説明

ディスクドライブ装置

【課題】 光ディスクへの負荷を軽減するとともに、光ディスクの良好な搬送を行うことができるディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】 前面側にディスク2が挿脱される矩形状のディスク挿脱口19が設けられた装置本体3と、装置本体3内に設けられ、ディスク2が回転自在に保持されるディスク保持部23と、ディスク保持部23よりも装置本体3背面側に支点部204を有しディスク挿脱口19側に回動可能に支持されているアーム部201と、アーム部201の先端部に形成され、ディスク2の挿入方向前面側の側面を支持する支持部205とを有し、ディスク保持部23へ搬送されるディスク2を支持する支持アーム200と、支持アーム200をディスク挿脱口19側に回動付勢する付勢部材203と、ディスク2の搬送に応じて付勢部材203の支点214を移動させる移動部材213とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行うディスクドライブ装置に関し、特に光ディスクを直接装置本体内に挿入する、いわゆるスロットインタイプのディスクドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとしては、従来よりCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disk)といった光ディスク、MO(Magneto optical)やMD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスクドライブ装置が登場している。
【0003】
ディスクドライブ装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ等がある。しかしながら、何れのタイプも操作者にとって、蓋や扉を開閉したり、ディスクトレイを出し入れしたり、ターンテーブルにディスクを装着したりといった操作を必要とする。
【0004】
これに対して、筐体の前面に設けられたディスク挿脱口からディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットイン型のディスクドライブ装置がある。このスロットイン型のディスクドライブ装置には、ディスク挿脱口から挿入されたディスクを挟み込む相対向する一対のガイドローラを備え、これら一対のガイドローラを互いに逆向きに回転させることによって、ディスク挿脱口から挿入されたディスクを筐体の内部へと引き込むローディング動作と、このディスク挿脱口からディスクを筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うものがある。
【0005】
また、ディスクドライブ装置が搭載される、例えばノート型パーソナルコンピュータ等のモバイル機器では、更なる小型軽量薄型化が求められており、それに伴うディスクドライブ装置の小型軽量薄型化の要求が高まっている背景から、スロットイン型のディスクドライブ装置では、フロントパネルのディスク挿脱口から挿入されたディスクの外周部に当接される当接部が先端部に設けられ、基端部が回動可能に支持された複数の回動アームを配置し、これら回動アームを当該ディスクと平行な面内で回動させながら、ディスクをディスク挿脱口から筐体の内部へと引き込むローディング動作と、ディスクをディスク挿脱口から筐体の外部へと排出するイジェクト動作とを行うディスクドライブ装置が供給されている(例えば、特許文献1を参照。)。このように薄型化が図られたディスクドライブ装置のなかでも、ノート型パーソナルコンピュータ等に搭載される超薄型のディスクドライブ装置は、厚さ12.7mmのものや、更に薄型化されたハードディスクドライブ(HDD)ユニットと同等の厚みである9.5mmまで薄型化されたディスクドライブ装置も提案されている。
【0006】
このような複数の回動アームを配置し、これら回動アームを当該ディスクと平行な面内で回動させながら、ディスクローディング動作と、イジェクト動作とを行うディスクドライブ装置においては、光ディスクの排出方向へ回動付勢しているねじりコイルバネ等の付勢部材によって回動アームを回動させることで光ディスクの排出を行っている。ここで、光ディスクを筐体外へ排出する際には、光ディスクの中央に形成された開口部が外部に臨まされるとともに、自重により光ディスクが落下しない程度の位置で静止させることが求められる。かかる位置に静止させることで、ユーザは光ディスクの開口部及び側面を把持することができ、信号記録面に触れることなく光ディスクを取り扱うことができるためである。
【0007】
しかし、上記ディスクドライブ装置においては、ユーザによってある程度筐体内まで挿入しないと、これらの複数の回動アームが引き込み動作を開始しない構造になっている。そのため、ユーザによる引き込み開始位置までのディスクローディング動作においては、光ディスクが光ピックアップやディスクテーブル等に衝突するおそれがあった。
【0008】
また、上記ディスクドライブ装置は、付勢部材によって、光ディスクの排出方向へ回動付勢され、この付勢部材の付勢力によって光ディスクの排出を行っていることから、ディスクローディング動作においては、この付勢力に抗って光ディスクを引き込むことになる。一般に、コイルバネ等の付勢部材は、かかる負荷が大きければ大きいほど付勢力も大きくなる性質を有する。そのため、上記ディスクドライブ装置は、ディスクローディング動作が進み光ディスクが筐体内にローディングされると、回動アームによる回動付勢は、非常に大きなものとなり、光ディスクへ大きな負荷を与える上に、使用感も損なってしまう。
【0009】
【特許文献1】特開2005−100595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、光ディスクを直接装置本体内に挿入する、いわゆるスロットインタイプのディスクドライブ装置において、光ディスクへの負荷を軽減するとともに、光ディスクの良好な搬送を行うことができるディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するために、本発明に係るディスクドライブ装置は、前面側にディスクが挿脱される矩形状のディスク挿脱口が設けられた装置本体と、上記装置本体内に設けられ、上記ディスクが回転自在に保持されるディスク保持部と、上記ディスク保持部よりも上記装置本体背面側に支点部を有し上記ディスク挿脱口側に回動可能に支持されているアーム部と、該アーム部の先端部に形成され、上記ディスクの挿入方向前面側の側面を支持する支持部とを有し、ディスク保持部へ搬送される上記ディスクを支持する支持アームと、上記支持アームを上記ディスク挿脱口側に回動付勢する付勢部材と、上記ディスクの上記ディスク保持部への搬送に応じて上記付勢部材の支点を移動させる移動部材とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、付勢部材の支点を移動させる移動部材を有する支持アームを設けることにより、支持アームの回動に応じて付勢力が大きくならず、ディスクの支持を図りつつディスクへの負荷を低減することができるとともに、挿入感の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明が適用されたディスクドライブ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。このディスクドライブ装置1は、例えば図1に示すように、ノート型パーソナルコンピュータ1000の装置本体1001に搭載されたスロットイン型のディスクドライブ装置1である。このディスクドライブ装置1は、図2に示すように、例えば12.7mm程度にまで装置全体が薄型化された構造を有しており、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disc)といった光ディスク2に対して情報信号の記録・再生を行うことが可能となっている。
【0014】
先ず、このディスクドライブ装置1の具体的な構成について説明する。このディスクドライブ装置1は、図3乃至図5に示すように、装置本体の外筐となる筐体3を備え、この筐体3は、下部筐体である略扁平箱状のボトムケース4と、このボトムケース4の上部開口部を覆う天板であるトップカバー5とから構成されている。また、筐体3内には、後述するベースユニット22を上方に臨ませるとともにディスク搬送の駆動力を提供する駆動機構120や駆動機構120の駆動力が伝達されるディスク搬送機構50を覆うメインシャーシ6が取り付けられている。
【0015】
トップカバー5は、図2及び図5に示すように、薄い板金からなり、ボトムケース4の上部開口部を閉塞する天板部5aと、この天板部5aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って僅かに折り曲げられた一対の側板部5bとを有している。天板部5aの略中央部には、略円形状の開口部7が形成されている。この開口部7は、後述するチャッキング動作時に光ディスク2の中心孔2aに係合されるターンテーブル23aの係合突部33aを外部に臨ませるためのものである。また、天板部5aの開口部7の周囲は、ターンテーブル23a上に保持された光ディスク2の中心孔2aの周囲と当接されるように、筐体3の内側に向かって僅かに突出した当接突部8を形成している。
【0016】
天板部5aの前面側には、後述するディスク挿脱口19から挿入される光ディスク2を高さ方向に規制しながら案内する一対のガイド突部11a,11bが筐体3の内部に向かって膨出形成されている。これら一対のガイド突部11a,11bは、開口部7を通る光ディスク2の挿入方向に沿った中心線を挟んで略対称となる位置に、光ディスク2の挿入方向に円弧を描くように隆起され、且つ、光ディスク2の挿入方向と略直交する方向に亘って、外側から内側に向かって連続的に円弧が縮径するように隆起された略部分円錐形状を有している。すなわち、これら一対のガイド突部11a,11bは、円錐を軸線方向に沿って分割し、互いの頂上部を内側に向けたような形状を有しており、外側から内側に向うに従って連続的に低く且つ細くなっている。
【0017】
一対のガイド突部11a,11bは、このような形状を有することで、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の幅方向のずれを修正しながら、筐体3の内部へとスムーズに案内することができる。また、トップカバー5は、このような形状のガイド突部11a,11bを設けることで、天板部5aの剛性を高めることができる。なお、天板部5aの内側の主面には、光ディスク2との摩擦抵抗を低減するための加工が施されている。
【0018】
ボトムケース4は、略扁平箱状に形成された板金からなり、その底面部は、略矩形状であり、一方の側面部には、この底面部よりも底上げされて外側へと張り出したデッキ部4aが設けられている。デッキ部4aには、後述する光ディスク2を筐体3内に引き込むローディングアーム51、及び小径の光ディスク101の誤挿入を防止すると共に大径の光ディスク2のセンタリングを図るデッキアーム200並びにこのデッキアームの付勢力を制御する規制アーム212が回動自在に支持されている。
【0019】
ボトムケース4の底面部には、駆動制御回路を構成するICチップ等の電子部品や、各部の電気的な接続を図るためのコネクタ、各部の動作を検出するための検出スイッチ等が配置された回路基板59がネジ止め等により取り付けられている。そしてボトムケース4の外周壁の一部には、回路基板59に実装されたコネクタを外部に臨ませるコネクタ開口部4bが設けられている。
【0020】
またボトムケース4には、上記トップカバー5がネジ止めにより取り付けられている。具体的に、トップカバー5の天板部5aの外周縁部には、図5に示すように、ネジ12を貫通させる複数の貫通孔13が形成されている。また、両側の側板部5bには、内側に略直角に折り曲げられた複数のガイド片14が設けられている。一方、ボトムケース4の外周縁部には、図3に示すように、内側に略直角に折り曲げられた複数の固定片15が設けられており、これら固定片15には、トップカバー5の貫通孔13に対応したネジ孔16が形成されている。また、ボトムケース4の両側面部には、トップカバー5の複数のガイド片14の抜け止めとなる詳細を省略するガイドスリットが複数形成されている。
【0021】
そして、ボトムケース4にトップカバー5を取り付ける際は、ボトムケース4の複数のガイドスリットにトップカバー5の複数のガイド片14を係合させた状態で、トップカバー5を前面側から背面側へとスライドさせる。これにより、トップカバー5の天板部5aがボトムケース4の上部開口部を閉塞した状態となる。そして、この状態でトップカバー5の複数の貫通孔13を通してボトムケース4のネジ孔16にネジ12を螺合する。以上のようにして、図2に示す筐体3が構成されている。
【0022】
筐体3の前面には、図2に示すように、略矩形平板状のフロントパネル18が取り付けられている。このフロントパネル18には、光ディスク2が水平方向に出し入れされる矩形状のディスク挿脱口19が設けられている。すなわち、光ディスク2は、このディスク挿脱口19から筐体3の内部へと挿入したり、或いはこのディスク挿脱口19から筐体3の外部へと排出したりすることが可能となっている。ディスク挿脱口19には、長手方向と直交する方向の両辺部に図示しないパネルカーテンが形成されている。パネルカーテンは、長尺状に切断された不織布等からなりフロントパネル18の背面側に接着剤等によって貼着されることにより、筐体3内に塵埃等が侵入することを防止すると共に、光ディスク2が挿脱される際にディスク表面に摺接し、これにより光ディスク2に付着した塵埃等を除去することができる。
【0023】
また、フロントパネル18の前面には、光ディスク2に対するアクセス状態を点灯表示する表示部20や、光ディスク2を排出する際に押圧されるイジェクトボタン21が設けられている。
【0024】
なお、ボトムケース4の上記デッキ部4aが設けられた一側面近傍には、後述する駆動機構120のスライダー122を該一側面に沿ってスライドさせる一対のガイド突起124,124が、該一側面に沿って離間して突設されている(図9参照)。
【0025】
また、ボトムケース4の底面部には、図3及び図4に示すように、メインシャーシ6がネジ止めにより取り付けられている。このメインシャーシ6は、回路基板59の上方において、ボトムケース4の内部を上記デッキ部4aと略同等の高さで上下に仕切るように配置されている。これにより、筐体3は、メインシャーシ6よりトップカバー5側がローディングアーム51、イジェクトアーム52及びデッキアーム200を回動自在に臨ませたディスク搬送領域とされ、メインシャーシ6よりボトムケース4側が駆動モータ121及びスライダー122を備える駆動機構120、及び駆動モータ121の駆動力をイジェクトアーム52に伝達するディスク搬送機構50の第1、第2のリンクアーム54,55、操作アーム58及びループカム57の配設領域とされている。
【0026】
メインシャーシ6は、略扁平平板状の板金からなり、ボトムケース4の背面部側からデッキ部4aが形成された一側面部にかけてボトムケース4を覆う上面6aと、この上面6aの周囲がボトムケース4の両側面に沿って折り曲げられた一対の側板部6bとを有する。また、メインシャーシ6は、上面6aに、ベースユニット22とディスク搬送機構50のイジェクトアーム52とをそれぞれ光ディスク2の搬送領域上に臨ませるベース用開口部6c及びイジェクトアーム用開口部6dが形成され、デッキ部4aが設けられる側の側板部6bに、駆動モータ121によってスライドされるスライダー122と連結されているローディングカムプレート53が挿通される側板開口部6eが形成されている。
【0027】
このメインシャーシ6の上面6aには、ボトムケース4側において、光ディスク2を筐体3の内外に亘って搬送するディスク搬送機構50のイジェクトアーム52、駆動機構120の駆動力を伝達しイジェクトアーム52を操作する操作アーム58、及び第2のリンクアーム55の移動をガイドするループカム57が係止されている。また上面6aは、ベースユニット22と隣接し、ディスク挿脱口19と対向する側縁を、後述するイジェクトアーム52に設けられたピックアップ部90、第2のピックアップ部250が摺動するエッジ部17とされる。
【0028】
またメインシャーシ6は、ループカム57が係止された筐体3の背面側で、かつイジェクトアーム52や第1、第2のリンクアーム54,55が設けられた他側面側のコーナ部近傍の側壁には、第1のリンクアーム54を介してイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向へ付勢する引っ張りコイルバネ56が係止される係止部98が形成されている。
【0029】
なおメインシャーシ6は、両側の側板部6bに、複数のガイド片6fが設けられ、ボトムケース4と固定するための貫通孔6gが設けられている。一方、ボトムケース4には、貫通孔6gに対応する位置にネジ孔4cが形成され、このネジ孔4cと貫通孔6gにネジを螺合させることによりメインシャーシ6が固定される。
【0030】
さらにメインシャーシ6は、イジェクトアーム用開口部6dの近傍に、後述するセンタリングガイド220のガイド片221が突出されるセンタリングガイド用開口部6hが形成されている。
【0031】
このディスクドライブ装置1は、ボトムケース4の底面部にドライブ本体を構成するベースユニット22を備えている。ベースユニット22は、図6に示すように、略矩形状のフレーム体からなるベースシャーシ27を有し、このベースシャーシ27が複数のダンパー28a〜28cを介してサブシャーシ29に支持されてなる。そして、ベースユニット22は、ベースシャーシ27がサブシャーシ29を介してボトムケース4に配設されることにより、長手方向の一端側を筐体3の略中央に位置される。ベースユニット22は、当該長手方向の一端側に、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入された光ディスク2が装着されるディスク装着部23と、このディスク装着部23に装着された光ディスク2を回転駆動するディスク回転駆動機構24とが設けられている。またベースユニット22は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動される光ディスク2に対して信号の書き込み又は読み出しを行う光ピックアップ25と、この光ピックアップ25を長手方向に亘って搬送することにより光ディスク2の半径方向に送り動作させるピックアップ送り機構26とを有し、これらがベースシャーシ27に一体に設けられている。そしてベースユニット22は、ベースシャーシ27がサブシャーシ29に支持されることにより、このサブシャーシ29と一体に後述するベース昇降機構150によって光ディスク2に対して昇降操作される。
【0032】
このベースユニット22は、ボトムケース4の底面部においてディスク装着部23が略中央に位置するように、メインシャーシ6のベース用開口部6cよりディスク搬送領域上に臨まされている。そしてベースユニット22は、後述するベース昇降機構150によって昇降可能とされており、初期状態において、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置され、光ディスク2のローディング操作に伴って上昇され、光ディスク2を回転可能に係合する。ベースユニット22は、記録再生動作後は、ベース昇降機構150によって下降され、光ディスク2との係合が解除されるとともに、光ディスク2の搬送領域から退避される。
【0033】
ベースシャーシ27は、板金を所定の形状に打ち抜き、その周囲を僅かに下方に折り曲げて形成されている。ベースシャーシ27の主面には、後述するディスク装着部23のターンテーブル23aを上方へと臨ませる略半円状のテーブル用開口部27aと、後述する光ピックアップ25の対物レンズ25aを上方へと臨ませる略矩形状のピックアップ用開口部27bとが連続形成されている。なお、図3に示すように、ベースシャーシ27の上面部には、これら開口部27a,27bに対応した開口部が形成された化粧板30が取り付けられる。
【0034】
またベースシャーシ27は、ディスク装着部23と反対側の端部に、光ディスク2とベースシャーシ27との接触を防ぐとともに、光ディスク2をイジェクトアーム52の支持部88へ導くガイド板32が形成されている。ガイド板32には、図示しない繊維シートが貼着されており、光ディスク2が摺接された場合にも、光ディスク2の信号記録面に傷が付くことを防止することができる。
【0035】
またベースシャーシ27は、ダンパー28a,28bを介してサブシャーシ29と連結される連結片41a,41bが長手方向の両側面に突設されている。各連結片41a,41bにはサブシャーシ29に形成された連結片45a,45bと連続され、段付きネジ42が挿通される挿通孔43が穿設されている。
【0036】
ディスク装着部23は、ディスク回転駆動機構24により回転駆動されるターンテーブル23aを有し、このターンテーブル23aの中心部には、光ディスク2を装着するためのチャッキング機構33が設けられている。このチャッキング機構33は、光ディスク2の中心孔2aに係合される係合突部33aと、この係合突部33aに係合された光ディスク2の中心孔2aの周囲を係止する複数の係止爪33bとを有し、光ディスク2をターンテーブル23a上に保持する。
【0037】
ディスク回転駆動機構24は、光ディスク2をターンテーブル23aと一体に回転駆動する扁平状のスピンドルモータ24aを有し、このスピンドルモータ24aは、上面部に設けられたターンテーブル23aがベースシャーシ27のテーブル用開口部27aから僅かに突出するように、支持板24bを介してベースシャーシ27の下面にネジ止めにより取り付けられている。
【0038】
光ピックアップ25は、光源となる半導体レーザから出射された光ビームを対物レンズ25aにより集光させて光ディスク2の信号記録面に照射し、この光ディスク2の信号記録面で反射された戻りの光ビームを受光素子等からなる光検出器により検出する光学ブロックを有し、光ディスク2に対する信号の書き込み又は読み出しを行うようになされている。
【0039】
また、この光ピックアップ25は、対物レンズ25aを光軸方向(フォーカシング方向という。)と、光ディスクの記録トラックと直交する方向(トラッキング方向という。)とに変位駆動する2軸アクチュエータ等の対物レンズ駆動機構を有し、上述した光検出器により検出された光ディスク2からの検出信号に基づいて、この2軸アクチュエータにより対物レンズ25aをフォーカシング方向及びトラッキング方向に変位させながら、光ディスク2の信号記録面上に対物レンズ25aの焦点を合わせるフォーカスサーボや、対物レンズ25aにより集光される光ビームのスポットを記録トラックに追従させるトラッキングサーボ等の駆動制御を行うようになされている。なお、対物レンズ駆動機構としては、このようなフォーカシング制御及びトラッキング制御に加えて、対物レンズ25aにより集光された光ビームを光ディスク2の信号記録面に垂直に照射させるように、光ディスク2の信号記録面に対する対物レンズ25aの傾き(スキュー)を調整可能とする3軸アクチュエータを用いてもよい。
【0040】
ピックアップ送り機構26は、光ピックアップ25が搭載されたピックアップベース34と、このピックアップベース34を光ディスク2の半径方向にスライド可能に支持する一対のガイド軸35a,35bと、これら一対のガイド軸35a,35bに支持されたピックアップベース34を光ディスク2の半径方向に変位駆動する変位駆動機構36とを有している。
【0041】
ピックアップベース34には、一対のガイド軸35a,35bのうち、一方のガイド軸35aを挿通するガイド孔が形成された一対のガイド片37a,37bと、他方のガイド軸35bを挟み込むガイド溝が形成されたガイド片38とが互いに反対の側面から突出形成されている。これにより、ピックアップベース34は、一対のガイド軸35a,35bにスライド可能に支持されている。
【0042】
一対のガイド軸35a,35bは、ベースシャーシ27の下面に光ディスク2の半径方向と互いに平行となるように配置されており、ベースシャーシ27のピックアップ用開口部27bから光ピックアップ25が臨むピックアップベース34を光ディスク2の内外周に亘って案内する。
【0043】
変位駆動機構36は、ベースシャーシ27に取り付けられた駆動モータ31の回転駆動をギヤやラック(図示せず。)を介して直線駆動に変換し、ピックアップベース34を一対のガイド軸35a,35bに沿った方向、すなわち光ディスク2の半径方向に変位駆動させるものであり、例えばリードスクリューを備えたステッピングモータが用いられる。
【0044】
次いでかかるベースシャーシ27をダンパー28を介して支持するサブシャーシ29について説明する。サブシャーシ29は、後述するベース昇降機構150によって光ディスク2の搬送に応じて昇降操作されることにより、ベースシャーシ27を光ディスク2に対して近接又は離間させるものである。このサブシャーシ29は、ベースシャーシ27の外形形状と略同一形状を有し、ベースシャーシ27よりやや大きな略矩形状のフレーム体からなり、ベースシャーシ27と連結されることにより、ベースシャーシ27と一体にベースユニット22を構成する。サブシャーシ29は、ガイド軸35aが設けられる側面部に沿って設けられ、サブシャーシ29を補強する補強シャーシ44が一体に取り付けられている。また、サブシャーシ29は、ダンパー28a,28bが取り付けられベースシャーシ27と連結される連結片45a,45bが形成されている。この連結片45aは、長手方向にわたる一側面であってベースシャーシ27の連結片41aに対応する位置に設けられ、連結片45bは、長手方向にわたる他側面であってベースシャーシ27の連結片41bに対応するディスク装着部23側の端部に突設されている。
【0045】
なお、長手方向の他側面のうちディスク装着部23と反対側の端部においては、サブシャーシ29に連結片が設けられず、サブシャーシ29に固定された補強シャーシ44にベースシャーシ27の連結片41cに対応して連結片45cが設けられている。各連結片45a〜45cには、図7に示すように、ベースシャーシ27の各連結片41a〜41cの各挿通孔43と連続される挿通孔46が穿設されている。そして、連結片45a〜45cには、それぞれダンパー28a〜28cが取り付けられるとともに、このダンパー28a〜28cを介してベースシャーシ27の連結片41a〜41cと連結され、段付きネジ42が各挿通孔43,46に挿通される。
【0046】
また、サブシャーシ29は、図6に示すように、後述するスライダー122と対向する側面のディスク装着部23側に位置して、スライダー122の第1のカムスリット130に係合されて支持される第1の支軸47と、サブスライダー151と対向する側面のディスク装着部23側に位置して、サブスライダー151の第2のカムスリット170に係合されて支持される第2の支軸48と、スライダー122と対向する側面とは反対側の側面の前面側に位置して、メインシャーシ6の側板部6bに設けられた軸孔9に回動可能に支持された第3の支軸49とを有している。
【0047】
したがって、このサブシャーシ29は、スライダー122及びサブスライダー151のスライドに連動して、第1の支軸47が第1のカムスリット130内をスライドすると共に、第2の支軸48が第2のカムスリット170内をスライドすることによって、ディスク装着部23側が第3の支軸49を支点に回動され、ベースシャーシ27の昇降が可能となっている。
【0048】
また、ボトムケース4の底面部には、図3に示すように、後述するイジェクトアーム52がディスク装着部23付近を回動する際に、該イジェクトアーム52が下方に撓むことを防止する支持ピン10が立設されている。支持ピン10は、イジェクトアーム52が下方に撓むことにより光ディスク2がディスク装着部23に衝突して傷つくことを防止するためのものである。この支持ピン10は、ベースユニット22のディスク装着部23近傍に位置して、ボトムケース4の底面部から上方に向かって突出し、化粧板30に穿設された挿通孔30aを挿通してディスク搬送領域上に臨まされている。
【0049】
このような構成を有するベースユニット22は、図8に示す概略図のように、矢印A方向及び反矢印A方向に昇降される。このとき、ベースシャーシ27は、各ダンパー28を介してサブシャーシ29のみによって支持されている状態となり、外部からの振動が伝達される経路が全てダンパー28付きのサブシャーシ29を経ることとなり、衝撃に対する耐性が向上されている。また、ベースシャーシ27は、各ダンパー28を含む余分な重量がかかっておらず、すなわち、衝撃が伝達される対象物としての総重量がダンパーがない分、軽いため、さらなる耐衝撃性が向上される。
【0050】
なお、本ディスクドライブ装置1は、メインシャーシ6をボトムケース4に固定する際に、ダンパーを介して固定してもよい。具体的には、図9に示すように、メインシャーシ6は、それぞれのガイド片6fとボトムケース4のネジ孔4cとの間にダンパー28を設け、段付きネジで固定する。
【0051】
このように固定されるベースユニット22は、図10の概略図に示すように、サブシャーシ29がメインシャーシ6に支持され、このメインシャーシ6がボトムケース4とダンパー28を介して固定される。このとき、ベースシャーシ27は、ダンパー28a〜28cを介してサブシャーシ29のみによって支持され、且つ、このサブシャーシ29がメインシャーシ6に支持され、このメインシャーシ6がボトムケース4とダンパー28を介して固定される状態となり、外部からの振動が伝達される経路がダンパー28付きのメインシャーシ6と、ダンパー28a〜28c付きのサブシャーシ29を経ることとなり、2段階に配置されるダンパーを介すことから、衝撃に対する耐性がさらに向上される。
【0052】
また図9に示すように、さらにメインシャーシ6の側板部6bの略中間部とボトムケース4との間には、緩衝材39を設けてもよい。緩衝材39は、衝撃による振動の振幅によって側板部6bとボトムケース4とが直接接し、衝撃が伝達される経路を遮断するために薄肉のゴム片等の弾性部材から形成される。そして、緩衝材39は、一面に接着剤層が形成され、この接着剤層がメインシャーシ6の側板部6bに貼着される。
【0053】
これにより、ボトムケース4とメインシャーシ6とのクリアランスが狭小化され、かつメインシャーシ6がダンパー28を介してボトムケース4内に接続される場合にも、メインシャーシ6の側板部6bがボトムケース4に接触し、当該接触部を介して外乱がメインシャーシ6及びベースシャーシ27へ伝達される事態を防止することができる。
【0054】
このディスクドライブ装置1は、図11乃至図19に示すように、ディスク挿脱口19から光ディスク2が挿脱されるディスク挿脱位置と、ディスク装着部23のターンテーブル23aに光ディスク2が装着されるディスク装着位置との間で光ディスク2の搬送を行うディスク搬送機構50を備えている。
【0055】
このディスク搬送機構50は、メインシャーシ6の上面6aと天板部5aのディスク装着部23と対向する主面との間で移動操作されるサポート部材として、当該光ディスク2の主面と平行な面内で揺動可能とされたローディングアーム51及びイジェクトアーム52と、後述する駆動機構120からの駆動力をローディングアーム51に伝達するローディングカムプレート53と、イジェクトアーム52と係合されイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向へ回動させる第1のリンクアーム54と、第1のリンクアーム54と連結された第2のリンクアーム55と、第1のリンクアーム54とメインシャーシ6間に架け渡される引っ張りコイルバネ56と、第2のリンクアーム55のガイド凸部113が係合され第2のリンクアーム55をガイドするループカム57と、駆動機構120と連結されることにより第1のリンクアーム54をイジェクトアーム52が光ディスク2を挿入又は排出する方向へ移動させるように操作する操作アーム58とを有している。
【0056】
このディスク搬送機構50は、ディスク挿脱口19より光ディスク2が挿入されることによりイジェクトアーム52が所定の位置まで回動されると、ローディングアーム51によって光ディスク2を自動的にディスク装着部23まで引き込み、またイジェクトアーム52が筐体3の前面側に回動されることにより光ディスク2の排出を行う。具体的にディスク搬送機構50は、光ディスク2が挿入されてからイジェクトアーム52が所定位置まで回動され引き込み動作が開始されるまでの間においては、イジェクトアーム52の回転支持部材71が筐体3の左ガイド壁117側に回転され、また第2のリンクアーム55の先端部に形成されているガイド凸部113がループカム57にガイドされることにより、回転支持部材71の第1のリンクアーム54が係合される係合孔80の回転方向と異なる方向へ移動されることで、これら回転支持部材71と第2のリンクアーム55とに連結されている第1のリンクアーム54の移動が規制され、第1のリンクアーム54とメインシャーシ6との間に架け渡されている引っ張りコイルバネ56が伸張し、イジェクトアーム52が排出方向へ付勢されつつ挿入方向へ回動される。
【0057】
またディスク搬送機構50は、光ディスク2の引き込み動作においては、第2のリンクアーム55のガイド凸部113がループカム57にガイドされることにより回転支持部材71の第1のリンクアーム54が係合される係合孔80の回転方向と同方向へ移動されることで、伸張されていた引っ張りコイルバネ56が収縮され、イジェクトアーム52の排出方向への付勢力が減少する。
【0058】
さらにディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時においては、第2のリンクアーム55のガイド凸部113がループカム57にガイドされることにより、光ディスク2の排出方向へ回動されるイジェクトアーム52の回転支持部材71の第1のリンクアーム54が係合される係合孔80の回転方向と同方向に移動されることで、引っ張りコイルバネ56による付勢力が働かない状態でイジェクトアーム52を回動させて光ディスク2を排出させる。
【0059】
