線LED70を発光させる設定を通常設定とする。
【0031】
本発明においては、上記通常設定以外に、通常設定よりも赤外線LED70の発光を抑える節電設定を設けて、通常設定と節電設定とを選択可能とする。当該節電設定における赤外線LED70の発光タイミングは、電源オン時には、DVDドライブにディスクが挿入されていないときには第一パターンとし、DVDドライブにディスクが挿入されているときには第四パターンをとるものとする。
【0032】
一方、スタンバイ時には、まず第二パターンでディスクの挿入を監視し、所定の時間ディスクの挿入を検知しないときは、発光の間隔長い第三パターンに移行し、さらに所定の時間ディスクの挿入を検知しない場合はまったく発光しない第四パターンに移行する。さらにディスクがDVDドライブに挿入されている間は、電源オン/スタンバイに関わらず、赤外線LED70の発光を行わない第四パターンを取るものとする。むろん、電源オン時の節電設定における赤外線LED70の発光パターンを、第一パターンではなく第二パターンとしても構わない。
【0033】
(3)節電設定選択処理:
通常設定と節電設定の選択は、テレビジョンの各種設定を行うメニュー画面から行う。リモコン80のメニューキー87が押し下げ操作されると、図10のようにメニュー画面が表示される。メニュー画面は「画質」、「音質」、「チャンネル設定」、「予約」、「待機電力優先」などの操作項目がいずれかの位置に対応させたカーソルとともにOSD表示される。
【0034】
このときのテレビジョンマイコン48は、メニュー画面の操作項目全てを表す情報をROMより取得して、いずれかの位置に対応させたカーソルとともにOSD表示させるOSD信号をOSD回路に生成させ、画像データ生成回路34からの映像信号に当該生成したOSD信号を重畳し、OSD信号を重畳した映像信号を画像データ生成回路34に対して供給する。すると、画像データ生成回路34にてOSD信号を重畳した映像信号に対応するRGB信号が生成され、パネル駆動回路36は、画像データ生成回路34から上記RGB信号が入力されると、液晶表示パネル14に表示する1画面分の画像データを生成して、液晶表示パネル14に出力することにより、液晶表示パネル14に画像データに基づく画像表示をさせる。
【0035】
ここで、映像信号にOSD信号が重畳されているので、テレビジョン10の画面にはカーソルとともに操作項目の一覧が表示される。このとき、ユーザーはこのメニュー画面に従ってリモコン60に配置された操作キーを押し下げ操作することで操作項目の選択入力を行うことができる。そこで、テレビジョンマイコン48は、赤外線受光回路から電圧信号を入力して対応するキー操作を検知することにより、リモコンから操作入力を受け付ける。ここで、上下左右カーソル移動キー81a,81b,81c,81dの操作を検知した場合、カーソルを上下左右に移動させる。
【0036】
そして、カーソル移動キー81a,81b,81c,81dにてカーソルを「待機電力優先」にあわせてカーソル選択キー81eを押し下げ操作すると、テレビジョンマイコン48はEEPROM44から現在の設定状態を示す情報を取得して、現在の設定状態が「通常設定」と「節電設定」のいずれであるかが表示されるとともに、「節電設定」を選択するか否かを選択する「YES」、「NO」の操作項目が図11のように表示される
【0037】
以下、通常設定と節電設定とを選択する際のテレビジョンマイコン48の処理を、図9のフローチャートを参照して説明する。本フローはメニュー画面にて「待機電力優先」の操作項目が選択入力されたときに行われる。
【0038】
処理を開始すると、まずステップS100にてEEPROM44に記憶されている「待機電力優先」の現在の設定を表す情報を取得してテレビジョンマイコン48のRAMに格納してステップS110に進む。EEPROM44に記憶される情報としては、「通常設定」のとき「0」、「節電設定」のときは「1」として、所定のアドレスに同情報が格納されているものとする。
【0039】
ステップS110では、図11のように、ステップS100にて取得した情報に基づいて現在の設定を表示するとともに、操作項目「YES」と「NO」を、いずれかの操作項目にあわせたカーソルとともに表示してステップS130に進む。
【0040】
