説明

テレビ受信機、およびテレビ受信機の動作モード自動設定方法

【課題】視聴者の年齢に応じて自動的に動作モードを切り替え可能とし、視聴者の年齢に応じて最適の操作環境等を提供できるテレビ受信機等を提供すること。
【解決手段】テレビ受信機の制御部100は、撮像素子52によって撮影された視聴者の顔画像から視聴者の年齢を判定する判定部110、上記判定部110からの判定年齢に応じてテレビ受信機の動作モードを切り替える動作モード切替部111、動作モードに応じて液晶表示装置に映像を表示する映像表示制御部112を有しており、上記判定部110からの判定年齢に応じて自動的にテレビ受信機の動作モードを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔画像から判定した視聴者の年齢層に応じてテレビ受信機の各種設定を自動的に設定できる動作モード自動設定装置、動作モード自動設定装置を備えたテレビ受信機、動作モード自動設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶表示装置、プラズマ表示装置に代表される薄型の表示装置を備えた大画面のテレビ受信機(以下、単にテレビという場合もある。)が広く普及しており、これらの大画面テレビ受信機では、受信機内にブルーレイディスク装置等の記録再生装置が内蔵される等、高機能化が図られている。
【0003】
この種のテレビ受信機は、メニュー表示機能によって、音質、画質等の調整操作や、タイマーの設定、更には、内蔵された記録再生装置の操作等を行うことができる。また、電子番組表を表示させ、容易に好みの番組を視聴できるようにしている。
【0004】
特許文献1には、テレビ受信機等の機器において、各種の設定値の変更を容易に行うことができる設定変更装置および方法が記載されている。特許文献1に記載の設定変更装置では、機器の調整に関わるメニュー画面を表示し、ユーザからの初期化の指示を受け付けると、このメニュー画面に全初期化又は部分初期化のいずれかを選択させる項目を表示させ、次いで、この項目から全初期化又は部分初期化のいずれかが選択されると、この選択に応じて設定変更された項目の変更値を初期化するものである。
【0005】
特許文献2には、電子番組情報の表示方法及び表示装置が記載されている。特許文献2に記載の表示方法及び表示装置では、先ず、放送番組に関してそのジャンルの情報を含む番組関連情報を取得し、番組関連情報画面を形成してディスプレイ上に表示する。次いで、このディスプレイ上に、更に各ジャンルに対応して複数用意されるアイコン候補を表示させて、この中から特定のアイコンを特定のジャンルに対する指定アイコンとして選択させる。そして、指定アイコンが選択された後は、番組関連情報画面が構成される際に、番組関連情報画面中の番組関連情報として、各ジャンルに対応して選択された指定アイコンを表示する。
【0006】
特許文献3には、テレビ受信機ではないが、パソコンから出力される操作指令信号に基づいて再生動作及び/又は記録動作が制御され得るパソコン制御機能付きの音響機器が記載されている。このパソコン制御機能付き音響機器では、パソコンからの操作指令信号が出され、この操作指令信号に基づく動作が所定の時間中継続して行われている間、パソコンのディスプレイ上に所定のキャラクターを表示させている。これによれば、音響機器が所定の動作を行っている間中、ユーザに対して、無味乾燥な情報に代えて、ユーザの興味を引く画像を表示することができる。
【0007】
また、特許文献4には、表示装置本体側に赤外線角度センサを設け、表示部を異なる角度からリモコン操作する場合にリモコン本体に視聴角度を登録し角度登録信号を出力する表示システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−306113号公報(平成19年11月22日公開)
【特許文献2】特開2006−140783号公報(平成18年6月1日公開)
【特許文献3】特開2002−133762号公報(平成14年5月10日公開)
【特許文献4】特開2008−180860号公報(平成20年8月7日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の特許文献に記載の技術によれば、より高機能なテレビ受信機等が実現できることとなり、テレビ受信機等に対して個々のユーザの好みに応じた様々な設定ができるようになる。然しながら、高機能なテレビ受信機の機能をフルに利用するためには、ユーザが自分の好みに従って各種の設定を行う必要があるが、高機能化によって設定すべき項目が非常に多くなっており、設定のための操作が困難になってしまうという課題がある。例えば、特許文献4の技術では複数ユーザが事前にリモコンで角度設定をしなければならない煩わしさがある。
【0010】
高機能化した各種の設定に対して、メーカが予めデフォルト値を設定しておくことも可能であり、また、販売店で初期設定を行うことも可能であるが、その設定値をそのまま使うのであれば、ユーザの好みに応じて設定できるという、せっかくの機能が有効に生かせないという課題が生ずる。
【0011】
また、テレビ受信機は、幼児、子供(以下、幼児を含めて子供という)から高齢者まで非常に幅広い年齢層で視聴されるところから、視聴者によっては、設定項目が多すぎると、特定の設定項目に対して誤った設定を行う可能性もあり、テレビ受信機を使用する面から見て、高機能化がかえってテレビ受信機の機能を引き出すことが出来ないという課題がある。
【0012】
本発明は、上述の従来技術の課題に鑑みて成されたものであり、映像調整等の各種設定画面の表示の態様等を含めたテレビ受信機の動作モードを、視聴者の年齢に応じて自動的に切り替えることによって、視聴者の年齢層に応じた最適な動作モードにし、更には視聴者の年齢層に応じた最適な設定操作指示を行えるようにして、広い年齢層の視聴者に対してそれぞれ使い勝手の良いテレビ受信機を提供することを目的とする。
【0013】
更に、本発明では、子供等低年齢の視聴者に対して、過度に刺激となるような映像を変更し、目に優しい映像として表示できるテレビ受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本願の発明に係るテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、撮像素子と、上記撮像素子によって撮像された視聴者の顔画像から視聴者の年齢を判定する判定部と、判定された視聴者の年齢に応じて、動作モードを切り替える動作モード切替部とを備え、視聴者の年齢に応じた動作モードへの切り替えを自動的に行うことを可能としていることを特徴としている。
