説明

テレビ装置およびスピーカシステム

【課題】コストアップを抑えつつ、1つのリモコン装置でテレビ装置およびアンプ内蔵スピーカ装置を操作可能となり利便性が高いものとなるテレビ装置を提供する。
【解決手段】音声をデジタル転送するためのシリアル通信規格のフォーマットで音声データをアンプ内蔵スピーカ装置へ送信するテレビ装置において、テレビ装置の所定機能を発揮させるための操作子がリモコン装置において操作されると、前記シリアル通信規格のフォーマットで前記所定機能に対応した制御コードを前記アンプ内蔵スピーカ装置に送信する制御コード送信部を備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ装置とアンプ内蔵スピーカ装置とのリンク機能に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、テレビ装置とこのテレビ装置に接続されるアンプ内蔵スピーカ装置とからなるスピーカシステムが様々開発されている(例えば、特許文献1を参照)。特に近年では、外観がバー形状のアンプ内蔵スピーカ装置であるいわゆるサウンドバーが普及してきている。
【0003】
また近年、テレビ装置および上記サウンドバーいずれにもS/PDIF(Sony Philips Digital InterFace)端子が標準的に備えられていることが多い。S/PDIFは、音声データをデジタル転送するためのシリアル通信規格である。転送されるデータは、デジタル符号化音声データ(Dolby Digital、Advanced Audio Coding等)もしくはリニアPCMデータの音声データと、コピー保護フラグ等の各種付加データなどから構成される。S/PDIF端子は、光デジタル音声端子と同軸デジタル音声端子が規格化されている。テレビ装置とサウンドバーそれぞれのS/PDIF端子同士を1本のケーブルで接続することで、テレビ装置からサウンドバーへ音声をデジタル転送でき、ユーザはサウンドバーから音声を聴くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−052625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、従来のテレビ装置およびサウンドバーからなるスピーカシステムにおいては、テレビ装置およびサウンドバーそれぞれ専用のリモコン装置が付属されており、各機器の操作は各機器専用のリモコンで行う必要があり利便性に欠けるという問題があった。
【0006】
そこで、近年普及しているいわゆるリンク機能を追加することにより、1つのリモコンでテレビ装置およびサウンドバーを操作できるようにすることが考えられる。しかし、これでは、上述したS/PDIF端子とは別にIR端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子等のリンク用の部品を追加する必要があり、コストアップしてしまうという問題がある。
【0007】
上記問題点を鑑み、本発明は、S/PDIF等の音声データをデジタル転送するためのシリアル通信規格に対応したテレビ装置およびスピーカシステムにおいて、コストアップを抑えつつ、1つのリモコン装置でテレビ装置およびアンプ内蔵スピーカ装置を操作可能な利便性の高いテレビ装置およびスピーカシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、音声をデジタル転送するためのシリアル通信規格のフォーマットで音声データをアンプ内蔵スピーカ装置へ送信するテレビ装置において、
テレビ装置の所定機能を発揮させるための操作子がリモコン装置において操作されると、前記シリアル通信規格のフォーマットで前記所定機能に対応した制御コードを前記アンプ内蔵スピーカ装置に送信する制御コード送信部を備えた構成とする。
【0009】
このような構成によれば、1つのリモコン装置の操作子を操作することで、テレビ装置およびアンプ内蔵スピーカ装置において所定機能を発揮させることができるので、ユーザにとって利便性が高いものとなる。また、音声をデジタル転送するためのシリアル通信規格を用いて制御コードを送信するので、別途の規格の部品を追加する必要がなくリンク機能を実現でき、コストアップを抑えることができる。
【0010】
また、上記構成において、前記所定機能は、電源オン機能、電源オフ機能並びに音量調整機能の少なくともいずれかであってもよい。
【0011】
また、上記いずれかの構成において、前記制御コード送信部は、前記制御コードを一定時間送信するようにしてもよい。これにより、アンプ内蔵スピーカ装置側で制御コードが確実に送信されていることを確認することができる。
【0012】