ステップS125ではカーソル移動キーおよびカーソル選択キー85eの操作入力を検知して受け付ける。カーソル選択キー85eの操作を受け付けたときは、条件成立としてステップS130に進む。一方、カーソル移動キーの操作を検知すると、左右カーソル移動キー81b,81dの操作を検知した場合はカーソルを左右に移動させ、上下カーソル移動キー81a,81cの操作を検知したときは何も行わず、条件不成立としてステップS125を繰り返す。
【0041】
ステップS125で条件成立となり、ステップS130に進むと、カーソル選択キー85eが押し下げ操作されたときにカーソルが選択中の操作項目が「YES」であったか「NO」であったかを判断する。「YES」を選択していた場合は条件成立としてステップS140に進み、「NO」を選択していた場合は条件不成立としてステップS150に進む。
【0042】
ステップS140ではEEPROM44の所定のアドレスに「節電設定」を示す「1」を記憶させて、テレビジョンマイコン48のRAMで実行中の制御プログラムの赤外線LED70の発光タイミングを「節電設定」のタイミングで行わせるように変更させて、当フローを終了する。
【0043】
一方ステップ150に進むと、EEPROM44の所定のアドレスに「通常設定」を示す「0」を記憶させて、テレビジョンマイコン48のRAMで実行中の制御プログラムの赤外線LED70の発光タイミングを「通常設定」のタイミングに変更させて、当フローを終了する。
ステップS140を実行してフローを終了すると、図9のフローチャートに従って赤外線LEDに制御信号を出力する
一方、ステップS150を実行してフローを終了すると、テレビジョン10が電源オン時は、テレビジョンマイコン48にて実行される制御プログラムは図6の赤外線LED70は図6の第一パターンのように赤外線LED70を発光させる制御信号を出力し、赤外線LED70に常時通電させて定常発光させる。一方、スタンバイ時には図6の第二パターンのように一定の時間間隔を置いて赤外線LED70を発光させる制御信号を出力し、赤外線LED70を間歇的に通電させて間歇発光させる。この場合、時間経過に関わらずスタンバイ時を通して、赤外線LED70は第二パターンに従って間歇発光し続ける。
【0044】
以上より、赤外線LED70の発光タイミングを、第二パターンにて制御するテレビジョンマイコン48で実行される制御プログラムが、上記タイマの計時結果に関わらず一定の発光間隔で上記赤外線LEDを発光させる第二間歇発光手段を構成する。
また、ステップS100〜S130の処理を行うテレビジョンマイコン48が、上記発光制御手段と上記第二発光制御手段とを切り換えて選択する発光方法選択手段を構成する。
【0045】
図7のフローチャートを参照して節電設定実行時のテレビジョンマイコン48の処理を説明する。当該フローは、電源オフのときを除いて、節電設定が選択されている間は繰り返し実行される。
処理が開始されると、テレビジョンマイコン48はステップS195でスタンバイ状態であるか否かの判断を行う。スタンバイ状態の時は条件成立としてステップS200に進む。一方、スタンバイ状態でないとき、すなわち電源オンの時は、ステップS196に進み、DVDマイコン62に制御信号を出力し、赤外線LED70の定常発光を開始させ、当該フローを終了する。
【0046】
ステップS195で条件成立となりステップS200に進むと、ステップS200で発光間隔時間を初期化してRAMに記憶させ、ステップS210に進む。当該フローにおける発光間隔時間の初期値は2秒とする。ステップS210ではRAMに記憶された発光間隔時間に従って赤外線LED70への制御信号出力を開始し、赤外線LED70を間欠発光させ、ステップS211に進む。
【0047】
ステップS211では、赤外線センサ68の信号を監視することにより、ディスクがDVDドライブ60に挿入されたか否かを判断する。赤外線LED70と赤外線センサ68の間にディスクが挿入され、赤外線センサ68が赤外線LED68から赤外線を受光できなくなる旨の信号を出力すると、テレビジョンマイコン48は同信号を検知する。この場合条件成立となり、ステップS212に進む。なお、ディスクがDVDドライブ60に挿入されていない場合は、テレビジョンマイコン48は赤外線センサ68からの信号を検知しないので条件不成立となりステップS220に進む。
【0048】
