説明

ディスクドライブ装置とディスクビデオカメラ

【課題】少ない部品点数で、ディスクを簡単、かつ、スムーズにローディング及びアンローディングすることを可能にして、ディスクビデオカメラに適用するの最適なディスクドライブ装置とディスクビデオカメラを提供すること。
【解決手段】フロントパネルのディスク挿入用スロットに挿入されたディスクDの外周を3個のディスク挟持手段22、23、24で同時に挟持することにより、ディスクDをターンテーブル6の上部まで引き込み、続いて、3個のディスク挟持手段22、23、24によるディスクDの外周の挟持を解除することにより、ディスクDをターンテーブル6に
ローディングするディスクドライブ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクに画像データ等の情報を記録再生するディスクドライブ装置と、そのディスクドライブ装置が付設されたディスクビデオカメラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の出願人は、スロットインタイプのディスクドライブ装置に関して、フロントパネルのディスク挿入用のスロットから挿入されたディスクを一対の駆動ローラと、一対の可動ローラとの合計4個のローラによるディスク引き込み動作とディスク押し出しアームとの共働作用によってターンテーブル上へ水平に引き込む。
【0003】
この後に、スピンドルモータのターンテーブルをスイングアームによって下降位置から上昇位置まで上昇させて、ディスクをターンテーブル上にチャッキングさせると共に、ディスクの外周から合計4個のローラ及びディスク押し出しアームをそれぞれ離間させる方式等の特許を先に出願している。
【0004】
このディスクドライブ装置は、大小2種類のディスクの両用を可能にしたものであるが、反面、部品点数が多く、構造が複雑で、大型化することから、ディスクビデオカメラへの適用には不向きである。
【特許文献1】特開2002−304799号公報
【0005】
なお、現在市販されているディスクビデオカメラの多くは、ビデオカメラ本体の側面に設けられた円形状の開閉蓋をほぼ90°に開いて、ディスクをターンテーブルに装填する構造であり、ディスクの脱着時の防塵性に欠けると言う問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、少ない部品点数で、ディスクを簡単、かつ、スムーズにローディング及びアンローディングすることを可能にして、ディスクビデオカメラに適用するの最適なディスクドライブ装置とディスクビデオカメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のディスクドライブ装置は、フロントパネルのディスク挿入用スロットから挿入されたディスクの外周の少なくとも3点を3方向から挟持及び挟持解除する少なくとも3個のディスク挟持手段と、前記3個のディスク挟持手段で前記ディスクの外周を3方向から挟持することにより、該ディスクをターンテーブル上まで引き込み、その後に、該3個のディスク挟持手段による該ディスクの挟持を解除することにより、該ディスクをターンテーブル上にローディングし、前記ディスクの記録、再生後に該3個のディスク挟持手段で該ディスクの外周を挟持することにより、該ディスクを前記ターンテーブルからアンローディングして前記スロット外へ押し出すように該3個のディスク挟持手段を駆動する駆動機構とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のディスクドライブ装置は、フロントパネルのディスク挿入用スロットから挿入されたディスクの外周を少なくとも3個のディスク挟持手段によって3方向から挟持することにより、ディスクをターンテーブル上まで引き込み、その後に、3個のディスク挟持手段によるディスクの挟持を解除することにより、ディスクをターンテーブル上にローディングしてディスクの記録、再生を行い、ディスクの記録、再生後に3個のディスク挟持手段でディスクの外周を3方向から挟持することにより、ディスクをターンテーブルからアンローディングして、スロット外へ押し出すようにしたので、少ない部品点数で、ディスクを簡単、かつ、スムーズにローディング及びアンローディングすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明のディスクドライブ装置とディスクビデオカメラを実施するための最良の形態について説明する。
始めに、ディスクドライブ装置1を図1〜図14によって説明する。
