説明

テープ貼付け装置

【課題】装置の小型化を図ること。
【解決手段】シート状体をその長手方向に沿って走行させて位置決めすることが可能なシート供給部13と、シート状体の一方の表面に対向するように配置された第1のヘッド部42と、シート状体の他方の表面に対向するように配置された第2のヘッド部62と、シート状体の一方の表面および他方の表面に沿ってそれぞれテープを供給するための第1のテープ供給部および第2のテープ供給部と、第1のヘッド部および第1のテープ供給部をシート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めする第1の移動テーブル31と、第1の移動テーブルの移動とともに移動するように設けられ、第2のヘッド部および第2のテープ供給部をシート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めする第2の移動テーブル51と、第1の移動テーブルを位置決めし、第2の移動テーブルを位置決めするように制御する制御部16とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極シートなどのシート状体の両面に絶縁などのためのテープを貼り付けるためのテープ貼付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リチュウムイオン電池の製造工程において、正極及び負極に対応するシート状体の電極(電極シート)が用いられる。電極シートを重ねて巻回することにより積層し、電池素子を作製する。電池素子における機械的な保護や電気的な絶縁などのために、電極シートの両面(表面および裏面)に、絶縁性のテープが貼り付けられる(特許文献1、2)。
【0003】
従来において、電極シートの両面にテープを貼り付けるために、テープ貼付け装置が用いられる。
【0004】
図7は従来のテープ貼付け装置81の構成を示す図である。
【0005】
図7において、テープ貼付け装置81は、基台82、基台82に設けられて電極シートSTをその長手方向に沿って走行させて位置決めするシート供給部83(83a、83b)、電極シートSTにテンションをかけるためのテンションローラ84(84a〜c)、第1貼付けユニット85、および第2貼付けユニット86などからなる。
【0006】
第1貼付けユニット85は、電極シートSTの表面側にテープTPを貼付けるものであり、第2貼付けユニット86は電極シートSTの裏面側にテープTPを貼付ける。
【0007】
第1貼付けユニット85には、サーボモータ111で回転駆動されるボールネジ112によって移動するリニアテーブル113、リニアテーブル113に固定されたハウジング114、ハウジング114に取り付けられたクランプヘッド121、クランプシリンダ122、バックアップヘッド123、バックアップシリンダ124、テープ供給装置125、カメラ126などが設けられている。
【0008】
第2貼付けユニット86には、サーボモータ131で回転駆動されるボールネジ132によって移動するリニアテーブル133、リニアテーブル133に固定されたハウジング134、ハウジング134に取り付けられたクランプヘッド141、クランプシリンダ142、バックアップヘッド143、バックアップシリンダ144、テープ供給装置145、カメラ146などが設けられている。
【0009】
第1貼付けユニット85において、シート供給部83によって電極シートSTが位置決めされると、サーボモータ111の回転によってリニアテーブル113が電極シートSTの走行方向またはその逆方向に移動し、カメラ126によって貼付け位置の近辺を撮影して位置情報を取得する。
【0010】
取得した位置情報に基づいて、電極シートSTに対してテープTPを貼り付けるべき所定の位置に第1貼付けユニット85が移動する。その後、クランプシリンダ122およびバックアップシリンダ124が駆動され、バックアップヘッド123によってバックアップされた電極シートSTの表面に、クランプヘッド121がテープTPを押しつける。
【0011】
また、第2貼付けユニット86においても、第1貼付けユニット85と同様にして、電極シートSTの反対側の表面にテープTPを貼り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2006−19199号公報
【特許文献2】特開2001−167757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図7に示す従来のテープ貼付け装置81では、電極シートSTの表面側と裏面側とへのテープTPの貼り付けを、互いに異なる位置で2つの貼付けユニット85、86を用いて行っている。
