説明

テープカセット

【課題】収容する感熱テープの収容長さを長くすることができると共に、感熱テープの光による変色等を防止することができるテープカセットを提供する。
【解決手段】長尺状の感熱テープが巻回されて回転可能に設けられるテープスプールと、前記感熱テープに印刷するサーマルヘッドが挿入される開口部と、前記開口部のテープ搬送方向上流側で前記感熱テープの印刷面に重ね合わされて該感熱テープと共に該開口部に入り、前記感熱テープへの光を遮光する長尺状の遮光テープと、前記開口部に対して、テープ搬送方向下流側で該感熱テープから前記遮光テープを分離して内側へ案内する分離部と、前記遮光テープが分離された感熱テープが排出されるテープ排出口と、を備え、前記開口部に入った前記感熱テープの印刷面が前記遮光テープで覆われているように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ印刷装置に使用されるテープカセットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、テープ印刷装置に使用されるテープカセットに関して種々提案されている。
例えば、印字テープスプールに巻回された印字テープは、「基材」としてのベースフィルムの上側にサーマルヘッドの発熱部の加熱により発色し、露光により定着する感熱発色層が形成されている。また、この感熱発色層の上側には、「遮光シート」としての遮光テープが粘着剤層を挟んで剥離可能に貼着されている。また、ベースフィルムの下側には、剥離紙が粘着剤層を挟んで剥離可能に貼着されている。
【0003】
そして、印字テープは、サーマルヘッドによって印刷された後に、遮光テープが分離部によって当該印字テープから分離され、遮光テープ巻き取りスプールによって巻き取られる。また、印字テープは遮光テープを剥離後に、テープ排出口から排出されて、露光され、発色層が定着されるように構成されたテープカセットがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−254384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1に記載されたテープカセットでは、印字テープは感熱発色層の上側に遮光テープを貼着する必要があり、印字テープの作成が複雑になるという問題がある。また、印字テープは感熱発色層の上側に遮光テープが貼着されているため、印字テープが厚くなり、印字テープスプールに巻回して収容可能な印字テープの収容長さが短くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、テープスプールに巻回して収容する感熱テープの収容長さを長くすることができると共に、感熱テープの光による変色等を防止することができるテープカセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係るテープカセットは、長尺状の感熱テープを搬送するためのテープ搬送手段と、前記感熱テープに印刷するサーマルヘッドと、を備えたテープ印刷装置に着脱可能に装着されるテープカセットにおいて、前記感熱テープが巻回されて回転可能に設けられるテープスプールと、前記サーマルヘッドが挿入される開口部と、前記開口部のテープ搬送方向上流側近傍で前記感熱テープの印刷面に重ね合わされて該感熱テープと共に該開口部に入り、前記感熱テープへの光を遮光する長尺状の遮光テープと、前記開口部に対して、テープ搬送方向下流側近傍で該感熱テープから前記遮光テープを分離して内側へ案内する分離部と、前記遮光テープが分離された感熱テープが排出されるテープ排出口と、を備え、前記開口部に入った前記感熱テープの印刷面が前記遮光テープで覆われていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係るテープカセットは、請求項1に記載のテープカセットにおいて、前記遮光テープが巻回されて回転可能に設けられる遮光テープスプールと、前記分離部で前記感熱テープから分離された前記遮光テープの先端部が固着されると共に、該遮光テープが巻き取られる巻き取りスプールと、前記感熱テープから分離された前記遮光テープを前記分離部から前記巻き取りスプールまで案内する経路上に設けられたガイド部材と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係るテープカセットは、請求項1に記載のテープカセットにおいて、前記遮光テープは、長手方向両端縁部が接続された無端の環状に形成されて前記開口部の周囲を囲むように配置され、前記分離部で前記感熱テープから分離された遮光テープを前記開口部のテープ搬送方向上流側近傍まで案内する経路上に設けられたガイド部材を備え、該遮光テープは、前記感熱テープの搬送に従って前記開口部の周囲を搬送されて該感熱テープと共に開口部に入ることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係るテープカセットは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のテープカセットにおいて、前記遮光テープは、前記感熱テープのテープ幅よりも広いテープ幅を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係るテープカセットは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のテープカセットにおいて、前記開口部にサーマルヘッドが挿入された状態において、前記感熱テープは前記印刷面をサーマルヘッド側に向け、該感熱テープの印刷面に重ね合わされた前記遮光テープは、前記サーマルヘッドに摺接する面側に研磨剤を含む研磨層が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係るテープカセットは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のテープカセットにおいて、前記遮光テープは、前記感熱テープの印刷面に重ね合わされる面側にシリコーン層が設けられていることを特徴とする。
