説明

テンションメータ

【課題】コンパクトな構造を有し、容易に移動可能であり、かつ、引張および圧縮の両方向への荷重の検出に対応可能な検査装置を具備するテンションメータを提供する。
【解決手段】取付部11とベース部12とが検出ロードセル13を介して連結され、検出ロードセル13の検査装置を備えるテンションメータ10であって、検出ロードセル13から外れて伸長した取付部側伸長部21と検出ロードセル13から外れて伸長したベース部側伸長部28を備え、前記検査装置は、取付部側伸長部21、ベース部側伸長部28の一方に着脱可能に配置されたジャッキ本体41と該ジャッキ本体41に対して進退するロッド42を有するジャッキ部14と、取付部側伸長部21、ベース部側伸長部28の他方に着脱可能に配置されロッド42の突出により所定の荷重を検出ロードセル13に負荷するようにジャッキ部14に対して直列配置された基準ロードセル13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に鉄鋼業や製紙業でシート材を連続処理するラインにおいて所定の経路に沿って連続的に通板されるシート材の張力を検出するテンションメータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図9に示すように、冷延鋼板に焼鈍、メッキ、コーティング等の処理をする連続処理ライン100において入側及び出側設備での鋼板コイルの切替え時においても設備中央部の鋼板速度を一定に保つように入側〜中央間及び中央〜出側間で鋼板を貯蓄するため移動可能な多数のロール群からなるルーパー設備120が備えられている。
【0003】
この連続処理ライン100では、鋼板101を停止することに備え、入側102及び出側103設備の鋼板速度を加速及び減速しなければならない。それに伴いルーパー設備120内の多数のロール104も加速及び減速しなければならない。その結果、ルーパー設備120内の入側102と出側103間の鋼板101との間に張力差を生じ、安定通板を阻害する問題がある。先ず、張力が増大した場合には、鋼板101の蛇行防止用に施したロールクラウン(図示せず)により板絞りが発生し、また、張力が減少した場合には、ロールクラウンの蛇行抑制効果が低減し、鋼板101が蛇行する。この対策として、鋼板101の張力をテンションメータ105で測定し、張力差や張力変動を抑えるようにルーパーロール106の加減速や位置の制御が行われていて、テンションメータ105の精度維持は安定操業上、重要である。
【0004】
図10は、連続処理ライン100に組み込まれたテンションメータ105を示す。鋼板101を掛けるためのロール104を支持する両端の軸受106直下に軸受取付板107を介して概ね直方体状の検出ロードセル108がボルト結合で組み込まれ、検出ロードセル108下のベース板109に固定されている。ロール104両端の検出ロードセル108出力は、ロードセル変換器110、アイソレータ111を通して個別の張力T1,T2として出力されるほか、演算回路112により、和張力(T1+T2)、差張力(T1−T2)として出力され、ラインの監視と制御に使用されている。
【0005】
図11は、鋼板101の張力を検出ロードセル108で測定する原理図を示す。検出ロードセル108に鋼板張力による力を負荷するため一般にロール104に対して巻き付け角α,βで通板されていて、鋼板101の張力をTとすると、垂直分力Fvと水平分力Fhが検出ロードセル108に負荷され、力学的に次の式が成り立つ。
【0006】
【数1】

【0007】
が得られ、検出ロードセル108で圧縮方向の垂直分力Fvを検出し、設備条件からα,βを決定し、式(1)’から張力Tを算出することができる。
【0008】
また、水平分力Fhは検出ロードセル108から高さ方向に距離cだけ離れて作用するためモーメントMが検出ロードセル108の荷重検出部113に作用し、その大きさは、
【0009】
【数2】

【0010】
となるが、テンションメータ用の検出ロードセル108はこのモーメントMの影響を受けにくい構造で設計されているため、(1)’より張力Tを算出することができる。
【0011】
また、鋼板101の連続処理ライン100中のテンションメータ105の設置位置により巻き付け角α,βは個々に異なり、図12に示すように、検出ロードセル108が引き上げられる引張方向に荷重が働く場合もあるが、同一構造の検出ロードセル108で同様に測定可能である。また、α,βが同一の場合は水平分力Fh及びモーメントMは発生しない。
【0012】
このようなテンションメータ105をロール軸受106下に組み込んだ状態で精度維持管理をおこなうためには鋼板101に直接引張荷重を加え、テンションメータ105を検査するのが最良であるが、鋼板101に引張荷重を加えるには、スペース的に難しく、現実的には、図13あるいは特許文献1に示す構造と同様の構造により検査が行われている。図13はロール軸受106を囲う位置に門型フレーム114を組み、軸受ハウジング115に基準ロードセル116と油圧ジャッキ117を直列に設置し油圧ジャッキ117を伸長させることにより張力に相当する力を負荷し、検出ロードセル108と基準ロードセル116の出力を同時に記録する方法をとっている。