ステップS212では、テレビジョン本体20の電源をオンにするとともに、赤外線LED70の発光を停止させてステップS213に進む。ステップS213では、DVDマイコン62がDVDドライブ60からのディスクの排出を検知したときに出力する信号を監視し、DVDドライブ60からディスクが排出されたか否かを判断する。ディスク排出ボタン74が押し下げ操作されると、ローディングモータ66がディスクを排出するとともに、DVDマイコン62にディスク排出を示す信号を出力する。信号を検知したDVDマイコン62は、ディスクが排出された旨を示す信号をテレビジョンマイコン48に出力し、テレビジョンマイコン48は同信号を検出することによりディスクの排出を検知する。この場合条件成立となり当該フローを終了する。一方、同信号を検出しないときは条件不成立とし、ステップS213を繰り返す。
【0049】
ステップS211で条件不成立となりステップS220に進むと、現在の発光間隔時間で発光を開始して経過した時間が、所定時間を超えたか否かを判断する。所定時間を超えていると条件成立としステップS230に進む。一方、所定時間を超えていないと条件不成立とし、ステップS220を繰り返す。当該所定時間としては任意の時間を採用可能である。
【0050】
ステップS230ではRAMに記憶された発光間隔時間を取得し、インクリメントしてRAMに記憶させなおしてステップS240に進む。ステップS240では当該フローにてステップS200が実行されてからの総時間が所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していると条件成立としてステップS250に進む。一方、所定時間経過していないと判断されると条件不成立としてステップS210に戻り、ステップS210〜S240の処理を繰り返す。当該所定時間としてはステップS220の所定時間よりも長ければよく、任意の時間を採用可能である。
【0051】
ステップS240で条件成立となりステップS250に進むと、赤外線LED70の発光を停止してステップS260に進む。ステップS260ではテレビジョン本体20の電源がオンされたか否かを判断する。電源がオンになるとテレビジョンマイコン48は、その旨を示す制御信号を検知する。この場合条件成立として当該フローを終了する。一方、電源がオンにならず、スタンバイ状態である間は条件不成立としてステップS260を繰り返す。
【0052】
以上より、図7のステップS200,S220〜S240の処理を行うテレビジョンマイコン48が、タイマの計時結果に基づいて計時が長くなるにつれて発光間隔の時間を長くする発光間隔設定手段を構成する。
また、図7のステップS200の処理を行うテレビジョンマイコン48が、設定された発光間隔の時間に基づいて上記赤外線LEDを間欠的に発光させる発光制御手段を構成する。
【0053】
図8のフローチャートを参照しながら、通常設定実行時のテレビジョンマイコン48の処理を説明する。当該フローは、通常設定が選択されている間は繰り返し実行されている。
処理を開始すると、まず、テレビジョンマイコン48はステップS300でスタンバイ状態であるか否かの判断を行う。スタンバイ状態の時は条件成立としてステップS310に進む。一方、スタンバイ状態でないとき、すなわち電源オンの時は、ステップS350に進み、DVDマイコン62に制御信号を出力し、赤外線LED70の定常発光を開始させ、当該フローを終了する。
【0054】
ステップS310では、図6の第二パターンのように、一定間隔で赤外線LEDへ制御信号出力を開始し、赤外線LED70を間欠発光させ、ステップS320に進む。
ステップS320では赤外線センサ68の信号を監視することにより、ディスクがDVDドライブ60に挿入されたか否かを判断する。赤外線LED70と赤外線センサ68の間にディスクが挿入され、赤外線センサ68が赤外線LED68から赤外線を受光できなくなる旨の信号を出力すると、テレビジョンマイコン48は同信号を検知する。この場合条件成立となり、ステップS330に進む。なお、ディスクがDVDドライブ60に挿入されていない場合は、テレビジョンマイコン48は赤外線センサ68からの信号を検知しないので条件不成立となりステップS320を繰り返す。
【0055】
ステップS330では、テレビジョン本体20の電源をオンにするとともに、赤外線LED70の発光を停止させてステップS340に進む。
