説明

ディジタル信号の伝送装置、ディジタル信号の伝送方法及びディジタル信号の記録媒体

【課題】本発明は、ディジタル信号の伝送装置、ディジタル信号の伝送方法及びディジタル信号の記録媒体に関し、例えばコンパクトディスクと、コンパクトディスクの記録再生装置に適用して、従来機器に対してもディジタルオーディオ信号を伝送でき、かつ著作権を有効に保護することができるようにする。
【解決手段】本発明は、知覚できる程度に品質が劣化するように、かつ所定の処理により劣化した品質を回復することができるように、ディジタル信号DAを操作して伝送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル信号の伝送装置、ディジタル信号の伝送方法及びディジタル信号の記録媒体に関し、例えばコンパクトディスクと、コンパクトディスクの記録再生装置に適用することができる。本発明は、知覚できる程度に品質が劣化するように、かつ所定の処理により劣化した品質を回復することができるように、ディジタル信号を操作して伝送することにより、従来機器に対してもディジタルオーディオ信号を伝送でき、かつ著作権を有効に保護することができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、コンパクトディスクプレイヤー等のディジタルオーディオ機器においては、SCMS(Serial Copy Management System )により著作権を保護するようになされている。
【0003】
すなわちコンパクトディスクプレイヤーは、コンパクトディスクにレーザービームを照射して得られる再生信号を2値識別して再生データを得、この再生データをEFM復調、誤り訂正処理、デインターリーブ処理し、ディジタルオーディオ信号を再生する。コンパクトディスクプレイヤーは、アナログ信号入力のオーディオ機器に対してはこのディジタルオーディオ信号をディジタルアナログ変換して出力するのに対し、ディジタルオーディオ機器等に対しては、このディジタルオーディオ信号を所定のフォーマットにより出力する。コンパクトディスクプレイヤーは、このフォーマットにおいて、コピー禁止、1回に限るコピー許可、無制限なコピー許可を示すコードを設定し、これにより著作権者の意図を反映して著作権を保護するようになされている。
【0004】
ところでこのようなコードを付加してディジタルオーディオ信号を出力する場合でも、この種のコードを無視して動作する機器においては、著作権者の意図に反して無制限にコピーされる場合がある。
【0005】
この問題を解決する1つの方法として例えばディジタルオーディオ信号をスクランブル処理して伝送する方法が考えられる。この方法の場合、例えばデスクランブル処理に必要なキーデータの授受により著作権者の意図に従って各種作品を保護できると考えられる。
【0006】
ところがこのようにすると従来のオーディオ機器に対しては、ディジタルオーディオ信号を伝送できなくなる問題がある。
【特許文献1】特開平10−135944号公報
【特許文献2】特開平08−006879号公報
【特許文献3】特開平10−069722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来機器に対してもディジタル信号を伝送でき、かつ著作権を有効に保護することができるディジタル信号の伝送装置、ディジタル信号の伝送方法及びディジタル信号の記録媒体を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため請求項1の発明は、ディジタル信号の伝送装置に適用して、複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質劣化のディジタル信号を生成する品質劣化手段と、前記品質劣化のディジタル信号を伝送する伝送手段とを有し、前記品質劣化のディジタル信号は、前記所定の演算処理に基づいて信号処理することにより、前記入力ディジタル信号の品質に回復される。
【0009】
また請求項6の発明は、複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質劣化のディジタル信号を生成し、前記品質劣化のディジタル信号を伝送するディジタル信号の伝送方法に適用して、前記品質劣化のディジタル信号は、前記所定の演算処理に基づいて信号処理することにより、前記入力ディジタル信号の品質に回復される。
【0010】
また請求項11の発明は、ディジタル信号の伝送方法に適用して、複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質が劣化されてなる品質劣化のディジタル信号を、所定の伝送路より入力し、前記品質劣化のディジタル信号の品質を、前記所定の演算処理に基づいて信号処理することにより回復する。
【0011】
また請求項15の発明は、ディジタル信号の記録媒体に適用して、複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質を劣化させてなる品質劣化のディジタル信号を記録する。
【0012】
請求項1、請求項6、請求項11、又は請求項15の構成により、品質劣化のディジタル信号を伝送すれば、伝送されたディジタル信号を直接処理する機器においても利用することができる。これにより従来機器に対してもディジタル信号を伝送することが可能となる。このときこのディジタル信号をそっくりコピーするような、著作権の保護が疑わしい場合には、劣化した品質によりディジタル信号がコピーされることになり、これにより著作権の保護が図られる。これに対してこの品質劣化のディジタル信号においては、回復可能に品質が劣化していることにより、著作権を確実に保護可能な機器においては、品質を回復してディジタル信号を処理することにより、高品質のディジタル信号を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、知覚できる程度に品質が劣化するように、かつ所定の処理により劣化した品質を回復することができるように、ディジタル信号を操作して伝送することにより、従来機器に対してもディジタル信号を伝送でき、かつ著作権を有効に保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
【実施例1】
【0015】
(1)第1の実施例
図1は、コンパクトディスクの製造に使用する光ディスク記録装置を示すブロック図である。この第1の実施例においては、この光ディスク記録装置1により露光されたディスク原盤2を現像した後、電鋳処理することにより、マザーディスクが作成される。さらにこのマザーディスクを用いてコンパクトディスクが作成される。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。
【0016】
このようにして露光処理されるディスク原盤2は、例えば平坦なガラス基板に感光剤を塗布して形成される。スピンドルモータ3は、スピンドルサーボ回路4の制御によりこのディスク原盤2を回転駆動する。このときスピンドルモータ3は、底部に設けられたFG信号発生器により所定の回転角毎に信号レベルが立ち上がるFG信号FGを出力する。スピンドルサーボ回路4は、このFG信号FGが所定周波数になるようにスピンドルモータ3を駆動し、これによりディスク原盤2を線速度一定の条件により回転駆動する。
【0017】
記録用レーザー5は、ガスレーザー等により構成され、所定光量のレーザービームを射出する。光変調器6は、電気音響光学素子等により構成され、記録用レーザー5から入射するレーザービームLを駆動信号S3に従ってオンオフ制御する。
【0018】
ミラー8は、レーザービームLの光路を折り曲げ、ディスク原盤2に向けて射出する。対物レンズ9は、このミラー8の反射光をディスク原盤2の記録面に集光する。ミラー8及び対物レンズ9は、図示しないスレッド機構により、ディスク原盤2の回転に同期してディスク原盤2の半径方向に順次移動するようになされている。これにより光ディスク記録装置1は、レーザービームLの集光位置をディスク原盤2の外周方向に順次変位させ、ディスク原盤2上にラセン状にトラックを形成する。またこのとき、このトラック上に、変調信号S3に応じたピット列を形成する。
【0019】
ビット操作部10は、所定のサーバーより出力される16ビットパラレルのオーディオデータDAを受け、このオーディオデータDAの下位側8ビットを操作する。ここでビット操作部10は、下位8ビットについては、2ビット単位で区切って、各2ビットの組み合わせを所定の規則に従って変換することにより、これらのビットを操作する。すなわち図2に2ビットの組み合わせにより示すように、論理「00」の組み合わせについては、論理「11」の組み合わせに変更し、論理「01」の組み合わせについては、論理「10」の組み合わせに変更する。また論理「10」及び「11」の組み合わせについては、それぞれ論理「00」及び「01」の組み合わせに変更する。
