説明

ディスクカートリッジ

【課題】光ディスクの表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるディスクカートリッジを提供すること。
【解決手段】光ディスク14を上側本体84aと下側本体84bとの間に収納するための空間を有するディスクカートリッジ84であって、上側本体84aは、(i)光ヘッド11のアクチュエータカバー18及びターンテーブルを上側本体84aの内部に侵入させるための開口部と、(ii)光ディスク11に対向する面に、開口部の縁部から円周方向に向けて設けられた、光ディスク14の正回転によって発生する空気の流れを導くための第1の溝85と光ディスク14の逆回転によって発生する空気の流れを導くための第2の溝86とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルバーサタイルディスク(以下、DVDという)は、デジタルデータをコンパクトディスク(以下、CDという)の約6倍の記録密度で記録することが可能であり、画像などの大容量データが形成されているROMまたは記録可能な光ディスクとして知られている。
【0003】
近年は、高画質化などによりROMとしても、また記録対象となる情報量が増加しているため、DVDよりさらに容量の大きい高記録密度の光ディスクが求められている。
【0004】
光ディスクの高記録密度化のためには、一般に、データの記録時および再生時に光ディスクに放射されるレーザ光のスポット径を小さくすればよい。
【0005】
レーザ光のスポット径を小さくするためには、レーザ光の波長をより短くするとともに、光ディスク上に光スポットを形成するための対物レンズの開口数(NA)を大きくすればよい。例えば、DVDの場合、波長660nmの半導体レーザ光と、NA0.6の集光素子(対物レンズ)とが使用される。光ディスクの高記録密度化のために、波長405nmの青色レーザ光と、NA0.85の対物レンズとを使用した場合、DVDの約5倍の記録密度のROMや、記録可能な光ディスク(以下、高密度化光ディスクという)を得ることができる。
【0006】
しかしながら、対物レンズの外径サイズをあまり変えずにNAを大きくすると、対物レンズと光ディスクとの作動距離(WD:Working Distance)が短くなる。具体的には、上記の波長405nmの青色レーザ光とNA0.85の対物レンズとを用いた場合、WDが0.3mm程度となる。また、光ディスク(DVD)の面ぶれが0.3mm程度であるため、高密度化光ディスクを記録再生する光ディスク装置は、フォーカスサーボが外れた場合や、動作停止中に振動が加わった場合などに、対物レンズと光ディスクとの衝突が起こりやすくなる。衝突によって対物レンズや光ディスクに衝突痕や傷が発生すると、光ディスクに記録された情報を正しく再生できない、もしくは光ディスクに情報を正しく記録できない、という問題が発生する。
【0007】
上記の問題を解決するための手段として、一般的に用いられている従来の技術を説明する。
【0008】
図17は、例えば特許文献1に掲載された、従来の光ディスク装置の上面図であり、図18は、図17のX−X断面図である。
【0009】
図17及び図18に示す光ディスク装置90は、光ヘッド11と、信号処理回路120と、サーボ制御回路130と、トラバースモータ15と、ターンテーブル16と、スピンドルモータ17とを備える。なお、説明の便宜のために、図17には、光ディスク14を示している。光ヘッド11は、光ディスク14上に集光される光ビームを放射するとともに、光ディスク14からの反射光を検出して、反射光の検出位置と検出光量とに応じた電気信号(光量信号)を出力する。信号処理回路120は、光ヘッド11が出力する光量信号に応じて、光ディスク14上の光スポットの合焦状態を示すフォーカスエラー(FE)信号や、光スポットと光ディスク14のトラックとの位置関係を示すトラッキングエラー(TE)信号等を生成して出力する。FE信号やTE信号は、サーボ信号と総称される。サーボ制御回路130は、信号処理回路120が出力するサーボ信号に応じて駆動信号を生成する。駆動信号は、対物レンズ115の位置を調整するための、後述するアクチュエータコイル117に入力される信号である。駆動信号により、光ディスク14上の光スポットは、光ディスク14の記録層から外れないように制御される。スピンドルモータ17は、記録/再生速度に応じた回転速度で、ターンテーブル16に搭載された光ディスク14を回転させる。トラバースモータ15は、所望の記録/再生位置に光ヘッド11を光ディスク14の半径方向に移動させる。
【0010】
光ヘッド11は、半導体レーザ111と、ビームスプリッタ112と、コリメートレンズ113と、ミラー114と、対物レンズ115と、アクチュエータコイル117と、マルチレンズ118と、フォトダイオード119と、アクチュエータカバー18と、対物レンズホルダ19と、保護部材13a〜13cとを有する。光ヘッド11において、半導体レーザ111は、GaN系の青色発光する半導体レーザであり、青色の光ビームを放射する半導体レーザである。
【0011】
ビームスプリッタ112は、半導体レーザ111から出射する光ビームを反射する。コリメートレンズ113は、ビームスプリッタ112で反射した光ビームを平行光にするレンズである。対物レンズ115は、ミラー114が反射した光ビームを集光して、光ディスク14上に光スポットを形成するレンズである。
【0012】
アクチュエータコイル117は、印加される駆動信号のレベルに応じて、光ディスク14に対して垂直方向または平行方向に、対物レンズ115が取り付けられた対物レンズホルダ19を移動させる。
【0013】
光ディスク14上に集光された光ビームは、対物レンズ115、ミラー114、コリメートレンズ113及びビームスプリッタ112を透過する。マルチレンズ118は、ビームスプリッタ112を透過した光ビームをフォトダイオード119に集光させる。フォトダイオード119は、入射した光ビームを光量信号に変換する。
【0014】
一般にフォトダイオード119は、複数の受光領域を持つ。このため、信号処理回路120は、光量信号を検出したフォトダイオード119の受光領域の情報を利用してFE信号およびTE信号を生成する。
【0015】
光スポットが光ディスク14の記録層に形成されるように、光ヘッド11が制御されている状態において、信号処理回路120は光量信号に基づいて光ディスク14に書き込まれた情報信号を再生する。また、光ビームの光パワーを再生時よりも大きくすることにより、光ディスク装置90は、光ディスク14の記録層にデータを記録することができる。
【0016】
従来の光ディスク装置90において、光ヘッド11には、対物レンズ115の頂点よりも光ディスク14側に突出した保護部材13a〜13cが、対物レンズホルダ19上の対物レンズ115の近傍に、対物レンズ115を取り囲むようにして設置される。保護部材13a〜13cには、光ディスク14と接触しても光ディスク14を傷付けにくい材料として、弾性樹脂(例えば、シリコン樹脂またはPOM(ポリオキシメチレン樹脂))などが用いられる。
【0017】
したがって、光ヘッド11のフォーカスサーボが外れた場合や、動作停止中に光ディスク装置90に振動が加わった場合などにおいても、保護部材13a〜13cが光ディスク14に接触するため、対物レンズ115と光ディスク14とが直接衝突することを防ぐことができる。つまり、保護部材13a〜13cにより、対物レンズ115および光ディスク14に傷が発生することを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2001−319355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、従来の光ディスク装置90において、保護部材13a〜13cの表面または光ディスク14のデータ記録面に、ゴミまたは埃が付着する可能性がある。このような状態で、光ヘッド11のフォーカスサーボが外れた場合や、動作停止中に光ディスク装置90に振動が加わった場合に、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突すると、光ディスク14のデータ記録面に傷が発生するという問題がある。光ディスク14のデータ記録面に傷が発生すると、光ディスク装置90による光ディスク14へのデータの記録、または光ディスク14に記録されたデータの再生が正しくなされないという問題が発生する。
【0020】