【0013】
更に、請求項7に係るテープカセットは、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のテープカセットにおいて、前記遮光テープは、薄膜且つ伝熱可能な長尺状のフィルムから構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係るテープカセットでは、テープスプールには感熱テープだけが巻回されるため、当該テープスプールに巻回して収容する感熱テープの収容長さを長くすることができる。また、感熱テープは、開口部の搬送方向上流側近傍で該感熱テープの印刷面への光を遮光する遮光テープが印刷面に重ね合わされて、この遮光テープに覆われた状態で開口部に入るため、印刷面の光による変色や退色等を確実に防止することができる。更に、遮光テープは、開口部に対して、テープ搬送方向下流側近傍で、分離部によって感熱テープから分離されて内側へ案内されるため、感熱テープだけをテープ排出口から排出することができる。
【0015】
また、請求項2に係るテープカセットでは、遮光テープを遮光テープスプールに巻回して収容するため、遮光テープスプールに巻回して収容する遮光テープの収容長さを長くすると共に、コンパクト化を図ることができる。また、分離部で感熱テープから分離された遮光テープは、ガイド部材によって案内されて巻き取りスプールに巻き取られるため、分離した遮光テープをテープカセット内に収納することが可能となり、ユーザは感熱テープから分離した遮光テープを廃棄する手間を省くことができる。
【0016】
また、請求項3に係るテープカセットでは、遮光テープは、長手方向両端縁部が接続された無端の環状に形成されて開口部の周囲を囲むように配置され、開口部の搬送方向上流側近傍で感熱テープに重ね合わされて搬送されて、分離部で感熱テープから分離され、ガイド部材によって再度開口部の搬送方向上流側近傍まで案内される。これにより、遮光テープの収容長さを短くすることができると共に、遮光テープを簡易な構造で収容することが可能となる。また、遮光テープを開口部の周囲に配置してテープカセット内に収納することができ、ユーザは感熱テープから分離した遮光テープを廃棄する手間を省くことができる。
【0017】
また、請求項4に係るテープカセットでは、遮光テープのテープ幅は、感熱テープのテープ幅よりも広いため、感熱テープの印刷面を確実に覆うことができ、印刷面の光による変色や退色等を更に確実に防止することができる。
【0018】
また、請求項5に係るテープカセットでは、遮光テープは、サーマルヘッドに摺接する面側に研磨剤を含む研磨層が設けられているため、サーマルヘッドを介して感熱テープに印刷しつつ、当該サーマルヘッドの表面を研磨してクリーニングすることができる。
【0019】
また、請求項6に係るテープカセットでは、遮光テープは、感熱テープの印刷面に重ね合わされる面側にシリコーン層が設けられているため、分離部で遮光テープを感熱テープからスムーズに分離することができ、感熱テープ及び遮光テープの走行を更に安定させることができ、印字品質の向上を図ることができる。
【0020】
更に、請求項7に係るテープカセットでは、遮光テープは、薄膜且つ伝熱可能な長尺状のフィルムから構成されているため、サーマルヘッドの熱が感熱テープの感熱発色層へ伝えられ易い。また、遮光テープを安価に構成することできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係るテープカセットが装着されるテープ印刷装置の平面図である。
【図2】テープ印刷装置の右側面図である。
【図3】第1実施形態に係るテープカセットのテープ引き出し側から見た斜視図である。
【図4】図3のテープカセットの上ケースを取り外した場合の斜視図である。
【図5】テープ印刷装置にテープカセットを装着した状態でテープカセットの上ケースを取り外した場合の要部拡大平面図である。
【図6】感熱テープに印刷する状態を示す要部拡大平面図である。
【図7】第2実施形態に係るテープカセットのテープ引き出し側から見た斜視図である。
【図8】図7のテープカセットの上ケースを取り外した場合の斜視図である。
【図9】図8の感熱テープと遮光テープが重ね合わされた部分の拡大図である。
【図10】図9の感熱テープに沿った要部拡大断面図である。
【図11】第3実施形態に係るテープカセットの上ケースを取り外した場合の平面図である。
【図12】図11の遮光テープの斜視図である。
【図13】他の実施形態に係る遮光テープの一例を示す断面図である。