【0020】
これによりビット操作部10は、ディジタルオーディオ信号の品質である音質について、劣化が知覚できる程度に音質を劣化させる。さらにこのとき劣化した音質を回復することができるように音質を劣化させる。
【0021】
データ処理回路11は、コンパクトディスクのリードインエリアに記録するTOCのデータDIを入力し、このTOCのデータDIをコンパクトディスクについて規定されたフォーマットに従って処理する。これによりデータ処理回路11は、ピット列に対応するチャンネルデータを生成して出力する。またデータ処理回路11は、同様にして、ビット操作部10より出力されるディジタル信号D2をコンパクトディスクについて規定されたフォーマットに従って処理し、ピット列に対応するチャンネルデータを生成して出力する。
【0022】
このようにして記録するTOCのデータは、ディジタルオーディオ信号DAがビット操作されて記録されていることを示すディスク識別データIDと、マザーディスクより作成されるオリジナルのコンパクトディスクであることを示すコピー識別データICとが割り当てられるようになされている。これによりこの実施例では、再生時、このディスク識別データIDの検出結果に基づいて、ビット操作されたディジタルオーディオ信号DAを再生できるようになされている。またコピー識別データICに基づいて、オリジナルのコンパクトディスクかコピーされたコンパクトディスクかを判定できるようになされている。
【0023】
駆動回路12は、このようにしてデータ処理回路11より出力されるチャンネルデータD3を受け、このチャンネルデータD3の論理レベルに対応して信号レベルが変化する駆動信号S3を生成する。
【0024】
これによりこの実施例においては、ディジタルオーディオ信号DAを構成する16ビットのデータのうち、8ビットについては、通常のコンパクトディスクプレイヤーで再生して正しく再生できるようにディスク原盤2に記録され、残る下位側8ビットについては、通常のコンパクトディスクで再生されたオーディオデータをさらに図2について上述した変換規則に従ってビット操作して正しく再生できるようになされている。
【0025】
以下、この図1の光ディスク記録装置1により製造されるコンパクトディスクを従来からのコンパクトディスクと区別して示す場合にはECDディスクと呼ぶ。
【0026】
図3は、コンパクトディスクプレイヤーを示すブロック図であり、従来からのコンパクトディスク、ECDディスクを再生する。すなわちこのコンパクトディスクプレイヤー20において、コンパクトディスク21は、光ピックアップ23より得られる再生信号RFを基準にしてスピンドルモータ22により線速度一定の条件により回転駆動される。
【0027】
RF回路24は、光ピックアップ23より得られる再生信号RFを所定利得で増幅して出力し、EFM(eight to fourteen )復調回路25は、RF回路24より出力される再生信号を2値識別して再生データを生成する。さらにEFM復調回路25は、この再生データをEFM復調して出力する。
【0028】
CIRCデコーダ26は、このEFM復調回路25をデスクランブル処理すると共に、記録時に付加した誤り訂正符号により誤り訂正処理し、これによりディジタルオーディオ信号D4を再生して出力する。かくするにつきコンパクトディスクプレイヤー20においては、コンパクトディスク21が従来からのコンパクトディスクの場合、このディジタルオーディオ信号D4が16ビットの高音質により出力されるのに対し、コンパクトディスク21がECDディスクの場合、この16ビットのうち下位側8ビットがビット操作されて、その分音質が劣化して出力されることになる。
【0029】
ビット操作部28は、図2について上述した変換規則を逆に辿るように、ディジタルオーディオ信号D4の下位側8ビットをビット操作する。これによりビット操作部28は、コンパクトディスク21がECDディスクの場合、劣化したディジタルオーディオ信号D4の音質を回復して出力する。
【0030】
ディスク判別部29は、システムコントローラにより構成される。ここでシステムコントローラは、コンパクトディスク21が装填されると、光ピックアップ23をシークさせ、コンパクトディスク21のリードインエリアよりコンパクトディスク21に記録された曲数、演奏時間等の情報を取得し、所定の表示手段により表示する。このときシステムコントローラは、併せてコンパクトディスク21のディスク識別データIDを取得し、このディスク識別データIDに従ってコンパクトディスク21が従来からのコンパクトディスクかECDディスクかを判定する。ディスク判別部29は、この判定結果に基づいて選択回路30の接点を切り換え制御する。
【0031】
またディスク判別部29は、同様に取得したコピー識別データICに基づいて、コンパクトディスク21がコピーによるコンパクトディスクか否か判定する。ここでこのようなコピーによるコンパクトディスクは、例えばコンピュータによってオリジナルのコンパクトディスクに記録された内容をCD−ROMにダビングして作成されるものである。ディスク判別部29は、この判定結果に基づいてスイッチ回路34の動作を切り換え、これによりコンパクトディスク21がコピーによる場合、ディジタルオーディオ信号の出力を中止するようになされている。
【0032】
選択回路30は、コンパクトディスク21が従来からのコンパクトディスクの場合、CIRCデコーダ26より出力されるディジタルオーディオ信号D4をディジタルアナログ変換回路(D/A)31に選択出力するのに対し、コンパクトディスク21がECDディスクの場合、ビット操作部28より出力される音質が回復されてなるディジタルオーディオ信号を選択出力する。
【0033】
ディジタルアナログ変換回路31は、この選択回路30より出力されるディジタルオーディオ信号をディジタルアナログ変換処理し、アナログ信号によるオーディオ信号SAを出力する。これによりコンパクトディスクプレイヤー20においては、図4に示すように、アナログ信号による再生音質においては、従来からのコンパクトディスクの場合でも、ECDディスクの場合でも、16ビット相当の高音質(CD音質として示す)により再生できるようになされている。なおこの図4においては、この図3に示す構成のコンパクトディスク21をECDプレーヤーとして、従来からのコンパクトディスクプレイヤーをCDプレーヤーとして示す。また従来からのコンパクトディスクをCDディスクとして示し、ビット操作により低下した音質をFM音質として示す。
【0034】
なお従来のコンパクトディスクプレイヤーにおいては、CIRCデコーダ26より出力されるディジタルオーディオ信号D4がビット操作部28を介すことなく出力されることにより、従来からのコンパクトディスク及びECDディスクの場合、それぞれCD音質及びFM音質により出力されることになる。
【0035】
インターフェース(I/F)32は、外部機器等との間の種々のデータを送受する入出力回路を構成し、SCMSのフォーマットによりパーソナルコンピュータにディジタルオーディオ信号を出力し、またディジタルオーディオ信号に関連する各種データを送受する。
【0036】
外部機器判別部33は、ディスク判別部29と同様に、このコンパクトディスクプレイヤー20のシステムコントローラにより構成され、インターフェース32を介して外部機器との間で所定の認証処理を実行する。この認証処理において、外部機器判別部33は、所定のデータを外部機器に対して送出すると共に、このデータに対する外部機器からの応答により、このインターフェース32に接続されたコンピュータが著作権の保護を図る機器であるか否か判断する。
【0037】
ここでこのように著作権の保護を図る機器とは、コピーからコピー(いわゆるニ次のコピーである)の作成を禁止する機能を有する機器であり、例えばこのコンパクトディスクプレイヤー20のように、コンパクトディスク21がコピーによる場合には、ディジタルオーディオ信号の出力を中止して外部機器によるディジタルオーディオ信号の記録を阻止できるような機器を意味する。従って例えば外部機器がパーソナルコンピュータであって、このコンパクトディスクプレイヤー20から出力されるディジタルオーディオ信号よりコピーのコンパクトディスクを作成する場合には、このパーソナルコンピュータが、コピー識別データICを正しく設定する機能を有する場合に著作権の保護を図る機器に該当する。(図4においては従来のパーソナルコンピュータ(従来PC)との対比により二次コピー禁止のPCとして示す)。
【0038】
