説明

テレビドアホン装置

【課題】子機及び親機を接続する伝送路の長さに応じて変動する映像信号に係る色情報の変動を抑えて最適な色調整を行うことで出画映像の視認性を高める。
【解決手段】伝送路Lを経由して子機1及び親機2を接続するにあたり、親機の色調整回路240は、子機の基準信号生成部110にて生成された映像基準信号に基づいて色調整を行う。また、色情報測定回路241は、色調整回路の出力データをもとに伝送路の長さに応じて変動する色情報を測定して数値化する。また、差分検出回路243は、色情報測定回路241の測定データと色情報データ記憶回路242に予め記憶されている色閾値情報との差分を算出し、色情報のズレを検出する。さらに、調整制御回路244は、差分検出回路からの出力データをもとに色調整回路を制御し、モニタ20に出画させる映像信号に基づいて色調整を行う際の色情報のズレを解消する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子機のカメラにて撮像された映像信号を親機のモニタに出画させるテレビドアホン装置に係り、特に、映像信号の色調整を行うことで出画映像の視認性を高めたテレビドアホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カラーのFM映像信号を縦続接続した複数の中継増幅器により増幅して伝送するにあたって、増幅器の振幅特性及び位相特性からなる通過特性により発生する色位相(色相と同意。)ずれを補正可能なFMカラー映像伝送システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−27444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術に記載した特許文献1のFMカラー映像伝送システムによれば、増幅器の作用により発生するFM映像信号に係る色位相の回転方向と逆回転に増幅器の台数に応じて色位相を補正することができるものの、この補正手段が色位相を全体的に微調整して変更するものであるため、カラーのFM映像信号が伝送される伝送路の長さに応じて色情報がレベル低下するおそれがあり、これに起因して出画映像の視認性が劣化する難点があった。
【0005】
本発明は、この難点を解消するためになされたもので、子機のカメラにて撮像された映像信号を親機のモニタに出画させるにあたり、子機及び親機を接続する伝送路の長さに応じて変動する映像信号に係る色情報の変動を抑えて最適な色調整を行うことで出画映像の視認性を高めたテレビドアホン装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるテレビドアホン装置は、カメラを有する子機と、伝送路を経由して子機に接続され、当該子機のカメラにて撮像された映像信号を出画するためのモニタを有する親機とを備えるテレビドアホン装置である。子機には、親機からの電源投入時においてカラーバー信号等の映像基準信号を生成するための基準信号生成部を備えている。親機には、子機の基準信号生成部にて生成された映像基準信号に基づいて色調整を行うための色調整回路と、色調整回路の出力データをもとに伝送路の長さに応じて変動する色情報を測定して数値化するための色情報測定回路と、色情報測定回路の測定データと色情報データ記憶回路に予め記憶されている色閾値情報との差分を算出し、色情報のズレを検出するための差分検出回路と、差分検出回路からの出力データをもとに色調整回路を制御し、モニタに出画させる映像信号に基づいて色調整を行う際の色情報のズレを解消するための調整制御回路とを備えている。
【0007】
また、本発明の第2の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第1の態様において、親機の色情報測定回路は、色調整回路の出力データをもとに映像基準信号を構成する複数の色に係る色情報の色相情報を数値化する機能を備えている。
【0008】
また、本発明の第3の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第1の態様において、親機の色情報測定回路は、色調整回路の出力データをもとに映像基準信号を構成する複数の色に係る色情報の彩度情報を数値化する機能を備えている。
【0009】
また、本発明の第4の態様であるテレビドアホン装置は、本発明の第1の態様において、親機の色情報測定回路は、色調整回路の出力データをもとに映像基準信号を構成する複数の色に係る色情報の明度情報を数値化する機能を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のテレビドアホン装置によれば、子機及び親機を接続する伝送路の長さに応じて変動するカラーバー信号等の映像基準信号に係る色情報(色相情報、彩度情報及び明度情報)の当該変動を抑えるような色調整が行われることにより、子機のカメラにて撮像された映像信号に基づいて色調整を行う際の色情報のズレが解消されるため、親機のモニタに出画される映像信号の視認性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の全体構成を示すシステム説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【図3】図3(A)は、本発明の実施例によるテレビドアホン装置において適用されるベクトルスコープ図であり、図3(B)は、同装置において適用される映像基準信号の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のテレビドアホン装置を適用した最良の実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の全体構成を示すシステム説明図である。