【0013】
しかしながら、このような検査方法では軸受ハウジング115に直接荷重を掛けるため、軸受ハウジング115に特別な荷重受け座118を必要とし既存の軸受に対して設計変更しなければならない。また、ロール軸受106を囲う位置に門型フレーム114を組むことによりロール交換やメンテナンスでの障害になることもある。さらに、テンションメータ105の設置環境によっては門型フレーム114自体を設置できない。引張荷重が検出ロードセル108に作用するテンションメータ105ではこのような構造では検査できないため、力の作用方向が逆になるが圧縮荷重試験で代用するか、軸受106から取り外してテンションメータ105を試験する必要があり、精度維持管理上問題があった。また、鋼板101の連続処理ライン100には、最大20セットのテンションメータ105が設置されており、連続処理ライン100を停止させた限られた時間内にそれらを効率的に検査する必要があった。そのため、現場作業が容易で効率的な検査作業が可能な、コンパクトな校正装置が願望されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平6−258168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、コンパクトな構造を有し容易に移動可能であり、かつ、引張および圧縮の両方向への荷重の検出に対応可能な検査装置を具備するテンションメータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するための手段として、本発明のテンションメータは、帯状材を案内するためのロールの軸を回転可能に支持する軸受を取り付けた取付部とベース部とが前記帯状材のテンションを計測するための検出ロードセルを介して連結され、前記検出ロードセルの検査装置を備えるテンションメータであって、前記取付部に設けられ、前記検出ロードセルから外れて伸長した取付部側伸長部と、前記ベース部に設けられ、前記検出ロードセルから外れて伸長したベース部側伸長部とを備え、前記検査装置は、前記取付部側伸長部、前記ベース部側伸長部のうちの一方に着脱可能に配置されたジャッキ本体と該ジャッキ本体に対して進退するロッドとを有するジャッキ部と、前記取付部側伸長部、前記ベース部側伸長部のうちの他方に着脱可能に配置され、前記ロッドの突出により所定の荷重を前記検出ロードセルに負荷するように前記ジャッキ部に対して直列配置された基準ロードセルとを備えるようにした。
【0017】
この構成によれば、取付部の取付部側伸長部とベース部のベース部側伸長部を設け、これらの間に検査装置を配置しているので、ジャッキ部のロッドが突出することにより、取付部とベース部とに力を加えることができる。したがって、取付部とベース部とに連結された検出ロードセルに力を加えることができる。これにより、基準ロードセルの検出値と検出ロードセルの検出値とを比較してテンションメータの校正ができる。検査装置は、操業時に装着せず検査作業時のみに、取付部およびベース部に対して着脱可能となるようにコンパクトに配置でき容易に移動できる。
【0018】
前記検査装置を前記軸受のスラスト方向の中心に配置することが好ましい。この構成によれば、軸受の荷重を偏荷重とならないように前記検査装置に伝達することができる。
【0019】
前記検査装置と前記取付部との間、および前記検査装置と前記ベース部との間のそれぞれを、一方に設けられた突起部と他方に設けられた前記突起部を受け入れる受入部とによって嵌合する位置決め部を備え、前記ジャッキ部のロッドが突出して前記取付部と前記ベース部との間隔を広げる方向に荷重を負荷し、それによって前記検出ロードセルに引張荷重を加えることが好ましい。この構成によれば、突起部と受入部との嵌合による位置決め部を備えているので、検査装置を取付部、ベース部それぞれに確実に位置決めできる。そして、ジャッキ部のロッドが突出することにより取付部とベース部との間隔を広げる方向に荷重を負荷し、それによって検出ロードセルに引張荷重を加えることができる。
【0020】
前記ベース部に、前記取付部に対して前記ベース部と反対側に位置するように連結部を介して連結されたジャッキ部用固定部を設け、前記検査装置と前記ジャッキ部用固定部との間、および前記検査装置と前記取付部との間のそれぞれを、一方に設けられた突起部と他方に設けられた前記突起部を受け入れる受入部とによって嵌合する位置決め部を備え、前記ジャッキ部のロッドが突出して前記取付部と前記ベース部との間隔を狭める方向に荷重を負荷し、それによって前記検出ロードセルに圧縮荷重を加えることが好ましい。この構成によれば、突起部と受入部との嵌合による位置決め部を備えているので、検査装置をジャッキ部用固定部、取付部それぞれに確実に位置決めできる。そして、ジャッキ部用固定部は、連結部を介してベース部と一定間隔を維持するように連結されているので、ジャッキ部のロッドが突出することにより取付部とベース部との間隔を狭める方向に荷重を負荷し、それによって検出ロードセルに圧縮荷重を加えることができる。
【0021】
