テープディスペンサ
【課題】カッタ付きのテープディスペンサにおいて、テープ切断時に、ロール上の粘着テープの残量に関わらず、粘着テープを汚損することなくロールの回転を容易かつ確実に強制停止できるようにする。
【解決手段】テープディスペンサ10は、粘着テープTのロールRを少なくとも部分的に収容するケース12と、ケース12に設けられ、ロールRから繰り出された粘着テープTを切断するカッタ14とを備える。テープディスペンサ10はさらに、ケース12に設けられ、粘着テープTのロールRの円筒状の内周面Raに対向する内周部16と、内周部16に設けられ、外力の下で変位してロールRの内周面Raに接触することにより、ケース12に対するロールRの回転を抑止する当接部18とを備える。当接部18は、内周部16の一部分として、ケース12上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持される。
【解決手段】テープディスペンサ10は、粘着テープTのロールRを少なくとも部分的に収容するケース12と、ケース12に設けられ、ロールRから繰り出された粘着テープTを切断するカッタ14とを備える。テープディスペンサ10はさらに、ケース12に設けられ、粘着テープTのロールRの円筒状の内周面Raに対向する内周部16と、内周部16に設けられ、外力の下で変位してロールRの内周面Raに接触することにより、ケース12に対するロールRの回転を抑止する当接部18とを備える。当接部18は、内周部16の一部分として、ケース12上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープのロールを少なくとも部分的に収容するケースと、ケースに設けられ、ロールから繰り出された粘着テープを切断するカッタとを備えたテープディスペンサは、種々の形態のものが知られている。例えば特許文献1は、片面に剥離紙を被着した両面粘着テ−プを、剥離紙を表側(上面)に向けた状態で巻芯に巻回してなる巻テ−プのための、切刃付きの容器を開示する。この容器は、一端に切刃が固定される底板と、底板の両側にそれぞれ折線を介して連結され、互いに平行に配置される一対の面板と、両面板の略中央にそれぞれ弧状の切線及び各切線の両端を結ぶ直線状の折線によって形成される一対の折込片と、切刃とは反対側の底板の他端に折線を介して連結される舌片と、舌片に隣接して、両面板の一側縁に折線を介して連結される一対の側板とを備える。一対の折込片は、両面板の間で底板上に置かれた巻テープの中空部に折り込まれて、巻テープを回転可能に支持する。舌片及び一対の側板は、互いに折り重ねられ、底板、面板及び折込片と協働して、巻テープの一部分を包囲する。
【0003】
また、特許文献2は、片面粘着テープをロール状に巻回してなるテープロールから、所定長さのテープを引き出して切断するための、ハンドカッターを開示する。このハンドカッターは、テープロールを回転可能に支持する円弧状のハブ部をそれぞれに有する一対の保持片と、ハブ部から離れる方向へ延びる両保持片の側壁片の上部に連結され、前端に切断刃が装着されるテープ案内部と、テープ案内部の後端からハブ部の上方に延長されるテープ押え片とを備える。両保持片のハブ部は、互いに脱離可能に組み付けられて、テープロールの円筒状コアの内周面を支持する。テープ押え片は、テープロールの外周近傍に位置するべく円弧状に形成され、テープロールに対する接離方向へ弾性変形可能となっている。テープロールからテープを引き出した状態で、テープ押え片をテープロールに向かって押圧することにより、テープ押え片の下面に設けた凸部がテープロールの外周面に当接係合してテープロールの回転を停止できる。そして、テープ押え片でテープロールの回転を停止した状態で、引き出されたテープを切断刃によって切断できる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−48553号公報
【特許文献2】特開2003−145480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のカッタ付きテープディスペンサにおいては、ロールから繰り出した粘着テープをカッタで切断するときに、ロールの回転を強制的に停止することが要求される場合がある。例えば、粘着テープの粘着面がカッタの刃に対向する使用形態では、テープ切断時に粘着面の粘着力により粘着テープがカッタ刃に付着した状態を維持できるので、ロールの回転を意図的に停止せずとも、粘着テープを容易に切断することができる。その反対に、粘着テープの非粘着面(例えば片面粘着テープの基材表面又は両面粘着テープの剥離紙表面)がカッタ刃に対向する使用形態では、テープ切断時に粘着テープに加わる引張力により非粘着面がカッタ刃上で摺動して、粘着テープを正確に切断できない状況が生じ得る。
【0006】
前述した特許文献1に開示される切刃付き容器は、一対の折込片の外側で、両面板の間に置かれた巻テープの内周面及び外周面に容易に触れることができるので、テープ切断時には、巻テープを直接に指先で押えることでその回転を強制停止することができる。しかしこの構成では、巻テープの内外周面を汚損することが懸念される。他方、前述した特許文献2に開示されるハンドカッターは、テープ押え片をテープロールの外周面に押し付けることにより、テープ切断時にテープロールの回転を強制停止できるから、テープ汚損の問題は回避できる。しかし、テープ押え片は一対の保持片に対して片持ち梁状の構造を有するので、テープの使用が進んでテープロールの外径が縮小するに従い、テープ押え片をテープロールに押し付けるために要求される力が増加し、力不足の状態ではテープロールの回転を停止できないこともある。
【0007】
本発明の目的は、カッタ付きのテープディスペンサにおいて、ロールから繰り出された粘着テープを切断する際に、ロール上の粘着テープの残量に関わらず、粘着テープを汚損することなくロールの回転を容易かつ確実に強制停止でき、使い勝手に優れたテープディスペンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、粘着テープのロールを少なくとも部分的に収容するケースと、ケースに設けられ、ロールから繰り出された粘着テープを切断するカッタとを具備するテープディスペンサにおいて、ケースに設けられ、粘着テープのロールの内周面に対向する内周部と、内周部に設けられ、外力の下で変位してロールの内周面に接触することにより、ケースに対するロールの回転を抑止する当接部と、を具備することを特徴とするテープディスペンサを提供する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のテープディスペンサにおいて、ケースは、操作者により握持されるグリップ部を備え、当接部がグリップ部に設けられる、テープディスペンサを提供する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のテープディスペンサにおいて、内周部の一部分がケース上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持され、当接部がこの一部分に設けられる、テープディスペンサを提供する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープディスペンサにおいて、ケースは、内周部に連結され、粘着テープのロールの少なくとも周方向一部分を受容する筒状空洞を内周部と協働して画定する外周部と、外周部から外方へ突設され、末端にカッタが固定的に設けられるカッタ支持部とを備え、当接部が、カッタ支持部に隣接する外周部の一領域に対向する位置で内周部に設けられる、テープディスペンサを提供する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のテープディスペンサにおいて、ケースの内周部と外周部とが、粘着テープのロールの全体を受容する環状空洞を画定する、テープディスペンサを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロールから引き出した粘着テープをカッタで切断する際に、当接部を意図的に弾性変位させて適当な押圧力下で当接部をロールの内周面に押し付けることにより、ケースに対するロールの回転を強制停止することができる。