説明

テープキャリアパッケージ及びそれを搭載した表示装置

【課題】出力数の多チャンネル化や挟ピッチ化されたテープキャリアパッケージにおける半導体装置の放熱性を向上させること。
【解決手段】テープ基材28上にリードパターン21〜24が形成されたテープキャリア20と、テープキャリア20上に搭載されるとともに電極パターン11〜14が配設された半導体装置10と、を備える。半導体装置10は、電極パターン11〜14と抵触しない位置に放熱用電極パターン15〜17を有する。リードパターン21〜24は、対応する電極パターン11〜14と電気的に接続する。テープキャリア20には、リードパターン21〜24と抵触しない位置に配設されるとともに対応する放熱用電極パターン15〜17と電気的かつ熱的に接続された放熱パターンが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープキャリア上に半導体装置が搭載されたテープキャリアパッケージ及びそれを搭載した表示装置に関し、特に、半導体装置の放熱性を向上させるテープキャリアパッケージ及びそれを搭載した表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置には、テープキャリア上に表示ドライバとなるICチップ(半導体装置)を搭載したテープキャリアパッケージ(TCP)が実装されている。このようなTCPは、パネルの大型化や高解像度化などに伴い、ICチップの出力数の多チャンネル化(800〜1000ch)が進み、テープキャリア上のリードパターンの挟ピッチ化が進んでいる。出力数の多チャンネル化が進んだICチップは、動作負荷の増大により発熱量が増大している。そのため、TCPでは、ICチップの動作を安定化させるために、パッケージとしての放熱性が重要となる。
【0003】
ICチップで発生した熱は、主にTCPのリードパターンを経由してTCPの外部へ放出される。これは、TCPにおいてテープ基材(ポリイミド等)よりも導体(銅箔等)の方が、熱伝導率が高いためである。従って、TCPの放熱性を高めるためには、リードパターンの体積および表面積を増加させることが、有効な手段となる。
【0004】
従来のTCPでは、リードパターン(導体パターン)の表面積を増加させる場合、半導体装置102(ICチップ)に対して信号を入出力するための第1の導体パターン107が配置されない空白エリアに、半導体装置102に対する信号の入出力に実質的に関与しない第2の導体パターン108を形成したものがある(図7、8参照;特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−111996号公報
【特許文献2】特開平10−32229号公報
【特許文献3】特開平3−57248号公報
【特許文献4】特開平2−155248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のTCPのように単に空白エリアに半導体装置102に対する信号の入出力に実質的に関与しない第2の導体パターン108を形成したのでは、半導体装置102から第2の導体パターン108への熱の伝導が不十分となり、効果的な放熱ができないおそれがある。つまり、特許文献1、2に記載の発明のように半導体装置102の電極と第2の導体パターン108とが接続されていない構成が、それに当たる。また、特許文献1、2では、半導体装置102の端面等に第2の導体パターン108を接触させた構成もあるが、これは触れたり重なったりしているだけの状態であり、半導体装置102と第2の導体パターン108の接続性が確実でない。したがって、これらのような構成では、熱伝導が不十分となり、効果的な放熱ができないおそれがある。または、半導体装置102と第2の導体パターン108との熱的接続を確実にするために新たな工程を必要とし、製造コストを増加させるおそれがある。
【0007】
さらに、表示装置に用いられる半導体装置は、通常、矩形状の長手方向の縁部に電極が配設されるが、出力数の多チャンネル化に伴い矩形状の短手方向の縁部にも電極が配設されるようになってきた。そのため、特許文献1、2に記載の発明では、矩形状の長手方向および短手方向の縁部に電極が配設された半導体装置に対して、放熱用の導体パターンを配設できないおそれがあり、効果的な放熱ができないおそれがある。
【0008】
なお、特許文献3、4には半導体素子(又は半導体装置)に放熱用のダミーバンプを設け、かつ、テープキャリア(又は導体一層テープ)に放熱用のダミーリードを設けたものが開示されているが、半導体素子に対して信号を入出力するためのリード列間にダミーリードが配設された構成となっており、ICチップの回路集積度を減少させるおそれがあり、ICチップの出力数の多チャンネル化や挟ピッチ化に適さない。
【0009】
