説明

ディスククランパ

【課題】 ディスク押えと鍔体とが、組立て時とは逆向きに回動してしまうことを阻止する対策を講じることによって、組み立てられたディスククランパが不慮に分解されてしまうことを防止する。
【解決手段】 ディスク押え10と鍔体40とを連結するための結合機構Mを有する。結合機構Mが、スペーサ50と、開口部60と、スペーサ50の基端縁部でなる被係止部51に係合する爪部23を備えた係止フック20とを有する。開口部60が幅広部61と幅狭部62とを有する。開口部60の幅狭部62に位置している爪部23が幅広部61へ移動することを阻止するストッパ機構Sを備える。ストッパ機構Sがディスク押え側の係合部24と鍔体側の円筒状のスペーサ50に設けられた突部52とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD、BDといった円板形のディスクを取り扱うディスククランパ、特に、組立後や動作中に不慮に分解されることを防止するための対策が講じられているディスククランパに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のディスククランパは、ディスクの記録面を光学的に処理するディスク装置に採用されていて、一般的にはそのディスク装置のローダシャーシに配備されるクランパプレートに取り付けられている。また、このディスククランパは、クランパプレートへの取り付けの便宜などを考慮して、円板形のディスク押え(ボトムプレート)及びその付属要素と円板形の鍔体(トッププレート)及びその付属要素とに分かれていて、それらを組み合わせることによって上記ディスククランパに取り付けられる。さらに、ディスククランパは、ターテンーブルとの間でディスクを挟持した状態で高速回転するために、その高速回転中の振動によって不慮に分解されてしまうという事態を回避しておく必要があるだけでなく、ディスク装置の光学性能を維持する上でディスククランパに高い機械的精度が要求されるために、人為的な操作によって容易に分解されてしまうという事態を回避しておく必要もある。
【0003】
次に、従来例としてのディスククランパの構成部材を図6〜図8を参照して説明し、図9、図10及び図11を参照して組立工程を説明し、さらに図12を参照してその動作状態を説明する。
【0004】
図6はディスク押え10とその付属要素を内面側から見て示した平面図、図7は鍔体40とその付属要素を外面側から見て示した平面図、図8は鍔体40とその付属要素を内面側から見て示した平面図である。また、図9は組立工程の初期段階を示した平面図、図10は組立後の状態を示した平面図である。さらに、図11は組立て前の状態を説明的に示した縦断側面図、図12は動作状態の縦断側面図である。
【0005】
図6のように、ディスク押え10は円板形に形成されていて、その中央に円形孔11が開設されていると共に、その円形孔11の周辺部分が内側(上側)へ膨らみ出ていることによって、その周辺部分の外面側に円形凹所12(図11又は図12参照)が形成されている。ディスク押え10の付属要素には、上記円形孔11の周囲でディスク押え10の周方向等角度おきの3箇所に設けられた係止フック20と、背低円筒状の位置決め片30とが含まれる。円筒状の位置決め片30は上記係止フック20の形成箇所ごとに欠除されている。31は位置決め片30の欠除箇所を示している。係止フック20は、ディスク押え10の内面から立ち上げられた弾性を備える脚部22とその脚部22の頂部に形成されている外向きの爪部23とを有する。ディスク押え10と係止フック20と位置決め片30とは樹脂の一体成形体でなる。そのため、ディスク押え10には、係止フック20の形成箇所に対応する箇所に成形時の型抜き跡によって生じた開口21が開設されている。
【0006】
図7又は図8のように、鍔体40は円板形に形成されている。鍔体40の付属要素には、その鍔体40の内面から立ち上げられた円筒状のスペーサ50と、そのスペーサの内側に形成されている複数箇所の内向き片41と、それらの内向き片41の内側に形成されている径小筒部42とが含まれている。また、鍔体40には、スペーサ50の形成箇所の複数箇所に位置する開口部60が開設されていて、この開口部60ではスペーサ50の基端縁部が表面側に露出している。
【0007】
上記開口部60は、上記ディスク押え10の係止フック20の爪部23を挿入可能な幅を有する幅広部61と、この幅広部61の片側に位置してその幅広部61に連続する幅狭部62とを有し、幅狭部62の内側の口縁部は、その幅狭部62に位置している上記係止フック20の爪部23に対峙する爪受け部63として形成されている。
【0008】
ディスククランパは、上記した構成を有するディスク押え10と鍔体40とを同心状に連結することによって構成されるのであって、その連結のための結合機構Mが、鍔体40側のスペーサ50及び開口部60と、ディスク押え10側の係止フック20とによって形成されている。
