説明

ディスクカートリッジ及びディスクドライブの組み合わせ

本発明は、ケーシング(108)と、このケーシングの中に収容されるディスク状媒体(110)とを有するディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブ(102)の組み合わせであって、このディスクカートリッジをディスクドライブの中に及び/又はディスクドライブからローディングする時及び/又はアンローディングする時に、ケーシングの一部(112)が変形される当該組み合わせに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクカートリッジ及びディスクドライブの組み合わせに関し、特に、ディスクカートリッジの一部が変形可能である当該組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
着脱自在の媒体、例えば、PCに使用するためのフロッピーディスクなどをもつことはよく知られている。例えば、マルチメディアアプリケーションをサポートするために、PDA、携帯電話、デジタルカメラなどのようなコンパクトで移動可能な製品に対するストレージニーズが高まっている。現代のストレージ技術は、スモールフォームファクタ(small form factor;SFF)ディスク媒体フォーマットを可能にするデータ密度を供給する。このような媒体フォーマットは、所与のデータ容量に対して、等価的なソリッドステートストレージよりも低コストを提供することができる。
【0003】
スモールフォームファクタディスク媒体のために対応するドライブに必要とされる物理的な容積を最小化する必要性がある。ディスクカートリッジをディスクドライブユニットにロードすること及びアンロードすることは、例えば、ドライブターンテーブル及びピックアップユニットと係合するために、ディスクの平面に対して垂直な方向におけるディスク及びドライブユニットの相対的動きを必要とする。通常、この相対的動きは、ローディング及びアンローディングメカニズムによって供給されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの欠点は、ドライブユニットの寸法が、必要な相対的動き及び関連するメカニズムを収容するのに十分でなければならないことである。他の欠点は、ローディング及びアンローディングメカニズムそれぞれに付随するコストを有し、これは、小さな動き部品を利用する物理的にコンパクトなドライブユニットのインプリメンテーションによって更に悪化され得ることである。更に他の欠点は、ディスクのアンローディングが、ディスクの平面に対して垂直な方向において逆向きの相対的動きを含む特定の取り外し動作を必要とすることである。
【0005】
本発明の目的は、既知の当該分野において改善を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ケーシングと、該ケーシングの中に収容されるディスク状媒体とを有するディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせであって、前記ディスクカートリッジを前記ディスクドライブの中に及び/又は前記ディスクドライブからローディングする時及び/又はアンローディングする時に、前記ケーシングの一部が変形される当該組み合わせが提供される。
【0007】
好ましくは、ディスクカートリッジがディスクドライブに完全にロードされる状態の場合、ケーシングは変形されない。例えば、このことは、ディスクカートリッジがドライブに完全にロードされる場合、該ディスクカートリッジが通常のやり方で機能することを可能にする。
【0008】
オプションとして、ディスクカートリッジがディスクドライブに完全にロードされる状態の場合、ケーシングの一部は変形される。例えば、この変形は、ディスクカートリッジをディスクドライブ内に抑制するように、ケーシングとディスクドライブとの間に締まり嵌め(interference fit)をもたらす。
【0009】
有利なことに、ローディング中及び/又はアンローディング中、この変形により、ディスクカートリッジが、例えば、ターンテーブルの一部及び/又はピックアップユニットの一部である突起部を通ることを可能にする。このことにより、ディスクの平面に垂直な方向におけるディスク及びドライブユニットの相対的動きをもたらすために、例えば、ドライブターンテーブル及び/又はピックアップユニットに係合させるために、ドライブユニットに別個の手段を備える必要性が避けられる。これは、言い換えると、ディスクドライブメカニズムに対してより必要な物理的な容積がより少なくなることを意味する。他の利点は、アンローディング中、この変形により、ディスクカートリッジは突起部を通ることが可能になり、そのため、例えば、ターンテーブル及び/又はピックアップユニットを事前に取り外すために、いかなる事前の動作も行うことなく、ドライブユニットからカートリッジを手動で保持したり引き抜いたりすることのような簡略なアンローディング技法を可能にすることである。
【0010】
本発明により更に提供されるものは、請求項8に記載のディスクカートリッジ及び請求項9に記載のディスクドライブである。
【0011】
本発明は、単に例証として添付の図面を参照して、以下に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1aは、大概参照符号100で示されるディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせ、を有する一実施形態を概略的に(且つ一律の縮尺に従わずに)示す。このディスクカートリッジは、ケーシング108と、このケーシング内に収容されるディスク状媒体110とを有している。このカートリッジは、ディスクドライブの開口(aperture,アパーチャ)106を通ってディスクドライブ102の中へ104の方向でロードされる。カートリッジのケーシングの一部(a portion)112は、変形可能である。
【0013】
ディスクドライブにカートリッジをローディング中、上記の一部112の前方エッジ(leading edge)122は、 この一部112を変形させてカートリッジがターンテーブル116を通ることができるように作用する勾配エッジ114aに当たる。この変形により、カートリッジが(図1aには示されない)ピックアップユニットを通ることもできる。ターンテーブル116は、更に、一部112がターンテーブルを通るのにつれて、この一部112によって押し下げられるスプリングつきのロードされたスピゴット(sprung loaded spigot)120を有している。
【0014】
カートリッジが完全にロードされる場合、一部112の後方エッジ(trailing edge)124が勾配エッジ114bから離れて通り過ぎるように、一部112がターンテーブルを通り越してその通過を完了する。この一部112がある部分を形成するケーシング108の平坦な側部126は、ターンテーブル116並びに勾配エッジ114a及び114bを収容するのに適している開口128をもつ。開口128は、(明確さのため、図1aには示されない)シャッタを動かすことによって、ローディング中に露呈されてもよい。ターンテーブルと、開口をもつ勾配エッジとの協働により、ディスクカートリッジをディスクドライブ内に十分に抑制することができる。オプションとして、前方エッジ122は、更に、ディスクドライブ102内の各部分(portions)118とケーシングとの協働によって変形され、それにより、ディスクカートリッジをディスクドライブ内に抑制するように、ケーシングとディスクドライブとの間に締まり嵌め(interference fit)をもたらす。カートリッジが完全にロードされる場合、スプリングつきのロードされたスピゴット120は、もはや一部112によって押し下げられることはなく、その代わりに、例えば、(図1aには示されない)ピックアップユニットによるディスクへのアクセスに備えて、ターンテーブルに関してこの媒体を位置合わせするために、ディスク状媒体110の開口に係合する。