このとき、使用者の指先等がロールに直接触れないから、粘着テープを汚損する懸念は排除される。しかも、当接部は、ケースの内周部に設けられるから、粘着テープの使用が進んでロールの外径が縮小しても、内径一定のロールの内周面に当接部を押し付けるために要求される力は、実質的に変化しない。このように、テープディスペンサは、ロールから繰り出された粘着テープを切断する際に、ロール上の粘着テープの残量に関わらず、粘着テープを汚損することなくロールの回転を容易かつ確実に強制停止して粘着テープを正確に切断可能な、使い勝手に優れたものとなる。
【0014】
ケース上のグリップ部に当接部を設ければ、使用者がテープ切断時にテープディスペンサを持ち替えることなく、当接部を押圧することができる。
【0015】
また、ケース上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持される内周部の一部分に当接部を設けることで、テープディスペンサの構造を単純化することができる。
【0016】
当接部を、カッタ支持部に隣接する外周部の一領域に対向する位置で内周部に設ければ、使用者が片手で当接部に押圧力を加えながら、カッタ支持部の末端のカッタを、被着対象面に貼り付けられた粘着テープの後続部分に対し、正確に安定して切断動作させることができる。
【0017】
ケースの環状空洞にロールの全体を受容する構成とすれば、使用時だけでなく保管や運搬時にも粘着テープの汚損を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1〜図3は、本発明の一実施形態によるテープディスペンサ10を、粘着テープロールを収容していない状態で示す図、図4は、粘着テープロールを収容した状態のテープディスペンサ10を示す図である。テープディスペンサ10は、基材の片面に粘着剤層を有する片面粘着テープや、基材の両面に粘着剤層を有するとともに一方の粘着剤層に剥離紙を被着した両面粘着テ−プを、ロール状に巻回して構成される粘着テープロール(本願でロールと略称する)に対して使用されるものであり、後述するように、操作者が片手に担持した状態でロールから粘着テープを繰り出して所望長さに切断できる手持操作可能な構成を有する。
【0019】
テープディスペンサ10は、粘着テープTのロールRを少なくとも部分的に収容するケース12と、ケース12に設けられ、ロールRから繰り出された粘着テープTを切断するカッタ14とを備える。テープディスペンサ10はさらに、ケース12に設けられ、粘着テープTのロールRの円筒状の内周面Raに対向する内周部16と、内周部16に設けられ、外力の下で変位してロールRの内周面Raに接触することにより、ケース12に対するロールRの回転を抑止する当接部18とを備える。
【0020】
ケース12は、全体として、使用対象のロールRが有する環状の形状及び寸法に対応する環状の形状及び寸法を有して、ロールRの全体を実質的に包囲する容器を構成する。詳述すれば、ケース12は、所定直径を有する円環状の内周部16と、内周部よりも大きな直径を有して内周部16に実質的平行に離間対向する円環状の外周部20と、内周部16の環状の両縁と外周部20の対応の両縁との間に延設される一対の側壁部22とを備える。内周部16、外周部20及び両側壁部22は、互いに協働して、ロールRの全体を受容する環状空洞24を画定する。
【0021】
図示実施形態では、内周部16及び外周部20は、いずれも一定の幅を有して円環状に延設され、両側壁部22と共に、全体に一様な略矩形断面の環状空洞24を画定する。なお、内周部16、外周部20及び両側壁部22の形状は図示形状に限定されず、例えば平面視で多角形の輪郭を有したり、内周部16と外周部20とが互いに平行ではない形状であったりしても良い。また、環状空洞24の断面形状は、円、楕円、台形、多角形等でも良い(断面形状が円や楕円の場合は、明確に識別できる側壁部は存在しない)。
【0022】
ケース12はさらに、局所で外周部20から外方へ突設され、末端にカッタ14が固定的に設けられるカッタ支持部26と、カッタ支持部26に隣接して外周部20の局所に形成され、ロールRから繰り出した粘着テープTを環状空洞24から導出するための開口部28とを備える。カッタ支持部26は、ケース12全体の環状輪郭に視覚的に馴染む曲面輪郭を有する。開口部28は、カッタ支持部26の末端と内周部16の幾何学的中心点Pとを結ぶ線上に位置し、環状空洞24からの粘着テープTの円滑な導出を可能にする中心角αに渡って開口する(図3)。
【0023】
カッタ14は、ケース12とは別体の部材として金属薄板から所定形状に成形され、先端に鋸刃状の刃30が形成される。カッタ14は、刃30をカッタ支持部26上に露出させた状態で、カッタ支持部26の末端に設けた取付箇所32(図3)に、例えば圧入により固定的に取り付けられる。なお、別部材としてのカッタ14に代えて、カッタ支持部26の材料の一部に鋭利な突起を形成することにより、ケース12と一体のカッタ14を備える構成とすることもできる。
【0024】
当接部18は、ケース12の円環状の内周部16上で、中心角βに渡り円弧状に延びる領域に設けられる(図3)。図示実施形態では、内周部16が、その中心角βに渡る第1部分16aで、両側壁部22から分断されるとともに、中心角βの一端で内周部16の残りの第2部分16bから分断され、それにより第1部分16aが第2部分16bに片持ち梁式に弾性変形可能に支持されている。そして、内周部16の第1部分16aが、当接部18を構成している。なお、図示の構成は、円弧状に延びる内周部16の第2部分16bの周方向一端に、同様に円弧状に延びる当接部18を片持ち梁式に一体に連結した構成と見なすこともできる。
【0025】
当接部18は、テープディスペンサ10の使用者が片手でケース12を握持して、その指で当接部18を、環状空洞24内に向けて比較的軽い力で容易に撓曲できるような構造を有することが望ましい。そのような前提の下で、図示の円弧状の形状に限らず、様々な形状の当接部18を採用することができる。例えば、当接部18の当接面(すなわちロールRの内周面Raに対向する面)18aを、多様な屈曲面や凹凸面として形成することもできる。また、図示の当接部18を周方向へ延びるスリットにより複数に分断して、円弧状に延びる複数個の当接部18を設けることもできる。或いは、内周部16の第2部分16bに片持ち支持される図示の当接部18に代えて、内周部16の所望部分を周方向に分断していずれか一方の側壁部22に片持ち梁式に弾性変形可能に支持される当接部18を形成することもできる。この場合、周方向寸法の小さい(つまり細長い)当接部18を複数個隣接させて、例えばそれぞれの自由端が交互に逆向きに配置されるように形成できる。さらに、内周部16に一体に形成される当接部18に代えて、蝶番構造を介して内周部16に連結される別体の当接部18を採用することもできる。なお、ケース12上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持される内周部16の一部分に当接部18が設けられる構成とすることで、テープディスペンサ10の構造を単純化することができる。
