説明

テロメラーゼ活性の検出のためのアッセイ

本発明は包括的に、テロメラーゼ活性と関連する状態に関する診断アッセイのような診断及び予後アッセイの分野に関する。さらに詳細には、本発明は、癌、炎症性障害及び/又は胚形成を包含し且つ/又は幹細胞増殖を要する状態の指標としてテロメラーゼ活性を測定するためのアッセイ、そのために有用な作用物質及びキットを提供する。ハイスループットスクリーニングを可能にする自動化されたアッセイ及び部分的に自動化されたアッセイも本発明の一部を構成する。本発明はさらに、本発明のアッセイにより同定される作用物質を用いる治療方法、あるいは治療プロトコールが当該アッセイによりモニタリングされる方法をさらに意図する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的に、テロメラーゼ活性と関連する状態に関する診断アッセイのような診断及び予後アッセイの分野に関する。さらに詳細には、本発明は、癌、炎症性障害及び/又は胚形成を包含し且つ/又は幹細胞増殖を要する状態の指標としてテロメラーゼ活性を測定するためのアッセイ、そのために有用な作用物質及びキットを提供する。ハイスループットスクリーニングを可能にする自動化されたアッセイ及び部分的に自動化されたアッセイも本発明の一部を構成する。本発明はさらに、本発明のアッセイにより同定される作用物質を用いる治療方法、或いは治療プロトコールが当該アッセイによりモニタリングされる方法をさらに意図する。
【背景技術】
【0002】
本明細書における任意の従来技術の参照は、従来技術があらゆる国における共通の一般的知識の一部を構成するということを承認するものでも、何らかの形態で示唆するものでもなく、そしてそのように解釈されるものでもない。
【0003】
テロメアは、染色体DNAの3’末端に位置する(TTAGGG)として表わされるタンデム富GT反復配列からなる反復DNA配列である。一細胞分裂当たりテロメア配列の約50〜200ヌクレオチドが損失されて、最終的に細胞老化を生じるため、漸進的テロメア侵食が正常有糸分裂過程中に起こる。テロメアは、テロメア(telomeric)DNAを伸長する独特の逆転写酵素であるテロメラーゼの作用により融合及び分解から染色体を保護する(Shay et al., Hum. Mole. Gen. 10: 667-685, 2001)。テロメラーゼは、相対的に、生殖系列及び胚性組織、炎症細胞、再生組織の増殖細胞、並びに癌細胞中に豊富である。これに対比して、テロメラーゼ活性は、正常体細胞性ヒト組織中で検出することが困難である。テロメラーゼ活性及び細胞複製の相関は、テロメラーゼ及び癌の関連を促す。テロメラーゼ活性は、ほとんどすべてのヒト腫瘍において見出されるが、隣接正常細胞では見出されない(Kim et al., Science 266: 2011-2015, 1994)。実際、テロメラーゼは、ヒト癌の約85%で活性化される(Hiyama et al., Cancer Lett. 194: 221-223, 2003)。したがって、テロメラーゼの上向き調節又は再発現は継続的な腫瘍細胞増殖に関与する重要事象であり得る、ということが提示されている。
【0004】
テロメラーゼ活性が細胞性増殖の疾患、例えば癌と関連があるとすると、テロメラーゼ活性の検出は、診断価値を有する。テロメラーゼ活性の定量のためのいくつかの分析手法が報告されている。最も頻繁に利用されるアッセイは、テロメア反復増幅プロトコール(TRAP)であり、これは、2段階PCRに基づくアッセイである。第一段階では、テロメラーゼは5’−TTAGGG−3’反復配列を合成プライマーの末端に添加する。第二段階では、逆プライマーを用いて、延長オリゴヌクレオチド産物が増幅される。オートラジオグラフィーにより可視化される場合、TRAPによる陽性試験は帯域のラダーを示す。次に帯域容積が定量され得る(Hess et al., Clin. Chem. 48: 18-24, 2002)。TRAPは、時間を要し、労働集約的で、PCR依存性であり、そして臨床試料の抽出物による阻害を受けやすい。さらに、PCR増幅ステップにおけるテロメラーゼ産物の対数的増幅のため、テロメラーゼ活性を定量化することは難しい。Taq−ポリメラーゼ阻害剤に対するTRAPアッセイの感度によって、しばしば、擬陽性及び擬陰性結果が生じる(Weizmann et al., Chem. Bio. 5: 943-948, 2004)。
【0005】
TRAPアッセイの電気泳動ステップをELISA検出系と取り替える類似のテロメラーゼアッセイが開発されてきた。この系はPCR依存性でもあるが、ELISA検出法は、伝統的TRAPを上回る明らかな利点を提供するようには思われない。TRAPに関連した技術的問題を排除するための努力に際して、ヒトテロメラーゼ(hTR)RNA及びヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)mRNAの定量に関するin situハイブリダイゼーションアッセイが開発された。しかしながらhTR及びhTERT発現は、テロメラーゼ活性と必ずしも同等でない(Hess et al., 2002、上記)。
【0006】
別のテロメラーゼアッセイは、PCT/IL01/00808(WO 02/20838)に開示されている。このアッセイは、回転キノン官能化磁気ビーズを用いて、アッセイ内でHを生成させる。Hの内在的な生成は、おそらくは、水性緩衝溶液中で貧可溶性であるルミノールの問題を克服すると思われる。しかしながら回転磁気ビーズは、ハイスループットスクリーニングプロトコールを発現させる能力を低減し、用いられるオリゴヌクレオチドプライマーの長さによって感度に影響を及ぼし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって癌、炎症性障害、並びに胚形成に関与する状態に関する診断、予後及び治療価値を有する、臨床試料において、且つ/又は増殖する幹細胞の可能性をモニタリングする際の、テロメラーゼ活性の検出のための信頼ができ、感度が良く、そして費用効率の高いアッセイに対する必要性が存在する。本発明のアッセイは、ヒト及び哺乳類脊椎動物又は非哺乳類脊椎動物並びに植物に適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書全体を通して、別記しない限り、「含む(comprise)」又はその変形、例えば「含む(単数)(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」という語は、記述される要素又は整数或いは要素又は整数の群を包含することを意味するが、任意の他の要素又は整数或いは要素又は整数の群の排除を意味するものではないと理解される。
【0009】
ヌクレオチド配列は、配列識別子番号[配列番号]により示される。配列番号は、配列識別子<400>1[配列番号1]、<400>2[配列番号2]のように数字に対応する。配列識別子のまとめは、表1に提示されている。特許請求の範囲の後に配列表を提示する。
【0010】
本発明は、癌細胞の存在、並びに炎症性障害及び胚形成に関与する状態の診断的及び予後的指標を提供する細胞中のテロメラーゼ活性のアッセイに関し、且つ/又は幹細胞が増殖する能力をモニタリングするためのアッセイを意図する。このアッセイは、ヒトに関する医学的治療プロトコールを評価するためにも、またテロメラーゼ活性又はレベルを調整する作用物質に関するスクリーニングのためにも有用である。非哺乳類脊椎動物及び植物におけるテロメラーゼ活性は、診断価値も有し得るし、或いはリサーチツールとしても有用であり得る。脊椎動物に関して、テロメラーゼ活性のレベルは、癌細胞のようなある型の細胞の存在、並びに年齢に伴い且つ/又は治療プロトコールに応じる細胞生理学又は増殖能力における変化と相関する。同様に、テロメラーゼ活性のレベル又はその変化は、増殖を含めた炎症に、並びに胚形成に関与する状態に関する情報を提供する。このアッセイは、自動化されるか又は半自動化されて、ハイスループットスクリーニングを可能にする。それは、上皮細胞捕獲及び溶解に基づいて、テロメラーゼ活性を検出する。読取りはルミネッセンスである。他のテロメラーゼアッセイと異なり、それはPCRに基づくアッセイではない。
【0011】
したがって本発明は、テロメラーゼ触媒性伸長ヌクレオチド配列中への標識の組込みにより、テロメラーゼ活性のレベルを測定する。
【0012】
したがって、本発明の一態様は、テロメラーゼ活性を示す被験体からの細胞を検出する方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及びテロメラーゼを産生する推定細胞数を提示する方法を意図する。
【0013】
自動化に関して、ステップ(iii)、そして特にルミノール、エンハンサー及び/又はHは、ルミネッセンス読取機により自動的に添加され得る。
【0014】
本発明の別の態様は、テロメラーゼ活性を示す被験体からの細胞を検出する方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、以下の配列:
(XTTAGGY
(式中、Xは、A、T、G及びCから選択されるヌクレオチドであり、
Yは、A、T、G及びCから選択されるヌクレオチドであり、
nは、0又は1であり、
mは、0又は1であり、且つ
oは、約1〜約400である)
を含むオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及びテロメラーゼを産生する推定細胞数を提示する方法を提供する。
【0015】
一般的に、脊椎動物では、nは0であり、YはGであり、且つoは約5〜約30である。節足動物では、nは0であり、mは0であり、且つoは約1〜約30である。植物では、XはTであり、nは1であり、YはGであり、mは1であり、且つoは約1〜約30である。
【0016】
陰性又は既知のデータセットと比較した場合のテロメラーゼ活性の存在又はテロメラーゼ活性のレベルは、テロメラーゼ活性を保有する細胞の数を示す。このような細胞としては、癌細胞、炎症又は増殖性細胞、或いは幹細胞を含めた胚形成に関与する細胞が挙げられる。「陰性対照」は、テロメラーゼ活性の基礎レベルを示し得る。アッセイは感度が良く、約1個といった少数から10個より多い細胞、例えば1〜10個の細胞におけるテロメラーゼ活性の検出を可能にする。
【0017】
したがって本発明は、被験体からの試料中の癌細胞、炎症又は増殖性細胞及び幹細胞を含めた胚形成細胞から選択される細胞の検出方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、対照、例えば癌、炎症又は胚形成細胞を含有しないような対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベルを、それにより細胞の数を提示する方法を提供する。
【0018】
「被験体」は、ヒト又は他の哺乳類、非哺乳類脊椎動物又は植物、或いはテロメラーゼを含む他の存在物であり得る。
【0019】
上記のように、本発明のアッセイは、自動化され得るか、或いは単一アッセイ又はアッセイのバッチとして用いられ得る。ルミノール、エンハンサー及び/又はHを添加するステップは、好都合に自動化される。したがって本発明は、アッセイを実施するのに必要とされる試薬、並びに使用のための使用説明書を含むキットを提供する。さらにアッセイは、多数の標識を用いた複合条件化で実行され得る。さらにアッセイは、細胞同定を手助けするか又は治療プロトコールをモニタリングするための多数のアッセイ(即ち2以上のアッセイ)の一部となり得る。
【0020】
本発明は、シグナルの程度の測定により、細胞中のテロメラーゼ活性の定量的検出を可能にする。しかしながら本発明は、テロメラーゼ活性の存在又は非存在又は相対レベルの定量的検出を提供するための本発明のアッセイの使用に及ぶ。「判定」、「判定すること」、「検出」、「診断」、「予後」及び「同定」といった用語は、互換的に用いられて、細胞又は細胞の試料中のテロメラーゼの定性的、半定性的及び定性的検出を示す。
【0021】
特定の実施形態では、テロメラーゼアッセイは、癌細胞の存在を検出するために、或いは化学療法薬の存在下で癌をモニタリングすることを含めて被験体における癌の進行をモニタリングするために用いられる。「化学療法薬」とは、この状況においては、化学作用物質、並びに免疫学的作用物質又は抗生物質を包含する。「癌」は、本発明に関する限り、腫瘍と同一であるとみなされる。
【0022】
したがって、本発明は、被験体からの試料中の癌細胞を検出する方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、癌細胞を含有しないような対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及び推定癌細胞数の存在又は数を提示する方法を意図する。
【0023】
本発明はさらに、細胞障害性作用物質、例えば抗癌化学療法薬の効能を評価するためのアッセイの使用に及ぶ。それは、癌患者、例えば白血病患者のリスク層別化のためにも用いられ得る。
【0024】
一実施の形態では、「細胞の試料を入手すること」は、細胞を収集して部分的に精製すること、或いは少なくとも試料中の不必要な構成成分を除去することを包含する。本発明の一態様は、腫瘍細胞の選択的精製並びに潜在的妨害物質からのそれらの細胞の除去のための方法を提供する。腫瘍細胞の精製は、腫瘍細胞特異的抗体で被覆される磁気ビーズと共に細胞を含有する体液をインキュベートすることにより達成される。当該腫瘍細胞は広範に洗浄され、したがって他の細胞型、体液マトリックス(例えば尿、血液)及び妨害物質から分離される。これは、アッセイによる妨害のための擬陰性の可能性を、そして非腫瘍細胞、例えば感染に際して存在し得る活性化Tリンパ球により引き起こされる擬陽性の可能性も減らす。試料ワークアップ手法は、したがって、高い臨床的感受性値及び特異性値を得るのに有用であると考えられる。
【0025】
したがって、本発明の別の態様は、細胞障害性作用物質の活性を評価する方法であって、
i)推定細胞障害作用物質を癌細胞の培養物に添加すること、
ii)テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を癌細胞からの細胞抽出物と接触させ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
iii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iv)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサー及び外因的添加Hと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
v)その結果生じた混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、細胞障害性作用物質を含有しないような対照と比較した場合の細胞障害性作用物質の存在下でのルミネッセンスの強度レベルが作用物質の細胞障害性のレベルを提示する方法に関する。
【0026】
本発明はさらに、上記の方法を用いて同定される細胞障害性作用物質を用いる治療方法を意図する。治療方法は、本発明のアッセイを用いて臨床プロトコールを評価することも包含する。プロトコールは、テロメラーゼレベルがそのプロトコールの時間にわたって如何に変化するかによって、変更され得る。
【0027】
TBTはさらにまた、加齢を評価するために、そして高齢被験体における健康の悪化又は程度をモニタリングするために用いられ得る。
【0028】
オリゴヌクレオチドプライマーは、任意のカップリング化学作用により、例えばチオール、アミン及びアルデヒドカップリング化学作用により、ビーズに固定され得る。
【0029】
一実施形態では、テロメラーゼの基質であるオリゴヌクレオチドプライマーは、チオール結合によりビーズに固定される。例えば適切なリンカーは、配列番号5で表わされる。
【0030】
本発明のテロメラーゼアッセイは、「TBT」又は「テロメラーゼバイオセンサー技術」として本明細書中で言及される。
【0031】
本発明の方法は、テロメラーゼ基質オリゴヌクレオチドプライマーの伸長がPCRを介さない、という条件を包含する。
【0032】
本発明の明細書全体を通して用いられる配列識別子の要約を、表1に提示する。
【0033】
【表1】

【0034】
本発明の明細書全体を通して用いられる略号の要約を、表2に提示する。
【0035】
【表2】

【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、細胞又は細胞の試料中のテロメラーゼに関する感受性アッセイを提供する。試験は、「TBT」又は「テロメラーゼバイオセンサー技法」と呼ばれる。アッセイを実行するために有用な試薬も、本発明の一部を構成する。試薬は、アッセイを実施するための使用説明書と共に包装されるキットの一部であってもよく、又は別々に提供されてもよい。テロメラーゼの検出は、定量的、半定量的又は定性的であり、これらはすべて、「判定」、「判定すること」、「検出」、「診断」、「予後」及び「同定」という用語に包含される。アッセイは、自動化又は半自動化されて、迅速、ハイスループットスクリーニングを可能にし得る。テロメラーゼ活性のレベルを含めたテロメラーゼ活性の存在の解明は、癌細胞、或いは炎症、増殖及び/又は胚形成に関連する細胞の存在又は相対レベルを測定するために有用である。本発明は原則的にヒトに主眼をおいているが、アッセイはすべての脊椎動物、植物及び節足動物において実行され得る。
【0037】
本発明に従って用いられる方法及び試薬に関して、アッセイがある範囲の研究及び診断的用途を有する、ということは明らかである。アッセイは、迅速、精確、且つ単一管反応、多重プロトコール、自動化及びin situ検出に応じやすい。磁気ビーズの使用は、高い感受性及び臨床的継続性を保持しながら、低コストでのルーチン臨床使用を可能にする。他のテロメラーゼアッセイは経費がかかり、ハイスループットスクリーニングのために改質され得ないし、臨床実験室でルーチンに用いられ得ない。TBTの用途としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