【0015】
これによれば、特別な操作を要せずに、自動的にテレビ受信機の前に座った視聴者の年齢を判別して、判別された視聴者の年齢に応じた動作モードを行うテレビ受信機の動作モード自動設定装置を提供することができる。
【0016】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、上記判定部は視聴者を年齢に応じて少なくとも2つのグループに分けるものであり、上記動作モード切替部はグループ分けされた上記少なくとも2つのグループに応じてテレビ受信機の動作モードを切り替えるものであることが望ましい。
【0017】
これによれば、幅広い年齢層を対照としているテレビ視聴者に対して、効率的に年齢層に応じたテレビ受信機の動作モードを設定することができるテレビ受信機の動作モード自動設定装置を提供することができる。
【0018】
なお、本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、少なくとも2つのグループが、低年齢層を対象とした子供グループ、高年齢層を対象とした高齢者グループ、並びに、子供グループ及び高齢者グループ以外の年齢層を対象とした成年グループのうち少なくとも1つのグループを含んでいるように構成することができる。
【0019】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、高齢者グループに応じた動作モードは、音声の高周波成分のゲインが高められており、画質のコントラスト及びシャープネスが高く設定されていることが望ましい。
【0020】
これによれば、音声等の高周波数成分が聞き難くなった高齢者に対して高周波成分を補うことができるので、高齢の視聴者はテレビ番組中の話し言葉等を明確に聞き取ることができるようになる外、音楽番組等において高音域の広がった音楽を楽しむことが出来る。更に、目の機能が衰えた高齢者に対して、コントラスト及びシャープネスを高くした画質を表示することができるので、高齢者は、メリハリの利いた画質でテレビ番組を楽しむことができる。
【0021】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、高齢者グループに応じた動作モードは、設定可能な各種調整項目の表示個数を減らす表示制御、および、表示文字の大きさを拡大する表示制御のうち、少なくとも一方の表示制御を行う動作モードであることが望ましい。
【0022】
これによれば、上記動作モード自動設定装置は、視聴者が高齢者であると判定すると、上記テレビ受信機に、最新技術に疎い高齢者や複雑な機能を使用しない高齢者にとって分かり難い調整項目等を省略してテレビの視聴上重要な調整項目のみを表示する表示制御、および、目の機能が衰えた高齢者にとって、より読みやすく大きな文字で表示する表示制御の少なくとも一方の表示制御を行わせることになる。したがって、動作モード自動設定装置は、テレビ受信機を高齢者にとってより使用勝手の良いものにすることができる。
【0023】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、子供グループに応じた動作モードは、設定可能な各種表示項目の表示個数を減らす表示制御、文字をひらがな表記とする表示制御、表示文字の大きさを拡大する表示制御、および、キャラクター表示を含める表示制御のうち、少なくともいずれかの表示制御を行う動作モードであることが望ましい。
【0024】
これによれば、上記動作モード自動設定装置は、視聴者が子供であると判定すると、上記テレビ受信機に、設定可能な各種表示項目の表示個数を減らす表示制御、文字をひらがな表記とする表示制御、表示文字の大きさを拡大する表示制御、および、キャラクター表示を含める表示制御のうち、少なくともいずれかの表示制御を行わせることになる。
【0025】
したがって、上記動作モード自動設定装置は、上記テレビ受信機を子供にとってより使用勝手の良いものにすることができる。
【0026】
例えば、上記動作モードが文字をひらがな表記とする表示制御とキャラクター表示を含める表示制御とを行う動作モードである場合、ひらがなを読めるようになった年齢層の子供に対して、使い勝手の良いテレビ受信機を提供することができる。また、文字に興味を持つようになったばかりの子供(最近では就学前の子供がひらがなを読めるようになっている)が、キャラクター表示の効果と相俟って、ひらがなに興味を持つことになるきっかけとなり、子供の好奇心を刺激して学習意欲を高めることにもつながる。
【0027】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、子供グループに応じた動作モードは、表示装置に表示する信号中に表示画面がフラッシュする信号が含まれている場合に、表示輝度を落とすこと、又は輝度の急激な変化を抑制することが望ましい。
【0028】
これによれば、視聴者が子供の場合に、画面がフラッシュするような刺激の高い表示があったとしても、自動的に刺激の弱い表示画面とすることができ、視聴者である子供が引付を起こすような事故を防ぐことができる。
【0029】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、視聴者の年齢を判定する判定部は、テレビ受信機の電源スイッチが投入されたとき、テレビ受信機のチャンネルが切り替えられたとき、入力が切り替えられたとき、メニュー表示が行われたとき、音量レベルが変更されたとき、新たな視聴者が検出されたとき又は番組が変更されたときに判定動作を行うことが望ましい。
【0030】
これによれば、予め決められた条件を満たした時に年齢判定のための動作を行うこととなり、制御部100における動作モード切り替えのための処理負担を軽減できる。
【0031】
上記の課題を解決するために、本願の発明に係るテレビ受信機は、上記に記載の動作モード自動設定装置を備えたテレビ受信機であることを特徴としている。
【0032】
これによれば、視聴者の年齢に応じて動作モードを切り替えることのできるテレビ受信機を提供することができる。
【0033】
本願の発明に係るテレビ受信機は、外部に接続された機器の動作モードを切り替え制御することが望ましい。
【0034】
これによれば、テレビ受信機に外部機器として接続された機器、例えばブルーレイ録画再生装置等の機器の動作モードを自動的に切り替え可能となり、外部機器の使い勝手を大幅に向上させることが出来る。
【0035】