【0015】
ディスクドライブユニットからカートリッジをアンローディングするとき、一部112の後方エッジ124は、この一部112を変形させてターンテーブル116を通るように作用する勾配エッジ114bに当たる。ローディングプロセスの場合と同様に、スプリングつきのロードされたスピゴット120は、一部112がターンテーブルを通るのにつれて、この一部112によって押し下げられる。アンローディング中、この一部の前方エッジ122がいったん勾配エッジ114aを離れて通り過ぎているならば、もはや一部112は変形されない。
【0016】
図1bは、大概参照符号150で示される図1aのディスクカートリッジを概略的に(且つ一律の縮尺に従わずに)示す。このディスクカートリッジは、ケーシング108と、このケーシング内に収容される(ドライブ孔130をもつ)ディスク状媒体110と、を有している。図1aに関して上記で説明されたように、ケーシング108の平坦な側部126は、ターンテーブル116、勾配エッジ114a及び勾配エッジ114bを収容するのに適している開口128をもつ。この開口は、(図1bには示されない)シャッタ装置によって露出されてもよい。側部126は、更に、(ディスクドライブへのディスクのローディング方向104によって示される)前方エッジ122及び後方エッジ124を有する変形可能な一部112を有している。ディスクドライブ102内の各部分118は、前方エッジ122に沿った任意の一つ又は複数のポイントで干渉するように設けられられてもよく;あるいは、ケーシングの他の変形可能な一部が、ディスクカートリッジをディスクドライブ内に抑制するように、ディスクドライブとの締まり嵌めをもたらすために使用されてもよい。他の実施形態では、変形可能な一部112の前方エッジ及び/又は後方エッジが、円弧状であるか、又は他の適切なプロファイル(profile,外形)であってもよい。ケーシング108の変形可能な一部は、特定の実施形態のニーズによって配置されてもよく、各部が特定の対応するディスクドライブに対して実際に必要とされるサイズよりも更に延在し得る一つ又は複数の部分を有してもよい。
【0017】
前述の実施例は、例証として示されるだけであり、本発明の利点を利用するために、当業者によって容易に識別され得る実施例の範囲の選択を表わすものである。矩形であるディスクカートリッジ以外のディスクカートリッジ、例えば、一つ又は複数のエッジが円弧状であるディスクカートリッジが、本発明を具現化することもできる。
【0018】
上記の説明において、更に、図1aを参照することにより、ケーシング108と、このケーシングの中に収容されるディスク状媒体110とを有するディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブ102の組み合わせであって、このディスクカートリッジをディスクドライブの中に及び/又はディスクドライブからローディングする時及び/又はアンローディングする時に、ケーシングの一部112が変形される当該組み合わせが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1a】ディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせを有する一実施形態を概略的に示す図である。
【図1b】図1aのディスクカートリッジを概略的に示す図である。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、該ケーシングの中に収容されるディスク状媒体とを有するディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせであって、前記ディスクカートリッジを前記ディスクドライブの中に及び/又は前記ディスクドライブからローディングする時及び/又はアンローディングする時に、前記ケーシングの一部が変形される当該組み合わせ。
【請求項2】
前記ディスクカートリッジが前記ディスクドライブに完全にロードされる状態の場合、前記ケーシングは変形されない、請求項1に記載のディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせ。
【請求項3】
前記ディスクカートリッジが前記ディスクドライブに完全にロードされる状態の場合、前記ケーシングの一部は変形される、請求項1に記載のディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせ。
【請求項4】
前記変形は、前記ディスクカートリッジを前記ディスクドライブ内に抑制するように、前記ケーシングと前記ディスクドライブとの間に締まり嵌めをもたらす、請求項3に記載のディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせ。
【請求項5】
ローディング時及び/又はアンローディング時に、前記変形により、前記ディスクカートリッジが突起部を通ることを可能にする、請求項1乃至4の何れか一項に記載のディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせ。
【請求項6】
前記突起物が、ターンテーブルの少なくとも一部である、請求項5に記載のディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせ。
【請求項7】
前記突起物が、ピックアップユニットの少なくとも一部である、請求項6に記載のディスクカートリッジ及び対応するディスクドライブの組み合わせ。
【請求項8】
ケーシングと、該ケーシングの中に収容されるディスク状媒体とを有するディスクカートリッジであって、当該ディスクカートリッジを対応するディスクドライブの中に及び/又は前記ディスクドライブからローディングする時及び/又はアンローディングする時に、前記ケーシングの一部が変形されるディスクカートリッジ。
【請求項9】
ケーシングと、該ケーシングの中に収容されるディスク状媒体とを有するディスクカートリッジを、ディスクドライブの中に及び/又は前記ディスクドライブからローディングする時及び/又はアンローディングする時に、対応する前記ディスクカートリッジを変形するように構成されるディスクドライブ。

【公表番号】特表2006−525614(P2006−525614A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506547(P2006−506547)
【出願日】平成16年4月20日(2004.4.20)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001315
【国際公開番号】WO2004/100145
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
フロッピー
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】