【0026】
上記構成を有するテープディスペンサ10の使用形態の一例を、図4及び図5を参照して説明する。
まず、任意長さの粘着テープTを中空コアCに巻回してなるロールRを用意する。粘着テープTは、基材の片面に粘着剤層を有する片面粘着テープと、基材の両面に粘着剤層を有するとともに一方の粘着剤層に剥離紙を被着した両面粘着テ−プとのいずれでも良いが、ロールRは、非粘着面(片面粘着テープの基材表面又は両面粘着テープの剥離紙表面)Taを外側に向けた状態で粘着テープTを中空コアCに巻回したものである。なお、ロールRは、中空コアCを有しないコアレスロールであっても良い。
【0027】
ここでテープディスペンサ10では、テープ切断時に粘着テープTの非粘着面Taがカッタ14に対向する使用形態を、標準的な使用形態とする。例えば、粘着テープTが剥離紙を有する両面粘着テープである場合、テープ切断時には、粘着テープTの基材と剥離紙とがカッタ14により略同時に切断される。このとき、粘着テープTの粘着剤層がカッタ14に対向するように配置すると、一般的な両面粘着テープの基材である不織布の繊維が、切断を繰り返すうちにカッタ14の刃30(図1)に詰まり、カッタ14の切断機能を劣化させる傾向がある。したがって、粘着テープTが両面粘着テープである場合には、テープ切断時に非粘着面Taである剥離紙表面がカッタ14に対向する使用形態を一般に採用する。他方、粘着テープTが片面粘着テープである場合、テープディスペンサ10は、上記標準使用形態に限らず、テープ切断時に粘着面をカッタ14に対向させるようにして使用することもできる。
【0028】
上記したロールRを、上記標準使用形態に適合した向きに配置して、中空コアCの内側に内周部16が挿入されるように、ケース12の環状空洞24に収容する(図4)。ロールRをケース12の環状空洞24に適正に収容すると、ロールRの全体が、ケース12の内周部16、当接部18、外周部20及び両側壁部22によって実質的に包囲される。また、ロール収容時には、テープ繰り出し時のケース12内でのロールRの円滑な回転を妨げないように、中空コアCの円筒状内周面(つまりロールRの内周面Ra)と環状空洞24側の内周部16の円筒状表面16c(図3)とは、互いに密着しないことが望ましい。図示実施形態では、ロール内周面Raと内周部表面16cとの間に適当な隙間を確保するための、複数の突起34が、内周部16の表面16c(及び当接部18の当接面18a)に形成されている。
【0029】
ケース12に収容されたロールRから繰り出された粘着テープTは、その前縁から開口部28を通してケース外部に引き出される。そして、所要長さの粘着テープTを引き出した後、カッタ14で粘着テープTを切断する。テープ切断時には、粘着テープTの非粘着面Taがカッタ14に対向しているから、粘着テープTに加わる引張力により非粘着面Taがカッタ14の刃30上で摺動して、粘着テープTを正確に切断できない状況が生じ得る。
【0030】
そこで、使用者は、例えば指で当接部18を環状空洞24内に向けて押し込んで弾性変位させ、適当な押圧力下で、当接部18の当接面18aをロールRの内周面Raに押し付ける(図5)。このとき、当接部18とは反対側で、内周部16の第2部分16bがその表面16cでロールRの内周面Raに密接することにより、環状空洞24内でのロールRの径方向移動が実質的に阻止される。その結果、当接部18は、圧力下でロール内周面Raに安定して接触し、テープ切断時に粘着テープTに加わる引張力に抗して、ケース12内でのロールRの回転を効果的に抑止する。このようにしてロールRの回転を強制停止した状態で、カッタ14により粘着テープTを正確に切断することができる。
【0031】
上記したように、テープディスペンサ10によれば、ケース12の内周部16に、外力により変位してロールRの内周面Raに接触可能な当接部18を設けたから、ロールRから引き出した粘着テープTをカッタ14で切断する際に、当接部18を意図的に弾性変位させて適当な押圧力下で当接部18をロールRの内周面Raに押し付けることにより、ケース12に対するロールRの回転を強制停止することができる。このとき、使用者の指先等がロールRに直接触れないから、粘着テープTを汚損する懸念は排除される。しかも、当接部18は、ケース12の内周部16に設けられるから、粘着テープTの使用が進んでロールRの外径が縮小しても、内径一定のロールRの内周面Raに当接部18を押し付けるために要求される力は、実質的に変化しない。このように、テープディスペンサ10は、ロールRから繰り出された粘着テープTを切断する際に、ロールR上の粘着テープTの残量に関わらず、粘着テープTを汚損することなくロールRの回転を容易かつ確実に強制停止して粘着テープTを正確に切断可能な、使い勝手に優れたものである。
【0032】
上記構成を有するテープディスペンサ10では、当接部18をロールRの内周面Raに押し付けたときに、当接部18とは反対側で内周部16の第2部分16bがロール内周面Raに密接することで、ロールRの径方向移動を実質的に阻止している。内周部16の第2部分16bは、少なくともこのようなロール移動阻止機能を発揮できるものであれば良く、したがって第2部分16bを、周方向に離間配置される複数の円弧状切片から形成することもできる。
【0033】
テープディスペンサ10の典型的な使用形態では、使用者は、一方の手でケース12の適当な部分を握持しながら、他方の手で開口部28から粘着テープTの前縁を引き出し、押圧力下で当接部18をロール内周面Raに押し付けた状態で、粘着テープTの非粘着面Taをカッタ14の刃30に押し当てて粘着テープTを切断する。そこで、通常の使用状況で使用者が慣例的に握持するケース12上の領域をグリップ部36(図2、図5)とし、このグリップ部36に当接部18を設ければ、使用者がテープ切断時にテープディスペンサ10を持ち替える必要が無くなる点で有利である。なおこの場合、グリップ部36に、他の部分から容易に識別可能な意匠上又は構造上の工夫(凹凸表面、ゴムカバー、文字表示等)を施すことができる。
【0034】
テープディスペンサ10の他の典型的な使用形態では、使用者は、一方の手でケース12の適当な部分(例えばグリップ部36)を握持しながら、他方の手で開口部28から引き出した粘着テープTの前縁を図示しない被着対象面に貼り付けた後、ケース12を握持した手でケース12を移動させることにより、所要長さの粘着テープTを自動的に引き出しながら被着対象面に貼り付ける。そして、ケース12を片手で適当に操作して、当接部18に押圧力を加えながら、カッタ14により粘着テープTを切断する。このような使用形態を考慮すれば、図示実施形態のように、当接部18を、カッタ支持部26に隣接するケース外周部20の一領域に対向する位置で内周部16に設けることが有利である。この構成によれば、使用者が片手で当接部18に押圧力を加えながら、カッタ支持部26の末端のカッタ14を、被着対象面に貼り付けられた粘着テープTの後続部分に対し、正確に安定して切断動作させることができる。
【0035】
テープディスペンサ10の上記した標準使用形態では、切断後の粘着テープTの未使用部分は、カッタ14の刃30に粘着保持されることなく浮遊状態に置かれるので、意図せずケース12内のロールRに巻戻されることが危惧される。そこで、ケース12の外周部20には、開口部28を挟んでカッタ支持部26に対向する位置に、外方へ局所的に隆起する仮留部分38を設けることができる(図1)。この構成により、切断後の粘着テープTの未使用部分は、その前縁を仮留部分38に一時的に粘着させておくことで、ケース12内のロールRに巻戻されないようになる。