【0009】
図9及び図10のように、ディスク押え10と鍔体40とを同心状に連結するための結合機構Mは、ディスククランパCの周方向等角度おきの複数箇所、図例では3箇所に介在されている。
【0010】
図10及び図11はディスククランパの組立工程の初期段階を示している。この初期段階では、ディスク押え10側の位置決め片30を鍔体40側の円筒状のスペーサ50の内側に嵌合することによってディスク押え10と鍔体40とを同心状に位置合わせすることと、ディスク押え10側の係止フック20の爪部23を、スペーサ50の基端縁部によって形成されている被係止部51に係合させること、とが行われる。爪部23を被係止部51に係合させる工程では、3箇所の係止フック20の爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込むことにより、係止フック20の脚部22を弾性を利用して撓ませながら爪部23にスペーサ50を乗り越えさせて、その爪部23を開口部60の幅広部61に挿入すると共に、脚部22を弾性により復帰させて幅広部61に挿入した爪部23を上記被係止部51に係合させる、という手順が行われる。
【0011】
次の段階では、図10に矢印Rで示したようにディスク押え10と鍔体40とを相対的に矢印Rのように回動させることによって、開口部60の幅広部61内でスペーサ50の被係止部51に係合している係止フック20の爪部23を、その開口部60の幅狭部62に向けて移動させる。この操作を行うと、幅狭部62の内側の口縁部によって形成されている爪受け部63が爪部23の背面に対峙して爪部23が被係止部51から離脱することが阻止される。
【0012】
なお、上記した組立工程では、図11によって判るように、ディスク装置のローダシャーシ(不図示)に配備されるクランパプレート70の円形孔部71に鍔体40側の円筒状のスペーサ50を挿入して遊嵌合させることと、鍔体40とディスク押え10との間に永久磁石80(又は鉄板などのヨーク)を組み付けることと、が行われる。
【0013】
図12のように、クランパプレート70に取り付けられたディスククランパCは、ディスク装置のターテーブル100に載架されているディスクDを、永久磁石80(又はヨーク)の吸引作用を介し、そのターンテーブル100と共働して挟持する。この挟持状態では、ディスククランパCのディスク押え10がディスクDをターンテーブル100に押し付けている。また、図示していないけれども、ディスクDの載架されているターテーブル100が退避位置まで下降すると、ディスククランパCの鍔体40がクランパプレート70の円形孔部71の周縁部により形成されている鍔受部72により受け止められて、ディスク押え10がターンテーブル100から離れる。
【0014】
先行例には、フックと係合孔との係合構造を利用して組み立てられたクランパが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0015】
他の先行例では、ディスククランパの組付け作業性を改善させるための提案がなされている(たとえば、特許文献2参照)。
【0016】
さらに他の先行例では、ディスククランパの回転時の振動を抑制するための提案がなされている(たとえば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2008−4209号公報
【特許文献2】特開2008−52851号公報
【特許文献3】特開平10−308047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図9及び図10を参照して説明したところから明らかなように、従来例としてのディスククランパCは、ディスク押え10側の係止フック20を鍔体40側の開口部60の幅広部61に挿入して係止フック20の爪部23を被係止部51に係合させた後、ディスク押え10と鍔体40とを相対的に回動させて係止フック20の爪部23を開口部60の幅狭部62にまで移動させる、という操作を行うだけで組み立てることができる。そして、組立て後には、開口部60の幅狭部62の爪受け部63が爪部23の背面に対峙してその爪部23が被係止部51から離脱することを阻止するため、係止フック20の脚部22が内方へ撓み変形して爪部23が被係止部51から離脱するという状況での不慮の分解は起こり得ない。
【0019】