前記検査装置を前記検出ロードセルの中心に対して左右対称となるように配置することが好ましい。この構成によれば、ロールの軸に垂直力のみが作用する位置において検査を行うことができる。
【0022】
前記検出ロードセルの中心に対して左右両側に形成される前記ロールに対する巻き付け角の大きさが異なる場合、前記検出ロードセルの中心から前記巻き付け角が大きい側の前記検査装置までの距離よりも、前記検出ロードセルの中心から前記巻き付け角が小さい側の前記検査装置までの距離の方が長くなるように前記巻き付け角に応じて前記検査装置を配置して、前記検出ロードセルに水平分力によるモーメントが加えられた場合と等価な負荷を前記検出ロードセルに付与することが好ましい。この構成によれば、検出ロードセルの中心に対して左右両側に形成される前記ロールに対する巻き付け角の大きさが異なる位置において、テンションメータの検査を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、取付部の取付部側伸長部とベース部のベース部側伸長部を設け、これらの間に検査装置を配置しているので、ジャッキ部のロッドが突出することにより、取付部とベース部とに力を加えて検出ロードセルに力を加えることができ、基準ロードセルの検出値と検出ロードセルの検出値とを比較してテンションメータの校正ができる。検査装置は、操業時に装着せず検査作業時のみに、取付部およびベース部に対して着脱可能となるようにコンパクトに配置でき容易に移動できる。
【0024】
また、突起部と受入部との嵌合による位置決め部を備えているので、検査装置を取付部、ベース部それぞれに確実に位置決めできる。そして、ジャッキ部のロッドが突出することにより取付部とベース部との間隔を広げる方向に荷重を負荷し、それによって検出ロードセルに引張荷重を加えることができる。したがって、テンションメータに引張荷重を作用させて検査をすることができる。
【0025】
さらに、ジャッキ部用固定部を、連結部を介してベース部と一定間隔を維持するように連結しジャッキ部のロッドが突出することにより、取付部とベース部との間隔を狭める方向に荷重を負荷し、それによって検出ロードセルに圧縮荷重を加えることができる。したがって、テンションメータに圧縮荷重を作用させて検査をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態のテンションメータを示す図。
【図2A】図1のA−A矢視図。
【図2B】本発明の第1実施形態のテンションメータを示す斜視図。
【図3】セットアップされた本発明にかかるテンションメータを示す図。
【図4】本発明の第2実施形態のテンションメータを示す図。
【図5】図4のA−A矢視図。
【図6】本発明の第3実施形態のテンションメータを示す図。
【図7】図6のA−A矢視図。
【図8A】位置決め機構の変形例を示す図。
【図8B】図8AのB−B矢視図。
【図9】従来の鋼板の連続処理ラインを示す図。
【図10】従来の鋼板の連続処理ラインに組み込まれたテンションメータを示す図。
【図11】検出ロードセルに圧縮荷重が加えられた従来のテンションメータを示す図。
【図12】検出ロードセルに引張荷重が加えられた従来のテンションメータを示す図。
【図13】ロール軸受を囲う位置に門型フレームが設けられた従来のテンションメータを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0028】
(第1実施形態)
図1、図2A、および図2Bは、本発明の第1実施形態のテンションメータ10を示す。このテンションメータ10は、ロール19に案内される帯状材18により生じる引張荷重と等価の荷重を発生させ、その値を検出する検査装置を具備するものである。テンションメータ10は、取付部11、ベース部12、検出ロードセル13、ジャッキ部14、および基準ロードセル15を備えている。検出ロードセル13、ジャッキ部14と、後述の手動油圧ポンプ40、和算回路46、校正荷重指示計47とは、前記検査装置を構成する。
【0029】
なお、図中のXYZ座標は、ロール軸16と直交する水平方向にX軸をとり、ロール軸16と直交する鉛直方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。
【0030】
矩形の板である取付部11の軸受取付面17には、帯状材18を案内するためのロール19のロール軸16を回転可能に支持する軸受20が取り付けられている。ロール19は、ロール軸16の軸心が、軸受取付面17のX軸方向(長手方向)の中心に位置するように配置されている。取付部11には、検出ロードセル13から外れてX軸方向の両側に伸長した取付部側伸長部21が設けられている。取付部11には、軸受取付面17から軸受取付面17と反対側のベース部対向面22まで貫通した複数の貫通孔23が設けられている。複数の貫通孔23は、軸受取付面17の中心を通るX軸およびZ軸のそれぞれと平行な直線に対して対称となるように配置されている。貫通孔23には、取付部11と検出ロードセル13とを連結するボルト24が挿入されている。取付部11のベース部対向面22には、X軸方向の中心からX軸方向に所定距離a離れた両側の取付部側伸長部21の領域に、それぞれ凹部(受入部)25,25が設けられている。図2Aに示すように、凹部25は、ベース部対向面22のZ軸方向の中心に位置している。