本発明の主な課題は、出力数の多チャンネル化や挟ピッチ化されたテープキャリアパッケージにおける半導体装置の放熱性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の視点においては、テープキャリアパッケージにおいて、絶縁材料よりなるテープ基材上に導電材料よりなるリードパターンが形成されたテープキャリアと、前記テープキャリア上に搭載されるとともに、前記テープ基材側の面の周縁部に信号を入出力するための電極パターンが配設された半導体装置と、を備え、前記半導体装置は、前記テープ基材側の面の周縁部であって前記電極パターンと抵触しない位置に放熱用電極パターンを有し、前記リードパターンは、対応する前記半導体装置の前記電極パターンと電気的に接続し、前記テープキャリアは、前記テープ基材上であって前記リードパターンと抵触しない位置に配設されるとともに、対応する前記半導体装置の前記放熱用電極パターンと電気的かつ熱的に接続され、かつ、導電材料よりなる放熱パターンが形成されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の視点においては、表示装置において、前記テープキャリアパッケージが表示パネルに実装されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明(請求項1−15)によれば、放熱パターンと半導体装置との接続が確実になり、放熱パターンの表面積が増大し、かつ、熱の伝導経路が確保されるので、TCP製品の放熱性を向上させることができる。これにより、半導体装置の動作に伴う発熱による半導体装置の温度上昇が抑えられ、半導体装置の熱抵抗を小さくすることができる。また、半導体装置に別体の放熱板を重ねることがないため、テープキャリアパッケージを厚くしたりせずに上記効果が達成できる。さらに、放熱用電極と放熱パターンとのボンディングを、半導体装置の入出力電極パターンとテープキャリアの入出力リードパターンのボンディングと同じボンディング工程で一度にボンディングできるため、製造工程を追加することなしに上記効果が達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージについて図面を用いて説明する。 図1は、本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した平面図である。図2は、本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した部分拡大平面図である。図3は、本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した図2のX−X´間の部分拡大断面図である。図4は、本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージにおける半導体装置の電極パターンを模式的に示した平面図である。
【0014】
図1を参照すると、テープキャリアパッケージ1は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示パネル(図示せず)に実装されるテープキャリアパッケージであり、テープキャリア20上に半導体装置10を搭載したものである。テープキャリアパッケージ1は、出力側外部電極22a、23a、24aにて例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介して表示パネル(図示せず)と電気的に接続され、かつ、入力側外部電極21aにて例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介してバス基板(図示せず)と電気的に接続される。なお、バス基板(図示せず)は、半導体装置10に対して電源及び制御信号を供給する。
【0015】
半導体装置10は、表示パネル(図示せず)を駆動する半導体集積回路を有する装置であり、例えば、表示パネル(図示せず)に使用される表示ドライバIC(ICチップ)である(図1〜4参照)。半導体装置10は、テープキャリア20の所定の位置に実装されている。半導体装置10は、片側の面の周縁部に電極パターン11、12、13、14と、放熱用電極パターン15、16、17と、を有する(図4参照)。
【0016】
電極パターン11は、入力側の電極群(例えば、40〜50個)であり、矩形状の長手方向の一方の辺の近傍であって2つの電極パターン14の間に配設され、バンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する入力用のリードパターン21と圧着接合(圧接、接着、合金接合を含む、以下同じ)により電気的に接続される。電極パターン12は、出力側の電極群であり、矩形状の長手方向の他方の辺(一方の辺の反対側の辺)の近傍に配設され、バンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する出力用のリードパターン22と圧着接合により電気的に接続される。電極パターン13は、出力側の電極群であり、矩形状の短手方向の2つの辺の近傍に配設され、バンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する出力用のリードパターン23と圧着接合により電気的に接続される。電極パターン14は、出力側の電極群であり、矩形状の長手方向の一方の辺の近傍であって電極パターン11の両外側に配設され、バンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する出力用のリードパターン24と圧着接合により電気的に接続される。なお、出力側の電極群である電極パターン12、13、14の合計数は、例えば、800〜1000個である。
【0017】
なお、矩形状の短手方向の2つの辺の近傍に出力側の電極パターン13を配設したのは、出力数の多チャンネル化に伴うものである。矩形状の長手方向の一方の辺の近傍であって入力側の電極パターン11の両外側に出力側の電極パターン14を配設したのも、出力数の多チャンネル化に伴うものである。
【0018】