i)潜在的癌細胞の同定のための癌生検における不死細胞の検出、
ii)テロメラーゼを活性化、抑制、阻害又は抑止し得る作用物質、例えば不死化剤(例えば癌遺伝子)、又はテロメラーゼを活性化し、且つ、テロメア及び細胞の複製的寿命を伸長し得る化合物の細胞ベースの又は無細胞スクリーニングにおける同定、
iii)テロメラーゼ活性を保有する培養系又はin vivoの幹細胞又は早期始原細胞における同定、
iv)分化及び生成中のテロメラーゼ調節の検査、
v)テロメラーゼの精製中に生成されるテロメラーゼ陽性分画の同定、
vi)原生動物感染又は真菌感染の同定、並びに
vii)テロメラーゼ活性の非存在により特性化される或る特定の型の不妊症の診断。
【0038】
TBTは、ハイスループット、非常に高い感度で安価であり、そして臨床実験室でルーチンに用いられ得る。
【0039】
したがって、本発明の一態様は、テロメラーゼ活性を示す被験体からの細胞を検出する方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、陰性対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及びテロメラーゼを産生する推定細胞数を提示する、方法を意図する。
【0040】
関連実施形態において、本発明は、テロメラーゼ活性を示す被験体からの細胞を検出する方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること(この場合、上記エンハンサー及びHはルミネッセンス強度を測定する機械において自動的に添加される)、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、陰性対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及びテロメラーゼを産生する推定細胞数を提示する、方法を意図する。
【0041】
一実施形態では、「細胞の試料を入手すること」は、細胞を収集し、部分的に精製するか或いは少なくとも試料中の不必要な構成成分を除去することを包含する。本発明の一態様は、腫瘍細胞の選択的精製並びに潜在的妨害物質からのそれらの細胞の除去のための方法を提供する。腫瘍細胞の精製は、腫瘍細胞特異的抗体で被覆される磁気ビーズと共に細胞を含有する体液をインキュベートすることにより達成される。当該腫瘍細胞は広範に洗浄され、したがって他の細胞型、体液マトリックス(例えば尿、血液)及び妨害物質から分離される。これは、アッセイによる妨害のための擬陰性の可能性を、そして非腫瘍細胞、例えば感染に際して存在し得る活性化Tリンパ球により引き起こされる擬陽性の可能性も減らす。試料ワークアップ手法は、したがって、高い臨床的感受性値及び特異性値を得るのに有用であると考えられる。
【0042】
例として、尿が、モノクローナル抗体と結合された磁気ビーズ、Ber−EP4(CELLection[商標]Epithelial Enrich Dynabeads)(これは上皮細胞を選択的に捕捉する)と共にインキュベートされる。付着された腫瘍細胞を伴うビーズは数回洗浄され、そしてCHAPSベースの溶解緩衝液の添加により上皮細胞の溶解が達成される。この方法の利点は、それが潜在的妨害物質からそして活性化リンパ球(これは増大されたテロメラーゼ活性を含有し得る)からも腫瘍細胞を分離する点である。
【0043】
試料ワークアップ手法は、臨床アッセイを一般的に妨害し得る多数の化学物質から当該細胞を除去する。血液からの上皮細胞の単離は、ヘモグロビン、尿中の分解酵素、又は治療用化合物、例えば化学療法又はその他の治療のために用いられるものからの妨害の任意の可能性を除去する。
【0044】
活性化リンパ球の存在は、これらの細胞が検出可能レベルのテロメラーゼ活性を発現し得るため、テロメラーゼ活性の他のアッセイに関して問題があることを立証している。TBT試験における試料ワークアップ手法は、抗体結合磁気ビーズ上での選択的捕捉により活性化リンパ球から腫瘍上皮細胞を除去する。活性化リンパ球からの腫瘍細胞の除去は、より高い感受性並びに擬陽性のより低い確率をもたらす。有用ではあるが、これは、本発明の必須の特徴とみなされるべきではない。
【0045】
「被験体」という用語は、脊椎動物、例えばヒト又は非ヒト哺乳類、非哺乳類脊椎動物、植物或いはテロメラーゼを含む他の存在物を包含する。
【0046】
上記のように、脊椎動物に関して、細胞は、癌細胞、或いは炎症、増殖又は胚形成に関連した細胞であり得る。したがって本発明の別の態様は、被験体からの試料中の癌細胞、炎症細胞又は増殖性細胞、及び胚形成細胞、例えば幹細胞から選択される細胞を検出する方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、癌、炎症又は胚形成細胞を含有しない対照のような対照と比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベルを、それにより細胞数を提示する、方法を提供する。
【0047】
関連実施形態において、本発明は、被験体からの試料中の癌細胞、炎症又は増殖性細胞、及び胚形成細胞、例えば幹細胞から選択される細胞を検出する方法であって、
i)上記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を上記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること(この場合、上記エンハンサー及びHはルミネッセンス強度を測定する機械において自動的に添加される)、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、癌、炎症又は胚形成細胞を含有しない対照のような対照と比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベルを、それにより細胞の数を提示する方法を提供する。
【0048】
上記のように、「癌」、「腫瘍」及び「癌性の」という用語は、本発明の明細書全体を通して互換的に用いられ、そして任意の癌性又は悪性症状、前癌性症状、骨髄腫、或いは任意のリンパ腫又は悪性症状、或いは新生物性細胞を包含する任意の他の増殖性障害を意味する。「癌」又は「腫瘍」という用語は、乳房腫瘍、結腸直腸腫瘍、腺癌、中皮腫、膀胱腫瘍、前立腺腫瘍、生殖細胞腫瘍、肝癌/胆管癌、神経内分泌腫瘍、下垂体新生物、小円形細胞腫瘍、扁平上皮細胞癌、黒色腫、非定型的繊維黄色腫、精上皮腫、非精上皮腫、間質性ライディッヒ細胞腫、セルトリ細胞腫、皮膚腫瘍、腎臓腫瘍、精巣腫瘍、脳腫瘍、卵巣腫瘍、胃腫瘍、口腔腫瘍、膀胱腫瘍、骨腫瘍、子宮頚腫瘍、食道腫瘍、喉頭腫瘍、肝臓腫瘍、肺腫瘍、膣腫瘍及びウィルムス腫瘍を包含する。
【0049】
特定の癌の例としては、腺癌、腺腫、腺繊維腫、腺リンパ腫、歯牙腫(adontoma)、AIDS関連癌、聴神経腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、腺嚢胞癌、副腎皮質癌、原因不明骨髄様化生、脱毛症、胞状軟部肉腫、エナメル上皮腫、角化血管腫、好酸球増多随伴性血管類リンパ組織増殖症、硬化性血管腫、血管腫症、アプドーマ、肛門癌、血管肉腫、再生不良性貧血、星状細胞腫、毛細血管拡張性運動失調、基底細胞癌(皮膚)、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳幹神経膠腫、脳及びCNS腫瘍、乳癌、鰓腫、CNS腫瘍、類癌腫、子宮頸癌、小児期脳腫瘍、小児期癌、小児期白血病、小児期柔組織肉腫、軟骨肉腫、絨毛癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、癌腫(例えばウォーカー癌、基底細胞癌、基底扁平上皮細胞癌、ブラウン・ペアス癌、腺管癌、エーリッヒ腫瘍、クレブス2癌、メルケル細胞癌、ムチン様癌、非小細胞肺癌、燕麦細胞癌、乳頭様癌、硬性癌、細気管支癌、気管支原性癌、扁平上皮細胞癌及び移行性細胞癌)、癌肉腫、子宮頚部異形成、葉状嚢肉腫、セメント腫、脊索腫、分離腫、軟骨肉腫、軟骨芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、胆管腫、コレステリン腫、円柱腫、嚢胞腺癌、嚢腺腫、隆起性皮膚繊維肉腫、繊維形成性小円形細胞腫、腺管癌、未分化胚細胞腫、内分泌癌、子宮内膜癌、上衣細胞腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼癌、眼:黒色腫、網膜芽細胞腫、卵管癌、ファンコーニ貧血、繊維腫、繊維肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化管癌、消化管カルチノイド腫瘍、尿生殖器癌、生殖細胞腫瘍、妊娠−栄養膜性疾患、神経膠腫、婦人科癌、巨細胞腫、神経節神経腫、神経膠腫、グロムス血管腫、顆粒層細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、血液学的悪性疾患、毛様細胞性白血病、頭及び首の癌、肝細胞癌、遺伝性乳癌、組織球増殖症、ホジキン病、ヒトパピローマウイルス、胞状奇胎、高カルシウム血症、下咽頭癌、過誤腫、血管内皮腫、血管腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、血管肉腫、組織球障害、組織球増殖性悪性疾患、組織球腫、肝細胞癌、汗腺腫、軟骨肉腫(hondrosarcoma)、免疫増殖性小(immunoproliferative small)、オポーマ(opoma)、眼球内黒色腫(ontraocular melanoma)、島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓癌、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭癌、平滑筋肉腫、白血病、リ・フラウメニ症候群、口唇癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、リンパ水腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、平滑筋肉腫(leigomyosarcoma)、白血病(例えばb細胞、混合細胞、ヌル細胞、t細胞、t細胞慢性、htlv−ii関連、リンパ管肉腫、リンパ球性急性、リンパ球性、慢性肥満細胞及び骨髄様)、白血肉腫、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、リンパ管腫、リンパ管細胞腫、リンパ管腫、リンパ管筋腫、リンパ管肉腫、男性乳癌、悪性腎臓桿状体腫瘍、髄芽細胞腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性癌、口腔癌、多重内分泌新生物、菌状息肉腫、脊髄形成異常性症候群、骨髄腫、骨髄増殖性障害、悪性カルチノイド症候群カルチノイド心疾患、髄芽細胞腫、髄膜腫、黒色腫、間葉細胞腫、中腎腫、中皮腫、筋芽細胞腫、筋腫、筋肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻癌、鼻咽頭癌、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経繊維腫症、ナイメーヘン染色体不安定症候群、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌(nsclc)、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経上皮腫、神経線維腫症、神経繊維腫、神経腫、新生物(例えば骨、乳房、消化系、結腸直腸、肝臓)、眼癌、食道癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、造瘻術卵巣癌、膵臓癌、鼻傍癌、上皮小体癌、耳下腺癌、陰茎癌、末梢性神経外胚葉性腫瘍、下垂体癌、一次性赤血球増加、前立腺癌、骨腫、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腫、傍神経節腫、非クロム親和性傍神経節腫、松果体腫、形質細胞腫、癌原遺伝子、稀な癌及び関連障害、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ロートムント・トムソン症候群、細網組織症、横紋筋腫、唾液腺癌、肉腫、神経鞘腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌(sclc)、小腸癌、柔組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮細胞癌(皮膚)、胃癌、滑膜肉腫、肉腫(例えばユーイング実験的肉腫、カポジ肉腫及び肥満細胞肉腫)、セルトリ細胞腫、滑膜腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行上皮癌(膀胱)、移行上皮癌(腎臓−腎盂/尿管)、栄養膜癌、奇形腫、卵胞膜細胞腫、胸腺腫、栄養膜腫瘍、尿道癌、尿路系癌、ウロプラキン、子宮肉腫、子宮癌、膣癌、外陰部癌、ワルデンストレームのマクログロブリン血症及びウィルムス腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
TBTは、癌患者のリスク層化に関する、例えば寛解又は癌伝播のリスクに関する有用なアッセイである。
【0051】
炎症性又は増殖性状態は、座瘡、狭心症、関節炎、嚥下性肺炎、疾患、蓄膿、胃腸炎、炎症、腸のインフルエンザ、nec(壊死性腸炎)、骨盤内炎症性疾患、咽頭炎、骨盤内炎症性疾患(pid)、胸膜炎、raw咽喉、潮紅、発赤、咽頭痛、胃のインフルエンザ及び尿路感染、慢性炎症性脱髄性多発性神経障害、慢性炎症性脱髄性多発神経根神経障害、慢性炎症性脱髄性神経障害又は慢性炎症性脱髄性神経根神経障害に関連する細胞を包含する。
【0052】
好ましい実施形態では、テロメラーゼ活性は、癌細胞の存在又はレベルを定量し、半定量し、又は定性するために用いられる。「癌」への言及は、腫瘍及び白血病、並びに癌腫及び肉腫を包含する。
【0053】
したがって、本発明の別の態様は、被験体からの試料中の癌細胞を検出する方法であって、
i)被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、癌細胞を含有しないような対照と及び/又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及び推定癌細胞数を提示する、方法を提供する。
【0054】
特定の実施形態では、本発明は、被験体からの試料中の癌細胞を検出する方法であって、
i)被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること(この場合、上記エンハンサー及びHはルミネッセンス強度を測定する機械において自動的に添加される)、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、癌細胞を含有しないような対照と及び/又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及び推定癌細胞数を提示する、方法を提供する。
【0055】
細胞抽出物は、任意数の手段、例えば音波処理、溶解及び凍結−解凍法により生成され得る。一実施形態では、細胞は、生検により収集され、或いは血液又は組織試料中に存在し、非イオン性及び/又は両イオン性洗剤を用いて溶解される。細胞破砕屑は一般に、遠心分離又は濾過により除去される。次に上清が収集され、そしてアッセイに用いられる。適切な洗剤の例としては、Tween20、トリトンX−100、トリトンX−114、テシット、NP−40、n−オクチルグルコシド、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシル−ベータ−D−マルトシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド(MEGA−8)、デカノイル−N−メチルグルカミド(MEGA−10)及びイソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)が挙げられ、そして好ましい両イオン性洗剤としては、CHAPS(3−{(3−コルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ}−1−プロパン−スルホネート)、CHAPSO(3−{(3−コルアミドプロピル)ジメチル−アンモニオ}−2−ヒドロキシ−1−プロパン−スルホネート)、N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパン−スルホネート及びCHAPSを伴うジギトニンが挙げられる。
【0056】
好ましい実施形態では、細胞は、CHAPS緩衝液[0.5% v/v CHAPS、10mMのトリス、1mMのMgCl、1mMのEGTA及び10% v/v グリセロール、10ml当たり1個のプロテアーゼ阻害剤錠剤(Compete Mini, Roche)を伴う]で溶解される。
【0057】