【0031】
ベース部12は、取付部11と略同形状の矩形の板である。ベース部12は、取付部11のベース部対向面22と対向する取付部対向面26を有している。ベース部12の取付部対向面26と反対側の面には、ベース部据え付け面27が設けられている。ベース部12は、ベース部据え付け面27を介して据え付け部(図示せず)に据え付けられている。ベース部12には、検出ロードセル13から外れてX軸方向の両側に伸長したベース部側伸長部28が設けられている。ベース部側伸長部28は、取付部11の取付部側伸長部21に対向している。ベース部12の取付部対向面26には、X軸方向の中心からX軸方向に所定距離a離れたX軸方向両側のベース部側伸長部28の領域に、それぞれ凹部(受入部)29,29が設けられている。図2Aに示すように、凹部29は、取付部対向面26のZ軸方向の中心に位置している。
【0032】
本実施形態では、ベース部12の検出ロードセル13側にスペーサ部30が設けられている。スペーサ部30とベース部12とは、一体的に形成してもよい。そして、スペーサ部30に孔を設けてボルト32により検出ロードセル13をスペーサ部30に締結してもよいし、ベース部12とスペーサ部30とにそれぞれ孔を設けてボルト32により検出ロードセル13をスペーサ部30を介してベース部12に締結してもよい。
【0033】
略直方体状の検出ロードセル13は、X軸方向の中心に対して対称に配置されそれぞれがZ軸方向に延びるように設けられた一対の起歪部33,33を備えている。検出ロードセル13の取付部11のベース部対向面22と対向する面には、該面の中心を通るX軸およびZ軸のそれぞれと平行な直線に対して対称となるように検出ロードセル連結部34が設けられている。検出ロードセル連結部34は、取付部11の貫通孔23と対応している。検出ロードセル13は、取付部11の貫通孔23に挿通されたボルト24を検出ロードセル連結部34に挿入することにより取付部11に締結されている。また、検出ロードセル13は、XZ面の中心を通るX軸およびZ軸のそれぞれと平行な直線に対して対称となる位置であり、かつY軸方向に貫通する貫通孔35が設けられている。検出ロードセル13は、貫通孔35に挿通されたボルト32によりスペーサ部30を介してベース部12に締結されている。検出ロードセル13は、図3に示す情報処理手段36と接続され、検出値が出力されるようになっている。
【0034】
以下、検出ロードセル13の中心の、X軸方向の位置は、検出ロードセル13のX軸方向の幾何学的な中心位置で、Y軸方向の位置は、起歪部33のY軸方向の中心位置とする。
【0035】
ジャッキ部14は、円筒状である。ジャッキ部14は、ジャッキ本体41と該ジャッキ本体41に対して進退するロッド42とを有している。ジャッキ部14の全長は、ロッド42が退避位置にあるときに最も短い。図3に示すように、ジャッキ本体41,41は、手動油圧ポンプ40側の1つの流路がジャッキ本体41側で2つの流路に分岐した分岐ジョイント39を介して手動油圧ポンプ40と接続されている。ジャッキ本体41,41には、手動油圧ポンプ40により油を流入または流出させロッド42,42の両方を同時に進退できるようになっている。ジャッキ本体41への油の圧力を調節することにより、ロッド42の先端の押圧力を変えることができるようになっている。ジャッキ部14のロッド42の突出側と反対側の面には、凸部(突起部)43が設けられている。凸部43は、ジャッキ本体41の前記面の中心に位置している。凸部43は、取付部11の凹部25に対応する大きさである。ジャッキ部14の凸部43と、取付部11の凹部25とは、位置決め部を構成している。ジャッキ部14は、前記位置決め部により、取付部11の取付部側伸長部21に着脱可能に配置されている。
【0036】
基準ロードセル15は、円筒状である。基準ロードセル15は、ロッド42の先端と対向する面に、ロッド42の突出方向の荷重を計測する荷重受け部44を備えている。基準ロードセル15は、図3に示すように、和算回路46を介して校正荷重指示計47と接続され、荷重受け部44に負荷された力に応じた検出値を出力できるようになっている。基準ロードセル15の荷重受け部44と反対側の面には、凸部(突起部)45が設けられている。凸部45は、基準ロードセル15の前記面の中心に位置している。凸部45は、ベース部12の凹部29に対応する大きさである。基準ロードセル15の凸部45と、ベース部12の凹部29とは、位置決め部を構成している。基準ロードセル15は、前記位置決め部により、ベース部12のベース部側伸長部28に着脱可能に配置されている。
【0037】
図1および図2Aに示すように、取付部11に配置されたジャッキ部14とベース部12に配置された基準ロードセル15とは、軸受20のスラスト方向の中心に直列配置されている。ここで、“軸受20のスラスト方向の中心”とは、図2A中Z軸方向の軸受20の幅を2等分する位置を意味する。したがって、ジャッキ部14の円筒形状の円の中心位置と基準ロードセル15の円筒形状の円の中心位置とが、Z軸方向において、軸受20の幅を2等分する位置と一致している。これにより、軸受20の荷重を偏荷重とならないようにジャッキ部14と基準ロードセル15とに伝達することができる。