ステップS340では、DVDマイコン62がDVDドライブ60からのディスクの排出を検知したときに出力する信号を監視し、DVDドライブ60からディスクが排出されたか否かを判断する。ディスク排出ボタン74が押し下げ操作されると、ローディングモータ66がディスクを排出するとともに、DVDマイコン62にディスク排出を示す信号を出力する。信号を検知したDVDマイコン62は、ディスクが排出された旨を示す信号をテレビジョンマイコン48に出力し、テレビジョンマイコン48は同信号を検出することによりディスクの排出を検知する。この場合条件成立となり当該フローを終了する。一方、同信号を検出しないときは条件不成立とし、ステップS340を繰り返す。
【0056】
次に、上記構成からなる本実施形態の動作を説明する。
DVDの鑑賞をすることが少ない人や、省エネに関心があって待機電力を出来る限り削減したいと考える人は、メニュー画面の「省エネ」設定から「節電設定」を選択することで、待機電力の削減を行うことができる。メニュー画面が表示されると、ユーザは、カーソル移動キー81a,81b,81c,81dにてカーソルを「待機電力優先」にあわせてカーソル選択キー81eを押し下げ操作する。すると、テレビジョンマイコン48はEEPROM44から現在の設定状態を示す情報を取得して(ステップS100)、現在の設定状態が「通常設定」と「節電設定」のいずれであるかを表示するとともに、「節電設定」を選択するか否かを選択する「YES」、「NO」の操作項目を図11のように表示する(ステップS110)。
【0057】
そして、ユーザがカーソル移動キー81a,81b,81c,81dを押し下げ操作してカーソルを「YES」にあわせ、カーソル選択キー81eを押し下げ操作すると、テレビジョンマイコン48は、赤外線受光回路46からカーソル移動キーおよびカーソル選択キーのキー操作の電圧信号の入力を検知することにより、カーソル移動キーおよびカーソル選択キーのいずれかが押し下げ操作されたか否かを判断する(ステップS125)。ユーザーがリモコン80上のカーソル移動キーおよびカーソル選択キーのいずれかを押し下げ操作すると赤外線送信部85より当該キーに応じた赤外線信号を所定のフォーマットで送出する。すると、テレビジョンマイコン48は、赤外線受光回路46を介してリモコンからの同赤外線信号を受信し、同赤外線信号に前記キーの操作に対応する情報(以下、カーソルキー情報)が含まれることを検知し、カーソル選択キー押し下げ操作時にカーソルが選択中であった操作項目「YES」に対応する情報を取得する。
【0058】
このとき受信したカーソルキー情報がカーソル移動キーの情報であればカーソルを対応する方向に移動させた後、条件不成立としてステップS125を繰り返す。一方、受信したカーソルキー情報がカーソル選択キーのものであれば、条件成立となり、ステップS130に進む。なお、リモコン60のカーソル移動キーおよびカーソル選択キーのいずれも押し下げ操作されていないと、テレビジョンマイコン48はカーソルキーの操作を検知しないので、条件不成立となってステップS125の判断処理を繰り返しつつ、ユーザの操作入力を待つ。
【0059】
ステップS130では、ステップS125でカーソル選択キーが押し下げ操作されたときにカーソルが選択中の操作項目が「YES」と「NO」のいずれであったかをテレビジョンマイコン48が判断する。ユーザは「YES」を選択しているためステップS140に進み、テレビジョンマイコン48がEEPROM44の所定のアドレスに「節電設定」を表す「1」を格納するとともにテレビジョンマイコン48のRAMにて実行中の制御プログラムに「節電設定」を実行させる。
【0060】
すると、テレビジョン10が電源オン時は、テレビジョンマイコン48にて実行される制御プログラムがRAMに記憶された発光間隔時間に従って赤外線LED70へ制御信号出力を開始し、赤外線LED70は図6の第一パターンに従って定常発光する(ステップS196)。
【0061】
一方、スタンバイ時には図6の第二パターンのように間歇発光を開始する(ステップS200〜S210)。そして所定時間経過するごとに、テレビジョンマイコン48にて実行される制御プログラムがRAMに記憶された発光間隔時間をインクリメントするため、発光間隔は徐々に長くなる(ステップS220〜S240)。そして発光が開始されてからの総時間が所定時間経過すると、テレビジョンマイコン48からの制御信号の出力が停止されて、赤外線LED70の発光が停止する(ステップS240〜S260)。