選択回路35は、この外部機器判別部33の判定結果に基づいて、外部機器が著作権の保護を図る機器の場合、選択回路30より出力されるディジタルオーディオ信号を選択出力するのに対し、外部機器が著作権の保護を図る機器でない場合、CIRCデコーダ26より出力されるディジタルオーディオ信号S4を選択出力する。これにより選択回路35は、外部機器が著作権の保護を図る機器の場合、コンパクトディスク21が従来のコンパクトディスクの場合でも、ECDディスクの場合でも、高音質によるディジタルオーディオ信号を出力する。これに対して外部機器が著作権の保護を図る機器でない場合、コンパクトディスク21が従来のコンパクトディスクの場合には高音質によるディジタルオーディオ信号を出力するのに対し、コンパクトディスク21がECDディスクの場合、劣化した音質によりディジタルオーディオ信号を出力する。
【0039】
スイッチ回路34は、この選択回路35より出力されるディジタルオーディオ信号を直接に、又はインターフェース32を介して外部機器に出力する。このときスイッチ回路34は、ディスク判別部29によるディスク判定結果に基づいて、コンパクトディスク21がコピーによるディスクの場合、これらディジタルオーディオ信号の出力を中止する。
【0040】
以上の構成において、コンパクトディスクの製造工程において(図1)、16ビットによるディジタルオーディオ信号DAは、ビット操作部10において一定の規則に従って(図2)下位側8ビットがビット操作され、これにより知覚できる程度に音質が劣化される。ディジタルオーディオ信号DAは、その後、通常のコンパクトディスクを作成する場合と同様にしてディスク原盤2に記録された後、このディスク原盤2よりマザーディスク、スタンパが順次作成され、このスタンパよりコンパクトディスクに記録される。これに対して従来からのコンパクトディスクにおいては、何らディジタルオーディオ信号の音質が劣化されることなくコンパクトディスクに記録されることになる。
【0041】
このようにしてディスク原盤2を露光する際に、所定のサーバーより出力されるTOCのデータによりリードインエリアが形成され、このTOCのデータに割り当てられたディスク識別データIDにより音質を劣化させて記録したコンパクトディスクか、従来からのコンパクトディスクかを識別可能に設定される。また同様にしてTOCのデータに割り当てられたコピー識別データICにより、オリジナルのコンパクトディスクか、コピーによるコンパクトディスクかを識別可能に設定される。
【0042】
このようにして作成されるコンパクトディスク21においては、コンパクトディスクプレイヤー20(図3)において、光ピックアップ23で検出される再生信号がRF回路24で増幅された後、EFM復調回路25で復調されて再生データが生成され、この再生データがデスクランブル処理、誤り訂正処理されて元のディジタルオーディオ信号が出力される。
【0043】
従来からのコンパクトディスクプレイヤーにおいては、この誤り訂正処理されてCIRCデコーダ26より出力されるディジタルオーディオ信号D4が外部機器に出力され、またアナログ信号に変換されて出力されることになる。これにより従来からのコンパクトディスクプレイヤーに従来からのコンパクトディスクを装填した場合、16ビットによる高音質のディジタルオーディオ信号が直接に又はアナログ信号に変換されて出力される(図4)。これに対して従来からのコンパクトディスクプレイヤーにECDディスクを装填した場合、音質が劣化してなるほぼ8ビット相当分によりディジタルオーディオ信号が出力されることになる。
【0044】
これによりこのコンパクトディスクにおいては、従来のコンパクトディスクプレイヤーによっても再生することが可能となる。
【0045】
これに対してこのECDディスクを再生可能なコンパクトディスクプレイヤー20においては、CIRCデコーダ26より出力されるディジタルオーディオ信号がビット操作部28に入力され、ここで記録時とは逆に下位側8ビットがビット操作される。これによりコンパクトディスク21がECDディスクの場合、音質を回復してなるディジタルオーディオ信号が出力される。
【0046】
コンパクトディスクプレイヤー20においては、コンパクトディスクのリードインエリアよりTOCのデータが事前に再生され、このTOCのデータに割り当てられたディスク識別データIDより、コンパクトディスク21が従来からのコンパクトディスクかECDディスクか判定される。これによりコンパクトディスク21が従来からのコンパクトディスクの場合、CIRCデコーダ26より出力されるディジタルオーディオ信号D4が選択回路30、選択回路35、スイッチ回路34、インターフェース32を介してSCMSのフォーマットにより外部機器に出力される。さらにこのディジタルオーディオ信号D4が選択回路30を介してディジタルアナログ変換回路31に入力され、ここでアナログ信号に変換されて出力されることになる。
【0047】
これにより従来からのコンパクトディスクを再生する場合には、従来からのコンパクトディスクプレイヤーにより再生する場合と同様に、高音質による再生結果を外部機器に出力して種々に利用することが可能となる。またSCMSにより著作権の保護を図ることが可能となる。これによりこのコンパクトディスクプレイヤー20においては、既存のユーザーの権利を何ら制限することなく従来からのコンパクトディスクを利用することが可能となる。
【0048】
これに対してコンパクトディスク21がECDディスクの場合、ビット操作部28で音質が回復されてなるディジタルオーディオ信号が生成され、このディジタルオーディオ信号が選択回路30、ディジタルアナログ変換回路31を介してアナログ信号により出力される。これによりECDディスクにおいても、従来からのコンパクトディスクと同様に、高音質によりオーディオ信号を試聴でき、またアナログ信号の場合に限り、従来と同様に高音質により私的にコピーして楽しむことが可能となる。
【0049】
これに対してコンパクトディスク21がECDディスクの場合で、外部機器にディジタルオーディオ信号を出力する場合には、インターフェース32を介して外部機器との間で認証処理が実行され、外部機器が従来のパーソナルコンピュータのように、SCMSによるコードを無視する機器か否か判断される。これにより外部機器が著作権の保護を図る機器か否か判定され、著作権の保護を図る機器の場合、ビット操作部28により音質を回復したディジタルオーディオ信号が選択回路30、選択回路35、スイッチ回路34、インターフェース32を介して外部機器に出力される。
【0050】
これにより高品質のディジタルオーディオ信号が外部機器に出力され、この外部機器が著作権の保護を図る機器であることにより、コピーからさらにコピーを作成するような違法な複製が禁止される。
【0051】
これに対して外部機器が著作権の保護を図る機器でない場合、この場合無制限なディジタル信号によるコピーが実行される場合があることにより、コンパクトディスクプレイヤー20においては、CIRCデコーダ26より出力される音質が劣化してなるディジタルオーディオ信号D4が、選択回路35、スイッチ回路34、インターフェース32を介して外部機器に出力される。これによりこのように無制限なディジタル信号によるコピーが許される恐れのある場合、アナログ信号によりコピーを繰り返した場合のように、音質が劣化してなるディジタルオーディオ信号を出力し、繰り返しコピーしても音質が劣化しないと言うディジタル信号によるコピーの長所を生かすことができないようになされる。
【0052】
これに対して著作権の保護を図る外部機器において、高音質のディジタルオーディオ信号を出力して作成されるコピーにおいては、この種のコンパクトディスクプレイヤー20に装填した際に、リードインエリアに記録されたコピー識別データICにより判定できることにより、このコンパクトディスクプレイヤー20においては、スイッチ回路34によりディジタルオーディオ信号の出力が中止され、これによりECDディスクに記録されたディジタルオーディオ信号を高音質のディジタルオーディオ信号により外部機器に出力する場合でも、無制限なコピーが防止される。
【0053】
以上の構成によれば、音質の劣化を知覚できるように、また回復劣化した音質を回復できるようにディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、このディジタルオーディオ信号を記録することにより、従来のコンパクトディスクプレイヤーによっても再生可能で、かつ著作権を有効に保護することができるコンパクトディスクと、コンパクトディスクを作成する光ディスク記録装置を得ることができる。
【0054】
また外部機器を判定してこのようにして記録したディジタルオーディオ信号を直接に、又は音質を回復して出力することにより、従来のコンパクトディスクを再生可能で、かつ著作権を有効に保護することができるコンパクトディスクプレイヤーを得ることができる。