【0036】
テープディスペンサ10は、環状空洞24に対するロールRの供給及び使用済みコアCの除去を、容易かつ迅速に行える構成とすることが望ましい。例えば図6〜図9に示すように、ケース12は、内周部16、当接部18、外周部20の主要部分及び一方の側壁部22を含む第1部材40と、外周部20の一部分及び他方の側壁部22を含む第2部材42との組み合わせにより構成できる。第1部材40と第2部材42とは、カッタ支持部26とは反対側で外周部20の所定位置に設けられる連結部44を介して、相互に回転可能に連結される。連結部44には、第1及び第2部材40、42の相対回転中心となる軸46が設けられる(図3)。軸46は例えば、第1及び第2部材40、42とは別部材として設けられて、第1及び第2部材40、42の連結部44の受容孔44aに嵌入される。或いは、第1及び第2部材40、42のいずれか一方の連結部44に一体に軸46を設け、他方の連結部44の受容孔44aに嵌入する構成とすることもできる。
【0037】
ケース12は、連結部44を中心として第1及び第2部材40、42を相対回転させるだけの単純操作により、環状空洞24をケース外部空間に対して選択的に開放及び閉鎖することができる。このとき、第1部材40と第2部材42とを完全に分離させること無く、環状空洞24の全体を露出させることができるので、環状空洞24に対するロールRの供給及び使用済みコアCの除去を容易かつ迅速に行えるとともに、第1部材40と第2部材42とを適正な組立位置に容易かつ迅速に移動させて環状空洞24を閉鎖することができる。
【0038】
第1部材40の外周部20には、当接部18に対向する位置に、外周部20の一部分を切除した形態の切欠部分48が形成される。他方、第2部材42には、切欠部分48に対応する位置に、切欠部分48の輪郭に合致する輪郭を有する蓋部分50が形成される。第1部材40と第2部材42とが適正な組立位置にあるとき(すなわち環状空洞24が閉鎖されているとき)に、切欠部分48と蓋部分50とは互いに相補的に嵌合して、ケース12の外周部20を構成する(図3)。切欠部分48には、連結部44から遠い方の縁部に沿って、環状空洞24内に突出する肩面52が形成される。他方、蓋部分50には、連結部44から遠い方の縁部に沿って、肩面52に係合可能な爪54が突設される。第1部材40と第2部材42とが適正な組立位置にあるときに、蓋部分50に設けた爪54は、それ自体の弾性変形の下で、切欠部分48に設けた肩面52にスナップ式に係合して、第1及び第2部材40、42を組立位置に係止保持する。環状空洞24を開放するときには、蓋部分50が切欠部分48から上方へ分離される方向(図3で時計方向)に第1及び第2部材40、42を相対回転させて、爪54を弾性変形させながら肩面52から脱離する。
【0039】
上記したテープディスペンサ10は、前述した標準使用形態を前提として、使用者が慣例的に握持するケース12上の領域をグリップ部36とし、このグリップ部36に当接部18を設けている。これに対し、テープディスペンサ10の使用形態を特定しない場合は、使用者がケース12の任意の領域を握持した状態で当接部18を押圧操作できるようにすることが有利である。その観点で、当接部18(すなわち内周部16の第1部分16a)の周方向寸法を可及的に増加させ(すなわち第2部分16bの周方向寸法を可及的に減少させ)たり、或いは図10に変形例として示すように、ケース12の内周部16の複数個所に当接部18を設けたりすることができる。
【0040】
上記したテープディスペンサ10は、ケース12の環状空洞24にロールRの全体を受容する構成を有するから、使用時だけでなく保管や運搬時にも粘着テープTの汚損を防止できるものである。これに対し、使用時(或いはテープ切断時)のテープ汚損防止機能のみを有すれば良い場合には、ケース12がロールRの全体を受容する構成とする必要は無い。その観点で、図11に他の変形例として示すように、ケース12は、ロールRの少なくとも周方向一部分を受容する筒状空洞56を有する構成とすることができる。
【0041】
上記したテープディスペンサ10は、使用時にケース12が、当接部18以外の部分では使用者の力によって容易には変形しない程度の剛性を有することが望ましい。この観点で、ケース12は、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂、AES樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)等のプラスチック材料や、ある程度のばね性を有する金属材料から作製できる。或いはケース12を、厚紙や木材等から形成することもできる。またケース12は、環状空洞24及び筒状空洞56のいずれを有する場合にも、全体に中実の素材から形成したり、網状、格子状等の空隙を有する素材から形成したりすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態によるテープディスペンサを、ロールを収容していない状態で示す斜視図である。
【図2】図1のテープディスペンサの平面図である。
【図3】図1のテープディスペンサの断面図である。
【図4】図1のテープディスペンサを、ロールを収容している状態で示す斜視図である。
【図5】図1のテープディスペンサの使用形態を概略で示す斜視図である。
【図6】図1のテープディスペンサの一構成部品の平面図で、(a)外面を示す図、及び(b)内面を示す図である。
【図7】図6の構成部品の、(a)矢印VIIから見た正面図、及び(b)線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】図1のテープディスペンサの他の構成部品の平面図で、(a)外面を示す図、及び(b)内面を示す図である。
【図9】図8の構成部品の、(a)矢印IXから見た正面図、及び(b)線IX−IXに沿った断面図である。
【図10】変形例によるテープディスペンサの斜視図である。
【図11】他の変形例によるテープディスペンサの斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
10 テープディスペンサ
12 ケース
14 カッタ
16 内周部
18 当接部
20 外周部
24 環状空洞
26 カッタ支持部
28 開口部
30 刃
36 グリップ部
40 第1部材
42 第2部材
44 連結部
46 軸
56 筒状空洞
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着テープのロールを少なくとも部分的に収容するケースと、ケースに設けられ、ロールから繰り出された粘着テープを切断するカッタとを備えたテープディスペンサは、種々の形態のものが知られている。例えば特許文献1は、片面に剥離紙を被着した両面粘着テ−プを、剥離紙を表側(上面)に向けた状態で巻芯に巻回してなる巻テ−プのための、切刃付きの容器を開示する。この容器は、一端に切刃が固定される底板と、底板の両側にそれぞれ折線を介して連結され、互いに平行に配置される一対の面板と、両面板の略中央にそれぞれ弧状の切線及び各切線の両端を結ぶ直線状の折線によって形成される一対の折込片と、切刃とは反対側の底板の他端に折線を介して連結される舌片と、舌片に隣接して、両面板の一側縁に折線を介して連結される一対の側板とを備える。一対の折込片は、両面板の間で底板上に置かれた巻テープの中空部に折り込まれて、巻テープを回転可能に支持する。舌片及び一対の側板は、互いに折り重ねられ、底板、面板及び折込片と協働して、巻テープの一部分を包囲する。
【0003】
また、特許文献2は、片面粘着テープをロール状に巻回してなるテープロールから、所定長さのテープを引き出して切断するための、ハンドカッターを開示する。このハンドカッターは、テープロールを回転可能に支持する円弧状のハブ部をそれぞれに有する一対の保持片と、ハブ部から離れる方向へ延びる両保持片の側壁片の上部に連結され、前端に切断刃が装着されるテープ案内部と、テープ案内部の後端からハブ部の上方に延長されるテープ押え片とを備える。両保持片のハブ部は、互いに脱離可能に組み付けられて、テープロールの円筒状コアの内周面を支持する。テープ押え片は、テープロールの外周近傍に位置するべく円弧状に形成され、テープロールに対する接離方向へ弾性変形可能となっている。テープロールからテープを引き出した状態で、テープ押え片をテープロールに向かって押圧することにより、テープ押え片の下面に設けた凸部がテープロールの外周面に当接係合してテープロールの回転を停止できる。そして、テープ押え片でテープロールの回転を停止した状態で、引き出されたテープを切断刃によって切断できる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−48553号公報
【特許文献2】特開2003−145480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のカッタ付きテープディスペンサにおいては、ロールから繰り出した粘着テープをカッタで切断するときに、ロールの回転を強制的に停止することが要求される場合がある。例えば、粘着テープの粘着面がカッタの刃に対向する使用形態では、テープ切断時に粘着面の粘着力により粘着テープがカッタ刃に付着した状態を維持できるので、ロールの回転を意図的に停止せずとも、粘着テープを容易に切断することができる。その反対に、粘着テープの非粘着面(例えば片面粘着テープの基材表面又は両面粘着テープの剥離紙表面)がカッタ刃に対向する使用形態では、テープ切断時に粘着テープに加わる引張力により非粘着面がカッタ刃上で摺動して、粘着テープを正確に切断できない状況が生じ得る。
【0006】
前述した特許文献1に開示される切刃付き容器は、一対の折込片の外側で、両面板の間に置かれた巻テープの内周面及び外周面に容易に触れることができるので、テープ切断時には、巻テープを直接に指先で押えることでその回転を強制停止することができる。しかしこの構成では、巻テープの内外周面を汚損することが懸念される。他方、前述した特許文献2に開示されるハンドカッターは、テープ押え片をテープロールの外周面に押し付けることにより、テープ切断時にテープロールの回転を強制停止できるから、テープ汚損の問題は回避できる。しかし、テープ押え片は一対の保持片に対して片持ち梁状の構造を有するので、テープの使用が進んでテープロールの外径が縮小するに従い、テープ押え片をテープロールに押し付けるために要求される力が増加し、力不足の状態ではテープロールの回転を停止できないこともある。
【0007】
本発明の目的は、カッタ付きのテープディスペンサにおいて、ロールから繰り出された粘着テープを切断する際に、ロール上の粘着テープの残量に関わらず、粘着テープを汚損することなくロールの回転を容易かつ確実に強制停止でき、使い勝手に優れたテープディスペンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、粘着テープのロールを少なくとも部分的に収容するケースと、ケースに設けられ、ロールから繰り出された粘着テープを切断するカッタとを具備するテープディスペンサにおいて、ケースに設けられ、粘着テープのロールの内周面に対向する内周部と、内周部に設けられ、外力の下で変位してロールの内周面に接触することにより、ケースに対するロールの回転を抑止する当接部と、を具備することを特徴とするテープディスペンサを提供する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のテープディスペンサにおいて、ケースは、操作者により握持されるグリップ部を備え、当接部がグリップ部に設けられる、テープディスペンサを提供する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のテープディスペンサにおいて、内周部の一部分がケース上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持され、当接部がこの一部分に設けられる、テープディスペンサを提供する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープディスペンサにおいて、ケースは、内周部に連結され、粘着テープのロールの少なくとも周方向一部分を受容する筒状空洞を内周部と協働して画定する外周部と、外周部から外方へ突設され、末端にカッタが固定的に設けられるカッタ支持部とを備え、当接部が、カッタ支持部に隣接する外周部の一領域に対向する位置で内周部に設けられる、テープディスペンサを提供する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のテープディスペンサにおいて、ケースの内周部と外周部とが、粘着テープのロールの全体を受容する環状空洞を画定する、テープディスペンサを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロールから引き出した粘着テープをカッタで切断する際に、当接部を意図的に弾性変位させて適当な押圧力下で当接部をロールの内周面に押し付けることにより、ケースに対するロールの回転を強制停止することができる。このとき、使用者の指先等がロールに直接触れないから、粘着テープを汚損する懸念は排除される。しかも、当接部は、ケースの内周部に設けられるから、粘着テープの使用が進んでロールの外径が縮小しても、内径一定のロールの内周面に当接部を押し付けるために要求される力は、実質的に変化しない。このように、テープディスペンサは、ロールから繰り出された粘着テープを切断する際に、ロール上の粘着テープの残量に関わらず、粘着テープを汚損することなくロールの回転を容易かつ確実に強制停止して粘着テープを正確に切断可能な、使い勝手に優れたものとなる。
【0014】
ケース上のグリップ部に当接部を設ければ、使用者がテープ切断時にテープディスペンサを持ち替えることなく、当接部を押圧することができる。
【0015】
また、ケース上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持される内周部の一部分に当接部を設けることで、テープディスペンサの構造を単純化することができる。
【0016】
当接部を、カッタ支持部に隣接する外周部の一領域に対向する位置で内周部に設ければ、使用者が片手で当接部に押圧力を加えながら、カッタ支持部の末端のカッタを、被着対象面に貼り付けられた粘着テープの後続部分に対し、正確に安定して切断動作させることができる。
【0017】
ケースの環状空洞にロールの全体を受容する構成とすれば、使用時だけでなく保管や運搬時にも粘着テープの汚損を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1〜図3は、本発明の一実施形態によるテープディスペンサ10を、粘着テープロールを収容していない状態で示す図、図4は、粘着テープロールを収容した状態のテープディスペンサ10を示す図である。テープディスペンサ10は、基材の片面に粘着剤層を有する片面粘着テープや、基材の両面に粘着剤層を有するとともに一方の粘着剤層に剥離紙を被着した両面粘着テ−プを、ロール状に巻回して構成される粘着テープロール(本願でロールと略称する)に対して使用されるものであり、後述するように、操作者が片手に担持した状態でロールから粘着テープを繰り出して所望長さに切断できる手持操作可能な構成を有する。
