説明

ディジタルデータプレーヤー、そのデータ処理方法及び記録媒体

【課題】メモリの遊休空間を活用して利用効率を向上し得るディジタルデータプレーヤー、そのデータ処理方式及び記録媒体を提供する。
【解決手段】複数のMP3ビットストリームを格納し、それらMP3ファイルのビットストリームが割当された後の遊休領域にスピーチビットストリームを格納するデータ格納媒体301と、該データ格納媒体301からMP3ファイルのビットストリームBS1が出力されるときはMP3デコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングするが、スピーチストリームBS2が出力されるときは音声デコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングするデコーダ302と、MP3ファイルのディジタル信号またはスピーチディジタル信号をアナログ形態の信号に変換してラウドスピーカ304側に出力するD/A変換手段303とを備えてディジタルデータプレーヤーを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MP3のようなディジタルデータプレーヤーにおける、メモリの利用効率を高める技術に係るもので、詳しくは、音楽ファイルのように占有単位容量が大きいファイルが割当された後の余裕空間に、音声またはテキストのような単位容量の比較的小さい情報を記録して再生出力を行い得るようにしたディジタルデータプレーヤー、そのデータ処理方法及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、MP3(MPEG1 Layer3)プレーヤーのようなディジタルデータプレーヤーに対する関心が強くなっているが、該MP3プレーヤーとは、MPEG1 Layer3に該当するオーディオデータ圧縮コーディング技術を活用し、コンピュータ通信網から所望の音楽をダウンロードして再生し得る新概念の携帯用ディジタルオーディオ機器をいう。
【0003】
且つ、前記MP3プレーヤーに適用されるMP3ファイルは、CD(Compact Disk)とほぼ同等の音質を保障し、高圧縮率を出現するために、携帯用プレーヤーが開発されて全世界的に爆発的に普及されている。
このような従来のMP3プレーヤーにおいては、図4に示したように、MPEG1 Layer3コーディング方式により圧縮された形態のMP3ファイルが格納されるフラッシュメモリのようなデータ格納媒体101と、該データ格納媒体101から出力されるMP3ビットストリームを所定アルゴリズムにより復元処理してディジタル形態の音楽信号として出力するデコーダ102と、該デコーダ102から出力されるディジタル形態の音楽信号をアナログ形態に変換してラウドスピーカ104側に出力するD/A変換器103とを包含して構成されていた。
【0004】
そして、このように構成された従来MP3プレーヤーの動作においては、図5に示したように、フラッシュメモリまたはメモリカードのようなデータ格納媒体101にMPEG1 Layer3コーディング方式により圧縮された形態のMP3ファイル(1番〜M番)が格納され、そのデータ格納媒体101からMP3ビットストリームが出力されて、デコーダ102に入力されて所定のデコーディングアルゴリズムにより復元処理され、該デコーダ102からディジタル形態の音楽信号に出力された後、D/A変換器103に入力されてアナログ形態の信号に変換され、その後、ラウドスピーカ104側に出力されるようになっていた。
【0005】
通常、MP3プレーヤーの場合、音楽1曲当たり3〜5Mbyteのメモリ領域を占めるようになるが、これは前記データ格納媒体101の全体容量に従って最大3Mbyte程度の遊休領域101Aが存在することを意味する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
然るに、このような従来のディジタルデータプレーヤーにおいては、高価なメモリに音楽ファイルなどを格納した後の遊休領域101Aがそのまま放置されるため、資源の浪費になって非経済的であるという不都合な点があった。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、ディジタルデータプレーヤーに用いられるメモリの遊休領域に、スピーチファイルまたは使用者の音声信号若しくはカセットテーププレーヤーから出力される音声信号などを格納して再生出力するか、または、必要に応じてテキスト情報を格納して表示装置にディスプレーし得るディジタルデータプレーヤーを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、ディジタルデータプレーヤーに用いられるメモリの遊休領域に付加的な情報を格納し得るデータ処理方法を提供する。