【図14】他の実施形態に係る遮光テープの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るテープカセットについて具体化した第1実施形態乃至第3実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係るテープカセットが装着されるテープ印刷装置の概略構成について図1、図2及び図5に基づいて説明する。
[第1実施形態]
【0023】
図1、図2及び図5に示すように、第1実施形態に係るテープカセット21が装着されるテープ印刷装置1には、文書データからなるテキストを作成するための文字入力キー2、テキスト等の印刷を指示する印刷キー3、及び、改行指示や各種処理の実行、選択を指示するリターンキー4、文字等のキャラクタを複数行に渡って表示する液晶ディスプレイ(LCD)7上でカーソルを上下、左右に移動させるカーソルキー5等を設けたキーボード6、及び、テープカセット21を収納するカセット収納部8が収納カバー13で覆われて配設されている。
【0024】
また、このキーボード6の下側には、制御回路部(不図示)が構成される制御基板12が配設されている。また、カセット収納部8の左側面部には、印刷された印刷済みテープが排出されるラベル排出口17が形成されている。また、該カセット収納部8の右側面部には、電源アダプタが取り付けられるアダプタ挿入口18、及び不図示のパーソナルコンピュータと接続するためのUSBケーブルが取り付けられるUSBコネクタ19が設けられている。
【0025】
また、このカセット収納部8には、サーマルヘッド9と、このサーマルヘッド9に対向するプラテンローラ10と、このプラテンローラ10の下流側のテープサブローラ11と、このテープサブローラ11に対向する金属製のテープ駆動ローラ軸14とが配置されている他に、更に、テープカセット21内に収納される光を遮光する遮光テープ52を送る遮光テープ巻取軸15等が配置されている。
【0026】
このサーマルヘッド9は、正面視略縦長四角形の平板状で、前面の左端縁部には、所定個数の各発熱素子R1〜Rn(nは、例えば、128個又は256個である。)が、該左端縁部の辺に沿って一列に配列されて形成されている。また、該サーマルヘッド9は、メッキ鋼板やステンレス鋼板等により形成される正面視略四角形のヘッドホルダ9Aの前面の左端縁部に、各発熱素子R1〜Rnの配列方向が、該ヘッドホルダ9Aの左端縁部の辺に平行になるように接着剤などによって固着されている。そして、該ヘッドホルダ9Aは、各発熱素子R1〜Rnの配列方向が、テープカセット21のサーマルヘッド開口部22における感熱テープ51の搬送方向に略直交するように、ビス止め等によってカセット収納部8の下側に取り付けられている。
【0027】
また、遮光テープ巻取軸15は、ステッピングモータ等により構成されるテープ送りモータ(不図示)から適宜の駆動機構を介して回転駆動され、テープカセット21内に回転可能に設けられた遮光テープ巻き取りスプール61内に嵌入されて回転駆動する。また、テープ駆動ローラ軸14は、テープ送りモータから適宜の伝達機構を介して回転駆動され、テープカセット21内に回転可能に設けられた導電性樹脂製のテープ送りローラ63内に嵌入されて回転駆動する。また、遮光テープ巻取軸15とテープ駆動ローラ軸14は、感熱テープ51と遮光テープ52とが同じ搬送速度で搬送されるように回転駆動される。
【0028】
また、サーマルヘッド9に対向する位置には、プラテンホルダ16が軸支部16Aを中心に揺動可能に軸支されている。そして、プラテンローラ10とテープサブローラ11とが、プラテンホルダ16の先端側に回転可能に軸支されている。このプラテンホルダ16には、収納カバー13の開閉に連動して左右方向に移動する不図示のリリースレバーが連結されている。そして、収納カバー13が開放されると、リリースレバーが図5中、右方向に動き、プラテンホルダ16が図5に示す待機位置に向けて回動される。尚、プラテンホルダ16は図示しない巻きバネにより常に待機位置に弾性付勢されている。
【0029】
一方、収納カバー13が閉じられると、リリースレバーが図5中、左方向に移動して、プラテンホルダ16がサーマルヘッド9側へ回動され、プラテンローラ10が感熱テープ51及び遮光テープ52を挟んで、サーマルヘッド9に押圧されると共に、テープサブローラ11が感熱テープ51を挟んで、テープ送りローラ63に押圧される。これにより、カセット収納部8に装着されたテープカセット21を使用して、感熱テープ51に文字等を印刷した印刷済みテープ28を作成することができる。
【0030】
次に、テープカセット21の概略構成について図3乃至図6に基づいて説明する。
図3乃至図5に示すように、テープカセット21は、平面視略長方形の箱状に形成され、上ケース23と下ケース24とを有する。このテープカセット21には、被印刷テープとしての感熱テープ51がセパレータ51D(図6参照)を外側に向けて巻回された感熱テープスプール54を回動可能に支持する支持孔41が形成されている。
【0031】
また、テープカセット21には、サーマルヘッド9により感熱テープ51に文字等を印刷する際に、感熱テープ51とほぼ同じテープ幅に形成された遮光テープ52を遮光テープスプール55から引き出すと共に巻き取る遮光テープ巻き取りスプール61を支持する支持孔42が形成されている。尚、図3中には、上ケース23に形成された支持孔42のみしか図示されていないが、下ケース24についても同様に上ケース23の支持孔42に対向して支持孔42が形成されている。
【0032】