【0014】
そのため、電極シートSTの走行方向における装置の長さが長くなり、装置が大型化し、広い設置スペースを必要としていた。
【0015】
また、2つの貼付けユニット85、86を用いるので、これがコストアップに繋がっていた。
【0016】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、装置の小型化を図ることのできるテープ貼付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一形態に係るテープ貼付け装置は、シート状体の両面にテープを貼り付けるためのテープ貼付け装置であって、基台と、前記基台に設けられ、前記シート状体をその長手方向に沿って走行させて位置決めすることが可能なシート供給部と、前記シート状体の一方の表面に対向するようにかつ第1の駆動部によって前記シート状体の前記一方の表面に押しつけることが可能なように配置された第1のヘッド部と、前記シート状体の他方の表面に対向するようにかつ第2の駆動部によって前記シート状体の前記他方の表面に押しつけることが可能なように配置された第2のヘッド部と、前記シート状体の一方の表面と前記第1のヘッド部との間にテープを供給するための第1のテープ供給部と、前記シート状体の他方の表面と前記第2のヘッド部との間にテープを供給するための第2のテープ供給部と、前記基台に設けられ、前記第1のヘッド部および前記第1のテープ供給部により供給されるテープを前記シート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めするための第1の移動テーブルと、前記第1の移動テーブルの移動とともに移動するように設けられ、前記第2のヘッド部および前記第2のテープ供給部により供給されるテープを前記シート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めするための第2の移動テーブルと、前記シート状体が位置決めされた後で、前記第1の移動テーブルを位置決めし、前記第2の移動テーブルを位置決めするように制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、小型化を図ることのできるテープ貼付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る一実施形態のテープ貼付け装置の構成を示す正面図である。
【図2】テープ貼付け装置の要部を拡大して示す正面図である。
【図3】図2のテープ貼付け装置をA方向から見た状態を示す側面断面図である。
【図4】電極シートの形状および構造の例を示す図である。
【図5】テープ貼付け装置の各部の動作状態を示すタイミング図である。
【図6】制御部による制御の流れの概要を示すフローチャートである。
【図7】従来のテープ貼付け装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には一実施形態のテープ貼付け装置1の構成が示されている。
【0021】
図1において、テープ貼付け装置1は、基台12、シート供給部13、テンションローラ14、貼付けユニット15、および制御部16などを備える。
【0022】
基台12は、主として金属材料などからなってテープ貼付け装置1の土台となるものであり、工場のラインの床面などに配置される。
【0023】
シート供給部13は、基台12に設けられ、巻きローラ13a,13bの間に掛け渡された電極シートSTをその長手方向に沿って走行させ、その走行方向の所定の位置で位置決めするものである。
【0024】
一方の巻きローラ13aに巻かれた電極シートSTが、他方の巻きローラ13bに巻き取られ、その間において、電極シートSTは、所定のピッチごとに走行を停止し、位置決めされる。その状態で、貼付けユニット15によって電極シートSTの両面にテープTPa,bが貼り付けられる。
【0025】
テンションローラ14は、電極シートSTの表面が水平に保たれるよう、また所定の適度なテンション(張力)が得られるように調整するものである。つまり、巻きローラ13a,13bの回転速度差、2つのローラ14a,bの間において上下動するローラ14cの位置などによって、テンションが調整される。
【0026】
貼付けユニット15は、電極シートSTの表面側(上側の表面)にテープTPaを貼付ける第1ユニット21と、電極シートSTの裏面側(下側の表面)にテープTPbを貼付ける第2ユニット22とからなる。
【0027】
第1ユニット21は、基台12の上に配置され、第2ユニット22は、第1ユニット21の上に配置される。つまり、第2ユニット22は、第1ユニット21の移動とともに移動し、かつ第2ユニット22のなかで後述するリニアテーブルが移動する。第1ユニット21が親ユニットであり、その上に子ユニットである第2ユニット22が載った状態である。