本発明のその他の目的は、ディジタルデータプレーヤーに用いられるメモリを圧縮率の相異なる多様な領域に分離し、多様なデータを格納し得るディジタルデータプレーヤーの記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するため、本発明に係るディジタルデータプレーヤーにおいては、第1圧縮アルゴリズムにより圧縮された第1ディジタルデータのビットストリームを任意の一部の領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームを残りの他の領域に格納するデータ格納媒体と、該データ格納媒体から前記第1ディジタルデータのビットストリームが出力されるときは第1ディジタルデータデコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングし、前記第2ディジタルデータのビットストリームが出力されるときは第2ディジタルデータデコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングするデコーダ手段と、該デコーダ手段から出力されるディジタルデータファイルのディジタル信号をアナログ形態の信号に変換してスピーカ側に出力するD/A変換手段とを包含して構成される。
【0009】
ここで、前記第1ディジタルデータファイルは、MP3ファイルであることを特徴とする。
そして、本発明に係るディジタルデータプレーヤーにおいては、第1圧縮アルゴリズムにより圧縮された第1ディジタルデータのビットストリームを任意の一部の領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームを残りの他の領域に格納するデータ格納媒体と、音声信号を符号化処理して前記データ格納媒体の残りの他の領域に供給する入力手段と、要求に従って前記データ格納媒体のアクセスを制御して該当の信号を入出力させる制御手段と、前記データ格納媒体から出力される第1ディジタルデータ、第2ディジタルデータ及び音声信号を復元処理して外部に出力し、テキスト情報を復元処理して表示装置に表示する出力手段とを包含して構成されている。
【0010】
且つ、前記第2ディジタルデータのビットストリームは、通信網を通じて伝送された信号である。
また、前記入力手段は、マイクを介して入力される音声信号、または、カセットプレーヤーから出力される音声信号を符号化処理するためのエンコーダを有する。
【0011】
更に、前記制御手段は、要求に応じて前記データ格納媒体に格納された音声信号を反復再生する。
そして、前記出力手段は、前記データ格納媒体から出力される第1ディジタルデータを復元するためのディジタルデータデコーダと、第2ディジタルデータ及びその他の音声信号を復元するためのスピーチデコーダと、テキストデータを復元するためのテキストデコーダとを有する。
【0012】
且つ、本発明に係るディジタルデータプレーヤーのデータ記録媒体においては、第1圧縮アルゴリズムにより圧縮された第1ディジタルデータのビットストリームが格納される第1圧縮データ領域と、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームが格納される領域内の一部である第2圧縮データ領域と、前記第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームが格納される領域の他の部分であって、テキストデータが格納されるテキストデータ領域とを備えて構成される。
【0013】
また、本発明に係るディジタルデータプレーヤーのデータ処理方式においては、異なる圧縮アルゴリズムにより圧縮されたディジタルデータのビットストリームをデータ格納媒体の異なる領域にそれぞれ格納した後、各領域に格納されたデータをデコーディングして同時に、或いは、独立的に再生して出力する。
更に、本発明に係るディジタルデータプレーヤーのデータ処理方法においては、第1圧縮アルゴリズムにより第1ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第1領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより第2ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第2領域に格納する段階と、テキスト情報を第3領域に格納する段階と、前記第1領域または前記第2領域のデータをデコーディングして出力するとき、前記第3領域のデータを同時に再生処理してディスプレーする段階とを順次行う。
【0014】
そして、本発明に係るディジタルデータ処理プログラムを記録し、コンピュータにより読取り可能な記録媒体においては、異なる圧縮アルゴリズムにより圧縮されたディジタルデータのビットストリームをデータ格納媒体の異なる領域にそれぞれ格納した後、各領域に格納されたデータをデコーディングして同時に、或いは、独立的に再生出力する。
【0015】