また、上記いずれかの構成において、テレビ装置の電源オン機能を発揮させるための操作子が前記リモコン装置において操作され、前記制御コード送信部が前記制御コードを送信する際、テレビ装置が有するスピーカをミュートするミュート制御部を備えた構成としてもよい。これにより、電源オン同期制御のときに、テレビ装置側のスピーカをミュートし、アンプ内蔵スピーカ装置側のスピーカを優先させることができる。
【0013】
また、上記いずれかの構成において、前記シリアル通信規格は、S/PDIF(Sony Philips Digital InterFace)としてもよい。
【0014】
また、本発明は、上記いずれかの構成のテレビ装置と、アンプ内蔵スピーカ装置とを有するスピーカシステムとする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コストアップを抑えつつ、1つのリモコン装置でテレビ装置およびアンプ内蔵スピーカ装置を操作可能となり利便性が高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るスピーカシステムの概略構成図である。
【図2】電源オン同期制御におけるテレビ装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】電源オン同期制御におけるサウンドバーの動作を示すフローチャートである。
【図4】音量アップ制御におけるテレビ装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】音量アップ制御におけるサウンドバーの動作を示すフローチャートである。
【図6】電源オフ同期制御におけるテレビ装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】電源オフ同期制御におけるサウンドバーの動作を示すフローチャートである。
【図8】S/PDIFフォーマットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。ここでは、デジタル放送受信可能なテレビ装置とサウンドバーからなるスピーカシステムを一例に挙げて説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るスピーカシステムの概略構成について示す図である。本発明のスピーカシステムは、デジタル放送受信可能なテレビ装置100とアンプ内蔵スピーカ装置であるサウンドバー200とからなる。
【0019】
テレビ装置100は、チューナ2と、復調IC3と、DEMUX(デマルチプレクサ)4と、映像デコーダ5と、映像出力部6と、液晶パネル7と、音声デコーダ8と、D級アンプ9と、スピーカ10と、S/PDIF送信部11と、S/PDIF端子12と、リモコン受光部13と、マイコン14と、フラッシュメモリ15と、を備えている。チューナ2には、アンテナ1が接続される。
【0020】
また、サウンドバー200は、マイコン16と、DSP(Digital Signal Processor)17と、D級アンプ18と、スピーカ19と、S/PDIF端子20と、を備えている。S/PDIF端子12とS/PDIF端子20とは、ケーブル30により接続される。
【0021】
チューナ2は、アンテナ1から受信したデジタル放送信号から選局周波数の放送信号を選局し、選局された放送信号を復調IC3に出力する。復調IC3は、受信した放送信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式で復調し、ビダビ復号等を用いて誤り訂正を行いTS(Transport Stream)データを取り出す。
【0022】
DEMUX4は、TSデータから映像ストリームデータを抽出し映像デコーダ5に出力すると共に、TSデータから音声ストリームデータを抽出し音声デコーダ8に出力する。
【0023】
映像デコーダ5は、映像ストリームデータをデコードし、デジタル映像データを映像出力部6に出力する。映像出力部6は、デジタル映像データを液晶パネル7の表示に適した形式の映像信号に変換し、液晶パネル7に出力する。液晶パネル7は、映像出力部6から入力される映像信号に基づき映像を表示する。
【0024】
音声デコーダ8は、音声ストリームデータをデコードし、デジタル音声データをD級アンプ9またはS/PDIF送信部11に送信する。D級アンプ9は、デジタル音声データに基づきスピーカ10の駆動信号を生成し、スピーカ10を駆動させる。
【0025】
S/PDIF送信部11は、デジタル音声データ、付加データ等から構成されるS/PDIFフォーマットデータを生成し、生成したS/PDIFフォーマットデータをS/PDIF端子12、ケーブル30を介してサウンドバー200へ送信する。なお、S/PDIF端子12は、光デジタル音声端子(オプティカル)または同軸デジタル音声端子(コアキシャル)で構成される(S/PDIF端子20も同様)。