【0038】
本発明の第1実施形態のテンションメータ10のセットアップについて説明する。基準ロードセル15の凸部45を、ベース部12の凹部29に嵌合した後、ロッド42が退避位置にあるジャッキ部14の凸部43を、取付部11の凹部25に嵌合して、ジャッキ部14と基準ロードセル15とを、取付部11とベース部12との間に直列に配置する。その後、図3に示すように、手動油圧ポンプ40とジャッキ部14のジャッキ本体41とを分岐ジョイント39を介して接続し、基準ロードセル15を和算回路46を介して校正荷重指示計47と接続する。
【0039】
本発明の第1実施形態のテンションメータ10では、ジャッキ部14のロッド42,42が突出すると、取付部11とベース部12の間の間隔が広がる方向に荷重が負荷される。その結果、検出ロードセル13に引張荷重が加えられる。本実施形態のテンションメータ10では、X軸方向における検出ロードセル13の中心から等距離離れたX軸方向の両側の左右対称の位置に、ジャッキ部14と基準ロードセル15とが配置されているので、ロール軸16にY軸方向の垂直力のみが作用する状態と等価な引張荷重をテンションメータ10に発生させることができる。検出ロードセル13の検出値が2つの基準ロードセル15,15それぞれの検出値Pの合算値である2Pとなっているか否かを測定することにより、テンションメータ10の検出ロードセル13が正確な値を検出しているか否かを検査することができる。したがって、テンションメータ10に引張荷重を作用させて検査をすることができる。
【0040】
本発明によれば、取付部11とベース部12とに連結された検出ロードセル13を有するテンションメータ10に、取付部側伸長部21とベース部側伸長部28とを設け、ジャッキ部14と基準ロードセル15とを位置決め部により着脱自在に配置しているので、検査装置の構成部品が軽量で組み立て分解が容易な構造とすることができる。したがって、検査時のみ、検査装置を組み込み、検査終了後、取り外しができるので作業性をよくすることができ、ロール交換や保守の障害になるのを回避することができる。検査装置のジャッキ部14のロッド42が突出することにより、取付部11とベース部12とに力を加えて検出ロードセル13に力を加えることができ、基準ロードセル15の検出値と検出ロードセル13の検出値とを比較してテンションメータ10の校正ができる。ジャッキ部14と基準ロードセル15は、取付部11およびベース部12に対して着脱可能となるようにコンパクトに配置でき容易に移動できるので、複数のテンションメータ10の校正に共用で使用できる。
【0041】
部品点数が少なく簡易な構造とすることができるため、安価に構成することができる。連結部50等の部品を追加することにより、圧縮荷重および引張荷重の両方の校正に対応できる。
【0042】
テンションメータ10の設置のために軸受けハウジングを設ける必要がないので、設計変更が不要となり、コスト等が増加するのを回避することができる。
【0043】
ロール19、軸受20に荷重を加えることなく、検出ロードセル13に直接荷重を加えることと等価な荷重を加えることができる構造とすることができるため、正確な検査を行うことができる。また、特に検出ロードセル13にモーメントがかかる操業張力条件であっても、等価な荷重条件で正確な検査を効率よく行うことができる。
【0044】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態のテンションメータ10を示す。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0045】
本実施形態のテンションメータ10では、ロール19に案内される帯状材18により生じる力として垂直分力の圧縮荷重が作用し、かつ、操業時の張力の水平分力によるモーメントが発生した状態と等価になるように、X軸方向における検出ロードセル13中心に対してX軸方向に等距離でない(a≠b)位置に、基準ロードセル15とジャッキ部14とを直列に配置している。本実施形態のテンションメータ10では、ジャッキ部用固定部49と連結部50とをさらに備えている。図4中の巻き付け角α,βは、それぞれ、水平面と帯状材18とがなす角とする。
【0046】
取付部11のベース部対向面22に、凹部(受入部)25,25は設けられていない。取付部11の軸受取付面17には、X軸方向の中心からX軸方向の一側に所定距離a離れ、他側に所定距離b離れた両側の取付部側伸長部21の領域に、それぞれ凹部(受入部)25,25が設けられている。図5に示すように、凹部25は、軸受取付面17のZ軸方向の中心に位置している。取付部11の凹部25と基準ロードセル15の凸部45とは、位置決め部を構成している。
【0047】