故に本発明は、上記従来の課題を考慮し、光ディスク装置のフォーカスサーボが外れた場合や、動作停止中に光ディスク装置に振動が加わった場合に、保護部材と光ディスクとの衝突することによって、光ディスクのデータ記録面が傷つくという可能性を低減する光ディスク装置、光ディスク装置の制御方法、及び光ディスクカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するために、第1の本発明は、
光ディスクにデータを記録するための、及び/又は前記光ディスクに記録されたデータを再生するための、対物レンズを含む光ヘッドと、
光ディスクを搭載するターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回転させる駆動用モータと、
前記対物レンズと前記光ディスクとの衝突を防ぐために、前記光ヘッドに設けられた保護部材とを備え、
前記光ディスクの回転によって発生する空気の流れを前記保護部材に導くための第1の導風部を、前記光ヘッド上に設けた、光ディスク装置である。
【0022】
また、第2の本発明は、
前記保護部材は、前記対物レンズの周囲に設けられており、
前記第1の導風部は、アクチュエータカバーの前記光ディスクに対向する面に、前記対物レンズを中心として前記光ディスクの円周方向の一方側及び他方側に向けて形成され、前記アクチュエータカバーの側面に開放部を有する二つの溝である、第1の本発明の光ディスク装置である。
【0023】
また、第3の本発明は、
前記保護部材は、前記対物レンズの周囲に設けられており、
前記第1の導風部は、対物レンズホルダの前記光ディスクに対向する面に、前記対物レンズを中心として前記光ディスクの円周方向の一方側及び他方側に向けて形成され、前記対物レンズホルダの側面に開放部を有する二つの溝である、第1の本発明の光ディスク装置である。
【0024】
また、第4の本発明は、
前記二つの溝の底面に、前記空気の流れを変化させるための凸部を設けた、第2または第3の本発明の光ディスク装置である。
【0025】
また、第5の本発明は、
前記対物レンズに近づくにつれて、前記二つの溝の幅が狭くなる、第2または第3の本発明の光ディスク装置である。
【0026】
また、第6の本発明は、
前記対物レンズに近づくにつれて、前記二つの溝の深さが小さくなる、第2または第3の本発明の光ディスク装置である。
【0027】
また、第7の本発明は、
前記光ヘッドに風を送るための第2の導風部をさらに備える、第1の本発明の光ディスク装置である。
【0028】
また、第8の本発明は、
前記第2の導風部は、(i)前記光ディスクに対向する面に底部と、(ii)前記底部から前記光ディスクの円周方向に沿って形成され、前記光ディスク側に延びる側壁とを有し、アクチュエータカバーまたは対物レンズホルダの円周方向側に配置された導風板である、第7の本発明の光ディスク装置である。
【0029】
また、第9の本発明は、
前記導風板において、内周側と外周側との幅が、前記光ヘッドに近づくにつれて小さくなっている、第8の本発明の光ディスク装置である。
【0030】
また、第10の本発明は、
前記導風板は、前記光ヘッド側に近づくにつれて、前記誘導板と前記光ディスクとの距離が小さくなる角度で、前記光ディスクに対して傾いている、第8の本発明の光ディスク装置である。
【0031】
また、第11の本発明は、
第1の本発明の光ディスク装置によって情報を記録される光ディスクを、上側本体と下側本体との間に収納するための空間を有するディスクカートリッジであって、
前記上側本体は、(i)前記光ヘッドのアクチュエータカバー及びターンテーブルを前
記上側本体の内部に侵入させるための開口部と、(ii)前記光ディスクに対向する面に、前記開口部の縁部から円周方向に向けて設けられた、前記光ディスクの回転によって発生する空気の流れを導くための二つの溝とを有する、ディスクカートリッジである。
【0032】
また、第12の本発明は、
前記二つの溝の幅は、前記開口部の縁部に近づくにつれて徐々に狭くなる、第11の本発明のディスクカートリッジである。
【0033】
また、第13の本発明は、
前記二つの溝の深さを、前記開口部の縁部に近づくにつれて徐々に浅くするためのテーパ部が設けられている、第11の本発明のディスクカートリッジである。
【0034】
また、第14の本発明は、
前記第2の導風部は、前記駆動用モータの回転部の表面に設けられた、前記保護部材への空気の流れを発生させるための第1の凹部及び/または第1の凸部を含む構成である、第7の本発明の光ディスク装置である。
【0035】
また、第15の本発明は、
前記駆動用モータはアウターロータ型のモータであり、
前記凹部は、前記駆動用モータの回転部の外周表面に、前記ターンテーブルに対して所定の角度で設けられた複数の溝である、第14の本発明の光ディスク装置である。
【0036】
また、第16の本発明は、
前記駆動用モータはアウターロータ型のモータであり、
前記凸部は、前記駆動用モータの回転部の外周表面に設けられた、板状突起である、第14の本発明の光ディスク装置である。
【0037】
また、第17の本発明は、
前記第2の導風部は、前記第1の凹部及び/または前記第1の凸部の他に、前記ターンテーブルの表面に設けられた、前記保護部材への空気の流れを発生させるための第2の凹部及び/または第2の凸部を含む構成である、第14の本発明の光ディスク装置である。
【0038】
また、第18の本発明は、
前記第2の凹部は、前記ターンテーブルの中心近傍から放射状に又は弧を描くように形成され、前記ターンテーブルの外周縁部に開放部を有する複数の溝である、第17の本発明の光ディスク装置である。
【0039】
また、第19の本発明は、
前記複数の溝は、前記ターンテーブルが前記光ディスクと接する面の反対側の面に設けられている、第17の本発明の光ディスク装置である。
【0040】
また、第20の本発明は、
前記複数の溝は、前記ターンテーブルが前記光ディスクと接する面に設けられており、
前記ターンテーブルに、前記複数の溝の前記中心近傍側の底面と、前記ターンテーブルの前記光ディスクと接する面の反対側の面とを貫通する複数の孔が設けられている、第17の本発明の光ディスク装置である。
【0041】
また、第21の本発明は、
前記第2の凸部は、前記ターンテーブルの外周縁部に設けられた板状突起である、第17の本発明の光ディスク装置である。
【0042】
また、第22の本発明は、
前記第2の導風部は、前記ターンテーブルと、前記駆動用モータの回転部との少なも一方の外周を取り囲み、前記保護部材の方向に開口部を有し、前記空気の流れを誘導する誘導板をさらに含む構成である、第14または第17の本発明の光ディスク装置である。
【0043】
また、第23の本発明は、
前記光ヘッドの前記光ディスクの半径方向の中心側への移動において、所定の限界値を超えることを阻止するストッパを備えた、第1の本発明の光ディスク装置である。
【0044】
また、第24の本発明は、
第1の本発明の光ディスク装置における前記保護部材側への空気の流れの発生を制御するための光ディスク装置の制御方法であって、
前記ターンテーブルに前記光ディスクが搭載されているか否かに応じて、所定のタイミングで前記駆動用モータを所定期間駆動させる工程を備えた、光ディスク装置の制御方法である。
【0045】
また、第25の本発明は、
前記光ディスクが前記ターンテーブルに搭載されるタイミングを検知する工程と、
前記検知結果に基づいて、前記光ディスクが前記ターンテーブルに搭載される前に前記駆動用モータを駆動させる工程とを備えた、第24の本発明の光ディスク装置の制御方法である。
【0046】
また、第26の本発明は、
前記駆動用モータを駆動させる工程において、前記光ディスクが前記ターンテーブルに搭載される前に前記駆動用モータを逆方向に駆動させた場合、その後、引き続き、前記駆動用モータを正方向に駆動させる工程を備えた、第25の本発明の光ディスク装置の制御方法である。
【0047】
また、第27の本発明は、
前記所定のタイミングで前記駆動用モータを所定期間駆動させる際に、前記光ヘッドを前記光ディスクの半径方向の最内周位置に光ヘッドを移動させる工程を備えた、第24の本発明の光ディスク装置の制御方法である。
【0048】
また、第28の本発明は、
前記空気の流れの向きを変化させるための前記駆動用モータの回転方向の切り替え及び/または前記空気の流れの強さを変化させるための前記駆動用モータの回転速度を変化させる工程を備えた、第24の本発明の光ディスク装置の制御方法である。
【0049】
次に、上記本発明に関連する発明として、第29〜第31の本発明を列挙する。
【0050】
即ち、第29の本発明は、
上側本体と下側本体との間に、光ディスクを収納するための空間を有するディスクカートリッジであって、