これにより、ユーザによって光ディスク2が所定位置まで挿入される挿入過程では、引っ張りコイルバネ56が伸張されることにより排出方向への付勢力を働かせることができるため、ユーザによる光ディスク2の挿入が中止された場合にも光ディスク2が筐体3内に中途半端に挿入された状態で放置される事態を防止することができる。またローディングアーム51による光ディスク2の引き込み過程では、引っ張りコイルバネ56が収縮することにより、イジェクトアーム52に働く排出方向への付勢力を消失させることができるため、スムーズな引き込み動作が可能となる。さらに光ディスクの排出過程では、第1のリンクアーム54とメインシャーシ6の係止部とが近接され引っ張りコイルバネ56が収縮した状態が維持されることにより、イジェクトアーム52に与えられていた引っ張りコイルバネ56による排出方向への付勢力が働かないため、駆動機構120の駆動力を受けた操作アーム58の操作に応じてイジェクトアーム52が回動されることとなり、弾性力に頼ることなく光ディスク2を、光ディスク2の中心孔2aが筐体3外へ排出される所定の停止位置へ安定的に排出することができる。
【0060】
以下、かかるディスク搬送機構50の各構成部材について詳細に説明する。
【0061】
ローディングアーム51は、光ディスク2をディスク装着部23上に引き込むものであり、基端部が上記ボトムケース4のデッキ部4a上に、ディスク装着部23よりもディスク挿脱口19側に回動自在に支持され、先端部が図11中矢印a1方向及び矢印a2方向に回動可能とされている。具体的に、ローディングアーム51は、図20及び図21に示すように、平板状の板金からなるアーム本体51aを備え、このアーム本体51aの一端部に挿通孔60が突設され、この挿通孔60がデッキ部4aより突設された略円筒状の回動支持部材63に係合されることにより、この回動支持部材63を支点にデッキ部4a上を、光ディスク2をローディングする図21中矢印a1方向及び光ディスク2をイジェクトする図21中矢印a2方向へ回動可能に支持されている。
【0062】
また挿通孔60は、長孔状に形成されている。したがって、ローディングアーム51は、該挿通孔60に沿って移動しながら同図中矢印a1方向及び矢印a2方向へ回動される。これにより、後に詳述するように、ローディングアーム51は、光ディスク2の挿入及び引き込み工程と排出工程において、スライダー122のストロークに応じてイジェクトアーム52との間に生じる回動タイミングのズレを吸収し、光ディスク2のスムーズな挿排出を行うことができる。
【0063】
また、ローディングアーム51は、アーム本体51aの先端部にディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される当接部61が上方に向かって突出して設けられている。当接部61は小径の回転ローラ61aが回転可能に取り付けられている。また、当接部61は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される中央部分が内側に湾曲し、その両端部が拡径されたフランジ部として光ディスク2の高さ方向の移動を規制する略鼓形形状を有している。
【0064】
またローディングアーム51は、挿通孔60の近傍を側方から板バネ62に押し当てられることにより、この板バネ62の付勢力によって、挿通孔60を支点に常時、光ディスク2をディスク挿脱口19側からディスク装着部23側に付勢する図21中矢印a1方向へ回動付勢されている。ローディングアーム51を付勢する板バネ62は、デッキ部4a上に固定されている基部62aと、基部62aの一端から延設されローディングアーム51を付勢するアーム部62bとからなる。
【0065】
さらに、ローディングアーム51は、後述するローディングカムプレート53の第1のカム溝66に挿通係合される係合凸部64が突設されている。そしてローディングアーム51は、この係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に沿って移動することにより、板バネ62の付勢力を規制しながら回動される。
【0066】
ローディングカムプレート53は、平板状の板金からなり、後述する駆動機構120のスライダー122と係合されることにより、該スライダー122の移動に伴ってデッキ部4a上を前後に移動され、これにより上記ローディングアーム51及び後述するデッキアーム200の付勢力を規制する規制アーム212を回動させるものである。このローディングカムプレート53は、デッキ部4a上に回動可能に支持されたローディングアーム51及び規制アーム212の上に重ねられると共に、ローディングアーム51の係合凸部64及び規制アーム212の回動ガイド部215が挿通されることにより、光ディスク2の挿排出動作に応じてこれらローディングアーム51及び規制アーム212の回動を規制する。
【0067】
かかるローディングカムプレート53は、図22(a)及び(b)に示すように、ローディングアーム51に突設された係合凸部64及び規制アーム212の回動ガイド部215が挿通される第1のカム溝66と、デッキ部4aに突設されたガイド凸部65が挿通される第2のカム溝67と、スライダー122に係合する一対の係合突起68,68と、規制アーム212をデッキ部4a上に回動自在に支持する回動支持ピン217が挿通される第3のカム溝69が形成されている。
【0068】
第1のカム溝66は、係合凸部64が摺動されることにより、板バネ62によって光ディスク2のローディング方向に付勢されたローディングアーム51の回動を規制するとともに、回動ガイド部215が摺動されることにより、規制アーム212を回動させデッキアーム200に係止されているコイルバネ203の付勢力を制御するものである。
【0069】
第1のカム溝66は、図11及び図21に示すように、係合凸部64を規制してローディングアーム51が光ディスク2の引き込み方向である図11中矢印a1方向へ回動させる第1のガイド部66aと、第1のガイド部66aと隣接されるとともに連続して形成されローディングアーム51の回動位置を規制し光ディスク2をセンタリング位置に支持させる第2のガイド部66bと、第2のガイド部66bと連続して形成され係合凸部64をローディングアーム51がディスク装着部23に装着された光ディスク2の外周より離間する図11中矢印a2方向に回動するようガイドする第3のガイド部66cと、第1のガイド部66aを介して第2のガイド部66bと反対側に設けられ回動ガイド部215をガイドすることにより規制アーム212を回動させる第4のガイド部66dとからなる。
【0070】
第1のガイド部66aは、ローディングカムプレート53の移動方向と略直交する方向に形成され、ローディングカムプレート53が筐体3内の背面側である矢印f1方向に移動されることにより係合凸部64と前面側から当接し、ローディングアーム51を図11中矢印a1方向に回動させる。また第2のガイド部66bは、ローディングカムプレート53の移動方向と略平行に形成され、第1のガイド部66aによって光ディスク2を引き込む矢印a1方向に回動されたローディングアーム51の回動を規制し、光ディスク2のセンタリングを行う。また第3のガイド部66cは、第2のガイド部66bよりも筐体3の内周側に曲げられ、係合凸部64をガイドすることによりローディングアーム51をディスク装着部23に装着された光ディスク2の側面より離間させ、光ディスク2を回転可能とする。また第4のガイド部66dは、規制アーム212の回動ガイド部215をガイドするものであり、ローディングカムプレートのスライドに応じて規制アーム212を回動させ、後述するデッキアーム200による付勢力を制御する。
【0071】
この第1のカム溝66は、光ディスク2の挿入待機状態においては、図11に示すように、第1のガイド部66aと係合凸部64とが離間され、板バネ62により矢印a1方向へ回動付勢されているローディングアーム51の係合凸部64が第1のガイド部66aと対向する側面に当接されている。これによりローディングカムプレート53は、光ディスク2の挿入待機状態におけるローディングアーム51の位置決めを図る。光ディスク2が筐体3内に挿入されスライダー122によってローディングカムプレート53が筐体3の背面側へ移動されると、図14に示すように、第1のカム溝66は、係合凸部64が第1のガイド部66aに当接され、ローディングアーム51を光ディスク2の引き込み方向である図14中矢印a1方向へ回動させる。
【0072】
第1のカム溝66は、光ディスク2の中心孔2aがディスク装着部23のターンテーブル23a上に位置するまで搬送されると、図15に示すように、係合凸部64が第2のガイド部66bに入る。ローディングアーム51は、第2のガイド部66bでは係合凸部64と挿通孔60との相対角度は変わらないため、当接部61は矢印a1方向へ回動されなくなり、光ディスク2をセンタリング位置に支持する。その後、光ディスク2のチャッキングが終了すると、第1のカム溝66は、図16に示すように、係合凸部64が第3のガイド部66cにガイドされ、ローディングアーム51を光ディスク2と離間する図16中矢印a2方向に回動させる。
【0073】
また第1のカム溝66は、ローディングカムプレート53が筐体3の背面側へ移動されると、規制アーム212の回動ガイド部215が第4のガイド部66dにガイドされることにより揺動され、デッキアーム200を回動付勢するコイルバネ203の他端203bが係止されるバネ係止部214を移動させ、光ディスク2が筐体3内に挿入されていくにつれてその付勢力が増加していくことを防止する。
【0074】
光ディスク2の排出時において、スライダー122が前面側である矢印f2方向へ移動されるに伴いローディングカムプレート53が同方向へ移動されると、図17に示すように、係合凸部64が第3のガイド部66cから第2のガイド部66bへ移動する。これにより、ローディングアーム51は、光ディスク2のローディング方向である図17中矢印a1方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面と前面側から当接される。
【0075】
さらにローディングカムプレート53が矢印f2方向へ移動され、係合凸部64が第2のガイド部66bから第1のガイド部66aへ移動されると、図18に示すようにローディングアーム51は、第1のガイド部66aが矢印f2方向へ移動されるにつれて当接部61が矢印a2方向へ回動可能とされる。またイジェクトアーム52は、駆動機構120の駆動力を受けることにより光ディスク2を排出する矢印b2方向へ回動される。したがってローディングアーム51は、排出方向へ搬送される光ディスク2に押圧されることによって矢印a2方向へ回動されていく。
【0076】
このときローディングアーム51は、板バネ62によって光ディスク2の挿入方向である矢印a1方向へ付勢されながら回動されていく。これにより、ディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時において、ローディングアーム51及びイジェクトアーム52によって光ディスク2を挟持しながら所定の排出位置まで押し出していくこととなり、ローディングアーム51が光ディスク2の急な飛び出しを防止することができる。
【0077】
なお、ローディングアーム51は、光ディスク2の排出が終了すると、図11に示すように、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66の第1のガイド部66aと対向する側面に係止されることにより、矢印a1方向への回動が規制されて光ディスク2の挿入を待機する。
【0078】
第2のカム溝67は、デッキ部4aに突設されたガイド凸部65に挿通されることによりローディングカムプレート53の移動をガイドするものである。この第2のカム溝67は、スライダー122の移動方向と平行な直線状のカム溝であり、スライダー122の移動に伴ってガイド凸部65がスライドすることにより、ローディングカムプレート53をスライダー122の移動方向にガイドする。
【0079】
スライダー122に係合する一対の係合突起68,68は、ローディングカムプレート53の一側面側に互いに離間して形成されている。これら係合突起68,68は、下方に向かって突設されるとともに、ボトムケース4の底面部側に張り出されることにより、該ボトムケース4の側面に沿って配設されるスライダー122の係合凹部127、127に係合される。これによりローディングカムプレート53とスライダー122とが一体となり、スライダー122の移動に伴ってローディングカムプレート53もスライドされる。
【0080】
なお、ローディングカムプレート53は、かかる係合突起68,68が形成された一側面と反対側の他側面が、右ガイド壁118とデッキ部4aとの間に設けられたクリアランス内にスライド自在に挿通されることで、デッキ部4aからの浮き上がりが防止されている。
【0081】
また第3のカム溝69は、デッキ部4a上に立設されると共に規制アーム212をデッキ部4aに回動可能に支持する回動支持ピン217に挿通される。この第3のカム溝69も上記第2のカム溝67と同様に、スライダー122の移動方向と平行な直線状のカム溝であり、スライダー122の移動に伴って回動支持ピン217にスライドされることによりローディングカムプレート53をスライダー122の移動方向にガイドする。
【0082】
ディスク装着部23から光ディスク2をディスク挿脱口19外へ排出するイジェクトアーム52は、ローディングアーム51が形成された側面とは反対側の側面であってディスク装着部23よりも筐体3の背面側に配設されている。そして、イジェクトアーム52は、後述する第1、第2のリンクアーム54,55及び操作アーム58に操作されながら光ディスク2をディスク装着部23側に搬送する図11中矢印b1方向及び光ディスク2をディスク挿脱口19側に排出する図11中矢印b2方向に回動される。このイジェクトアーム52は、図23及び図24に示すように、メインシャーシ6に回転自在に支持された回転支持部材71と、回転支持部材71に回動自在に係合されて光ディスク2を押し出す押出アーム72と、押出アーム72を光ディスク2の排出方向に付勢するコイルバネ73とを備える。
【0083】
回転支持部材71は、略円形の板金からなり、メインシャーシ6の上面6aに、該上面6aのディスク搬送領域と反対側から回転自在に取り付けられている。回転支持部材71の主面71aの略中央にはメインシャーシ6との取付口71bが穿設されている。また回転支持部材71は、メインシャーシ6との間にスペーサ75が配され、このスペーサ75を介してメインシャーシ6に回転自在に取り付けられている。
【0084】
また回転支持部材71は、押出アーム72及びコイルバネ73が係合される係合片76が形成されている。係合片76は、主面71aより立設された立壁76aの先端より折り曲げ形成されることにより、主面71aよりも上方に設けられ、上記メインシャーシ6のイジェクトアーム用開口部6dより上面6a側に突出されている。この係合片76は、押出アーム72の係合凸部85と連続されカシメ軸89により回動可能に共カシメされる開口部77と、押出アーム72の側面部が当接されることにより押出アーム72の回動領域を規制する一対の回動規制壁78,78と、コイルバネ73の一方のアーム73bが係止される係止凹部79とが形成されている。回動規制壁78,78は、係合片76の左右両側より立ち上がり形成され、この間に押出アーム72に形成された規制突部87が配設されることにより押出アーム72の回動領域を規制する。
【0085】
また、回転支持部材71は、主面71aに後述する第1のリンクアーム54が回転自在に係合される係合孔80が形成されている。係合孔80には第1のリンクアーム54の一端54aに形成された挿通孔と連通され、ビス74によって第1のリンクアーム54と回動自在に連結される。
【0086】
また回転支持部材71は、主面71aの一側面部より折曲げ片81が形成されている。折曲げ片81は、主面71aより下方に折り曲げられることにより、後述するベース昇降機構150のサブスライダー151に突き当てられる突当て片となるとともに、光ディスク2が挿入されることにより光ディスク2をディスク装着部23側に搬送する図11中矢印b1方向に回動されると回路基板59に実装された第1のスイッチSW1のスイッチを押圧する。これによりディスクドライブ装置1は、光ディスク2に押圧されたイジェクトアーム52が筐体3の背面側まで回動されたことを検知でき、駆動機構120を駆動させるタイミングを検出することができる。
【0087】
さらに回転支持部材71は、後述するセンタリングガイド220をディスク装着部23に搬送された光ディスク2の側面から離間させるように回動させる回動片82が設けられている。回動片82は、光ディスク2がディスク装着部23に装着可能なセンタリング位置まで搬送されると、回転支持部材71が回動されることによりセンタリングガイド220のカム軸233と当接され、センタリングガイド220を回動させて光ディスク2から離間させ、光ディスク2を回転自在とする。
【0088】
この係合片76に回動自在に係合される押出アーム72は、略三角形状に形成された樹脂成形部材であり、係合片76の開口部77が挿通係合される係合凸部85と、コイルバネ73の他方のアーム73cが係止される係止壁86と、光ディスク2の挿入端側の側面を支持する支持部88とを有する。係合凸部85は、略三角形の一頂部に形成された中空の円筒体であり、中空部が上記回転支持部材71の係合片76に穿設された開口部77と連通されるとともに、コイルバネ73の円筒部73aに挿通され、カシメ軸89によって係合片76に共カシメされる。これにより押出アーム72は、係合片76上において係合凸部85を支点に回動自在とされる。
【0089】