【実施例2】
【0055】
(2)第2の実施例
この実施例において、光ディスク記録装置は、第1の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様に音質を劣化してなるディジタルオーディオ信号によりディスク原盤2を露光する。このときこの実施例に係る光ディスク記録装置は、ディジタルオーディオ信号に付加して記録するサブコードによる時間情報を基準にして、一定の期間の間、一定の周期で、第1の実施例と同様のビット操作の処理を実行する。これによりこの実施例では、劣化を知覚できるように、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、また劣化した音質を回復できるようにする。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。
【0056】
これに対してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、第1の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤー20と同様にしてコンパクトディスクよりディジタルオーディオ信号を再生し、外部機器に出力する。このときこの実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーは、コンパクトディスクを再生して得られる再生データよりサブコードを取得する。さらにこのサブコードより時間情報を取得し、この時間情報を基準にして再生したディジタルオーディオ信号の音質を回復する。
【0057】
この第2の実施例に係る構成によれば、サブコードに割り当てられた時間情報を基準にして第1の実施例と同様のビット操作を一定周期で繰り返すことにより、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。特にこのようにしてサブコードに割り当てられた時間情報においては、サブコード自体は、ディジタルオーディオ信号に付加されて出力されないことにより、これをコピーすることが困難な特徴がある。これにより第1の実施例に比して違法コピーをさらに有効に防止することができる。
【実施例3】
【0058】
(3)第3の実施例
この第3の実施例において、光ディスク記録装置は、第1又は第2の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様にしてディジタルオーディオ信号の音質を劣化してディスク原盤2を露光する。このときこの実施例に係る光ディスク記録装置は、公開鍵暗号、DES(Data Encryption Standard)等の手法によりディジタルオーディオ信号の下位側8ビットを暗号化処理することにより、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化させてディスク原盤を露光する。これによりこの実施例では、劣化を知覚できるように、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、また劣化した音質を回復できるようにする。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。
【0059】
これに対してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、第1又は第2の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤー20と同様にしてコンパクトディスクよりディジタルオーディオ信号を再生し、外部機器に出力する。このときこの実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーにおいては、光ディスク記録装置における暗号化の処理に対応する処理によりディジタルオーディオ信号の音質を回復する。
【0060】
この第3の実施例によれば、ディジタルオーディオ信号の下位側ビットを暗号化して音質を劣化させるようにしても、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。さらに暗号化したことにより、一段と強力に著作権を保護することができる。
【実施例4】
【0061】
(4)第4の実施例
この実施例において、光ディスク記録装置は、第1の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様に音質を劣化してなるディジタルオーディオ信号によりディスク原盤2を露光する。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。
【0062】
すなわち光ディスク記録装置は、18ビットのディジタルオーディオ信号をサーバーより入力し、ビット操作部において、この18ビットのディジタルオーディオ信号より音質の劣化した16ビットのディジタルオーディオ信号を生成する。
【0063】
すなわち図5に示すように、ビット操作部50は、18ビットのディジタルオーディオ信号を上位側8ビットと下位側10ビットに分解する。さらにビット操作部50は、この下位側10ビットをデータ処理回路51によりデータ圧縮処理又は非線形量子化処理し、8ビットによるディジタルオーディオ信号を生成する。
【0064】
ビット操作部50は、このようにして生成した下位側8ビットのディジタルオーディオ信号と、上位側8ビットのディジタルオーディオ信号とをそれぞれ上位側8ビット及び下位側8ビットに割り当てて16ビットの合成ディジタルオーディオ信号を生成する。これによりこの実施例では、劣化を知覚できるように、18ビットのディジタルオーディオ信号を16ビットの合成ディジタルオーディオ信号に変換してディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、また劣化した音質を回復できるようにする。光ディスク記録装置は、この合成ディジタルオーディオ信号によりディスク原盤2を露光してコンパクトディスクを作成する。
【0065】
これに対してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、第1又は第2の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤー20と同様にしてコンパクトディスクよりディジタルオーディオ信号を再生し、外部機器に出力する。
【0066】
このときコンパクトディスクプレイヤーにおいては、コンパクトディスクより得られる再生データより合成ディジタルオーディオ信号を再生し、ビット操作部においてこの合成ディジタルオーディオ信号の音質を回復する。すなわちビット操作部52は、図6に示すように、データ処理回路53において、光ディスク記録装置における処理に対応したデータ伸長処理又は非線形逆量子化処理によりディジタルオーディオ信号の音質を回復し、外部機器に選択的に出力する。
【0067】
第4の実施例によれば、データ圧縮処理又は非線形量子化処理によりディジタルオーディオ信号の音質を劣化させるようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。またデータ圧縮処理又は非線形量子化処理によりディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、さらに劣化させた音質を回復することにより、著作権の保護を図る外部機器に対しては、さらに一段と高音質によりディジタルオーディオ信号を出力することができる。
【実施例5】
【0068】
(5)第5の実施例
この第5の実施例において、光ディスク記録装置は、上述の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様にしてディジタルオーディオ信号の音質を劣化してディスク原盤2を露光する。このときこの実施例に係る光ディスク記録装置において、ビット操作部55は、図7に示すように、演算回路56において、サブコードによる所定数のフレームを単位にして繰り返す8ビットによる音質劣化用のディジタル信号PNを生成し、ディジタル信号のディジタルオーディオ信号の下位側8ビットを演算する。なおここで演算は、対応するビット間の加算処理、減算処理、又は排他的論理和演算等により実行される。これによりこの実施例では、劣化を知覚できるように、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、また劣化した音質を回復できるようにする。なおこの音質劣化用のディジタル信号PNにおいては、例えばPN符号による擬似雑音により構成される。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。