前記上側本体は、(i)前記光ヘッドのアクチュエータカバー及びターンテーブルを前記上側本体の内部に侵入させるための開口部と、(ii)前記光ディスクに対向する面に、前記開口部の縁部から円周方向に向けて設けられた、前記光ディスクの回転によって発生する空気の流れを導くための二つの溝とを有する、ディスクカートリッジである。
【0051】
また、第30の本発明は、
前記二本の溝の幅は、前記開口部の縁部に近づくにつれて徐々に狭くなる、第29の本発明のディスクカートリッジである。
【0052】
また、第31の本発明は、
前記二本の溝の深さを、前記開口部の縁部に近づくにつれて徐々に浅くするためのテーパ部が設けられている、第29の本発明のディスクカートリッジである。
【発明の効果】
【0053】
本発明は、光ディスクのデータ記録面が傷つくという可能性を低減する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施の形態1に係る光ディスク装置71の構成を示すブロック断面図
【図2】光ディスク装置71のターンテーブル20付近を拡大した図
【図3】(a)実施の形態1に係る光ディスク装置71のターンテーブル20の上面図、(b)実施の形態1に係る光ディスク装置71のターンテーブル20のA−A断面図、(c)実施の形態1に係る光ディスク装置71のターンテーブル20の裏面図、(d)実施の形態1に係る光ディスク装置71のL−L断面図
【図4】(a)実施の形態1に係る光ディスク装置71のターンテーブル25の上面図、(b)実施の形態1に係る光ディスク装置71のターンテーブル25のB−B断面図、(c)実施の形態1に係る光ディスク装置71のターンテーブル25の裏面図
【図5】(a)実施の形態2に係る光ディスク装置のターンテーブル30の上面図、(b)実施の形態2に係る光ディスク装置のターンテーブル30のC−C断面図、(c)実施の形態2に係る光ディスク装置のターンテーブル30の裏面図
【図6】(a)実施の形態3に係る光ディスク装置のスピンドルモータ35の側面図、(b)実施の形態3に係る光ディスク装置のスピンドルモータ35のD−D断面図
【図7】(a)実施の形態4に係る光ディスク装置のターンテーブル30及びスピンドルモータ35の裏面図、(b)実施の形態4に係る光ディスク装置のターンテーブル30及びスピンドルモータ35の側面図、(c)実施の形態4に係る光ディスク装置のターンテーブル30及びスピンドルモータ35のE−E断面図
【図8】(a)実施の形態5に係る光ディスク装置の断面図、(b)実施の形態5に係る光ディスク装置のF−F断面図
【図9】実施の形態6に係る光ディスク装置の光ヘッドの位置を説明する図
【図10A】実施の形態9に係る光ディスク装置の上面図
【図10B】実施の形態9に係る光ディスク装置のG−G断面図
【図11】アクチュエータカバー50付近を拡大した図
【図12A】実施の形態11に係る光ディスク装置81の上面図
【図12B】実施の形態11に係る光ディスク装置81のH−H断面図
【図13A】実施の形態12に係る光ディスク装置82の上面図
【図13B】実施の形態12に係る光ディスク装置82のI−I断面図
【図14A】実施の形態13に係る光ディスク装置83の上面図
【図14B】実施の形態13に係る光ディスク装置83のJ−J断面図
【図15A】実施の形態14に係るディスクカートリッジ84を、光ディスク装置が搭載したときの上面図
【図15B】実施の形態14に係るディスクカートリッジ84を光ディスク装置に設置したときのK−K断面図
【図16】実施の形態14に係るディスクカートリッジ84を光ディスク装置に設置したときの断面図
【図17】従来の光ディスク装置の上面図
【図18】従来の光ディスク装置のX−X断面図
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0056】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ディスク装置71の構成において、光ディスク装置71を機能的に説明するための略示ブロック図である。以下の説明において、図1の光ディスク装置71を構成するブロックが、図17及び図18の従来の光ディスク装置90を構成するブロックと同じ動作をするものについては、従来の光ディスク装置90を構成するブロックと同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
本実施の形態に係る光ディスク装置71を、図2及び図3(a)〜(d)を用いて詳しく説明する。
【0058】
図2は、図1に示す光ディスク装置71において、ターンテーブル20及びスピンドルモータ17付近を拡大した図である。図2に示すように、ターンテーブル20の駆動用モータとしてのスピンドルモータ17に固定されたターンテーブル20は、光ディスク14を搭載して回転する。光ヘッド11は、光ディスク14の半径方向の最内周側に位置させてもよい。半径方向の最内周側の位置とは、光ヘッド11が半径方向に移動可能な領域の中で、内周側へ移動可能な機械的な限界位置を意味する。
【0059】
図2の矢印21は、塵埃除去風を示す。塵埃除去風は、保護部材13a〜13cを含む対物レンズ115の周辺の領域、または対物レンズ115側の光ディスクの表面(以下、対物レンズ側領域という)に付着した塵埃を除去する空気の流れをいう。光ディスク装置71が塵埃除去風を発生させる動作については後述する。
【0060】
ターンテーブル20の詳細な構造について、図3(a)〜(d)を用いて説明する。
【0061】
図3(a)は、ターンテーブル20の上面(光ディスク14側の面)図である。図3(b)は、ターンテーブル20のA−A断面図である。図3(c)は、ターンテーブル20の裏面(スピンドルモータ17側の面)図である。
図3(a)〜(d)に示すように、ターンテーブル20の表面には、凹部及び凸部が設けられている。
【0062】
ターンテーブル20の裏面に、本発明の凹部としての複数の誘導溝22a〜22hが設けられている。複数の誘導溝22a〜22hは、ターンテーブル20の中心近傍から放射状に延び、ターンテーブル20の外周縁部24に、それぞれ開放部24a〜24hを有する溝である。また、ターンテーブル20の外周縁部24に、本発明の凸部としてのフィン23a〜23hが設けられている。フィン23a〜23hは、一定の厚さを有した板状突起である。誘導溝22cの断面を、図3(b)のL−L断面図である図3(d)に示した。
【0063】
次に、光ディスク装置71が塵埃除去風を発生させる基本的な動作について説明する。
【0064】
ここでは一例として、光ディスク装置71に光ディスク14が搭載されているものとする。スピンドルモータ17の駆動に伴い、光ディスク14が搭載されたターンテーブル20が回転すると、複数の誘導溝22a〜22h及びフィン23a〜23hによって、空気の流れが発生する。この空気の流れは、ターンテーブル20の半径方向に向かって流れる。半径方向とは、光ディスク14の中心から外周縁部に向かう方向をいう。また、この空気の流れは、対物レンズ側領域に達するとともに、塵埃除去風として、対物レンズ側領域に付着した塵埃を除去する。
【0065】
これにより、光ディスク装置71は、保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0066】
なお、本実施の形態において、複数の誘導溝22a〜22hは、図4(a)〜(c)に示すターンテーブル25のように、ターンテーブル25の中心近傍から放射状に形成され、弧を描くように形成された複数の誘導溝26a〜26hとしてもよい。
【0067】
また、複数のフィン23a〜23hは、例えば弾性体で形成されてもよいし、ターンテーブルと一体形成されてもよい。
【0068】
また、スピンドルモータ17は、インナーロータ型またはアウターロータ型のどちらでもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、便宜上、光ディスク装置71に光ディスク14が搭載されている場合について説明したが、これに限らず、光ディスク14が搭載されていなくてもよい。その場合は、保護部材13a〜13cの表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0070】
尚、スピンドルモータを駆動させるタイミングや、駆動期間については、実施の形態6以降において詳細に説明する。
【0071】
(実施の形態2)
図5(a)は、本発明の実施の形態2に係る光ディスク装置のターンテーブル30の上面(光ディスク14側の面)図である。図5(b)は、ターンテーブル30のC−C断面図である。図5(c)は、ターンテーブル30の裏面(スピンドルモータ17側の面)図である。