放熱用電極パターン15は、電極パターン11、12、13、14と抵触しない位置であって、矩形状の長手方向の他方の辺と短手方向の2つの辺が交差する矩形状の角部の近傍(電極パターン12の列と電極パターン13の列が交差しないように配設された太字点線で囲まれたスペース)に配設され、バンプ30(例えば、金バンプ)を介して放熱パターン25と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される(図3参照)。放熱用電極パターン16は、矩形状の長手方向の一方の辺と短手方向の2つの辺が交差する矩形状の角部の近傍(電極パターン13の列と電極パターン14の列が交差しないように配設された太字点線で囲まれたスペース)に配設され、バンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して放熱パターン26と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される。放熱用電極パターン17は、矩形状の長手方向の一方の辺の近傍であって入力用の電極パターン11と出力用の電極パターン14の間に配設され、バンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して放熱パターン27と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される。
【0019】
なお、矩形状の角部の近傍に放熱用電極パターン15、16を配設したのは、電極パターン12、13、14を配設することができないデッドスペースを利用するためである。また、入力用の電極パターン11と出力用の電極パターン14の間に放熱用電極パターン17を配設したのは、入力用の電極パターン11と出力用の電極パターン14の干渉を避けるために所定の間隔を空ける必要があり、デッドスペースとなるその間隔を利用するためである。
【0020】
テープキャリア20は、フレキシブル配線基板であり、テープ基材28(フィルム層)の裏面側(図3の上側;以下同じ)であってテープ基材28と絶縁層29の間にリードパターン21、22、23、24(入力側外部電極21a、出力側外部電極22a、23a、24aを含む)と、放熱パターン25、26、27と、が形成され、テープ基材28の中央部において半導体装置10の一部(全体でも可)を収容するための空所28aが形成されている(図1〜3参照)。
【0021】
テープ基材28は、例えば、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の絶縁材料よりなるテープ状の可撓性部材である。テープ基材28は、リードパターン21、22、23、24と放熱パターン25、26、27に対応する部分、及び、半導体装置10の直下の領域において空所28aを有する。テープ基材28の裏面の所定の位置にリードパターン21、22、23、24(入力側外部電極21a、出力側外部電極22a、23a、24aを含む)と、放熱パターン25、26、27と、絶縁層29が配設されている。
【0022】
リードパターン21は、テープ基材28の裏面(表面でも可)に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる入力側のリード群(例えば、40〜50個)である。リードパターン21は、空所28aの長手方向の一方の辺の近傍からテープ基材28の長手方向の一方の辺の近傍にかけて配設されている。リードパターン21は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の電極パターン11(図4参照)と圧着接合により電気的に接続される。リードパターン21は、テープ基材28の長手方向の一方の辺の近傍に入力側外部電極21aを有する。入力側外部電極21aは、例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介してバス基板(図示せず)と電気的に接続される。
【0023】
リードパターン22は、テープ基材28の裏面(表面でも可)に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる出力側のリード群である。リードパターン22は、空所28aの長手方向の他方の辺の近傍から引き出され、テープ基材28の長手方向の他方の辺の近傍にかけて配設されている。リードパターン22は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の電極パターン12(図4参照)と圧着接合により電気的に接続される。リードパターン22は、テープ基材28の長手方向の他方の辺の近傍に出力側外部電極22aを有する。出力側外部電極22aは、例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介して表示パネル(図示せず)と電気的に接続される。
【0024】
リードパターン23は、テープ基材28の裏面(表面でも可)に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる出力側のリード群である。リードパターン23は、空所28aの短手方向の辺の近傍から引き出され、放熱パターン25及びリードパターン22を迂回するようにしてテープ基材28の長手方向の他方の辺の近傍にかけて配設されている。リードパターン23は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の電極パターン13(図4参照)と圧着接合により電気的に接続される。リードパターン23は、テープ基材28の長手方向の他方の辺の近傍に出力側外部電極23aを有する。出力側外部電極23aは、例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介して表示パネル(図示せず)と電気的に接続される。
