説明

テーブル

【課題】簡単な作業で用紙を繰り出すことができるテーブルを提供する。
【解決手段】床上を転動可能なテーブル本体2と、このテーブル本体2に繰出可能に巻装した用紙3とを具備し、床の上でテーブル本体2を転がすという簡単な作業で用紙3を繰り出すことが出来る。テーブル本体2は周囲に平面27、28、29を備えいずれかの面を天板面20として使用する。また、内部に収容空間24を有し、お絵かき道具Dや用紙Pを収容できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブル本体に用紙を繰出可能に装着したテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のテーブルとして、筆記可能なテーブル本体の一端側から繰り出した用紙を他端側で巻き取るようにしたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところで、幼い子供は、机の上や床等、広い範囲にわたって落書きをすることに興味があるが、このような場所に落書きをすると掃除が大変であることは言うまでもない。そのため、次々と新しいキャンバス、すなわちテーブル本体上に用紙が次々と繰り出される特許文献1のようなテーブルは、子供にとっては非常に魅力的である。しかしながら、用紙の両端側をローラで支持しているため、用紙を繰り出す作業が子供にとっては難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−70595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単な作業で用紙を繰り出すことができるテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係るテーブルは、床上を転動可能なテーブル本体と、このテーブル本体に繰出可能に巻装した用紙とを具備してなることを特徴とする。
【0007】
ここで、「テーブル本体」とは、一般筆記、製図、図画等の作業ができるように、用紙を裏当て支持する面があればどのようなものであってもよい。この作業には、貼付その他の作業も含まれる。
【0008】
また、「用紙」とは、シート状になっているものであれば、どのようなものであってもよく、紙製のものの他、プラスチック製や金属製のものも含まれる。
【0009】
このようなものであれば、床上を転動させるという非常に簡単な作業で用紙を繰り出すことができ、次々と新しい面を使って一般筆記、製図、図画等の作業を行うことができる。
【0010】
テーブル本体が、天板面となり得る平面を複数備えており、それらの平面を覆うように前記用紙が巻装されているものが好適な一態様として挙げられる。
【0011】
具体的には、テーブル本体が、周囲に4枚の平面を備えた筒状をなし、内部に収容空間を有したものが好ましい。
【0012】
テーブル本体が、4枚の平面と、それら平面同士を滑らかに連続させる4枚のコーナー曲面とを備えたものであれば、コーナー曲面の存在により容易に転動させることができる。
【0013】
具体的な一態様としては、用紙の両側の耳とテーブル本体の両端面とがほぼ合致するように設定されているものが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、簡単な作業で用紙を繰り出すことができるテーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を示すテーブルの正面図。
【図2】同実施形態のテーブルの平面図。
【図3】同実施形態のテーブルの使用方法を説明する説明図。
【図4】同実施形態のテーブルの使用方法を示す図。
【図5】同実施形態のテーブルの使用方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
【0017】
このテーブル1は、図1〜図5に示すように、床F上を転動可能なテーブル本体2と、このテーブル本体2に繰出可能に巻装した用紙3とを具備してなる。
【0018】
テーブル本体2は、図1〜図5に示すように、強度を有した厚紙製のもので、天板面20となり得る平面27、28、29を複数備えている。詳述すれば、テーブル本体2は、周囲に4枚の平面27、28、29を備えた筒状をなし、内部に収容空間24を有したものである。さらに具体的には、テーブル本体2は、4枚の平面27、28、29と、それら平面27、28、29同士を滑らかに連続させる4枚のコーナー曲面25とを備えたものである。すなわち、このテーブル本体2は、床F上に配されたベース板23と、このベース板23の左右両端部から前記コーナー曲面25を介してそれぞれ上方に立設された左右の脚板22と、これら脚板22の上端部から前記コーナー曲面25を介して前記脚板22間を繋ぐように設けられた前記天板21とを備えており、各天板21、左右の脚板22及びベース板23の外面にそれぞれ前記平面27、28、29が形成されている。このテーブル本体2は、天板21とベース板23とが平行に配されているとともに、左右の脚板22同士が平行に配されており、天板21、脚板22及びベース板23は、同一形状及び同一寸法をなしている。この実施形態では、幼い子供でも容易に天板面20に図画ができるとともに、床F上を容易に転動させることができるように、テーブル本体2の縦幅寸法、横幅寸法及び高さ寸法をそれぞれ、300mm、260mm、260mmに設定している。