【0019】
テープディスペンサ10は、粘着テープTのロールRを少なくとも部分的に収容するケース12と、ケース12に設けられ、ロールRから繰り出された粘着テープTを切断するカッタ14とを備える。テープディスペンサ10はさらに、ケース12に設けられ、粘着テープTのロールRの円筒状の内周面Raに対向する内周部16と、内周部16に設けられ、外力の下で変位してロールRの内周面Raに接触することにより、ケース12に対するロールRの回転を抑止する当接部18とを備える。
【0020】
ケース12は、全体として、使用対象のロールRが有する環状の形状及び寸法に対応する環状の形状及び寸法を有して、ロールRの全体を実質的に包囲する容器を構成する。詳述すれば、ケース12は、所定直径を有する円環状の内周部16と、内周部よりも大きな直径を有して内周部16に実質的平行に離間対向する円環状の外周部20と、内周部16の環状の両縁と外周部20の対応の両縁との間に延設される一対の側壁部22とを備える。内周部16、外周部20及び両側壁部22は、互いに協働して、ロールRの全体を受容する環状空洞24を画定する。
【0021】
図示実施形態では、内周部16及び外周部20は、いずれも一定の幅を有して円環状に延設され、両側壁部22と共に、全体に一様な略矩形断面の環状空洞24を画定する。なお、内周部16、外周部20及び両側壁部22の形状は図示形状に限定されず、例えば平面視で多角形の輪郭を有したり、内周部16と外周部20とが互いに平行ではない形状であったりしても良い。また、環状空洞24の断面形状は、円、楕円、台形、多角形等でも良い(断面形状が円や楕円の場合は、明確に識別できる側壁部は存在しない)。
【0022】
ケース12はさらに、局所で外周部20から外方へ突設され、末端にカッタ14が固定的に設けられるカッタ支持部26と、カッタ支持部26に隣接して外周部20の局所に形成され、ロールRから繰り出した粘着テープTを環状空洞24から導出するための開口部28とを備える。カッタ支持部26は、ケース12全体の環状輪郭に視覚的に馴染む曲面輪郭を有する。開口部28は、カッタ支持部26の末端と内周部16の幾何学的中心点Pとを結ぶ線上に位置し、環状空洞24からの粘着テープTの円滑な導出を可能にする中心角αに渡って開口する(図3)。
【0023】
カッタ14は、ケース12とは別体の部材として金属薄板から所定形状に成形され、先端に鋸刃状の刃30が形成される。カッタ14は、刃30をカッタ支持部26上に露出させた状態で、カッタ支持部26の末端に設けた取付箇所32(図3)に、例えば圧入により固定的に取り付けられる。なお、別部材としてのカッタ14に代えて、カッタ支持部26の材料の一部に鋭利な突起を形成することにより、ケース12と一体のカッタ14を備える構成とすることもできる。
【0024】
当接部18は、ケース12の円環状の内周部16上で、中心角βに渡り円弧状に延びる領域に設けられる(図3)。図示実施形態では、内周部16が、その中心角βに渡る第1部分16aで、両側壁部22から分断されるとともに、中心角βの一端で内周部16の残りの第2部分16bから分断され、それにより第1部分16aが第2部分16bに片持ち梁式に弾性変形可能に支持されている。そして、内周部16の第1部分16aが、当接部18を構成している。なお、図示の構成は、円弧状に延びる内周部16の第2部分16bの周方向一端に、同様に円弧状に延びる当接部18を片持ち梁式に一体に連結した構成と見なすこともできる。
【0025】
当接部18は、テープディスペンサ10の使用者が片手でケース12を握持して、その指で当接部18を、環状空洞24内に向けて比較的軽い力で容易に撓曲できるような構造を有することが望ましい。そのような前提の下で、図示の円弧状の形状に限らず、様々な形状の当接部18を採用することができる。例えば、当接部18の当接面(すなわちロールRの内周面Raに対向する面)18aを、多様な屈曲面や凹凸面として形成することもできる。また、図示の当接部18を周方向へ延びるスリットにより複数に分断して、円弧状に延びる複数個の当接部18を設けることもできる。或いは、内周部16の第2部分16bに片持ち支持される図示の当接部18に代えて、内周部16の所望部分を周方向に分断していずれか一方の側壁部22に片持ち梁式に弾性変形可能に支持される当接部18を形成することもできる。この場合、周方向寸法の小さい(つまり細長い)当接部18を複数個隣接させて、例えばそれぞれの自由端が交互に逆向きに配置されるように形成できる。さらに、内周部16に一体に形成される当接部18に代えて、蝶番構造を介して内周部16に連結される別体の当接部18を採用することもできる。なお、ケース12上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持される内周部16の一部分に当接部18が設けられる構成とすることで、テープディスペンサ10の構造を単純化することができる。
【0026】
上記構成を有するテープディスペンサ10の使用形態の一例を、図4及び図5を参照して説明する。
まず、任意長さの粘着テープTを中空コアCに巻回してなるロールRを用意する。粘着テープTは、基材の片面に粘着剤層を有する片面粘着テープと、基材の両面に粘着剤層を有するとともに一方の粘着剤層に剥離紙を被着した両面粘着テ−プとのいずれでも良いが、ロールRは、非粘着面(片面粘着テープの基材表面又は両面粘着テープの剥離紙表面)Taを外側に向けた状態で粘着テープTを中空コアCに巻回したものである。なお、ロールRは、中空コアCを有しないコアレスロールであっても良い。
【0027】
ここでテープディスペンサ10では、テープ切断時に粘着テープTの非粘着面Taがカッタ14に対向する使用形態を、標準的な使用形態とする。例えば、粘着テープTが剥離紙を有する両面粘着テープである場合、テープ切断時には、粘着テープTの基材と剥離紙とがカッタ14により略同時に切断される。このとき、粘着テープTの粘着剤層がカッタ14に対向するように配置すると、一般的な両面粘着テープの基材である不織布の繊維が、切断を繰り返すうちにカッタ14の刃30(図1)に詰まり、カッタ14の切断機能を劣化させる傾向がある。したがって、粘着テープTが両面粘着テープである場合には、テープ切断時に非粘着面Taである剥離紙表面がカッタ14に対向する使用形態を一般に採用する。他方、粘着テープTが片面粘着テープである場合、テープディスペンサ10は、上記標準使用形態に限らず、テープ切断時に粘着面をカッタ14に対向させるようにして使用することもできる。
【0028】
上記したロールRを、上記標準使用形態に適合した向きに配置して、中空コアCの内側に内周部16が挿入されるように、ケース12の環状空洞24に収容する(図4)。ロールRをケース12の環状空洞24に適正に収容すると、ロールRの全体が、ケース12の内周部16、当接部18、外周部20及び両側壁部22によって実質的に包囲される。また、ロール収容時には、テープ繰り出し時のケース12内でのロールRの円滑な回転を妨げないように、中空コアCの円筒状内周面(つまりロールRの内周面Ra)と環状空洞24側の内周部16の円筒状表面16c(図3)とは、互いに密着しないことが望ましい。図示実施形態では、ロール内周面Raと内周部表面16cとの間に適当な隙間を確保するための、複数の突起34が、内周部16の表面16c(及び当接部18の当接面18a)に形成されている。