細胞収集は任意の手段により可能であり、そしてアッセイされるべき試料中の細胞の数は変わり得る。一般的に、約1個〜約10個又はそれ以上の細胞が一度にアッセイされ得る。それゆえ、本発明は、1〜1010個の細胞、例えば5〜10個の細胞、10〜10個の細胞等をアッセイし得る。特に有用な細胞数は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、40個、41個、42個、43個、44個、45個、46個、47個、48個、49個、50個、51個、52個、53個、54個、55個、56個、57個、58個、59個、60個、61個、62個、63個、64個、65個、66個、67個、68個、69個、70個、71個、72個、73個、74個、75個、76個、77個、78個、79個、80個、81個、82個、83個、84個、85個、86個、87個、88個、89個、90個、91個、92個、93個、94個、95個、96個、97個、98個、99個、100個、101個、102個、103個、104個、105個、106個、107個、108個、109個、110個、111個、112個、113個、114個、115個、116個、117個、118個、119個、120個、121個、122個、123個、124個、125個、126個、127個、128個、129個、130個、131個、132個、133個、134個、135個、136個、137個、138個、139個、140個、141個、142個、143個、144個、145個、146個、147個、148個、149個、150個、151個、152個、153個、154個、155個、156個、157個、158個、159個、160個、161個、162個、163個、164個、165個、166個、167個、168個、169個、170個、171個、172個、173個、174個、175個、176個、177個、178個、179個、180個、181個、182個、183個、184個、185個、186個、187個、188個、189個、190個、191個、192個、193個、194個、195個、196個、197個、198個、199個、200個、201個、202個、203個、204個、205個、206個、207個、208個、209個、210個、211個、212個、213個、214個、215個、216個、217個、218個、219個、220個、221個、222個、223個、224個、225個、226個、227個、228個、229個、230個、231個、232個、233個、234個、235個、236個、237個、238個、239個、240個、241個、242個、243個、244個、245個、246個、247個、248個、249個、250個、251個、252個、253個、254個、255個、256個、257個、258個、259個、260個、261個、262個、263個、264個、265個、266個、267個、268個、269個、270個、271個、272個、273個、274個、275個、276個、277個、278個、279個、280個、281個、282個、283個、284個、285個、286個、287個、288個、289個、290個、291個、292個、293個、294個、295個、296個、297個、298個、299個、300個、301個、302個、303個、304個、305個、306個、307個、308個、309個、310個、311個、312個、313個、314個、315個、316個、317個、318個、319個、320個、321個、322個、323個、324個、325個、326個、327個、328個、329個、330個、331個、332個、333個、334個、335個、336個、337個、338個、339個、340個、341個、342個、343個、344個、345個、346個、347個、348個、349個、350個、351個、352個、353個、354個、355個、356個、357個、358個、359個、360個、361個、362個、363個、364個、365個、366個、367個、368個、369個、370個、371個、372個、373個、374個、375個、376個、377個、378個、379個、380個、381個、382個、383個、384個、385個、386個、387個、388個、389個、390個、391個、392個、393個、394個、395個、396個、397個、398個、399個、400個、401個、402個、403個、404個、405個、406個、407個、408個、409個、410個、411個、412個、413個、414個、415個、416個、417個、418個、419個、420個、421個、422個、423個、424個、425個、426個、427個、428個、429個、430個、431個、432個、433個、434個、435個、436個、437個、438個、439個、440個、441個、442個、443個、444個、445個、446個、447個、448個、449個、450個、451個、452個、453個、454個、455個、456個、457個、458個、459個、460個、461個、462個、463個、464個、465個、466個、467個、468個、469個、470個、471個、472個、473個、474個、475個、476個、477個、478個、479個、480個、481個、482個、483個、484個、485個、486個、487個、488個、489個、490個、491個、492個、493個、494個、495個、496個、497個、498個、499個、500個、501個、502個、503個、504個、505個、506個、507個、508個、509個、510個、511個、512個、513個、514個、515個、516個、517個、518個、519個、520個、521個、522個、523個、524個、525個、526個、527個、528個、529個、530個、531個、532個、533個、534個、535個、536個、537個、538個、539個、540個、541個、542個、543個、544個、545個、546個、547個、548個、549個、550個、551個、552個、553個、554個、555個、556個、557個、558個、559個、560個、561個、562個、563個、564個、565個、566個、567個、568個、569個、570個、571個、572個、573個、574個、575個、576個、577個、578個、579個、580個、581個、582個、583個、584個、585個、586個、587個、588個、589個、590個、591個、592個、593個、594個、595個、596個、597個、598個、599個、600個、601個、602個、603個、604個、605個、606個、607個、608個、609個、610個、611個、612個、613個、614個、615個、616個、617個、618個、619個、620個、621個、622個、623個、624個、625個、626個、627個、628個、629個、630個、631個、632個、633個、634個、635個、636個、637個、638個、639個、640個、641個、642個、643個、644個、645個、646個、647個、648個、649個、650個、651個、652個、653個、654個、655個、656個、657個、658個、659個、660個、661個、662個、663個、664個、665個、666個、667個、668個、669個、670個、671個、672個、673個、674個、675個、676個、677個、678個、679個、680個、681個、682個、683個、684個、685個、686個、687個、688個、689個、690個、691個、692個、693個、694個、695個、696個、697個、698個、699個、700個、701個、702個、703個、704個、705個、706個、707個、708個、709個、710個、711個、712個、713個、714個、715個、716個、717個、718個、719個、720個、721個、722個、723個、724個、725個、726個、727個、728個、729個、730個、731個、732個、733個、734個、735個、736個、737個、738個、739個、740個、741個、742個、743個、744個、745個、746個、747個、748個、749個、750個、751個、752個、753個、754個、755個、756個、757個、758個、759個、760個、761個、762個、763個、764個、765個、766個、767個、768個、769個、770個、771個、772個、773個、774個、775個、776個、777個、778個、779個、780個、781個、782個、783個、784個、785個、786個、787個、788個、789個、790個、791個、792個、793個、794個、795個、796個、797個、798個、799個、800個、801個、802個、803個、804個、805個、806個、807個、808個、809個、810個、811個、812個、813個、814個、815個、816個、817個、818個、819個、820個、821個、822個、823個、824個、825個、826個、827個、828個、829個、830個、831個、832個、833個、834個、835個、836個、837個、838個、839個、840個、841個、842個、843個、844個、845個、846個、847個、848個、849個、850個、851個、852個、853個、854個、855個、856個、857個、858個、859個、860個、861個、862個、863個、864個、865個、866個、867個、868個、869個、870個、871個、872個、873個、874個、875個、876個、877個、878個、879個、880個、881個、882個、883個、884個、885個、886個、887個、888個、889個、890個、891個、892個、893個、894個、895個、896個、897個、898個、899個、900個、901個、902個、903個、904個、905個、906個、907個、908個、909個、910個、911個、912個、913個、914個、915個、916個、917個、918個、919個、920個、921個、922個、923個、924個、925個、926個、927個、928個、929個、930個、931個、932個、933個、934個、935個、936個、937個、938個、939個、940個、941個、942個、943個、944個、945個、946個、947個、948個、949個、950個、951個、952個、953個、954個、955個、956個、957個、958個、959個、960個、961個、962個、963個、964個、965個、966個、967個、968個、969個、970個、971個、972個、973個、974個、975個、976個、977個、978個、979個、980個、981個、982個、983個、984個、985個、986個、987個、988個、989個、990個、991個、992個、993個、994個、995個、996個、997個、998個、999個、又は1000個、又は5×10個、10個、5×10個、10個、5×10


個、10個、5×10個、及び10個の細胞である。アッセイの感度は、図2から判別され得る。当該方法の特に便利な態様では、細胞試料はアッセイ前に希釈されないが、かなりの容量の細胞が除去されて、約1個〜10個又はそれより多くの細胞を提供する。
【0058】
したがって、1つのサンプル当たり、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、40個、41個、42個、43個、44個、45個、46個、47個、48個、49個、50個、51個、52個、53個、54個、55個、56個、57個、58個、59個、60個、61個、62個、63個、64個、65個、66個、61個、68個、69個、70個、71個、72個、73個、74個、75個、76個、77個、78個、79個、80個、81個、82個、83個、84個、85個、86個、87個、88個、89個、90個、91個、92個、93個、94個、95個、96個、97個、98個、99個、100個、101個、102個、103個、104個、105個、106個、107個、108個、109個、110個、111個、112個、113個、114個、115個、116個、117個、118個、119個、120個、121個、122個、123個、124個、125個、126個、127個、128個、129個、130個、131個、132個、133個、134個、135個、136個、137個、138個、139個、140個、141個、142個、143個、144個、145個、146個、147個、148個、149個、150個、151個、152個、153個、154個、155個、156個、157個、158個、159個、160個、161個、162個、163個、164個、165個、166個、167個、168個、169個、170個、171個、172個、173個、174個、175個、176個、177個、178個、179個、180個、181個、182個、183個、184個、185個、186個、187個、188個、189個、190個、191個、192個、193個、194個、195個、196個、197個、198個、199個、200個、201個、202個、203個、204個、205個、206個、207個、208個、209個、210個、211個、212個、213個、214個、215個、216個、217個、218個、219個、220個、221個、222個、223個、224個、225個、226個、227個、228個、229個、230個、231個、232個、233個、234個、235個、236個、237個、238個、239個、240個、241個、242個、243個、244個、245個、246個、247個、248個、249個、250個、251個、252個、253個、254個、255個、256個、257個、258個、259個、260個、261個、262個、263個、264個、265個、266個、267個、268個、269個、270個、271個、272個、273個、274個、275個、276個、277個、278個、279個、280個、281個、282個、283個、284個、285個、286個、287個、288個、289個、290個、291個、292個、293個、294個、295個、296個、297個、298個、299個、300個、301個、302個、303個、304個、305個、306個、307個、308個、309個、310個、311個、312個、313個、314個、315個、316個、317個、318個、319個、320個、321個、322個、323個、324個、325個、326個、327個、328個、329個、330個、331個、332個、333個、334個、335個、336個、337個、338個、339個、340個、341個、342個、343個、344個、345個、346個、347個、348個、349個、350個、351個、352個、353個、354個、355個、356個、357個、358個、359個、360個、361個、362個、363個、364個、365個、366個、367個、368個、369個、370個、371個、372個、373個、374個、375個、376個、377個、378個、379個、380個、381個、382個、383個、384個、385個、386個、387個、388個、389個、390個、391個、392個、393個、394個、395個、396個、397個、398個、399個、400個、401個、402個、403個、404個、405個、406個、407個、408個、409個、410個、411個、412個、413個、414個、415個、416個、417個、418個、419個、420個、421個、422個、423個、424個、425個、426個、427個、428個、429個、430個、431個、432個、433個、434個、435個、436個、437個、438個、439個、440個、441個、442個、443個、444個、445個、446個、447個、448個、449個、450個、451個、452個、453個、454個、455個、456個、457個、458個、459個、460個、461個、462個、463個、464個、465個、466個、467個、468個、469個、470個、471個、472個、473個、474個、475個、476個、477個、478個、479個、480個、481個、482個、483個、484個、485個、486個、487個、488個、489個、490個、491個、492個、493個、494個、495個、496個、497個、498個、499個、500個、501個、502個、503個、504個、505個、506個、507個、508個、509個、510個、511個、512個、513個、514個、515個、516個、517個、518個、519個、520個、521個、522個、523個、524個、525個、526個、527個、528個、529個、530個、531個、532個、533個、534個、535個、536個、537個、538個、539個、540個、541個、542個、543個、544個、545個、546個、547個、548個、549個、550個、551個、552個、553個、554個、555個、556個、557個、558個、559個、560個、561個、562個、563個、564個、565個、566個、567個、568個、569個、570個、571個、572個、573個、574個、575個、576個、577個、578個、579個、580個、581個、582個、583個、584個、585個、586個、587個、588個、589個、590個、591個、592個、593個、594個、595個、596個、597個、598個、599個、600個、601個、602個、603個、604個、605個、606個、607個、608個、609個、610個、611個、612個、613個、614個、615個、616個、617個、618個、619個、620個、621個、622個、623個、624個、625個、626個、627個、628個、629個、630個、631個、632個、633個、634個、635個、636個、637個、638個、639個、640個、641個、642個、643個、644個、645個、646個、647個、648個、649個、650個、651個、652個、653個、654個、655個、656個、657個、658個、659個、660個、661個、662個、663個、664個、665個、666個、661個、668個、669個、670個、671個、672個、673個、674個、675個、676個、677個、678個、679個、680個、681個、682個、683個、684個、685個、686個、687個、688個、689個、690個、691個、692個、693個、