このディスクドライブ装置1は、例えば、直径8cmのディスクDに適用されたものであるが、勿論、直径12cmのディスク等に適用することも可能である。
【0010】
このディスクドライブ装置1の水平状のシャーシ2の前端にフロントパネル3が垂直状に取り付けられていて、このフロントパネル3にディスク挿入用スロット4が水平状に形成されている。シャーシ2の上部に水平状に搭載されたメカデッキ5上で、シャーシ2のほぼ中央相当位置にはスピンドルモータ(図示を省略)によって回転駆動されるターンテーブル6が搭載され、このメカデッキ5上にはディスクDにデータを記録、再生する光学ピックアップ(図示を省略)が搭載されている。
【0011】
クランプアーム11は幅が広い基部11aと、その基部11aの左右両端から下方へほぼ直角に屈曲された左右一対の取付け部11bと、基部11aのほぼ中央部から後方へ延長されたアーム部11cとを有している。従って、このフロントパネル11は基部11aから左右一対の取付け部11bにかけて角張った形のほぼコ字状に形成されていて、基部11aからアーム部11cにかけてはほぼT字状に形成されている。
そして、このクランプアーム11は左右一対の取付け部11に設けられた左右一対の回動支点12によってシャーシ2の左右両側部2aで、フロントパネル3に最も近接された位置に上下方向(後述する矢印k、m方向)に回動自在に取り付けられている。このアーム部11cの先端部分にクランパ13が上下左右に一定の遊びを有する宙吊り状態に付設されている。
従って、このクランプアーム11の基部11a側は、後述するスロット4からディスクドライブ装置1内へのディスク挿入経路の上部をほぼコ字状に跨いでいることになる。
【0012】
また、シャーシ2の上部で、クランプアーム11より後方位置は水平状の上カバー14によって覆われていて、この上カバー14の前端側の中央部に形成された切欠き14a内にクランパ13が十分な遊びを有する状態に収容されている。この上カバー14はシャーシ2の両側部2aの上端や後端側に立ち上げられた複数のカバー支持部15上にビス止めされてシャーシ2と平行な水平状に固定されている。そして、シャーシ2上で上カバー14との間の空間部内に後述する3個のディスク挟持手段22、23、24と、その駆動機構が収容されている。
そして、上カバー14の切欠き14a内のほぼ中央部にクランパ姿勢矯正部16が一体に形成されている。
【0013】
次に、このディスクドライブ装置1におけるディスクローディング機構21を説明する。
このディスクローディング機構21は、3個のディスク挟持手段22、23、24と、その3個のディスク挟持手段22、23、24を同期して駆動する1モータ構造の駆動機構25とによって構成されていて、これらはシャーシ2上における上カバー14との間で、ターンテーブル6の外周位置に組み込まれている。
【0014】
そして、図11の(A)(B)、図12の(A)に示すように、3個のディスク挟持手段22、23、24はターンテーブル6の外周のほぼ3等分位置に配置されている。これら3個のディスク挟持手段22、23、24の内側対向面にはフロントパネル3のスロット4に対するディスクDの引き込み及び押し出しを行うための水平ガイド22a、23a、24aがフロントパネル3のスロット4と同一高さに形成されている。また、これら3個のディスク挟持手段22、23、24の内側対向面で、これらのディスク水平ガイド22a、23a、24aの下部にはディスクDのターンテーブル6に対するローディング及びアンローディング(上下方向の脱着を言う)を行うための傾斜ガイド22b、23b、24bが一体成形されている。
なお、フロントパネル3に最も近接して配置されているディスク挟持手段22の水平ガイド22aはほぼ半円形状に形成され、その下部の傾斜ガイド22bはほぼ円錐台形状に形成されている。
【0015】
また、図12の(B)に示すように、シャーシ2の一方の側部2aの内側にもディスク誘導用ガイド26が水平状に固着されていて、このディスク誘導用ガイド26の内側には水平ガイド溝26aがフロントパネル3のスロット4と同一高さに形成されている。
そして、これら3個のディスク挟持手段22、23、24及びディスク誘導ガイド26はディスクDに対する低摩擦部材、例えば合成樹脂にて成形されている。
【0016】