また、感熱テープスプール54と遮光テープスプール55は、それぞれ、下ケース24の底面に立設されたカセットボス58、リールボス59に回転可能に嵌挿して収納されている。そして、カセットボス58の上端部は、上ケース23に形成された支持孔41に嵌入されて支持されている。
【0033】
また、図3に示すように、テープカセット21は、プラテンホルダ16の軸支部16Aに対向する側面部に、平面視で断面略半円状をなす半円溝部26が、テープカセット21の高さ方向に渡って設けられている。また、テープカセット21は、半円溝部26からテープ搬送方向下流側へアーム状に突設されたアーム部31が設けられ、このアーム部31とテープカセット21のアーム部31に対向する側面部とによって、ヘッドホルダ9Aが挿入される平面視略U字状のサーマルヘッド開口部22が形成されている。
【0034】
更に、サーマルヘッド開口部22のテープ搬送方向下流側には、支持孔43が設けられ、該支持孔43の内側には、テープ送りローラ63が回転可能に支持されている。このテープ送りローラ63は、対向するテープサブローラ11との協働により、感熱テープスプール54から感熱テープ51を引き出す働きをするものである。尚、図3中には、上ケース23に形成された支持孔43のみしか図示されていないが、下ケース24についても同様に上ケース23の支持孔43に対向して支持孔43が形成されている。
【0035】
また、テープ送りローラ63の近傍であって、テープ搬送方向上流側には、上下一対の規制部材45A、45Bが設けられている。規制部材45Aの上端部、及び規制部材45Bの下端部は、サーマルヘッド9のテープ搬送方向下流側にて、感熱テープ51に文字等が印刷された印刷済みテープ28をテープ幅方向に規制して、テープ排出口27に向かって案内するものである。
【0036】
図4及び図5に示すように、各規制部材45A、45Bの内側近傍には、サーマルヘッド開口部22を経由して搬送された感熱テープ51から遮光テープ52をテープ搬送方向に対して略直交するカセット内側方向へ分離して、当該分離した遮光テープ52を遮光テープ巻き取りスプール61に向けて案内する遮光テープ分離部46が設けられている。この遮光テープ分離部46で分離された遮光テープは、ガイドピン47を経て遮光テープ巻き取りスプール61に到達し、巻き取られる。尚、遮光テープ51の先端部は、遮光テープ巻き取りスプール61の外周面にセロテープ(登録商標)や接着剤などによって固着されている。
【0037】
また、アーム状に突設されたアーム部31は、プラテンホルダ16に対向する前面壁部32と、サーマルヘッド開口部22側の背面壁部33との間の中央部に、薄板状の分離壁35が、各側壁部32、33に対してほぼ平行に、上ケース23の内側面に達する高さで立設されている。また、分離壁35のテープ搬送方向上流側の側縁部は、略円柱状に形成されている。また、分離壁35のテープ搬送方向下流側の側縁部には、上端部から前面壁部32側へ略垂直に突出された平面視長方形状の突出部35Aが設けられている。そして、この突出部35Aの下面部とアーム部31の底面部とによって感熱テープ51のテープ幅方向の移動が規制されている。また、分離壁35のテープ搬送方向下流側の近傍には、感熱テープ51と遮光テープ52とが重ね合わされて排出されるアーム開口部31Aが形成されている。
【0038】
従って、感熱テープ51は、感熱テープスプール54から引き出されて、各ガイドピン48、49を経てアーム部31の前面壁部32と分離壁35との間を、当該分離壁35の両側縁部に摺接しつつ案内されてアーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22へ搬送される。また、遮光テープ52は、遮光テープスプール55から引き出されて、断面半円状のガイドピン50を経てアーム部31の背面壁部33と分離壁35との間を通り、感熱テープ51の印刷面に重ね合わされてアーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22へ搬送される。
【0039】
そして、図6に示すように、感熱テープ51と遮光テープ52は、サーマルヘッド開口部22内を重ね合わされた状態で搬送されて、プラテンローラ10によってサーマルヘッド9に押圧される。そして、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの発熱により、感熱テープ51を遮光テープ52の上側から加熱し、文字等の印刷データが印刷される。その後、遮光テープ52は、遮光テープ分離部46によって感熱テープ51から分離され、ガイドピン47を経て遮光テープ巻き取りスプール61へ搬送される。
【0040】
ここで、感熱テープ51は、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るベースフィルム51Bが中央の層に設けられている。このベースフィルム51Bのテープ厚さは、一例として約100μm程度である。また、ベースフィルム51Bのサーマルヘッド9側の面には、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの加熱により発色する感熱発色層51Aが形成されている。
【0041】
また、ベースフィルム51Bのプラテンローラ10側の面には、粘着剤層51Cが形成され、更に、粘着剤層51Cのプラテンローラ10側の面には、当該粘着剤層51Cから剥離可能なセパレータ51Dが貼り付けられている。また、遮光テープ52は、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのフィルムテープで、テープ厚さは、一例として約100μm程度であって、光を遮光する機能を果たしている。