694個、695個、696個、697個、698個、699個、700個、701個、702個、703個、704個、705個、706個、707個、708個、709個、710個、711個、712個、713個、714個、715個、716個、717個、718個、719個、720個、721個、722個、723個、724個、725個、726個、727個、728個、729個、730個、731個、732個、733個、734個、735個、736個、737個、738個、739個、740個、741個、742個、743個、744個、745個、746個、747個、748個、749個、750個、751個、752個、753個、754個、755個、756個、757個、758個、759個、760個、761個、762個、763個、764個、765個、766個、767個、768個、769個、770個、771個、772個、773個、774個、775個、776個、777個、778個、779個、780個、781個、782個、783個、784個、785個、786個、787個、788個、789個、790個、791個、792個、793個、794個、795個、796個、797個、798個、799個、800個、801個、802個、803個、804個、805個、806個、807個、808個、809個、810個、811個、812個、813個、814個、815個、816個、817個、818個、819個、820個、821個、822個、823個、824個、825個、826個、827個、828個、829個、830個、831個、832個、833個、834個、835個、836個、837個、838個、839個、840個、841個、842個、843個、844個、845個、846個、847個、848個、849個、850個、851個、852個、853個、854個、855個、856個、857個、858個、859個、860個、861個、862個、863個、864個、865個、866個、867個、868個、869個、870個、871個、872個、873個、874個、875個、876個、877個、878個、879個、880個、881個、882個、883個、884個、885個、886個、887個、888個、889個、890個、891個、892個、893個、894個、895個、896個、897個、898個、899個、900個、901個、902個、903個、904個、905個、906個、907個、908個、909個、910個、911個、912個、913個、914個、915個、916個、917個、918個、919個、920個、921個、922個、923個、924個、925個、926個、927個、928個、929個、930個、931個、932個、933個、934個、935個、936個、937個、938個、939個、940個、941個、942個、943個、944個、945個、946個、947個、948個、949個、950個、951個、952個、953個、954個、955個、956個、957個、958個、959個、960個、961個、962個、963個、964個、965個、966個、967個、968個、969個、970個、971個、972個、973個、974個、975個、976個、977個、978個、979個、980個、981個、982個、983個、984個、985個、986個、987個、988個、989個、990個、991個、992個、993個、994個、995個、996個、997個、998個、999個、又は1000個の細胞を測定するような、1個〜1000個の細胞の感受性が特に好ましい。
【0059】
任意の型の磁気粒子が、本発明のアッセイの実行に用いられ得る。典型的には、粒子は、Fe、Fe、Co、Ni、それらの合金、並びに他の強磁性物質から製造される。本発明を任意の型のビーズに限定したくはないが、Dynal(商標−Dynal Invitrogen Corporation, 9099 North Deerbrook Trial, Brown Deer, WI, USA 53223)又はBioclone(San Diego, CA 92126, USA)ビーズ或いはCPGペクチン酸カルシウムゲル磁気ビーズ(CPG Inc, Lincoln Pk, NJ 07035, USA)が用いられ得る。Lode Starポリマーベースのビーズ(Polymer Labs, UK and USA)も用いられ得る。
【0060】
テロメラーゼの基質、即ち、オリゴヌクレオチドプライマーが以下の配列:
(XTTAGGY
(式中、Xは、A、T、G及びCから選択され、
Yは、A、T、G及びCから選択され、
nは、0又は1であり、
mは、0又は1であり、且つ
oは、1〜約400である)、
を含む。
【0061】
一般的に、脊椎動物では、nは0であり、YはGであり、そしてoは約5〜約30である。節足動物では、nは0であり、mは、0であり、そしてoは約1〜30である。植物では、XはTであり、nは1であり、YはGであり、mは1であり、そしてoは1〜約30である。
【0062】
特定の一実施形態では、磁気ビーズは、それらの表面に固定されたヒトテロメラーゼ標的ヌクレオチド配列[配列番号1]を含む。ヒトテロメア標的配列は、5’−AGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAG−3’[配列番号1]であり、これは反復(TTAGGG)[配列番号4]を組込んでいる。
【0063】
テロメラーゼ標的配列[配列番号1]は、その5’末端で、
5’−AATCCGTCGAGCAGAGTT−3’[配列番号2]
を含む表面結合スペーサー(又はアンカー)配列[配列番号2]と融合されることが好都合である。
【0064】
併合テロメラーゼ認識配列[配列番号1]及び表面結合スペーサー配列[配列番号2]は、スペーサー−テロメラーゼ認識配列[配列番号3]:
5’−AATCCGTCGAGCAGAGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAG−3’[配列番号3]
として言及される。
【0065】
テロメラーゼ認識配列は、チオール結合を介して固定されるのが好都合である。例えば適切なリンカーは、以下の配列番号5で表わされる:
5’SH(SCH−TTTTTTAATCCGTCGAGCAGAGTTAGGGTTAG[配列番号5]。
【0066】
ヒトテロメラーゼ認識配列は磁気ビーズに固定されるべき最も好ましいものであるが、本発明は、ヒトテロメラーゼに関する基質である任意の非ヒトテロメラーゼ認識配列に及ぶ。非ヒトテロメラーゼ配列の例としては、非ヒト霊長類、家畜動物及び実験室試験動物、例えばマウス、ラット、モルモット、ハムスター、ブタ又はサルからのものが挙げられる。
【0067】
TBTは、他の固体支持体、例えばマイクロパターン化表面、ガラス表面及び支持体、液晶マイクロバランス支持体、マイクロアレイ、多孔性アルミナ支持体、シリカ表面支持体、ナノ粒子、パターン化ポリマーブラシ、ポリ(エチレングリコール)ブラシ、膜も用い得る。TBTは、代替的系、例えばナノ粒子増幅表面プラズモン共鳴(SPR)及びBIAコア系上でも実行され得る。
【0068】
本発明は特に、DNAのビオチンラベルの使用に関して例証される。dUTP上のビオチン部分は、テロメラーゼ伸長配列中に組込まれる。ビオチンは、Hの存在下で生体触媒性標識として作用するストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アビジン−HRP又はニュートロアビジン−HRPのような試薬との特異的結合部位として役立つ。
【0069】
しかしながら、標識を可視化するために、又は検出可能なシグナルを得るために、外因性作用物質が添加される限り、他の標識も用いられ得る。それゆえ、例えば蛍光、燐光、化学発光又は放射性標識が伸長テロメラーゼ認識配列中に組込まれ得るが、但し、その結果生じるシグナルを最大にするために、外因性エンハンサー及び/又はシグナル伝達促進剤が添加される。代替的標識としては、ビオチン−dUTP、フィコエリトリン−dUTP、フルオレセイン−dUTP及び[α−32P]−dUTP(そのすべての考え得る異性体を含めて)が挙げられるが、これらに限定されない。dNTPとしては、dATP及びdGTPが挙げられる。酵素ベースの並びに化学的検出アッセイも、用いられ得る。
【0070】
したがって、本態様は、テロメラーゼ活性を示す被験体からの細胞の検出方法であって、
i)被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、標識されたdNTPを含むdNTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内に標識を組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、標識から生じるシグナルを最大にするために洗浄したビーズをシグナル伝達促進物質と接触させること、及び、
iii)その結果生じる混合物を検出手段に付して、シグナルの強度を読み取ること、
を包含し、テロメラーゼを含む細胞を含有しないような対照と又は既知のデータセットと比較した場合のシグナルの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及び推定テロメラーゼ提示細胞数を提示する方法を意図する。
【0071】
ステップ(ii)又はその一部は、自動的に又は半自動的に、例えばルミネッセンス強度を読み取る機械で、実行されるのが好都合である。
【0072】
対照は一般的に特定細胞抽出物を含有しない試料であるが、それは同様に、テロメラーゼ活性を含有しない、又は標識されたdNTP若しくはアッセイの操作のために必要とされる他の構成成分を含有しない試料であり得る。対照は、細胞数に相関する値の既知のデータセットでもあり得る。
【0073】
細胞を入手することそしてこれらの抽出物を、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子と接触させ、dNTPの存在下で粒子をインキュベートしてテロメラーゼ媒介性プライマー伸長を可能にする態様は、ビーズの任意の回転の非存在下で起こる、ということに留意することは重要である。ビーズの回転は反応の速度論の促進のために必要とされないか、反応の速度論を促進しない、と考えられる。それゆえ、TBTアッセイの感度は、分析物又はアッセイに関与する他の物質の運搬速度によらない。
【0074】
本発明のアッセイは、研究目的のための細胞中のテロメラーゼの検出に、細胞の健康状態を判定するために、又はテロメラーゼ活性を阻害するか若しくは増強する化合物の能力を評価するためにも適用可能である。これは、すべての脊椎動物、非脊椎動物及び植物において適用可能である。脊椎動物に関して、及び癌又は炎症性状態の場合、癌細胞又は炎症性細胞の存在に関してスクリーニングするために、被験体、例えばヒトから組織を取り出すことにより、当該状態は診断され得る。さらに、幹細胞、例えば造血幹細胞の増殖のためには、特定長のテロメアの存在が必要とされ得る。これは、例えば白血病被験体における輸血のために重要である。血液試料は、幹細胞が増殖し、白血球及び造血系列の他の細胞に分化する能力を示す特定のテロメラーゼ活性を有する幹細胞に関してスクリーニングされ得る。例えばこの方法は、G−CSF、GM−CSF又は他の薬剤のようなサイトカインによる幹細胞動員の成功をモニタリングするために用いられ得る。したがってこの方法を用いて、末梢血又は骨髄中の幹細胞をモニタリングするために用いられる他の方法論を強化及び/又は代替し得る。
【0075】
代替的には、治療プロトコール又は療法レジメンの成功又は進行又はその他を評価するために、組織試料は、既知の癌又は炎症性状態の治療中に採取され得る。このようなレジメンは次に、必要に応じて調整され得る。
【0076】
したがって本発明の別の態様は、治療を受けている被験体からの癌又は炎症に関するような治療プロトコールをモニタリングするための方法であって、
i)被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、陰性又は陽性対照と比較した場合にルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性のレベルを提示する(この場合、テロメラーゼ活性の増大又はテロメラーゼ活性の安定化は、治療プロトコールが被験体に悪影響を及ぼしていないことの指標である)方法を提供する。
【0077】
さらにまた、上記のステップのいずれか、しかしながら特にステップ(iii)は、自動的に実行され得る。
【0078】
アッセイは、テロメラーゼ活性を低減する化学療法薬に関してスクリーニングするためにも用いられ得る。「化学療法薬」への言及は、化合物、免疫学的化合物、天然産物若しくはsRNAi複合体、又は導入ウイルスベクターの生成物を包含する。
【0079】
したがって、本発明の別の態様は、細胞障害性作用物質の活性の評価方法であって、
i)推定細胞障害性作用物質を癌細胞の培養物に添加すること、
ii)テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を癌細胞からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
iii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iv)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、洗浄したビーズをルミノール及びエンハンサー及び外因的Hと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び、
v)その結果生じた混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、細胞障害性作用物質を含有しない対照と比較した場合の細胞障害性作用物質の存在下でのルミネッセンスの強度レベルが作用物質の細胞障害性のレベルを提示する方法を意図する。
【0080】
本発明はさらに、本発明の方法により同定される化学療法薬、及びそれを含む薬学的組成物を提供する。
【0081】
一般的に、試験されている被験体は、ヒトである。しかしながら本発明は、任意の動物被験体、特に哺乳類被験体、例えば霊長類(例えばゴリラ、マーモセット、チンパンジー、サル)、家畜動物(例えばヒツジ、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ)、実験室試験動物(例えばマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター)、ペット(例えばネコ、イヌ)、並びに野生動物に及ぶ。非脊椎動物哺乳類及び植物も、本発明により意図される。
【0082】
本発明の方法において、組込まれる標識の存在は、シグナル、例えば電気的シグナル、色シグナル又は光放射の情報により判定される。センシングメンバーは、一般的に化学的又は電気的シグナル後に、それがシグナルを感知し得るようなものである。シグナルが光の放射である場合、検出器は光検出器である。
【0083】
シグナルが電気的である場合、それは電極及び電子伝達鎖間の電子の移動に起因し、この場合、標識は電子伝達鎖の1つのメンバーである。
【0084】
本発明の方法に用いるのに適した電極は、伝導性又は半伝導性物質、例えば金、白金、パラジウム、銀、炭素、銅及びインジウム・スズ酸化物で製造されるか又は被覆される。
【0085】
本明細書中での「ルミネッセンス」への言及は、ケミルミネッセンス、バイオルミネッセンス、結晶ルミネッセンス、エレクトロルミネッセンス、カソードルミネッセンス、フォトルミネッセンス、燐光、蛍光、ソノルミネッセンス、サーモルミネッセンス又はトリボルミネッセンスを包含する。
【0086】
本発明のアッセイは、複合アッセイ中に生じるような二つ以上の標識の同時又は逐次的検出にも適用可能である。一例では、異なる患者試料、又は異なる時点の若しくは異なる処置後の同一患者からの試料に関して、多標識が用いられ得る。このような場合、磁気粒子は、(同一磁気粒子上に又は異なる磁気粒子上のいずれかに)二つ以上の標識を保有する。同時検出が生じるためには、アッセイ条件は、各標識に関して区別可能である反応シグナルの同時形成を可能にするものである。したがって1つの標識の存在は、1つの型(例えば光放射)の反応シグナルをもたらすが、一方、別の標識の存在は別の型(例えば異なるスペクトルでの光の放射)の反応シグナルをもたらす。代替的には、二つ以上の標識の検出は、1つのアッセイが実施された後、磁気粒子が収集され、洗浄され、そして別の標識の検出のための異なるアッセイ条件を提供されるよう、次から次に達成される。このような場合、反応シグナルは同一であり得るが、但し、各アッセイにおいて、反応シグナルは専らシグナル標識の存在に関連して得られる。
【0087】
本発明の診断方法において、アッセイは、テロメラーゼのレベル増大が認められるか否かを判定するために実行される。「レベル増大」という語句は、特定細胞中のテロメラーゼ活性の絶対レベルが、その個体中の正常体細胞と比較して、又は疾患状態に罹患していない他の個体中の正常体細胞と比較して、増大される、ということを意味する。一般的に、テロメラーゼ活性の任意の検出可能レベルは、正常出生後ヒト体細胞組織からの細胞中で増大されると考えられる。テロメラーゼ活性は生殖系列細胞中で認められ、そして低レベルのテロメラーゼ活性が幹細胞及び或る特定の造血幹細胞中で検出され得るが、このような細胞は、これらの細胞が移植された血液又は組織の一部でない限り、本発明の方法の実践者に問題を提示しない。その場合(例えば輸血中)、テロメラーゼ活性を有する幹細胞は、分化し、増殖する能力を確実にすることが望ましい。生殖系列細胞は、ヒト体細胞組織試料から容易に区別、及び/又は分離され得るし、幹細胞及び或る特定の造血細胞中に存在するテロメラーゼ活性は、体細胞組織試料中に存在するこのような少数の細胞がテロメラーゼ活性アッセイから擬陽性シグナルを生じないほど低レベルで存在する。体細胞中のテロメラーゼ活性の検出は、不死細胞、例えば或る特定の型の癌細胞又は炎症性細胞の存在を示し、それを用いて、細胞が非癌性又は非炎症性病態として分類される場合でも、その判定を下し得る。したがって本発明の方法は、細胞が可視的に癌性になる前に、高い信頼度で癌性状態を検出することができる。