【0025】
リードパターン24は、テープ基材28の裏面(表面でも可)に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる出力側のリード群である。リードパターン24は、空所28aの長手方向の一方の辺の近傍であってリードパターン21の両側から引き出され、放熱パターン26、リードパターン23、放熱パターン25及びリードパターン22を迂回するようにしてテープ基材28の長手方向の他方の辺の近傍にかけて配設されている。リードパターン24は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の電極パターン14(図4参照)と圧着接合により電気的に接続される。リードパターン24は、テープ基材28の長手方向の他方の辺の近傍に出力側外部電極24aを有する。出力側外部電極24aは、例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介して表示パネル(図示せず)と電気的に接続される。
【0026】
放熱パターン25は、テープ基材28の裏面(表面でも可)であってリードパターン21、22、23、24と抵触しない位置に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる放熱用のパターンである。放熱パターン25は、リードパターン22とリードパターン23の間の領域に配設されている。放熱パターン25は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ30(例えば、金バンプ)を介して対応する半導体装置10の放熱用電極パターン15(図3、4参照)と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される。
【0027】
放熱パターン26は、テープ基材28の裏面(表面でも可)であってリードパターン21、22、23、24と抵触しない位置に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる放熱用のパターンである。放熱パターン26は、リードパターン23とリードパターン24の間の領域に配設されている。放熱パターン26は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の放熱用電極パターン16(図4参照)と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される。
【0028】
放熱パターン27は、テープ基材28の裏面(表面でも可)であってリードパターン21、22、23、24と抵触しない位置に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる放熱用のパターンである。放熱パターン27は、リードパターン21とリードパターン24の間の領域に配設されている。放熱パターン27は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の放熱用電極パターン17(図4参照)と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される。
【0029】
放熱パターン25〜27は、好ましくはリードパターン21〜24の各リードに比べて広い平面積を持つ島形状に形成されている。また、放熱パターン25〜27は、左右対称な図形で設けられることが好ましいがこれに限定されない。また、リードパターン21〜24、放熱パターン25〜27に金メッキされた銅基材を用いた場合、半導体装置10の電極の劣化に対し優位であり、ウィスカの発生がないというメリットがある。また、リードパターン21〜24、放熱パターン25〜27にスズメッキされた銅基材を用いた場合、熱圧着により、半導体装置10の電極上に形成されたバンプ(金バンプ)と共晶合金が形成されるため、金メッキされた銅基材を用いたものよりも接合強度があり、熱圧着が容易であるというメリットがある。
【0030】
絶縁層29は、ソルダーレジスト等の絶縁材料よりなる絶縁層である。絶縁層29は、テープ基材28の裏面側であって少なくともリードパターン21、22、23、24との電気的接続部分を除いて被覆する。なお、絶縁層29は、膜厚が薄いので、放熱パターン25、26、27の放熱面の一部又は全部を被覆していても放熱性に支障はないが、放熱性を高くする場合は、放熱面を被覆しないことが好ましい。テープ基材28を裏面側から見た際には、少なくとも入力側外部電極21a、出力側外部電極22a、23a、24a、及び、放熱パターン25、26、27の放熱面が露出している。
【0031】
実施形態1に係るテープキャリアパッケージの動作について説明する。
【0032】
表示パネル(図示せず)の駆動動作について説明する。半導体装置10用の制御信号及び電源は、コントローラ(図示せず)からバス基板(図示せず)を通じ、入力用のリードパターン21より半導体装置10に入力される。そして、半導体装置10は、入力された制御信号に基づいて、表示パネル(図示せず)を動作させるための駆動信号を生成し、リードパターン22、23、24から表示パネル(図示せず)へ出力する。そして、表示パネル(図示せず)では、入力された駆動信号に基づいて画像の表示がなされる。例えば、液晶表示パネルでは、入力された駆動信号に基づいて、液晶層での透過率を変化させ、画素をON/OFFさせて、画像表示がなされる。