【0069】
これに対応してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、上述の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーと同様にしてコンパクトディスクより再生データを得、この再生データよりディジタルオーディオ信号を再生して外部機器に出力する。このときこの実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーは、ビット操作部57において、光ディスク記録装置における処理に対応して音質劣化用のディジタル信号PNを生成する。さらに図8に示すように、演算回路58により、このディジタル信号PNを再生したディジタルオーディオ信号の下位側8ビットと演算処理し、これによりディジタルオーディオ信号の音質を回復する。
【0070】
第5の実施例によれば、音質劣化用のディジタル信号とディジタルオーディオ信号とを演算処理してディジタルオーディオ信号の音質を劣化させるようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例6】
【0071】
(6)第6の実施例
この第6の実施例において、光ディスク記録装置は、上述の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様にしてディジタルオーディオ信号の音質を劣化してディスク原盤2を露光する。このときこの実施例に係る光ディスク記録装置においては、図9に示すように、リードアウトエリアAR4とユーザーエリアAR2との間に、付加データの記録エリアAR3を形成するようにディスク原盤2を露光してコンパクトディスクを作成する。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。
【0072】
さらに光ディスク記録装置においては、リードインエリアAR1に記録するTOCの設定により、従来からのコンパクトディスクプレイヤーでは、付加データの記録エリアAR3をアクセスしないように設定する。またディジタルオーディオ信号の所定フレーム(例えば98フレーム)を単位にして周期的に繰り返す音質劣化用のディジタル信号(8ビットのディジタル信号である)をこの付加データの記録エリアAR3に記録する。
【0073】
さらにタイムコードを基準にしてこの付加データとディジタルオーディオ信号の下位側8ビットとを演算処理し、劣化を知覚できるように、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、また劣化した音質を回復できるようにする。光ディスク記録装置は、この音質の劣化したディジタルオーディオ信号をユーザーエリアAR2に記録する。なおこの音質劣化用のディジタル信号においては、例えばPN符号による擬似雑音により構成される。
【0074】
これに対応してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、上述の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーと同様にしてコンパクトディスクより再生データを得、この再生データよりディジタルオーディオ信号を再生して外部機器に出力する。このときコンパクトディスクプレイヤーにおいては、TOCのデータよりコンパクトディスクがECDディスクであると判断すると、付加データの記録エリアAR3をアクセスして音質劣化用のディジタル信号を取得する。さらにタイムコードを基準にして再生したディジタルオーディオ信号と音質劣化用のディジタル信号とを演算処理し、これによりディジタルオーディオ信号の音質を回復する。
【0075】
第6の実施例によれば、音質を回復する為に必要なディジタル信号を別途コンパクトディスクに記録して伝送するようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例7】
【0076】
(7)第7の実施例
この実施例において、光ディスク記録装置は、上述の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様にしてディジタルオーディオ信号の音質を劣化してディスク原盤2を露光する。このとき光ディスク記録装置は、例えば暗号化等の種々の手法によりディジタルオーディオ信号の下位側8ビットを操作し、これによりディジタルオーディオ信号の音質を劣化して記録する。さらにこの劣化させたディジタルオーディオ信号の音質を回復するために必要なキーデータ等をリードアウトエリアとユーザーデータとの間に記録する。これによりこの実施例では、劣化を知覚できるように、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、また劣化した音質を回復できるようにする。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。
【0077】
これに対応してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、上述の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーと同様にしてコンパクトディスクより再生データを得、この再生データよりディジタルオーディオ信号を再生して外部機器に出力する。このときコンパクトディスクプレイヤーは、ディジタルオーディオ信号の音質を回復させるために必要なキーデータを事前にコンパクトディスクより再生し、このキーデータによりディジタルオーディオ信号の音質を回復する。
【0078】
この第7の実施例によれば、暗号化等により音質を劣化させ、この音質を回復させる為に必要な各種のデータを別途記録するようにしても、上述の第6の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例8】
【0079】
(8)第8の実施例
この実施例において、光ディスク記録装置は、ディジタルオーディオ信号を上位側8ビットと下位側8ビットに分解した後、例えばディジタルオーディオ信号のフレームを単位にしてこの下位側8ビットを所定の規則により入れ替え、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化する。これにより光ディスク記録装置は、上述した実施例に係る振幅方向の操作に代えて、時間軸方向の操作によりディジタルオーディオ信号の音質を知覚可能に、また回復可能に劣化させる。光ディスク記録装置は、このディジタルオーディオ信号によりディスク原盤を露光する。なおこの実施例は、本発明の参考例としての実施例である。

これに対応してこの実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーにおいては、コンパクトディスクを再生して得られるディジタルオーディオ信号を上位側8ビット及び下位側8ビットに分解し、光ディスク記録装置における時間軸方向の操作に対応して下位側8ビットを入れ替え、これによりディジタルオーディオ信号の音質を回復する。
【0080】
第8の実施例のように、時間軸方向にディジタルオーディオ信号を操作して音質を劣化させるようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例9】
【0081】
(9)第9の実施例
この実施例においては、光ディスク記録装置は、上述の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様にして音質の劣化したディジタルオーディオ信号によりディスク原盤2を露光する。
【0082】
このとき光ディスク記録装置は、図10に示すビット操作部61によりディジタルオーディオ信号を処理し、これにより従来からのコンパクトディスクプレイヤーによってはほぼモノラルにより再生されるように、ディジタルオーディオ信号を操作する。これにより光ディスク記録装置は、知覚することができるようにディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、またこの音質の劣化を回復することができるようにする。
【0083】
すなわちビット操作部61においては、各16ビットによる右チャンネル及び左チャンネルのディジタルオーディオ信号R及びLを演算回路62に入力し、ここで対応するデータ間で所定の演算処理を実行することにより、(R+L)/2、(R−L)/2により表される各16ビット、2チャンネルのディジタルオーディオ信号を生成する。