【0088】
本発明の診断試験はまた、他の診断試験と共に実行され得る。いくつかの場合、このような組合せ試験は疾患の進行に関する有用な情報を提供し得るが、テロメラーゼ活性に関して試験するための本発明の方法は、この点で非常に有用な情報を提供する。例えば患者試料中の癌細胞の存在を検出するために本発明の方法が用いられる場合、テロメラーゼ活性の存在を用いて、患者が疾患の進行過程にある場合、特定腫瘍が隣接組織に侵入しているか又は遠位の位置に転移しているか否かを、そして癌の発生が再発しているか否かを判定し得る。本発明の方法とともに追加的情報を提供し得る試験としては、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、DNA倍数性、S期における細胞の分画、結節状態、Her−2/neu遺伝子産物、p53、p16、p21、ras、EGF受容体、A33(結腸特異的抗原)(Catimel et al., J. Biol. Chem 271(41): 25664-25670, 1996)、NY−ESO−1(癌精巣抗原)(Chen et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94(5): 1914-1918, 1997)又は他の癌遺伝子に関する診断試験が挙げられる。
【0089】
上記のように、本発明のTBTは、幹細胞、例えば胚性幹細胞に関してアッセイするためにも有用である。特にTBTを用いて、パーキンソン病、心疾患、糖尿病、関節炎、血液疾患、骨粗鬆症、臓器移植及び脊髄損傷のような疾患状態における幹細胞の治療的関与を評価し得る。TBTは、幹細胞又は幹細胞由来組織の移植をモニタリングするために、そして幹細胞の寿命又は分化の状態をモニタリングするために有用である。
【0090】
本発明は、本発明の診断方法を実施するためのキットも提供する。このようなキットは、容易に入手可能な材料及び試薬から調製することが可能で、種々の実施形態を生じ得る。例えばこのようなキットは、任意の1つ又は複数の下記の物質を含み得る:反応管、緩衝液、洗剤、オリゴヌクレオチド・テロメラーゼ基質、対照試薬、過酸化水素、及び使用説明書。本発明の特に好ましいキットは、テロメラーゼ基質及びdNTP及びビオチン化dUTPを入れる反応管を包含する。キットの意図されたユーザー及びユーザーの特定の必要性によって、広範な種々のキット及び構成成分が、本発明に従って調製され得る。
【0091】
本発明の方法は、被験体における癌を検出するための診断プロトコールの生成における、
i)被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、磁気粒子及び細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄したビーズを必要に応じて自動的にルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び、
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含するアッセイの使用をさらに意図する。
【0092】
以下の非限定実施例により、本発明をさらに説明する。
[実施例]
【実施例1】
【0093】
テロメラーゼルミネッセンスアッセイ
本実施例は、膀胱癌患者の尿又は結腸癌患者からの糞便中の剥離腫瘍細胞中のテロメラーゼを定量的に測定するための読出しとしてルミネッセンスを用いて、高感度及び選択的バイオセンサーアッセイのための実験プロトコールを記載する。簡潔にいうと、このアッセイは、テロメラーゼに関する認識配列を含有するヌクレオチドプライマーとのチオール結合を用いて官能化された超常磁性ビーズを用いる。これらのビーズ(バイオビーズ)を、ビオチン化dUTPを含むヌクレオチド混合物の存在下で、テロメラーゼを含有する腫瘍細胞抽出物とともにインキュベートする。プライマーのテロメラーゼ誘導性伸長が、ビオチンラベルの組込みを伴って進行する。多数のビオチン分子が組込まれて、シグナル増幅を生じる。アビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)を添加するが、これは、高親和性(10−15M)で組込まれたビオチンと結合する。次にバイオビーズを十分に洗浄し(これにより、大半の生物学的試料の中の他の潜在的妨害物質による汚染が最小限にされる)(磁気粒子は磁気を用いて効率的にトラップされ得る)、BMGルミノメーター中の96ウエルプレートに移す。過酸化水素、ルミノール及び化学エンハンサーを必要に応じて自動的に添加し、ルミネッセンスシグナルを検出する。
【0094】
このプロトコールは、Kingfisher磁気粒子プロセッサーを用いてアッセイ自動化を手助けするのが好都合である。BMGルミノメーター(BMG, Lattech, Germany)も用いられる。ケミルミネッセンス読取機はまた、エンハンサー、ルミノール及び/又はHの添加といったような自動化を可能にするように修正され得る。それは、多重プレートフォーマットで設定され得る。
【0095】
磁気粒子の使用は、自動化を促進するよう設計される。粒子それ自体は、磁気を用いて拾い集められ、操作することが可能であり、例えばKingfisher磁気粒子プロセッサー(Thermo Corporation, USA)は、交差汚染を防止する使い捨てチップにより被覆される磁気粒子を電磁石棒により混合および移動する。Kingfisherソフトウエアは、あつらえプロトコールを特定用途のために意図される。初期ステップ中、ビーズを収集し、緩衝液、反応混合物及び試料を添加し、混合する。プレートをLabnet振盪インキュベータに移して、温度を上げて(37℃、30分)、テロメラーゼ伸長反応を駆動するために、手動的介入が必要とされる。温度制御で構築したKingfisher96の使用は、この要件を省く。インキュベート後、プレートを次に、ストレプトアビジンHRPの最終的添加のためにKingfisherに戻して、その後、十分に洗浄するが、これはアッセイで観察される一貫した低バックグラウンドを保持するために不可欠である。最終的には、伸長オリゴヌクレオチドを保有する磁気ビーズをNunc96ウエルLumiNuncプレートに移す(これらのプレートは、最小自動ルミネッセンスを有する)。プレートを次に、手動でBMG Fluorostarルミノメーター(BMG Labtech, Germany)に移す(この完全自動化マイクロプレートベースの多重検出読取機(測定点に試薬を送達する注入器を装備する)は、ルミノール(Pierce SuperSignal ELISA Femto Substrate)及び過酸化物の添加のためにプログラムされ得る)。蛍光検出のために、同一機器を用い得る。ワークステーション(Kingfisher and BMG)間の移動はさらに、ロボット移動手段(例えばZymark Twister、Beckman Sagian)を用いて自動化され得る。同様に、代替的技術が、Kingfisher(例えばBeckman Biomek、Bruker Daltronics ClinProt Robot)又はBMG Fluorostar(例えばMolecular Devices LMax II)の代わりに用いられ得る。
【0096】
Kingfisher磁気粒子プロセッサーのための実験プロトコール
プレートA1(及び2つのプレートを用いる場合にはB1)に以下のものを添加する:
・ 列A - 100μlの伸長緩衝液
・ 列B − 特定容量の反応混合物(添加されるテロメラーゼの1回総容量は50μlである)
・ 列B − テロメラーゼ酵素抽出物を添加する
・ 列A - 各ウエル中の100μlの伸長緩衝液に10μlのオリゴ結合dynalビーズ(30mg/mlのビーズストック)を最終的に添加する(十分な混合を確実にする)。
【0097】
プレート(単数又は複数)をKingfisher機器中に入れて、コーム(単数又は複数)中でカバースリップをスライドさせて、磁石を保護する。
【0098】
プログラム(「テロメラーゼアッセイ」)を選択する
「スタート」を2回叩く。
【0099】
Kingfisherが中断する場合、それは、「37℃でインキュベートする」ことを指示する
・ プレート(単数又は複数)を取り出し、列A&BをNescofilm(登録商標)でカバーして、プレートが十分に密封されたことを確実にする。
【0100】
・ プレート(単数又は複数)をLabnet振盪インキュベータ中に入れる(設定:温度=37℃、時間=30分、RPM=12)。
【0101】
30分のインキュベート後、Nescofilm(登録商標)を取り出し、残りの列を以下のように充填する:
RowC−100μl 1%w/vSDS/10mM HEPES
RowD−100μl 1%w/vSDS/10mM HEPES
RoweE−100μlワーキング緩衝液/Tween
RowF−100μlワーキング緩衝液/Tween
RowG−100μlワーキング緩衝液/Tween
RowH−100μlワーキング緩衝液/Tween
プレート(単数又は複数)をKingfisher中に入れ戻して、「スタート」を押す(方法が継続する)。
【0102】
プレートA2(及び2つのプレートを用いる場合にはB2)を設定する。
【0103】
プレートA2(B2)に以下のものを添加する:
RowA−100μlワーキング緩衝液/Tween
RowB−ワーキング緩衝液/Tweenにおける0.5ug/ml Strept HRP(KPL)の500μl)
RowC−100μlワーキング緩衝液
RowD−100μlワーキング緩衝液
RowE−100μlワーキング緩衝液
RowF−100μlワーキング緩衝液
RowG−100μlワーキング緩衝液
RowH−50μlワーキング緩衝液
Kingfisherが中断する場合、それは、「プレートを変更する」ことを指示する
・ プレートを取り替える
「スタート」を押すと、当該方法は再開する。
【0104】
ポンプA中のルミノール及びポンプB中の過酸化物をBMG FluoroStarルミノメーターに準備する(プレート鋳型(APLアッセイ−良好モード)及び容量(各々50μl)を設定する)。ルミノメーター増分は2000に設定される。
【0105】
方法終了時に、機械は継続的にビーという音を出すので、終了を押す。
【0106】
Kingfisherからプレート(単数又は複数)を取り、列HをNUNCホワイト96ウエルプレート中に移して、読取りのためにBMG FluoroStarルミノメーター中に入れる。
緩衝液
伸長緩衝液
20mM Tris−HCl
1.5mM MgCl
63mM KCl
1mM EGTA
1mM EDTA
150mM NaCl
0.05%Tween20
SDS緩衝液
0.1%w/w SDS
10mm HEPES
ワーキング緩衝液
0.1M Tris、pH7.4
0.1M KCl
(0.05%v/vTween20)
反応ミックス
1×伸長緩衝液
0.25%w/v BSA
12.5uM B−dUTP
18.75uM dAdG
テロメラーゼ(又はテロメラーゼ活性を含有する抽出物)
ミリQ水
・ アッセイされるべき試料の2つのアリコートを取り出す(典型的には1〜5μl)。
【0107】
・ 1つのアリコートを95℃で20分間加熱して、熱不活性化し、次に試料を氷上に載せる。
【0108】
・ 96ウエルKingfisherプレート中に試薬を分取し、Kingfisher粒子プロセッサー中に入れる(別の文書中のプロトコール参照)。
【0109】
・ 特定テロメラーゼオリゴヌクレオチド配列と結合したDynal磁気ビーズ(オリゴビーズ)を100μLの伸長緩衝液(1×)中で2分間洗浄する。
【0110】
・ ビーズを50μLの反応ミックス(伸長緩衝液、12.5μMのビオチン−dUTP、0.25%w/vBSA、18.75μMのdAdG)及び試料中に移す。
【0111】
・ 手動でプレートをヒーター/振盪機器に移す。
【0112】
・ オリゴビーズを、反応ミックスとともに37℃で30分間インキュベートして、試料中の酵素によりオリゴの伸長を可能にする。
【0113】
・ 手動で、プレートをKingfisher機器に移し戻す。
【0114】
・ 100μLの1%w/vSDS/1mMのHEPESで室温で2分間、オリゴビーズを2回洗浄する。
【0115】
・ 100μLの伸長緩衝液(1×)で室温で2分間、オリゴビーズを5回洗浄する。
【0116】
・ 50μLの1ug/mlのストレプトアビジン−HRPで室温で30分間、オリゴビーズをインキュベートする。
【0117】
・ 100μLのワーキング緩衝液(1Mのトリス−HCl、1MのKCl、pH7.4)で室温で2分間、オリゴビーズを5回洗浄する。
【0118】
・ 最終容量50μLのワーキング緩衝液中にオリゴビーズを再懸濁し、試料を白色ルミネッセンスプレート中に移す。
【0119】
・ ルミネッセンス結果のために白色プレートをルミノメーター中に入れる(50μLのルミノール及び50uLの過酸化物を機器により自動的に添加する)。
【実施例2】
【0120】
標的配列とビーズとのチオール結合
チオール結合のための5’’システインを伴うテロメラーゼに関する標的配列(5’SH(CH−TTTTTTAATCCGTCGAGCAGAGTTAGGGTTAGGGTTAG[配列番号5])を、ヘテロ二機能性クロスリンカーSulfo−LC−SPDP(Pierce)を用いて、磁気ビーズと結合した。50mMのトリアルキルホスフィン(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン)(TCEP)を用いて室温で2時間、オリゴを還元する。Superpose12HPLCカラム(Amersham)上でのサイズ排除クロマトグラフィーにより、還元オリゴをTCEPから精製する。次にスルホ−LC−SPDP修飾磁気ビーズとともに4℃で一晩、還元オリゴをインキュベートする。343nm吸光度読取における増大により、結合をモニタリングする(図1参照)。
【実施例3】
【0121】
テロメラーゼ・バイオセンサー試験(TBT)
テロメラーゼアッセイを、以下のように実行した:
ビーズ表面結合オリゴヌクレオチド[配列番号2]並びにDynal(Dynal Invitrogen Corporation, 9099 North Deerbrook Trail, Brown Deer, WI, USA 53223)に固定された併合配列[配列番号3]を用いて、テロメラーゼ標的配列[配列番号1]を合成した。固定化は、配列番号3の5’末端と結合するシステイン残基を介した。
【0122】
推定癌細胞を含有する細胞を採取し、CHAPS緩衝液(0.5%v/vCHAPS、10mMのトリス、1mMのMgCl、1mMのEGTA及び10%v/vグリセロール:10ml当たり1個のプロテアーゼ阻害剤錠剤(Compete Mini, Roche)を有する)で溶解した。次に溶解細胞抽出物を、dNTP及びビオチン化dUTPとともに磁気ビーズに添加した。次にストレプトアビジン−HRPを添加した。インキュベート後、回転なしに磁石を用いてビーズを収集し、洗浄した。次にビーズを、96ウエルプレートに転換した。ルミノール及びエンハンサーを、過酸化水素と共に添加した。次にルミネッセンスを読み取った。
【実施例4】
【0123】
アッセイの感度
LIM1215癌腫細胞(Whitehead et al., J Natl Cancer Inst 74(4): 749-765, 1985)を計数し、100〜1000個の細胞を含有するアリコートを取り出して、テロメラーゼに関してアッセイした。結果を、図2に示す。グラフは、感受性が1細胞という低さであることを示す。10個又はそれより多くの細胞を含む試料もアッセイし、テロメラーゼ活性の良好な検出を示した。
【実施例5】
【0124】
試料調製
癌のリスト及び試料採取技法を以下に示す。リストは、検出され得る癌の型の例示に過ぎない。
【0125】
これらのうちのいくつかに関する試料ワークアップは、項目11下に含まれる。TBTが用いられる臨床試料の型の例を、各癌に関して示す。
【0126】
膀胱癌:尿中の沈殿細胞、膀胱洗浄液、
尿生殖路癌:腎盂洗浄液、膀胱洗浄液、
腎癌:腎盂洗浄液、膀胱洗浄液、
結腸癌:剥離糞便上皮細胞、内視鏡生検検体、
白血病:骨髄及び末梢血、
黒色腫:末梢血、微細針吸引液、
皮膚癌:生検、末梢血、微細針吸引液、
肺癌:気管支肺胞洗浄液、気管支擦過物及び洗浄液、痰、掻爬物及び塗抹物、微細針吸引液、生検及び組織切片、
前立腺癌:微細針吸引液、尿中の沈殿細胞、
頭及び首の癌:掻爬物及び塗抹物、
リンパ節:微細針吸引液、
膵臓:微細針吸引液、
唾液腺:微細針吸引液、
乳房:微細針吸引液、乳頭分泌物、
肝臓:微細針吸引液、
甲状腺:微細針吸引液、
脳癌:脳脊髄液、並びに
子宮頚部、膣及び卵巣癌:塗抹物、腹膜洗浄液。
【実施例6】
【0127】
表在性膀胱癌試料
細胞を含む試料5μlをアッセイした。
【0128】
LIM1215結腸癌細胞株(Whitehead et al., 1985、上記)は、陽性対照である。熱不活性化(HI)後のシグナルの低減に留意されたい。Ep−CAMビーズを用いて、試料ワークアップ中の活性化リンパ球から癌細胞を分離した。結果を、図3に示す。
【実施例7】
【0129】
浸潤性膀胱癌試料
細胞を含む試料1μlをアッセイした。結果を図4に示す。
【実施例8】
【0130】
テロメラーゼアッセイとTRAP法との比較
実施例3に記載したようにテロメラーゼアッセイを用いて、TRAPアッセイとの比較を行なった(Hess et al., 2002、上記)。結果を表3に示す。テロメラーゼアッセイは、TRAPアッセイよりも明らかに高感度である。実施例18も参照。
【0131】
【表3】

【実施例9】
【0132】
糞便試料からの結腸細胞の単離
・ 糞便試料の重量を測定する。
【0133】
・ 添加剤を含有する50mL/gのPUCKの分散緩衝液(Puck緩衝液レシピ参照)中で試料を激しくかき混ぜる。
【0134】