しかしながら、従来例のディスククランパCにあっては、図10又は図12のように、爪受け部63が被係止部51に係合している爪部23の背面に対峙しているとしても、ディスク押え10と鍔体40とが、組立て時とは相対的に逆向きに回動した場合には、係止フック20の爪部23が開口部60の幅狭部62から出て幅広部61にまで移動するという事態が起こり得る。そして、このような事態が起こると、幅広部61内で爪部23が背面側に変位して被係止部51から離脱してしまい、その結果、ディスククランパCが不慮に分解されてしまうおそれがある。この状況は、ターテンーブルとの間でディスクを挟持した状態でディスククランパCが高速回転しているときの振動などによって生じる可能性があり、人為的な操作によってなされる可能性もある。
【0020】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、組立て後のディスク押えと鍔体とが、組立て時とは相対的に逆向きに回動してしまうことを未然に阻止することのできる対策を講じることによって、不慮に分解されてしまうことを防止することのできるディスククランパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係るディスククランパは、ターンテーブルとの間でディスクを挟持する円板形のディスク押えと、このディスク押えに対向される円板形の鍔体と、ディスク押えと鍔体とのうちの一方側部材に設けられてそれらの対向間隔を規制する円筒状のスペーサと、上記スペーサが遊嵌合される円形孔部を有するクランパプレートと、この円形孔部の周縁部により形成されて上記鍔体を係止する鍔受部と、ディスク押えと鍔体とを同心状に連結するための結合機構と、を有する。また、上記結合機構が、上記スペーサと、このスペーサを備える上記一方側部材に開設されてそのスペーサの基端縁部を露出させる開口部と、鍔体又はディスク押えのうちの他方側部材に設けられて、上記開口部から露出している上記スペーサの基端縁部によって形成された被係止部に係合することによってそのスペーサを当該他方側部材との間に挟み込む爪部を備えた係止フックと、を有する。上記開口部は、上記係止フックの爪部が挿入される幅広部と、上記被係止部に係合している上記爪部の背面に対峙してその爪部が被係止部から離脱することを阻止する爪受け部を備えた幅狭部と、が連続してなる。
【0022】
そして、この発明では、特に、上記開口部の幅狭部に位置している上記爪部がその幅狭部から幅広部へ移動することを阻止するストッパ機構を備え、このストッパ機構が、上記スペーサの先端縁部に設けられた突部と、上記他方側部材に設けられて上記突部が係止して上記爪部がその幅狭部から幅広部へ移動することを阻止する係合部とでなる。
【0023】
この構成であると、開口部の幅狭部でスペーサの被係止部に係合している係止フックの爪部が、その幅狭部内で被係止部から離脱することが爪受け部によって阻止されるだけでなく、ストッパ機構の突部と係合部との作用で、爪部が幅狭部から幅広部へ移動することが阻止される。そのため、組立て後のディスク押えと鍔体とが、組立て時とは相対的に逆向きに回動してしまうことが未然に阻止されることになり、ディスククランパが不慮に分解されてしまうことがなくなる。
【0024】
本発明において、円板形の上記他方側部材がスナップフィット機能を有していると共に、上記係合部が、この他方側部材に開設された開口の口縁によって形成されているという構成を採用することが可能である。この場合には、他方側部材が上記ディスク押えであり、上記開口が、上記係止フックの成形時の型抜き跡によって生じた開口であることが望ましい。この構成であると、係合部を形成するために他方側部材に別途開口を開設する必要がなくなり、その結果、他方側部材を薄形化してもその強度の低下が抑えられるだけでなく、他方側部材を薄形化してスナップフィット機能を付与しやすくなるてという利点がある。
【0025】
本発明では、上記結合機構が、当該ディスククランパの回転方向等角度おきの3箇所に設けられている、という構成を採用することが可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、開口部の幅狭部でスペーサの被係止部に係合している係止フックの爪部が、その幅狭部内で被係止部から離脱することが爪受け部によって阻止されるだけでなく、ストッパ機構の作用で爪部が幅狭部から幅広部へ移動することが阻止されるため、ディスククランパが高速回転時の振動や人為的な操作によって不慮に分解されてしまうことがなくなる。したがって、ディスククランパを備えたディスク装置の動作信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態によるディスククランパに用いられる鍔体を内面側から見て示した平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態の1つの結合機構について示した組立工程の説明図である。
【図4】本発明の実施形態の組立工程をディスク押えの外面側から見て示した説明図である。