カシメ軸89により押出アーム72とともに係合片76に係合されるコイルバネ73は、円筒部73aが係合凸部85を挿通するとともに、一方のアーム73bが係合片76に形成された係止凹部79に係止され、他方のアーム73cが押出アーム72に形成された係止壁86に係止されることにより、係合片76に回動自在に支持されている押出アーム72を、係合凸部85を支点に光ディスク2の排出方向へ回動付勢している。
【0090】
また押出アーム72は、係合凸部85近傍に係合片76上における回動領域を決める規制突部87が形成されている。規制突部87は、係合片76に立設されている回動規制壁78,78間に位置され押出アーム72が係合片76上を回動されることにより、回動規制壁78間を往復される。従って、押出アーム72は、規制突部87がいずれか一方の回動規制壁78に当接されることにより回動が規制されることから、係合片76上における回動領域が決定される。
【0091】
このような押出アーム72は、回転支持部材71と回動自在に係合されるとともに、コイルバネ73によって所定のバネ力にてディスク挿脱口19側に回動付勢されている。したがってイジェクトアーム52は、後述する駆動機構120の駆動力を受けた第1のリンクアーム54及び操作アーム58によって光ディスク2を筐体3外へ排出する図25中矢印b2方向に回転操作されている際に、光ディスク2の搬送領域上に障害物があるなどして矢印b1方向への力が作用した場合にも、当該光ディスク2の排出方向と反対方向の力を受けた押出アーム72がコイルバネ73の付勢力に対抗して回転支持部材71の開口部77を支点に矢印b1方向へ回動される。これによりイジェクトアーム52を矢印b2方向に回動させる駆動力と、当該駆動力と反対方向に働く力とが対向する事態を回避する。したがって、イジェクトアーム52を図25中矢印b2方向へ回動させるように第1のリンクアーム54及び操作アーム58を駆動させる駆動機構120のモータ等に過剰な負荷をかけることなく、また光ディスク2もイジェクトアーム52による排出方向への付勢力と反対方向に働く力とによって挟持されることで破損することを防止することができる。
【0092】
また押出アーム72は、図23及び図24に示すように、先端部に光ディスク2のボトムケース4側への沈み込みを防止するピックアップ部90が設けられている。ピックアップ部90は、光ディスク2を下方から支持するピックアップアーム91と、ピックアップアーム91を光ディスク2のキャッチが可能となるように押圧する押さえ部材92とを有する。
【0093】
ピックアップアーム91は、棒状の軸部91aと、軸部91aの一端側に設けられ光ディスク2を支持する支持片91bと、支持片91b近傍に立設され筐体3内に挿入された光ディスク2の外周面が突き当てられる突き当て片91cと、軸部91aの他端に設けられイジェクトアーム52の回動に伴ってメインシャーシ6の上面6aを摺動され軸部91aを支持片91bが上昇する方向へ回転させる摺動片91dとを有する。
【0094】
軸部91aは略円柱状に形成され、一端側に支持片91b及び突き当て片91cが突設され、他端側に摺動片91dが突設されている。また軸部91aは、押出アーム72に形成された軸受け部94に回動自在に支持される。支持片91bは、ボトムケース4側に傾斜して挿入された光ディスク2の挿入端側の外周部を支持することにより光ピックアップ25等との衝突を防止すると共に正規の搬送領域まで復帰させるものであり、略矩形板状に形成され、長手方向の先端側にかけて薄肉とされるとともに傾斜面が設けられている。突き当て片91cは、光ディスク2の外周面に突き当てられると、押出アーム72に立設されている支持壁99に支持されることにより軸部91aの回転が規制される。また突き当て片91cは、軸部91aより支持片91bの延設方向に対して略直交する方向に立設されており、支持壁99に支持されると、支持片91bが光ディスク2の正規の搬送領域上に回動される。摺動片91dは、軸部91aより突設されることにより押出アーム72に穿設された開口95より押出アーム72の下面側に臨まされる。そして摺動片91dは、メインシャーシ6の上面を摺動することにより支持片91bを光ディスク2の正規の搬送領域まで回動保持させる。
【0095】
また軸部91aには押さえ部材92に押圧される被押圧部93,93が形成されている。被押圧部93,93は軸部91aが断面略D字状に設けられることにより平坦化され、平板状に形成された押さえ部材92に押圧される部分とされる。この被押圧部93,93を押圧する押さえ部材92は、略コ字状に形成された板バネ部材であり、押出アーム72に装着されることにより、常時ピックアップアーム91の支持片91bが下方に傾斜するよう軸部91aを回動付勢する。このとき押さえ部材92は、断面略D字状に形成された被押圧部93,93の平坦な部分を押圧することとなるため、確実にピックアップアーム91を支持片91bが下方に向くように回動付勢することができる。またこれによりピックアップアーム91の摺動片91dは、押出アーム72に形成された開口95より押出アーム72の下面側に突出され、押出アーム72が筐体3の背面側に回動されることによりメインシャーシ6のエッジ部17と当接可能とされている。
【0096】
かかるピックアップアーム91は、光ディスク2の挿入を待機している状態においては、イジェクトアーム52が筐体3の前面側に回動されていることから、摺動片91dがメインシャーシ6のエッジ部17と離間され、かつ押さえ部材92によって軸部91aが付勢されることにより、支持片91bが下方に傾斜されている。そして、光ディスク2が挿入されると、突き当て片91cに光ディスクの外周面が突き当てられることにより、押さえ部材92の付勢力に対抗して軸部91aが回動され、支持片91bがトップカバー5側に上昇される。これによりピックアップアーム91は、支持片91bによって光ディスク2の下面側を支持しながら筐体3の背面側に回動されていく。その後、押出アーム72がメインシャーシ6の上面を回動すると、ピックアップアーム91は、開口95より押出アーム72の下方に臨まされている摺動片91dがメインシャーシ6のエッジ部17より上面6a上を摺接されることにより、支持片91bがトップカバー5側に上昇された状態が保持される。したがって、光ディスク2がディスク装着部23に搬送された後、押出アーム72が光ディスク2と離間されたときでも、押さえ部材92の付勢力によって支持片91bがボトムケース4側に回動されメインシャーシ6の上面を摺動することはない。
【0097】
また光ディスク2の挿入端がボトムケース4側に傾斜して挿入された場合には、挿入待機状態でボトムケース4側に回動されている支持片91bに、当該光ディスク2の挿入端側の外周面が支持されるため、光ディスク2がボトムケース4側に配設されている他の構成部材、例えばターンテーブル23aや光ピックアップ25に衝突する事態を防止することができる。
【0098】
光ディスク2が傾斜された状態で挿入されていくと、イジェクトアーム52及び押出アーム72が矢印b1方向へ回動されることにより、ピックアップアーム91は、摺動片91dがメインシャーシ6のエッジ部17に摺接されることにより押さえ部材92の付勢力に対抗して軸部91aが回動され、支持片91bがトップカバー5側に回動されていく。なお、この支持片91bの回動領域は、軸部91aに設けられた突き当て片91cが押出アーム72に立設された支持壁99に支持されることにより規制される。また支持片91bが回動されることにより、光ディスク2の外周部が突き当て片91cに突き当てられる。これによりピックアップアーム91は、ボトムケース4側に傾斜して挿入された光ディスク2を正規の搬送領域に復帰させることができる。
【0099】
なお押出アーム72は、ピックアップアーム91の支持片91bの近傍に、支持片91bとともに光ディスク2の外周部を挟持する挟持片88が突設されている。挟持片88は、押出アーム72の主面より立設された立壁先端から上記支持片91bと同方向へ延設される。そして押出アーム72は、突き当て片91cおよび挟持片88の立壁によって光ディスク2の挿入端側の側面を受けるとともに、挟持片88及び支持片91bによって光ディスク2の挿入端側を挟持して、挿入及び引き込み時には筐体3の背面側へ回動され、また排出時には筐体3の前面側へ光ディスク2を押し出す。
【0100】
この挟持片88と正規の搬送領域上まで回動された支持片91bとの距離は、光ディスク2の厚さよりもやや大きく形成されており、光ディスク2を強固に掴むものではない。したがってイジェクトアーム52は、矢印b1方向及びb2方向への回動に伴って挟持片88及び支持片91bによって光ディスク2の傾きを防止するとともに、スムーズに光ディスク2をリリースし、排出時において挟持することができる。
【0101】
また、イジェクトアーム52にかかる押出アーム及びピックアップ部は以下のように形成してもよい。
【0102】
この第2の押出アーム240は、図26及び図27に示すように、上記イジェクトアーム52に取り付けられた押出アーム72と同様に、回転支持部材71の係合片76に穿設されている開口部77に回動可能に取り付けられるとともに、コイルバネ73によって光ディスク2の排出方向である図26中矢印b2方向へ回動付勢されている。また第2の押出アーム240は、略三角形状に形成された樹脂成形部材であり、係合片76に支持された頂部と反対側に第2のピックアップ部250が設けられるピックアップ支持部241と、第2のピックアップ部250のピックアップアーム251とともに光ディスク2の挿入端側の側面を挟持する挟持片245が形成されている。
【0103】
ピックアップ支持部241は、ピックアップアーム251を回転自在に収納する収納凹部242と、ピックアップアーム251を収納凹部242に支持する支持板243が係止される係止部244とを備えている。収納凹部242は、棒状のピックアップアーム251に応じて第2の押出アーム240の一辺に沿って設けられ、ピックアップアーム251の上部を長手方向に沿って間欠的に支持する。また係止部244は、支持板243に形成された複数の係止片243bが係止されることにより、支持板243を収納凹部242の裏面側からピックアップ支持部241に係止させる。
【0104】
支持板243は、第2の押出アーム240の裏面側からピックアップ支持部241に係止されることにより、ピックアップアーム251をピックアップ支持部241に回転自在に支持するものである。この支持板243は、図28に示すように、金属板を略凹字状に形成しピックアップアーム251を収納する収納部243aと、ピックアップ支持部241に設けられた複数の係止部244に係止される複数の係止片243bが設けられている。支持板243は、収納部243aにピックアップアーム251を収納すると共に係止片243bが係止部244に係止されることによりピックアップ支持部241からの脱落が防止される。また支持板243にはピックアップアーム251の回動範囲を規制する係止孔243cが穿設されている。この係止孔243cにはピックアップアーム251に突設された係止突部257が挿通され、この係止突部257の係止面257aが係止されることにより、ピックアップアーム251の支持部254の回動範囲を決めることができる。
【0105】
また挟持片245は、上述した押出アーム72の挟持片88と同様に、ピックアップアーム251とともに光ディスク2の外周部を挟持するものであり、第2の押出アーム240の主面より立設された立壁先端からピックアップアーム251の支持部254と同方向へ張り出して形成されている。
【0106】
第2のピックアップ部250は、図26及び図27に示すように、ピックアップアーム251と、このピックアップアーム251を回動付勢するコイルバネ252とを備える。ピックアップアーム251は、斜めに挿入された光ディスク2の外周部を支持して、光ピックアップ25等との衝突を防止すると共に正規の搬送領域にガイドするものであり、図29(a)〜(c)に示すように、円柱状のアーム本体253と、アーム本体253の先端に形成され光ディスク2の外周部を支持する支持部254と、アーム本体253の後端に形成されメインシャーシ6の上面6aを摺動することによりアーム本体253を回転させる摺動部255と、アーム本体253の外周より突設されコイルバネ252の一端が係止されるバネ係止部256と、アーム本体253の外周より突設され上記支持板243の係止孔243cに挿通される係止突部257とを備える。
【0107】
アーム本体253は、第2の押出アーム240に設けられた収納凹部242に収納されると共に支持板243の収納部243aによって回動可能に保持される。このアーム本体253の外周にはバネ係止部256及び係止突部257が突設されている。
【0108】
このアーム本体253の先端に形成されている支持部254は、全体が平板状に形成され、図29(a)に示すように、側面視において先端にかけて鋭角状に形成されている。支持部254は、光ディスク2の挿入を待機している状態で、主面254aを光ディスク2の主面に対して略直交方向に立てて支持されている。このとき、支持部254は、主面254aがボトムケース4側に傾斜し、光ディスク2がボトムケース4側に傾いて挿入されると、光ディスク2の挿入端側の側面を支持することができる。
【0109】
アーム本体253の後端に形成されている摺動部255は、湾曲面を備えた立壁がアーム本体253より立設されてなる。この摺動部255は、図29(c)に示すように、イジェクトアーム52が矢印b1方向へ回動されるときにメインシャーシ6のエッジ部17と当接される側の側面が湾曲面255aとされ、イジェクトアーム52が矢印b1方向に回動されることによりメインシャーシ6のエッジ部17と当接されてアーム本体253及び支持部254を回転させる。摺動部255がメインシャーシ6と当接しアーム本体253が回転することにより、支持部254は、光ディスク2の主面と略直交する方向に回転されていた主面254aが、光ディスク2の主面と略平行となる。
【0110】
またピックアップアーム251を回転付勢するコイルバネ252は、アーム本体253によって巻回部が挿通されると共に、一端を第2の押出アーム240の主面部に係止され、他端をピックアップアーム251のアーム本体253に設けられたバネ係止部256に係止されている。このコイルバネ252は、一端を押出アーム240に係止され、他端をピックアップアーム251のバネ係止部256に係止されることによりピックアップアーム251を回転付勢する。
【0111】
かかるピックアップアーム251は、アーム本体253が第2の押出アーム240の収納凹部242に収納されると共に第2の押出アーム240の裏面側から取り付けられた支持板243の係止孔243cに係止突部257が挿通されることにより、第2の押出アーム240のピックアップ支持部241に支持される。このときピックアップアーム251は、コイルバネ252に付勢されたバネ係止部256が支持板243の主面に当接されることにより、支持部254の主面254aが光ディスク2の主面と略直交する方向に立てて保持される。図30に示すように、支持部254は、主面254aをボトムケース4側に傾斜させた状態で光ディスク2の挿入を待機する。
【0112】
そして第2の押出アーム240は、光ディスク2が筐体3内に挿入されると、挟持片245が設けられた立壁に光ディスク2の挿入端側の側面が当接し、矢印b1方向へ回動されていく。このとき、図31に示すように、光ディスク2の先端がボトムケース4側に傾いて挿入されると、支持部254によって光ディスク2の先端が支持される。したがって、光ディスク2がボトムケース4側に傾いて挿入されたときにも、光ディスク2の外周部がボトムケース4に配設されているベースユニット22のターンテーブル23aや光ピックアップ25等に衝突することを防止することができる。光ディスク2は、支持部254の主面254aにガイドされることにより挿入端側の外周部が正規の搬送領域まで移動されていく。
【0113】
光ディスク2が支持部254によって支持された状態でイジェクトアーム52が矢印b1方向へ回動されると、ピックアップアーム251は、摺動部255の湾曲面255aがメインシャーシ6のエッジ部17と当接されることにより、コイルバネ252の付勢力に対抗してアーム本体253が回転される。これにより支持部254は、図32に示すように、主面が光ディスク2の主面と略直交方向に立てた状態から光ディスク2の主面と略平行な状態まで回転され、傾いて挿入された光ディスク2を正規の搬送領域までガイドするとともに第2の押出アーム240に立設された挟持片245と共に光ディスク2を挟持する。
【0114】
光ディスク2の引き込み工程において、イジェクトアーム52が更に矢印b1方向へ回動されると、ピックアップアーム251は、摺動部255がメインシャーシ6の上面6aを摺動するため、支持部254は光ディスク2の主面と略平行な状態が維持されながら移動される。したがってピックアップアーム251は、挟持片245とともに光ディスク2を挟持しながら挿入及び引き込み時には筐体3の背面側へ回動され、また排出時には筐体3の前面側へ光ディスク2を押し出す。
【0115】
この挟持片245と正規の搬送領域上まで回動された支持部254との距離は、光ディスク2の厚さよりもやや大きく形成されており、光ディスク2を強固に掴むものではない。したがってイジェクトアーム52は、矢印b1方向及びb2方向への回動に伴って挟持片245及び支持部254によって光ディスク2の傾きを防止するとともに、スムーズに光ディスク2をリリースし、排出時において挟持することができる。
【0116】