次に、シャーシ2の上部に搭載された駆動機構25は、スピンドルモータ等の扁平で水平な駆動モータ31と、その駆動モータ31によってギアトレイン32を介して前後方向(ディスクDの引き込み及び押し出し方向と平行な方向)である矢印a、b方向へスライド駆動されるスライドカム33と、そのスライドカム33によって駆動されて、ディスク挟持手段22を回動支点34を中心にしてターンテーブル6の中心に対するほぼ放射線方向である矢印c、d方向へ回動駆動する回動アーム35と、スライドカム34によって変換リンク36を介して駆動されて、ディスク挟持手段23を回動支点37を中心にしてターンテーブル6の中心に対するほぼ放射線方向である矢印e、f方向へ回動駆動する回動アーム38と、その回動アーム38に同期してディスク挟持手段24を回動支点39を中心にディスク挟持手段24をターンテーブル6の中心に対するほぼ放射線方向である矢印g、h方向へ回動駆動する回動アーム40とによって構成されている。
【0017】
なお、この駆動機構25では、例えばディスク挟持手段23を回動支点37を中心に矢印e、f方向へ強制的に回動駆動している。そして、他の2つのディスク挟持手段22、24についてはディスクDの挟持解除方向である矢印c、g方向へは強制的に回動駆動し、ディスクDの挟持方向である矢印d、h方向へは図示省略したコイルスプリング等のディスク挟持補助用ばねを介して回動駆動するように構成されている。
また、クランプアーム11はスライドカム33に同期して矢印i、j方向へスライド駆動されるもう1つのスライドカム41によって左右一対の回動支点12を中心としてターンテーブル6に対する上下方向である矢印k、m方向へ回動駆動されるように構成されている。また、このクランプアーム11にはクランパ13を矢印k方向へ上昇付勢するためのばね手段(コイルスプリング等)42がシャーシ2との間に付設されている。
【0018】
ここで、このディスクドライブ装置1によるディスクDのローディング及びアンローディング動作を説明する。
始めに、図1、図5、図7に示すように、ディスクDのローディング開始前(スタンバイ状態)では、クランプアーム11が左右一対の回動支点12を中心に上昇位置まで矢印k方向へ上昇されている。この時、クランパ13のディスクローディング方向(矢印n方向)側の端部が上カバー14のクランパ姿勢矯正部16に下方から押圧される。すると、クランプアーム11が上昇位置まで矢印k方向へ傾斜されているにも拘らず、クランパ13の姿勢が水平に近づく方向へシーソー状に矯正されて、このクランパ13のディスクイジェクト方向(矢印o方向)の端部が最大限上方へ持ち上げられる。これにより、クランパ13の矢印k方向への最大上昇高さを小さくしても、クランパ13の下部にディスクDの挿入空間を確保することができて、ディスクドライブ装置1の超薄型化を実現することができる。
【0019】
ここで、図1、図7に示すように、人手によってディスクDがフロントパネル3のスロット4からディスクドライブ装置1の内部で、ターンテーブル6の下部へ矢印n方向へ水平に挿入されると、そのディスクDの外周Daの1点がディスク誘導用ガイド26の水平ガイド溝26a内に水平に挿入されると共に、そのディスクDの外周Daのもう1点がディスク挟持手段22の水平ガイド22a上に水平に挿入される。
この時、そのディスク挟持手段22の回動アーム35が図示省略されているディスク挟持補助用ばねに抗して矢印c方向へ逃がされ、その反力によってディスクDがディスク誘導用ガイド26の水平ガイド溝26a内に押圧される。また、ディスクDの外周Daの残りの1点がディスク挟持手段23の水平ガイド23a上に挿入されて、ディスクDの外周Daの合計3点が水平支持される。
【0020】
一方、例えば回動アーム35の矢印c方向への動きを検出するか、或いは、スロット4内へのディスクDの矢印n方向への挿入を検出する等のディスク挿入検出センサ(図示を省略)によって駆動機構の駆動モータ31が正回転駆動される。
そして、人手によるディスクDの矢印n方向への挿入動作と連動するようにして、駆動モータ31で駆動される回動アーム35によってディスク挟持手段22が図1、図7に示す位置から図2、図8に示す位置まで矢印d方向へ回動駆動される。
この結果、ディスクDがディスク挟持手段22によってターンテーブル6の中心に向って矢印P1方向に送り込まれて、そのディスクDの外周Daの1点がディスク誘導用ガイド26の水平ガイド溝26a内からディスク挟持手段24の水平ガイド24a内に水平状に挿入される。
【0021】
この時、図3、図9に示すように、合計3つのディスク挟持手段22、23、24が図示省略されている補助用ばねによってディスクDをターンテーブル6の中心に向って矢印P1、P2、P3方向へ押圧し、ディスクDがターンテーブル6の上部位置で、そのターンテーブル6の中心上に自動的にセンターリングされる。