【0072】
以下、図5(a)〜(c)を用いて、本発明の実施の形態2に係る光ディスク装置について説明する。
【0073】
なお、実施の形態2の光ディスク装置と、実施の形態1の光ディスク装置71とは、ターンテーブルの構造のみが異なる。このため、本実施の形態では、主としてターンテーブル30の構造について説明する。
【0074】
ターンテーブル30の外周縁部34には、実施の形態1に記載したターンテーブル20と同様の、凸部としての複数のフィン23a〜23hが形成される。
【0075】
図5(b)及び(c)に示すように、ターンテーブル30の上面に、本発明の凹部としての複数の誘導溝31a〜31hが設けられている。複数の誘導溝31a〜31hは、ターンテーブル30の中心近傍から放射状に延び、ターンテーブル30の外周縁部34に、それぞれ開放部34a〜34hを有する溝である。また、ターンテーブル30には、複数の誘導溝31a〜31hの中心近傍側のそれぞれの底面33a〜33hとターンテーブル30の裏面とを貫通する複数の貫通孔32a〜32hが設けられている。図5(a)〜(c)では、複数の誘導溝31a〜31hと複数の貫通孔32a〜32hとが1対1で対応している。しかし、一つの誘導溝に複数の貫通孔が設けられること、また、複数の誘導溝で一つの貫通孔を共有することを妨げるものではない。
【0076】
次に、実施の形態2に係る光ディスク装置が、塵埃除去風を発生させる基本的な動作について説明する。
【0077】
スピンドルモータ17の駆動に伴い、光ディスク14が搭載されたターンテーブル30が回転すると、複数の貫通孔32a〜32hに空気が流入する。流入した空気は、光ディスク14と複数の誘導溝31a〜31hとの間の空間を通り、開放部34a〜34hから、ターンテーブル30の半径方向へ放出される。放出された空気は、塵埃除去風として、対物レンズ側領域に達するとともに、対物レンズ側領域に付着した塵埃を除去する。また、光ディスク14の表面を塵埃除去風が流れることにより、光ディスク14の表面に付着した塵埃も除去される。
【0078】
これにより、実施の形態2に係る光ディスク装置は、保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0079】
ターンテーブル30の回転によって発生する塵埃除去風の風量は、実施の形態1のターンテーブル20の回転によって発生する塵埃除去風の風量よりも大きくなる。従って、実施の形態2に係る光ディスク装置は、実施の形態1に係る光ディスク装置71よりも、塵埃を除去する効果を大きくすることができる。
【0080】
なお、ターンテーブル30に設けられた複数の誘導溝31a〜31hは、ターンテーブル30の中心近傍から外周縁部に向けて放射状に設けられるとしたが、図4(a)〜(c)に示すように、ターンテーブル30の中心近傍から放射状に、かつ、弧を描くように形成されてもよい。
【0081】
(実施の形態3)
図6(a)は、本発明の実施の形態3に係る光ディスク装置のスピンドルモータ35及びターンテーブル16の側面図である。図6(b)は、図6(a)のD−D断面図である。すなわち、図6(b)は、スピンドルモータ35をターンテーブル16側から見た図である。以下、本発明の実施の形態3に係る光ディスク装置について説明する。
【0082】
実施の形態3に係る光ディスク装置は、図2に示す光ディスク装置71のターンテーブル20を、従来のターンテーブル16に置き換えるとともに、スピンドルモータ17をスピンドルモータ35に置き換えている。実施の形態3に係る光ディスク装置のその他の構成は、実施の形態1で説明した光ディスク装置71の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
まず、スピンドルモータ35の構造を説明する。
【0084】
スピンドルモータ35は、アウターロータ型のスピンドルモータであり、側面の回転部に凸部が設けられている。図6(a)に示すように、スピンドルモータ35は、回転部に凸部として複数のフィン36a〜36hが設けられる。複数のフィン36a〜36hは、ターンテーブル16に対して、垂直に設けられる。なお、複数のフィン36a〜36hは、送風機能を有するものでありさえすればよく、ターンテーブル16に対して垂直である必要はない。
【0085】
スピンドルモータ35は、複数のフィン36a〜36hを設けるための空間を確保する必要がある。このため、スピンドルモータ35の回転部の直径は、図6(a)に示すように、ターンテーブル16に近づくに従って小さくなる。
【0086】
また、スピンドルモータ35には、凹部として複数の溝を設けてもよい。このとき、複数の誘導溝は、ターンテーブル16に対して、送風機能を発揮する程度に傾斜して設けられる。
【0087】
次に、実施の形態3に係る光ディスク装置が、塵埃除去風を発生させる基本的な動作について説明する。
【0088】
スピンドルモータ35の回転部が回転すると、複数のフィン36a〜36hによって、光ディスク14が搭載されたターンテーブル16の半径方向に空気の流れが発生する。この空気の流れは、対物レンズ側領域に達するとともに、塵埃除去風として、対物レンズ側領域および光ディスク14の表面に付着した塵埃を除去する。
【0089】
これにより、実施の形態3に係る光ディスク装置は、保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0090】
なお、複数のフィン36a〜36hは、例えばゴムなどの弾性体で形成されていてもよいし、ターンテーブルと一体形成されていてもよい。
【0091】
(実施の形態4)
図7(a)は、本発明の実施の形態4に係る光ディスク装置のスピンドルモータ35及びターンテーブル30を、光ディスク14の搭載面側から見た図である。図7(b)は、実施の形態4に係る光ディスク装置のスピンドルモータ35及びターンテーブル30の一部断面を含む側面図である。図7(c)は、図7(b)のE−E断面図である。
【0092】
実施の形態4に係る光ディスク装置は、実施の形態2に係るターンテーブル30と、実施の形態4に係るスピンドルモータ35とを組み合わせた構成である。実施の形態4に係る光ディスク装置のその他の構成は、実施の形態1に記載した光ディスク装置71の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
次に、実施の形態4に係る光ディスク装置が、塵埃除去風を発生させる基本的な動作について説明する。
【0094】
スピンドルモータ35の駆動に伴い、光ディスク14が搭載されたターンテーブル30、及びスピンドルモータ35によって、ターンテーブル30の半径方向に空気の流れが発生する。この空気の流れは、対物レンズ側領域に達するとともに、塵埃除去風として、対物レンズ側領域及び光ディスク14の表面に付着した塵埃を除去する。
【0095】
このように、ターンテーブル30及びスピンドルモータ35を用いて塵埃除去風を発生させるため、実施の形態4に係る光ディスク装置は、実施の形態1〜3に係る光ディスク装置より、風量の大きい塵埃除去風を発生させることができる。従って、実施の形態4に係る光ディスク装置は、保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0096】
なお、実施の形態4に係る光ディスク装置は、ターンテーブル30に代えて、ターンテーブル20または25を用いてもよい。
【0097】
(実施の形態5)
図8(a)は、本発明の実施の形態5に係る光ディスク装置75のスピンドルモータ17及びターンテーブル20付近を示す図である。図8(b)は、光ディスク装置75の、図8(a)のF−F方向から見た図である。
【0098】
光ディスク装置75は、実施の形態1に係る光ディスク装置71が更に誘導板40を備えた構成である。このため、光ディスク装置75の誘導板40以外の構成は、説明を省略する。
【0099】
まず、誘導板40の構造について、図8(a)及び(b)を用いて説明する。
【0100】
誘導板40は、スピンドルモータ17の回転部及びターンテーブル20の双方の外周を取り囲むとともに、光ヘッド11の保護部材13a〜13dの方向に開口部を有する。誘導板40は、スピンドルモータ17とターンテーブル20とに対して独立に設置される。
【0101】
次に、光ディスク装置75が、塵埃除去風を発生させる基本的な動作について説明する。
【0102】
スピンドルモータ17の駆動に伴い、光ディスク14を搭載したターンテーブル20の回転によって、ターンテーブル20の半径方向に、空気の流れが発生する。誘導板40は、ターンテーブル20の全ての半径方向に発生する空気の流れを、光ヘッド11の方向へと誘導する。誘導された空気の流れは、対物レンズ側領域に達し、塵埃除去風として、対物レンズ側領域に付着した塵埃を除去する。