次いでイジェクトアーム52の回転支持部材71に回動自在に係合された第1のリンクアーム54について説明する。第1のリンクアーム54は、後述する操作アーム58に操作されることによってイジェクトアーム52を光ディスク2の挿入方向あるいは排出方向となる図11中矢印b1方向あるいは矢印b2方向へ回動させるものである。この第1のリンクアーム54は、略矩形状に形成された金属板からなり、長手方向の一端54aが上記回転支持部材71の係合孔80に回転自在に係合され、長手方向の他端54bが第2のリンクアーム55と回転自在に係合されるとともに、この他端部にメインシャーシ6との間に架け渡された引っ張りコイルバネ56の一端が係止される係止部96が形成され、長手方向の略中間部に操作アーム58の他端58bが取り付けられている。
【0117】
なお、第1のリンクアーム54は、ループカム57との間に亘って付勢コイルバネ97を係止するようにしてもよい。付勢コイルバネ97は、光ディスク2の排出工程において、イジェクトアーム52の回転支持部材71に第1のリンクアーム54を介してスライダー122の動力が回転力として十分伝達されない場合に備えて設けられるものであり、光ディスク2の排出位置までイジェクトアーム52を回動させるものである。
【0118】
付勢コイルバネ97は、一端をループカム57のループカムプレート111に係止され、他端を第1のリンクアーム54の略中間部に取り付けられている。これにより、付勢コイルバネ97は、光ディスク2の排出工程において、第1のリンクアーム54を介して回転支持部材71を図19中矢印b2方向へ回転付勢する。したがってイジェクトアーム52は、光ディスク2を所定の排出位置まで搬送することができる。なお、本ディスク搬送機構50において、付勢コイルバネ97は必須ではなく、予備的に用いられるものである。ディスク搬送機構50は、通常、付勢コイルバネ97の付勢力ではなくスライダー122のスライド動作に応じてイジェクトアーム52が矢印b2方向へ回転されることにより、光ディスク2を所定の排出位置まで搬送するものである。
【0119】
第1のリンクアーム54の先端に形成された係止部96に係止される引っ張りコイルバネ56は、第1のリンクアーム54を介してイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向である図11中矢印b2方向へ回動付勢することにより、光ディスク2の挿入時において、イジェクトアーム52に排出方向への付勢力を付与するものである。すなわち、光ディスク2が挿入されることによりイジェクトアーム52が矢印b1方向へ回動されると、回転支持部材71に連結されている第1のリンクアーム54も、その一端54aが同様に矢印b1方向へ回動される。このとき、第1のリンクアーム54の係止部96に係止されている引っ張りコイルバネ56は、メインシャーシ6の係止部98に係止されている他端と第1のリンクアーム54の係止部96に係止されている一端とが離間され、伸張される。したがって、イジェクトアーム52は、引っ張りコイルバネ56の付勢力によって第1のリンクアーム54の一端54a及びこの第1のリンクアーム54と係合されている回転支持部材71が回動方向である矢印b1方向とは反対方向に引き戻されることから、所定の力で光ディスク2の排出方向である矢印b2方向への付勢力が付与される。
【0120】
これにより、このディスクドライブ装置1は、ユーザが光ディスク2を挿入する際、イジェクトアーム52によって挿入方向とは反対の矢印b2方向の付勢力を与えながら光ディスク2の挿入を行わせることができる。したがって、仮にユーザが光ディスク2の挿入を途中で中止した場合でも、光ディスク2を排出位置まで押し戻すことができ、筐体3内の中途半端な位置に放置される事態を防止することができる。
【0121】
なお、光ディスク2がある程度まで筐体3内に挿入されると、後述する駆動機構120が駆動され、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込み動作が行われるとともに、駆動モータ121の駆動力を受けた操作アーム58により第1のリンクアーム54が移動されるため、引っ張りコイルバネ56による矢印b2方向への付勢力はイジェクトアーム52に働かなくなる。また、光ディスク2の排出時には、第1のリンクアーム54が、係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが離間しないようにガイドされるため、引っ張りコイルバネ56が伸びず、排出方向への付勢力がイジェクトアーム52及び光ディスク2に作用することはない。
【0122】
かかる第1のリンクアーム54の係止部96との間で引っ張りコイルバネ56が係止されるメインシャーシ6の係止部98は、図33に示すように、係止孔98aが複数形成されている。そして引っ張りコイルバネ56は、係止孔98aを変えることで光ディスク2が挿入されたときの伸張長さを変えて排出方向への付勢力を可変とすることができる。また第1のリンクアーム54に形成されている係止部96に係止孔を複数形成することもできる。さらに、係止部96及び係止部98の両方において係止孔を複数形成することもできる。
【0123】
このように第1のリンクアーム54及び/又はメインシャーシ6の係止部96,98に係止孔を複数設けることで引っ張りコイルバネ56の伸張長さを調整でき、力量の異なる複数の引っ張りコイルバネ56を用意することなく、係止孔への係止位置を変えるだけで好みの排出力を作用させることができる。引っ張りコイルバネ56によるイジェクトアーム52の排出方向への付勢力は、力量の異なる複数の引っ張りコイルバネを用意することでも変えることができるが、複数種類の引っ張りコイルバネを用意する必要があり、部品点数の増加やサービス部門による部品管理が煩雑となる。したがって第1のリンクアーム54やメインシャーシ6の係止部96,98に係止孔を複数形成することにより、かかる複数種類の引っ張りコイルバネを用いる負担を無くすことができる。
【0124】
第1のリンクアーム54の他端54bに回転自在に係合された第2のリンクアーム55は、長尺状の板金からなり、一端55aにループカム57のガイド溝114にガイドされるガイド凸部113が突設され、他端55bが第1のリンクアーム54の他端54bと回動自在に係合する係合孔が形成されている。この第2のリンクアーム55は、ガイド凸部113がループカム57にガイドされることにより、第1のリンクアーム54の係止部96とメインシャーシ6の係止部98との距離を制御する。
【0125】
また第2のリンクアーム55は、後述する操作アーム58に形成されたカム溝108に係合される係合突部116が形成されている。ディスク搬送機構50は、第2のリンクアーム55の係合突部116がカム溝108に係合されることにより、スライダー122の移動に対応してイジェクトアーム52を回動させることができ、光ディスク2を所定の排出位置まで安定して排出することができる。
【0126】
すなわち、光ディスク2の排出中に、フロントパネル18のディスク挿脱口19に設けられたパネルカーテンが光ディスク2に摺接することにより負荷がかかると、イジェクトアーム52の回転支持部材71及び第1のリンクアーム54が矢印b1方向へ付勢される。ここで、第2のリンクアーム55と操作アーム58とが係合突部116により係合されていないと、第1のリンクアーム54は、操作アーム58がスライダー122の矢印f2方向へのスライドに伴い矢印d2方向へ移動されても、回転支持部材71に対して係合孔80を支点に矢印d2方向へ回転するだけで、イジェクトアーム52を矢印b2方向へ回動させることができなくなる。また、第2のリンクアーム55も、第1のリンクアーム54に対して回動するだけとなる。
【0127】
一方、第2のリンクアーム55が操作アーム58と係合突部116により係合されると、操作アーム58の矢印d2方向への移動に伴い、係合突部116がカム溝108の側壁に当接されて第2のリンクアーム55が第1のリンクアーム54に対して自由に回動することができなくなる。すなわち、第1のリンクアーム54は、第2のリンクアーム55の係合突部116がカム溝108の側壁に当接されることにより矢印d2方向への回転が規制される。したがって、光ディスク2の排出中、イジェクトアーム52が矢印b1方向に付勢された場合にも、操作アーム58が矢印d2方向へ移動されると、第1のリンクアーム54は、矢印b1方向への付勢力に対抗しながら矢印d2方向へ移動されイジェクトアーム52を矢印b2方向へ回動させる。これによりイジェクトアーム52は、スライダー122の矢印f2方向へのスライド量に応じた矢印b2方向への回動が実現され、確実に所定の排出位置へ光ディスク2を排出することができる。
【0128】
なお、第2のリンクアーム55は、第1のリンクアーム54と係合されている端部に係止孔115が形成され、捻りコイルバネ119が係止されている。捻りコイルバネ119は、一端を第1のリンクアーム54に係止され、他端を第2のリンクアーム55の係止孔115に係止されることにより、第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55とのなす角度が大きくなる方向、すなわち第1のリンクアーム54と第2のリンクアーム55とが開く方である図33中矢印g1及び矢印g2方向へ回動付勢する。これにより第2のリンクアーム55は、ガイド凸部113が後述するループカム57に設けられた突起部112eを乗り越えることができ、引き込みガイド壁112bから排出ガイド壁112cへガイドされることができる。
【0129】
第2のリンクアーム55のガイド凸部113の移動をガイドするループカム57は、光ディスク2の挿入時にイジェクトアーム52に排出方向への付勢力を発生させるように第1,第2のリンクアーム54,55をガイドする挿入ガイド部と、光ディスク2の引き込み時及び排出時にイジェクトアーム52に排出方向への付勢力を発生させないように第1,第2のリンクアーム54,55をガイドする引き込みガイド部及び排出ガイド部を有し、これらが環状に連続して形成されたものであり、図34に示すように、略板状のループカムプレート111に形成され、このループカムプレート111が、メインシャーシ6の上面6aのボトムケース4側の面に取り付けられている。ループカムプレート111には、ボトムケース4側に向かって略環状のカム壁112が立設されている。カム壁112は、光ディスク2の挿入から、引き込み、排出の動作において第2のリンクアーム55のガイド凸部113が1周するものであり、光ディスク2の挿入時にガイド凸部113が摺動する挿入ガイド壁112aと、光ディスク2の引き込み時にガイド凸部113が摺動する引き込みガイド壁112bと、光ディスク2の排出時にガイド凸部113が摺動する排出ガイド壁112cとが環状に連続されると共に、これらを外周部112dで囲むことによりガイド凸部113が移動する環状のガイド溝114を形成している。またループカム57には、引き込みガイド壁112bと排出ガイド壁112cとの間において、ガイド凸部113の逆行を防止する突起部112eが形成されている。
【0130】
図11に示すように、挿入ガイド壁112aは、右ガイド壁118側に向かって筐体3の前面方向にかけて形成され、引き込みガイド壁112bは、右ガイド壁118側から左ガイド壁117側に向かって形成され、排出ガイド壁112cは、左ガイド壁117側から右ガイド壁118側に向かって筐体3の背面方向にかけて形成されている。
【0131】
第1のリンクアーム54及び駆動機構120と連結され、イジェクトアーム52を操作する操作アーム58は、長尺状の金属板からなり、長手方向の一端58aが駆動機構120のスライダー122と連結された第3のリンクアーム100と回動自在に係合され、他端58bが第1のリンクアーム54と回動自在に係合されている。また操作アーム58は、長手方向の中央に第2のリンクアーム55に形成された係合突部116が挿通されるカム溝108が形成されている。
【0132】
カム溝108は、上述したように、第2のリンクアーム55の係合突部116と係合されることにより、スライダー122のスライド動作に応じてイジェクトアーム52を回動させるものであり、第2のリンクアーム55がループカム57を周回する際に、係合突部116が移動可能となるように長孔状に形成されている。またカム溝108は、操作アーム58の移動方向となる図11中矢印d1方向及びd2方向と略直交する方向に亘って形成されている。これにより操作アーム58は、係合突部116がカム溝108の側壁に当接されることにより第2のリンクアーム55の回動を規制することができ、第1のリンクアーム54の矢印d2方向への回転を規制することができる。
【0133】
この操作アーム58は、スライダー122がスライド操作されることにより、第3のリンクアーム100を介して略左右方向となる図11中矢印d1方向及びd2方向へ移動され、上記第1のリンクアーム54及びイジェクトアーム52を回動操作する。具体的に、操作アーム58は、第3のリンクアーム100によって図11中矢印d1方向へ移動されると、第1のリンクアーム54を同方向へ押圧し、これによってイジェクトアーム52を光ディスク2の挿入方向となる図11中矢印b1方向へ回動させる。また、操作アーム58は、第3のリンクアーム100によって図11中矢印d2方向へ移動されると、第1のリンクアーム54を同方向へ移動させ、これによってイジェクトアーム52を光ディスク2の排出方向となる図11中矢印b2方向へ回動させる。
【0134】
操作アーム58の一端58aに回動自在に係合された第3のリンクアーム100は、略く字状の金属板からなり、折曲部100aがメインシャーシ6に回動自在に取り付けられることにより図11中矢印c1方向及びc2方向へ回動自在に支持されるとともに、この折曲部100aより延設された一端100bに形成された係合凸部109がスライダー122と係合され、他端100cが操作アーム58に回転自在に係合されている。これにより第3のリンクアーム100は、駆動機構120の駆動モータ121の駆動力を受けてスライダー122が図11中矢印f1方向へ搬送されると、スライダー122に形成された第1のガイド溝125にガイドされ図11中矢印c1方向へ回動され、操作アーム58を同図中矢印d1方向へ移動させる。また、第3のリンクアーム100は、スライダー122が図11中矢印f2方向へ搬送されると、第1のガイド溝125にガイドされ同図中矢印c2方向へ回動され、操作アーム58を同図中矢印d2方向へ移動させる。
【0135】
なお、ディスク搬送領域の左右両側に配設された左右ガイド壁117,118は、光ディスク2の側面部が摺動されることにより挿排出をガイドするものであり、光ディスク2よりも軟らかい合成樹脂等によって形成されている。右ガイド壁118は、デッキ部4a上に配設され、左ガイド壁117は、メインシャーシ6上に配設され、いずれもビスや接着テープ等によって固定されている。
【0136】
これら左右ガイド壁117,118は、側壁117a,118aが立設されている。これら側壁117a,118aは、センタリング位置に搬送された光ディスク2の側面と所定のクリアランスを隔てた位置に設けられ、回転駆動されている光ディスク2の側面部には接触しない。
【0137】
次いで、以上のように構成されるディスク搬送機構50による光ディスク2の挿入から排出までの動作について説明する。光ディスク2の搬送状態は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態を検出することによってモニタされる。第1のスイッチSW1は、図11に示すように、イジェクトアーム52の回転支持部材71の回動領域に配設され、イジェクトアーム52の回動に伴って回転支持部材71に形成された折曲げ片81に押下されることによりH/Lが切り換えられる。また第2〜第4のスイッチSW2〜SW4は、図11に示すように、スライダー122の移動領域上に配列され、スライダー122が矢印f1方向あるいは矢印f2方向へスライドされることにより順次H/Lが切り換えられていく。
【0138】
そしてディスクドライブ装置1は、かかる第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態及びその時間をマイコンでモニタすることにより、光ディスク2の搬送状態を検出し、駆動モータ121やスピンドルモータ24a、光ピックアップ25を移動させる変位駆動機構36等を駆動させる。
【0139】
光ディスク2の挿入前においては、図11に示すように、スライダー122がディスク挿脱口19側となる図中矢印f2方向へスライドされており、これによりローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に形成された第1のガイド部66aと対向する側面に係止され、当接部61が光ディスク2の搬送領域から退避された位置に回動保持されている。また、スライダー122に係合されている第3のリンクアーム100が図11中矢印c2方向に回動されており、これにより操作アーム58及び第1のリンクアーム54に回動操作されたイジェクトアーム52が図11中矢印b2方向へ回動されている。また、スライダー122がf2方向へスライドされることにより、サブスライダー151が図中矢印h2方向へスライドされており、これによりベースユニット22を構成するサブシャーシ29がボトムケース4側に下降され、光ディスク2の搬送領域から退避されている。
【0140】