ベース部12は、X軸方向においては取付部11と略同じ長さであるが、Z軸方向においては連結部50と取付部11との干渉を回避するために取付部11の外側まで延びた矩形の板である。ベース部12の取付部対向面26には、凹部(受入部)29,29は設けられていない。ベース部12のZ軸と直交する両側の側面51,51のそれぞれには、X軸方向の中心からX軸方向の一側に所定距離a離れ、他側に所定距離b離れた両側のベース部側伸長部28の領域に、それぞれ、Z軸方向に突出するように延びたベース部側装着部52が設けられている。ベース部12の検出ロードセル13側に、スペーサ部30は設けられていない。
【0048】
ジャッキ部用固定部49は、X軸方向およびZ軸方向のそれぞれにおいてジャッキ本体41の外側まで延びた矩形の板である。また、ジャッキ部用固定部49は、Z軸方向においては連結部50と取付部11とが干渉しないように取付部11の外側まで延びている。ジャッキ部用固定部49の軸受取付面17と対向する面48には、X軸方向における中心であり、かつ、Z軸方向における中心となる位置に、凹部(受入部)53が設けられている。ジャッキ部用固定部49のZ軸と直交する両側の側面54,54のそれぞれには、X軸方向の中心に、Z軸方向に突出するように延びたジャッキ部用固定部側装着部55が設けられている。ジャッキ部用固定部49には、X軸方向における中心であり、かつ、Z軸方向における中心となる位置に、Y軸方向に貫通する貫通孔56が設けられている。貫通孔56には、ジャッキ部14をジャッキ部用固定部49に固定するボルト57が挿通されている。ジャッキ部用固定部49の凹部53とジャッキ部14の凸部43とは、位置決め部を構成している。
【0049】
連結部50は、ベース部12と、取付部11に対してベース部12と反対側に位置するジャッキ部用固定部49とを連結する矩形の板である。連結部50は、軸受取付面17から、ジャッキ部用固定部49の面48までの距離が、ロッド42が退避位置にあるジャッキ部14と基準ロードセル15とを直列配置した場合の全長よりやや長くなるように、ベース部12に対して位置決めするものである。連結部50には、ベース部側装着部52、およびジャッキ部用固定部側装着部55それぞれと対応する位置に挿通孔58,59が設けられている。連結部50を取り付けたベース部側装着部52、およびジャッキ部用固定部側装着部55のそれぞれには、抜け止め(図示せず)を取り付けてもよい。
【0050】
ジャッキ部14の凸部43には、ボルト57を挿通するジャッキ側挿通孔60が設けられている。
【0051】
次に、取付部11の凹部25、およびベース部12のベース部側装着部52の所定距離a,bの決定方法について説明する。
【0052】
図4において、ロール軸16から軸受20に垂直荷重Fvを加える代わりに、各基準ロードセル15,15に対して垂直荷重Fvの荷重方向と同じ向きにFv/2を負荷した場合を考える。この場合も検出ロードセル13にはFv/2×2=Fvの力が下方向に作用する。なお、軸受20の軸心と検出ロードセル13の中心とのY軸方向の距離はcである。
【0053】
また、距離a,bの差による偏荷重によるモーメントMは、
【0054】
【数3】

【0055】
このモーメントMが前述の式(3)で示す水平分力FhによるモーメントMに等しくなるようにa,bの値を決定する。(4)=(3)、及び(1)、(2)の関係式より、
【0056】
【数4】

【0057】
a+b=Lとすると、(5)より、以下の値が得られる。
【0058】
【数5】

【0059】
従って、設備条件でL,c,α,βが既知であれば、式(6)、式(7)からa,bの値を決定できる。なお、本実施形態のテンションメータ10における値L,c,α,βの一例を挙げると、L=600mm,c=150mm,α=30°,β=15°の場合、a=280mm,b=320mmである。
【0060】
本発明の第2実施形態のテンションメータ10のセットアップについて説明する。最初に、ジャッキ部用固定部49の凹部53にジャッキ部14の凸部43を嵌合し、ジャッキ部用固定部49に対してジャッキ部14と反対側から貫通孔56にボルト57を挿通してジャッキ部14をジャッキ部用固定部49に固定する。次に、基準ロードセル15の凸部45を取付部11の凹部25に嵌合する。その後、ジャッキ部14のロッド42の先端が基準ロードセル15の荷重受け部44と当接するように、ジャッキ部用固定部49に固定されたジャッキ部14を基準ロードセル15に対して直列に配置する。そして、連結部50の挿通孔58にベース部12のベース部側装着部52を挿通させるとともに、連結部50の挿通孔59にジャッキ部用固定部49のジャッキ部用固定部側装着部55を挿通させる。最後に、図3に示すように、手動油圧ポンプ40とジャッキ部14のジャッキ本体41とを分岐ジョイント39を介して接続し、基準ロードセル15を和算回路46を介して校正荷重指示計47と接続する。
【0061】