【0103】
このように、光ディスク装置75は、実施の形態1に係る光ディスク装置71より、非常に風量の大きい塵埃除去風を発生させることができる。従って、実施の形態1に係る光ディスク装置71と比較して、光ディスク装置75は、塵埃を除去する可能性を大きくすることができる。
【0104】
なお、誘導板40は、スピンドルモータ17の回転部及びターンテーブル20の少なくとも一方を取り囲むように設けられていてもよい。
【0105】
また、上記の実施の形態2〜4に係る光ディスク装置が、上記の誘導板40を備えてもよい。
【0106】
(実施の形態6)
ここでは、本発明に係る光ディスク装置の制御方法の一例として、スピンドルモータの駆動方法について説明する。
【0107】
本発明の実施の形態6に係る光ディスク装置は、上記の実施の形態1に係る光ディスク装置71と同じ構成を有する。従って、実施の形態6に係る光ディスク装置の構成の説明を省略し、実施の形態6に係る光ディスク装置の、塵埃除去風を発生させるためのスピンドルモータの具体的な駆動方法について説明する。
【0108】
まず、スピンドルモータの基本的な駆動方法(第1の駆動方法)について説明する。
【0109】
実施の形態6に係る光ディスク装置は、ターンテーブル20に光ディスク14が搭載されているか否かに応じて、所定のタイミングで、スピンドルモータ17を所定の期間駆動させる。
【0110】
すなわち、実施の形態6に係る光ディスク装置は、光ディスク14が搭載されている場合であって、記録/再生動作をしていない状況下であっても、塵埃除去風を発生させるためにスピンドルモータ17を、予め定められたタイミングで駆動させる。これにより、光ディスク14の表面や、対物レンズの周辺に付着した塵埃を除去することができる。ここで、所定のタイミングとは、例えば、1時間毎に一定時間駆動させることが考えられる。
【0111】
また、光ディスク装置に光ディスク14が搭載されていない場合でも、スピンドルモータ17を、例えば、1時間毎又は数時間毎、あるいは、1日おき又は数日おきに一定時間駆・BR>ョさせることによって、対物レンズの周辺に付着した塵埃を除去することができ
る。ここで、スピンドルモータ17を駆動させるタイミングは、光ディスク14が搭載されている場合と、搭載されていない場合とにより、区別しても良いし、同じにしても良い。
【0112】
これにより、塵埃によって光ディスクの表面に傷が発生する可能性を低減することができる。
【0113】
次に、スピンドルモータの別の駆動方法(第2の駆動方法)について説明する。実施の形態6に係る光ディスク装置は、上記の第1の駆動方法を適用する構成とは別に、例えば、ユーザが光ディスク装置の蓋を開けるなどの、ユーザによる光ディスク14の搭載動作を検知できる検知センサ(図示省略)を有するものとする。その場合、検知センサでの検知信号により、ターンテーブル20に光ディスク14が搭載される直前に予め、光ディスクの正回転方向又は逆回転方向にスピンドルモータ17を、短時間だけ駆動させることが出来る。これにより、対物レンズの周辺領域に付着した塵埃を、光ディスク14が搭載される前に予め除去できるため、光ディスク14に傷が発生する可能性を低減することができる。
【0114】
なお、上記第2の駆動方法において、実施の形態6に係る光ディスク装置は、ターンテーブル20の逆回転方向に回転させた場合、引き続き、正回転方向にモードを切り替えた上で回転を停止させる。このとき、ターンテーブル20の回転を完全に停止させてもよいし、させなくてもよい。
【0115】
これは、実施の形態6に係る光ディスク装置を、ユーザがすぐに使用可能な状態とするためである。このように回転制御することにより、搭載された光ディスク14の回転の立ち上がり時間を短縮できるので、光ディスク14のデータを直ちに取得することが可能となり、ユーザの利便性を損なうことなく、対物レンズの周辺領域の塵埃を除去することが可能となる。
【0116】
尚、上記第2の駆動方法は、上記第1の駆動方法と組み合わせても勿論良い。
【0117】
次に、スピンドルモータの更に別の駆動方法(第3の駆動方法)について説明する。実施の形態6に係る光ディスク装置は、スピンドルモータ17を駆動させる際に、ターンテーブル20の回転方向を変化させる。例えば、実施の形態6に係る光ディスク装置は、ターンテーブル20の正回転方向及び逆回転方向の向きにスピンドルモータ17を交互に駆動させることによって、塵埃除去風の風向を変化させる。正回転方向とは、光ディスク装置が光ディスクの記録/再生動作を行う際に光ディスク回転させる方向のことをいい、逆回転方向とは、正回転方向の逆方向のこという。塵埃除去風の風向を変化させることによって、対物レンズ115や、光ディスク表面に付着した塵埃を除去することが可能となる。
【0118】
次に、スピンドルモータのまた更に別の駆動方法(第4の駆動方法)について説明する。実施の形態6に係る光ディスク装置は、スピンドルモータ17を駆動させる際に、ターンテーブル20の回転速度を変化させることによって、塵埃除去風の風速を変化させる。
【0119】
上記スピンドルモータ17の第2及び第3の駆動方法のように、実施の形態6に係る光ディスク装置は、塵埃除去風の風速または風向を変化させることによって、塵埃除去風を乱流とすることができる。これにより、対物レンズの周辺や、光ディスク表面に付着した塵埃を除去する効果が、実施の形態1に係る光ディスク装置71より大きくなる。
【0120】
尚、上記第3又は、第4の駆動方法を、上記第1及び/又は第2の駆動方法と組み合わせても良い。
【0121】
また、上記実施の形態1〜5に係る光ディスク装置に、本実施の形態のスピンドルモータの駆動方法を用いても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0122】
(実施の形態7)
ここでは、本発明の光ディスク装置の制御方法の一例として、光ヘッドの制御方法について説明する。
【0123】
本発明の実施の形態7に係る光ディスク装置は、上記の実施の形態1に係る光ディスク装置71と同じ構成を有する。従って、実施の形態7に係る光ディスク装置の構成の説明を省略し、実施の液体7に係る光ディスク装置の、光ヘッド11の制御方法について、実施の形態1に係る光ディスク装置71と異なる点を中心に、図2を用いて説明する。なお、基本的な動作は、実施の形態1に係る光ディスク装置71と同じである。
【0124】
図2に示す矢印F、矢印Tまたは矢印Rの方向は、光ヘッド11が移動可能な方向を示す。サーボ制御回路130は、光ヘッド11を矢印F、矢印Tまたは矢印Rの方向に移動させることによって、対物レンズ側領域に対する塵埃除去風の風速、または風向を変化させる。
【0125】
矢印Fは、光ディスク14の表面に対して垂直な方向を示す。サーボ制御回路130は、光ヘッド11を矢印Fの方向に往復運動させ、対物レンズ115と光ディスク14との距離を変化させる。矢印Tは、光ディスク14の表面と平行な方向を示す。サーボ制御回路130は、光ヘッド11を、矢印Tの方向に往復運動させることによって、対物レンズ115と、スピンドルモータ17及びターンテーブル20との距離を変化させる。
【0126】
本実施の形態の光ディスク装置は、光ヘッド11を矢印F及び矢印Tの方向に往復運動させることによって、対物レンズ側領域に対する塵埃除去風の風速を変化させる。
【0127】
矢印Rは、光ディスク14の表面に対して、傾斜する方向を示す。サーボ制御回路130は、光ヘッド11を矢印Rの方向に回転運動させることによって、光ディスク14の表面に対する光ヘッド11の傾きを変化させる。
【0128】
本実施の形態7の光ディスク装置は、光ヘッド11を矢印Rの方向に運動させることによって、光ヘッドに対する塵埃除去風の風向を変化し、塵埃除去風を乱流とすることができる。
【0129】
したがって、保護部材13a〜13cを含む対物レンズ周辺の領域と光ディスク14の対物レンズ側の表面とに付着した塵埃を除去する効果を、実施の形態1の光ディスク装置71と比較して、さらに大きくすることができる。また、矢印F、矢印T、及び矢印Rのそれぞれの方向の往復運動を組み合わせてもよい。
【0130】
なお、上記実施の形態2〜5に係る光ディスク装置に、本実施の形態の光ヘッドの駆動方法を用いても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0131】
(実施の形態8)
ここでは、本発明の光ディスク装置の制御方法の一例として、光ヘッドの制御方法について説明する。
【0132】