そして、ユーザによって光ディスク2がディスク挿脱口19より挿入されると、イジェクトアーム52の支持部88が光ディスク2の挿入端面に押圧され、図12に示すように、イジェクトアーム52が図12中矢印b1方向へ回動される。また、後述するデッキアーム200の当接部材205も光ディスク2の挿入端面に押圧され、筐体3の背面側へ回動される。このときイジェクトアーム52は、回転支持部材71が取付口71bを支点に矢印b1方向へ回転されることから、回転支持部材71と係合されている第1のリンクアーム54も一端54aが同方向へ移動される。一方、第1のリンクアーム54と係合されている第2のリンクアーム55は、第1のリンクアーム54が矢印b1方向へ移動されることにより、ループカム57のガイド溝114に係合されているガイド凸部113が、挿入ガイド壁112aに沿って筐体3の前面側に向かって移動される。ループカム57の挿入ガイド壁112aは右ガイド壁118側に向かって筐体3の前面側にかけて延設されているため、第2のリンクアーム55がこの挿入ガイド壁112aにガイドされると、第2のリンクアームと係合されている第1のリンクアーム54の他端54bは右ガイド壁118側に移動され、回転支持部材71と共に矢印b1方向に向かって回動される第1のリンクアーム54の一端54aと反対方向に移動される。
【0141】
すなわち第1のリンクアーム54は、第2のリンクアーム55が係合された他端54b近傍の係止部96がメインシャーシ6の係止部98と離間する方向に移動される。したがって光ディスク2が挿入され、イジェクトアーム52が図12中矢印b1方向へ回動されるにつれて、第1のリンクアーム54とメインシャーシ6との間に架け渡されている引っ張りコイルバネ56が伸張され、第1のリンクアーム54の係止部96をメインシャーシ6の係止部98に引きつけるように付勢する。ここで、第1のリンクアーム54は、回転支持部材71の係合孔80が筐体3の前面側に回動されていることから、引っ張りコイルバネ56に付勢されることにより、筐体3の背面側に向かう力、すなわち、回転支持部材71の回転方向とは反対向きの付勢力が働く。したがって、イジェクトアーム52は、光ディスク2の排出方向である図12中矢印b2方向へ付勢される。
【0142】
これにより光ディスク2は、イジェクトアーム52に働く排出方向への付勢力に対抗しながら挿入されていくこととなるため、ユーザによって光ディスク2の挿入が途中で中止された場合でも、筐体3外へ排出されるため光ディスク2が中途半端な状態で筐体3内に残存する事態を防止することができる。
【0143】
かかる付勢力に対抗しながらユーザによって光ディスク2が挿入されていき、イジェクトアーム52が所定の角度まで回動されると、回転支持部材71の折曲げ片81によって回路基板59に配設された第1のスイッチSW1が押圧され、駆動機構120が起動される。駆動機構120は、駆動モータ121の駆動力を受けてスライダー122が図14中矢印f1方向へスライドさせる。これにより、スライダー122とともにローディングカムプレート53も同方向へスライドされるため、ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のカム溝66の第1のガイド部66aに当接される。ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のガイド部66aによって矢印f1方向へ押圧されることにより、挿通孔60を中心に当接部61が図14中矢印a1方向へ回動し、光ディスク2の引き込みを行う。
【0144】
またスライダー122が矢印f1方向へスライドされていきローディングアーム51により光ディスク2がディスク装着部23上に位置するセンタリングポジションまで搬送されると、図15に示すように、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66を第1のガイド部66aから第2のガイド部66bへ移動していく。第2のガイド部66bはスライダー122のスライド方向と平行に形成されているため、ローディングアーム51はスライダー122の移動に伴う係合凸部64のガイド操作が行われずに、光ディスク2をセンタリングポジションに保持する。またこの光ディスク2の引き込み動作の際、第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング解除位置まで下降されていることがわかり、光ディスク2を安全に搬送することができる。
【0145】
なお、光ディスク2は、ローディングアーム51にローディングされるとともに、左右ガイド壁117,118にガイドされ、また、後述するデッキアーム200及びセンタリングガイド220に当接されることによりディスク装着部23上にセンタリングされる。
【0146】
また、スライダー122が矢印f1方向へスライドされると、第3のリンクアーム100がスライダー122の第1のガイド溝125にガイドされて図14中矢印c1方向に回動され、かかる第3のリンクアーム100と係合されている操作アーム58が同図中矢印d1方向へ移動される。したがって操作アーム58の他端58bと係合されている第1のリンクアーム54は、操作アーム58に押圧されて、矢印d1方向に移動される。
【0147】
また図12に示すように、イジェクトアーム52が駆動機構120の起動位置まで回動されると、第2のリンクアーム55のガイド凸部113は、ループカム57の挿入ガイド壁112aから引き込みガイド壁112bへ移動可能となるため、第1のリンクアーム54が操作アーム58によって矢印d1方向へ移動されると第2のリンクアーム55も同方向へ移動される。第1のリンクアーム54及び第2のリンクアーム55が矢印d1方向へ移動されることにより、第1のリンクアーム54は、他端54bに形成されている係止部96がメインシャーシ6に形成された係止部98に近接されていき、引っ張りコイルバネ56が収縮していく。したがって光ディスク2の引き込み動作においては、イジェクトアーム52に働いていた矢印b2方向への付勢力が漸次消失していく。なおディスク搬送機構50は、駆動機構120の駆動力を受けた操作アーム58によってイジェクトアーム52が矢印b1方向へ回動されるため、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込み動作がイジェクトアーム52に働く排出方向への付勢力によって阻害されることなく、また光ディスク2にも負荷をかけることなくスムーズに行うことができる。
【0148】
なお、ガイド凸部113は、第2のリンクアーム55が第1のリンクアーム54との間に係止されている捻りコイルバネ119によって矢印g2方向へ回動付勢されているため、引き込みガイド壁112bと排出ガイド壁112cとの境界まで移動されると、この境界に設けられた突起部112eを容易に乗り越えることができ、また光ディスク2の排出時に再度引き込みガイド壁112b側へ逆行することがない。
【0149】
そしてイジェクトアーム52は、第1のリンクアーム54が操作アーム58によって矢印d1方向へ移動されるとともに第2のリンクアーム55のガイド凸部113が引き込みガイド壁112bにガイドされながら矢印d1方向へ移動されることにより引っ張りコイルバネ56の付勢力が消失し、また光ディスク2がローディングアーム51によって筐体3の背面側へ引き込まれていくことにより、押出アーム72及び回転支持部材71が図12中矢印b1方向へ回動されていく。
【0150】
またスライダー122が矢印f1方向へスライドされると、スライダー122に係合されている連結アーム165が回動されることによりサブスライダー151も図15中矢印h1方向へスライドされていく。そして、光ディスク2のセンタリングが図られた後、スライダー122及びサブスライダー151によりベースユニット22がチャッキング解除位置からチャッキング位置に上昇される。これによりセンタリング位置に搬送された光ディスク2は、中心孔2aの周囲がターンテーブル23aと天板部5aの開口部7の周囲に形成された当接突部8とによって挟持されターンテーブル23aにチャッキングされる。
【0151】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング位置まで上昇されたことがわかり、光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされたことがわかる。
【0152】
そしてスライダー122が矢印f1方向へ移動するとともにサブスライダー151がさらに矢印h1方向へスライドされると、ベースユニット22がチャッキング位置から記録再生位置へ下降される。このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22が記録再生位置まで下降されたことがわかる。
【0153】
光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされると、矢印f1方向へスライドされているスライダー122により第3のリンクアーム100がさらに矢印c1方向へ回動され、操作アーム58がさらに矢印d1方向へ移動される。これにより、第1のリンクアーム54を介してイジェクトアーム52が矢印b1方向へ回動される。またサブスライダー151の先端の当接凸部168が回転支持部材71の折り曲げ片81に突き当てられ、回転支持部材71が矢印b1方向へ回動される。したがってイジェクトアーム52は、押出アーム72の支持部88と光ディスク2とが離間される。また、イジェクトアーム52が矢印b1方向へ回動されることにより、回転支持部材71に形成された回動片82が、ディスク搬送領域上に回動付勢されているセンタリングガイド220を押圧し、該センタリングガイド220を光ディスク2の側面から離間させる。さらに、スライダー122が矢印f1方向へスライドされることにより、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第2のガイド部66bから第3のガイド部66cへ移動されるため、図16中矢印a2方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面から離間される。さらにまた、ローディングカムプレート53に押圧されることにより、光ディスク2の挿入時に光ディスク2を支持していたデッキアーム200が光ディスク2の側面から離間される。
【0154】
これにより光ディスク2は、各種アームやセンタリングガイド220からリリースされ、回転自在とされ、ユーザによる記録又は再生の操作を待機する。
【0155】
なおサブスライダー151は、矢印h1方向へ移動されることにより、図16に示すように、先端部が回転支持部材71の折曲げ片81に突き当てられ回転支持部材71の矢印b2方向への回動を規制する。これにより、回転支持部材71が矢印b2方向へ回動され押出アーム72やセンタリングガイド220が回転駆動中の光ディスク2に当接する事態を防止することができる。
【0156】
また、本ディスクドライブ装置1の光ディスク2のローディング工程では、光ディスク2がターンテーブル23aにチャッキングされた後、スピンドルモータ24aを駆動させて光ディスク2を半回転させ、駆動モータ121を逆転させることによりベースユニット22を再度チャッキングまで上昇させるいわゆるダブルチャッキングを行う。これにより光ディスク2がターンテーブル23aに中途半端に係合されたまま記録再生される事態を防止することができる。
【0157】
記録再生動作が終了し、ユーザによって光ディスク2の排出操作がなされると、先ず、駆動機構120の駆動モータ121が逆転され、スライダー122が図17中矢印f2方向へスライドされる。これにより、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第3のガイド部66cから第2のガイド部66bへ移動することにより、図17中矢印a1方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の側面と当接される。
【0158】
また、サブスライダー151が同図中矢印h2方向へスライドされ、回転支持部材71への押圧が解除された後、スライダー122によって第3のリンクアーム100が矢印c2方向へ回動操作され、操作アーム58が矢印d2方向へ移動される。これにより第1のリンクアーム54も他端54bが矢印d2方向へ移動されるため、イジェクトアーム52は、第1のリンクアーム54の一端54aと係合されている回転支持部材71が矢印b2方向へ回動され、押出アーム72の当接部61が光ディスク2の側面と当接される。ここでイジェクトアーム52は、第2のリンクアーム55のガイド凸部113がループカム57の排出ガイド壁112c側に移動されているため、第1のリンクアーム54の係止部96とメインシャーシ6の係止部98とが離間されることなく回動され、引っ張りコイルバネ56による排出方向への付勢力は発生していない。
【0159】
さらに、スライダー122が矢印f2方向への移動に伴ってローディングカムプレート53が同方向へ移動されることにより、ローディングカムプレート53に押圧されていたデッキアーム200も光ディスク2の側面に当接される。
【0160】
次いで、さらにスライダー122が矢印f2方向へスライドされ、またサブスライダー151が図17中矢印h2方向へスライドされることにより、ベースユニット22を記録再生位置からチャッキング解除位置まで下降させる。これにより光ディスク2は、ボトムケース4より立設されているガイドピン180によって突き上げられ、ターンテーブル23aとのチャッキングが解除される。光ディスク2のチャッキングを解除するガイドピン180については後述する。
【0161】
なお、このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、ベースユニット22がチャッキング解除位置まで下降されたことがわかり、光ディスク2を安全にイジェクトできる状態となったことがわかる。
【0162】
その後、スライダー122と係合されている第3のリンクアーム100が、スライダー122の第1のガイド溝125をスライドすることによりさらに矢印c2方向へ回転されるため、操作アーム58は、さらに矢印d2方向へ移動される。図18に示すように、操作アーム58の矢印d2方向への移動に伴い第1のリンクアーム54が同方向へ移動されると、イジェクトアーム52は、操作アーム58の移動量に応じて図18中矢印b2方向へ回動され、光ディスク2を排出していく。
【0163】
このとき、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66に係合されることにより、ローディングカムプレート53のスライドに応じてのみ回動可能とされ、自由な回動が規制されている。そしてローディングアーム51は、ローディングカムプレート53がスライダー122とともに図18中矢印f2方向へスライドされることにより、係合凸部64が第2のガイド部66bから第1のガイド部66aへガイドされる。ローディングアーム51は第1のガイド部66aによって矢印a2方向への回動が規制されているが、イジェクトアーム52によって光ディスク2が筐体3の前面側に排出されていくとともに、第1のガイド部66aがスライダー122のスライドに応じて筐体3の前面側に移動していくことで矢印a2方向へ回動可能となるため、イジェクトアーム52による光ディスク2の排出を妨害することがない。
【0164】
またこのように、ローディングアーム51が、係合凸部64が第1のガイド部66aに当接されることで光ディスク2の排出方向である矢印a2方向への回動が規制され、スライダー122のスライド及びイジェクトアーム52の回動に対応して矢印a2方向へ回動可能とされることから、光ディスク2がデッキアーム200による排出方向への付勢を受けて、ディスク挿脱口19から急に飛び出すことを防止することができる。
【0165】
さらに、ローディングアーム51は、デッキ部4aに固定されている板バネ62によって常時光ディスク2を筐体3内に付勢する矢印a1方向へ付勢されている。したがって、ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のガイド部66aに当接される位置まで回動されると、板バネ62によって矢印a1方向へ付勢されるため、光ディスク2がイジェクトアーム52及びデッキアーム200によって排出方向へ移動される際に、挿入方向への付勢力を付与して、光ディスク2の飛び出しを防止する。なおこの板バネ62による付勢力はイジェクトアーム52の排出方向への回動力に比して微力でありイジェクトアーム52による光ディスク2の排出を妨害することはなく、また光ディスク2に対して過剰な負荷を与えるものでもない。
【0166】
また、第1のリンクアーム54が操作アーム58によって矢印d2方向へ移動されることにより、第2のリンクアーム55は、ガイド凸部113がループカム57の排出ガイド壁112c及び外周壁112dとで囲まれた領域を摺動していく。このとき、イジェクトアーム52の回転支持部材71も第1のリンクアーム54を介して操作アーム58によって矢印b2方向へ回動されることで、第1のリンクアーム54が係合された係合孔80が筐体3の背面側に向かってかつ矢印b2方向に移動される。これにより、係合孔80に係合されている第1のリンクアーム54は、角度を殆ど変えることなくほぼ同一の姿勢で筐体3の背面側に向かってかつ矢印d2方向へ移動する。メインシャーシ6に形成された係止部98はループカム57が係止された背面側の左側コーナ部近傍に形成されているため、第1のリンクアーム54の係止部96はメインシャーシ6の係止部98とほぼ等距離を保ちながら移動していき、引っ張りコイルバネ56が伸張されることがない。したがって、イジェクトアーム52は、引っ張りコイルバネ56に付勢されることなく、駆動機構120の駆動力によって排出方向である矢印b2方向へ回動されることとなり、スライダー122のスライドに応じた量だけ回動されるため、光ディスク2を引っ張りコイルバネ56の付勢力により弾き出すことなく、光ディスク2を所定の排出位置に安定して排出することができる。