このテレビドアホン装置は、住戸外の例えば、住戸玄関に設置される子機1と、住戸内に設置され、伝送路Lを経由して子機1に接続される親機2とで構成されている。
【0014】
同図において、子機1は、子機操作部10、カメラ11、子機マイク12及び子機スピーカ13が備えられている。また、親機2は、モニタ20、親機マイク21、親機スピーカ22及び親機操作部23が備えられている。
【0015】
子機1において、子機操作部10は、住戸外の例えば、住戸玄関に居る来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出すために所定の操作(呼出操作)を行うものであり、例えば、呼出ボタンにて構成されている。
【0016】
カメラ11は、前述の呼出時における呼出操作を行った来訪者の映像や自子機が設置される住戸外の周囲近傍の監視映像、例えば、不審者等の人物の映像を撮像し、撮像された映像をもとに映像信号を生成するためのものであり、例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体にて構成されている。
【0017】
子機マイク12及び子機スピーカ13は、来訪者が居住者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものである。
【0018】
親機2において、モニタ20は、子機1のカメラ11にて撮像された映像信号を出画するためのものであり、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の出画表示媒体にて構成されている。なお、モニタ20には、来訪者による子機1からの呼出時において、その旨の文字メッセージや絵データ等を表示することもできる。
【0019】
親機マイク21及び親機スピーカ22は、居住者が来訪者との間で通話を成立させるための音声(送話音声、受話音声)を入出力するものである。なお、親機スピーカ22は、来訪者による子機1からの呼出時において、その旨の呼出音や音声メッセージ等を出力することもできる。
【0020】
親機操作部23は、来訪者による子機1からの呼出時において居住者が応答し、親機マイク21及び親機スピーカ22の使用による通話を開始するための応答操作と、前述の通話を終了するための終話操作と、住戸外の周囲近傍の監視する監視時において子機1のカメラ11及びモニタ20をそれぞれ起動させるためのモニタ監視操作等を行うものであり、例えば、通話ボタン及びモニタボタンやモニタ20の前面に配置されるタッチパネルにて構成されている。
【0021】
次に、本発明の実施例によるテレビドアホン装置の具体的な構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0022】
図2に示す子機1には、前述の子機操作部10、カメラ11、子機マイク12及び子機スピーカ13と、子機映像処理部14、子機音声処理部15、子機CPU16、子機電源部17及び子機I/F18とが備えられている。
【0023】
この子機1において、カメラ11には、例えば、親機2から子機1に子機電源(待受電源)が供給される電源投入時にカラーバー信号等の映像基準信号を生成するための基準信号生成部110が備えられている。
【0024】
子機映像処理部14は、カメラ11にて撮像された映像信号及び当該カメラに備えられる基準信号生成部110にて生成されたカラーバー信号等の映像基準信号について所定の信号処理を行う、例えば、映像信号についてはFM変調や信号増幅を行い、映像基準信号については信号増幅を行うためのものである。
【0025】
子機音声処理部15は、子機マイク12及び子機スピーカ13にて入出力される音声信号について所定の信号処理を行う、例えば、4線/2線変換又は2線/4線変換や信号増幅を行うためのものである。
【0026】
子機CPU16は、当該子機の構成各部/回路を制御するためのものである。また、子機電源部17は、親機2の後述する親機電源部28にて生成される子機電源を受電し、当該子機の構成各部/回路に電源供給するためのものである。さらに、子機I/F18は、子機映像処理部14から伝送路Lへの信号伝送ライン、子機音声処理部15及び伝送路L間の信号伝送ライン、子機CPU16及び伝送路L間の信号伝送ライン、伝送路Lから子機電源部17への電源供給ラインをそれぞれ形成するためのものである。
【0027】
図2に示す親機2には、前述のモニタ20、親機マイク21、親機スピーカ22及び親機操作部23と、色補正処理部24、親機映像処理部25、親機音声処理部26、親機CPU27、親機電源部28及び親機I/F29とが備えられている。