且つ、本発明に係るディジタルデータ処理プログラムを記録し、コンピュータにより読取り可能な記録媒体においては、第1圧縮アルゴリズムにより第1ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第1領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより第2ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第2領域に格納する段階と、テキスト情報を第3領域に格納する段階と、前記第1領域または第2領域のデータをデコーディングして出力するとき、第3領域のデータを同時に再生処理してディスプレーする段階と、を順次行う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に対し、図面を用いて説明する。
本発明に係るディジタルデータプレーヤーの第1実施形態においては、図1に示したように、複数のMP3ビットストリームを格納し、それらMP3ファイルのビットストリームが割当てられた後の遊休領域301Aにスピーチビットストリームを格納するフラッシュメモリのようなデータ格納媒体301と、該データ格納媒体301からMP3ファイルのビットストリームBS1が出力されるときはMP3デコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングするが、スピーチストリームBS2が出力されるときは音声デコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングするデコーダ302と、該デコーダ302から出力されるMP3ファイルのディジタル信号またはスピーチディジタル信号をアナログ形態の信号に変換してラウドスピーカ104側に出力するD/A変換器303とを備える。
【0017】
そして、このように構成された本発明に係るディジタルデータプレーヤーの第1実施形態の動作を説明すると以下のようである。
データ格納媒体301の遊休領域301AはMP3ファイルのビットストリームが割当された後の残り領域を意味し、該遊休領域301Aを多様な信号または情報の格納空間として活用するが、本実施の形態では、音声信号圧縮方式により格納されたスピーチのビットストリームを格納して使用するようになっている。
【0018】
そして、前記デコーダ302は、前記データ格納媒体301からビットストリームが出力されるとき、該ビットストリームのヘッダーを検査し、MP3ファイルのビットストリームBS1であると判明されると、MP3デコーディングアルゴリズムを利用して該ビットストリームBS1をデコーディングするが、スピーチビットストリームBS2であると判明されると、音声デコーディングアルゴリズムを利用して該ビットストリームBS2をデコーディングする。
【0019】
即ち、前記デコーダ302には通常のMP3デコーダにスピーチデコーディングアルゴリズムが追加されているため、そのデコーダ302を適当な演算能力があるプロセッサーを使用すると、ハードウエアーの追加が不要となる。
次いで、前記デコーダ302から出力されるMP3ファイルのデジタル信号またはスピーチディジタル信号は、D/A変換器303によりアナログ形態の信号に変換されてラウドスピーカ304側に出力される。
【0020】
参考として、最近の音声圧縮分野は飛躍的に発展して、2〜4kbpsの低伝送率の環境下でも比較的良好な音質を生成することが可能で、最悪の条件を一例に挙げると、4kbpsの圧縮率が保障された場合に5分程度の音声を出力するためには、単に0.15Mbyte(4×5×60=1.2Mbit=0.15Mbyte)程度のメモリ空間だけを必要とする。
【0021】
よって、上記の遊休領域301Aを利用する場合も比較的長い時間の間音声信号を再生出力することができるため、遊休領域301Aを極めて有益に使用することができる。
また、本発明に係るディジタルデータプレーヤーの第2実施形態は、音声を聴取し得るディジタルデータプレーヤーであって、図2に示したように、インターネットのような通信網を通してMP3ファイルMP3−F及びスピーチファイルSP−Fが供給されてフラッシュメモリまたはメモリカードのようなデータ格納媒体409にダウンロードするLCM(Licensed SDMI Complicant Module)401と、外部から供給されるテキストデータTXT−DATAを所定形式に符号化処理するテキストエンコーダ402と、外部から入力されるオーディオ信号をカセットに格納して再生出力するカセットメカニズム403と、該カセットメカニズム403から出力されるオーディオ信号を外部に出力するように処理するオーディオ信号プロセッサー404と、該オーディオ信号プロセッサー404から入力されるオーディオ信号及びマイク405を介して入力されるオーディオ信号の中何れか1つを選択してA/D変換器407側に伝達するスイッチ406と、該スイッチ406から入力されるアナログのオーディオ信号をディジタル信号に変換してスピーチエンコーダ408側に出力するA/D変換器407と、該A/D変換器407から入力されるオーディオ信号を所定形式にエンコーディングするスピーチエンコーダ408と、前記LCM401からMP3ファイルを順次ダウンロードして格納し、それらMP3ファイルが割当てられた後の遊休領域に前記LCM401から供給されるスピーチファイル、前記テキストエンコーダ402から供給されるテキストファイル、及び前記スピーチエンコーダ408から供給されるオーディオ信号を格納するデータ格納媒体409と、キー入力部411を介して入力される使用者の制御命令に従って前記カセットメカニズム403、前記データ格納媒体409及びシステム各部の駆動を制御してMP3ファイル、各種音声信号またはテキストファイルを再生出力させる制御手段410と、前記データ格納媒体409から出力されるMP3ファイル、スピーチファイル及びテキストファイルをそれぞれ復元処理するMP3デコーダ412A、スピーチデコーダ412B及びテキストデコーダ412Cと、それら各MP3デコーダ412A、スピーチデコーダ412B及びテキストデコーダ412Cから出力されるディジタル信号をアナログ形態の信号に変換するD/A変換器413と、該D/A変換器413から出力されるアナログ信号のオーディオ信号を外部に出力するスピーカ414及びテキスト情報をディスプレーする表示装置415を有した出力手段とから構成されている。
【0022】
以下、このように構成された本発明に係るディジタルデータプレーヤの第2実施形態の動作を説明する。
第1に、MP3ファイルMP3−Fの再生出力過程について説明する。
先ず、LCM401はインターネットのような通信網を通じてMP3ファイルMP3−Fをダウンロードして更にデータ格納媒体409にダウンロードし、制御手段410はキー入力部411を介して入力される制御命令に従って前記データ格納媒体409を制御して該当のMP3ファイルを読入れる。
次いで、前記データ格納媒体409から出力されるMP3ファイルのビットストリームがMP3デコーダ412Aに供給されて元のディジタル信号に復元された後、D/A変換器413を介してアナログ信号に変換されてスピーカ414側に出力される。
【0023】
第2に、スピーチファイルSP−Fの再生出力過程について説明する。
先ず、前記LCM401はインターネットのような通信網を通じてスピーチファイルSP−F、例えば、教育用の講義などをダウンロードして前記データ格納媒体409の遊休領域にダウンロードする。
このように、スピーチファイルSP−Fを圧縮された形態で伝送して前記データ格納媒体409に格納するため、ダウンロード時間が前記MP3ファイルMP3−Fに比べて著しく短縮される。この場合、音質はやや低下するが音楽ではないため音質の低下は問題にならず、それよりはダウンロード時間の短縮により得られる効果の方が非常に大きい。参考として、現在1曲のMP3ファイルMP3−Fのダウンロード時間はほぼ20分程度である。
【0024】
次いで、前記制御手段410は使用者の要求に応じて前記データ格納媒体409に格納されたスピーチファイルを読み出し、読み出されたスピーチファイルはスピーチデコーダ412Bに供給されて元のディジタル信号に復元された後、更に前記D/A変換器413によりアナログ信号に変換されてスピーカ414側に出力される。
【0025】
第3に、マイク405を介して入力される使用者の音声信号またはカセットメカニズム403から入力される音声信号の再生出力過程について説明する。
先ず、カセットメカニズム403から再生出力されるオーディオ信号がオーディオ信号プロセッサー404により外部に出力されるように処理された後スイッチ406の一方側の入力端子に供給され、また、マイク405を介して入力される使用者の音声信号が前記スイッチ406の他方側の入力端子に供給される。
【0026】
次いで、前記スイッチ406は制御手段410の制御を受けるか、または、使用者の手動操作により使用者所望のカセットオーディオ信号及びマイク405の出力音声信号の中何れか1方を選択し、選択されたアナログのオーディオ信号がA/D変換器407を介してディジタル信号に変換された後、スピーチエンコーダ408により所定形式にエンコーディングされて前記データ格納媒体409の遊休領域に格納され、その後、前記制御手段410の制御を受けて前記スピーチファイルと同様の出力経路を経て出力される。
【0027】
即ち、前記カセットメカニズム403から出力される所定区間のオーディオ信号を前記データ格納媒体409の遊休領域に圧縮して格納し、上述したような経路を経て反復再生すると、単にカセットメカニズム403を介して反復再生するときに比べて一層便利である。
第4に、テキストデータTXT−DATAの再生出力過程について説明する。
【0028】
先ず、外部から供給されるテキストデータTXT−DATAはテキストエンコーダ402により所定形式に符号化処理されて前記データ格納媒体409の遊休領域に格納される。
次いで、前記コントローラ410の制御を受けて前記データ格納媒体409の遊休領域に格納されたテキスト情報が出力され、テキストデコーダ412Cを介して元のディジタル信号に復元された後、更にD/A変換器413によりアナログ信号に変換されて表示装置415にディスプレーされる。このようなテキストデータ表示機能は、講義時の補助装置として活用するなどの利用範囲が広い。