そして、これに引き続いて、クランプアーム11が駆動モータ31によって図13の(A)に示す上昇位置から下方(矢印m方向)へ下降駆動されると共に、合計3つのディスク挟持手段22、23、24が図10に示すように、外方である矢印c、e、f方向へ自動的に逃がされる。
【0022】
すると、図13の(B)、図14の(A)(B)に示すように、クランパ13によってディスクDが矢印m方向へ押し下げられると共に、合計3つのディスク挟持手段22、23、24がディスクDの外周Daから図2で示す矢印c、e、g方向へ引き離される。
この結果、ディスクDの外周Daの3点が3つのディスク挟持手段22、23、24の水平ガイド22a、23a、24aから相対的に引き抜かれて、これらの傾斜ガイド22b、23b、24bによってガイドされつつ、水平状態のまま矢印m方向へ下降(平行移動)される。
【0023】
そして、図14の(B)に示すように、3つのディスク挟持手段22、23、24がディスクDの外周Daから完全に引き離されると同時に、ディスクDがクランパ13によってターンテーブル6上に水平状に装着されることになる。この際、ディスクDは中心孔Hによってターンテーブル6の中心ボス6aに嵌合されて、ターンテーブル6上に装着(チャッキング)される。
以上により、ディスクDのローディングが完了する。そして、この後に、ディスク録画指令信号が入力されることによって、ディスクDがターンテーブル(スピンドルモータ)6によって回転駆動され、光学ピックアップによってディスクDに画像データ等の情報が記録、再生されることになる。
【0024】
なお、ディスクDのアンローディング動作は前述したローディング動作の逆動作となる。
即ち、始めに、駆動モータ31によってクランプアーム11が図4、図6、図14 の(B)に示すクランプ位置から図1、図5、図13の(A)に示すクランプ解除位置まで矢印k方向へ上昇駆動され、クランパ13の外周Daの一部が上カバー14のクランパ姿勢矯正部16に矢印k方向から当接されて、クランパ13がほぼ水平に近い姿勢に矯正される。
次に、駆動モータ31によって合計3つのディスク挟持手段22、23、24が図4、図10、図14の(B)に示す位置から図2、図7、図13の(A)まで矢印d、f、h方向へ回動駆動される。
【0025】
この際、3つのディスク挟持手段22、23、24が図10に示す位置から図9に示す位置まで矢印d、f、h方向へ回動される間に、3つのディスク挟持手段22、23、24の傾斜ガイド22b、23b、24bによるカム作用によって、ディスクDがターンテーブル6上から矢印k方向へ平行運動によって離脱、上昇される。そして、ディスクDの外周Daが、3つのディスク挟持手段22、23、24の水平ガイド22a、23b、24b上まで上昇されて、ディスクDが3つのディスク挟持手段22、23、24間に水平に保持される。
【0026】
この後、図7に示すように、3つのディスク挟持手段22、23、24のうちのフロントパネル3のスロット3に最も近い位置のディスク挟持手段22が矢印c方向へ大きく逃げると共に、中間のディスク挟持手段23が矢印f方向へ大きく回動駆動される。すると、ディスクDがディスク挟持手段23による押し出し作用によって、矢印o方向へ押し出される。
この際、ディスクDの外周Daの一側部がディスク誘導用ガイド26の水平ガイド溝26a内で誘導されると共に、ディスクDの外周Daの他側部が矢印d方向へ回動復帰される前側のディスク挟持手段22の水平ガイド22aによって誘導されることにより、ディスクDがスロット4を通してフロントパネル3の外部へ矢印o方向へ自動的に水平に排出される。そして、ディスク挿入センサによってディスクDの排出が検出されて、駆動モータ31は自動停止される。
【0027】
ここで、以上のように構成及び動作されるこのディスクドライブ装置1の特徴を記載する。
このディスクドライブ装置1はクランプアーム11のシャーシ2への取付け部11aを左右一対の回動支点12によってフロントパネル側(フロントパネル3に近接された位置)1aに配置している。これにより、シャーシ2、クランパアーム11及び上カバー14等によって形状が拘束され、外観に関して、フロントパネル側1aは、平板形状のフロントパネル3自身によって左右両端が必然的に角張った形状にならざるを得ない。
他方、このディスクドライブ装置1のフロントパネル側1aとは反対側(一般的に言う、リヤパネル側を意味する)1bは、クランプアーム11の左右両端部が角張った形状の左右一対の取付け部11aの影響を受けることが皆無である。
【0028】