【0167】
なおこのとき、ディスク搬送機構50は、光ディスク2がフロントパネル18のディスク挿脱口19に設けられたパネルカーテンに摺接されることにより、イジェクトアーム52及び第1のリンクアーム54に相対的に矢印b1方向への付勢力が作用した場合、上述したように、第2のリンクアームの係合突部116が操作アーム58のカム溝108内の側壁に当接されることにより第1のリンクアーム54の矢印d2方向への回転が規制されていることから、スライダー122の矢印f2方向へのスライド量に応じた分だけ矢印d2方向へ移動される操作アーム58に伴って第1のリンクアーム54及びイジェクトアーム52が回動されることとなる。したがってディスク搬送機構50は、矢印b1方向への付勢力に対抗してイジェクトアーム52をスライダー122のスライド動作に応じた量だけ回動させることができる。
【0168】
そして、図19に示すように、スライダー122が初期位置まで移動されると検出スイッチが押圧されることによりスライド動作が停止され、これに応じてイジェクトアーム52も、操作アーム58及び第1のリンクアーム54によって初期位置まで回動され、光ディスク2をディスク挿脱口19から中心孔2aが排出された位置で停止させる。このとき第1〜第4のスイッチSW1〜4の押下状態が検出されることにより、イジェクトアーム52によって光ディスク2が所定の排出位置まで搬送されたことがわかり、駆動モータ121の駆動を停止させる。
【0169】
ここで、ユーザにより挿入された光ディスク2のローディングアーム51による引き込みタイミング及び光ディスク2の排出時におけるローディングアーム51の排出規制タイミングは、第1のガイド部66aのローディングカムプレート53のスライド方向の位置及び第2のガイド部66bの長さによって決まる。
【0170】
すなわち、上述したようにローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66にガイドされることにより回動が規制されており、イジェクトアーム52が矢印b2方向に回動され光ディスク2の排出が開始されると、第2のガイド部66b及び第1のガイド部66aに係合凸部64が当接されることにより光ディスク2の排出方向である矢印a2方向への回動が規制され、第1のガイド部66aの矢印f2方向への移動量に応じて矢印a2方向への回動量が決まっていた。したがって、第2のガイド部66bの長さを短くし、その分第1のガイド部66aの位置をローディングカムプレート53のスライド方向の前面側(矢印f2方向)に移動させれば、それだけ係合凸部64が第2のガイド部66bから第1のガイド部66aに規制されるタイミングが早まり、イジェクトアーム52の矢印b2方向への回動に対して相対的に早いタイミングで矢印a2方向への回動が可能となる。これにより、イジェクトアーム52による光ディスク2の排出動作に対して、ローディングカムプレート53によるローディングアーム51の回動タイミング遅れることによって、ローディングアーム51が光ディスク2の排出操作を阻害する事態を防止することができる。
【0171】
一方、ローディングカムプレート53の第1のガイド部66aの位置及び第2のガイド部66bの長さによって、光ディスク2の引き込みタイミングも決まる。すなわち、光ディスク2がユーザによって挿入され、駆動機構120が起動されるとスライダー122及びローディングカムプレート53が矢印f1方向へ移動される。これにより係合凸部64が矢印f1方向へ移動する第1のガイド部66aに当接されるため、ローディングアーム51が矢印a1方向へ回動され、ユーザによって挿入された光ディスク2を筐体3の背面側に引き込んでいく。したがって、第2のガイド部66bを長く取り、第1のガイド部66aのローディングカムプレート53のスライド方向の位置をスライド方向背面側(矢印f1方向)に形成すれば、それだけディスク挿脱口19からの挿入深さが浅い段階、すなわちユーザが光ディスク2を深く挿入しなくともローディングアーム51による引き込みを開始することができる。
【0172】
そこで、ディスク搬送機構50では、かかるローディングアーム51による光ディスク2の排出動作に対する阻害防止及び光ディスク2の早期の引き込みを可能とするようにローディングカムプレート53の第1のガイド部66aの形成位置及び第2のガイド部66bの長さを決めている。そして、このディスクドライブ装置1では、図13に示すように、例えば直径が12cmの光ディスクを用いた場合、ディスク挿脱口19から光ディスクの挿入方向背面側の側面までの距離が約23mm〜30mmの位置まで挿入されると、ローディングアーム51による引き込みが可能となるように設計することができる。このようにディスクドライブ装置1は、光ディスク2の引き込み位置をディスク挿脱口19から離れた位置とすることで、ユーザによる挿入距離を短くでき、筐体3の奥まで光ディスク2を挿入せずに引き込みが可能となるため使用感を向上させることができる。
【0173】
また、光ディスク2の引き込み時におけるローディングアーム51の挿入方向(矢印a1方向)への引き込みタイミングと、イジェクトアーム52による光ディスク2の排出動作時におけるローディングアーム51の排出方向(矢印a2方向)への回動タイミングは、ローディングカムプレート53に形成された第1のカム溝66によって規定し得るが、このローディングカムプレート53は、光ディスク2の引き込み時及び排出時におけるスライダー122の挿脱方向(矢印f1、f2方向)への往復駆動によって操作される。またスライダー122は、光ディスク2の引き込み時にも排出時にも同一のルートを同じ量だけ同じスピードでスライドされる。したがって、光ディスク2の引き込み時、及び排出時において、スライダー122及びローディングカムプレート53のスライド量に対するローディングアーム51の矢印a1方向及びa2方向への回動量は同じとされ、ローディングアーム51の矢印a1方向への回動と矢印a2方向への回動はスライダー122及びローディングカムプレート53のスライド位置によって一義的に定まる。
【0174】
一方、光ディスク2を排出方向(矢印b2方向)へ回動するイジェクトアーム52は、光ディスク2の挿入時におけるスライダー122のスライド量に対する挿入方向(矢印b1方向)への回動量と、排出時におけるスライダー122のスライド量に対する排出方向(矢印b2方向)への回動量とは異なる。これは光ディスク2の引き込み時においては、イジェクトアーム52は、スライダー122が駆動される前にユーザの挿入動作によってある程度挿入方向(矢印b1方向)へ回動されているのに対し、光ディスク2の排出時においては、ユーザによる挿入分まで含め光ディスク2を排出させることによる。すなわち、光ディスク2の引き込み時と排出時においてスライダー122のスライド量は同じであるにもかかわらず、スライダー122のスライドに応じて回動されるイジェクトアーム52の回動量は異なることによる。
【0175】
かかる光ディスク2の挿排出時においてスライダー122の移動に対するイジェクトアーム52の回動タイミングの相違は、イジェクトアーム52の回転支持部材71と第1のリンクアーム54を介して連結されている第2のリンクアーム55がループカム57によってその移動軌跡を光ディスク2の挿入から排出にかけて規制されることによる。すなわち、スライダー122が駆動されていない状態において光ディスク2がディスク挿脱口19より挿入されイジェクトアーム52が矢印b1方向へ回動されるとき、第2のリンクアーム55は挿入ガイド壁112aにガイドされる。そしてスライダー122が筐体3の前面から背面にかけて駆動されることによりイジェクトアーム52がさらに矢印b1方向へ回動され光ディスク2がディスク装着部23まで引き込まれるとき、第2のリンクアーム55は引き込みガイド壁112bにガイドされる。そしてスライダー122が筐体3の背面から前面にかけて駆動されることによりイジェクトアームが矢印b2方向へ回動され光ディスク2がディスク装着部23からディスク挿脱口19まで排出されるとき、第2のリンクアーム55は排出ガイド壁112cにガイドされ挿入ガイド壁112aまで移動される。このように光ディスク2の挿入及び引き込み時におけるスライダー122の移動量に対する第2のリンクアーム55がループカム57によってガイドされる移動量と、光ディスク2の排出時におけるスライダー122の移動量に対する第2のリンクアーム55がループカム57によってガイドされる移動量とは異なるように構成されている。
【0176】
このように、ローディングアーム51とイジェクトアーム52とは、いずれもスライダー122のスライド動作に応じて回動されるものであるが、ローディングアーム51はスライダー122と共に直線状に往復駆動されるローディングカムプレート53によって操作されるのに対して、イジェクトアーム52はスライダー122の往復軌道に対して周回軌道をとる第2のリンクアーム55によって移動軌跡が制御される。かかるディスク搬送機構50においても、スライダー122に往復軌道に対するループカム57のガイド溝114を周回する第2のリンクアーム55のガイド凸部113の軌道を一義的に定めることは可能であり、スライダー122の往復駆動に対してローディングアーム51とイジェクトアーム52との回動タイミングを合わせることはできる。
【0177】
ここで、第2のリンクアーム55のガイド凸部113が摺動されるループカム57のガイド溝114について、光ディスク2の挿入から排出にわたるイジェクトアーム52及びスライダー122の移動に応じて移動するガイド凸部113の軌跡に対してマージンを取らず、狭小に形成した場合、ループカム57や各種アーム類の精度誤差や取り付け誤差、経年変化等によってガイド凸部113のスムーズな移動ができなくなり、またガイド凸部113がガイド溝114を周回できなくなる恐れがある。そこでループカム57は、ガイド凸部113が周回するガイド溝114をある程度の幅を持たせる必要がある。
【0178】
一方で、ガイド溝114に幅を持たせることで、スライダー122の移動に対して第2のリンクアーム55及びイジェクトアーム52が精度よく追従されなくなる恐れが出てくる。例えば、光ディスク2の排出時において、スライダー122が矢印f2方向へ移動されるに伴って操作アーム58及び第1のリンクアーム54を介して移動される第2のリンクアーム55の排出ガイド壁112cへの摺動タイミングと、スライダー122のスライドにともなうローディングカムプレート53のスライドタイミングにズレが生じ、イジェクトアーム52の矢印b2方向への回動タイミングとスライダー122のスライドに応じて矢印a2方向へ回動されるローディングアーム51との回動タイミングとの間にズレが生じ得る。このため、イジェクトアーム52によって光ディスク2が排出されようとしているときにローディングアーム51が開放されず、光ディスク2の排出を妨げてしまう恐れがある。
【0179】
このようなイジェクトアーム52の排出タイミングとローディングアーム51の開放タイミングとのズレを吸収しイジェクトアーム52による光ディスク2の排出をスムーズに行うために、ローディングアーム51に穿設され回動支持部材63が挿通される挿通孔60は、長孔状に形成されている。ローディングアーム51は、挿通孔60が長孔状に形成されることにより、回動支点が挿通孔60の長手方向に沿って移動することとなる。これによりローディングアーム51は、イジェクトアーム52に押圧された光ディスク2によって矢印a2方向へ付勢されると、回動支点が移動し同方向へ回動可能とされる。したがってスライダー122のストロークに伴うイジェクトアーム52とローディングアーム51との回動タイミングにズレが生じた場合でも、光ディスク2の排出を妨げることがない。
【0180】
また、ローディングアーム51の挿通孔60を長孔状に形成することにより、ローディングカムプレート53に形成された第1のカム溝66の第1のガイド部66aを筐体3の背面側に設けて第2のガイド部66bを長くすることにより光ディスク2の引き込みタイミングを早めた場合にも、光ディスク2の排出時においてローディングアーム51の矢印a2方向への開放タイミングが遅れることを防止することができる。
【0181】
すなわち、ローディングアーム51は係合凸部64が第1のカム溝66の第1のガイド部66aに押圧されることにより光ディスク2を筐体3内に引き込む矢印a1方向へ回動されることから、スライダー122のスライド開始からできるだけ早く第1のガイド部66aと接触すればユーザの手による光ディスク2の挿入距離を短くすることができる。反面、ローディングアーム51は、係合凸部64が第1のカム溝66の第2のガイド部66bにガイドされた後、第1のガイド部66aに沿って移動されることにより筐体3の外へ光ディスク2を排出させる矢印a2方向へ回動可能となることから、第2のガイド部66bが長く設けられることにより、イジェクトアーム52が光ディスク2を排出する矢印b2方向へ回動されている状態で、係合凸部64が第1のガイド部66a側に移動されないと、ローディングアーム51が矢印a2方向へ回動できず光ディスク2の排出が阻害されてしまう。
【0182】
このとき、挿通孔60を長孔状に形成することによって、回動支点がずれるため、ローディングアーム51は、矢印a2方向へ回動することができ、光ディスク2の排出時においてローディングアーム51の矢印a2方向への開放タイミングが遅れることを防止することができる。
【0183】
なお、ローディングアーム51に長孔状の挿通孔60を設け、デッキ部4a上に回動支持部材63を設けるほか、ローディングアーム51に円筒状の回動支持部材63を突設し、デッキ部4aに長孔状の挿通孔60を穿設し、ローディングアーム51を回動自在に支持するようにしてもよい。
【0184】
ここで、ディスク搬送機構50は、光ディスク2が所定量挿入され駆動モータ121の駆動が開始された状態で、ユーザが挿入する光ディスク2を間違えたことに気づくなどして咄嗟に光ディスク2を掴んだ場合、駆動モータ121を停止させた後、反転駆動することにより、光ディスク2をイジェクトする。
【0185】
具体的に、光ディスク2がディスク挿脱口19より所定量挿入され、駆動モータ121が駆動されると、スライダー122及びローディングカムプレート53の矢印f1方向への移動に伴って、ローディングアーム51が矢印a1方向へ回動される。ここでユーザによって光ディスク2が掴まれると、ローディングアーム51の回動が規制される一方、ローディングカムプレート53はスライダー122とともに矢印f1方向へスライドされるため、ローディングアーム51に突設された係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のガイド部66aに係止される。これによりスライダー122及びローディングカムプレート53の矢印f1方向へのスライドが規制される。このままの状態で、所定時間が経過すると、駆動モータ121が逆転駆動され、上述した光ディスク2の挿入過程とは逆の過程で光ディスク2が排出される。
【0186】
このとき、光ディスク2が所定量挿入されることにより第2のリンクアーム55のガイド凸部113もループカム57の挿入ガイド壁112aを摺動されていることから、第1のリンクアーム54の係止部96とメインシャーシ6の係止部98とは互いに離間する方向に移動され、両者に架け渡されている引っ張りコイルバネ56は伸張されている。したがって、駆動モータ121が逆転駆動され、スライダー122が矢印f2方向へスライドされ終わると、イジェクトアーム52は、引っ張りコイルバネ56の付勢力を受けた第1のリンクアーム54が回転され、矢印b2方向へ回動される。したがって、ディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52が、引っ張りコイルバネ56によって光ディスク2をディスク挿脱口19外へ排出する矢印b2方向へ回動付勢され、引っ張りコイルバネ56の付勢力によって光ディスク2を排出する。
【0187】
このため、第2のリンクアーム55のガイド凸部113が排出ガイド壁112c側を通らずに挿入ガイド壁112aを逆行することで、スライダー122の矢印f2方向へのスライドによってはイジェクトアーム52を排出位置まで回動させることはできないが、光ディスク2の挿入時に蓄えられた引っ張りコイルバネ56の付勢力によってイジェクトアーム52を排出位置まで回動させることができる。したがって、光ディスク2のローディング時に光ディスク2が掴まれることにより駆動モータ121の駆動が停止されて、光ディスク2がディスク挿脱口19から中途半端に臨まされた状態で放置される事態を防止することができる。
【0188】