図9は、本発明の実施の形態8に係る光ディスク装置78の動作を説明する図である。光ディスク装置78の構成は、図1〜図3に示す実施の形態1の光ディスク装置71の構成に、さらにストッパ41を備える構成である。このため、光ディスク装置78のストッパ41以外の構成の説明を省略し、光ディスク装置78の光ヘッド11の制御方法について、実施の形態1に係る光ディスク装置71と異なる点を中心に、図9を用いて説明する。なお、基本的な動作は、実施の形態1に係る光ディスク装置71と同じである。
【0133】
光ディスク装置78において、サーボ制御回路130は、スピンドルモータ17を駆動する前に、光ヘッド11を所定の位置に移動させる。図9に示すように、光ヘッド11の所定の位置とは、光ヘッドの機械的限界位置M、または光ヘッド最内周位置Sである。
【0134】
光ヘッド11の機械的限界位置Mとは、その位置からさらに、光ヘッド11の半径方向の内周側への移動が、物理的に不可能な限界位置のことをいう。光ヘッド11の機械的限界位置Mを決定するために、図9に示すように、光ディスク14の半径方向の内周方向への、光ヘッド11の移動を阻止するストッパ41を設置した。
なお、ストッパ41に代えて、光ヘッドの位置検出用のセンサ(図示省略)を予め設けた構成でも良い。その場合、その位置検出用センサが光ヘッド11を、例えば機械的限界位置Mにおいて検出した時点で、サーボ制御回路130が、光ヘッド11の移動を停止させる構成としてもよい。
【0135】
また、光ディスクの最内周位置Sとは、光ディスク14の半径方向における最も内周側にある、データの記録または再生可能な位置のことである。光ヘッドの最内周位置Sは、上記光ディスクの最内周位置に光スポットを形成するための光ヘッド11の位置のことである。すなわち、光ヘッドの機械的限界位置Mは、光ディスクの最内周位置よりスピンドルモータ17に近いことになる。
【0136】
このように、光ディスク装置78は、光ヘッド11をターンテーブル20及びスピンドルモータ17に近づけることによって、対物レンズ側領域に対する塵埃除去風の風速を増すことができる。これにより、光ディスク装置78は、対物レンズ側領域に付着した塵埃を除去する効果を、上記の実施の形態1に係る光ディスク装置71と比較して大きくすることができる。
【0137】
なお、本実施の形態において、ターンテーブル20に代えてターンテーブル25またはターンテーブル30を、またスピンドルモータ17に代えてスピンドルモータ35を用いることができることは、言うまでもない。
【0138】
また、上記実施の形態1〜8では、便宜上、光ディスク装置71に光ディスク14が搭載された状態の例を説明したが、これに限らず、光ディスク14が搭載されていなくても、上記と同様の効果を発揮し得る。
【0139】
また、上記実施の形態1〜5に係る光ディスク装置に、本実施の形態6〜8の光ディスクの駆動方法を適用しても良い。その場合でも、上記と同様に、光ディスクの周辺又は、対物レンズの周辺に付着した塵埃を効果的に除去することが出来る。
【0140】
(実施の形態9)
ここでは、本発明の光ディスク装置の一実施の形態について、図10Aおよび図10Bを用いて説明する。
【0141】
図10Aは、本発明の実施の形態9に係る光ディスク装置79の上面図である。図10Bは、図10Aに示す光ディスク装置79のG−G断面図である。
【0142】
図10A及び図10Bに示す光ディスク装置79を構成するブロックが、従来の光ディスク装置90を構成するブロックと同じ動作をするものについては、従来の光ディスク装置90を構成するブロックと同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0143】
以下の説明では、光ディスク装置79に光ディスク14が搭載されていることが前提となる。これは、光ディスク装置79が、光ディスク14の回転と空気の粘性とによって発生する空気の流れを、塵埃除去風として利用するためである。
【0144】
以下、光ディスク装置79の構成について説明する。
【0145】
光ディスク装置79は、アクチュエータカバー18に代えて、アクチュエータカバー50を備える。アクチュエータカバー50は、光ディスク14に対向する面に、導風部としての、第1の溝部51a及び第2の溝部51bを有する。第1の溝部51aと第2の溝部51bとは、対物レンズ115を中心として、アクチュエータカバー50の光ディスク14の円周方向にそれぞれ設けられる。なお、溝部は、二つである必要はなく、光ディスク14の円周方向のどちらか一方に設けられていればよい。
【0146】
続いて、第1の溝部51a及び第2の溝部51bについて説明する。
【0147】
第1の溝部51aは、アクチュエータカバー50の一方の円周方向側の側面に開放部53を有する。第1の溝部51aの幅54は、開放部53から対物レンズ115に向かうに従い、徐々に狭くなり、対物レンズ115側で最小となる。図10Aに示すように、第1の溝部51aを形成する二つの側面のなす角度がα(α<90°)となるように、第1の溝部51aが形成されていればよい。また、第1の溝部51aの深さは、開放部53から対物レンズ115に向かうに従い、徐々に小さくなり、対物レンズ115側で最小となる。図10Bに示すように、第1の溝部51aの底面54aと、光ディスク14との角度がβ(β<90°)となるように、第1の溝部51aが形成されていればよい。
【0148】
第2の溝部51bの形状は、第1の溝部51aと同様であるため、その説明を省略する。なお、第1の溝部51aの形状と第2の溝部51bの形状とが同一である必要はない。
【0149】
次に、光ディスク装置79が、塵埃除去風を発生させる基本的な動作について説明する。
【0150】
空気には粘性があるため、光ディスク14が回転すると、光ディスク14の表面の空気は光ディスク14の円周方向に引っ張られ、空気の流れ52aが発生する。また、光ディスク14が回転すると、遠心力によって、光ディスク14の表面の半径方向に、空気の流れ52bが発生する。この結果、空気の流れ52a及び52bが合成された空気の流れ52が発生する。
【0151】
第1の溝部51aは、空気の流れ52を対物レンズ115の方向に導く。この結果、空気の流れ52は、塵埃除去風として、保護部材13a〜13cを含む対物レンズ115の周辺領域(以下、対物レンズ周辺領域という)に付着した塵埃を除去する。また、第2の溝部51bは、光ディスク14が逆回転方向に回転することによって発生する空気の流れを、塵埃除去風として対物レンズ周辺領域に導き、塵埃を除去する。
【0152】
これにより、光ディスク装置79は、保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0153】
(実施の形態10)
ここでは、本発明の光ディスク装置の一実施の形態について、図11を用いて説明する。
【0154】
本発明の実施の形態10に係る光ディスク装置80の構成は、実施の形態9に係る光ディスク装置79の構成と同じであるため、その説明を省略し、実施の形態9に係る光ディスク装置79と異なる動作のみを説明する。なお、基本的な動作は、実施の形態7に係る光ディスク装置79と同じである。
【0155】
図11は、図10Bのアクチュエータカバー50付近を拡大した図である。サーボ制御回路130は、アクチュエータコイル117にフォーカス方向に電圧を加えることによって、対物レンズホルダ19をアクチュエータカバー50に接触するまで移動させる。対物レンズホルダ19がアクチュエータカバー50に接触しても、保護部材13a〜13cは、光ディスク14に接触しない。
【0156】
対物レンズホルダ19をアクチュエータカバー50に接触させるまで移動させることによって、対物レンズ115及び保護部材13a〜13cと、光ディスク14とが接近する。この結果、光ディスク装置80は、対物レンズ側領域に対する塵埃除去風の風速を、光ディスク装置79より大きくすることができる。
【0157】
従って、実施の形態10に係る光ディスク装置80は、実施の形態9に係る光ディスク装置79よりも、塵埃を除去する効果を大きくすることができる。
【0158】
(実施の形態11)
ここでは、本発明の光ディスク装置の一実施の形態について、図12Aおよび図12Bを用いて説明する。
【0159】
図12Aは、本発明の実施の形態11に係る光ディスク装置81の上面図である。図12Bは、図12Aに示す光ディスク装置81のH−H断面図である。本実施の形態の光ディスク装置81は、実施の形態9の光ディスク装置79のアクチュエータカバー50に代えて、アクチュエータカバー55を備える構成である。
【0160】