【0084】
ビット操作部61は、この2チャンネルのディジタルオーディオ信号のうち、加算信号である(R+L)/2のディジタルオーディオ信号LMを主のディジタルオーディオ信号として従来のコンパクトディスクにおける左チャンネルに割り当てて出力する。
【0085】
比較回路63は、残る1チャンネルの(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号の上位8ビットと、所定の基準データREFとを比較し、このようにして生成される(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号においてはデータ量が少ないことにより、この(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が下位側8ビットにより表現可能か否か判断する。
【0086】
選択回路64は、合成ディジタルオーディオ信号DMと、右チャンネルのディジタルオーディオ信号Rとを比較回路63の比較結果SELに基づいて選択的に出力する。ここで合成ディジタルオーディ信号DMは、(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号の下位側8ビットと、(R+L)/2のディジタルオーディオ信号LMの上位側8ビットとをそれぞれ下位側8ビットと上位側8ビットに割り当てて生成される。
【0087】
すなわち選択回路64は、この(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が下位側8ビットにより表現可能な場合、すなわち(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が8ビットよりオーバーフローしない場合、この合成ディジタルオーディオ信号DMを選択出力する。
【0088】
これに対してこの(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が下位側8ビットにより表現困難な場合、すなわち(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が8ビットよりオーバーフローする場合、右チャンネルのディジタルオーディオ信号Rを選択出力する。
【0089】
ビット操作部61は、この選択回路64より出力されるディジタルオーディオ信号LSを副のディジタルオーディオ信号として従来のコンパクトディスクにおける右チャンネルに割り当てて出力する。
【0090】
この光ディスク記録装置では、このビット操作部61より出力される2チャンネルのディジタルオーディオ信号LM及びLSによりディスク原盤を露光する。これらによりこの実施例では、ディジタルオーディオ信号をチャンネル間で操作し、ディジタルオーディオ信号の音質を劣化する。
【0091】
これに対応してコンパクトディスクプレイヤーは、上述の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーと同様にしてコンパクトディスクより再生データを得、この再生データよりディジタルオーディオ信号を再生して外部機器に出力する。このときコンパクトディスクプレイヤーは、図11に示すビット操作部65によりディジタルオーディオ信号の音質を回復する。
【0092】
すなわちビット操作部65においては、コンパクトディスクより再生された2チャンネルのディジタルオーディオ信号LM及びLSを比較回路66に入力し、ここでこれらディジタルオーディオ信号LM及びLSの上位側8ビットが一致するか否か判断する。
【0093】
演算回路67は、この2チャンネルのディジタルオーディオ信号LM及びLSを受け、主のディジタルオーディオ信号LMの振幅を2倍に乗算した後、副のディジタルオーディオ信号LSより減算する。これにより演算回路67は、(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が8ビットよりオーバーフローして、副のディジタルオーディオ信号LSに右チャンネルのディジタルオーディオ信号Rが割り当てられている場合に、左チャンネルLを表すディジタルオーディオ信号を再生する。演算回路67は、このようにして生成したディジタルオーディオ信号を副のディジタルオーディオ信号LSと共に出力する。
【0094】
演算回路68は、この2チャンネルのディジタルオーディオ信号LM及びLSを受け、これら2つのディジタルオーディオ信号LM及びLSを加算及び減算する。これにより演算回路67は、副のディジタルオーディオ信号LSの下位8ビットに(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が割り当てられている場合に、それぞれ左チャンネルL及び右チャンネルRを表すディジタルオーディオ信号を再生する。
【0095】
選択回路64は、比較回路66の比較結果SELに基づいて、これら2つの演算回路67及び68より出力される2チャンネルのディジタルオーディオ信号を選択出力する。すなわちディジタルオーディオ信号LM及びLSの上位側8ビットが一致する場合、この場合副のディジタルオーディオ信号LSの下位側8ビットに(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号が割り当てられていることにより、選択回路68より出力されるディジタルオーディオ信号を選択出力する。これに対してディジタルオーディオ信号LM及びLSの上位側8ビットが一致しない場合、この場合副のディジタルオーディオ信号LSに右チャンネルのディジタルオーディオ信号が割り当てられていることにより、選択回路67より出力されるディジタルオーディオ信号を選択出力する。
【0096】
このコンパクトディスクプレイヤーは、このようにして品質の回復したディジタルオーディオ信号を第1の実施例と同様に出力する。
【0097】
第9の実施例のように、チャンネル間でディジタルオーディオ信号を操作して音質を劣化させても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例10】
【0098】
(10)第10の実施例
この実施例においては、光ディスク記録装置は、上述の実施例に係る光ディスク記録装置1と同様にして音質の劣化したディジタルオーディオ信号によりディスク原盤2を露光する。さらにチャンネル間でビットを操作してディジタルオーディオ信号の音質を劣化させる。
【0099】
このときこの実施例では、上述の第9の実施例の場合と同様にして(R+L)/2及び(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号を生成する。さらにこの2チャンネルのディジタルオーディオ信号のうち、(R+L)/2により表されるディジタルオーディオ信号を従来の右及び左チャンネルに割り当てて記録する。これに対して(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号においては、データ量が少ないことにより、データ圧縮し、サブコードに割り当ててディスク原盤に記録する。
【0100】
これにより光ディスク記録装置は、チャンネル間でディジタルオーディオ信号を操作してディジタルオーディオ信号の品質を劣化させ、さらにこの品質の劣化を知覚できるようにし、また劣化した品質を回復できるようにする。
【0101】
これに対応してコンパクトディスクプレイヤーは、上述の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーと同様にしてコンパクトディスクより再生データを得、この再生データよりディジタルオーディオ信号を再生して外部機器に出力する。このときコンパクトディスクプレイヤーは、サブコードより得られる(R−L)/2により表されるデータと、ディジタルオーディオ信号として再生される(R+L)/2により表されるデータとを順次演算処理し、これにより2チャンネルのディジタルオーディオ信号を再生して出力する。
【0102】
第10の実施例のように、チャンネル間でディジタルオーディオ信号を操作し、音質の回復に必要なデータをサブコードにより伝送するようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例11】
【0103】
(11)第11の実施例
この実施例においては、図9について上述したように、リードアウトエリアAR4とユーザーエリアAR2との間に付加データの記録エリアAR3を形成する。さらに第10の実施例について上述したサブコードに代えて、この付加データの記録エリアAR3に(R−L)/2により表されるディジタルオーディオ信号を記録する。