【0028】
この親機2において、色補正処理部24は、色調整回路240、色情報測定回路241、色情報データ記憶回路242、差分検出回路243及び調整制御回路244が備えられている。ここで、色調整回路240は、子機1のカメラ11に備えられる基準信号生成部110にて生成された映像基準信号やモニタ20に出画させる映像信号に基づいて色調整を行うためのものである。また、色情報測定回路241は、色調整回路240の出力データをもとに映像基準信号を構成する複数の色、ここでは、赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダに係る色情報の色相情報、彩度情報及び明度情報のうち少なくとも1の情報を数値化するためのものである。また、色情報データ記憶回路242は、差分検出回路243にて差分検出される対象の色閾値情報であって理想的な色相情報、彩度情報及び明度情報に係る色閾値情報を予め記憶するためのものであり、例えば、RAM、EEPROM等の各種の記憶媒体にて構成されている。また、差分検出回路243は、色情報測定回路241の測定データと色情報データ記憶回路242に予め記憶されている色閾値情報との差分を算出し、色情報のズレを検出するためのものである。さらに、調整制御回路244は、差分検出回路243からの出力データをもとに色調整回路240を制御し、前述の映像基準信号やモニタ20に出画させる映像信号に基づいて色調整を行う際の色情報のズレを解消するためのものである。
【0029】
親機映像処理部25は、色補正処理部24の色調整回路240を経由して色調整された映像信号について所定の信号処理を行う、例えば、FM復調や信号増幅を行うためのものである。
【0030】
親機音声処理部26は、親機マイク21及び親機スピーカ22にて入出力される音声信号について所定の信号処理を行う、例えば、4線/2線変換又は2線/4線変換や信号増幅を行うためのものである。
【0031】
親機CPU27は、当該親機の構成各部/回路を制御するためのものである。また、親機電源部28は、例えば、商用電源(図示せず。)を整流・平滑した直流電源をもとに親機電源を生成して当該親機の構成各部/回路に電源供給するとともに、同様に生成した子機電源を親機I/F29、伝送路L、子機1の子機I/F18を経由して子機電源部17に電源供給するためのものである。さらに、親機I/F29は、伝送路Lから色補正処理部24の色調整回路240への信号伝送ライン、親機音声処理部26及び伝送路L間の信号伝送ライン、親機CPU27及び伝送路L間の信号伝送ライン、親機電源部28から伝送路Lへの電源供給ラインをそれぞれ形成するためのものである。
【0032】
このように構成された本発明の実施例によるテレビドアホン装置において、以下、具体的な動作について説明する。
【0033】
図1、図2に示すように、伝送路Lを経由して接続される子機1及び親機2を住戸外、住戸内にそれぞれ設置する当該装置の施工時において、親機2の親機CPU27は、親機電源部28を制御して当該親機の構成各部/回路に(親機用の)動作電源を電源供給させるとともに、同様に生成した子機用の動作電源を親機I/F29、伝送路L、子機1の子機I/F18を経由して子機電源部17に電源供給する。また、親機2において、親機電源部28からの動作電源を受電した親機CPU27は、色補正処理部24を能動とする。
【0034】
子機1の子機電源部17は、親機2の親機電源部28からの動作電源を受電して当該子機の構成各部/回路に電源供給することにより、子機CPU16の制御によってカメラ11に備えられた基準信号生成部110と子機映像処理部14とがそれぞれ能動となる。ここで、基準信号生成部110は、カラーバー信号等の映像基準信号を生成し、子機映像処理部14、子機I/F18、伝送路L、親機2の親機I/F29を経由して色補正処理部24の色調整回路240に送出する。なお、映像基準信号は、その特性として伝送路Lを経由するにあたり、当該映像基準信号を構成する複数の色(赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダ)に係る色情報(色相情報、彩度情報及び明度情報)が、伝送路Lの長さに応じてレベル変動するものである。
【0035】
親機2の色補正処理部24において、色調整回路240は、子機1から伝送路Lを経由して最初のフレームで伝送されてきた映像基準信号については何らの色調整を行わずに色情報測定回路241に送出する。また、色情報測定回路241は、色調整回路240の出力データをもとに最初のフレームの映像基準信号を構成する複数の色(赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダ)に係る色相情報、彩度情報及び明度情報のうち少なくとも1の色情報を数値化する。
【0036】
具体的に、色情報測定回路241によれば、第1の数値化処理として図3(A)に示すように、位相角が105°、240°、350°、170°、285°、60°のように異なる複数の色(赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダ)毎の色相情報を数値化し、その数値化された第1の測定データを差分検出回路243に送出する。