本発明の第2実施形態のテンションメータ10では、ジャッキ部14のロッド42,42が突出すると、連結部50によりベース部12と所定間隔を有するように連結されたジャッキ部用固定部49に対して、取付部11が遠ざかる方向に押圧される。これにより、取付部11とベース部12の間の間隔が狭まる方向に荷重が負荷される。その結果、検出ロードセル13に圧縮荷重が加えられる。そして、検出ロードセル13の中心から前記巻き付け角が大きい側の検査装置までの距離よりも検出ロードセル13の中心から前記巻き付け角が小さい側の検査装置までの距離の方が長くなるように、前記巻き付け角に応じてジャッキ部14および基準ロードセル13を配置しているので、検出ロードセル13に水平分力によるモーメントが加えられた場合と等価な負荷を検出ロードセル13に付与することができ、検出ロードセル13の中心に対して左右両側に形成されるロール19に対する巻き付け角の大きさが異なる場合も、テンションメータ10の検査を行うことができる。検出ロードセル13の検出値が2つの基準ロードセル15,15それぞれの検出値Pの合算値である2Pとなっているか否かを測定することにより、テンションメータ10の検出ロードセル13が正確な値を検出しているか否かを検査することができる。したがって、テンションメータに圧縮荷重を作用させて検査をすることができる。本実施形態により得られる効果は、上述した効果以外については、第1実施形態により得られる効果と同等である。
【0062】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態のテンションメータ10を示す。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0063】
本実施形態のテンションメータ10は、第1実施形態のテンションメータ10と同様に、ロール19に案内される帯状材18により生じる引張荷重と等価の荷重を発生させ、その値を検出する検査装置を具備するものであるが、前記引張荷重を発生させる機構が異なっている。本実施形態のテンションメータ10においても、ジャッキ部用固定部49と連結部50とをさらに備えている。
【0064】
取付部11のベース部対向面22に、凹部(受入部)25,25は設けられていない。取付部11には、X軸方向の中心からX軸方向に所定距離a離れた両側の取付部側伸長部21,21の領域に、軸受取付面17からベース部対向面22まで貫通した貫通孔71が設けられている。貫通孔71の内径は、後述する荷重伝達棒72の外径より大きい。図7に示すように、貫通孔71は、取付部11のZ軸方向の中心に位置している。取付部11のZ軸と直交する両側の側面73,73のそれぞれには、X軸方向の中心からX軸方向に所定距離a離れた両側の取付部側伸長部21,21の領域に、Z軸方向に突出するように延びた取付部側装着部74が設けられている。
【0065】
ベース部12の検出ロードセル13側に、スペーサ部30は設けられていない。
【0066】
本実施形態におけるジャッキ部用固定部49は、Z軸方向の長さが取付部11のZ軸方向の長さと同じである点を除いて第2実施形態におけるジャッキ部用固定部49と同様である。
【0067】
連結部50は、取付部11と、ジャッキ部用固定部49とを連結する矩形の板である。連結部50は、取付部11と、ジャッキ部用固定部49との間に所定の間隔を有するように位置決めするものである。連結部50には、ジャッキ部用固定部側装着部55、および取付部側装着部74それぞれと対応する位置に挿通孔58,59が設けられている。連結部50を取り付けたジャッキ部用固定部側装着部55、および取付部側装着部74のそれぞれには、抜け止め(図示せず)を取り付けてもよい。
【0068】
本実施形態におけるジャッキ部14は、第2実施形態におけるジャッキ部14と同様である。
【0069】
荷重伝達棒72は、円柱形状である。荷重伝達棒72は、ジャッキ部14のロッド42と一端が当接し、基準ロードセル15の荷重受け部44と他端が当接するように設けられている。
【0070】
本発明の第3実施形態のテンションメータ10のセットアップについて説明する。最初に、ジャッキ部用固定部49の凹部53にジャッキ部14の凸部43を嵌合し、ジャッキ部用固定部49に対してジャッキ部14と反対側から貫通孔56にボルト57を挿通してジャッキ部14をジャッキ部用固定部49に固定する。次に、基準ロードセル15の凸部45をベース部12の凹部29に嵌合する。その後、取付部11の貫通孔71から荷重伝達棒72を挿入し、荷重伝達棒72の一端を基準ロードセル15の荷重受け部44と当接させる。そして、ジャッキ部14のロッド42の先端が荷重伝達棒72の他端と当接するようにして、ジャッキ部用固定部49に固定されたジャッキ部14を荷重伝達棒72に対して直列に配置する。そして、連結部50の挿通孔58に取付部11の取付部側装着部74を挿通させるとともに、連結部50の挿通孔59にジャッキ部用固定部49のジャッキ部用固定部側装着部55を挿通させる。最後に、図3に示すように、手動油圧ポンプ40とジャッキ部14のジャッキ本体41とを分岐ジョイント39を介して接続し、基準ロードセル15を和算回路46を介して校正荷重指示計47と接続する。
【0071】
本発明の第3実施形態のテンションメータ10では、ジャッキ部14のロッド42,42が突出すると、ベース部12とジャッキ部用固定部49との間隔が広がる方向に荷重が負荷される。その結果、ベース部12と、ジャッキ部用固定部49と所定間隔を有するように連結部50により連結された取付部11との間の間隔も広がる方向に荷重が負荷される。その結果、検出ロードセル13に引張荷重が加えられる。検査方法については、第1実施形態の検査方法と同様である。本実施形態により得られる効果は、第1実施形態により得られる効果と同等である。