【0104】
これに対応してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、2つの光ピックアップによりユーザーエリアAR2及び付加データの記録エリアAR3を同時並列的にアクセスする。または1つの光ピックアップを繰り返しシークさせてユーザーエリアAR2及び付加データの記録エリアAR3を交互にアクセスすると共に、各エリアAR2及びAR3より得られる再生データをバッファリングして出力する。これによりコンパクトディスクプレイヤーは、(R−L)/2により表されるデータと、(R+L)/2により表されるデータとを同時並列的に処理できるように、コンパクトディスクを再生する。さらに再生した(R−L)/2により表されるデータと、(R+L)/2により表されるデータとを順次演算処理し、これにより2チャンネルのディジタルオーディオ信号を再生して出力する。
【0105】
第11の実施例のように、チャンネル間でディジタルオーディオ信号を操作し、この操作した各チャンネルを個別に伝送するようにしても、上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例12】
【0106】
(12)他の実施例
なお上述の第1の実施例においては、2ビットの組を単位にして一定の規則によりビット操作する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばビット反転によりビット操作する場合、下位側8ビットの各ビットを所定規則により入れ換えてビット操作する場合等に広く適用することができる。
【0107】
また上述の第3の実施例においては、付加的データであるキーデータによりディジタルオーディオ信号の音質を劣化させると共に、この付加データをコンパクトディスクの外周側に記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばコンパクトディスクに関連する有意な情報を伝送するデータ等を記録し、このデータとディジタルオーディオ信号との間の論理演算によりディジタルオーディオ信号の音質を劣化させてもよい。なおこの場合、この種の有意義な情報を伝送するデータとしては、著作権者を示すテキストデータ、歌詞のテキストデータ、ジャケットの画像データ、関連する著作物を案内するHTMLデータ等を適用することができる。
【0108】
これに対応してコンパクトディスクプレイヤーにおいては、この有意な情報を伝送するデータにより、コンパクトディスクに関する情報を表示し、またこのデータを用いて音質を回復することができる。さらにこれらの場合に、外周側に記録するこの有意なデータを別途暗号化して記録してもよい。
【0109】
また上述の第4の実施例においては、18ビットのディジタルオーディオ信号より下位側8ビットをデータ圧縮して上位側10ビットと合成することにより、この18ビットのディジタルオーディオ信号の音質を劣化させて記録する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば20ビットのディジタルオーディオ信号を上位側16ビット、下位側4ビットのディジタルオーディオ信号に分解し、この下位側4ビットのディジタルオーディオ信号をコンパクトディスクの外周側に記録すると共に、16ビットのディジタルオーディオ信号の下位側4ビットと、この外周側に記録する4ビットのディジタルオーディオ信号との論理演算によりディジタルオーディオ信号の音質を劣化させてもよい。このようにすれば、このコンパクトディスクを再生する専用機においては、この音質を劣化させた処理に対応する処理を実行することにより、一段と高音質によりディジタルオーディオ信号を出力することができる。
【0110】
また上述の実施例のうちの多くは、ディジタルオーディオ信号の下位側8ビットについて、ビット操作してディジタルオーディオ信号の音質を劣化させ、また回復させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じてビット操作するビット数は、6ビット、4ビット、2ビット等、種々に設定することができ、またディジタルオーディオ信号の所定ビットだけをビット操作しても同様の効果を得ることができる。
【0111】
また上述の実施例においては、ディジタルオーディオ信号の全ビットに対して一定の割合である所定のビットを操作して音質を劣化させ、また劣化した音質を回復させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この操作するビット数を例えばディジタルオーディオ信号の振幅に応じて変化させ、これによりディジタルオーディオ信号に応じて、劣化させる程度、回復させる程度を可変してもよい。またこれに代えて、タイムコード等により操作するビット数を変化させ、これにより劣化の程度、回復させる程度を可変してもよい。
【0112】
さらにこれらの場合に、ディジタルオーディオ信号のピーク値、ダイナミックレンジ、周波数スペクトラムの分布等に応じて操作するビット数を変化させることにより、ディジタルオーディオ信号に応じて、劣化させる程度、回復させる程度を可変してもよい。このようにすれば、ソースによって変化する聴感上の音質劣化を種々に操作することができる。
【0113】
なおこれらの場合に、ソースのジャンルによって操作するビット数を可変しても、同様の効果を得ることができる。すなわち、例えばクラッシック曲のピアノソロなどは、ダイナミックレンジが大きく、かつ音量の小さな部分においては極端に信号レベルが低下し、ビット操作するビット数を少なくしても、音質劣化を確実に知覚させることができる。これに対してポップス等にあっては、比較的ダイナミックレンジが小さく、音量の小さな部分においても信号レベルの低下が比較的小さい特徴がある。これによりポップス等にあっては、ピアノソロ等に比してビット操作するビット数を増大して、ピアノソロ等の場合と同程度に音質劣化を知覚させることができる。
【0114】
また上述の実施例においては、著作権を確実に保護できる場合には、音質を完全に回復してディジタルオーディオ信号を出力し、それ以外の場合には、音質を何ら回復することなく出力する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、外部機器に応じて音質劣化の程度を可変してもよい。すなわちこの場合、上述の第1の実施例において、例えば従来のSCMSによる外部機器にディジタルオーディオ信号を出力する場合、16ビット中12ビットだけ正しいディジタル値により出力する場合等が考えられる。
【0115】
またこれらの場合に、図12に示すように、例えばIEEE1394等により接続された外部機器70より機器IDを取得し、この機器IDを基準にしたビット操作により外部機器に応じてディジタルオーディオ信号の音質を劣化させても良い。因みに、この場合、コンパクトディスクプレイヤー71側のビット操作部72において、例えば暗号化によりビット操作してディジタルオーディオ信号DMの音質を劣化させるようにする。
【0116】
これに対して外部機器70において、記録系においては、入力されたディジタルオーディオ信号を何らビット操作することなく記録できるように構成し、この外部機器の機器IDを基準にしてディジタルオーディオ信号の品質を回復するビット操作部を再生系に配置する。
【0117】
このようにすれば、この外部機器70で再生する場合にだけ高音質でディジタルオーディオ信号を再生できるように設定でき、私的なコピーだけ高音質により楽しむことができる。これによりこの外部機器70でコピーした記録媒体の違法な配布を防止することができる。
【0118】
またこれらとは逆に、ディジタルオーディオ信号の送出先の機器より取得した機器IDを判定して、例えばコンパクトディスクプレイヤーと一体化されたミニディスク装置のような機器にディジタルオーディオ信号を出力する場合にだけ、ディジタルオーディオ信号の音質を回復して出力するようにする。
【0119】
このときこの一体化された機器においては、高音質により入力されるディジタルオーディオ信号を自己の機器IDを基準にして音質を劣化させて記録し、また再生されたディジタルオーディオ信号の音質を自己の機器IDを基準にして回復するようにする。このようにしても私的なコピーについてだけ高音質により楽しむことができるようにでき、コピーした記録媒体の違法な配布を防止することができる。
【0120】