・ 100μm膜を通してスラリーを濾過し、フロースルーを収集する。
【0135】
・ 60μm膜を通して収集液を濾過し、フロースルーを収集する。
【0136】
・ 4℃で1000gで10分間、フロースルーを遠心分離する。
【0137】
・ 抗生物質を含有するPUCKの分散緩衝液2.5mL中に細胞ペレットを再懸濁する。
【0138】
・ 7.5mLのPercollの不連続勾配上に層を成し、4℃で20分間、20000×gで遠心分離する(固定角ローター)。
【0139】
・ 細胞分画を収集し、1%v/vFCS及び0.6%w/vクエン酸ナトリウムを含有するPBSで10mLとする。
【0140】
・ 4℃で1000gで10分間、遠心分離する。
【0141】
・ 1%v/vFCS及び0.6%w/vクエン酸ナトリウムを含有するPBS(2ml)中に再懸濁する。
【0142】
・ 40μl(1×10)のDynal EpCAMビーズを2つの試験管中に分取し、PBS/0.1%w/vBSA中で2回洗浄する。
【0143】
・ 40μlのEpCAMビーズを含有する2つの試験管(各々1mL)中に2mLの試料を分取し、回転しながら4℃で30インキュベートする。
【0144】
・ 試験管を磁石中に置いて、S/Nを除去する(サイトスピンのために保持)。
【0145】
・ PBS/0.1%w/vBSA(200μL)中に再懸濁する(両試験管を1つにプールして、磁石中に置いて、400μlの上清を取り出す)。
【0146】
・ 200uLのPBS/0.1%w/vBSA洗浄を2回反復する。
【0147】
・ 200uLのCHAPS溶解緩衝液を添加する。
【0148】
・ 微細針を通過させることにより、細胞を溶解する。
【0149】
・ 溶解物を氷上で30分間インキュベートする。
【0150】
・ 4℃で20分間、10000gで回転させる。
【0151】
・ S/Nを分取し、LN2中で急速凍結させる。
【0152】
・ 残りの細胞ペレットを急速凍結させる。
【0153】
アッセイ結果を、図5に示す。
【実施例10】
【0154】
TBTの感度
HEK293T(Graham et al., J Gen Virol 36: 59-74, 1977)腫瘍細胞溶解物を、10〜1250細胞等価物(CE)から、広範囲の溶解物濃度にわたってテロメラーゼに関してアッセイした。TBT結果(ルミネッセンスシグナル)及び溶解物濃度間の関係は、約1250CEまでは直線であり、その後、TBTシグナルはプラトーになり始める。TBT応答関係は、膀胱癌患者の尿中で予測される細胞の濃度で、直線である。結果を、図6及び図7に示す。
【0155】
TBTアッセイは、非常に低い細胞濃度で実施する。検出の下限の統計学的評価は、TBTアッセイで検出可能な最小の細胞数が20CEという少ない数であることを明示する。結果を、図8に示す。TBT試験は、非常に少ない数のテロメラーゼ発現細胞からの陽性シグナルを検出し得る。したがってそれは、尿中の極少の剥離腫瘍細胞数を検出する能力を有する。
【実施例11】
【0156】
アッセイ内再現性
HEK293T腫瘍細胞の2つの異なる濃度、即ち100CE及び1000CEのテロメラーゼ活性を測定することにより、TBT試験のアッセイ内再現性を評価した。TBTアッセイ内の、各濃度での6つの二重反復実験試料間の、変動性のレベルは、約5%であった。結果を、図9に示す。
【実施例12】
【0157】
アッセイ間再現性
HEK293T腫瘍細胞の2つの異なる濃度、即ち50CE及び5000CEのテロメラーゼ活性を測定することにより、TBT試験のアッセイ間再現性を評価した。異なる日に、4つの別個の事象に関して、アッセイを実施した。各濃度に関するアッセイ間変動性のレベルは、6〜9%の範囲であった。結果を、図10に示す。
【実施例13】
【0158】
アッセイの特異性
ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を過剰発現する腫瘍細胞のテロメラーゼ活性を測定することにより、TBT試験の特異性を測定した。ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)を発現するレトロウイルスベクター(Li et al., Leukemia 20: 1270-1278, 2006)を含有するTF−1ヒト赤白血病細胞株(Kitamura et al., Blood 73(2): 375-380, 1989)で、テロメラーゼ活性を測定した。結果を、図11に示す。
【実施例14】
【0159】
尿試料中のテロメラーゼ活性の測定
TBT試験を用いて、溶解物の0μl〜2.5μlの範囲の細胞溶解物濃度で、膀胱癌患者の尿から単離された細胞中のテロメラーゼ活性を測定した。陽性TBT結果を予め示している3名の患者からの尿細胞溶解物中で、テロメラーゼ活性を測定したが、このうちの2名は高TBT結果を有し(患者#3、TBT比率6.70及び患者#12、TBT比率6.38)、そして1名は低TBT結果を有した(患者#31、TBT比率1.59)。結果を、図12に示す。
【実施例15】
【0160】
膀胱癌モニタリング
TBT試験を用いて、膀胱癌患者及び正常被験体の尿から単離された細胞中のテロメラーゼ活性を測定した。陽性TBT試験シグナルは、バックグラウンドシグナルより大きさが>1.5倍高いシグナルと定義される。結果を、図13及び表4に示す。
【0161】
【表4】

【0162】
TBTデータ
上記の平均データは、平均TBT結果を表わす。「カットオフ」値との関連のほかに、TBT結果の大きさと膀胱癌の段階及び重症度との間にはほとんど相関が認められないと思われる。
【実施例16】
【0163】
白血病
TBT試験を用いて、ヒト白血病細胞株K562(Lozzio and Lozzio, Blood 45: 321-334, 1975)中のテロメラーゼ活性を測定した。TBTアッセイは、白血病細胞中のテロメラーゼを測定するための現行方法と比較した場合、白血病細胞中のテロメラーゼ活性の検出に関して高感度であり、そして実施するのに定量的且つ相対的に簡単である。結果を、図14に示す。
【実施例17】
【0164】
臍帯血幹細胞
TBT試験を用いて、臍帯血幹細胞中のテロメラーゼ活性を測定した。TBTアッセイは、1000CEを用いて、3つの臍帯血試料すべてにおける臍帯血幹細胞中のテロメラーゼ活性の検出に関して高感度であった。結果を、図15に示す。
【実施例18】
【0165】
比較アッセイ
本発明及び標準TRAPアッセイのアッセイ特徴を比較する。比較特徴の要約を、表5に提示する。比較は、TRAPアッセイと比較した場合のTBTの改良された効能を際立たせる。
【0166】
【表5】

【実施例19】
【0167】
テロメラーゼ治療薬と関連したテロメラーゼ活性のモニタリング
TBTは、テロメラーゼ活性及びテロメラーゼ複合体の構成成分を標的にする療法を受けている患者を選択し、モニタリングするのに有益である。このような用途は、癌又は自己免疫障害若しくは過増殖性障害の治療に用いられ得るようなテロメラーゼ構成成分に対するワクチンを包含する。
【0168】
同様に、TBTは、皮膚又は他の器官のような組織再生、置換、修復及び再建における幹細胞活性化のような療法の一部としてのテロメラーゼ活性の再活性化をモニタリングするために用いられ得る。他の状況としては、骨髄、成人脳の神経原性域における幹細胞活性の活性化、並びにHIV患者におけるTリンパ球の再活性化が挙げられる。他の状況としては、化学療法又は放射線療法により生じるような損傷後の消化管及び気道回復が挙げられる。
【0169】
同様に、TBTは、実験室設定での、動物モデル及び患者における、薬剤開発の状況でのテロメラーゼ阻害薬の効能をモニタリングするために適用可能である。
【0170】
同様に、TBTは、胚性幹細胞由来細胞及び組織で再構築された組織における幹細胞及び始原細胞活性の保持をモニタリングするために有用であり、この場合、短期又は長期組織置換を達成する必要がある。
【実施例20】
【0171】
テロメラーゼ反復配列の繰返し
磁気ビーズに付着するテロメラーゼ特異的オリゴヌクレオチド鋳型の設計は、TBTアッセイの感度を最大にするために重要である。テロメラーゼのRNA構成成分とテロメア末端の間の塩基対合のための最小認識DNA配列は、9塩基(TAGGGTTAG)であるが、この配列の多重反復は、染色体テロメア末端の性質及び正確な塩基対認識を達成するために用いられる酵素の走査性をより正確に表わす。テロメラーゼ鋳型は、1.5〜3の範囲の六量体反復のものを包含する。
【0172】
オリゴヌクレオチドの3つの形態を試験した。部分(0.5)反復を含有する短いバージョン、2.5反復を含有するわずかに長いバージョン、及び3.5反復を有するより長いバージョンの3つであった。より長いバージョンは、バックグラウンドシグナル(テロメラーゼ抽出物なし)に比して、より良好な絶対シグナルを提示した。この増大動的範囲は、アッセイの感度増大に形を変えると思われる。結果を、図16に示す。
【0173】
試験したオリゴヌクレオチドを、以下に示す:
Short:5’SH−(CH−TTTTTTAATCCGTCGAGCAGAGTT(配列番号6)
Medium:5’SH−(CH−TTTTTTAATCCGTCGAGCAGAGTTAGGGTTAGGGTTAG(配列番号7)
Long:5’SH−(CH−TTTTTTAATCCGTCGAGCAGAGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAGGGTTAG(配列番号8)
オリゴヌクレオチドの長さも、保存寿命安定性にとって重要であり得る。遊離金属イオンを結合/封鎖するEDTA及びEGTAの存在下で、反応ビーズを保存する。金属イオンは、核酸を分解する酵素のための不可欠な補因子であり、したがってそれらの除去は、オリゴヌクレオチドを分解から保護する。
【実施例21】
【0174】
自動化
TBTアッセイは、標準磁気ビーズ技法を用いるため、自動化が非常に容易である。種々の用途のためのルーチン病理学実験室では、磁気ビーズベースの液体取扱いロボットシステムが一般的に用いられる。TBTアッセイは、種々のこのようなシステムに容易に適合され得るし、機械依存性でない。
【0175】
TBTアッセイの自動化は、他の技法、例えばTRAP及びPCT/IL01/00808(WO 02/20838)に記載されたアッセイと比較して、それを異なる長所にする。後者は、回転電磁石を用いるが、容易に自動化され得ない。それは、ルーチン病理学実験室での使用に適さない。TRAPはその本来の形態では、PCR産物が電気泳動ゲル上を泳動され、その後、画像診断により分析されることを必要とするので、ハイスループット自動化に適していない。
【実施例22】
【0176】
細胞捕捉ビーズ
テロメラーゼ活性測定のための対象となる細胞の精製のために、任意の細胞特異的抗体、受容体又は模倣物が用いられ得る。これらの例を以下に挙げる:
Anti−EGF receptor(腫瘍細胞用)、
Anti−CD34(幹細胞)、
Anti−CD45(共通白血球抗原)、
Anti−CD19(pan−B−細胞抗原)CD4、及びCD8(リンパ球)、
Anti−BerEP4(pan−上皮細胞表面抗原)、並びに
Anti−A33(結腸上皮細胞)
細胞は、他の方法、例えば末梢血単核球(PBMC)の単離のための連続又は非連続フィコール勾配によっても精製又は単離され得る。
【実施例23】
【0177】
試料調製方法及びワークアップ
TBT試験は、多数の異なる癌に関連した悪性細胞の検出のために用いられ得る。TBT試験を用いて分析され得る典型的臨床試料としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
気管支樹における新生物、肺癌、頭及び首の癌の検出のための気管支肺胞洗浄液、気管支擦過物及び洗浄液、痰、掻爬物、塗抹物、
肺、リンパ節、膵臓、唾液腺、乳房、肝臓、甲状腺、及び前立腺癌における悪性細胞の検出のための微細針吸引液、生検及び組織切片、
前立腺癌、膀胱癌、尿生殖路癌及び腎臓癌の検出のための尿、腎盂洗浄液、膀胱洗浄液中の沈殿細胞、
黒色腫及び造血系の癌の検出のための血液、
悪性新生物の検出のための体腔液(胸水、腹水、囲心腔液、腹膜洗浄液、溝(gutter)洗浄液)、
CSF中の悪性細胞の検出のための脳脊髄液、
消化管の癌の検出のための内視鏡生検検体、
結腸癌及び消化管の他の癌における悪性細胞の検出のための糞便検体、
乳癌及び乳頭漏出を引き起こす癌の検出のための乳頭分泌物、
子宮頚部、膣及び卵巣癌の検出のためのPAP試験TM/PAP塗抹物(子宮頚部/膣スクリーニング)。或る種の感染性及び炎症性状態の検出のためにも用いられ得る。
【0178】
ヘルペスウイルス感染(単純ヘルペスウイルス及び水痘ウイルス)に派生する水疱性疾患のための皮膚(TZanckスメア)。
【0179】
膀胱癌の場合、磁気ビーズに付着した上皮細胞特異的抗体を用いて、尿からの選択的捕捉により、腫瘍上皮細胞を単離する。
【実施例24】
【0180】
尿処理手順−試料ワークアップ
Dynalビーズに対する細胞の非特異的付着を防止するために、氷上で全ステップを実施する。
【0181】
1. 尿を収集し(少なくとも50ml)、氷上に保持する。尿を50ml試験管に移す。50mlより多い場合、尿を2つに分けて50ml試験管中に等容積にして、以下のように各々を処理する。
【0182】
2. 試料を、4℃で5分間、750gで遠心分離する。上清を、HazTabを含有するビーカー中に捨てる。
【0183】
3. 0.1%w/vBSA及びプロテアーゼ阻害薬錠剤を補足した10mlPBS(pH7.4)(以後、洗浄緩衝液と呼ぶ)中にペレットを再懸濁する。
【0184】
4. 試料を、4℃で5分間、750gで遠心分離する。上清を、HazTabを有するビーカー中に捨てる。
【0185】
5. 洗浄ステップを反復する(ステップ4〜5)。
【0186】
6. ステップ5の間、上皮富化収集Dynalビーズを100μlの洗浄緩衝液で1回洗浄する(Dynal磁気トラップを使用)。
【0187】
7. 遠心分離後、ペレットを1mlの洗浄緩衝液中に再懸濁し、1.5mlエッペンドルフ管に移す。
【0188】
8. 洗浄したビーズを、ステップ5からの洗浄尿細胞に添加する。直径1mm未満であるペレットに関しては、25μlのビーズを用いる。1〜2mmのペレットに関しては、30μlのビーズを用いる。2mmより大きいものに関してはいずれも、40μlのビーズを用いる。
【0189】
9. ビーズ及び尿細胞を、回転(60r.p.m.)しながら4℃で30分間、静かに混合する。
【0190】
10. 試料を30秒間遠心分離(Capsule Tomy HF120)して、エッペンドルフ管の蓋にビーズ又は緩衝液が残っていないことを確実にする。
【0191】
11. 試験管をDynal磁気トラップ(Dynal MPC-S)中に入れて、上清を、GilsonP1000ピペットを用いて注意深く新たな1.5mlエッペンドルフ管に移す(上清を、4℃で5分間、Hereaus Biofuge中で13000r.p.m.で遠心分離する)。上清を除去し、ペレット中の細胞を溶解する(これは、上皮富化収集Dynalビーズと結合しなかった細胞を含有する)。この分画は活性化リンパ球を含有し、必要な場合、その後の分析のために凍結細胞ペレット(−70℃)として別々に保存されるべきである。
【0192】
12. ステップ11からのビーズを、1mlの洗浄緩衝液中に再懸濁することにより洗浄し、次に上記のようにDynal磁気トラップを用いて上清を除去する。この上清を捨てる。
【0193】
13. CHAPS溶解緩衝液(100μl)を、上皮癌細胞と結合したDynalビーズに添加する。
【0194】
14. GilsonP200ピペットを用いて、少なくとも10回、上下にピペッティングすることにより、細胞を溶解する。
【0195】
15. 溶解物を氷上で30分間インキュベートする。
【0196】
16. 溶解物を、4℃で5分間、Hereaus Biofuge中で13000r.p.m.で遠心分離する。
【0197】
17. 磁気トラップ中に試験管を入れることにより、ビーズを除去する。
【0198】
18. 上清(〜30μl)を3つの試験管の各々に分取して、ペレットを捨てる。
【0199】
19. 溶解物をドライアイス上で5分間急速凍結させて、−70℃の冷凍庫に移す。
【実施例25】
【0200】
結腸癌患者の糞便試料からの剥離結腸細胞に関する試料ワークアップ
臨床的に立証された結腸直腸癌を有する患者からのインフォームドコンセント下で、糞便試料を収集する。試料を家庭で収集し、直ちに実験室に運搬して(2時間未満)、そこで、アリコート(2g)を、抗生物質(500U/Lのペニシリン、500mg/Lのストレプトマイシン硫酸塩、1.25mg/LのアンフォテリシンB及び50mg/Lのゲンタマイシン)を含有するPuckの生理食塩水中に分散させる。糞便スラリーを、100μm及び60μm膜(ナイロン/ネット膜フィルター、Millipore, Australia)に順次通して濾過して、大きな破砕屑を除去した後に、4℃で10分間、400gで遠心分離する。1%v/vFCS及び0.6%w/vクエン酸ナトリウムを含有するPBSでペレットを2回洗浄し、その後、40μlの上皮富化CELLection(商標)Dynabeadsを用いて、上皮細胞を回収する。細胞を、4℃で30分間、Dynabeadsとともにインキュベートし、次に、Dynal磁気粒子プロセッサーを用いて上清を除去する。磁気ビーズに付着した細胞を、0.1%w/vBSAを含有するPBSで3回洗浄した後、200μlのCHAPS溶解緩衝液で溶解する。その結果生じた上清を、液体窒素中で急速凍結指せて、−70℃で保存する。
【実施例26】
【0201】
臍帯幹細胞に関する試料ワークアップ:(系列−陰性細胞の富化)