上記の課題を解決するために、本願の発明に係るテレビ受信機の動作モード自動設定方法では、視聴者を撮影する撮像装置を備えたテレビ受信機の動作モード自動設定方法であって、予め設定登録されている年齢判定処理実行条件を満たしているかを判定するステップと、年齢判定処理実行条件を満たしていると判定されたときに、上記撮像装置からの視聴者の顔画像から年齢を判定するステップと、判定した年齢に応じてテレビ受信機の動作モードを自動的に切り替えるステップとを備えたことを特徴としている。
【0036】
これによれば、予め定められた条件を満たした場合に、自動的に視聴者の年齢を判定して、判定した年齢に応じてテレビ受信機の動作を切り替えることが可能となるテレビ受信機の動作モード自動設定方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0037】
以上に述べたとおり、本願の発明に係るテレビ受信機に置ける動作モード自動設定装置では、撮像素子と、上記撮像素子によって撮像された視聴者の顔画像から視聴者の年齢を判定する判定部と、判定された視聴者の年齢に応じて、動作モードを切り替える動作モード切替部とを備え、視聴者の年齢に応じた動作モードへの切り替えを自動的に行うことを可能としている。
【0038】
上記の本願発明によれば、特別な操作を要せずに、自動的に、テレビ受信機の前に座った視聴者の年齢に応じた動作モードに切り替わるテレビ受信機を提供することができ、テレビ受信機の使い勝手を向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の基本的な構成を示す図である。
【図2】本発明に従った映像調整に関する設定操作指示の表示例を示す図である。
【図3】本発明に従った自動的に視聴者の年齢層を判断してテレビ受信機の動作モード等を切り替える方法を説明するための図である。
【図4】本発明に従ったテレビ受信機の全体構成を示す図である。
【図5】本発明に従ったテレビ受信機に外部機器を接続した場合の処理を説明するための図である。
【図6】本発明に従ったテレビ受信機に外部機器を接続した場合の制御信号の流れを説明するための図である。
【図7】本発明の別の実施形態に係るテレビ受信機の構成を示す図である。
【図8】本発明のさらに別の実施形態に係るテレビ受信機の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明では本発明を実施するために好ましい種々の限定が付与されているが、本発明の技術的範囲は以下の実施例及び図面の記載に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1〜図4を用いて、本発明の実施例1を説明する。
【0041】
最初に、図4を用いて、本発明の実施例1に係るテレビ受信機の全体構成を説明し、次いで図1、図2、図3を用いて本発明の実施例1に係るテレビ受信機の詳細を説明する。
【0042】
図4は、本願発明の実施例1を示す図であり、本願発明を、液晶表示装置を備えた液晶デジタルテレビに適用した例を示している。なお、テレビ受信機として動作する部分は、従来公知の技術を用いることができるため、図4においては、図面が複雑になりすぎることを避けるために、接続線等を一部省略している。また、本願の発明は、液晶表示装置を有する液晶デジタルテレビに限らず、プラズマ表示装置、有機EL表示装置を有するテレビ等にも適用可能であることはいうまでもない。
【0043】
図4において、10は、液晶デジタルテレビの全体構成を示しており、この液晶デジタルテレビ10は、バス8に接続された制御部100、メモリ7を有している。この液晶デジタルテレビ10の動作は、前記制御部100及び前記メモリ7に記憶された各種の制御プログラムにより制御される。制御部100は、中央演算処理装置(以下、CPUという。)等によって構成されており、前記CPUは、前述のとおりメモリ7に記憶されたOSによって種々の動作を行う。
【0044】
前記メモリ7は、通常、RAMよって構成されるが、一部にROMを含んでいても良い。また、書き換え可能なフラッシュメモリ等を含んでいても良い。前記メモリ7には、CPUを動作させるためのOSや各種の制御ソフト等が記憶され、前記各種制御動作に必要なワークメモリとして働くワーク領域を有しており、更に、放送波を介して受信したEPGデータ等の番組情報に関するデータ、OSD表示を行う際に必要となるOSD用画像データ、更に、本発明に従って切り替えられた動作モードに対応した表示データ等が記憶されている。
【0045】
液晶デジタルテレビ10には、デジタルチューナー部14の外に、アナログチューナー部12が設けられており、アナログ放送も受信可能とされている。また、外部入力部31には、HDD、SDカード等の固体メモリ、BD(ブルーレイディスク)、DVD、CD等のディスク装置等、種々の外部機器30が接続可能とされており、更に、液晶デジタルテレビ10の本体内にもBD/DVD/CDの記録/再生部32が内蔵されている。更に、IP放送チューナー部23が備えられており、IP放送の受信も可能とされている。
【0046】
液晶デジタルテレビ10は、この外、デジタル復調部15、分離部(DMUX)16、ビデオデコード/キャプチャ部17、ビデオセレクタ部18、映像処理部19、加算回路20、表示制御部21、液晶表示装置22、EPG/OSD/処理部24、オーディオデコード部25、オーディオセレクタ部26、音声出力変換部27、スピーカ28、選局部33、通信制御部34、リモコン受光部35を有している。
【0047】
本発明に従った実施例1の液晶デジタルテレビ10には、更に、周囲の明るさを検出し、液晶表示装置22の表示画面の明るさを制御するために用いられOPC(RGB)センサ51が設けられている外、液晶デジタルテレビ10の前に座った視聴者の顔等を撮影するための撮像素子52、電源部53が設けられている。撮像素子52の機能・動作等については図1、図2、図3を用いて後で詳細に説明する。
【0048】
アナログチューナー部12は、アナログ放送受信用アンテナ11を介して受信するアナログテレビ放送信号を選局・受信するもので、選局部33からの選局指示に応じて選局を行う。アナログチューナー部12によって選局・受信された映像信号はビデオセレクト部18に入力され、同じく選局・受信された音声信号はオーディオセレクタ部26に入力される。
【0049】
デジタルチューナー部14は、デジタル放送受信用アンテナ13を介して受信するデジタルテレビ放送信号を選局するもので、選局部33からの選局指示に応じて受信するチャンネルの選局を行う。デジタルチューナー部14からの受信信号は、デジタル復調部15にて復調され、分離部(DMUX)16に送られる。
【0050】
IP放送チュナー部23は、電話回線・LAN等に接続された通信制御部34を介して受信するIP放送を選局するもので、選局部33からの選局指示に応じて受信する特定のIP放送を選局し、出力を分離部(DMUX)16に送る。