【0033】
テープキャリアパッケージ1の放熱について説明する。表示パネル(図示せず)の動作時に発生する半導体装置10の熱は、リードパターン21〜24を通じて外部部品(バス基板、表示パネル)に伝導されるとともに、放熱パターン25〜27に伝導されて外部に放熱される。
【0034】
実施形態1によれば、放熱パターン25〜27と半導体装置10との接続が確実になり、放熱パターン25〜27の表面積が増大し、かつ、熱の伝導経路が確保されるので、TCP製品の放熱性を向上させることができる。これにより、半導体装置の動作に伴う発熱による半導体装置の温度上昇が抑えられ、半導体装置の熱抵抗を小さくすることができる。同一のICチップを搭載した場合、実施形態1にあっては、従来のTCPよりも熱抵抗が約20%低下する。
【0035】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係るテープキャリアパッケージについて図面を用いて説明する。図5は、本発明の実施形態2に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した平面図である。
【0036】
実施形態2に係るテープキャリアパッケージ1では、放熱パターン27にグランド用または信号用の外部電極27aを設けたものである。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0037】
放熱パターン27は、テープ基材28の裏面に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる放熱用のパターンである。放熱パターン27は、リードパターン21とリードパターン24の間の領域に配設されている。放熱パターン27は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の放熱用電極パターン17(図4参照)と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される。ここで、放熱用電極パターン17は、半導体装置10におけるグランドまたは信号用の電極でもある。放熱パターン27は、テープ基材28の長手方向の一方の辺(他方の辺でも可)の近傍であって入力側外部電極21aの両側に外部電極27aを有する。外部電極27aは、例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介してバス基板(図示せず)のグランドまたは信号用の電極(図示せず)と電気的かつ熱的に接続される。
【0038】
テープキャリアパッケージ1の放熱について説明する。表示パネル(図示せず)の動作時に発生する半導体装置10の熱は、リードパターン21〜24を通じて外部部品(バス基板、表示パネル)に伝導されるとともに、放熱パターン25、26に伝導されて外部に放熱され、放熱パターン27に伝導されて外部に放出され且つバス基板(図示せず)に伝導される。
【0039】
実施形態2によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、放熱パターン27がグランド用または信号用の配線としても機能するので、さらなる熱の伝導経路が確保され、TCP製品の放熱性をさらに向上させることができる。
【0040】
なお、実施形態1、2においては、放熱パターン25、26にグランド用または信号用の外部電極を設けていないが、放熱パターン25、26にグランド用または信号用の外部電極を設けて表示パネルと電気的かつ熱的に接続してもよい。
【0041】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係るテープキャリアパッケージについて図面を用いて説明する。図6は、本発明の実施形態3に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した平面図である。
【0042】
実施形態3に係るテープキャリアパッケージ1では、テープキャリア20において、実施形態1、2のような放熱パターン(図1、5の27)及びリードパターン(図1、5の24)が省略されており、省略して空いたスペースに放熱パターン26の面積を大きくしたものである。また、放熱パターン26にはグランド用または信号用の外部電極26aが設けられている。半導体装置10は、実施形態1、2のような電極パターン(図4の14)及び放熱用電極パターン(図4の17)がなく、図6のテープキャリア20のリードパターン21〜23、放熱パターン25、26に対応した位置に電極パターン(図示せず)および放熱用電極パターン(図示せず)が配設される。その他の構成は実施形態1、2と同様である。
【0043】