ヒト臍帯血(UCB)を、抗凝固剤クエン酸塩緩衝液を含有する滅菌ボトル中に収集し、収集の18時間以内に処理する。赤血球を枯渇させるために、UCBを、ダルベッコのリン酸塩緩衝生理食塩水で1:2に希釈して、1%w/vヘスパン(DuPont Pharma, Wilmington, DE)を用いて、赤血球を室温で凝集させる。残留赤血球を、0.17mMのNHCl、10mMのトリス−Cl、pH7.2、0.25mMのEDTAで溶解する。キットの使用説明書に従って、StemSepキット(Stem Cell Technologies, Vancouver, British Columbia, Canada)を用いて、グリコフォリンA、CD3、CD2、CD56、CD24、CD19、CD66b、CD14及びCD16を発現する細胞の枯渇により、系列−陰性(Lin−)細胞を単離する。その結果生じたLin−分画中のCD34+細胞の割合は、63%〜82%の範囲である。
【実施例27】
【0202】
白血病細胞に関する試料ワークアップ
白血病患者の診断及び分析のための細胞を、骨髄又は末梢血から単離する。正常ドナーの腸骨稜から採取した10mlのヒト骨髄吸引液を、リン酸塩緩衝生理食塩水で1:1に希釈して、室温で10分間、900gで遠心分離する。洗浄細胞をPBS中に再懸濁して、最終容積を10mlとして、等容積の1.073g/mlのパーコール溶液上に層化する。30分間900gで遠心分離後、単核球(MNC)を勾配界面から回収し、PBSで洗浄する。パーコール分別MNC又は非分別骨髄細胞を、分析のためにPBS中に懸濁する。Ficoll−Paque密度勾配遠心分離により末梢血のバフィー・コートからMNCを単離し、PBS中で洗浄する。
【実施例28】
【0203】
受診者動作特性曲線
図17は、膀胱癌の検出におけるTBT試験の感度を立証する「受診者動作特性」曲線(ROC曲線)を示す。
【0204】
ROC曲線は、TBT試験の性能が異なる診断閾値で評価される場合、臨床試験で観察される感受性及び特異性のパターンを示す。ROC線の位置により、TBT試験の全体的診断性能を判定する。不十分な試験は、漸増斜線に近い線を有し、一方、完全試験に関する線は、急勾配に上昇して、上部左手角近くを通過し、この場合、感受性及び特異性はともに1である。TBTに関するROC線は、完全診断試験に関する線に密接に近づく。
【0205】
本明細書中に記載された本発明は、特記されたもの以外の変形形態及び修正形態が可能である、と当業者は理解する。本発明は、すべてのこのような変形形態及び修正形態を包含する、と理解されるべきである。本発明は、本明細書中で、独立して又は総合的に、言及され、あるいは示されたステップ、特徴、組成物及び化合物のすべて、そして任意の2以上の上記ステップ又は特徴の任意の及びすべての組合せも包含する。
参考文献
【0206】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0207】
いくつかの図面は、色の表示又は実体を含有する。カラー写真は、求めに応じて特許権者から、あるいは適切な特許庁から入手可能である。特許庁から得られる場合、手数料が課せられ得る。
【図1】ビーズへのテロメラーゼに関する標的配列の結合をモニタリングする方法を示すグラフである。磁気又は他の手段による収集に付され得るビーズへのテロメラーゼ活性による伸長に適したオリゴヌクレオチドの結合をモニタリングするための分光光度分析方法。遊離オリゴヌクレオチドは、波長260nm辺りでピーク吸光度を有するが、結合オリゴヌクレオチドは343nm辺りでピーク吸光度を有する。
【図2】LIM1215細胞に関するテロメラーゼアッセイの感度を示すグラフである。これは、溶解LIM1215ヒト結腸癌細胞から放出されるテロメラーゼ活性が組込まれたフルオレセイン結合ヌクレオチドにより放射される蛍光により測定され得ることを示す。100〜1000個の溶解細胞を用いることにより測定した場合、検出の直線範囲が明白に認められる。
【図3】表在性膀胱癌試料に関するテロメラーゼアッセイの結果を示すグラフである。これは、1000個の溶解LIM1215細胞及び病理学的に確認された表在性膀胱癌を有する患者から収集された細胞から放出されるテロメラーゼ活性を示す。膀胱癌細胞は、EpCAMビーズを用いて捕捉した。テロメラーゼ酵素活性を不活性化するために熱で前処理された溶解物を用いて、対応反応を実施した(HI)。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。ストレプトアビジン単独により生成される低バックグラウンドシグナルも示す。
【図4】浸潤性膀胱癌試料に関するテロメラーゼアッセイの結果を示すグラフである。これは、1000個の溶解LIM1215細胞及び病理学的に確認された浸潤性膀胱癌を有する患者から収集された細胞から放出されるテロメラーゼ活性を示す。膀胱癌細胞は、EpCAMビーズを用いて捕捉した。テロメラーゼ酵素活性を不活性化するために熱で前処理された溶解物を用いて、対応反応を実施した(HI)。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。ストレプトアビジン単独により生成される低バックグラウンドシグナルも示す。
【図5】糞便試料から単離された細胞中のテロメラーゼ活性を示すグラフである。これらのデータは、EpCAMビーズを用いて糞便試料から既知及び予め決められた結腸癌細胞を単離する能力と、その後のテロメラーゼ活性の放出及びルミネッセンスを用いた測定を実証する。
【図6】本発明の一実施形態によるHEK293T細胞に関するアッセイの感度を示すグラフである。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。平均データは、3つの異なる溶解調製物内の異なる日に手動アッセイフォーマットを用いて実施された10例の実験からである。これは、HEK293T細胞のストック細胞溶解物のテロメラーゼ活性が再現性を伴って測定され得る、ということを示す。20〜1250個の溶解細胞の等価物を用いることにより測定した場合、検出の直線範囲が明白に認められる。
【図7】本発明の一実施形態による低レベルのHEK293T細胞に関するアッセイの感度を示すグラフである。平均データは、3つの異なる溶解調製物で異なる日に手動アッセイフォーマットを用いて実施された10例の実験からである。これは、HEK293T細胞のストック細胞溶解物のテロメラーゼ活性が再現性を伴って測定され得ることを示す。1〜500個の溶解細胞の全範囲にわたって、検出の直線範囲が明白に認められる。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。これらのデータは、TBTアッセイが低細胞濃度で高感度である、ということを実証する。
【図8】本発明の一実施形態によるTBTアッセイの検出の下限の統計学的評価の結果を示すグラフである。3つの異なる溶解調製物で異なる日に10例の別個の実験に関するTBTアッセイで、HEK293Tのストック細胞溶解物のテロメラーゼ活性を測定した。破線は、20回測定された平均バックグラウンドレベル(0CE)を上回る1(1×SD)及び2(2×SD)標準偏差(SD)を示す。ヒストグラム上の各バー内に示した上部の数は、バックグラウンドを上回るSDの実数である。「n」は、平均を生じるために用いられる個体測定の数である。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。
【図9】本発明の一実施形態によるTBTアッセイのアッセイ内再現性を示すグラフである。2つの異なる濃度のHEK293T腫瘍細胞のテロメラーゼ活性を測定した。TBTアッセイ内での各濃度、100CE及び1000CEでの6つの別個の測定間の変動のレベルは、それぞれ総シグナルの5.7%及び4.9%であった。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。平均データ(平均±標準偏差)は、各濃度での6つの二重反復実験試料からである。
【図10】本発明の一実施形態によるTBTアッセイのアッセイ間再現性を示すグラフである。2つの異なる濃度のHEK293T腫瘍細胞のテロメラーゼ活性を、10例の別個の場合に測定した。各濃度、50CE及び5000CEでのアッセイ変動間のレベルは、それぞれ総シグナルの6.4%及び8.8%であった。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。平均データ(平均±標準誤差)は、異なる日に実施した各濃度に関する4つの別個の測定からである。
【図11】本発明の一実施形態によるTBTアッセイの酵素特異性の特異性を示すグラフである。ヒト白血病細胞株TF−1細胞及び広範囲の濃度にわたってhTERT(ヒトテロメラーゼ逆転写酵素)を過剰発現するTF−1細胞において、テロメラーゼ活性を測定した。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。hTERTを過剰発現するTF−1細胞中に見出されるより大きなテロメラーゼ活性により、アッセイの特異性は実証される。
【図12】本発明の一実施形態による尿試料中のテロメラーゼ活性の検出に関するTBTアッセイの感度を示すグラフである。溶解物の0μl〜2.5μlの範囲の細胞溶解物濃度で、患者の尿から単離された細胞中のテロメラーゼ活性を測定するために、TBT試験を用いた。予め陽性TBT結果を示している3名の患者(このうちの2名(患者#3及び#12)は高TBT結果を有し、1名(患者#31)は低TBT結果を有した)からの尿細胞溶解物において、テロメラーゼ活性を測定した。これらのデータは、各患者試料中の腫瘍上皮細胞の総数の100分の1未満を表わす1μl未満の細胞溶解物は、陽性シグナルを生じるのに十分であることを示す。
【図13】本発明の一実施形態による尿試料中のテロメラーゼ活性の検出に関するTBTアッセイの感度及び特異性を示すグラフである。膀胱癌患者(n=29)及び正常被験体(n=12)の尿から単離された細胞中のテロメラーゼ活性を測定するために、TBT試験を用いた。1.5(無テロメラーゼ対照と比較した場合の倍変化)という「カットオフ」値が用いられる場合、アッセイは感度96.6%及び特異性100%を有する。「カットオフ」閾値が1.2(破線)である場合、アッセイの感度は100%であり、擬陽性の小さな増大が認められる。
【図14】本発明の一実施形態によるK562ヒト白血病細胞中のテロメラーゼ活性の検出に関するTBTアッセイの感度を示すグラフである。2500CEまでの広範囲の細胞溶解物濃度にわたってテロメラーゼ活性を測定するために、TBT試験を用いた。これらのデータは、ルミノールと反応してルミネッセンスを生成するホースラディッシュペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンを用いてテロメラーゼ活性を実証する。TBTアッセイは、白血病細胞中のテロメラーゼ活性の分析における高レベルの感度を示す。
【図15】本発明の一実施形態による臍帯血幹細胞中のテロメラーゼ活性の検出に関するTBTアッセイの感度を示すグラフである。3名の患者の臍帯血からのCD34陽性細胞を単離し、1000個のCD34陽性細胞に関してTBTアッセイを実施した。3例すべての臍帯血試料で、テロメラーゼ活性を検出した。
【図16】HEK293T細胞溶解物におけるTBTオリゴヌクレオチド長の作用を示すグラフである。
【図17】膀胱癌の検出におけるTBT試験の診断力を示す受診者動作特性(ROC)曲線のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テロメラーゼ活性を示す被験体から細胞を検出する方法であって、
i)前記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を前記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じ、それにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、前記磁気粒子及び前記細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)前記磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、該ビーズを洗浄し、且つ、外因的添加Hの存在下で洗浄した該ビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付して、前記ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、検出されるべき前記細胞を含有しない対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及び細胞数を提示する、方法。
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドプライマーが以下の配列:
(XTTAGGY
(式中、Xは、A、T、G及びCから選択されるヌクレオチドであり、
Yは、A、T、G及びCから選択されるヌクレオチドであり、
nは、0又は1であり、
mは、0又は1であり、且つ
oは、約1〜約400である)
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドプライマーが配列番号1で記述されるヌクレオチド配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オリゴヌクレオチドプライマーが配列番号3で記述されるヌクレオチド配列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記被験体がヒトである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記被験体が非ヒト又は脊椎動物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記被験体が植物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記被験体からの前記細胞が癌細胞を含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項9】
前記被験体からの前記細胞が炎症細胞を含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項10】
前記被験体からの前記細胞が幹細胞を含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項11】
前記オリゴヌクレオチドプライマーがチオール結合を介して磁気粒子に固定される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ルミノール、エンハンサー及び/又はHの添加が自動又は半自動である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記癌が、任意の癌性又は悪性症状、前癌症状、骨髄腫、或いは任意のリンパ腫又は悪性症状、或いは新生物細胞を包含する任意のその他の増殖性障害である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記癌が、乳房腫瘍、結腸直腸腫瘍、腺癌、中皮腫、膀胱腫瘍、前立腺腫瘍、生殖細胞腫瘍、肝癌/胆管癌、神経内分泌腫瘍、下垂体新生物、小円形細胞腫瘍、扁平上皮細胞癌、黒色腫、非定型的繊維黄色腫、精上皮腫、非精上皮腫、間質性ライディッヒ細胞腫、セルトリ細胞腫、皮膚腫瘍、腎臓腫瘍、精巣腫瘍、脳腫瘍、卵巣腫瘍、胃腫瘍、口腔腫瘍、膀胱腫瘍、骨腫瘍、子宮頚腫瘍、食道腫瘍、喉頭腫瘍、肝臓腫瘍、肺腫瘍、膣腫瘍及びウィルムス腫瘍を包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記癌が、腺癌、腺腫、腺繊維腫、腺リンパ腫、歯牙腫(adontoma)、AIDS関連癌、聴神経腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、腺嚢胞癌、副腎皮質癌、原因不明骨髄様化生、脱毛症、胞状軟部肉腫、エナメル上皮腫、角化血管腫、好酸球増多随伴性血管類リンパ組織増殖症、硬化性血管腫、血管腫症、アプドーマ、肛門癌、血管肉腫、再生不良性貧血、星状細胞腫、毛細血管拡張性運動失調、基底細胞癌(皮膚)、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳幹神経膠腫、脳及びCNS腫瘍、乳癌、鰓腫、CNS腫瘍、類癌腫、子宮頸癌、小児期脳腫瘍、小児期癌、小児期白血病、小児期柔組織肉腫、軟骨肉腫、絨毛癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、癌腫(例えばウォーカー癌、基底細胞癌、基底扁平上皮細胞癌、ブラウン・ペアス癌、腺管癌、エーリッヒ腫瘍、クレブス2癌、メルケル細胞癌、ムチン様癌、非小細胞肺癌、燕麦細胞癌、乳頭様癌、硬性癌、細気管支癌、気管支原性癌、扁平上皮細胞癌及び移行性細胞癌)、癌肉腫、子宮頚部異形成、葉状嚢肉腫、セメント腫、脊索腫、分離腫、軟骨肉腫(chondrosarcoma)、軟骨芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、胆管腫、コレステリン腫、円柱腫、嚢胞腺癌、嚢腺腫、隆起性皮膚繊維肉腫、繊維形成性小円形細胞腫、腺管癌、未分化胚細胞腫、内分泌癌、子宮内膜癌、上衣細胞腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼癌、眼:黒色腫、網膜芽細胞腫、卵管癌、ファンコーニ貧血、繊維腫、繊維肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化管癌、消化管カルチノイド腫瘍、尿生殖器癌、生殖細胞腫瘍、妊娠−栄養膜性疾患、神経膠腫、婦人科癌、巨細胞腫、神経節神経腫、神経膠腫、グロムス血管腫、顆粒層細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、血液学的悪性疾患、毛様細胞性白血病、頭及び首の癌、肝細胞癌、遺伝性乳癌、組織球増殖症、ホジキン病、ヒトパピローマウイルス、胞状奇胎、高カルシウム血症、下咽頭癌、過誤腫、血管内皮腫、血管腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、血管肉腫、組織球障害、組織球増殖性悪性疾患、組織球腫、肝細胞癌、汗腺腫、軟骨肉腫(hondrosarcoma)、免疫増殖性小(immunoproliferative