【0062】
さらに、スタンバイ時に、赤外線LED70が発光している間にディスクの挿入を検知すると(ステップS211)、テレビジョンマイコン48はテレビジョン本体の電源をオンにするとともに、赤外線LED70に対する制御信号の出力を停止し、赤外線LED70は発光を停止する(ステップS212)。
【0063】
一方、ユーザーが利便性を優先する場合は、ユーザは従来どおりにディスクの挿入を監視する「通常設定」選択することが出来る。このときはステップS120までは「節電設定」を選択する際と同様の操作をすればよい。そして、ユーザはカーソル移動キー81a,81b,81c,81dを押し下げ操作してカーソルを「NO」にあわせて、カーソル選択キー81eを押し下げ操作する(ステップS125)。するとテレビジョンマイコン48は、カーソル選択キー押し下げ操作時にカーソルが選択中であった操作項目「NO」に対応する情報を取得する。カーソル移動キーおよびそれ以外のキーが操作されたときのテレビジョンマイコン48の処理は「節電設定」と同様である。
【0064】
そしてステップS130では、ステップS125でカーソル選択キーが押し下げ操作されたときにカーソルが選択中の操作項目が「YES」と「NO」のいずれであったかをテレビジョンマイコン48が判断する。ユーザは「NO」を選択しているためステップS150に進み、テレビジョンマイコン48がEEPROM44の所定のアドレスに「通常設定」を表す「0」を格納するとともにテレビジョンマイコン48のRAMにて実行中の制御プログラムに「通常設定」を実行させる。
【0065】
すると、テレビジョン10が電源オン時は、赤外線LED70は図6の第一パターンに従って定常発光する(ステップS350)。また、スタンバイ時には図6の第二パターンのように間歇発光を開始する(ステップS310)。またスタンバイ時に、ディスクの挿入を検知すると(ステップS320)、テレビジョンの電源をオンにするとともに、赤外線LED70に対する制御信号の出力を停止し、赤外線LED70は発光を停止する(ステップS340)。
【0066】
(4)変形例:
また、節電設定の開始時刻と終了時刻を指定し、通常設定と節電設定とを変更して適用する設定としても構わない。このとき、開始時刻前は通常設定が実行され、開始時刻になると節電設定が実行され、終了時刻になると節電設定が終了されて通常設定が実行される。
【0067】
テレビジョンが家庭で使用されており、ユーザが平日の昼間に仕事のために使用しないならば、その間テレビジョンは使用されない。従って、平日の午前9時〜午後5時までは節電設定とし、ユーザが帰宅してDVDを観賞しそうな午後5時〜午前0時および午前6時〜午前9時は通常設定とし、ユーザが就寝する午前0時〜午前6時までは節電設定とする。むろん時刻だけでなく、曜日や日付も含めて開始時刻と終了時刻をしても構わない。
【0068】
図12のフローチャートを参照して開始時刻と終了時刻を指定して節電設定を実行するときのマイコンの処理を説明する。当該フローはテレビジョンが起動されたときに実行される。
処理が開始されると、テレビジョンマイコン48はステップS400でEEPROM44に記憶された開始時刻および終了時刻を表す情報を取得してステップS410に進む。 ステップS410では、赤外線LED70を通常設定で発光開始させる。
【0069】
そしてステップS420に進むとステップS400で取得した開始時刻とタイマ回路50から取得した現在時刻とを比較して、開始時刻を経過しているか否かを判断する。現在時刻が開始時刻を経過していれば、条件成立としてステップS430に進む。一方、現在時刻が開始時刻を経過していなければ条件不成立としてステップS420の判断を繰り返す。
【0070】
ステップS430では、赤外線LED70を節電設定で発光開始させる。
そしてステップS440ではステップS400で取得した終了時刻とタイマ回路50から取得した現在時刻とを比較して、終了時刻を経過しているか否かを判断する。現在時刻が終了時刻を経過していれば、条件成立としてステップS410に進みステップS410〜S440の処理を繰り返す。一方、現在時刻が終了時刻を経過していなければ条件不成立としてステップS440の判断を繰り返す。
【0071】
以上より開始時刻と終了時刻を表す情報を記憶しているEEPROM44が、上記発光制御手段を開始する開始日時と終了する終了日時とを記憶する記憶手段を構成する。