【0029】
一方、本発明に係るディジタルデータプレーヤーにおけるデータ格納媒体409のデータフォーマットは、図3に示したように、複数のMP3ファイル(1番〜M番)が圧縮された形態で格納される第1圧縮データ領域REG1と、複数のスピーチデータ(a番〜m番)、(n番)が圧縮された形態で格納される第2圧縮データ領域REG2と、複数のテキストデータ(1番〜m番)、(a番〜m番)、(n番)が格納されるテキストデータ領域REG3とにより構成されるが、このような遊休領域409Aに格納された各データの再生出力方法について説明すると以下のようである。
【0030】
先ず、第1圧縮データ領域REG1に圧縮された形態で格納されたMP3ファイル(例えば、1番)がデコーディングされて出力されるとき、これに対応するテキストデータ領域REG3のテキストデータ(1番)が出力されて表示装置415にディスプレーされる。この場合、一方ではMP3音楽を鑑賞しながら、他方では表示装置415を通じて歌詞或いは曲名などの文字情報を確認することができる。
【0031】
そして、第2圧縮データ領域REG2に圧縮された形態で格納されたスピーチデータ(例えば、a番)がデコーディングされて出力されるとき、これに対応するテキストデータ領域REG3のテキストデータ(a番)が出力されてディスプレーされる。従って、このような場合、講義内容を聴取しながら講義要点などの文字情報を前記表示装置を介して確認することができる。
【0032】
且つ、前記第2圧縮データ領域REG2のスピーチデータ(例えば、n番)は、上述したように単独で再生出力されるデータであって、これと同様に前記テキストデータ領域REG3のテキストデータ(n番)も単独で出力されてディスプレーされる。
以上、1つのMP3ファイルを受容することができないほどの小さい遊休領域409Aを例に挙げて説明したが、必要に応じては該遊休領域409Aを第1圧縮データ領域REG1の一部まで拡張して使用することもできる。
【0033】
以上説明したように、本発明に係るディジタルデータプレーヤーにおいては、メモリの遊休領域にスピーチファイルまたは使用者の音声信号若しくはカセットテーププレーヤーから出力される音声信号を格納して再生出力するか、または、必要に応じてテキスト情報を格納して表示装置にディスプレーするようになっているため、別途の経費を使用せずに多様なサービスを提供することができるという効果がある。
【0034】
且つ、高価のフラッシュメモリの遊休領域を最大限に利用することができるため、資源を効率的に活用し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るディジタルデータプレーヤーの第1実施形態を示したブロック図である。
【図2】本発明に係るディジタルデータプレーヤーの第2実施形態を示したブロック図である。
【図3】本発明に係るディジタルデータプレーヤーに用いられるメモリの遊休空間のフォーマットを示した図である。
【図4】従来の技術に係るMP3プレーヤーを示したブロック図である。
【図5】ディジタルデータが格納されるメモリの遊休空間を示したフォーマット図である。
【符号の説明】
【0036】
301 データ格納媒体
302 デコーダ
303、413 D/A変換器
304、414 スピーカ
401 LCM
402 テキストエンコーダ
403 カセットメカニズム
404 オーディオ信号プロセッサー
405 マイク
406 スイッチ
407 A/D変換器
408 スピーチエンコーダ
409 データ格納媒体
410 制御手段
411 キー入力部
412A MP3デコーダ
412B スピーチデコーダ
412C テキストデコーダ
415 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1圧縮アルゴリズムにより圧縮された第1ディジタルデータのビットストリームを任意の一部の領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームを残りの他の領域に格納するデータ格納媒体と、
該データ格納媒体から前記第1ディジタルデータのビットストリームが出力されるときは第1ディジタルデータデコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングし、前記第2ディジタルデータのビットストリームが出力されるときは第2ディジタルデータデコーディングアルゴリズムを利用してデコーディングするデコーダと、
該デコーダから出力されるディジタルデータファイルのディジタル信号をアナログ形態の信号に変換してスピーカ側に出力するD/A変換手段とを具備することを特徴とするディジタルデータプレーヤー。
【請求項2】
前記第1ディジタルデータファイルは、MP3ファイルである請求項1記載のディジタルデータプレーヤー。