【0026】
リモコン受光部13は、リモコン装置300からキー操作に対応した赤外線信号を受信し、受信した赤外線信号をリモコンコードに変換する。リモコン装置300は、電源キー、音量アップキー、音量ダウンキー等の各種キーが設けられる。
【0027】
マイコン14は、CPU、ROM等から構成され、テレビ装置100を統括的に制御する。フラッシュメモリ15は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、設定情報等が記憶される。
【0028】
また、サウンドバー200において、DSP17は、S/PDIF端子20を介して受信したS/PDIFフォーマットデータから音声データを抽出し、抽出された音声データを音量調整してD級アンプ18に出力する。D級アンプ18は、音声データに基づきスピーカ19の駆動信号を生成し、スピーカ19を駆動させる。マイコン16は、主にサウンドバー200の電源制御を行う。
【0029】
次に、本発明に係るスピーカシステムにおけるリンク機能について以下説明する。
【0030】
(電源オン同期制御)
ここでは、本発明に係るスピーカシステムにおける電源オン同期制御について説明する。図2に、電源オン同期制御におけるテレビ装置100の動作を、図3に、電源オン同期制御におけるサウンドバー200の動作を示す。
【0031】
まず、リモコン装置300において電源キーにより電源オン操作がされ、電源キーのリモコンコードを待機中のマイコン14がリモコン受光部13から受信すると、図2のフローチャートが開始され、ステップS20で、マイコン14は、テレビ装置100の電源をオンとする。次に、ステップS21で、マイコン14は、TV/サウンドバー同期モードが有効か否かを判定する。
【0032】
ここで、TV/サウンドバー同期モードの設定については、例えば、リモコン装置300に設けられた専用キーの操作がされるたびに、TV/サウンドバー同期モードの有効・無効の設定が切り替わるようにしてもよい。また、例えば、OSD(On-Screen Display)メニュー内にTV/サウンドバー同期モードの設定機能を設け、OSD画面上でTV/サウンドバー同期モードの有効・無効を設定できるようにしてもよい。
【0033】
もしTV/サウンドバー同期モードが有効になっていれば(ステップS21のY)、ステップS22に進み、S/PDIF送信部11は、マイコン14の指示により、TV/SOUND BAR SYNC ONの制御コードをS/PDIFフォーマットでサウンドバー200へ一定時間送信する。
【0034】
ここで、図8に、S/PDIFフォーマットを示す。S/PDIFフォーマットの最小単位はサブフレームと呼ばれ、サブフレームはCh−1(L−ch)またはCh−2(R−ch)のデータである。そして、2つのサブフレームによりフレームが構成され、フレームが192個集まりブロックが構成される。
【0035】
サブフレームは32ビットで構成され、それぞれのビットをタイムスロットと呼ぶ。先頭から9番目から28番目までのタイムスロットが音声データに使用される。また、先頭から31番目のタイムスロットをチャンネルステータスと呼び、この1ビットが1ブロック分、つまり192ビット集められて合計24バイトのデータとして扱われる。この24バイトのチャンネルステータスのうち未定義の領域を、上述したTV/SOUND BAR SYNC ONの制御コードの送信に用いる。なお、この領域は、後述するその他の制御コードの送信にも用いられる。
【0036】
なお、上述したTV/SOUND BAR SYNC ONの制御コードを一定時間送信するとは、制御コードが含まれた1ブロック分のデータを所定回数繰り返し送信することをいう。
【0037】
また、ステップS22では、制御コードの送信と共に、テレビ装置100のスピーカ10がミュートされる。これは、例えば、マイコン14の制御によりD級アンプ9の前段にあるトランジスタスイッチ(不図示)をオフにすればよい。
【0038】
そして、ステップS23で、S/PDIF送信部11は、音声デコーダ8からの音声データをS/PDIFフォーマットでサウンドバー200へ送信することを開始する。
【0039】
なお、TV/サウンドバー同期モードが無効になっていれば(ステップS21のN)、ステップS24に進み、音声デコーダ8は、D級アンプ9に音声データを送信開始し、スピーカ10から音声が発生する。
【0040】
また、このときのサウンドバー200側の動作を説明すると、まず、ステップS30で、待機中のマイコン16がS/PDIF端子20からの入力を監視しており、もし信号が入力されたことを検出すると(ステップS30のY)、ステップS31で、マイコン16は、サウンドバー200の電源をオンとする。これにより、DSP17が起動する。
【0041】