また、図12のステップS400〜S440の処理を行うテレビジョンマイコン48が、上記記憶媒体より上記開始日時と上記終了日時とを取得するとともに、上記タイマ手段の日時が上記開始日時となると上記発光制御手段を実行し、上記終了日時となると上記発光制御手段を停止する予約実行手段を構成する
【0072】
(5)まとめ:
つまり、本発明においては、スロットイン方式のDVDドライブ60を備えるテレビジョン10において、メニュー画面より「通常設定」と「節電設定」とを選択可能とする。節電設定では、電源オン時はディスク挿入を監視するために発光している赤外線LED70を常時発光させるとともに、スタンバイ時は赤外線LED70の発光間隔を徐々に長くし、所定時間経過後に発光を停止させる。一方、通常設定では従来どおり電源オン時は赤外線LED70を常時発光させ、スタンバイ時は一定の時間間隔を置いて間歇的に発光させる。
【0073】
以上説明したように、本実施例に対応する請求項2にかかる発明は、外部の商用電源等から電源電圧の供給を受けて各回路へ供給可能な電源回路と、スロットイン方式のディスク状記録媒体読取装置と、上記ディスク状記録媒体読取装置へのディスク状記録媒体挿入を検知する赤外線LEDと赤外線センサとから成るディスク状記録媒体挿入検知センサと、所定の経過時間を計時するタイマと、上記タイマの計時結果に基づいて計時が長くなるにしたがって発光間隔の時間を長くする発光間隔設定手段と、上記発光間隔に基づいて上記赤外線LEDを間欠的に発光させる発光制御手段とを備える構成としてある。
【0074】
つまり、上記発光間隔設定手段は、上記タイマの計時する所定の経過時間に基づいて計時が長くなるに従って発光間隔の時間を長くし、上記発光制御手段が上記発光間隔に基づいて赤外線LEDを間欠的に発光させて、上記ディスク状記録媒体読取装置へのディスク状記録媒体挿入を、上記ディスク状記録媒体挿入検知センサが検知する。
【0075】
上記ディスク状記録媒体としては、DVDであってもCDであってもよく、ディスク状の記録媒体であればいかなる形態のものであっても構わない。また上記間歇発光手段は、上記赤外線LEDを間歇的に発光させることが可能であればいかなるものであってもよく、マイコンであってもICであっても電子回路であっても構わない。
上記のように構成した請求項2に記載の発明においては、赤外線LEDの発光間隔を徐々に延ばすため、スタンバイ時やDVDドライブを使用せずにテレビジョンのみを使用している場合などに、ユーザの利便性を損なわずに徐々に待機電力を減らしていくことが出来る。
【0076】
また請求項3では、上記請求項2に記載のテレビジョンにおいて、上記発光制御手段は、上記ディスク状記録媒体読取装置がディスク状記録媒体をロード中は上記赤外線LEDの発光を停止させる構成としてある。
上記のように構成した請求項3に記載の発明においては、DVDドライブにディスクが挿入されている間はディスクの挿入を監視する必要がないため、この間の赤外線LEDの発光を停止させることにより、消費電力を削減することが可能となる。
【0077】
そして請求項4では、上記請求項2または3に記載のテレビジョンにおいて、上記テレビジョンは、上記タイマの計時結果に関わらず一定の発光間隔で上記赤外線LEDを発光させる第二発光制御手段と、上記発光制御手段と上記第二発光制御手段とを切り換えて選択する発光方法選択手段とを備える構成としてある。
上記第二発光制御手段としては、一定の間隔で赤外線LEDを発光させることができればよく、トランジスタをマイコンで制御するものや、スイッチとICや電子回路とを組み合わせたものなど様々な構成が採用可能である。また、上記発光方法選択手段としては、上記発光制御手段と上記第二発光制御手段とを切り換えて選択することが出来ればいかなるものであってもよく、マイコンにて実行されるプログラムや、スイッチを備えた電子回路やICなど様々な構成が採用可能である。
上記のように構成した請求項4に記載の発明においては、赤外線LEDを間歇的に発光させるとき、発光間隔を徐々に延ばしていく設定と、一定の間隔で発光させ続ける設定とを選択可能となるため、発光間隔が長くなると利便性が落ちると感じるユーザにも対応可能となる。
【0078】