【0051】
分離部(DMUX)16は、デジタル復調部15又はIP放送チュナー部23から入力された、多重化された映像データ、音声データを分離し、映像データをビデオデコード部17に送り、音声データをオーディオデコード部25に送る。さらに、分離部(DMUX)16は、放送信号に含まれるEPGデータ等のデータを抽出し、EPG/OSD/処理部24に送る。なお、分離部(DMUX)16によって抽出された放送波信号は、必要に応じて制御部100による書き込み制御によりメモリ7に記録される。
【0052】
ビデオデコード部17は、分離部(DMUX)16によって分離された映像データをデコードする。前記ビデオデコード部17によってデコードされた映像信号は、ビデオセレクタ部18に送られる。ビデオセレクタ部18には、既に説明したとおり、アナログチュナー部12からの映像信号が入力されており、また、外部入力部31からの映像信号も入力されている。ビデオセレクタ部18は、制御部100からの制御信号により、これらの入力映像信号から1つの映像信号を選んで出力し、映像処理部19に送る。
【0053】
映像処理部19では、入力された映像信号に対して、例えば、ノイズリダクションの処理、シャープネスの調整、コントラストの調整等の映像処理を行い、液晶表示装置22に対して最適な映像信号となるように映像データを変換する。
【0054】
表示制御部21は、受信した映像データを液晶表示装置22に表示させるための駆動回路を含む部分であり、加算回路20によって加算された、EPG/OSD/処理部24からの電子番組表(EPG;Electronic Program Guide)データ、或いは、OSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)データを、映像処理部19からの映像データに加えて液晶表示装置22に送る。液晶表示装置22では、送られてきた映像データを画面上に表示する。
【0055】
オーディオデコード部25は、分離部(DMUX)16によって分離された音声データをデコードするものである。オーディオデコード部25は、デコードした音声信号をオーディオセレクタ部26に送る。
【0056】
オーディオセレクタ部26では、アナログチュナー部12からの音声信号、外部入力部31からの音声信号及びオーディオデコード部25からの音声信号を受け、制御部100からの制御によってビデオセレクタ部18で選択された映像信号に対応した音声信号を選択し、音声出力変換部27を介して音声信号をスピーカ28に送る。音声出力変換部27は、受信した音声信号をスピーカ28での再生に最適な信号に変換してスピーカ28に供給する。
【0057】
リモコン受光部35は、リモートコントローラ36からの光信号を受信して、前記リモートコントローラ36からの制御信号を受け付けるためのものである。
【0058】
EPG/OSD/処理部24は、定期的に更新保存されたEPGデータに基づき電子番組表を作成し、また、メモリ7に予め保存されているOSDデータを描画する。前記のOSDデータとは、例えば、予めメモリ7に記憶された設定メニュー画面、音量ケージ、現在時刻、選局チャンネル等の各種情報を描画するためのデータである。
【0059】
図1は、図4を用いて説明した液晶デジタルテレビ10の詳細な構成を説明するためのブロック図であり、図2は上記液晶デジタルテレビ10の動作の一例を説明するための図である。また、図3は、本発明に従った自動的に視聴者の年齢を判断して自動的にテレビの動作モード等を切り替える方法を説明するためのフロー図である。図1において、図4と同一の部分には同一の番号を付与しているので、この部分の詳細な説明は省略する。図1では、本願発明を、液晶表示装置22を備えた液晶デジタルテレビ10に適用したものとして記載している。
【0060】
図1に示すとおり、制御部100は、判定部110、動作モード切替部111、映像表示制御部112を備えている。なお、図1は、本発明によって実現される動作・機能をより詳細に説明するための図であり、従って、実際には、制御部100は、図1に記載の動作・機能を実現するためだけに用いられるものではなく、液晶デジタルテレビ10全体の制御を行うものである。
【0061】
撮像素子52は、液晶デジタルテレビ10の前にいる視聴者を撮像するための撮像装置を構成するものであって、CCDカメラ等が用いられる。撮像素子52からの撮像画像は、制御部100の判定部110に送られる。
【0062】
判定部110では、前記撮像素子52からの撮像画像において、視聴者の顔部分を特定すると共に、その顔部分の画像から視聴者の年齢を判定する。この実施例では、更に、判定した年齢に従って視聴者を特定の年齢で区切った複数のグループにグループ分けする。そして、液晶デジタルテレビ10の前にいる視聴者が、どのグループに所属しているかの信号(以後、グループ分け信号という)を動作モード切替部111に送る。
【0063】
具体的には、判定部110におけるグループ分けは、例えば、幼児から小学生の低学年までの低年齢層を対象とした子供グループ(グループc)、65〜70才以上の高年齢層を対象とした高齢者グループ(グループb)、子供グループ及び高齢者グループ以外の年齢層を対象とした成年グループ(グループa)の3つのグループへのグループ分けであってよい。なお、後でも記載するが、顔画像から年齢を判別する場合、正確な年齢が求められるわけではなく、また、同じ年齢でも、各人によって能力、機能等に相当の開きがあるので、多少の年齢範囲のずれは許容される。
【0064】
年齢による区分けは種々可能であるが、区分け処理のための制御部100における処理量、区分けの数によって得られる効果を斟酌して決定される。上記の3グループに区分けすることは、テレビ操作という観点から考えて、最も好ましいものである。
【0065】
即ち、小学生の低学年では、文字を覚え始めて文字に対する興味を深める時期であり、更に、テレビ等の装置類を扱うことに対する興味が増す時期である。従って、これらの年齢層の興味に答えることができるように、最適な動作モードを設定しておくことが好ましい。また、目の機能、耳の機能が衰え始め、更に、複雑な操作に嫌悪感を抱き始める65〜70歳以上の年齢層に最適なモードを設定しておくことも好ましい。特に、高齢者は、テレビ視聴が大きな楽しみという人も多く、この年齢層に対して使い勝手の良いテレビを提供することは極めて重要である。
【0066】