このため、光ディスク装置81のアクチュエータカバー55以外の構成は、説明を省略し、光ディスク装置81について、実施の形態9に係る光ディスク装置79と異なる点を中心に、図12Aおよび図12Bを用いて説明する。なお、基本的な動作は、光ディスク装置79と同じである。
【0161】
まず、アクチュエータカバー55の構造を説明する。
【0162】
アクチュエータカバー50とアクチュエータカバー55との差異は、アクチュエータカバー55の第1の溝部56aの底面に、複数の凸部57a〜57cが設けられている点である。
【0163】
複数の凸部57a〜57cは、空気の流れ58が通過する位置に設けられている。このため、複数の凸部57a〜57cは、空気の流れ58が第1の溝部56aを通過する際に、空気の流れ58の流れを乱す。この結果、塵埃除去風は乱流となるため、光ディスク装置81は、対物レンズ周辺領域に付着した塵埃を除去する効果を、光ディスク装置79と比較して、大きくすることができる。
【0164】
なお、図12A及び図12Bには、3個の凸部57a〜57cが図示されているが、凸部の数はこれに限られるものではない。また、複数の凸部57a〜57cは、第2の溝部56bに設けられていてもよい。
【0165】
(実施の形態12)
ここでは、本発明の光ディスク装置の一実施の形態について説明する。
【0166】
図13Aは、本発明の実施の形態12に係る光ディスク装置82の上面図である。図13Bは、図13Aに示す光ディスク装置82のI−I断面図である。
【0167】
図13A及び図13Bに示す光ディスク装置82を構成するブロックが、従来の光ディスク装置90を構成するブロックと同じ動作をするものについては、同じ参照符号を付し、その説明を省略する。
【0168】
以下の説明では、実施の形態9に係る光ディスク装置79と同様に、光ディスク装置82に光ディスク14が搭載されていることが前提となる。
【0169】
まず、光ディスク装置82の構成について説明する。
【0170】
光ディスク装置82は、従来の光ディスク装置90と異なり、アクチュエータカバー18を備えない。また、光ディスク装置82は、従来の光ディスク装置90の対物レンズホルダ19に代えて、対物レンズホルダ60を備える。
【0171】
対物レンズホルダ60は、光ディスク14に対向する面に、導風部としての、第1の溝部61a及び第2の溝部61bを有する。第1の溝部61aと第2の溝部61bとは、対物レンズ115を中心として、光ディスク14の円周方向にそれぞれ設けられる。なお、溝部は、二つである必要はなく、光ディスク14の円周方向のどちらか一方に設けられていればよい。
【0172】
続いて、第1の溝部61a及び第2の溝部61bについて説明する。
【0173】
第1の溝部61aは、対物レンズホルダ60の一方の円周方向側の側面に、開放部を有する。第1の溝部61aの幅は、開放部から対物レンズ115に向かうに従い、徐々に狭くなり、対物レンズ115側で最小となる。図13Aに示すように、第1の溝部61aを形成する二つの側面のなす角度がα(α<90°)となればよい。また、第1の溝部61aの深さは、開放部から対物レンズ115に向かうに従い、徐々に小さくなり、対物レンズ115側で最小となる。図13Bに示すように、第1の溝部61aの底面と、光ディスク14との角度がβ(β<90°)となればよい。
【0174】
第2の溝部61bの形状は、第1の溝部61aと同じであるため、その説明を省略する。なお、第1の溝部61aと第2の溝部61bとの形状が同一である必要はない。
【0175】
次に、光ディスク装置82が、塵埃除去風を発生させる基本的な動作について説明する。
【0176】
実施の形態9で説明したように、光ディスク14が回転すると、光ディスク14の表面上に、光ディスク14の円周方向に流れる空気の流れ62aと、光ディスク14の半径方向に流れる空気の流れ62bが発生する。この結果、空気の流れ62a及び62bが合成された空気の流れ62が発生する。
【0177】
第1の溝部61aは、空気の流れ62を対物レンズ周辺領域に導く。この結果、空気の流れ62は、塵埃除去風として、対物レンズ周辺領域に付着した塵埃を除去する。また、第2の溝部61bは、光ディスク14が逆回転方向に回転することによって発生する空気の流れを、塵埃除去風として対物レンズ周辺領域に導き、塵埃を除去する。
【0178】
これにより、光ディスク装置82は、保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0179】
(実施の形態13)
ここでは、本発明の光ディスク装置の一実施の形態について説明する。
【0180】
図14Aは、本発明の実施の形態13に係る光ディスク装置83の断面図である。図1
4Bは、図14Aに示す光ディスク装置83のJ−J断面図である。
【0181】
光ディスク装置83の構成は、従来の光ディスク装置90に、さらに導風板65を備える構成である。このため、光ディスク装置83の導風板65以外の構成は、説明を省略し、光ディスク装置83について、従来の光ディスク装置90と異なる点を中心に、図14Aおよび図14Bを用いて説明する。なお、基本的な動作は、従来の光ディスク装置90と同じである。
【0182】
以下の説明では、実施の形態9に係る光ディスク装置79と同様に、光ディスク装置83に光ディスク14が搭載されていることが前提となる。
【0183】
まず、導風板65について説明する。
【0184】
導風板65は、光ディスク14の回転に伴い発生する空気の流れ68を、塵埃除去風として対物レンズ周辺領域に導く導風板である。図14Aでは、導風板65を光ヘッド11の円周方向の一方のみに位置する状態で図示している。しかし、導風板65を、光ヘッド11の円周方向の両方向に配置してもよい。
【0185】
導風板65は、ステー693を介してシャーシ691に固定される。シャーシ691は、光ヘッド11の一端をガイドするガイドシャフト692と、光ヘッド11を光ディスク14の半径方向に送るリードスクリュー694とを固定するためのシャーシである。
【0186】
次に、導風板65の構造について説明する。
【0187】
導風板65の光ディスク14に対向する面を底部69とした場合、導風板65は、底部69から光ディスク14の円周方向に沿って形成され、底部69から光ディスク側に延びる二つの側壁66a及び66bを有する。側壁66aは、底部69の内周側に形成され、側壁66bは、底部69の外周側に形成される。すなわち、導風板65は、光ヘッド11側に開放部67を有する溝状の形状となる。図14Bに示すように、導風板65の底部69が、光ディスク14の記録面に対して、開放部67側が光ディスク14側に傾いている。また、図14Aに示すように、導風板65の底部69は、側壁66aと側壁66bとの間隔が、光ヘッド11に近づくに従い、狭くなっている。
【0188】
続いて、光ディスク装置83が塵埃除去風を発生させる基本的な動作を説明する。
【0189】
光ディスク14の回転に伴い発生する空気の流れ68は、導風板65に取り込まれる。空気の流れ68は、導風板65の底部の傾き、及び側壁66aと側壁66bとの間隔が狭くなるために圧縮される。圧縮された空気の流れ68は、風速が増した状態で開放部67から塵埃除去風として放出される。このように、導風板65は、空気の流れ68を、塵埃除去風として効率良く、対物レンズ周辺領域へ導き、対物レンズ周辺領域に付着した塵埃を除去する。
【0190】
これにより、光ディスク装置83は、保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができるため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0191】
なお、本実施の形態において、アクチュエータカバー18に代えて、アクチュエータカバー50または55を用いてもよい。これにより、塵埃を除去する効果を、導風板65のみを用いた場合より大きくすることができる。また、光ヘッド11を、光ディスク14の半径方向に往復運動させてもよい。これにより、対物レンズ周辺領域に対する塵埃除去風の風向が変わるため、対物レンズ周辺領域に乱流を発生することができる。従って、塵埃を除去する効果を大きくすることができる。
【0192】
また、本実施の形態において、アクチュエータカバー18を取り外し、対物レンズホルダ60を用いても良い。
【0193】
(実施の形態14)
ここでは、本発明に係るディスクカートリッジの一実施の形態について説明する。
【0194】
図15Aは、従来の光ディスク装置90が、本発明に係る実施の形態14のディスクカートリッジ84を搭載した状態を示す上面図である。図15Bは、図15AのK−K断面図である。なお、図15Bは、光ヘッド11を図15Aに示すK−K線上に移動した状態を示している。