この結果、このディスクドライブ装置1のフロントパネル3側とは反対側(リヤパネル側)1bの形状選択の自由度が非常に高くなる。
つまり、このディスクドライブ装置1のフロントパネル側1aとは反対側1bの形状がフロントパネル3のように平面状で角張った形状に拘束されてしまうことの制約が無くなる。
従って、図5に示されるように、このディスクドライブ装置1のフロントパネル側1aとは反対側1bの2つのコーナー部分C1に、丸味R1等の有効スペースを自由に創ることができ、このディスクドライブ装置1の外形デザインに生かすことができる優れた特徴がある。
【0029】
次に、このディスクドライブ装置1は、フロントパネル3のスロット4から挿入されたディスクDの外周Daのほぼ3等分位置を3個のディスク挟持手段22、23、24によって、この3方向から挟持することにより、ディスクDをターンテーブル6上まで水平に引き込み、その後に、3個のディスク挟持手段22、23、24によるディスクDの挟持を解除することにより、ディスクDを水平状態のまま垂直に下降してターンテーブル6上に上方から装着して、ディスクDの記録、再生を行う。
また、ディスクDの記録、再生後には、3個のディスク挟持手段22、23、24でディスクDの外周Daを再び3方向から挟持することにより、ディスクDをターンテーブル6から水平状態のまま上方へ垂直に離脱し、その後に、3個のディスク挟持手段22、23、24でディスクDをスロット4外へ水平に押し出すように構成している。
従って、ディスクDのスロット4の内部への出し入れ及びターンテーブル6への脱着に関するディスクDの一連のローディング及びアンローディングの動作を少ない部品点数で、簡単、かつ、スムーズに行うことができ、ディスクドライブ装置1の小型化、薄型化を促進することができる。
【0030】
また、3個のディスク挟持手段22、23、24の内側対向面に形成されている水平ガイド22a、23a、24aは、ディスクDをフロントパネル3のスロット4に対して水平に出し入れする際に、ディスクDの水平姿勢を安定して保つことができる。
更に、3個のディスク挟持手段22、23、24の水平ガイド22a、23a、24aの下部に形成されている傾斜ガイド22b、23b、24bは、ディスクDの外周Daを3方向から同時に挟持、挟持解除するだけで、ディスクDをカム作用によってターンテーブル6の上下方向へスムーズに脱着することができる。
【0031】
以上により、このディスクドライブ装置1によれば、3個のディスク挟持手段22、23、24と、クランプアーム11との合計4つの部材を1つの駆動モータ31によって回動駆動することができる駆動機構25を示したものである。そして、この駆動機構25は構造が簡単であり、ディスクドライブ装置1の小型化、軽量化、薄型化を促進できる。特に、3個のディスク挟持手段22、23、24を1つの駆動モータ31によって回動駆動することができる駆動機構25はディスクDのスロット4の内部への出し入れ動作及びターンテーブル6への脱着動作をスムーズに行えるものである。
故に、構造が簡単で、小型、軽量、薄型で、高性能のディスクドライブ装置1を提供することができる。
【0032】
次に、ディスクビデオカメラ51を図15〜図17によって説明する。
始めに、図10及び図11に示すように、このディスクビデオカメラ51は、カメラ本体52の上端の前面に撮像レンズ53が付設され、カメラ本体52の上端の背面にビューファインダ54が付設されている。また、カメラ本体52の適所に録画ボタン55(録再スイッチ)やグリップ把持バンド56、その他のスイッチ類が付設されている。
【0033】
そして、カメラ本体52の側面にディスクドライブ装置収納部61が垂直状で凸形に形成されていて、その内部に、図1〜図14によって詳述したディスクドライブ装置1が垂直状に収納されている。但し、ディスクドライブ装置1のフロントパネル3は取り除かれて収納される。
この際、ディスクドライブ装置収納部61内の後端側部分(ビューファインダ54側)61aの内部にディスクドライブ装置1のフロントパネル3側が配置される。そして、ディスクドライブ装置収納部61の前端側部分(撮像レンズ53側)61bの内部にディスクドライブ装置1のフロントパネル側とは反対側1bが配置される。
【0034】
このことから、カメラ本体52の側面に凸形に形成されているディスクドライブ装置収納部61の前端側部分61bには前述したディスクドライブ装置1のフロントパネル側とは反対側1bの外形デザインの特徴である丸味R1等の特徴を生かして、同様の丸味R2等を自由に形成することができる。