撮像画像から顔部分を特定する技術は、現在、デジタルカメラ等において広く用いられている顔検出技術を採用できる。また、顔の画像から年齢を判定する技術としては、例えば、顔の特徴(骨格や各パーツの配置等)から各年齢層の特徴を割り出して年齢を推定する等の技術が提案されているので、この技術を採用することができる。例えば、このような年齢を推定又は判定する技術は、特開2004−246456号公報、特開2001−256496号公報に記載されており、本発明では、これら特許公報に記載の技術を用いて、年齢判定を行うことができ、次いで、判定した年齢に応じてグループ分けを行うことになる。いずれにしても、正確な年齢判別が可能ではなく、また、同年齢であっても能力等において個人差があるので、上記の年齢によるグループ分けにおける年齢自体が正確であることは要求されない。
【0067】
なお、液晶デジタルテレビ10の前にいる視聴者の年齢を判定する技術としては、顔の画像から判定するものの外にも、指向性の鋭いマイクを液晶デジタルテレビ10の前に設けておき、マイクによって拾った視聴者の音声を分析することによって年齢を判定する技術がある。音声分析による年齢推定は、顔の画像による分析よりも、安価に実現できるという利点を有する。然しながら、音声を用いる場合、テレビの前で何か言葉を発する必要があり、また、テレビからの音声を拾わないように指向性の鋭いマイクを使用する必要がある等、制約もあるが、視聴者が子供の場合はほとんどの場合、テレビを視聴する際には、何らかの音声を発生しており、安価な動作モード自動設定装置を提供できる。
【0068】
また、多少手続が複雑になるが、使用者の顔画像を年齢と共に予め液晶デジタルテレビ10に登録しておき、同一人が視聴者として検出された場合は、予め登録した年齢層のグループに動作モードを切り替えるようにしても良い。
【0069】
動作モード切替部111では、判定部110からのグループ分け信号を受け、液晶デジタルテレビ10の動作モードを各グループに最適の動作モードに切り替える。映像表示制御部112では、切り替えられた動作モードに応じた態様で液晶表示装置22に映像を表示する。
【0070】
図2は、グループ毎に切り替えられた動作モードの例を示す図であり、例えば、映像調整を行う際の設定画面の表示をグループ別に切り替えて表示する例である。図2(a)は通常のメニュー表示であり、成年グループ(グループa)に対する表示である。また、図2(b)は、高齢者グループ(グループb)に対する表示であり、図2(c)は、子供グループ(グループc)に対する表示である。
【0071】
判定部110において、液晶デジタルテレビ10の前にいる視聴者が成年グループ(グループa)に所属していると判断されると、動作モード切替部111では、液晶デジタルテレビ10の動作モードを成年グループ(グループa)に対応したモードに切り替える。なお、年齢に応じたグループ別に「動作モードを切り替える機能」は、必要に応じて外せるようにしておいても良く、この「動作モードを切り替える機能」を外した場合には、液晶デジタルテレビ10はこの成年グループに対応したモードを、「通常モード」として動作するように設定しておくことが好ましい。
【0072】
動作モードが成年グループ(グループa)に対応したモードであると、例えば、視聴者が映像調整を行うために、リモートコントローラ36(図4参照)等を操作して映像調整のための設定画面を表示すると、図2(a)に示すような表示画面になる。即ち、例えば、文字の大きさを普通にして、映像関係の設定項目の全てを表示している。
【0073】
判定部110において、液晶デジタルテレビ10の前にいる視聴者が高齢者グループ(グループb)に所属していると判断されると、動作モード切替部111では、液晶デジタルテレビの動作モードを高齢者グループ(グループb)に対応したモードに切り替える。
【0074】
動作モードが高齢者グループ(グループb)に対応したモードに切り替えられると、例えば、視聴者が映像調整を行うために、リモートコントローラ36(図4参照)等を操作して映像調整のための設定画面を表示すると、図2(b)に示すような表示画面になる。即ち、例えば、文字を大きく、更に、使用頻度の低そうな「映像」、「黒レベル」等の項目を全て「詳細設定」の項目に纏めて表示する。また、高齢者グループ用の画面に切り替わっていることが分かるように、背景色を変更してもよい。
【0075】
同様、判定部110において、液晶デジタルテレビ10の前にいる視聴者が子供グループ(グループc)に所属していると判断されると、動作モード切替部111では、液晶デジタルテレビ10の動作モードを、子供グループ(グループc)に対応した動作モードに切り替える。
【0076】
動作モードが子供グループ(グループc)に対応したモードに切り替えられると、例えば、視聴者が映像調整を行うために、リモートコントローラ36(図4参照)等を操作して映像調整のための設定画面を表示すると、図2(c)に示すような表示画面になる。即ち、例えば、文章を簡単にして「ひらがな」のみを使用し、使用頻度の低そうな設定項目は表示しない。また、カーソルが当たっている項目(選択された項目)の説明を、キャラクター表示と共に行うようにしても良い。例えば、図2(c)の場合には、クマのキャラクターに「ふきだし」を設け、カーソルが当たっている項目「あかるさ」の説明として、「あかるくしたり、くらくしたりできるよ」という平易な記述にしている。即ち、設定可能な各種表示項目の表示個数を減らし、文字をひらがな表記とし、表示文字の大きさを拡大しておき、更に、キャラクター表示を含ませておくことができる。また、子供グループ用の画面に切り替わっていることが分かるように、背景色をピンク等の色に変更してもよい。
【0077】
グループの数、区切りの年齢は何れも固定的なものではなく、原理的には判定された年齢に応じてテレビの動作モードを切り替えても良い。然しながら、比較的少ないグループに分けることが、コスト、効果等の面から考えて現実的である。そして、既に述べたとおり、3グループ程度に分けることは、処理をそれ程複雑にせず、大きな効果を得るという面から好ましい値である。即ち、小学校の低学年程度までを一区切りとすることは、「ひらがな」を覚える時期になった子供に対して、テレビ操作をとおして「ひらがな」学習への意欲を高めることにもなり、又、高齢者に対して、表示する設定項目を少なくすることは誤った操作を防ぎ、更には、高齢者から「テレビ操作は難しい」との観念を取り除き、結果として良好な設定でテレビ観賞を可能にするという効果を有している。
【0078】
図3(a)、(b)は、本発明に従った自動的に視聴者の年齢層を判断してテレビの動作モード等を切り替える方法を説明するための図である。
【0079】
図3(a)において、液晶デジタルテレビ10の電源スイッチがオン操作され(ステップ1、以下(S.1)と略記する場合もある。)、液晶デジタルテレビ10(以下、単にテレビという場合がある。)が動作状態になると、制御部100は、あらかじめ設定登録された「年齢判別判処理を実行する条件」と比較して、年齢判別処理を実行するか否かを判断する(S.2)。