【0042】
そして、図3乃至図5に示すように、遮光テープ分離部46によって遮光テープ52が分離された印刷済みテープ28は、各規制部材45A、45Bによってテープ幅方向を規制されてテープ送りローラ63へ搬送される。続いて、印刷済みテープ28は、テープ駆動ローラ軸14によって回転駆動されるテープ送りローラ63にテープサブローラ11によって押圧されて、テープ送りローラ63の回転によりテープ排出口27から排出される。
【0043】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るテープカセット21では、感熱テープスプール54には感熱テープ51だけが巻回されるため、遮光テープを感熱テープ51の感熱発色層51Aに剥離可能に貼着して感熱テープスプール54に巻回した場合と比べ、当該感熱テープスプール54に巻回して収容する感熱テープ51の収容長さを長くすることができる。また、感熱テープ51は、アーム部31のテープ搬送方向下流側に形成されたアーム開口部31Aにおいて、該感熱テープ51とほぼ同じテープ幅に形成されて光を遮光する遮光テープ52が、感熱テープ51の印刷面に重ね合わされて、この遮光テープ52に覆われた状態でサーマルヘッド開口部22に入るため、印刷面の光による変色や退色等を確実に防止することができる。更に、遮光テープ52は、サーマルヘッド開口部22に対して、テープ搬送方向下流側で、遮光テープ分離部46によって感熱テープ51から分離されて遮光テープ巻き取りスプール61へ案内されるため、文字等が印刷された感熱テープ51(印字済みテープ28)だけをテープ排出口27から排出することができる。
【0044】
また、遮光テープ52を遮光テープスプール55に巻回して収容するため、遮光テープスプール55に巻回して収容する遮光テープ52の収容長さを長くすると共に、コンパクト化を図ることができる。また、遮光テープ分離部46で感熱テープ51から分離された遮光テープ52は、ガイドピン47によって案内されて遮光テープ巻き取りスプール61に巻き取られるため、分離した遮光テープ52をテープカセット21内に収納することが可能となり、ユーザは感熱テープ51から分離した遮光テープ52を廃棄する手間を省くことができる。
[第2実施形態]
【0045】
次に、第2実施形態に係るテープカセット71の概略構成について図7乃至図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第2実施形態に係るテープカセット71の概略構成は、第1実施形態に係るテープカセット21とほぼ同じ構成である。
【0046】
但し、図7乃至図10に示すように、テープカセット71には、感熱テープ51のテープ幅よりも広いテープ幅(例えば、感熱テープ51のテープ幅よりも約2mm広いテープ幅である。)の遮光テープ73が遮光テープスプール55に巻回されて収納されている。そして、感熱テープスプール54から引き出された感熱テープ51は、印刷面が遮光テープスプール55から引き出された遮光テープ73のテープ幅方向中央部に重ね合わされた状態で、アーム部31のアーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22へ搬送される。
【0047】
具体的には、テープカセット71の下ケース72に設けられたアーム部31は、上記下ケース24に設けられたアーム部31と同様に、前面壁部32と背面壁部33との間の中央部に分離壁35が、各側壁部32、33に対してほぼ平行に、上ケース23の内側面に達する高さで立設されている。また、分離壁35のテープ搬送方向下流側の側縁部には、上端部から前面壁部32側へ略垂直に突出された平面視長方形状の突出部35Aが設けられると共に、下端部から前面壁部32側へ略垂直に突出された平面視長方形状の突出部35Bが設けられている。また、突出部35Bの上端面の中央部には、テープ搬送方向に対して直交するように線状に突出する突起部が形成されている。
【0048】
そして、図9及び図10に示すように、この突出部35Aの下面部と突出部35Bの上面部とによって、感熱テープ51のテープ幅方向中央位置と遮光テープ73のテープ幅方向中央位置とがほぼ一致する高さになるように、感熱テープ51のテープ幅方向の移動が規制される。また、下ケース72には、規制部材45Bの内側近傍位置に、遮光テープ分離部46に所定隙間を形成して対向するように立設された平面視円弧状の壁部76が設けられている。この壁部76の規制部材45B側の側縁部には、上端部から規制部材45B側へ突出する平面視略台形状の板状の突出片76Aが設けられている。この突出片76Aの下端面は、分離壁35に設けられた突出部35Aの下端面とほぼ同じ高さになるように形成されている。
【0049】
また、規制部材45Bの下端部には、底面部から所定高さでテープ送りローラ63に向かって立設された案内段差部77が設けられている。この案内段差部77の上端面は、分離壁35に設けられた突出部35Bの上端面とほぼ同じ高さになるように形成されている。また、テープ排出口27の下端部は、規制部材45Bの下端部に設けられた案内段差部77の上端面とほぼ同じ高さになるように形成されている。
【0050】
