説明

テーブル

【課題】幕板がなくても支持脚の取付け強度の低下がなく、天板の四隅に支持脚を配置できる様にしたテーブルを提供する。
【解決手段】方形状の天板1の隅角部2を円弧状に形成すると共に、該隅角部2の底部に前記円弧と同径で連続する円形状の水平な底面6aを備えた凹欠部6を形成し、該凹欠部6に接着剤を塗布すると共に、凹欠部6と同径にして、且つ同一高さ以上の円柱状のコーナーブロック3を、その一方の水平端面3aが前記底面6aに衝合する様にして凹欠部6に挿嵌し、該コーナーブロック3において前記底面6aに衝合されない他方の水平端面3bの中心及びその周囲に凹設した複数の陥没孔7より固定ネジを天板1に螺着し、前記他方の水平端面3bには、これと同径にして、その中心の陥没孔7に埋入されるナット部8aを設けた固定板8を衝合して固着し、該固定板8のナット部8aに支持脚4の上端に突設したネジ棒9を螺着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テーブルは、その天板底部に固定される幕板を、天板の隣接する支持脚間に架設連結することで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
幕板は、例えば、その下端に形成した凹孔からねじ込まれる止めネジによって天板底部に固定され、この様に幕板が天板に固定されることで、テーブルの支持脚は、その横方向強度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56−128031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成のテーブルでは、支持脚が天板の側縁に近接している場合には、支持脚を連結する幕板が見えてしまい体裁が悪い。
又、幕板が容易に見えない様に、例えば天板が方形状であれば、天板裏面の四隅よりも充分に離間した内側へ支持脚と共に配置させると、天板のオーバーハング量が大きくなるため、またもや体裁が悪くなり、しかも天板の安定性は低下すると共に、支持脚間に充分な間隔がとれず、所望の椅子の座部を天板下に配置できない等の課題を有している。
【0005】
そこで本発明では、幕板がなくても支持脚の取付け強度の低下がなく、天板の四隅に支持脚を配置できる様にしたテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明のテーブルは、方形状の天板の隅角部を円弧状に形成すると共に、該隅角部の底部に前記円弧と同径で連続する円形状の水平な底面を備えた凹欠部を形成し、該凹欠部に接着剤を塗布すると共に、凹欠部と同径にして、且つ同一高さ以上の円柱状のコーナーブロックを、その一方の水平端面が前記底面に衝合する様にして凹欠部に挿嵌し、コーナーブロックにおいて前記底面に衝合されない他方の水平端面の中心及びその周囲に凹設した複数の陥没孔より固定ネジを天板に螺着し、前記他方の水平端面には、これと同径にして、その中心の陥没孔に埋入されるナット部を設けた固定板を衝合して固着し、該固定板のナット部に支持脚の上端に突設したネジ棒を螺着したことを特徴とする。
又、上記テーブルは、その天板側面の上部を垂直に形成し、天板側面の下部を所定幅を以て内側へ後退する様に切欠しても良い。
【発明の効果】
【0007】
要するに本発明は、方形状の天板の隅角部を円弧状に形成すると共に、該隅角部の底部に前記円弧と同径で連続する円形状の水平な底面を備えた凹欠部を形成したので、支持脚を連結するコーナーブロックを天板各隅角部に容易にして確実に位置決めできる。
又、凹欠部に接着剤を塗布すると共に、凹欠部と同径にして、且つ同一高さ以上の円柱状のコーナーブロックを、その一方の水平端面が凹欠部の底面に衝合する様にして凹欠部に挿嵌したので、前記底面に衝合されるコーナーブロックの一方の水平端面のみならず、凹欠部の内周面に衝合されるコーナーブロックの外周面も接着剤にて接着できるため、その接着力を増すことができる。
その上、コーナーブロックにおいて、凹欠部底面に衝合されない他方の水平端面の中心及びその周囲に凹設した複数の陥没孔より固定ネジを天板に螺着したので、凹欠部とコーナーブロックの衝合面の圧接状態を保持して上記接着力を高められ、コーナーブロックを天板の四隅に堅固に一体的に固着できる。
この様に、コーナーブロックを天板隅角部の底部にがっちり強固に一体固定でき、使用中に外れることがないため、コーナーブロックの上記他方の水平端面に、これと同径にして、その中心の陥没孔に埋入されるナット部を設けた固定板を衝合して固着し、該固定板のナット部に支持脚の上端に突設したネジ棒を螺着しても、支持脚がガタついたり、外れたりすることがない。
よって、本発明によれば、幕板がなくても、支持脚の取付け強度の低下がなく、天板の四隅に支持脚を配置できるから、天板底部で隣接する支持脚同士の間隔を最大限に確保することができ、幕板を有しないので、外観上見栄えの良いテーブルを提供できる。
【0008】