次に、ステップS32で、DSP17は、変数Iを0に初期化する。そして、ステップS33で、DSP17は、受信したS/PDIFフォーマットデータから制御コードの領域のデータを抽出し、抽出したデータがTV/SOUND BAR SYNC ONの制御コードであるか否かを判定する。もしTV/SOUND BAR SYNC ONの制御コードであれば(ステップS33のY)、ステップS34に進み、DSP17は、Iをインクリメントし、ステップS35に進み、Iが3になったか否かを判定し、3になっていなければ(ステップS35のN)、ステップS33に戻る。
【0042】
そして、Iが3になっていれば(ステップS35のY)、ステップS36に進み、DSP17は、TV/サウンドバー同期モードに移行する。移行後、DSP17は、S/PDIF端子20から入力されるS/PDIFフォーマットデータから音声データを抽出し、音量調整後D級アンプ18に送信することを開始する。これにより、スピーカ19から音声が発生する。
【0043】
なお、ステップS33で、抽出したデータがTV/SOUND BAR SYNC ONの制御コードでなければ(ステップS33のN)、ステップS37に進み、DSP17は、TV/サウンドバー同期モードには移行しない。
【0044】
このような制御によれば、リモコン装置300で電源オン操作をすれば、テレビ装置100の電源がオンとなると共に、自動的にサウンドバー200の電源もオンとなる。そして、TV/SOUND BAR SYNC ONの制御コードを受信したことを3回検出できれば、サウンドバー200のDSP17がTV/サウンドバー同期モードに移行し、サウンドバー200のスピーカ19から音声を聴くことができる。
【0045】
(音量調整制御)
次に、本発明に係るスピーカシステムにおける音量調整制御について説明する。ここでは、音量アップ制御について詳述するが、音量ダウン制御については同様であるので詳述を省く。図4に、音量アップ制御におけるテレビ装置100の動作を、図5に、音量アップ制御におけるサウンドバー200の動作を示す。
【0046】
まず、リモコン装置300において音量アップキーが操作され、音量アップキーのリモコンコードをマイコン14がリモコン受光部13から受信すると、図4のフローチャートが開始され、ステップS40で、マイコン14は、TV/サウンドバー同期モードが有効か否かを判定し、有効であれば(ステップS40のY)、ステップS41に進む。
【0047】
ステップS41で、S/PDIF送信部11は、マイコン14の指示により、S/PDIFフォーマットでVOLUME UPの制御コードをサウンドバー200へ一定時間送信する。ここでは、音声データと制御コードを含んだ1ブロック分のデータを3回送信する。
【0048】
そして、ステップS42で、マイコン14は、リモコン受光部13から音量アップキーのリモコンコードを受信しているか否かを確認し、受信していれば(ステップS42のY)、ステップS43で、S/PDIF送信部11は、マイコン14の指示により、S/PDIFフォーマットでVOLUME UPの制御コードをサウンドバー200へ送信する。ここでは、音声データと制御コードを含んだ1ブロック分のデータを送信する。
【0049】
そして、音量アップキーのリモコンコードを受信していなければ(ステップS42のN)、処理は終了する(エンド)。
【0050】
なお、TV/サウンドバー同期モードが無効であれば(ステップS40のN)、ステップS44に進み、音声デコーダ8が音声データを音量アップ調整し、スピーカ10から発生する音声の音量がアップする。
【0051】
また、サウンドバー200側では、TV/サウンドバー同期モードへ移行後、DSP17は、S/PDIF端子20から入力されるS/PDIFフォーマットデータから制御コードの領域のデータを抽出し、抽出したデータが所定の制御コードであるかを判定している。ここで、抽出したデータがVOLUME UPの制御コードであれば、DSP17は、変数Iを0に初期化し、図5のフローチャートが開始される。
【0052】
まず、ステップS50で、DSP17は、Iをインクリメントし、ステップS51で、Iが3になったか否かを判定する。Iが3になっていなければ(ステップS51のN)、ステップS52に進み、DSP17は、S/PDIF端子20から入力されるS/PDIFフォーマットデータから制御コードの領域のデータを抽出し、抽出したデータがVOLUME UPの制御コードであるか否かを判定する。VOLUME UPの制御コードであれば(ステップS52のY)、ステップS50に戻る。
【0053】