【0028】
貼付けユニット15は、いわば、表面側を貼る第1ユニット21と裏面側を貼る第2ユニット22とが親亀子亀方式で配置されたものであり、これによって、貼付けユニット15の全体が小型化され、貼付けユニット15の個数が少なくなり、設置スペースが小さくてすむ。
【0029】
制御部16は、テープ貼付け装置1の全体を制御する。制御部16には、操作パネル、操作ボタン、表示装置、および表示灯などが、必要に応じて設けられる。制御部16は、MPU(演算処理装置)、ROM、RAM、磁気記憶装置などのメモリ、インタフェ−ス素子、その他の周辺素子、適当なハードウエア回路などを用いて構成することが可能である。例えば、メモリに記憶されたプログラム(コンピュータプログラム)がMPUによって実行されることにより、必要な制御および演算を行うことができる。
【0030】
制御部16の制御動作の詳細な内容については後で説明する。
【0031】
図2および図3をも参照して、第1ユニット21は、移動テーブル31を備える。移動テーブル31は、サーボモータ32、サーボモータ32で回転駆動されるボールネジ33、ボールネジ33によって移動するリニアテーブル34を備える。
【0032】
リニアテーブル34には、側板部36および側板部36の上端部に設けられた上板部37などからなるハウジング35が、固定的に設けられている。上板部37には、駆動シリンダ41、クランプヘッド42、テープ供給部43、およびカメラ44などが設けられる。
【0033】
駆動シリンダ41として、空気圧シリンダまたは油圧シリンダなどが用いられ、流体圧によってロッドが直線状に往復作動する。
【0034】
クランプヘッド42は、電極シートSTの上方の表面に対向するように、かつ駆動シリンダ41によって電極シートSTの上方の表面に押しつけることが可能なように、駆動シリンダ41のロッドの先端部に取り付けられる。クランプヘッド42には、テープTPaに塗布された樹脂を溶融して電極シートSTの表面に熱圧着するためのヒータが内蔵されている。
【0035】
このようなクランプヘッド42として、公知の種々の構造または形式の装置を用いることができる。
【0036】
駆動シリンダ41に圧流体が供給されることにより、クランプヘッド42が上下方向に移動され、クランプヘッド42を電極シートSTの表面に押しつけまたは離反させる。
【0037】
テープ供給部43は、表面側のテープTPaを電極シートSTの表面に沿うように供給する。そのため、テープ供給部43によって供給されるテープTPの中心は、表面側用のクランプヘッド42の中心と一致するようになっている。テープ供給部43は、その内部に収納された図示しないテープTPを電極シートSTの上側の表面に沿って繰り出し、繰り出したテープTPaを保持し、所定の長さにカットする。
【0038】
なお、テープ供給部43は、例えばハウジング35などに取り付けられ、クランプヘッド42と水平方向(電極シートSTの走行方向)に一体的に移動する。
【0039】
カメラ44は、電極シートSTの上方の表面を撮影するものであり、ハウジング35に取り付けられ、水平方向にはクランプヘッド42と一体的に移動する。
【0040】
次に、第2ユニット22は、移動テーブル51を備える。移動テーブル51は、サーボモータ52、サーボモータ52で回転駆動されるボールネジ53、ボールネジ53によって移動するリニアテーブル54を備える。
【0041】
このような移動テーブル51として、公知の種々の構造または形式の装置を用いることができる。
【0042】
リニアテーブル54には、側板部56および側板部56の上端部に設けられた上板部57などからなるハウジング55が、固定的に設けられている。上板部57には、駆動シリンダ61、クランプヘッド62、テープ供給部63、およびカメラ64などが設けられる。
【0043】
駆動シリンダ61として、空気圧シリンダまたは油圧シリンダなどが用いられ、流体圧によってロッドが直線状に往復作動する。
【0044】
クランプヘッド62は、電極シートSTの下方の表面に対向するように、かつ駆動シリンダ61によって電極シートSTの下方の表面に押しつけることが可能なように、駆動シリンダ61のロッドの先端部に取り付けられる。クランプヘッド62には、テープTPbに塗布された樹脂を溶融して電極シートSTの表面に熱圧着するためのヒータが内蔵されている。
【0045】
駆動シリンダ61に圧流体が供給されることにより、クランプヘッド62が上下方向に移動され、クランプヘッド62を電極シートSTの表面に押しつけまたは離反させる。
【0046】