放熱パターン26は、テープ基材28の裏面(表面でも可)であってリードパターン21、22、23と抵触しない位置に形成された銅箔(例えば、スズメッキされた銅基材、金メッキされた銅基材)等の導電性材料よりなる放熱用のパターンである。放熱パターン26は、リードパターン21とリードパターン23の間の領域に配設されている。放熱パターン26は、空所28a側の端部が空所28aに向けて延在し、延在する端部にてバンプ(例えば、金バンプ;図示せず)を介して対応する半導体装置10の放熱用電極パターン16(図4参照)と圧着接合により電気的かつ熱的に接続される。ここで、放熱用電極パターン16は、半導体装置10におけるグランド用または信号用の電極でもある。放熱パターン26は、テープ基材28の長手方向の一方の辺(他方の辺でも可)の近傍であって入力側外部電極21aの両側に外部電極26aを有する。外部電極26aは、例えば異方性導電接着剤(ACF;図示せず)を介してバス基板(図示せず)のグランド用または信号用の電極(図示せず)と電気的かつ熱的に接続される。
【0044】
テープキャリアパッケージ1の放熱について説明する。表示パネル(図示せず)の動作時に発生する半導体装置10の熱は、リードパターン21〜23を通じて外部部品(バス基板、表示パネル)に伝導されるとともに、放熱パターン25に伝導されて外部に放熱され、放熱パターン26に伝導されて外部に放出され且つバス基板(図示せず)に伝導される。
【0045】
実施形態3によれば、実施形態1と同様な効果を奏するとともに、放熱パターン26がグランド用または信号用の配線としても機能するので、さらなる熱の伝導経路が確保され、TCP製品の放熱性をさらに向上させることができる。
【0046】
なお、実施形態3においては、放熱パターン25にグランド用または信号用の外部電極を設けていないが、放熱パターン25にグランド用または信号用の外部電極を設けて表示パネルと電気的かつ熱的に接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した平面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した部分拡大平面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した図2のX−X´間の部分拡大断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るテープキャリアパッケージにおける半導体装置の電極パターンを模式的に示した平面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した平面図である。
【図6】本発明の実施形態3に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した平面図である。
【図7】従来例に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した平面図である。
【図8】従来例に係るテープキャリアパッケージの構成を模式的に示した図7のY−Y´間の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 テープキャリアパッケージ
10 半導体装置
11 電極パターン(入力用電極パターン)
12 電極パターン(第1出力用電極パターン)
13 電極パターン(第2出力用電極パターン)
14 電極パターン(第3出力用電極パターン)
15、16、17 放熱用電極パターン
20 テープキャリア
21 リードパターン(入力用リードパターン)
22 リードパターン(第1出力用リードパターン)
23 リードパターン(第2出力用リードパターン)
24 リードパターン(第3出力用リードパターン)
21a 入力側外部電極
22a、23a、24a 出力側外部電極
25 放熱パターン(第1放熱パターン)
26 放熱パターン(第2放熱パターン)
26a 外部電極
27 放熱パターン(第3放熱パターン)
27a 外部電極
28 テープ基材
28a 空所
29 絶縁層
30 バンプ
102 半導体装置
103 テープキャリアパッケージ
105 出力リード部
106 入力リード部
107 第1の導体パターン
108 第2の導体パターン
111 フィルム層
115 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材料よりなるテープ基材上に導電材料よりなるリードパターンが形成されたテープキャリアと、
前記テープキャリア上に搭載されるとともに、前記テープ基材側の面の周縁部に信号を入出力するための電極パターンが配設された半導体装置と、
を備え、
前記半導体装置は、前記テープ基材側の面の周縁部であって前記電極パターンと抵触しない位置に放熱用電極パターンを有し、
前記リードパターンは、対応する前記半導体装置の前記電極パターンと電気的に接続し、
前記テープキャリアは、前記テープ基材上であって前記リードパターンと抵触しない位置に配設されるとともに、対応する前記半導体装置の前記放熱用電極パターンと電気的かつ熱的に接続され、かつ、導電材料よりなる放熱パターンが形成されたことを特徴とするテープキャリアパッケージ。
【請求項2】
前記テープ基材には、前記半導体装置の一部又は全体を収容するための空所が形成され、
前記リードパターンは、一方の端部が前記空所に向けて延在し、延在する前記端部にて対応する前記半導体装置の前記電極パターンと電気的に接続し、
前記放熱パターンは、端部が前記空所に向けて延在し、延在する前記端部にて対応する前記半導体装置の前記放熱用電極パターンと電気的かつ熱的に接続することを特徴とする請求項1記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項3】