そして、もしIが3になっていれば(ステップS51のY)、ステップS53に進み、DSP17は、音量アップ調整を行い、ステップS54に進む。ステップS54で、所定時間内にDSP17が、S/PDIF端子20から入力されるS/PDIFフォーマットデータから制御コードの領域のデータを抽出し、抽出したデータがVOLUME UPの制御コードであると判定すれば(ステップS54のY)、ステップS55に進み、DSP17は、音量アップ調整を行い、ステップS54に戻る。
【0054】
また、ステップS52で、抽出したデータがVOLUME UPの制御コードでない場合や(ステップS52のN)、ステップS54で、所定時間内にVOLUME UPの制御コードであるとの判定ができなければ(ステップS54のN)、処理は終了する(エンド)。
【0055】
このような制御によれば、リモコン装置300で音量アップキーの操作をすれば、テレビ装置100からサウンドバー200へVOLUME UPの制御コードを一定時間送信し、サウンドバー200側でVOLUME UPの制御コードを受信したことを3回検出できれば、スピーカ19から発生する音声の音量がアップされる。そして、音量アップキーが操作され続けられた場合はVOLUME UPの制御コードが送信され続け、サウンドバー200で音量が順次アップされてゆく。
【0056】
また、音量アップキーが間欠的に操作された場合は、最初の操作ではVOLUME UPの制御コードが一定時間送信され、サウンドバー200側でVOLUME UPの制御コードを受信したことを3回検出できれば、スピーカ19から発生する音声の音量がアップされる。2回目の操作では、再びVOLUME UPの制御コードが一定時間送信されるので、サウンドバー200側では所定時間内にVOLUME UPの制御コードを受信したことが検出され、さらに音量がアップされ、3回目以降の操作でも同様となり、音量が順次アップされてゆく。
【0057】
なお、音量ダウン制御については、上述した音量アップ制御において、音量アップキーを音量ダウンキーに置き換え、VOLUME UPの制御コードはVOLUME DOWNの制御コードに置き換えればよい。
【0058】
(電源オフ同期制御)
次に、本発明に係るスピーカシステムにおける電源オフ同期制御について説明する。図6に、電源オフ同期制御におけるテレビ装置100の動作を、図7に、電源オフ同期制御におけるサウンドバー200の動作を示す。
【0059】
リモコン装置300において電源キーにより電源オフ操作がされ、電源キーのリモコンコードをマイコン14がリモコン受光部13から受信すると、図6のフローチャートが開始される。
【0060】
まず、ステップS60で、マイコン14は、TV/サウンドバー同期モードが有効か否かを判定し、有効であれば(ステップS60のY)、ステップS61に進み、S/PDIF送信部11は、マイコン14の指示により、S/PDIFフォーマットでPOWER OFFの制御コードをサウンドバー200へ一定時間送信する。ここでは、音声データと制御コードを含んだ1ブロック分のデータを3回送信する。そして、ステップS62で、マイコン14が、テレビ装置100の電源をオフとして処理終了となる(エンド)。
【0061】
また、TV/サウンドバー同期モードが無効であれば(ステップS60のN)、ステップS62に進み、そのままマイコン14が、テレビ装置100の電源をオフとして処理終了となる(エンド)。
【0062】
また、サウンドバー200側では、TV/サウンドバー同期モードへ移行後、DSP17は、S/PDIF端子20から入力されるS/PDIFフォーマットデータから制御コードの領域のデータを抽出し、抽出したデータが所定の制御コードであるかを判定している。ここで、抽出したデータがPOWER OFFの制御コードであれば、DSP17は、変数Iを0に初期化し、図7のフローチャートが開始される。
【0063】
まず、ステップS70で、DSP17は、Iをインクリメントし、ステップS71で、Iが3になったか否かを判定する。Iが3になっていなければ(ステップS71のN)、ステップS72に進み、DSP17は、S/PDIF端子20から入力されるS/PDIFフォーマットデータから制御コードの領域のデータを抽出し、抽出したデータがPOWER OFFの制御コードであるか否かを判定する。POWER OFFの制御コードであれば(ステップS72のY)、ステップS70に戻る。
【0064】
そして、もしIが3になっていれば(ステップS71のY)、ステップS73に進み、DSP17は、マイコン16に指令し、マイコン16がサウンドバー200の電源をオフとし、処理が終了する(エンド)。
【0065】
また、ステップS72で、抽出したデータがPOWER OFFの制御コードでなければ(ステップS72のN)、そのまま処理は終了する(エンド)。
【0066】
このような制御によれば、リモコン装置300で電源キーにより電源オフ操作をすれば、テレビ装置100からサウンドバー200へPOWER OFFの制御コードを一定時間送信し、テレビ装置100の電源がオフとなると共に、サウンドバー200側でPOWER OFFの制御コードを受信したことを3回検出できれば、サウンドバー200の電源が自動的にオフとなる。