【0029】
ケース12に収容されたロールRから繰り出された粘着テープTは、その前縁から開口部28を通してケース外部に引き出される。そして、所要長さの粘着テープTを引き出した後、カッタ14で粘着テープTを切断する。テープ切断時には、粘着テープTの非粘着面Taがカッタ14に対向しているから、粘着テープTに加わる引張力により非粘着面Taがカッタ14の刃30上で摺動して、粘着テープTを正確に切断できない状況が生じ得る。
【0030】
そこで、使用者は、例えば指で当接部18を環状空洞24内に向けて押し込んで弾性変位させ、適当な押圧力下で、当接部18の当接面18aをロールRの内周面Raに押し付ける(図5)。このとき、当接部18とは反対側で、内周部16の第2部分16bがその表面16cでロールRの内周面Raに密接することにより、環状空洞24内でのロールRの径方向移動が実質的に阻止される。その結果、当接部18は、圧力下でロール内周面Raに安定して接触し、テープ切断時に粘着テープTに加わる引張力に抗して、ケース12内でのロールRの回転を効果的に抑止する。このようにしてロールRの回転を強制停止した状態で、カッタ14により粘着テープTを正確に切断することができる。
【0031】
上記したように、テープディスペンサ10によれば、ケース12の内周部16に、外力により変位してロールRの内周面Raに接触可能な当接部18を設けたから、ロールRから引き出した粘着テープTをカッタ14で切断する際に、当接部18を意図的に弾性変位させて適当な押圧力下で当接部18をロールRの内周面Raに押し付けることにより、ケース12に対するロールRの回転を強制停止することができる。このとき、使用者の指先等がロールRに直接触れないから、粘着テープTを汚損する懸念は排除される。しかも、当接部18は、ケース12の内周部16に設けられるから、粘着テープTの使用が進んでロールRの外径が縮小しても、内径一定のロールRの内周面Raに当接部18を押し付けるために要求される力は、実質的に変化しない。このように、テープディスペンサ10は、ロールRから繰り出された粘着テープTを切断する際に、ロールR上の粘着テープTの残量に関わらず、粘着テープTを汚損することなくロールRの回転を容易かつ確実に強制停止して粘着テープTを正確に切断可能な、使い勝手に優れたものである。
【0032】
上記構成を有するテープディスペンサ10では、当接部18をロールRの内周面Raに押し付けたときに、当接部18とは反対側で内周部16の第2部分16bがロール内周面Raに密接することで、ロールRの径方向移動を実質的に阻止している。内周部16の第2部分16bは、少なくともこのようなロール移動阻止機能を発揮できるものであれば良く、したがって第2部分16bを、周方向に離間配置される複数の円弧状切片から形成することもできる。
【0033】
テープディスペンサ10の典型的な使用形態では、使用者は、一方の手でケース12の適当な部分を握持しながら、他方の手で開口部28から粘着テープTの前縁を引き出し、押圧力下で当接部18をロール内周面Raに押し付けた状態で、粘着テープTの非粘着面Taをカッタ14の刃30に押し当てて粘着テープTを切断する。そこで、通常の使用状況で使用者が慣例的に握持するケース12上の領域をグリップ部36(図2、図5)とし、このグリップ部36に当接部18を設ければ、使用者がテープ切断時にテープディスペンサ10を持ち替える必要が無くなる点で有利である。なおこの場合、グリップ部36に、他の部分から容易に識別可能な意匠上又は構造上の工夫(凹凸表面、ゴムカバー、文字表示等)を施すことができる。
【0034】
テープディスペンサ10の他の典型的な使用形態では、使用者は、一方の手でケース12の適当な部分(例えばグリップ部36)を握持しながら、他方の手で開口部28から引き出した粘着テープTの前縁を図示しない被着対象面に貼り付けた後、ケース12を握持した手でケース12を移動させることにより、所要長さの粘着テープTを自動的に引き出しながら被着対象面に貼り付ける。そして、ケース12を片手で適当に操作して、当接部18に押圧力を加えながら、カッタ14により粘着テープTを切断する。このような使用形態を考慮すれば、図示実施形態のように、当接部18を、カッタ支持部26に隣接するケース外周部20の一領域に対向する位置で内周部16に設けることが有利である。この構成によれば、使用者が片手で当接部18に押圧力を加えながら、カッタ支持部26の末端のカッタ14を、被着対象面に貼り付けられた粘着テープTの後続部分に対し、正確に安定して切断動作させることができる。
【0035】
テープディスペンサ10の上記した標準使用形態では、切断後の粘着テープTの未使用部分は、カッタ14の刃30に粘着保持されることなく浮遊状態に置かれるので、意図せずケース12内のロールRに巻戻されることが危惧される。そこで、ケース12の外周部20には、開口部28を挟んでカッタ支持部26に対向する位置に、外方へ局所的に隆起する仮留部分38を設けることができる(図1)。この構成により、切断後の粘着テープTの未使用部分は、その前縁を仮留部分38に一時的に粘着させておくことで、ケース12内のロールRに巻戻されないようになる。
【0036】
テープディスペンサ10は、環状空洞24に対するロールRの供給及び使用済みコアCの除去を、容易かつ迅速に行える構成とすることが望ましい。例えば図6〜図9に示すように、ケース12は、内周部16、当接部18、外周部20の主要部分及び一方の側壁部22を含む第1部材40と、外周部20の一部分及び他方の側壁部22を含む第2部材42との組み合わせにより構成できる。第1部材40と第2部材42とは、カッタ支持部26とは反対側で外周部20の所定位置に設けられる連結部44を介して、相互に回転可能に連結される。連結部44には、第1及び第2部材40、42の相対回転中心となる軸46が設けられる(図3)。軸46は例えば、第1及び第2部材40、42とは別部材として設けられて、第1及び第2部材40、42の連結部44の受容孔44aに嵌入される。或いは、第1及び第2部材40、42のいずれか一方の連結部44に一体に軸46を設け、他方の連結部44の受容孔44aに嵌入する構成とすることもできる。
【0037】
ケース12は、連結部44を中心として第1及び第2部材40、42を相対回転させるだけの単純操作により、環状空洞24をケース外部空間に対して選択的に開放及び閉鎖することができる。このとき、第1部材40と第2部材42とを完全に分離させること無く、環状空洞24の全体を露出させることができるので、環状空洞24に対するロールRの供給及び使用済みコアCの除去を容易かつ迅速に行えるとともに、第1部材40と第2部材42とを適正な組立位置に容易かつ迅速に移動させて環状空洞24を閉鎖することができる。
【0038】
第1部材40の外周部20には、当接部18に対向する位置に、外周部20の一部分を切除した形態の切欠部分48が形成される。他方、第2部材42には、切欠部分48に対応する位置に、切欠部分48の輪郭に合致する輪郭を有する蓋部分50が形成される。第1部材40と第2部材42とが適正な組立位置にあるとき(すなわち環状空洞24が閉鎖されているとき)に、切欠部分48と蓋部分50とは互いに相補的に嵌合して、ケース12の外周部20を構成する(図3)。切欠部分48には、連結部44から遠い方の縁部に沿って、環状空洞24内に突出する肩面52が形成される。他方、蓋部分50には、連結部44から遠い方の縁部に沿って、肩面52に係合可能な爪54が突設される。第1部材40と第2部材42とが適正な組立位置にあるときに、蓋部分50に設けた爪54は、それ自体の弾性変形の下で、切欠部分48に設けた肩面52にスナップ式に係合して、第1及び第2部材40、42を組立位置に係止保持する。環状空洞24を開放するときには、蓋部分50が切欠部分48から上方へ分離される方向(図3で時計方向)に第1及び第2部材40、42を相対回転させて、爪54を弾性変形させながら肩面52から脱離する。