テープ供給部63は、表面側のテープTPbを電極シートSTの裏面に沿うように供給する。そのため、テープ供給部63によって供給されるテープTPbの中心は、裏面側用のクランプヘッド62の中心と一致するようになっている。テープ供給部63は、その内部に収納された図示しないテープTPを電極シートSTの下側の表面に沿って繰り出し、繰り出したテープTPbを保持し、所定の長さにカットする。
【0047】
なお、テープ供給部43は、例えばハウジング55などに取り付けられ、クランプヘッド62と水平方向(電極シートSTの走行方向)に一体的に移動する。
【0048】
このようなテープ供給部43、63として、公知の種々の構造または形式の装置を用いることができる。
【0049】
カメラ64は、電極シートSTの下方の表面を撮影するものであり、ハウジング55に取り付けられ、水平方向にはクランプヘッド62と一体的に移動する。
【0050】
制御部16は、シート供給部13によって電極シートSTが位置決めされた後で、第1ユニット21のカメラ44による電極シートSTの表面の撮影結果に基づいて、移動テーブル31を位置決めし、第2ユニット22のカメラ64による電極シートSTの表面の撮影結果に基づいて、移動テーブル51を位置決めするように制御する。
【0051】
図4(A)には電極シートSTの上面図が、図4(B)には電極シートSTの側面図が、図4(C)には図4(B)の電極シートSTの一部の拡大図が、図4(D)には電極シートSTの走行方向M1に沿って見た断面図が、それぞれ示されている。
【0052】
図4において、電極シートSTは、例えば厚さが200μm程度、幅が600mm程度のアルミニウム箔である。電極シートSTには、その両面の同じ位置に活物質合剤KBが、所定の長さに渡って塗布されている。つまり、電極シートSTの両面において、活物質合剤KBが塗布された部分と塗布されていない部分とが交互に現れる。図4(C)(D)に示されるように、活物質合剤KBが塗布された部分の端縁部に、テープTPa,bが貼り付けられる。テープTPa,bは、絶縁のためのものであり、例えば厚さが200μm程度、幅が7mm程度の合成樹脂などからなる。少なくとも一方の表面には、熱圧着によって貼り付けられるように低融点の樹脂が塗布されている。または、テープTPa,bの全体または一部それ自体が、低融点の樹脂で形成されている。
【0053】
次に、制御部16による制御内容について、図5および図6を参照して詳しく説明する。
【0054】
図5および図6において、シート供給部13の動作によって電極シートSTが走行する(#11)。電極シートSTの走行が停止して位置決めされると(#12)、その位置において、カメラ44,64によって電極シートSTの表面および裏面が撮影される(#13、14)。
【0055】
撮影された画像が解析され、電極シートSTの表面および裏面における活物質合剤KBの端縁部の正確な位置が検出される。
【0056】
つまり、電極シートSTの走行は、活物質合剤KBの端縁部がカメラ44,64の視界のほぼ中央に入るように予め設定された位置で停止して位置決めされる。この状態で、カメラ44,64が活物質合剤KBの端縁部を撮影し、その正確な位置を検出する。
【0057】
これによって、例えば、シート供給部13における電極シートSTの予め設定された停止位置、第1ユニット21および第2ユニット22の位置(待機位置)、および、カメラ44,64による撮影画像から得た活物質合剤KBの端縁部の位置(計測位置)から、電極シートSTが位置決めされたときの活物質合剤KBの端縁部の正確な位置が検出される。
【0058】
検出された位置に基づいて、その時点における第1ユニット21および第2ユニット22が位置決めされた位置からの距離L1、L2が得られる。また、その時点における第1ユニット21および第2ユニット22が位置決めされた位置から端縁部の位置までの距離それ自体を、距離L1、L2として検出するようにしてもよい。
【0059】
そして、距離L1、L2などに基づいて、電極シートSTの表面と裏面との端縁部の位置の差δLが算出される(#15)。
【0060】
次に、距離L1に基づいて、第1ユニット21のサーボモータ32が駆動され、電極シートSTの表面における端縁部の位置がクランプヘッド42の中心にくるように、リニアテーブル34が所定の方向に所定の距離だけ移動される(#16)。
【0061】
その後、距離L2または位置の差δLに基づいて、第2ユニット22のサーボモータ52が駆動され、電極シートSTの裏面における端縁部の位置がクランプヘッド62の中心にくるように、リニアテーブル54が所定の方向に所定の距離だけ移動される(#17)。
【0062】