又、天板側面の上部を垂直に形成し、天板側面の下部を所定幅を以て内側へ後退する様に切欠したので、天板の厚みを見掛け上で薄くでき、スマートなデザインと成すことができる等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るテーブルの斜視図である。
【図2】天板裏面の斜視図である。
【図3】コーナーブロックを固着した天板裏面の斜視図である。
【図4】固定板を固着した天板裏面と支持脚の斜視図である。
【図5】凹欠部、コーナーブロック及び固定板を各隅角部に示した天板の底面図である。
【図6】支持脚の要部と天板隅角部の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明の実施の一形態例を図面に基づいて説明する。
本発明に係るテーブルは、図1に示す様に、方形状の天板1と、該天板1の各隅角部2に取付けたコーナーブロック3と、該コーナーブロック3に垂設した支持脚4とから構成している。
【0011】
天板1は、無垢の板材、パーティクルボード、フラッシュパネル等の木製から成り、その表面にメラミン樹脂塗装等により化粧仕上げしている。
又、天板1は、その各隅角部2が同径の円弧状に湾曲形成され、天板側面5の上部5aを垂直に形成し、天板側面5の下部5bを所定幅を以て内側へ後退する様(図示例では断面湾曲傾斜状)に切欠している。
そして、隅角部2の底部に上記円弧と同径で連続する円形状の水平な底面6aを有する凹欠部6を形成し、該凹欠部6の底面6aの中心及びその周囲には、底面6aに開口する複数の埋込みナット(鬼目ナット)Nが埋設されている。
【0012】
コーナーブロック3は、無垢の木製から成り、凹欠部6と同径にして、且つ同一高さ以上の(図示例では天板1と同厚で凹欠部6より高い)円柱状に形成されている。
このコーナーブロック3は、凹欠部6の内面全体(底面6aと内周面6b)に接着剤を塗布した後に、該凹欠部6に、その底面6aとコーナーブロック3の一方の水平端面3aを衝合する様に挿嵌され、これにより凹欠部6内にコーナーブロック3が接着される。
【0013】
又、凹欠部底面6aに衝合されないコーナーブロック3の他方の水平端面(以下、他端面3bと称する。)において、底面6aに開口した埋込みナットNに位置対応する中心及びその周囲の夫々には、円形状の陥没孔7を凹設し、該陥没孔7底面にはネジ挿通孔7aを穿設している。
そして、各陥没孔7よりネジ挿通孔7aを貫通する固定ネジSを天板1の埋込みナットNに螺着する。
この様にコーナーブロック3は接着剤と固定ネジSによって天板1の四隅に堅固に一体的に固着される。
【0014】
又、コーナーブロック3の他端面3bには、これと同径にして、その中心の陥没孔7に埋入されるナット部8aを設けた金属製の薄肉な固定板8を衝合し、該固定板8の適所に貫設した複数のビス挿通孔8bを通した皿ビスBにより、コーナーブロック3の他端面3bに固定板8を固着している。
【0015】
支持脚4は、コーナーブロック3及び固定板8と同径の円柱状に形成され、その上端中心にネジ棒9を突設し、該ネジ棒9を固定板8のナット部8aに螺着する。
これにより、コーナーブロック3の他端面3bに固定板8を介して支持脚4を連続一体化したテーブルが組み立てられる。
【符号の説明】
【0016】
1 天板
2 隅角部
3 コーナーブロック
3a 一方の水平端面
3b 他方の水平端面
4 支持脚
5 天板側面
5a 上部
5b 下部
6 凹欠部
6a 底面
7 陥没孔
8 固定板
8a ナット部
9 ネジ棒
S 固定ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形状の天板の隅角部を円弧状に形成すると共に、該隅角部の底部に前記円弧と同径で連続する円形状の水平な底面を備えた凹欠部を形成し、該凹欠部に接着剤を塗布すると共に、凹欠部と同径にして、且つ同一高さ以上の円柱状のコーナーブロックを、その一方の水平端面が前記底面に衝合する様にして凹欠部に挿嵌し、コーナーブロックにおいて前記底面に衝合されない他方の水平端面の中心及びその周囲に凹設した複数の陥没孔より固定ネジを天板に螺着し、前記他方の水平端面には、これと同径にして、その中心の陥没孔に埋入されるナット部を設けた固定板を衝合して固着し、該固定板のナット部に支持脚の上端に突設したネジ棒を螺着したことを特徴とするテーブル。
【請求項2】
天板側面の上部を垂直に形成し、天板側面の下部を所定幅を以て内側へ後退する様に切欠したことを特徴とする請求項1記載のテーブル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−24135(P2012−24135A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162755(P2010−162755)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(391054992)株式会社榊原 (6)
【Fターム(参考)】