【0039】
上記したテープディスペンサ10は、前述した標準使用形態を前提として、使用者が慣例的に握持するケース12上の領域をグリップ部36とし、このグリップ部36に当接部18を設けている。これに対し、テープディスペンサ10の使用形態を特定しない場合は、使用者がケース12の任意の領域を握持した状態で当接部18を押圧操作できるようにすることが有利である。その観点で、当接部18(すなわち内周部16の第1部分16a)の周方向寸法を可及的に増加させ(すなわち第2部分16bの周方向寸法を可及的に減少させ)たり、或いは図10に変形例として示すように、ケース12の内周部16の複数個所に当接部18を設けたりすることができる。
【0040】
上記したテープディスペンサ10は、ケース12の環状空洞24にロールRの全体を受容する構成を有するから、使用時だけでなく保管や運搬時にも粘着テープTの汚損を防止できるものである。これに対し、使用時(或いはテープ切断時)のテープ汚損防止機能のみを有すれば良い場合には、ケース12がロールRの全体を受容する構成とする必要は無い。その観点で、図11に他の変形例として示すように、ケース12は、ロールRの少なくとも周方向一部分を受容する筒状空洞56を有する構成とすることができる。
【0041】
上記したテープディスペンサ10は、使用時にケース12が、当接部18以外の部分では使用者の力によって容易には変形しない程度の剛性を有することが望ましい。この観点で、ケース12は、ポリスチレン(PS)、ABS樹脂、AES樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)等のプラスチック材料や、ある程度のばね性を有する金属材料から作製できる。或いはケース12を、厚紙や木材等から形成することもできる。またケース12は、環状空洞24及び筒状空洞56のいずれを有する場合にも、全体に中実の素材から形成したり、網状、格子状等の空隙を有する素材から形成したりすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態によるテープディスペンサを、ロールを収容していない状態で示す斜視図である。
【図2】図1のテープディスペンサの平面図である。
【図3】図1のテープディスペンサの断面図である。
【図4】図1のテープディスペンサを、ロールを収容している状態で示す斜視図である。
【図5】図1のテープディスペンサの使用形態を概略で示す斜視図である。
【図6】図1のテープディスペンサの一構成部品の平面図で、(a)外面を示す図、及び(b)内面を示す図である。
【図7】図6の構成部品の、(a)矢印VIIから見た正面図、及び(b)線VII−VIIに沿った断面図である。
【図8】図1のテープディスペンサの他の構成部品の平面図で、(a)外面を示す図、及び(b)内面を示す図である。
【図9】図8の構成部品の、(a)矢印IXから見た正面図、及び(b)線IX−IXに沿った断面図である。
【図10】変形例によるテープディスペンサの斜視図である。
【図11】他の変形例によるテープディスペンサの斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
10 テープディスペンサ
12 ケース
14 カッタ
16 内周部
18 当接部
20 外周部
24 環状空洞
26 カッタ支持部
28 開口部
30 刃
36 グリップ部
40 第1部材
42 第2部材
44 連結部
46 軸
56 筒状空洞
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着テープのロールを少なくとも部分的に収容するケースと、該ケースに設けられ、ロールから繰り出された粘着テープを切断するカッタとを具備するテープディスペンサにおいて、
前記ケースに設けられ、粘着テープのロールの内周面に対向する内周部と、
前記内周部に設けられ、外力の下で変位してロールの内周面に接触することにより、前記ケースに対するロールの回転を抑止する当接部と、
を具備することを特徴とするテープディスペンサ。
【請求項2】
前記ケースは、操作者により握持されるグリップ部を備え、前記当接部が該グリップ部に設けられる、請求項1に記載のテープディスペンサ。
【請求項3】
前記内周部の一部分が前記ケース上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持され、前記当接部が該一部分に設けられる、請求項1又は2に記載のテープディスペンサ。
【請求項4】
前記ケースは、前記内周部に連結され、粘着テープのロールの少なくとも周方向一部分を受容する筒状空洞を前記内周部と協働して画定する外周部と、該外周部から外方へ突設され、末端に前記カッタが固定的に設けられるカッタ支持部とを備え、前記当接部が、該カッタ支持部に隣接する該外周部の一領域に対向する位置で前記内周部に設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープディスペンサ。
【請求項5】
前記ケースの前記内周部と前記外周部とが、粘着テープのロールの全体を受容する環状空洞を画定する、請求項4に記載のテープディスペンサ。
【請求項1】
粘着テープのロールを少なくとも部分的に収容するケースと、該ケースに設けられ、ロールから繰り出された粘着テープを切断するカッタとを具備するテープディスペンサにおいて、
前記ケースに設けられ、粘着テープのロールの内周面に対向する内周部と、
前記内周部に設けられ、外力の下で変位してロールの内周面に接触することにより、前記ケースに対するロールの回転を抑止する当接部と、
を具備することを特徴とするテープディスペンサ。
【請求項2】
前記ケースは、操作者により握持されるグリップ部を備え、前記当接部が該グリップ部に設けられる、請求項1に記載のテープディスペンサ。
【請求項3】
前記内周部の一部分が前記ケース上で片持ち梁式に弾性変形可能に支持され、前記当接部が該一部分に設けられる、請求項1又は2に記載のテープディスペンサ。
【請求項4】
前記ケースは、前記内周部に連結され、粘着テープのロールの少なくとも周方向一部分を受容する筒状空洞を前記内周部と協働して画定する外周部と、該外周部から外方へ突設され、末端に前記カッタが固定的に設けられるカッタ支持部とを備え、前記当接部が、該カッタ支持部に隣接する該外周部の一領域に対向する位置で前記内周部に設けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテープディスペンサ。
【請求項5】
前記ケースの前記内周部と前記外周部とが、粘着テープのロールの全体を受容する環状空洞を画定する、請求項4に記載のテープディスペンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−155079(P2009−155079A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337364(P2007−337364)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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