【0067】
以上のように、ユーザは、1つのリモコン装置300で、テレビ装置100およびサウンドバー200の電源オンオフ同期、および音量調整を操作することができ、利便性が高い。また、S/PDIFフォーマットで制御コードを送信するので、S/PDIFとは別途の規格の部品を追加することなくリンク機能を実現でき、コストアップを抑えることができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は様々に変更可能である。
【0069】
例えば、上述した電源オンオフ同期制御、音量調整制御において、DSP17が行う処理は、マイコン16が行うようにしてもよい(S/PDIF端子20の出力はDSP17へは行かないようにする)。この場合、音声データはマイコン16からDSP17へ送信するようにし、音量アップ・ダウンはマイコン16からDSP17へ指令するようにし、サウンドバー200の電源オフはマイコン16自体が行えばよい。
【0070】
また、音量アップ制御において(図5)、ステップS53の後、所定時間内にVOLUME UPの制御コードを受信することが3回繰り返された場合に音量アップ調整をするようにしてもよい(音量ダウンについても同様)。
【0071】
また、上記実施形態では制御コードの確認は3回行うようにしていたが、3回に限らず、複数の所定回数確認するようにしてもよい。
【0072】
また、電源オンオフ、音量調整に限らず、例えば、テレビ装置とサウンドバーの音質調整(低域強調等)を1つのリモコン装置で操作できるようにしてもよい。
【0073】
また、S/PDIFに限らず、デジタルオーディオインターフェースの規格としてEIAJ(日本電子機械工業会)が制定したCP−1201の業務用規格を用いてもよい。この場合は、業務用規格の文字列領域や未定義領域に制御コードを含めるようにすればよい。さらに、その他にも、IEEE1394やUSB(Universal Serial Bus)を用いて制御コードを送信するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 アンテナ
2 チューナ
3 復調IC
4 DEMUX
5 映像デコーダ
6 映像出力部
7 液晶パネル
8 音声デコーダ
9 D級アンプ
10 スピーカ
11 S/PDIF送信部
12 S/PDIF端子
13 リモコン受光部
14 マイコン
15 フラッシュメモリ
16 マイコン
17 DSP
18 D級アンプ
19 スピーカ
20 S/PDIF端子
30 ケーブル
100 テレビ装置
200 サウンドバー
300 リモコン装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声をデジタル転送するためのシリアル通信規格のフォーマットで音声データをアンプ内蔵スピーカ装置へ送信するテレビ装置において、
テレビ装置の所定機能を発揮させるための操作子がリモコン装置において操作されると、前記シリアル通信規格のフォーマットで前記所定機能に対応した制御コードを前記アンプ内蔵スピーカ装置に送信する制御コード送信部を備えたことを特徴とするテレビ装置。
【請求項2】
前記所定機能は、電源オン機能、電源オフ機能並びに音量調整機能の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のテレビ装置。
【請求項3】
前記制御コード送信部は、前記制御コードを一定時間送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のテレビ装置。
【請求項4】
テレビ装置の電源オン機能を発揮させるための操作子が前記リモコン装置において操作され、前記制御コード送信部が前記制御コードを送信する際、テレビ装置が有するスピーカをミュートするミュート制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のテレビ装置。
【請求項5】
前記シリアル通信規格は、S/PDIF(Sony Philips Digital InterFace)であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のテレビ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のテレビ装置と、アンプ内蔵スピーカ装置とを有するスピーカシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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