前記リードパターンは、前記テープ基材の第1辺の近傍に入力用外部端子を有する入力用リードパターンと、前記テープ基材の前記第1辺の反対側の第2辺の近傍に出力用外部端子を有する出力用リードパターンと、を有することを特徴とする請求項1又は2記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項4】
前記放熱パターンと、対応する前記半導体装置の前記放熱用電極パターンとは、前記放熱用電極パターン上に形成されたバンプと前記放熱パターンとの圧着接合により電気的かつ熱的に接続されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項5】
前記バンプは、金バンプであり、
前記放熱パターンは、スズメッキされた銅基材、又は金メッキされた銅基材よりなることを特徴とする請求項4記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項6】
前記半導体装置は、前記電極パターンが配設される面が矩形状であり、
前記放熱用電極パターンは、少なくとも矩形状の角部近傍に配設されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項7】
前記電極パターンは、
前記半導体装置の第1辺の近傍に配設された入力用電極パターンと、
前記半導体装置の前記第1辺の反対側の第2辺の近傍に配設された第1出力用電極パターンと、
前記半導体装置の前記第1辺の直角方向の第3辺の近傍に配設された第2出力用電極パターンと、
を有し、
前記出力用リードパターンは、対応する前記第1出力用電極パターンと電気的に接続される第1出力用リードパターンと、対応する前記第2出力用電極パターンと電気的に接続される第2出力用リードパターンと、を有し、
前記入力用リードパターンは、対応する前記入力用電極パターンと電気的に接続されることを特徴とする請求項6記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項8】
前記放熱パターンは、前記第1出力用リードパターンと前記第2出力用リードパターンの間に配設された第1放熱パターンと、前記第2出力用リードパターンと前記入力用リードパターンの間に配設された第2放熱パターンと、を有し、
前記第1放熱パターンおよび前記第2放熱パターンは、矩形状の角部近傍に配設された対応する前記放熱用電極パターンと電気的かつ熱的に接続されることを特徴とする請求項7記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項9】
前記第1放熱パターンは、前記テープ基材の前記第2辺の近傍にグランド用外部端子または信号用外部端子を有することを特徴とする請求項7又は8記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項10】
前記第2放熱パターンは、前記テープ基材の前記第1辺または前記第2辺の近傍にグランド用外部端子または信号用外部端子を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一に記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項11】
前記電極パターンは、前記半導体装置の前記第1辺の近傍であって前記入力用電極パターンの片側又は両側に配設された第3出力用電極パターンを有し、
前記出力用リードパターンは、対応する前記第3出力用電極パターンと電気的に接続される第3出力用リードパターンを有することを特徴とする請求項7記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項12】
前記放熱用電極パターンは、前記入力用電極パターンと前記第3出力用電極パターンの間にも配設され、
前記放熱パターンは、前記第1出力用リードパターンと前記第2出力用リードパターンの間に配設された第1放熱パターンと、前記第2出力用リードパターンと前記第3出力用リードパターンの間に配設された第2放熱パターンと、前記第3出力用リードパターンと前記入力用リードパターンの間に配設された第3放熱パターンと、を有し、
前記第1放熱パターンおよび前記第2放熱パターンは、矩形状の角部近傍に配設された対応する前記放熱用電極パターンと電気的かつ熱的に接続され、
前記第3放熱パターンは、前記入力用電極パターンと前記第3出力用電極パターンの間に配設された前記放熱用電極パターンと電気的かつ熱的に接続されることを特徴とする請求項11記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項13】
前記第3放熱パターンは、前記テープ基材の前記第1辺または前記第2辺の近傍にグランド用外部端子または信号用外部端子を有することを特徴とする請求項12記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項14】
前記第1放熱パターンおよび前記第2放熱パターンの一方または両方は、前記テープ基材の前記第2辺の近傍にグランド用外部端子または信号用外部端子を有することを特徴とする請求項12又は13記載のテープキャリアパッケージ。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一に記載のテープキャリアパッケージが表示パネルに実装されたことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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