【図5】図4の要部の拡大図である。
【図6】従来例によるディスククランパのディスク押えなどを内面側から見て示した平面図である。
【図7】従来例によるディスククランパの鍔体などを外面側から見て示した平面図である。
【図8】従来例によるディスククランパの鍔体などを内面側から見て示した平面図である。
【図9】従来例によるディスククランパの組立工程の初期段階を示した平面図である。
【図10】従来例によるディスククランパの組立後の状態を示した平面図である。
【図11】従来例によるディスククランパの組立て前の状態を説明的に示した縦断側面図である。
【図12】ディスククランパの動作状態の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は本発明の実施形態によるディスククランパに用いられる鍔体を内面側(上面側)から見て示した平面図、図2は図1のII−II線に沿う部分の拡大断面図である。また、図3は本発明の実施形態の1つの結合機構について示した組立工程の説明図、図4は本発明の実施形態の組立工程をディスク押えの外面側(下面側)から見て示した説明図、図5は図4の要部の拡大図である。
【0029】
この実施形態のディスククランパは、図6に示したディスク押え10やその付属要素、図7及び図8に示した鍔体40やその付属要素の構成をすべて備えている。したがって、以下では、説明の重複を避けるために、図6〜図8に示した要素と同一又は相応する要素に同一の符号を付すことによって、ディスク押え10や鍔体40、それらの付属要素についての詳細構造の説明を省略する。
【0030】
図1〜図4に示したように、この実施形態のディスククランパCは、周方向等角度おきの3箇所にストッパ機構Sを備えている。このストッパ機構Sは、鍔体40の円筒状のスペーサ50の先端縁部に設けられた突部52と、ディスク押え10に設けられて上記突部52が係止する係合部24とによって形成されている。この実施形態において、係合部24は、係止フック20の成形時の型抜き跡によって生じた開口21の口縁によって形成されている。このように係合部24を型抜き跡の開口21の口縁によって形成しておくと、別途に開口を開設してその口縁で係合部を形成する必要がなくなり、ディスク押え10の強度の低下を防止することができるという利点がある。
【0031】
ストッパ機構Sは、図3のように係止フック20の爪部23が開口部60の幅狭部62に位置しているときに、その突起52が開口21に嵌合されて係合部24に係合している。そのため、このストッパ機構Sは、ディスク押え10と鍔体40とが組立時の回動方向(矢印R)とは逆向き回動されて爪部23が開口部60の幅狭部62から幅広部61へ移動することを阻止する作用を発揮する。
【0032】
この実施形態のディスククランパCにおいて、組立工程では、図9及び図10を参照して説明したところと同様の操作が行われる。すなわち、初期段階では、ディスク押え10側の位置決め片30を鍔体40側の円筒状のスペーサ50の内側に嵌合することによってディスク押え10と鍔体40とを同心状に位置合わせすることと、ディスク押え10側の係止フック20の爪部23を、スペーサ50の基端縁部によって形成されている被係止部51に係合させること、とが行われる。爪部23を被係止部51に係合させる工程では、3箇所の係止フック20の爪部23を鍔体40側のスペーサ50の内側に押し込むことにより、係止フック20の脚部22を弾性を利用して撓ませながら爪部23にスペーサ50を乗り越えさせて、その爪部23を開口部60の幅広部61に挿入すると共に、脚部22を弾性により復帰させて幅広部61に挿入した爪部23を被係止部51に係合させる、という手順が行われる。また、この手順が行われるときには、スペーサ50の内側に押し込まれた爪部23がそのスペーサ50を乗り越えるときに、スペーサ50に設けられているストッパ機構Sの突部52がディスク押え10を押し付けるために、そのディスク押え10が弾性に抗して撓む。
【0033】
次の段階では、ディスク押え10と鍔体40とを、図3又は図4の矢印Rのように(又は図10の矢印R)相対的に回動させることによって、係止フック20の爪部23を開口部60の幅狭部62に向けて移動させる。この操作を行うと、爪部23が開口部60の幅狭部62に移動しきったときに、開口21に備わっているストッパ機構Sの係合部24が爪部23と共に移動して上記突部52に嵌合し、図3又は図4のように突部52が係合部24に係合する。これにより組立工程が終了する。ストッパ機構Sの係合部24が突部52に嵌合するときには、ディスク押え10がその弾性により初期形状に復帰するスナップフィット機能を発揮するので、オペレータにとってはその感触が手に伝わって組立てが完了したことを認識することのできる利点がある。
【0034】