【0072】
本発明は実施形態のものに限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ジャッキ部14と基準ロードセル15とは、ロッド42の突出方向が逆となるように取り付けてもよい。位置決め部の凹部25,29および凸部43,45は、凹部43,45および凸部25,29となるように構成してもよい。帯状材18は、鉄、紙等いずれでもよい。また、図8Aおよび図8Bに示すように、ジャッキ本体41と、荷重受け部44と反対側の基準ロードセル15とを突起部とし、ピン75の内側を受入部としてもよい。テンションメータ10は、ベース部12が下側に位置する場合だけでなく、上側に位置するように固定物に設置してもよい。なお、テンションメータ10は、水平分力が加わり、かつ引張荷重が加わるように構成してもよいし、また、垂直力のみが加わり、かつ、圧縮荷重が加わるように構成してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0073】
10 テンションメータ
11 取付部
12 ベース部
13 検出ロードセル
14 ジャッキ部
15 基準ロードセル
16 ロール軸
18 帯状材
19 ロール
20 軸受
21 取付部側伸長部
25 凹部(受入部)
28 ベース部側伸長部
29 凹部(受入部)
41 ジャッキ本体
42 ロッド
43 凸部(突起部)
45 凸部(突起部)
49 ジャッキ部用固定部
50 連結部
53 凹部(受入部)
75 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状材を案内するためのロールの軸を回転可能に支持する軸受を取り付けた取付部とベース部とが前記帯状材のテンションを計測するための検出ロードセルを介して連結され、前記検出ロードセルの検査装置を備えるテンションメータであって、
前記取付部に設けられ、前記検出ロードセルから外れて伸長した取付部側伸長部と、
前記ベース部に設けられ、前記検出ロードセルから外れて伸長したベース部側伸長部と
を備え、
前記検査装置は、前記取付部側伸長部、前記ベース部側伸長部のうちの一方に着脱可能に配置されたジャッキ本体と該ジャッキ本体に対して進退するロッドとを有するジャッキ部と、
前記取付部側伸長部、前記ベース部側伸長部のうちの他方に着脱可能に配置され、前記ロッドの突出により所定の荷重を前記検出ロードセルに負荷するように前記ジャッキ部に対して直列配置された基準ロードセルと
を備えることを特徴とするテンションメータ。
【請求項2】
前記検査装置を前記軸受のスラスト方向の中心に配置したことを特徴とする請求項1に記載のテンションメータ。
【請求項3】
前記検査装置と前記取付部との間、および前記検査装置と前記ベース部との間のそれぞれを、一方に設けられた突起部と他方に設けられた前記突起部を受け入れる受入部とによって嵌合する位置決め部を備え、
前記ジャッキ部のロッドが突出して前記取付部と前記ベース部との間隔を広げる方向に荷重を負荷し、それによって前記検出ロードセルに引張荷重を加えることを特徴とする請求項1または2に記載のテンションメータ。
【請求項4】
前記ベース部に、前記取付部に対して前記ベース部と反対側に位置するように連結部を介して連結されたジャッキ部用固定部を設け、
前記検査装置と前記ジャッキ部用固定部との間、および前記検査装置と前記取付部との間のそれぞれを、一方に設けられた突起部と他方に設けられた前記突起部を受け入れる受入部とによって嵌合する位置決め部を備え、
前記ジャッキ部のロッドが突出して前記取付部と前記ベース部との間隔を狭める方向に荷重を負荷し、それによって前記検出ロードセルに圧縮荷重を加えることを特徴とする請求項1または2に記載のテンションメータ。
【請求項5】
前記検査装置を前記検出ロードセルの中心に対して左右対称となるように配置したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のテンションメータ。
【請求項6】
前記検出ロードセルの中心に対して左右両側に形成される前記ロールに対する巻き付け角の大きさが異なる場合、前記検出ロードセルの中心から前記巻き付け角が大きい側の前記検査装置までの距離よりも、前記検出ロードセルの中心から前記巻き付け角が小さい側の前記検査装置までの距離の方が長くなるように前記巻き付け角に応じて前記検査装置を配置して、前記検出ロードセルに水平分力によるモーメントが加えられた場合と等価な負荷を前記検出ロードセルに付与することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のテンションメータ。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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