【0037】
また、色情報測定回路241によれば、第2の数値化処理として図3(B)に示すように、赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダのような複数の色に係る明度の合計である白の明度(明度レベル)情報を数値化し、その数値化された第2の測定データを差分検出回路243に送出する。
【0038】
さらに、色情報測定回路241によれば、第3の数値化処理として図3(A)、(B)にそれぞれ示すように、赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダのような複数の色毎の彩度(彩度レベル)情報を数値化し、その数値化された第3の測定データを差分検出回路243に送出する。
【0039】
差分検出回路243は、色情報測定回路241において実行された第1乃至第3の数値化処理に基づく測定データと色情報データ記憶回路242に予め記憶されている色閾値情報との差分を算出し、色相情報、彩度情報及び明度情報のズレを検出する。
【0040】
具体的に、差分検出回路243は、図3(A)に示すように、色情報データ記憶回路242に色閾値情報として予め記憶されている赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダのような複数の色毎の所定の許容範囲と第1の測定データに係る複数の色毎の位相角との差分を算出することで、当該複数の色毎の色相情報のズレを検出し、この検出されたズレの情報を含むデータを調整制御回路244に送出する。
【0041】
また、差分検出回路243は、図3(B)に示すように、色情報データ記憶回路242に色閾値情報として予め記憶されている例えば、714mVの信号電圧レベルと第2の測定データに係る複数の色の合計である白の明度レベルとの差分を算出することで、明度情報のズレを検出し、この検出されたズレの情報を含むデータを調整制御回路244にする。
【0042】
さらに、差分検出回路243は、図3(A)、(B)に示すように、色情報データ記憶回路242に色閾値情報として予め記憶されている赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダのような複数の色毎の所定の彩度閾値レベルのうち、例えば、赤に関しては、この色の閾値である500mVと第3の測定データに係る複数の色の彩度レベルのうち赤に係る例えば、400mVとの差分を算出するように、同様な差分演算を複数の色毎に実行することで、当該複数の色毎の彩度情報のズレを検出し、この検出されたズレの情報を含むデータを調整制御回路244にする。
【0043】
調整制御回路244は、差分検出回路243からの出力データをもとに色調整回路240を制御することにより、子機1のカメラ11に備えられた基準信号生成部11から次フレームで伝送されてくる映像基準信号の色調整を行う。具体的な色調整処理としては、赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダのような複数の色毎の位相角のズレが解消され前述の所定の許容範囲内に収まるような方向への色相調整を行う第1の色調整処理と、第2の測定データに係る複数の色の合計である白の明度レベルが閾値である前述の714mVとなるように明度調整を行う第2の色調整処理と、第3の測定データに係る複数の色毎の彩度レベルが閾値である彩度レベル、例えば、赤であれば500mVとなるような彩度調整を行う第3の色調整処理が、それぞれ実行される。
【0044】
なお、親機2の色補正処理部24によれば、前述のような各回路240、241、242、243、244の動作により、差分検出回路243にて色情報に係る色相、明度及び彩度のズレが無くなるまで繰り返され、そのようなズレが解消されると、これを検出した親機CPU27は、モニタ20、親機映像処理部25をそれぞれ能動とするとともに、子機1のカメラ11に備えられた基準信号生成部110の動作を停止させ、かつカメラ11の実質的な映像撮像機能を能動とするための制御信号を生成する。この制御信号は、親機CPU28から親機I/F29、伝送路L、子機I/F19を経由して子機CPU16に伝送される。
【0045】
子機1の子機CPU16は、親機2の親機CPU27からの制御信号を検出すると、カメラ11に備えられた基準信号生成部110の動作を停止させるとともに、カメラ11の実質的な映像撮像機能を能動とすることにより、カメラ10にて撮像された映像信号が子機映像処理部14、子機I/F18、伝送路L、親機I/F29を経由して色補正処理部24の色調整回路240に伝送される。
【0046】
親機2の色補正処理部24において、色調整回路240は、前述のように色情報(色相、明度及び彩度)のズレが無くなるように制御されているため、映像信号の色調整を行うにあたり同様なズレが無くなり、親機映像処理部25を経由してモニタ20に出画される映像信号の視認性が高められる。これにより、子機1及び親機2を接続する伝送路Lの長さに応じて変動する映像信号の色情報の当該変動が抑えられ、最適な色調整を行うことができる。