これによって、表面側のテープTPaおよびクランプヘッド42の中心が電極シートSTの表面の活物質合剤KBの端縁部に一致し、裏面側のテープTPbおよびクランプヘッド62の中心が電極シートSTの裏面の活物質合剤KBの端縁部に一致することとなる。
【0063】
この状態で、第1ユニット21の駆動シリンダ41および第2ユニット22の駆動シリンダ61が同時に駆動され、それぞれのクランプヘッド42,62がクランプ動作を開始する。表面側のクランプヘッド42と裏面側のクランプヘッド62とが、それぞれテープTPa,bを電極シートSTの表面および裏面に押しつけ、かつ、テープTPa,bを加熱して電極シートSTに熱圧着により貼り付ける(#18)。このときのクランプヘッド42,62の押しつけ時間は、例えば1〜数秒程度である。これによって、テープTPa,bは、図4(C)に示すように電極シートSTに貼り付けられる。
【0064】
このように、電極シートSTの両面から2つのクランプヘッド42,62が押しつけるので、互いに相手方をバックアップする関係になり、効率的にテープTPa,bを熱圧着して貼り付けることができる。
【0065】
テープTPa,bの熱圧着が終わると駆動シリンダ41,61は後退移動し、クランプが解除される。
【0066】
その後、第1ユニット21および第2ユニット22は、移動して元の位置(待機位置)に戻る(#19,20)。
【0067】
この状態で、テープTPを貼り付けた近辺をカメラ44,64が撮影し、貼り付けが正常に行われたか否かを確認する(#21)。
【0068】
貼り付けが正常に行われた場合には、ステップ#11に戻り、次のテープTPの貼り付けのために走行シート供給部13によって電極シートSTが走行し、以降、同様に繰り返される。
【0069】
貼り付けが正常に行われなかった場合には、例えば、警報信号を発生してテープ貼付け装置1を停止させる。
【0070】
上に述べたように、本実施形態のテープ貼付け装置1によると、装置の小型化を図ることができる。また、第1ユニット21および第2ユニット22の移動量が少ないので、位置決めの精度を向上させることができる。
【0071】
また、部品点数を低減することができ、組立、メンテナンスが容易となり、コストの削減を行うことも可能である。
【0072】
上に述べた実施形態において、1つの貼付けユニット15を設けたが、所定のピッチをあけて複数の貼付けユニット15を設け、複数の箇所で同時にテープTPa,bを貼り付けるようにしてもよい。
【0073】
上に述べた実施形態において、親亀子亀方式の貼付けユニット15の制御方法、制御タイミング、制御順序などについて、上に述べた以外の種々の内容とすることが可能である。
【0074】
上に述べた実施形態において、建屋などの床の一部を基台12として用いてもよい。電極シートSTの走行のタイミング、テープTPa,bの供給のタイミング、カメラ44,64による撮影のタイミング、第1ユニット21および第2ユニット22の移動のタイミング、およびそれらの、待機位置、原位置、初期位置などは、上に述べた以外の種々のものとすることが可能である。
【0075】
本実施形態のテープ貼付け装置1は、リチュウムイオン電池の製造工程以外の種々のテープTPの貼り付け工程に適用することが可能である。
【0076】
その他、基台12、シート供給部13、テンションローラ14、貼付けユニット15、制御部16、第1ユニット21、第2ユニット22、駆動シリンダ41,61、クランプヘッド42,62、テープ供給部43,63、カメラ44,64、テープTPa,b、電極シートST、テープ貼付け装置1などの各部または全体の構成、構造、形状、材質、個数、配置、動作内容、動作タイミングなどは、本発明の主旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 テープ貼付け装置
12 基台
13 シート供給部
14 テンションローラ
15 貼付けユニット
21 第1ユニット
22 第2ユニット
31 移動テーブル(第1の移動テーブル)
32 サーボモータ
33 ボールネジ
34 リニアテーブル
35 ハウジング
36 側板部
37 上板部
41 駆動シリンダ(第1の駆動部)
42 クランプヘッド(第1のヘッド部)
43 テープ供給部(第1のテープ供給部)
44 カメラ
51 移動テーブル(第2の移動テーブル)
52 サーボモータ
53 ボールネジ
54 リニアテーブル
55 ハウジング
56 側板部
57 上板部
61 駆動シリンダ(第2の駆動部)
62 クランプヘッド(第2のヘッド部)
63 テープ供給部(第2のテープ供給部)
64 カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状体の両面にテープを貼り付けるためのテープ貼付け装置であって、