【0019】
用紙3は、図1〜図5に示すように、紙製のもので、筆記面31を外側にして前記テーブル本体2の平面27、28、29を覆うように巻装されている。具体的には、この用紙3は、前記テーブル本体2を複数回にわたってロール状に巻くことができる長尺状のもので、その幅寸法は、用紙3の両側の耳32とテーブル本体2の両端面26とがほぼ合致するように設定されている。
【0020】
以上に述べたように、本実施形態に係るテーブル1は、床F上を転動可能なテーブル本体2と、このテーブル本体2に繰出可能に巻装した用紙3とを具備してなるので、床Fの上でテーブル本体2を転がすという簡単な作業で用紙3を繰り出すことができる。そして、新たな平面27、28、29を天板面20として使用することができる。このテーブル1は、テーブル1自体に直接絵をかいている感覚が得られ、机の上に落書きをしたいという子供の欲求に応えることができる。さらに、このテーブル1は、図5に示すように、用紙3の端を引っ張ることでテーブル本体2が転がり、テーブル本体2を転がすことで新しい用紙3が出てくるので、テーブル本体2を転がすという動作が子供の好奇心をくすぐることとなる。
【0021】
テーブル本体2は、天板面20となり得る平面27、28、29を複数備えており、それらの平面27、28、29を覆うように前記用紙3が巻装されているので、テーブル本体2を転がして複数の態様で使用することができる。特に、用紙3が長尺なものであるため、用紙3を連続的に使用することができる。
【0022】
テーブル本体2は、周囲に4枚の平面27、28、29を備えた筒状をなし、内部に収容空間24を有したものであるので、天板面20が常に床F面と水平となり筆記作業を行いやすい。また、テーブル本体2が中空状のものであるため、テーブル1の総重量をあまり大きくしすぎることなく、幼い子供でも簡単に転がすことができる。また、この収容空間24には、図1及び図3に示すように、テーブル1から切り取った用紙片Pや、お絵かき道具Dを収容しておくことができる。
【0023】
テーブル本体2が、4枚の平面27、28、29と、それら平面27、28、29同士を滑らかに連続させる4枚のコーナー曲面25とを備えたものであるので、図画の際には平面27、28、29を利用して描きやすく、転がす際にはコーナー曲面25を利用して転がりやすい。
【0024】
また、用紙3の両側の耳32とテーブル本体2の両端面26とがほぼ合致するように設定されているので、テーブル本体2と用紙3が一体化しやすい。すなわち、用紙3の耳32付近を使用してもテーブル本体2によりしっかり裏当て支持され、また、用紙3の耳32付近からテーブル本体2の平面27、28、29が露出することがないため、誤ってテーブル本体2に描いてしまうことも抑制できる。
【0025】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
【0026】
テーブル本体の材質はどのようなものであってもよく、例えば、紙製、木製、プラスチック製、金属製のもの等が考えられる。また、テーブル本体の大きさや形状についても、上述したものに限られない。テーブル本体の形状については、具体的には、円柱状、三角柱状、その他の多角柱状のものが挙げられる。すなわち、本発明の天板面とは、水平面に限られず、湾曲面や傾斜面も含む概念である。さらに、テーブル本体の形状については、収容空間がない中実なものや、内部に形成された空間を塞ぐような面をさらに備えたものであってもよい。収容空間は、図1に示すような態様で用いてもよいし、該収容空間を上方に開放させて用いてもよい。
【0027】
用紙は、転がした際に繰出可能なものであれば、内側に粘着剤が塗布されたものであってもよい。このようなものであれば、用紙に一定以上の力がかかった場合にのみ用紙が繰り出されるようにすることができるので、持ち運び時や使用時のテーブル本体への巻き付け状態を保持することができる。
【0028】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0029】
1…テーブル
2…テーブル本体
20…天板面
24…収容空間
25…コーナー曲面
26…端面
27、28、29…平面
3…用紙
32…耳

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上を転動可能なテーブル本体と、このテーブル本体に繰出可能に巻装した用紙とを具備してなることを特徴とするテーブル。
【請求項2】
テーブル本体が、天板面となり得る平面を複数備えており、それらの平面を覆うように前記用紙が巻装されている請求項1記載のテーブル。
【請求項3】
テーブル本体が、周囲に4枚の平面を備えた筒状をなし、内部に収容空間を有したものである請求項2記載のテーブル。
【請求項4】
テーブル本体が、4枚の平面と、それら平面同士を滑らかに連続させる4枚のコーナー曲面とを備えたものである請求項3記載のテーブル。
【請求項5】
用紙の両側の耳とテーブル本体の両端面とがほぼ合致するように設定されている請求項1、2、3または4記載のテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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