さらに請求項5では、上記請求項2〜4のいずれかに記載のテレビジョンにおいて、上記発光制御手段は、上記発光間隔が所定の間隔以上になると、上記赤外線LEDの発光を停止させる構成としてある。
当該請求項5における上記所定の時間としては、5分でも10分でも1時間でも、様々な時間が採用可能である。
上記のように構成した請求項5に記載の発明においては、赤外線LEDの発光を完全に停止させるため、待機電力を大きく削減することが可能となる。
【0079】
また請求項6では、上記タイマは時刻を保持し、上記テレビジョンは、上記発光制御手段を開始する開始日時と終了する終了日時とを記憶する記憶手段と、上記記憶媒体より上記開始日時と上記終了日時とを取得するとともに、上記タイマ手段の日時が上記開始日時となると上記発光制御手段を実行し、上記終了日時となると上記発光制御手段を停止する予約実行手段とを備える構成としてある。
上記開始日時および上記終了日時としては、一定の時間の中で規則性を持って指定可能であればいかなるものであってもよく、一日の中の時刻で指定されてもよく、一週間の中の曜日で指定されてもよく、また一年の中の月日で指定されてもよく、様々な指定の仕方が可能である。
上記のように構成した請求項6に記載の発明においては、ユーザの生活スタイルに合わせて赤外線LEDの発光を方法を指定できるため、ユーザの利便性を損なうことなく、待機電力の削減を行うことが可能となる。
【0080】
以上の構成を踏まえた上で、請求項1の発明は、映像を画面に表示する平坦な表示面を前面に向けた液晶表示パネルと、音声を出力するスピーカと、テレビ放送を受信して映像を上記液晶表示パネルに表示させるとともに音声を上記スピーカにて出力させる主基板と、上記液晶表示パネルと上記スピーカと上記主基板とを収容する樹脂製のキャビネットと、赤外線センサと赤外線LEDとが対向して設置され、上記赤外線センサと上記赤外線LEDとの間にディスクが挿入されるとディスクの挿入を検知してディスクを内部に引き込むスロットイン方式のDVDドライブと、所定の経過時間を計時するタイマと、上記赤外線LEDの発光タイミングを制御するマイコンとを備えるDVD一体型テレビジョンにおいて、上記マイコンは、複数の発光タイミングを組み合わせた節電設定と通常設定とを選択して実行可能であり、上記節電設定においては、上記テレビジョンの電源がオンの時は上記赤外線LEDを常時発光させ、上記テレビジョンがスタンバイ時にはまず一定の時間間隔を置いて上記赤外線LEDを間歇的に発光させたのち、徐々に赤外線LEDの発光間隔を長くして間歇的に発光させ、さらに所定の時間経過後に上記赤外線LEDの発光を停止させ、ディスクが上記DVDドライブに挿入されている間は上記赤外線LEDの発光を停止させ、上記通常設定においては、上記テレビジョンの電源がオンの時は上記赤外線LEDを常時発光させ、上記テレビジョンがスタンバイ時には常に所定の時間間隔を置いて上記赤外線LEDを間歇的に発光させ、ディスクが上記DVDドライブに挿入されている間は上記赤外線LEDの発光を停止させる構成としてある。
【0081】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】スロットイン方式DVDドライブ一体型液晶テレビジョンの外観図である。
【図2】スロットイン方式DVDドライブ一体型液晶テレビジョンの概略ブロック図である。
【図3】スロットイン方式DVDドライブの断面図である。
【図4】本発明のリモコンの一例を示す図である。
【図5】本発明のリモコンの概略構成を示すブロック図である。
【図6】赤外線LEDの発光タイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】節電設定実行時のテレビジョンマイコンの処理を示すフローチャートである。
【図8】通常設定実行時のテレビジョンマイコンの処理を示すフローチャートである。
【図9】節電設定と通常設定とを選択する際のマイコンの処理を示すフローチャートである。
【図10】メニュー画面の一例である。
【図11】待機電力優先を設定する画面の一例である。
【図12】通常設定実行時のテレビジョンマイコンの処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
10…テレビジョン
12…キャビネット
14…液晶表示パネル
16…脚部
20…テレビジョン本体
30…テレビジョン部
32…チューナ回路
33…チューナ
34…画像データ生成回路