つまり、ディスクビデオカメラ51のデザインの自由度が向上し、優れたデザインを創造することが可能になる。
【0035】
なお、ディスクドライブ装置収納部61の後端側部分61aは内部に収容されるディスクドライブ装置1の平面形状のフロントパネル3に倣って平面状の垂直面となる。そして、この後端側部分61aにはディスクドライブ装置1のフロントパネル3に形成されていたスロット4と同様のディスク出し入れ用スロット62が形成されている。
そして、ディスクドライブ装置収納部61の後端側部分61aにはスロット62を開閉する開閉蓋63がヒンジ64を介して例えば矢印r、sで示した水平方向或いは矢印r、s方向に対する直角な垂直方向等に開閉自在に取り付けられている。
【0036】
次に、図17に示すように、ディスクドライブ装置収納部61の後端側部分61aのスロット62部分の防塵性の向上と、スロット62を通してディスクDをディスクドライブ装置1の内部へローディング・イジェクトする際のディスクDの脱落防止との機能を備えた一対のシール部材(パッキング)65、66がスロット62に付設されている。このシール部材65、66はゴムや軟質プラスチック等からなる弾性部材で構成されている。
【0037】
このシール部材65、66はディスクドライブ装置収納部61の後端側部分61aでスロット62の両側にそれぞれ固着され、上下対向面65a、65bがスロット62の中央部に沿って突き当てられている。これら一対のシール部材65、66の外面65b、66bにはディスクDを呼び込むためのテーパー形状の凹部67が対向面65a、66aに跨って形成されている。
また、シール部材65、66の内面65c、66cにはスロット62と平行で浅型形状の一対のスリット68、69が形成されている。
【0038】
ここで、図17によって、ディスクドライブ装置収納部61のスロット62でのディスクDの出し入れ操作を説明する。
始めに、図17の(A)は、シール部材65、66の上下対向面65a、66aが上下から相互に密着して、スロット62が閉塞されている状態であり、内部のディスクドライブ装置1の防塵性が確保されている。
次に、図17の(B)は、スロット62内へのディスクDの矢印m方向への挿入時を示したものであり、この時、図17の(A)に1点鎖線で示すように、ディスクDはシール部材65、66の凹部67によってスロット62へスムーズに誘導される。そして、矢印m方向へ挿入されたディスクDにより一対のシール部材65、66は一対のスリット68、69によって弾性に抗して内側(矢印t方向)へスムーズに撓むことができる。従って、ディスクDをスロット62内に安全、かつ、スムーズに挿入することができる。
【0039】
次に、図17の(C)は、スロット62外へのディスクDの排出時を示したものであり、矢印o方向へ排出されるディスクDによって一対のシール部材65、66は一対のスリット68、69部分で外側(矢印u方向)へ弾性に抗してスムーズに押し広げられながら排出される。その際、一対のシール部材65、66は矢印o方向へ排出されるディスクDを常に両側から弾性的に支持する。
従って、矢印o方向へ排出されるディスクDは常に一対のシール部材65、66で両側から弾性的に支持されることになり、ディスクDがスロット62外へ不用意に脱落されることを未然に防止することができ、安全性が高い。つまり、一対のシール部材65、66は、スロット62の防塵用部材と、ディスク脱落防止部材に兼用されている。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上、本発明を実施するための最良の形態に付き述べたが、本発明はこの最良の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
例えば、本発明を実施するための最良の形態では、ディスクドライブ装置1のフロントパネルの反対側1bの2つのコーナー部分Cに丸味Rを形成したが、このフロントパネルの反対側1b全体を1つの円形状(丸味)その他の非角形形状に形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のディスクドライブ装置の内部機構を示した斜視図である。
【図2】同上のディスクドライブ装置のディスクの引き込み開始を示した斜視図であ る。
【図3】同上のディスクドライブ装置のディスクの引き込み完了を示した斜視図であ る。
【図4】同上のディスクドライブ装置のディスクのターンテーブルへの装着完了を示 した斜視図である。
【図5】同上のディスクドライブ装置の外観形状を示したものであって、ディスクの 引き込み開始の状態を示した斜視図である。