さらに上述の実施例においては、コンパクトディスクに記録するディジタルオーディオ信号について音質を劣化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ミニディスク装置等、記録再生系を一体化した光ディスク装置、ディジタルオーディオテープレコーダ等に広く適用することができる。なおこの場合、ディジタルオーディオ信号を外部機器との間で入出力する場合だけでなく、ディジタルオーディオ信号を記録媒体に記録再生する場合にも音質を劣化、回復するようにし、この記録再生時における音質の劣化、回復を各機器の機器ID、製造番号等を基準にして実行することにより、私的な目的以外の複製を著しく制限することができる。
【0121】
さらに上述の実施例においては、コンパクトディスクに記録するディジタルオーディオ信号について音質を劣化させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばディジタル衛星放送、インターネット等を介してディジタルオーディオ信号を伝送する場合等にも広く適用することができる。
【0122】
また上述の実施例においては、ディジタルオーディオ信号を伝送する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ディジタルビデオ信号等、種々のディジタル信号を伝送する場合に広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、ディジタル信号の伝送装置、ディジタル信号の伝送方法及びディジタル信号の記録媒体に関し、例えばコンパクトディスクと、コンパクトディスクの記録再生装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】本発明の第1の実施例に係る光ディスク記録装置を示すブロック図である。
【図2】図1の光ディスク記録装置の動作の説明に供する図表である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーを示すブロック図である。
【図4】図3のコンパクトディスクプレイヤーの動作の説明に供する図表である。
【図5】第4の実施例に係る光ディスク記録装置に適用されるビット操作部を示すブロック図である。
【図6】第4の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーに適用されるビット操作部を示すブロック図である。
【図7】第5の実施例に係る光ディスク記録装置に適用されるビット操作部を示すブロック図である。
【図8】第5の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーに適用されるビット操作部を示すブロック図である。
【図9】第6の実施例に係るコンパクトディスクを示す斜視図である。
【図10】第9の実施例に係る光ディスク記録装置に適用されるビット操作部を示すブロック図である。
【図11】第9の実施例に係るコンパクトディスクプレイヤーに適用されるビット操作部を示すブロック図である。
【図12】他の実施例に係るオーディオシステムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0125】
1……光ディスク記録装置、2……ディスク原盤、10、28、50、52、55、57、61、65……ビット操作部、20、71……コンパクトディスクプレイヤー、29……ディスク判別部、33……外部機器判別部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質劣化のディジタル信号を生成する品質劣化手段と、
前記品質劣化のディジタル信号を伝送する伝送手段とを有し、
前記品質劣化のディジタル信号は、
前記所定の演算処理に基づいて信号処理することにより、前記入力ディジタル信号の品質に回復される
ことを特徴とするディジタル信号の伝送装置。
【請求項2】
前記品質劣化手段は、
前記入力ディジタル信号のうち少なくとも2チャンネルのディジタル信号の間で、加算処理および減算処理を施して前記品質劣化のディジタル信号を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号の伝送装置。
【請求項3】
前記品質劣化手段は、
前記減算処理により生成されたディジタル信号をデータ圧縮して圧縮ディジタル信号を生成し、
前記伝送手段は、
少なくとも前記加算処理により生成されたディジタル信号と前記圧縮ディジタル信号を伝送する
ことを特徴とする請求項2に記載のディジタル信号の伝送装置。
【請求項4】
前記伝送手段は、
光ディスクに前記品質劣化のディジタル信号を記録して前記品質劣化のディジタル信号を伝送する
ことを特徴とする請求項1に記載のディジタル信号の伝送装置。
【請求項5】
前記品質劣化のディジタル信号の品質を回復するのに必要なデータを前記光ディスクに記録して伝送する
ことを特徴とする請求項4に記載のディジタル信号の伝送装置。
【請求項6】
複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質劣化のディジタル信号を生成し、
前記品質劣化のディジタル信号を伝送するディジタル信号の伝送方法であって、
前記品質劣化のディジタル信号は、
前記所定の演算処理に基づいて信号処理することにより、前記入力ディジタル信号の品質に回復される
ことを特徴とするディジタル信号の伝送方法。
【請求項7】
前記品質劣化のディジタル信号の生成において、前記入力ディジタル信号のうち少なくとも2チャンネルのディジタル信号の間で、加算処理および減算処理を施して前記品質劣化のディジタル信号を生成する
ことを特徴とする請求項6に記載のディジタル信号の伝送方法。
【請求項8】
前記減算処理により生成されたディジタル信号をデータ圧縮して圧縮ディジタル信号を生成し、
少なくとも前記加算処理により生成されたディジタル信号と前記圧縮ディジタル信号を伝送する
ことを特徴とする請求項7に記載のディジタル信号の伝送方法。
【請求項9】
光ディスクに前記品質劣化のディジタル信号を記録して前記品質劣化のディジタル信号を伝送する
ことを特徴とする請求項6に記載のディジタル信号の伝送方法。
【請求項10】
前記品質劣化のディジタル信号の品質を回復するのに必要なデータを前記光ディスクに記録して伝送する
ことを特徴とする請求項9に記載のディジタル信号の伝送方法。
【請求項11】
複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質が劣化されてなる品質劣化のディジタル信号を、所定の伝送路より入力し、
前記品質劣化のディジタル信号の品質を、前記所定の演算処理に基づいて信号処理することにより回復する
ことを特徴とするディジタル信号の伝送方法。
【請求項12】
前記品質回復工程において、前記品質劣化のディジタル信号のうち少なくとも2チャンネルのディジタル信号の間で、加算処理および減算処理を施して前記入力ディジタル信号の品質に回復する
ことを特徴とする請求項11に記載のディジタル信号の伝送方法。
【請求項13】
前記伝送路は、
光ディスクを有し、
前記ディジタル信号の伝送方法は、
前記光ディスクより前記品質劣化のディジタル信号を再生して、前記品質劣化のディジタル信号を入力する
ことを特徴とする請求項11に記載のディジタル信号の伝送方法。
【請求項14】
前記光ディスクより前記品質劣化のディジタル信号とともに、前記品質劣化のディジタル信号の品質を回復するのに必要なデータを再生して、前記品質劣化のディジタル信号及び前記データを入力する
ことを特徴とする請求項13に記載のディジタル信号の伝送方法。
【請求項15】
複数チャンネルのディジタル信号でなる入力ディジタル信号のそれぞれのチャンネルのディジタル信号間で所定の演算処理を施して品質を劣化させてなる品質劣化のディジタル信号を記録した
ことを特徴とするディジタル信号の記録媒体。
【請求項16】
前記入力ディジタル信号のうち少なくとも2チャンネルのディジタル信号の間で、加算処理および減算処理を施して前記品質劣化のディジタル信号を生成する
ことを特徴とする請求項15に記載のディジタル信号の記録媒体。
【請求項17】
前記品質劣化のディジタル信号の品質を回復するのに必要なデータを記録した
ことを特徴とする請求項15に記載のディジタル信号の記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−311017(P2007−311017A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159866(P2007−159866)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【分割の表示】特願平10−254719の分割
【原出願日】平成10年9月9日(1998.9.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】