従って、感熱テープ51は、感熱テープスプール54から引き出されて、各ガイドピン48、49を経てアーム部31の前面壁部32と分離壁35との間を、当該分離壁35の両側縁部に摺接しつつ各突出部35A、35Bによってテープ幅方向の移動を規制されて案内され、アーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22へ搬送される。また、遮光テープ73は、遮光テープスプール55から引き出されて、円柱状のガイドピン75を経てアーム部31の背面壁部33と分離壁35との間を通り、感熱テープ51と遮光テープ73のテープ幅方向の中心がほぼ一致するように、感熱テープ51の印刷面に重ね合わされてアーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22へ搬送される。
【0051】
そして、図8に示すように、感熱テープ51と遮光テープ73は、サーマルヘッド開口部22内をテープ幅方向の中心がほぼ一致するように重ね合わされた状態で搬送されて、プラテンローラ10によってサーマルヘッド9に押圧される。そして、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの発熱により、感熱テープ51を遮光テープ73の上から加熱し、文字等の印刷データが印刷される。その後、遮光テープ73は、遮光テープ分離部46によって感熱テープ51から分離され、ガイドピン47を経て遮光テープ巻き取りスプール61へ搬送される。
【0052】
また、分離部46によって遮光テープ73が分離された印刷済みテープ28(感熱テープ51)は、突出片76Aの下面部と案内段差部77の上面部とによってテープ幅方向の移動が規制されてテープ送りローラ63へ搬送される。続いて、印刷済みテープ28は、テープ駆動ローラ軸14によって駆動されるテープ送りローラ63にテープサブローラ11によって押圧されて、テープ送りローラ63の回転によりテープ排出口27から排出される。
【0053】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係るテープカセット71では、遮光テープスプール55には、感熱テープ51のテープ幅よりも広いテープ幅に形成された遮光テープ73が巻回されている。そして、遮光テープスプール55から引き出された遮光テープ73は、アーム部31のテープ搬送方向下流側に形成されたアーム開口部31Aにおいて、テープ幅方向の中心がほぼ一致するように感熱テープ51の印刷面に重ね合わされて、この感熱テープ51の印刷面を覆った状態でサーマルヘッド開口部22に入る。
【0054】
これにより、テープカセット71では、上記カセットテープ21の奏する効果と共に、遮光テープ73のテープ幅は、感熱テープ51のテープ幅よりも広いため、感熱テープ51の印刷面を確実に覆うことができ、印刷面の光による変色や退色等を更に確実に防止することができる。また、感熱テープ51は、分離壁35に設けられた各突出部35A、35B、及び壁部76に設けられた突出片76Aと規制部材45Bの下端部に設けられた案内段部77とによって、テープ幅方向の移動が規制された状態でサーマルヘッド開口部22を搬送されるため、感熱テープ51に印刷された文字等の印字品質の向上を図ることができる。
[第3実施形態]
【0055】
次に、第3実施形態に係るテープカセット81の概略構成について図11及び図12に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図6の第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1の構成等と同一符号は、該第1実施形態に係るテープカセット21及びテープ印刷装置1等の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第3実施形態に係るテープカセット81の概略構成は、第1実施形態に係るテープカセット21とほぼ同じ構成である。
【0056】
但し、図11及び図12に示すように、テープカセット81には、遮光テープ52に替えて、長手方向の両端部が接続されて無端の環状に形成された遮光テープ82が、サーマルヘッド開口部22を囲むように配置されている。つまり、環状の遮光テープ82は、アーム部31の背面壁部33の基端部の内側に立設された断面半円状のガイドピン50から、アーム部31の背面壁部33と分離壁35との間を通り、アーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22を経て、遮光テープ分離部46に至り、更に、ガイドピン47を経て、再度ガイドピン50に至って一周するように、弛みが無く、且つ、摺接移動可能に配置されている。また、テープカセット81内には、遮光テープスプール55及び遮光テープ巻き取りスプール61は配置されていない。
【0057】
この遮光テープ82のテープ幅は、遮光テープ52とほぼ同じテープ幅、つまり、感熱テープ51のテープ幅とほぼ同じテープ幅に形成されている。また、遮光テープ82は、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのフィルムテープで、テープ厚さは、一例として約100μm程度であって、光を遮光する機能を果たしている。
【0058】