【図6】同上のディスクドライブ装置の外観形状を示したものであって、ディスクの ターンテーブルへの装着完了を示した斜視図である。
【図7】同上のディスクドライブ装置のディスク挿入動作を説明する平面図である。
【図8】同上のディスクドライブ装置のディスク引き込み動作の開始を説明する平面 図である。
【図9】同上のディスクドライブ装置のディスク引き込み動作の終了を説明する平面 図である。
【図10】同上のディスクドライブ装置のディスク引き込み動作の終了後のディスク に対するディスク挟持手段の離脱を説明する平面図である。
【図11】同上のディスクドライブ装置の2種類のディスク挟持手段を拡大して示し た斜視図である。
【図12】同上のディスクドライブ装置のもう1種類のディスク挟持手段とディスク 誘導ガイドを拡大して示した斜視図である。
【図13】同上のディスクドライブ装置のターンテーブルへのディスク装着動作の初 期段階を説明する側面図である。
【図14】同上のディスクドライブ装置のターンテーブルへのディスク装着動作の終 期段階を説明する側面図である。
【図15】本発明のディスクビデオカメラの斜視図である。
【図16】同上のディスクビデオカメラのディスクドライブ装置収納部の開閉蓋を開 放した状態の斜視図である。
【図17】同上のディスクビデオカメラのディスクドライブ装置収納部のディスク出 し入れ用スロット部分を拡大して示し、そのスロット部分に付設されたシール部材の 機能を説明する拡大断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ディスクドライブ装置、 1a フロントパネル側、 1b フロントパネルの反対側、 2 シャーシ、 3 フロントパネル、 4 ディスク出し入れ用スロット、 6 ターンテーブル、 11 クランプアーム、 11a クランプアームの取付け部、 11b クランプアームのアーム部、 12 回動支点、 16 クランパ姿勢矯正部、 21 ディスクローディング機構、 22、23、24 ディスク挟持手段、 22a、23a、24a ディスク挟持手段の水平ガイド、
22b、23b、24b ディスク挟持手段の傾斜ガイド、 25 駆動機構、 26 ディスク誘導用ガイド、 31 駆動機構の駆動モータ、 51 ディスクビデオカメラ、 52 カメラ本体、 61 ディスクドライブ装置収納部、 61a ディスクドライブ装置収納部の後端側部分、 61b ディスクドライブ装置収納部の前端側部分、 62 ディスクドライブ装置収納部のディスク出し入れ用スロット、 65、66 シール部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントパネルのディスク挿入用スロットから挿入されたディスクの外周の少なくとも3点を3方向から挟持及び挟持解除する少なくとも3個のディスク挟持手段と、
前記3個のディスク挟持手段で前記ディスクの外周を3方向から挟持することにより、該ディスクをターンテーブル上まで引き込み、その後に、該3個のディスク挟持手段による該ディスクの挟持を解除することにより、該ディスクをターンテーブル上にローディングし、前記ディスクの記録、再生後に該3個のディスク挟持手段で該ディスクの外周を挟持することにより、該ディスクを前記ターンテーブルからアンローディングして前記スロット外へ押し出すように該3個のディスク挟持手段を駆動する駆動機構とを備えた
ことを特徴とするディスクドライブ装置。
【請求項2】
前記3個のディスク挟持手段は、前記ディスク挿入用スロットに対するディスクの引き込み及び押し出しのための水平ガイドとターンテーブルに対するディスクのローディングアンローディングのための傾斜ガイドとを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記駆動手段は前記3個のディスク挟持手段を同期して回動駆動する1モータ駆動機構に構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2又は請求項3のディスクドライブ装置が付設されている
ことを特徴とするディスクビデオカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−4148(P2008−4148A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−171214(P2006−171214)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】