【0047】
前述までの説明から明らかなように、本発明の実施例によれば、子機1及び親機2を接続する伝送路Lの長さに応じて変動するカラーバー信号等の映像基準信号に係る色情報(色相情報、彩度情報及び明度情報)の当該変動を抑えるような色調整が行われることにより、子機1のカメラ11にて撮像された映像信号に基づいて色調整を行う際の色情報のズレが解消されるため、親機2のモニタ20に出画される映像信号の視認性を高めることができる。
【0048】
なお、本発明のテレビドアホン装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。
【0049】
具体的に、前述までの実施例によれば、伝送路Lを経由して接続される子機1及び親機2として、呼出機能、映像撮像・処理機能、通話機能及びこれらを制御する制御機能を有する子機1と、映像出画・処理機能、呼出応答機能、通話機能及びこれらを制御する制御機能を有する親機2を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、映像撮像・処理機能及びこれを制御する制御機能を有する子機1や映像出画・処理機能及びこれを制御する制御機能を有する親機2を備えたテレビドアホン装置を適用することもでき、同様な効果を奏する。
【0050】
また、前述までの実施例における動作説明によれば、親機2の色補正処理部24を構成する色情報測定回路241の動作として、色調整回路240の出力データをもとに映像基準信号を構成する複数の色、ここでは、赤、緑、青、黄、シアン、マゼンダに係る色情報の色相情報、彩度情報及び明度情報をそれぞれ数値化し、これら数値化された測定データと色情報データ記憶回路242に予め記憶されている色閾値情報との差分を差分検出回路243が算出し、色情報のズレを検出させたが、この動作態様に限定されるものではない。例えば、色情報測定回路241の動作として、色調整回路240の出力データをもとに映像基準信号を構成する複数の色に係る色情報の色相情報、彩度情報及び明度情報のうち少なくとも1の情報を数値化し、この少なくとも1の数値化された測定データと色情報データ記憶回路242に予め記憶されている色閾値情報との差分を差分検出回路243が算出して色情報のズレを検出させることもでき、何れの動作態様においても、差分検出回路243からの出力データをもとに調整制御回路244が色調整回路240を制御し、映像基準信号やモニタ20に出画させる映像信号に基づいて、数値化させた色情報に係り色調整を行う際の当該色情報のズレを解消することができる。
【符号の説明】
【0051】
1……子機
11……カメラ
110……基準信号生成部
2……親機
20……モニタ
240……色調整回路
241……色情報測定回路
242……色情報データ記憶回路
243……差分検出回路
244……調整制御回路
L……伝送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ(11)を有する子機(1)と、伝送路(L)を経由して前記子機に接続され、当該子機の前記カメラにて撮像された映像信号を出画するためのモニタ(20)を有する親機(2)とを備えるテレビドアホン装置であって、
前記子機には、前記親機からの電源投入時においてカラーバー信号等の映像基準信号を生成するための基準信号生成部(110)を備え、
前記親機には、前記子機の前記基準信号生成部にて生成された映像基準信号に基づいて色調整を行うための色調整回路(240)と、前記色調整回路の出力データをもとに前記伝送路の長さに応じて変動する色情報を測定して数値化するための色情報測定回路(241)と、前記色情報測定回路の測定データと色情報データ記憶回路(242)に予め記憶されている色閾値情報との差分を算出し、前記色情報のズレを検出するための差分検出回路(243)と、前記差分検出回路からの出力データをもとに前記色調整回路を制御し、前記モニタに出画させる前記映像信号に基づいて色調整を行う際の前記色情報のズレを解消するための調整制御回路(244)とを備えることを特徴とするテレビドアホン装置。
【請求項2】
前記親機の前記色情報測定回路は、前記色調整回路の出力データをもとに前記映像基準信号を構成する複数の色に係る前記色情報の色相情報を数値化する機能を備えることを特徴とする請求項1記載のテレビドアホン装置。
【請求項3】
前記親機の前記色情報測定回路は、前記色調整回路の出力データをもとに前記映像基準信号を構成する複数の色に係る前記色情報の彩度情報を数値化する機能を備えることを特徴とする請求項1記載のテレビドアホン装置。
【請求項4】
前記親機の前記色情報測定回路は、前記色調整回路の出力データをもとに前記映像基準信号を構成する複数の色に係る前記色情報の明度情報を数値化する機能を備えることを特徴とする請求項1記載のテレビドアホン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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