【0080】
「年齢判別処理を実行する条件」(年齢判別処理実行条件)とは、例えば、(1)テレビの電源スイッチが投入されたとき、(2)視聴者がチャンネル切替え操作を行ったとき、(3)視聴者が入力切替を行ったとき、(4)コマーシャルが挿入されたとき、(5)番組が変わったとき、(6)メニュー表示を行ったとき、(7)テレビ受像機に搭載された撮像素子によって新たな視聴者が検出されたとき或いは新たな視聴者が一定時間居続けたとき、(8)一定時間が経過したとき、(9)音量レベルが変更されたとき等であり、必要に応じて全ての項目を設定したり、幾つかの項目を選択して設定したりできる。
【0081】
予め登録しておいた「年齢判別処理を実行する条件」を満たしている場合、制御部100は、図1と共に説明したとおり、撮像素子52を含む撮像装置で撮影された「顔」画像を基に年齢判別処理を実行し(S.3)、テレビの前にいる視聴者の年齢を判定する判定動作を行い、現在、テレビに登録されている判定年齢と異なるか否かの比較を行う(S.4)。テレビは、工場出荷時にデフォルト設定として、現在の判定年齢を、例えば成年グループに所属する20才に設定しておく。この場合、テレビが初めてスイッチオンされたときは、この年齢との比較がなされることになる。
【0082】
現在の判定年齢と異なる場合、自動設定対象年齢か否かが判定される(S.5)。ここでは、自動設定対象年齢を、高齢者グループ(グループb)に属する年齢或いは子供グループ(グループc)に所属年齢として定義しており、従って、ステップ3において判定された年齢が、高齢者グループ(グループb)或いは子供グループ(グループc)に所属するか否かを判定する処理である。この高齢者グループ(グループb)或いは子供グループ(グループc)に該当する年齢の場合、動作モードを所属するグループに応じて切り替えることになる(S.6)。
【0083】
動作モードの変更とは、図2と共に説明した映像調整等を行う際の設定画面の表示をグループ別に切り替えて表示すること等であるが、これに限られること無く、テレビの種々の動作モードを変更することができる。
【0084】
動作モードの変更例としては、例えば、(1)リモートコントローラを使用した画面操作時のOSD表示の表示色をグループ毎に異ならせる、(2)OSD表示時に子供の興味を引くキャラクターを表示させる、(3)各種調整項目の設定時におけるキャラクター表示項目を変更する、(4)画質を変更する、(5)音質を変更する、(6)表示装置に表示する信号中に画面がフラッシュする信号が含まれている場合等ではバックライトの輝度を落とす等、表示画面の表示輝度を落としたり、輝度の急激な変化を抑制するためのフィルタをかけたりする、等である。
【0085】
高齢者グループ(グループb)に対しては、画質として(1)コントラストを高くすること、(2)シャープネスを強くすることでくっきりした画面にすることが効果的であり、更に、音質として(3)聞こえ難くなった高周波成分のみのゲインを上げ聞き取りやすくすることが効果的である。また、子供グループ(グループc)に対しては、前記の「画面がフラッシュするシーン等において、バックライトの輝度を落としたり、輝度の急激な変化を抑制するためのフィルタをかけたりすること」が引き付けを起こすことに対して効果があるとされている。なお、「動作モードの変更」として、どれを採用するかについては、使用者自身に選択させてもよい。
【0086】
次いで、テレビに登録されている現在の判定年齢を更新して(S.7)、スイッチがオフされるか否かを判別して(S.8)、スイッチオフの操作があった場合には、電源を断にする(S.9)。
【0087】
ステップ2において、年齢判別処理実行条件に「スイッチオン」が設定されていない場合は、設定された条件になるまで、年齢判別処理(S.3)は行われない。また、ステップ4において、現在テレビに登録されている「判定年齢」と異ならない場合は、ステップ5に進められることなく、ステップ2に戻る。同様、ステップ5において、自動設定対象年齢でない場合はステップ2に戻る。このような場合、動作モードの切り替えは行われず、従って、テレビは既に設定されている動作モードで動作することになる。
【0088】
図3(b)は、図3(a)に示した動作モード切替方法とほぼ同様であるが、一部変更したものである。この例の場合、テレビには「判定年齢」自体を登録しておくのではなく、「判定年齢」の属するグループ(子供グループ、成年グループ、高齢者グループ)を登録しておく。
【0089】
図3(b)において、ステップ1〜ステップ3までは図3(a)と同様であるが、ステップ4において、年齢判別処理によって判定された年齢が、現在登録されている年齢グループに所属しているか否かを判定する。この判定結果に応じて、ステップ6、ステップ7、ステップ8の処理が行われ、ステップ9において、新たな所属グループが登録されることになる。
【0090】
以上の説明では、液晶デジタルテレビ10の前に一人の視聴者がいることを前提に説明したが、実際には、複数の人で一つのテレビを見るケースが多い。このような場合に視聴者をどのように決定するかについて以下に説明する。
【0091】
撮像素子52による撮像画像中に複数の人の顔が検出された場合の処理としては、
(1)中央部にいる視聴者を対象にして年齢判別処理を行う、
(2)子供が含まれているときは子供を優先する、
(3)視聴している時間帯を考慮する、即ち、子供の番組が放送されているような時間帯では、子供を優先する、
(4)視聴番組の種別を考慮する、即ち、子供向け番組である場合には子供を優先する、
(5)人数が多いほうのグループを優先する、
(6)非常に多くの人(例えば、10人以上)が検出された場合には、成年を優先する、
(7)使用者の顔画像を年齢(使用者が複数人の場合は優先順位も)と共にあらかじめ液晶デジタルテレビ10に登録しておき、同一人が視聴者として検出された場合は、その人物が属する年齢グループを優先する、
等が考えられる。
【0092】
以上に説明した視聴者の決定方法では、それぞれの特質がある。従って、例えば、大家族で使われることが予想される大画面テレビであるか、或いは個人用に使用されることが予想される小画面テレビであるか等の画面のサイズによって決定方法を替えておくことも考えられる。また、また、使用者自身に、視聴者の決定方法を選択設定させるように構成しても良い。
〔実施例2〕
図5、図6を用いて本願発明の実施例2を説明する。図5、図6は、何れもテレビ受信機にAVアンプ、ブルーレイレコーダ、DVDレコーダ、HDDレコーダ等のレコーダ、プレーヤ等が接続された様子を示している。