【0195】
以下、図15A及び図15Bを用いて、実施の形態14のディスクカートリッジ84について説明する。
【0196】
図15Bに示すディスクカートリッジ84は、上側本体84aと下側本体84bとを備える。上側本体84aは、ディスクカートリッジ84の光ヘッド11側の筐体である。上側本体84aには、アクチュエータカバー18と、ターンテーブル16とを上側本体84aの内部にまで侵入させるための開口部87が設けられている。下側本体84bは、ディスクカートリッジ84の光ヘッド11と反対側の筐体である。尚、開口部87には、スライド式のシャッター(図示省略)が設けられている。
【0197】
次に、上側本体84aの構造について説明する。
【0198】
上側本体84aは、光ディスク14に対向する面に、第1の溝85と第2の溝86とを有する。第1の溝85及び第2の溝86は、光ディスク14の円周方向に沿って設けられており、開口部87の縁部にそれぞれ開放部85c及び86cを有する。
【0199】
第1の溝85は、ディスクカートリッジ84の開口部87から円周方向に沿って延びる第1の側壁85a及び第2の側壁85bによって形成される。第1の側壁85aは、光ディスク14の外周側に設けられ、第2の側壁85bは、内周側に設けられる。第1の側壁85aと第2の側壁85bとの間隔は、開口部87に近づくに従い、小さくなる。
【0200】
第2の溝86は、開口部87を挟んで、第1の溝85と反対側の位置に設けられる。第2の溝86は、ディスクカートリッジ84の開口部87から円周方向に沿って延びる第3の側壁86a及び第4の側壁86bによって形成される。第3の側壁86aは、光ディスク14の外周側に設けられ、第4の側壁86bは、内周側に設けられる。第3の側壁86aと第4の側壁86bとの間隔は、開口部87に近づくに従い、小さくなる。
【0201】
続いて、ディスクカートリッジ84が塵埃除去風を導く原理について説明する。
【0202】
光ディスク14が正回転方向に回転すると、円周方向の空気の流れ88aと、半径方向の空気の流れ88bとが合成された、空気の流れ88が発生する。空気の流れ88は、第1の溝85に取り込まれる。空気の流れ88は、開口部87に近づくに従い圧縮される。圧縮された空気の流れ88は、開放部85cから塵埃除去風として放出される。開放部85cから放出された塵埃除去風は、対物レンズ周辺領域に付着した塵埃を除去する。
【0203】
一方、光ディスク14が逆回転方向に回転すると、円周方向の空気の流れ89aと、半径方向の空気の流れ89bとが合成された、空気の流れ89が発生する。空気の流れ89は、第2の溝86に取り込まれる。このため、空気の流れ89は、開口部87に近づくに従い圧縮される。圧縮された空気の流れ89は、開放部86cから塵埃除去風として放出される。開放部86cから放出された塵埃除去風は、対物レンズ周辺領域に付着した塵埃を除去する。
【0204】
これにより、本実施の形態のディスクカートリッジは、光ディスク装置に搭載されることによって、光ディスク装置90の保護部材13a〜13cや、光ディスク14の表面などに付着したゴミや埃などを除去することができる。このため、保護部材13a〜13cと光ディスク14とが衝突したとしても、光ディスク14の表面に傷が発生する可能性を低減することが可能となる。
【0205】
図16は、第1の溝85及び第2の溝86の底面にテーパ部を設けたディスクカートリッジ841の断面図である。図16に示すディスクカートリッジ841には、第1の溝85及び第2の溝86の底部に、開口部87に近づくに従って溝の深さが小さくなるテーパ部85d及び86dがそれぞれ設けられている。ディスクカートリッジ841がテーパ部85d及び86dを有することによって、空気の流れ88及び89を更に圧縮することが可能となり、図15A及び図15Bに示すディスクカートリッジ84を用いた場合より、塵埃除去風の風速を早くすることができる。
【0206】
なお、本実施の形態に係るディスクカートリッジは、従来の光ディスク装置90に搭載されるものとして説明したが、実施の形態1〜13の光ディスク装置に本実施の形態に係るディスクカートリッジを搭載してもよいことは、言うまでもない。
【0207】
なお、誘導溝が形成されたターンテーブルを用いるタイプの上記の実施の形態において、誘導溝の断面は、図3(b)のL−L断面図である図3(d)により示したが、これに限らず、ターンテーブルの回転に伴って、塵埃除去風を発生することができれば、どのような形状でもよい。例えば、断面形状は、半円形状、U字型形状、またはV字型形状とすることなどが考えられる。
【0208】
なお、誘導溝が形成されたターンテーブルを用いるタイプの上記の実施の形態において説明したターンテーブルは、複数の誘導溝及びフィンをそれぞれ8個ずつ有するものとして説明したが、誘導溝及びフィンの数は、これに限られるものではない。また、上記の実施の形態においてターンテーブルには、誘導溝またはフィンの何れか一方が設けられていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0209】
本発明にかかる光ディスク装置、及び光ディスク装置の制御方法は、光ディスクのデータ記録面が傷つくという可能性を低減する効果を有し、光ディスク装置、及び光ディスク装置の制御方法等として有用である。
【符号の説明】
【0210】
10、71、75、78、79、80、81、82、83 光ディスク装置
11 光ヘッド
13a〜13c 保護部材
14 光ディスク
15 トラバースモータ
16、20、25、30 ターンテーブル
17、35 スピンドルモータ
18、50、55 アクチュエータカバー
19、60 対物レンズホルダ
22a〜22h、26a〜26h、31a〜31h 誘導溝
23a〜23h、36a〜36h フィン
24a〜24h 開放部
32a〜32h 貫通孔
33a〜33h 底部
24,34 外周縁部
34a〜34h 開放部
40 誘導板
41 ストッパ
51a、51b、56a、56b、61a、61b、85、86 溝部
52、52a、52b、58、58a、58b、62、62a、62b、68、68a、68b、88、88a、88b、89、89a、89b 空気の流れ
53、67、85c、86c 開放部
54a 溝部の幅
54a 底面
57a〜57c 凸部
65 導風板
66a、66b、85a、85b、86a、86b 側壁
84 ディスクカートリッジ
84a 上側本体
84b 下側本体
85d、86d テーパ部
87 開口部
111 半導体レーザ
112 ビームスプリッタ
113 コリメートレンズ
114 ミラー
115 対物レンズ
117 アクチュエータコイル
118 マルチレンズ
119 フォトダイオード
120 信号処理回路
130 サーボ制御回路
691 シャーシ
692 ガイドシャフト
693 ステー
694 リードスクリュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクを上側本体と下側本体との間に収納するための空間を有するディスクカートリッジであって、
前記上側本体は、(i)光ヘッドのアクチュエータカバー及びターンテーブルを前記上側本体の内部に侵入させるための開口部と、(ii)前記光ディスクに対向する面に、前記開口部の縁部から円周方向に向けて設けられた、前記光ディスクの正回転によって発生する空気の流れを導くための第1の溝と前記光ディスクの逆回転によって発生する空気の流れを導くための第2の溝とを有する、ディスクカートリッジ。
【請求項2】
前記第1の溝及び前記第2の溝の幅は、前記開口部の縁部に近づくにつれて除々に狭くなる、請求項1記載のディスクカートリッジ。
【請求項3】
前記第1の溝及び前記第2の溝の深さを、前記開口部の縁部に近づくにつれて除々に浅くするためのテーパ部が設けられている、請求項1記載のディスクカートリッジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14A】
image rotate

【図14B】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−150882(P2012−150882A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−114111(P2012−114111)
【出願日】平成24年5月18日(2012.5.18)
【分割の表示】特願2007−509283(P2007−509283)の分割
【原出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】