この実施形態では、ディスク押え10にスナップフィット機能を付与しておくことのために、図4に示したようにディスク押え10の開口21を含む円形領域Zの内側部分をその外側部分よりも薄肉に形成してある。具体的には、円形領域Zの内側部分の肉厚を0.5mm程度に仕上げてある。こうしておくと、上記突部52がディスク押え10の円形領域Zを押し付けたときに、その円形領域Zの変形量が外周部分により小さく抑えられるようになるので、その円形領域Zが良好なスナップフィット機能を発揮するようになり、オペレータにとってはスナップフィット機能が発揮されたときの感触を認識しやすくなるという利点がある。
【0035】
図3又は図4に示した組立て後のディスククランパCにおいて、爪部23が開口部60の幅狭部62に位置して突部52が係合部24に係合している状態では、幅狭部62の内側の口縁部によって形成されている爪受け部63が爪部23の背面に対峙して爪部23が被係止部51から離脱することが阻止される。これと併せて、突部52と係合部24との係合構造によって、爪部23が幅狭部62から幅広部61へ移動することが阻止される。したがって、ディスククランパCが一旦組み立てられた後は、爪部23が幅狭部62から幅広部61に移動することがなくなり、ディスククランパCが高速回転して振動しても、あるいは、人為的にディスク押え10と鍔体40とが相対的に逆向き回動操作されても、爪部23が被係止部51から離脱することはない。
【0036】
以上説明した実施形態では、結合機構Mのスペーサ50と開口部60とが鍔体40に設けられ、結合機構Mの係止フック20がディスク押え10に設けられているけれども、この点は、スペーサと開口部とをディスク押えに設け、係止フックを鍔体に設けておいてもよい。また、ストッパ機構については、ディスク押えに別途に開口を開設し、その開口の口縁で係合部を形成することも可能である。さらに、ストッパ機構の突部をディスク押え側に形成し、その相手方である係合部を鍔体側に設けることもできる。
【符号の説明】
【0037】
10 ディスク押え
20 係止フック
21 開口
24 係合部
40 鍔体
50 スペーサ
51 被係止部
52 突部
60 開口部
61 幅広部
62 幅狭部
63 爪受け部
70 クランパプレート
71 円形孔部
72 鍔受部
100 ターンテーブル
C ディスククランパ
D ディスク
M 結合機構
S ストッパ機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターンテーブルとの間でディスクを挟持する円板形のディスク押えと、このディスク押えに対向される円板形の鍔体と、ディスク押えと鍔体とのうちの一方側部材に設けられてそれらの対向間隔を規制する円筒状のスペーサと、上記スペーサが遊嵌合される円形孔部を有するクランパプレートと、この円形孔部の周縁部により形成されて上記鍔体を係止する鍔受部と、ディスク押えと鍔体とを同心状に連結するための結合機構と、を有し、
上記結合機構が、上記スペーサと、このスペーサを備える上記一方側部材に開設されてそのスペーサの基端縁部を露出させる開口部と、鍔体又はディスク押えのうちの他方側部材に設けられて、上記開口部から露出している上記スペーサの基端縁部によって形成された被係止部に係合することによってそのスペーサを当該他方側部材との間に挟み込む爪部を備えた係止フックと、を有し、
上記開口部は、上記係止フックの爪部が挿入される幅広部と、上記被係止部に係合している上記爪部の背面に対峙してその爪部が被係止部から離脱することを阻止する爪受け部を備えた幅狭部と、が連続してなり、
上記開口部の幅狭部に位置している上記爪部がその幅狭部から幅広部へ移動することを阻止するストッパ機構を備え、
このストッパ機構が、上記スペーサの先端縁部に設けられた突部と、上記他方側部材に設けられて上記突部が係止して上記爪部がその幅狭部から幅広部へ移動することを阻止する係合部とでなることを特徴とするディスククランパ。
【請求項2】
円板形の上記他方側部材がスナップフィット機能を有していると共に、上記係合部が、この他方側部材に開設された開口の口縁によって形成されている請求項1に記載ディスククランパ。
【請求項3】
他方側部材が上記ディスク押えであり、上記開口が、上記係止フックの成形時の型抜き跡によって生じた開口である請求項2に記載したディスククランパ。
【請求項4】
上記結合機構が、当該ディスククランパの回転方向等角度おきの3箇所に設けられている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載したディスククランパ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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