【0093】
図5(a)は、テレビ受信機500に対して、AVアンプ510が接続され、このAVアンプ510を介してレコーダ520、プレーヤ530が接続された状態を示している。図5(b)は、テレビ受信機500に対して、AVアンプ510が接続され、このAVアンプ510に対してレコーダ520が接続され、プレーヤ530がテレビ500に直接接続されている状態を示している。そして、テレビ500、AVアンプ510、レコーダ520、プレーヤ530間の接続は何れもHDMIケーブルによって接続され、系全体の制御系接続にはCECが採用されている。
【0094】
図5(c)は、図5(b)の接続状態をより詳細に示したもので、テレビ、AVアンプ、レコーダ及びプレーヤ相互の接続をHDMIで行い、系全体の制御系接続がCECにより行われていることを模式的に示した図である。この技術自体は公知であり、ここでは詳細は説明しない。
【0095】
このように系全体を接続すると、例えば、AVアンプ510、レコーダ520、プレーヤ530の操作に関する画像を、テレビ500に表示することが可能となる。本願の実施例2では、このようにテレビに接続された外部機器等の動作モードをも視聴者の年齢に応じて自動的に切替・設定可能とするものである。
【0096】
本願の実施例2においては、「視聴者の年齢に応じた動作モードの切り替え」を含めてテレビ500側で設定した動作モードに関する設定を、テレビに接続された外部機器、例えばAVアンプ、レコーダ、プレーヤにも適用することを特徴としている。
【0097】
即ち、テレビ側において、テレビの動作モードが子供グループの動作モードに切り替えられた場合に、このテレビに接続されている外部機器の動作モードも同時に子供グループの動作モードに切り替えられる。そして、このための制御信号は、テレビ、外部機器相互間に接続されたCECを介して行うこととする。
【0098】
図6は、テレビ500、AVアンプ510、レコーダ520及びプレーヤ530を、HDMIによって相互に接続した場合の接続状況をより詳細に示している。この接続の状況は、既に公知の接続であり、詳細な説明は省略する。図6に示した例では、各外部機器においても表示部が設けられており、従って、この場合には、各外部機器の表示部における表示の態様は、テレビ500の動作モードが切り替えられることに応じて、同時に切り替えられることになる。
【0099】
〔その他の形態〕
実施例1では、液晶デジタルテレビ10の本体に撮像素子52を含む撮像装置を設け、ユーザの顔を撮影する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば図7に示すように液晶デジタルテレビ10と外部カメラ42とをHDMIレシーバ41を介して、HDMI規格に準拠したインターフェイス手段により接続してもよい。また、図7ではHDMI規格を採用した場合について示しているが、USB規格、Wi−Fi規格、DLNA通信規格等に準拠したインターフェイス手段により接続を実現してもよい。
【0100】
また、図8に示すように、外部カメラ42は、カメラ付き携帯電話43に搭載されたカメラであってもよい。図8では、カメラ付き携帯電話43はHDMIケーブル44を介して液晶デジタルテレビ10に接続している。また、伝送路は有線であっても、無線であってもよい。
【0101】
また、液晶デジタルテレビ10の本体に備えた撮像素子52を含む撮像装置と外部カメラ42との両方を併用してユーザの視聴位置を特定しユーザの顔検出制度を高くすることができる。
【0102】
さらに、図7に示すように液晶デジタルテレビ10は人感センサ54を備えてもよい。また、人感センサ54の代わりに、又は、人感センサ54と共に視線検出センサを備えてもよい。液晶デジタルテレビ10に人感センサ54及び/又は視線検出センサを内蔵して、人の動き及び/又は視線を検出して、ユーザがいるときのみ、カメラで撮影するように制御部100を介して制御すれば、液晶デジタルテレビ10本体のカメラ駆動用の消費電力を削減することができる。
【0103】
また、撮像素子52を含む撮像装置本体を回転及び追尾駆動式にして、人感センサ54と連動させて、動くユーザの方向に追尾してユーザの顔を撮影するようにしてもよい。
【0104】
また、液晶デジタルテレビ10は、インターネットに接続した上で、Skype(登録商標)のソフトウェアを組み込んでSkype(登録商標)の機能を実現できるようにしてもよい。その場合、図7に示すように液晶デジタルテレビ10はマイク62をさらに備えるとよい。そして、制御部100にSkype(登録商標)の機能を実現するためのソフトウェアを組み込むことによって、ユーザがSkype(登録商標)の機能を利用できる。具体的には、液晶デジタルテレビ10が、外部カメラ42(又は実施例1のような撮像素子52)で撮影したユーザの姿及びマイク62に吹き込まれたユーザにより発せられた音声を、インターネットを介して通話の相手に送り、通話の相手から送られる通話の相手の姿を液晶表示装置22に表示し、通話の相手の発する音声を液晶デジタルテレビ10本体のスピーカ28又は液晶デジタルテレビ10本体のヘッドホン端子(図示しない)に接続された外部接続のヘッドホン(図示しない)から発すればよい。
【0105】
また、実施例1では、判定部110が、撮像素子52からの撮像画像において、視聴者の顔部分を特定すると共に、その顔部分の画像から視聴者の年齢を判定するものとした。そして、判定部110は、更に、判定した年齢に従って視聴者を特定の年齢で区切った複数のグループにグループ分けした。しかしながら、本発明は、これに限定されない。
【0106】
すなわち、判定部110は、撮像素子52からの撮像画像において、視聴者の顔部分を特定すると共に、その顔部分の画像から視聴者の性別を判定し、判定した性別に従って視聴者を男性グループと女性グループとにグループ分けしてもよい。あるいは、判定部110は、撮像素子52からの撮像画像において、視聴者の顔部分を特定すると共に、その顔部分の画像から視聴者の性別と年齢とを判定し、判定した性別と年齢との双方に応じた複数のグループに視聴者をグループ分けしてもよい。
【0107】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、上記判定部は視聴者を年齢に応じて3つのグループに分けるものであり、上記動作モード切替部はグループ分けされた上記3つのグループに応じてテレビ受信機の動作モードを切り替えるものであることが望ましい。
【0108】