36…パネル駆動回路
38…バックライト
40…インバータ回路
42…電源回路
44…EEPROM
46…赤外線受光回路
48…テレビジョンマイコン
60…DVDドライブ(DVD部)
62…DVDマイコン
64…ディスク回転モータ
66…ローディングモータ
68…赤外線センサ
70…赤外線LED
72…光ピックアップ
80…リモコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を画面に表示する平坦な表示面を前面に向けた液晶表示パネルと、
音声を出力するスピーカと、
テレビ放送を受信して映像を上記液晶表示パネルに表示させるとともに音声を上記スピーカにて出力させる主基板と、
上記液晶表示パネルと上記スピーカと上記主基板とを収容する樹脂製のキャビネットと、
赤外線センサと赤外線LEDとが対向して設置され、上記赤外線センサと上記赤外線LEDとの間にディスクが挿入されるとディスクの挿入を検知してディスクを内部に引き込むスロットイン方式のDVDドライブと、
所定の経過時間を計時するタイマと、
上記赤外線LEDの発光タイミングを制御するマイコンとを備えるDVD一体型テレビジョンにおいて、
上記マイコンは、
複数の発光タイミングを組み合わせた節電設定と通常設定とを選択して実行可能であり、
上記節電設定においては、上記テレビジョンの電源がオンの時は上記赤外線LEDを常時発光させ、上記テレビジョンがスタンバイ時にはまず一定の時間間隔を置いて上記赤外線LEDを間歇的に発光させたのち、徐々に赤外線LEDの発光間隔を長くして間歇的に発光させ、さらに所定の時間経過後に上記赤外線LEDの発光を停止させ、ディスクが上記DVDドライブに挿入されている間は上記赤外線LEDの発光を停止させ、
上記通常設定においては、上記テレビジョンの電源がオンの時は上記赤外線LEDを常時発光させ、上記テレビジョンがスタンバイ時には常に所定の時間間隔を置いて上記赤外線LEDを間歇的に発光させ、ディスクが上記DVDドライブに挿入されている間は上記赤外線LEDの発光を停止させる
ことを特徴とするDVD一体型テレビジョン。
【請求項2】
外部の商用電源等から電源電圧の供給を受けて各回路へ供給可能な電源回路と、
スロットイン方式のディスク状記録媒体読取装置と、
上記ディスク状記録媒体読取装置へのディスク状記録媒体挿入を検知する赤外線LEDと赤外線センサとから成るディスク状記録媒体挿入検知センサと、
所定の経過時間を計時するタイマと、
上記タイマの計時結果に基づいて計時が長くなるにしたがって発光間隔の時間を長くする発光間隔設定手段と、
上記発光間隔に基づいて上記赤外線LEDを間欠的に発光させる発光制御手段
とを備えることを特徴とするテレビジョン。
【請求項3】
上記発光制御手段は、上記ディスク状記録媒体読取装置がディスク状記録媒体をロード中は上記赤外線LEDの発光を停止させることを特徴とする上記請求項2に記載のテレビジョン。
【請求項4】
上記テレビジョンは、
上記タイマの計時結果に関わらず一定の発光間隔で上記赤外線LEDを発光させる第二発光制御手段と、
上記発光制御手段と上記第二発光制御手段とを切り換えて選択する発光方法選択手段とを備えることを特徴とする上記請求項2または3に記載のテレビジョン。
【請求項5】
上記発光制御手段は、上記発光間隔が所定の間隔以上になると、上記赤外線LEDの発光を停止させることを特徴とする上記請求項2〜4のいずれかに記載のテレビジョン。
【請求項6】
上記タイマは時刻を保持し、
上記テレビジョンは、
上記発光制御手段を開始する開始日時と終了する終了日時とを記憶する記憶手段と、
上記記憶媒体より上記開始日時と上記終了日時とを取得するとともに、上記タイマ手段の日時が上記開始日時となると上記発光制御手段を実行し、上記終了日時となると上記発光制御手段を停止する予約実行手段と
を備えることを特徴とする上記請求項2〜5のいずれかに記載のテレビジョン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−141413(P2007−141413A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337474(P2005−337474)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】