small)、オポーマ(opoma)、眼球内黒色腫(ontraocular melanoma)、島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓癌、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭癌、平滑筋肉腫、白血病、リ・フラウメニ症候群、口唇癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、リンパ水腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、平滑筋肉腫(leigomyosarcoma)、白血病(例えばb細胞、混合細胞、ヌル細胞、t細胞、t細胞慢性、htlv−ii関連、リンパ管肉腫、リンパ球性急性、リンパ球性慢性、肥満細胞及び骨髄様)、白血肉腫、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、リンパ管腫、リンパ管細胞腫、リンパ管腫、リンパ管筋腫、リンパ管肉腫、男性乳癌、悪性腎臓桿状体腫瘍、髄芽細胞腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性癌、口腔癌、多重内分泌新生物、菌状息肉腫、脊髄形成異常性症候群、骨髄腫、骨髄増殖性障害、悪性カルチノイド症候群カルチノイド心疾患、髄芽細胞腫、髄膜腫、黒色腫、間葉細胞腫、中腎腫、中皮腫、筋芽細胞腫、筋腫、筋肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻癌、鼻咽頭癌、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経繊維腫症、ナイメーヘン染色体不安定症候群、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌(nsclc)、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経上皮腫、神経線維腫症、神経繊維腫、神経腫、新生物(例えば骨、乳房、消化系、結腸直腸、肝臓)、眼癌、食道癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、造瘻術卵巣癌、膵臓癌、鼻傍癌、上皮小体癌、耳下腺癌、陰茎癌、末梢性神経外胚葉性腫瘍、下垂体癌、一次性赤血球増加、前立腺癌、骨腫、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腫、傍神経節腫、非クロム親和性傍神経節腫、松果体腫、形質細胞腫、癌原遺伝子、稀な癌及び関連障害、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ロートムント・トムソン症候群、細網組織症、横紋筋腫、唾液腺癌、肉腫、神経鞘腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌(sclc)、小腸癌、柔組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮細胞癌(皮膚)、胃癌、滑膜肉腫、肉腫(例えばユーイング実験的肉腫、カポジ肉腫及び肥満細胞肉腫)、セルトリ細胞腫、滑膜腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行上皮癌(膀胱)、移行上皮癌(腎臓−腎盂/尿管)、栄養膜癌、奇形腫、卵胞膜細胞腫、胸腺腫、栄養膜腫瘍、尿道癌、尿路系癌、ウロプラキン、子宮肉腫、子宮癌、膣癌、外陰部癌、ワルデンストレームのマクログロブリン血症及びウィルムス腫瘍である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記炎症細胞が、座瘡、狭心症、関節炎、嚥下性肺炎、疾患、蓄膿、胃腸炎、炎症、腸のインフルエンザ、nec(壊死性腸炎)、骨盤内炎症性疾患、咽頭炎、骨盤内炎症性疾患(pid)、胸膜炎、ヒリヒリとした咽喉痛、潮紅、発赤、咽頭痛、胃のインフルエンザ及び尿路感染、慢性炎症性脱髄性多発性神経障害、慢性炎症性脱髄性多発神経根神経障害、慢性炎症性脱髄性神経障害又は慢性炎症性脱髄性神経根神経障害に関与する、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
テロメラーゼ活性のレベルを検出する前に、前記細胞が選択的に精製されるか又は富化される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
細胞特異的抗体を配置させた前記磁気ビーズ中で細胞をインキュベートし、その後洗浄して潜在的妨害物質を除去することにより前記細胞が精製されるか又は富化される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
細胞障害性作用物質の活性を評価する方法であって、
i)推定細胞障害作用物質を癌細胞の培養物に添加すること、
ii)テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を前記癌細胞からの細胞抽出物と接触させ、且つ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、前記磁気粒子及び前記細胞抽出物を共にインキュベートすること、
iii)前記磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iv)非回転磁石を用いてビーズを収集し、該ビーズを洗浄し、洗浄した該(he)ビーズをルミノール及びエンハンサー並びに外因的添加Hと接触させて、ルミネッセンスを生成させること、及び
v)その結果生じた混合物を検出手段に付して、前記ルミネッセンスの強度を読み取る、検出手段に付すこと、
を包含し、細胞障害性作用物質を含有しないような対照と比較した場合の前記細胞障害性作用物質の存在下でのルミネッセンスの強度レベルが作用物質の細胞障害性のレベルを提示する、方法。
【請求項20】
アッセイの使用であって、被験体における癌を検出するための診断プロトコールの生成における、
i)前記被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を前記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、前記磁気粒子及び前記細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)前記磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、該ビーズを洗浄し、外因的添加Hの存在下で洗浄した該ビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付し前記ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含する、アッセイの使用。
【請求項21】
前記オリゴヌクレオチドプライマーがチオール結合を介して磁気粒子に固定される、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項22】
前記ルミノール、エンハンサー及び/又はHの添加が自動又は半自動である、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項23】
テロメラーゼ活性のレベルを検出する前に、前記細胞が選択的に精製されるか又は富化される、請求項19又は請求項20に記載の使用。
【請求項24】
細胞特異的抗体を配置させた磁気ビーズ中で細胞をインキュベートし、その後洗浄して潜在的妨害基質を除去することにより前記細胞が精製されるか又は富化される、請求項23に記載の方法又は使用。
【請求項25】
癌を検出するための、或いは抗癌剤の細胞障害可能性を評価するためのキットであって、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を含む第一区画、過酸化水素を含めた試薬を含む第二区画、並びにdNTP及び/又はビオチン化dNTPを含む第三区画といった区画形態で含み、
i)被験体から細胞の試料を入手し、テロメラーゼに関する基質であるオリゴヌクレオチドプライマーを保有する磁気粒子を前記細胞試料からの細胞抽出物と接触させ、オリゴヌクレオチドプライマーのテロメラーゼ媒介性伸長が、NTP及びビオチン化UTPの存在下で生じそれにより伸長プライマー内にビオチンを組込むのに十分な時間の間、十分な条件下で、前記磁気粒子及び前記細胞抽出物を共にインキュベートすること、
ii)前記磁気粒子をストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼと接触させること、
iii)非回転磁石を用いてビーズを収集し、該ビーズを洗浄し、外因的添加Hの存在下で洗浄した該ビーズをルミノール及びエンハンサーと接触させてルミネッセンスを生成させること、及び
iv)その結果生じる混合物を検出手段に付し前記ルミネッセンスの強度を読み取ること、
を包含し、検出されるべき前記細胞を含有しない対照と又は既知のデータセットと比較した場合のルミネッセンスの強度レベルがテロメラーゼ活性レベル及び細胞数を提示する、使用のための使用説明書をさらに含む、キット。
【請求項26】
前記オリゴヌクレオチドプライマーが以下の配列:
(XTTAGGY
(式中、Xは、A、T、G及びCから選択されるヌクレオチドであり、
Yは、A、T、G及びCから選択されるヌクレオチドであり、
nは、0又は1であり、
mは、0又は1であり、且つ
oは、約1〜約400である)
を含む、請求項25に記載のキット。
【請求項27】
前記オリゴヌクレオチドプライマーが配列番号1で記述されるヌクレオチド配列を含む、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記オリゴヌクレオチドプライマーが配列番号3で記述されるヌクレオチド配列を含む、請求項26に記載のキット。
【請求項29】
前記オリゴヌクレオチドプライマーがチオール結合を介して磁気粒子に固定される、請求項25又は26に記載のキット。
【請求項30】
前記ルミノール、エンハンサー及び/又はHの添加が自動又は半自動である、請求項25に記載のキット。
【請求項31】
前記癌が、任意の癌性又は悪性症状、前癌症状、骨髄腫、或いは任意のリンパ腫又は悪性症状、或いは新生物細胞を包含する任意のその他の増殖性障害である、請求項25に記載のキット。
【請求項32】
前記癌が、乳房腫瘍、結腸直腸腫瘍、腺癌、中皮腫、膀胱腫瘍、前立腺腫瘍、生殖細胞腫瘍、肝癌/胆管癌、神経内分泌腫瘍、下垂体新生物、小円形細胞腫瘍、扁平上皮細胞癌、黒色腫、非定型的繊維黄色腫、精上皮腫、非精上皮腫、間質性ライディッヒ細胞腫、セルトリ細胞腫、皮膚腫瘍、腎臓腫瘍、精巣腫瘍、脳腫瘍、卵巣腫瘍、胃腫瘍、口腔腫瘍、膀胱腫瘍、骨腫瘍、子宮頚腫瘍、食道腫瘍、喉頭腫瘍、肝臓腫瘍、肺腫瘍、膣腫瘍及びウィルムス腫瘍を包含する、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記癌が、腺癌、腺腫、腺繊維腫、腺リンパ腫、歯牙腫、AIDS関連癌、聴神経腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、腺嚢胞癌、副腎皮質癌、原因不明骨髄様化生、脱毛症、胞状軟部肉腫、エナメル上皮腫、角化血管腫、好酸球増多随伴性血管類リンパ組織増殖症、硬化性血管腫、血管腫症、アプドーマ、肛門癌、血管肉腫、再生不良性貧血、星状細胞腫、毛細血管拡張性運動失調、基底細胞癌(皮膚)、膀胱癌、骨癌、腸癌、脳幹神経膠腫、脳及びCNS腫瘍、乳癌、鰓腫、CNS腫瘍、類癌腫、子宮頸癌、小児期脳腫瘍、小児期癌、小児期白血病、小児期柔組織肉腫、軟骨肉腫、絨毛癌、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、癌腫(例えばウォーカー癌、基底細胞癌、基底扁平上皮細胞癌、ブラウン・ペアス癌、腺管癌、エーリッヒ腫瘍、クレブス2癌、メルケル細胞癌、ムチン様癌、非小細胞肺癌、燕麦細胞癌、乳頭様癌、硬性癌、細気管支癌、気管支原性癌、扁平上皮細胞癌及び移行性細胞癌)、癌肉腫、子宮頚部異形成、葉状嚢肉腫、セメント腫、脊索腫、分離腫、軟骨肉腫(chondrosarcoma)、軟骨芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、胆管腫、コレステリン腫、円柱腫、嚢胞腺癌、嚢腺腫、隆起性皮膚繊維肉腫、繊維形成性小円形細胞腫、腺管癌、未分化胚細胞腫、内分泌癌、子宮内膜癌、上衣細胞腫、食道癌、ユーイング肉腫、肝外胆管癌、眼癌、眼:黒色腫、網膜芽細胞腫、卵管癌、ファンコーニ貧血、繊維腫、繊維肉腫、胆嚢癌、胃癌、消化管癌、消化管カルチノイド腫瘍、尿生殖器癌、生殖細胞腫瘍、妊娠−栄養膜性疾患、神経膠腫、婦人科癌、巨細胞腫、神経節神経腫、神経膠腫、グロムス血管腫、顆粒層細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、血液学的悪性疾患、毛様細胞性白血病、頭及び首の癌、肝細胞癌、遺伝性乳癌、組織球増殖症、ホジキン病、ヒトパピローマウイルス、胞状奇胎、高カルシウム血症、下咽頭癌、過誤腫、血管内皮腫、血管腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、血管肉腫、組織球障害、組織球増殖性悪性疾患、組織球腫、肝細胞癌、汗腺腫、軟骨肉腫(hondrosarcoma)、免疫増殖性小、オポーマ、眼球内黒色腫、島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓癌、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭癌、平滑筋肉腫、白血病、リ・フラウメニ症候群、口唇癌、脂肪肉腫、肝臓癌、肺癌、リンパ水腫、リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、平滑筋肉腫、白血病(例えばb細胞、混合細胞、ヌル細胞、t細胞、t細胞慢性、htlv−ii関連、リンパ管肉腫、リンパ球性急性、リンパ球性慢性、肥満細胞及び骨髄様)、白血肉腫、ライディッヒ細胞腫瘍、脂肪肉腫、平滑筋腫、平滑筋肉腫、リンパ管腫、リンパ管細胞腫、リンパ管腫、リンパ管筋腫、リンパ管肉腫、男性乳癌、悪性腎臓桿状体腫瘍、髄芽細胞腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性癌、口腔癌、多重内分泌新生物、菌状息肉腫、脊髄形成異常性症候群、骨髄腫、骨髄増殖性障害、悪性カルチノイド症候群カルチノイド心疾患、髄芽細胞腫、髄膜腫、黒色腫、間葉細胞腫、中腎腫、中皮腫、筋芽細胞腫、筋腫、筋肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻癌、鼻咽頭癌、腎芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経繊維腫症、ナイメーヘン染色体不安定症候群、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌(nsclc)、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経上皮腫、神経繊維腫症、神経繊維腫、神経腫、新生物(例えば骨、乳房、消化系、結腸直腸、肝臓)、眼癌、食道癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、造瘻術卵巣癌、膵臓癌、鼻傍癌、上皮小体癌、耳下腺癌、陰茎癌、末梢性神経外胚葉性腫瘍、下垂体癌、一次性赤血球増加、前立腺癌、骨腫、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腫、傍神経節腫、非クロム親和性傍神経節腫、松果体腫、形質細胞腫、癌原遺伝子、稀な癌及び関連障害、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ロートムント・トムソン症候群、細網組織症、横紋筋腫、唾液腺癌、肉腫、神経鞘腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌(sclc)、小腸癌、柔組織肉腫、脊髄腫瘍、扁平上皮細胞癌(皮膚)、胃癌、滑膜肉腫、肉腫(例えばユーイング実験的肉腫、カポジ肉腫及び肥満細胞肉腫)、セルトリ細胞腫、滑膜腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、移行上皮癌(膀胱)、移行上皮癌(腎臓−腎盂/尿管)、栄養膜癌、奇形腫、卵胞膜細胞腫、胸腺腫、栄養膜腫瘍、尿道癌、尿路系癌、ウロプラキン、子宮肉腫、子宮癌、膣癌、外陰部癌、ワルデンストレームのマクログロブリン血症及びウィルムス腫瘍である、請求項31に記載のキット。
【請求項34】
癌又は白血病或いは炎症性又は幹細胞に固定される抗体を有する磁気粒子をさらに含む、請求項25に記載のキット

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2009−520464(P2009−520464A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546039(P2008−546039)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001998
【国際公開番号】WO2007/070982
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508181799)シエナ キャンサー ダイアグノスティックス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】