基台と、
前記基台に設けられ、前記シート状体をその長手方向に沿って走行させて位置決めすることが可能なシート供給部と、
前記シート状体の一方の表面に対向するようにかつ第1の駆動部によって前記シート状体の前記一方の表面に押しつけることが可能なように配置された第1のヘッド部と、
前記シート状体の他方の表面に対向するようにかつ第2の駆動部によって前記シート状体の前記他方の表面に押しつけることが可能なように配置された第2のヘッド部と、
前記シート状体の一方の表面と前記第1のヘッド部との間にテープを供給するための第1のテープ供給部と、
前記シート状体の他方の表面と前記第2のヘッド部との間にテープを供給するための第2のテープ供給部と、
前記基台に設けられ、前記第1のヘッド部および前記第1のテープ供給部により供給されるテープを前記シート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めするための第1の移動テーブルと、
前記第1の移動テーブルの移動とともに移動するように設けられ、前記第2のヘッド部および前記第2のテープ供給部により供給されるテープを前記シート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めするための第2の移動テーブルと、
前記シート状体が位置決めされた後で、前記第1の移動テーブルを位置決めし、前記第2の移動テーブルを位置決めするように制御する制御部と、
を有することを特徴とするテープ貼付け装置。
【請求項2】
シート状体の両面にテープを貼り付けるためのテープ貼付け装置であって、
基台と、
前記基台に設けられ、前記シート状体をその長手方向に沿って走行させて位置決めすることが可能なシート供給部と、
前記シート状体の一方の表面に対向するようにかつ第1の駆動部によって前記シート状体の前記一方の表面に押しつけることが可能なように配置された第1のヘッド部と、
前記シート状体の他方の表面に対向するようにかつ第2の駆動部によって前記シート状体の前記他方の表面に押しつけることが可能なように配置された第2のヘッド部と、
前記シート状体の一方の表面と前記第1のヘッド部との間にテープを供給するための第1のテープ供給部と、
前記シート状体の他方の表面と前記第2のヘッド部との間にテープを供給するための第2のテープ供給部と、
前記基台に設けられ、前記第1のヘッド部および前記第1のテープ供給部により供給されるテープを前記シート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めするための第1の移動テーブルと、
前記第1の移動テーブルの移動とともに移動するように設けられ、前記第2のヘッド部および前記第2のテープ供給部により供給されるテープを前記シート状体の走行方向に沿って移動させて位置決めするための第2の移動テーブルと、
前記シート状体の一方の表面を撮影するために前記第1のヘッド部と一体的に移動するように設けられた第1の撮影部と、
前記シート状体の他方の表面を撮影するために前記第2のヘッド部と一体的に移動するように設けられた第2の撮影部と、
前記シート状体が位置決めされた後で、前記第1の撮影部による前記シート状体の一方の表面の撮影結果に基づいて前記第1の移動テーブルを位置決めし、前記第2の撮影部による前記シート状体の他方の表面の撮影結果に基づいて前記第2の移動テーブルを位置決めするように制御する制御部と、
を有することを特徴とするテープ貼付け装置。
【請求項3】
前記第1の移動テーブルは、
前記基台上に設けられたサーボモータで回転駆動される第1のボールネジによって移動する第1のリニアテーブルと、
前記第1のリニアテーブルに対して固定的に設けられて上方に延びる側板部と、
前記側板部の上端部に設けられた上板部と、を有し、
前記第2の移動テーブルは、
前記第1のリニアテーブル上に設けられた第2のサーボモータで回転駆動される第2のボールネジによって移動する第2のリニアテーブルを有し、
前記第1の駆動部は前記上板部に対して固定的に設けられ、
前記第2の駆動部は前記第2のリニアテーブルに対して固定的に設けられてなる、
請求項2記載のテープ貼付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−148829(P2012−148829A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6837(P2011−6837)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000204240)株式会社TAIYO (63)
【Fターム(参考)】