【請求項3】
第1圧縮アルゴリズムにより圧縮された第1ディジタルデータのビットストリームを任意の一部の領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームまたはテキスト情報を残りの他の領域に格納するデータ格納媒体と、
音声信号を符号化処理して前記データ格納媒体の残りの他の領域に供給する入力手段と、
要求に従って前記データ格納媒体のアクセスを制御して該当の信号を入出力させる制御手段と、
前記データ格納媒体から出力される第1ディジタルデータ、第2ディジタルデータ及び音声信号を復元処理して外部に出力し、テキスト情報を復元処理して表示装置に表示する出力手段とを具備することを特徴とするディジタルデータプレーヤー。
【請求項4】
前記第2ディジタルデータのビットストリームは、通信網を通じて伝送された信号である請求項3記載のディジタルデータプレーヤー。
【請求項5】
前記入力手段は、マイクを介して入力される音声信号、または、カセットプレーヤーから出力される音声信号を符号化処理するためのエンコーダを有する請求項3記載のディジタルデータプレーヤー。
【請求項6】
前記制御手段は、要求に応じて前記データ格納媒体に格納された音声信号を反復再生する請求項3記載のディジタルデータプレーヤー。
【請求項7】
前記出力手段は、
前記データ格納媒体から出力される第1ディジタルデータを復元するためのディジタルデータデコーダと、
第2ディジタルデータ及びその他の音声信号を復元するためのスピーチデコーダと、
テキストデータを復元するためのテキストデコーダとを有する請求項3記載のディジタルデータプレーヤー。
【請求項8】
第1圧縮アルゴリズムにより圧縮された第1ディジタルデータのビットストリームが格納される第1圧縮データ領域と、
前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームが格納される領域内の一部である第2圧縮データ領域と、
前記第2圧縮アルゴリズムにより圧縮された第2ディジタルデータのビットストリームが格納される領域の他の部分であって、テキストデータが格納されるテキストデータ領域と、を備えて構成されることを特徴とするディジタルデータプレーヤーのデータ記録媒体。
【請求項9】
異なる圧縮アルゴリズムにより圧縮されたディジタルデータのビットストリームをデータ格納媒体の異なる領域にそれぞれ格納した後、各領域に格納されたデータをデコーディングして同時に、或いは、独立的に再生出力することを特徴とするディジタルデータプレーヤーのデータ処理方法。
【請求項10】
第1圧縮アルゴリズムにより第1ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第1領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより第2ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第2領域に格納する段階と、
テキスト情報を第3領域に格納する段階と、
前記第1領域または前記第2領域のデータをデコーディングして出力するとき、前記第3領域のデータを同時に再生処理してディスプレーする段階と、を順次行うことを特徴とするディジタルデータプレーヤーのデータ処理方法。
【請求項11】
異なる圧縮アルゴリズムにより圧縮されたディジタルデータのビットストリームをデータ格納媒体の異なる領域にそれぞれ格納した後、各領域に格納されたデータをデコーディングして同時に、或いは、独立的に再生して出力するディジタルデータ処理プログラムを記録し、コンピュータにより読取り可能な記録媒体。
【請求項12】
第1圧縮アルゴリズムにより第1ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第1領域に格納し、前記第1圧縮アルゴリズムよりも圧縮率の高い第2圧縮アルゴリズムにより第2ディジタルデータのビットストリームを圧縮して第2領域に格納する段階と、
テキスト情報を第3領域に格納する段階と、
前記第1領域または第2領域のデータをデコーディングして出力するとき、第3領域のデータを同時に再生処理してディスプレーする段階と、を順次行うディジタルデータ処理プレグラムを記録し、コンピュータにより読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−268969(P2008−268969A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147601(P2008−147601)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【分割の表示】特願平11−291990の分割
【原出願日】平成11年10月14日(1999.10.14)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】