従って、感熱テープ51は、感熱テープスプール54から引き出されて、各ガイドピン48、49を経てアーム部31の前面壁部32と分離壁35との間を、当該分離壁35の両側縁部に摺接しつつ案内されて、突出部35Aの下面部とアーム部31の底面部とによってテープ幅方向の移動が規制されてアーム開口部31Aに至る。そして、感熱テープ51は、アーム開口部31Aで印刷面に遮光テープ82が重ね合わされてアーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22へ搬送される。
【0059】
また、遮光テープ82は、感熱テープ51の搬送に従って、断面半円状のガイドピン50からアーム部31の背面壁部33と分離壁35との間を通り、感熱テープ51の印刷面に重ね合わされてアーム開口部31Aからサーマルヘッド開口部22へ搬送される。そして、感熱テープ51と遮光テープ82は、サーマルヘッド開口部22内を重ね合わされた状態で搬送されて、プラテンローラ10によってサーマルヘッド9に押圧される。そして、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの発熱により、感熱テープ51を遮光テープ82の上から加熱し、文字等の印刷データが印刷される。
【0060】
その後、遮光テープ82は、遮光テープ分離部46によって感熱テープ51から分離され、ガイドピン47を経て、再度ガイドピン50に至る経路を周回するように案内される。また、遮光テープ分離部46によって遮光テープ82が分離された印刷済みテープ28は、各規制部材45A、45Bによってテープ幅方向を規制されてテープ送りローラ63へ搬送される。続いて、印刷済みテープ28は、テープ駆動ローラ軸14によって駆動されるテープ送りローラ63にテープサブローラ11によって押圧されて、テープ送りローラ63の回転によりテープ排出口27から排出される。
【0061】
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係るテープカセット81では、感熱テープスプール54には感熱テープ51だけが巻回されるため、遮光テープを感熱テープ51の感熱発色層51Aに剥離可能に貼着して感熱テープスプール54に巻回した場合と比べ、当該感熱テープスプール54に巻回して収容する感熱テープ51の収容長さを長くすることができる。また、感熱テープ51は、アーム部31のテープ搬送方向下流側に形成されたアーム開口部31Aにおいて、該感熱テープ51とほぼ同じテープ幅に形成されて光を遮光する遮光テープ82が、感熱テープ51の印刷面に重ね合わされて、この遮光テープ82に覆われた状態でサーマルヘッド開口部22に入るため、印刷面の光による変色や退色等を確実に防止することができる。
【0062】
また、遮光テープ82は、サーマルヘッド開口部22に対して、テープ搬送方向下流側で、遮光テープ分離部46によって感熱テープ51から分離されて、各ガイドピン47、50を経て、再度アーム開口部31Aに至る経路を周回するように搬送されるため、文字等が印刷された感熱テープ51(印字済みテープ28)だけをテープ排出口27から排出することができる。
【0063】
また、遮光テープ82は、サーマルヘッド開口部22の周囲を囲むように無端の環状に形成されているため、遮光テープ82の収容長さを短くすることができると共に、遮光テープ82を簡易な構造で収容することが可能となる。また、遮光テープ82をサーマルヘッド開口部22の周囲に配置してテープカセット81内に収納することができ、ユーザは感熱テープ51から分離した遮光テープ82を廃棄する手間を省くことができる。更に、遮光テープスプール55および遮光テープ巻き取りスプール61等を収納しなくてもよいため、部品点数の削減化を図ることができる。
【0064】
尚、本発明は前記第1実施形態乃至第3実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0065】
(A)例えば、図13に示すように、上記各遮光テープ52、73、82のサーマルヘッド9に摺接する面側に、このサーマルヘッド9をクリーニングするための研磨剤が塗布された研磨層91を形成してもよい。この研磨層91は、例えば、研磨剤として酸化アルミニウム等の砥粒と熱硬化性高分子接着剤とを混練して生成された材料を塗布することによって形成される。
【0066】
そして、各遮光テープ52、73は、研磨層91がサーマルヘッド9に対向するように、研磨層91がカセット内側を向くように遮光テープスプール55に巻回される。また、遮光テープ82は、研磨層91が内側を向くようにサーマルヘッド開口部22の周囲に配置される。
これにより、各遮光テープ52、73、82は、サーマルヘッド9に摺接する面側に研磨剤を含む研磨層91が設けられているため、サーマルヘッド9を介して感熱テープ51に印刷しつつ、当該サーマルヘッド9の表面を研磨してクリーニングすることができる。
【0067】
(B)また、例えば、図14に示すように、上記各遮光テープ52、73、82の感熱テープ51の印刷面に重ね合わされる面側に、シリコーン樹脂を塗布してシリコーン層93を形成してもよい。これにより、各遮光テープ52、73、82は、感熱テープ51の印刷面に重ね合わされる面側にシリコーン層93が設けられているため、遮光テープ分離部46で各遮光テープ52、73、82を感熱テープ51からスムーズに分離することができ、感熱テープ51及び各遮光テープ52、73、82の走行を更に安定させることができ、印字品質の向上を図ることができる。
【0068】