これによれば、幅広い年齢層を対照としているテレビ視聴者に対して、効率的に年齢層に応じたテレビ受信機の動作モードを設定することができるテレビ受信機の動作モード自動設定装置を提供することができる。特に、広範囲にわたる視聴者の年齢層を、3つの区分に区切ったことにより、処理をそれ程複雑にすることなく、テレビ受信機の操作等を各年齢層に応じたものとすることができる。
【0109】
本願の発明に係る別のテレビ受信機の動作モード自動設定装置では、3つのグループは低年齢層を対象とした子供グループ、高年齢層を対象とした高齢者グループ、子供グループ及び高齢者グループ以外の年齢層を対象とした成年グループであることが望ましい。
【0110】
これによれば、文字を覚え始めた子供グループには、更に文字に対する興味を引くような標記が可能となり、耳目の機能が衰え始めた高齢者には衰えた機能を補えるような標記等が可能となる等、最も効率的にテレビ受信機の使い勝手を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、テレビの視聴者の年齢に応じて、テレビの動作モードを自動的に切り替えることができる使い勝手の改善されたテレビを提供するものであり、産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0112】
7 メモリ
8 バス
10 液晶デジタルテレビ
11 アナログ放送受信用アンテナ
12 アナログチューナー部
14 デジタルチューナー部
15 デジタル復調部
16 分離部(DMUX)
17 ビデオデコード部
18 ビデオセレクタ部
19 映像処理部
20 加算回路
21 表示制御部
22 液晶表示装置
23 IP放送チューナー部
24 EPG/OSD/処理部
25 オーディオデコード部
27 音声出力変換部
28 スピーカ
30 外部機器
31 外部入力部
32 記録/再生部
33 選局部
34 通信制御部
35 リモコン受光部
36 リモートコントローラ
51 OPC(RGB)センサ
52 撮像素子
53 電源部
100 制御部
110 判定部
111 動作モード切替部
112 映像表示制御部
500 テレビ受信機
510 AVアンプ
520 レコーダ
530 プレーヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子と、
上記撮像素子によって撮像された視聴者の顔画像から視聴者の年齢を判定する判定部と、
判定された視聴者の年齢に応じて、動作モードを切り替える動作モード切替部とを備え、
視聴者の年齢に応じた動作モードへの切り替えを自動的に行うことを可能としたテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項2】
上記判定部は視聴者を年齢に応じて少なくとも2つのグループに分けるものであり、上記動作モード切替部はグループ分けされた上記少なくとも2つのグループに応じてテレビ受信機の動作モードを切り替えるものであることを特徴とする請求項1に記載のテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項3】
上記少なくとも2つのグループは、低年齢層を対象とした子供グループ、高年齢層を対象とした高齢者グループ、並びに、低年齢層及び高年齢層以外の年齢層を対象とした成年グループのうち少なくとも1つのグループを含んでいることを特徴とする請求項2に記載のテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項4】
上記高齢者グループに応じた動作モードは、音声の高周波成分のゲインが高められており、画質のコントラスト及びシャープネスが高く設定されていることを特徴とする請求項3に記載のテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項5】
上記高齢者グループに応じた動作モードは、設定可能な各種調整項目の表示個数を減らす表示制御、および、表示文字の大きさを拡大する表示制御のうち、少なくとも一方の表示制御を行う動作モードであることを特徴とする請求項3、4のいずれか1項に記載のテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項6】
上記子供グループに応じた動作モードは、設定可能な各種表示項目の表示個数を減らす表示制御、文字をひらがな表記とする表示制御、表示文字の大きさを拡大する表示制御、および、キャラクター表示を含める表示制御のうち、少なくともいずれかの表示制御を行う動作モードであることを特徴とする請求項3に記載のテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項7】
上記子供グループに応じた動作モードは、表示装置に表示する信号中に表示画面がフラッシュする信号が含まれている場合に、表示輝度を落とすこと、又は輝度の急激な変化を抑制することを特徴とする請求項3、6のいずれか1項に記載のテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項8】
上記視聴者の年齢を判定する判定部は、テレビ受信機の電源スイッチが投入されたとき、テレビ受信機のチャンネルが切り替えられたとき、入力が切り替えられたとき、メニュー表示が行われたとき、音量レベルが変更されたとき、新たな視聴者が検出されたとき又は番組が変更されたときに判定動作を行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のテレビ受信機の動作モード自動設定装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の動作モード自動設定装置を備えたテレビ受信機。
【請求項10】
外部に接続された機器の動作モードを切り替え制御することを特徴とする請求項9に記載のテレビ受信機。
【請求項11】
視聴者を撮影する撮像装置を備えたテレビ受信機の動作モード自動設定方法であって、
予め設定登録されている年齢判定処理実行条件を満たしているかを判定するステップと、
年齢判定処理実行条件を満たしていると判定されたときに、上記撮像装置からの視聴者の顔画像から年齢を判定するステップと、
判定した年齢に応じてテレビ受信機の動作モードを自動的に切り替えるステップとを備えたことを特徴とするテレビ受信機の動作モード自動設定方法。


【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−229141(P2011−229141A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79625(P2011−79625)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】