(C)また、例えば、各遮光テープ52、73、82は、感熱テープ51のベースフィルム51Bのテープ厚さよりも薄い薄膜に形成された伝熱可能な金属材料から構成されるようにしてもよい。例えば、熱伝導性の高い金属材料であるアルミ箔や錫箔等を用いることができ、テープ厚さを10μm〜50μm程度にすることによって、遮光の機能を果たすことができる。尚、金属薄膜から形成された各遮光テープ52、73、82の両面に合成樹脂の薄膜を積層して、強度補強を行うようにしてもよい。
【0069】
これにより、各遮光テープ52、73、82は、金属材料から構成された薄膜且つ伝熱可能な長尺状のフィルムから構成されているため、サーマルヘッド9の各発熱素子R1〜Rnの熱が感熱テープ51の感熱発色層51Aへ伝えられ易い。また、各遮光テープ52、73、82を安価に構成することができる。
【0070】
(D)また、例えば、上記無端の環状に形成された遮光テープ82のテープ幅を感熱テープ51のテープ幅よりも広いテープ幅(例えば、感熱テープ51のテープ幅よりも約2mm広いテープ幅である。)に形成するようにしてもよい。そして、上記遮光テープ82に替えて、テープカセット71のサーマルヘッド開口部22の周囲を囲むように配置するようにしてもよい。これにより、上記テープカセット81の奏する効果と共に、遮光テープ82のテープ幅は、感熱テープ51のテープ幅よりも広いため、感熱テープ51の印刷面を確実に覆うことができ、印刷面の光による変色や退色等を更に確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 テープ印刷装置
9 サーマルヘッド
9A ヘッドホルダ
10 プラテンローラ
11 テープサブローラ
21、71、81 テープカセット
22 サーマルヘッド開口部
23 上ケース
24、72 下ケース
27 テープ排出口
31 アーム部
31A アーム開口部
35 分離壁
46 遮光テープ分離部
47、48、49、50、75 ガイドピン
51 感熱テープ
52、73、82 遮光テープ
54 感熱テープスプール
55 遮光テープスプール
61 遮光テープ巻き取りスプール
63 テープ送りローラ
91 研磨層
93 シリコーン層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の感熱テープを搬送するためのテープ搬送手段と、前記感熱テープに印刷するサーマルヘッドと、を備えたテープ印刷装置に着脱可能に装着されるテープカセットにおいて、
前記感熱テープが巻回されて回転可能に設けられるテープスプールと、
前記サーマルヘッドが挿入される開口部と、
前記開口部のテープ搬送方向上流側近傍で前記感熱テープの印刷面に重ね合わされて該感熱テープと共に該開口部に入り、前記感熱テープへの光を遮光する長尺状の遮光テープと、
前記開口部に対して、テープ搬送方向下流側近傍で該感熱テープから前記遮光テープを分離して内側へ案内する分離部と、
前記遮光テープが分離された感熱テープが排出されるテープ排出口と、
を備え、
前記開口部に入った前記感熱テープの印刷面が前記遮光テープで覆われていることを特徴とするテープカセット。
【請求項2】
前記遮光テープが巻回されて回転可能に設けられる遮光テープスプールと、
前記分離部で前記感熱テープから分離された前記遮光テープの先端部が固着されると共に、該遮光テープが巻き取られる巻き取りスプールと、
前記感熱テープから分離された前記遮光テープを前記分離部から前記巻き取りスプールまで案内する経路上に設けられたガイド部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のテープカセット。
【請求項3】
前記遮光テープは、長手方向両端縁部が接続された無端の環状に形成されて前記開口部の周囲を囲むように配置され、
前記分離部で前記感熱テープから分離された遮光テープを前記開口部のテープ搬送方向上流側近傍まで案内する経路上に設けられたガイド部材を備え、
該遮光テープは、前記感熱テープの搬送に従って前記開口部の周囲を搬送されて該感熱テープと共に開口部に入ることを特徴とする請求項1に記載のテープカセット。
【請求項4】
前記遮光テープは、前記感熱テープのテープ幅よりも広いテープ幅を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のテープカセット。
【請求項5】
前記開口部にサーマルヘッドが挿入された状態において、前記感熱テープは前記印刷面をサーマルヘッド側に向け、
該感熱テープの印刷面に重ね合わされた前記遮光テープは、前記サーマルヘッドに摺接する面側に研磨剤を含む研磨層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のテープカセット。
【請求項6】
前記遮光テープは、前記感熱テープの印刷面に重ね合わされる面側にシリコーン層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のテープカセット。
【請求項7】
前記遮光テープは、薄膜且つ伝熱可能な長尺状のフィルムから構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のテープカセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−91236(P2013−91236A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234589(P2011−234589)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】