なお、かかる光ディスク2の異常な搬送は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態をマイコンがモニタすることにより検出することができる。すなわち、第1のスイッチSW1がイジェクトアーム52により押下された状態からベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されていることを検出するまでにスライダー122が移動する時間が所定時間、例えば3秒以上かかった場合や、ベースユニット22がチャッキング解除位置からチャッキング位置を経て記録再生位置まで移動されるまでの時間が所定時間以上かかった場合には異常搬送であることを検出し、駆動モータ121を停止させ、また反転させることにより光ディスク2をイジェクトさせる。
【0189】
また、光ディスク2の排出時に、ディスク挿脱口19の前方に書籍等の障害物が載置されている場合、光ディスク2が当該障害物と当接し排出することができなくなり、駆動機構120の駆動モータ121に過剰な負荷がかかってしまう。また、駆動モータ121の駆動力を受けて回動されるイジェクトアーム52と当該障害物とで光ディスク2を挟み込むことで、光ディスク2にも過剰な負荷を与えてしまう。
【0190】
ここで、ディスクドライブ装置1は、図23に示すように、イジェクトアーム52の回転支持部材71と押出アーム72とがカシメ軸89によって開口部77及び係合凸部85を中心に矢印b1方向及びb2方向へ回転自在に係合されるとともに、コイルバネ73によって矢印b2方向へ所定の力で付勢されている。したがって、光ディスク2の排出時に、光ディスク2の排出を阻む障害物が載置され、光ディスク2の排出方向(矢印b2方向)と反対方向の力がイジェクトアーム52にかかった場合にも、当該反対方向の力を受けた押出アーム72が矢印b1方向へ回動することにより、駆動モータ121や光ディスク2に過剰な負荷がかかる事態を防止することができる。
【0191】
そして、ディスクドライブ装置1は、イジェクトアーム52の押出アーム72が矢印b1方向へ回動されると駆動モータ121の駆動を停止する。そのまま、ディスク挿脱口19の前方に障害物が載置され光ディスク2の排出が妨害された状態で所定時間が経過すると、再び光ディスク2をディスク装着部23側に引き込んでいく。すなわち、光ディスク2がディスク挿脱口19から外部へ排出されていき、光ディスク2の一側面が障害物と当接して、光ディスク2の排出が所定時間だけ停止されると、駆動モータ121は、それまでとは逆に回転される。したがって、上述した第1、第2のリンクアーム54,55及び操作アーム58が上記と逆に移動され、光ディスク2のローディング動作を行う。なお、この場合も、第2のリンクアーム55のガイド凸部113は排出ガイド壁112cを逆行していくため第1のリンクアーム54とメインシャーシ6の係止部98とは、互いに離間することなく移動されるため、引っ張りコイルバネ56は伸張されず、イジェクトアーム52に排出方向への付勢力は働かない。
【0192】
これにより、ディスクドライブ装置1は、光ディスク2が排出方向に回動されるイジェクトアーム52と障害物との間に挟まれた状態で放置される事態を防止することができ、駆動モータ121や光ディスク2に過剰な負荷がかかることを防止することができる。
【0193】
なお、かかる光ディスク2の異常な搬送は、回路基板59に実装された第1〜第4のスイッチSW1〜SW4の押下状態をマイコンがモニタすることにより検出することができる。すなわち、駆動モータ121が反転されてベースユニット22が記録再生位置からチャッキング位置を経てチャッキング解除位置まで下降されるまでにスライダー122が移動する時間が所定時間、例えば3秒以上かかった場合や、ベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されてから第1〜第4のスイッチSW1〜SW4が全て押下されない状態までにスライダー122が移動する時間が所定時間以上かかかった場合には異常搬送であることを検出し、駆動モータ121を停止させ、また正転させることにより光ディスク2をローディングさせる。
【0194】
なおループカム57は、ガイド溝114の挿入ガイド壁112aと引き込みガイド壁112bとの各延長方向にガイド凸部113の可動領域114aを大きく設けている。可動領域114aは、ディスクドライブ装置1の電源が入っていない状態で光ディスク2が筐体3の最深部まで挿入された場合に、ガイド凸部113とループカム57の外周部112dとが衝突しディスク搬送機構50が破損することを防止するものであり、光ディスク2の挿入に伴うガイド凸部113の最大可動範囲を確保している。
【0195】
すなわち図35に示すように、ディスクドライブ装置1の電源が入っている状態では、光ディスク2が挿入されると、駆動モータ121が駆動され、スライダー122の矢印f1方向へのスライド及び操作アーム58の矢印d1方向への移動に応じてガイド凸部113は引き込みガイド壁112bを排出ガイド壁112c側へ移動する。しかしディスクドライブ装置1の電源が入っていない状態では、光ディスク2が筐体3の奥まで挿入されても駆動モータ121が駆動されないため、ガイド凸部113は、操作アーム58及び第2のリンクアーム55によって排出ガイド壁112c側へは移動されない。したがって第2のリンクアーム55のガイド凸部113は、ユーザが本来の引き込み開始位置よりさらに奥へ光ディスク2を押し込むと、イジェクトアーム52が矢印b1方向へさらに回動されることによってガイド溝114の本来のルートから外れて外周部112dと衝突し、ループカム57や第1、第2のリンクアーム54,55又はイジェクトアーム52に過剰な負荷を与えてしまう。
【0196】
そこで、ループカム57は、電源が入っていない状態で光ディスク2が筐体3の最深部まで挿入された場合のガイド凸部113の最大可動範囲を可動領域114aとして確保している。これによりディスクドライブ装置1は、電源が入っていない状態において光ディスク2が筐体3の最深部まで挿入された場合や、電源が入っている状態においても、ユーザがローディングアーム51による光ディスク2の引き込みを待たず、筐体3の最深部まで押し込んだ場合でも、ガイド凸部113とループカム57との衝突によるディスク搬送機構50の破損を防止することができる。
【0197】
以上のように、本発明が適用されたディスクドライブ装置1のディスク搬送機構50によれば、光ディスク2の挿入時には、ユーザによって光ディスク2が所定位置まで挿入される過程では、ループカム57の挿入ガイド壁112aに第2のリンクアーム55のガイド凸部113が摺動されることにより第1のリンクアーム54とメインシャーシ6の係止部98とを互いに離間する方向にガイドすることで両者の間に架け渡されている引っ張りコイルバネ56による排出方向への付勢力をイジェクトアーム52に働かせることができるため、ユーザによる光ディスク2の挿入が中止されることにより光ディスク2が筐体3内に中途半端に挿入された状態で放置される事態を防止することができる。
【0198】
また、光ディスクの引き込み時には、ループカム57の引き込みガイド壁112bにガイド凸部113が摺動されることにより第1のリンクアーム54と係止部98とを近接させるとともに操作アーム58によってさらにイジェクトアーム52を引き込み方向に回動させることによりイジェクトアーム52に与えられていた引っ張りコイルバネ56による排出方向への付勢力をなくし、駆動機構120の駆動力を受けたスライダー122及び操作アーム58の操作に応じてイジェクトアーム52を回動させることができる。
【0199】
そして光ディスク2の排出時には、ループカム57の排出ガイド壁112cにガイド凸部113が摺動されることにより第1のリンクアーム54と係止部98とが離間することなくスライダー122及び操作アーム58の操作に応じた量だけイジェクトアーム52を排出方向へ回動させることができる。
【0200】
したがってディスク搬送機構50は、弾性力に頼ることなく駆動機構120の駆動力によって、光ディスク2を光ディスク2の中心孔2aが筐体3外へ排出される所定の停止位置へ安定的に排出することができる。
【0201】
さらに、ディスク搬送機構50は、光ディスク2の排出時において引っ張りコイルバネ56の付勢力によってイジェクトアーム52を回動させる機構を採用していないため、かかる付勢力を受けたイジェクトレバーが光ディスクと当接する際等に発生する当接音もない。したがって、ディスクドライブ装置1は、光ディスク2の排出時におけるノイズもなく使用感を向上させることもできる。
【0202】
次いで、光ディスク2の挿脱時における安定した搬送を行うために光ディスク2を支持する支持アームの機能を果たすデッキアーム200について説明する。デッキアーム200は、図11に示すように、ボトムケース4のデッキ部4a上であって筐体3の背面側に回動自在に設けられ、光ディスク2の挿入を待機している状態においてはディスク挿脱口19側に回動付勢され、挿入された光ディスク2を支持し、光ディスク2のディスク装着部23等への衝突を防止し、挿脱時における安定した搬送を行う。具体的にデッキアーム200は、図37に示すように、デッキ部4aに回動自在に支持されることにより光ディスク2と当接されるアーム部材201と、アーム部材201と同軸に支持されアーム部材201を押圧する押圧板202と、アーム部材201を回動付勢するコイルバネ203とを有し、アーム部材201及び押圧板202とがカシメ軸204によって回動自在にデッキ部4aに取り付けられている。
【0203】
アーム部材201は、略矩形板状の回動板201aと、回動板201aの長手方向の一側縁より立設されるとともに長手方向に延設されるアーム部201bとを備え、このアーム部201bの先端に光ディスク2と当接される当接部材205が設けられている。回動板201aは、長手方向の一端にデッキ部4aに支持される回動支持部が設けられ、他端側に押圧板202の回動をガイドするガイド片206が設けられている。またアーム部201bは、長手方向の回動支持部側の端部にコイルバネ203の一端203aが係止されるスリット207が形成されている。
【0204】
このアーム部材201と同軸に支持される押圧板202は、光ディスク2がターンテーブル23aに装着される際にアーム部材201をディスク外周から確実に離間させるためのものであり、アーム部材201の回動板201a上に重ねて配設される主面部202aと、主面部202aのアーム部201b側の一側縁より立ち上がり形成され該アーム部201bを押圧する押圧アーム202bとを備える。主面部202aは略矩形状に形成され、長手方向の一端にアーム部材201と共にデッキ部4aに支持される回動支持部が設けられ、他端側にアーム部材201の回動板201aに形成されたガイド片206にガイドされるガイド凸部208が突設されている。押圧板202は、このガイド凸部208がガイド片206にガイドされることにより、回動板201aからの浮き上がりが防止されている。また押圧板202は、押圧アーム202bが設けられた側縁と反対側の側縁部に、矢印f1方向へスライドされたローディングカムプレート53の先端部に当接される当接片209が形成されている。デッキアーム200は、当接片209がローディングカムプレート53に押圧されることにより矢印i1方向へ回動され、アーム部201bの先端部に設けられた当接部材205が光ディスク2の外周面から離間される。
【0205】
主面部202aから立設された押圧アーム202bは、アーム部材201側に延設され、先端がアーム部材201のアーム部201bに当接されている。かかる押圧アーム202bは、押圧板202の主面部202aがローディングカムプレート53に押圧されるとアーム部201bを矢印i1方向へ押圧するものである。
【0206】
これらアーム部材201及び押圧板202はデッキ部4a上においてカシメ軸204によって回動自在に支持されるとともに、このカシメ軸204にコイルバネ203が巻回され、このコイルバネ203によって常時光ディスク2の排出方向である矢印i2方向へ回動付勢されている。かかるコイルバネ203は、一端203aを上記アーム部201bのスリット207に係止され、他端203bをコイルバネ203による付勢力を規制する規制アーム212に係止されている。
【0207】
規制アーム212は、デッキアーム200が筐体3の背面側である矢印i1方向へ回動されていった場合に、コイルバネ203の他端203bを移動させることにより矢印i2方向への付勢力が増大していくことを防止するためのものである。すなわち、規制アーム212は、光ディスク2の搬送に応じてコイルバネ203の支点である他端203bを移動させる移動部材である。この規制アーム212は、デッキアーム200と同様にデッキ部4a上に回動自在に取り付けられたアーム本体213と、アーム本体213の一端213a側に設けられ上記コイルバネ203の他端203bが係止されるバネ係止部214と、アーム本体213の他端213b側に設けられ、上記ローディングカムプレート53に形成された第1のカム溝66の第4のガイド部66dに係合される回動ガイド部215とを備える。
【0208】
アーム本体213は長尺状に形成され、長手方向の略中間に、アーム本体213をデッキ部4aに回動自在に係止される回動支持ピン217が挿通される挿通片216が設けられている。挿通片216には回動支持ピン217が挿通される挿通孔216aが穿設されている。そしてアーム本体213は、この挿通片216に回動支持ピン217が挿通されることにより、挿通片216を支点に回動自在にデッキ部4aに係止される。また回動支持ピン217は、挿通孔216aを介してデッキ部4a上に突設されることにより、ローディングカムプレート53にスライド方向と平行に形成された第3のカム溝69に挿通され、ローディングカムプレート53のスライドをガイドする。
【0209】
アーム本体213の一端213aに形成されたバネ係止部214は、コイルバネ203の他端203bが係止される。これによりコイルバネ203は、一端203aがアーム部201bのスリット207に係止されているアーム部材201と規制アーム212とを所定の間隔に保持する。またコイルバネ203は、光ディスク2が挿入されることによりアーム部材201が矢印i1方向へ回動されるため、規制アーム212の回動が規制されると、カシメ軸204に挿通されている巻回部203cを中心にアーム部201bのスリット207に係止されている一端203aが他端203bと離間する方向に移動されていく。これによりコイルバネ203の一端203aが他端203b側に付勢されることから、この付勢力を受けたアーム部材201のアーム部201bも、光ディスク2が筐体3内に挿入されるにつれて筐体3の前面側である矢印i2方向に付勢されていく。したがってコイルバネ203の付勢力を受けたデッキアーム200に対して排出方向への付勢力が与えられるため、デッキアーム200は挿入された光ディスク2をイジェクトアーム52及びローディングアーム51とによって、挟み支持することができる。
【0210】
アーム本体213の他端203bに設けられた回動ガイド部215は、図21に示すように、ローディングカムプレート53の第4のガイド部66dに挿通されることにより、ローディングカムプレート53の矢印f1方向及びf2方向へのスライドに応じて規制アーム212を回動させ、コイルバネ203の付勢力を制御するものである。すなわち、図13、図14及び図15に示すように、回動ガイド部215は、光ディスク2が挿入されることによりローディングカムプレート53がスライダー122とともに矢印f1方向へスライドされると、第4のガイド部66dにガイドされることによりアーム本体213が挿通片216を支点に回動され、バネ係止部214が矢印i1方向へ回動するデッキアーム200に追従させる矢印j1方向へ回動される。バネ係止部214がデッキアーム200に追従することにより、コイルバネ203は、アーム部201bに係止されている一端203aとバネ係止部214に係止されている他端203bとが離間されなくなるため、デッキアーム200の矢印i1方向への回動に伴い付勢力が増加することもない。したがって、デッキアーム200の回動に伴って規制アーム212が追従することにより、アーム部材201を排出方向へ付勢するコイルバネ203の付勢力が一定の状態を維持することができ、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込み動作を大きく阻害することがない。
【0211】
また回動ガイド部215は、ローディングカムプレート53が矢印f2方向へスライドされると、図18に示すように、第4のガイド部66dにガイドされることにより回動され、バネ係止部214が矢印j2方向へ回動される。このときデッキアーム200も、コイルバネ203の付勢力によって一端203aが他端203bに近接する方向に付勢されることから、アーム部材201が矢印i2方向へ回動される。そして光ディスク2が排出され、バネ係止部214の矢印j2方向への回動が停止すると、デッキアーム200も初期位置まで回動され、光ディスク2の挿入を待機する。
【0212】
なおアーム部201bの先端に設けられている当接部材205は、光ディスク2よりも柔らかい樹脂からなり、ディスク挿脱口19から挿入された光ディスク2の外周部と当接される中央部分が内側に湾曲し、その下端部に拡径されたフランジ部が形成され光ディスク2の高さ方向の移動を規制可能に形成されている。
【0213】
なお、デッキアーム200は、上述のように、光ディスク2を一定の力で支持し、搬送させることに限らず、小径の光ディスク101の誤挿入を防止するとともに、大径の光ディスク2のセンタリングを図ることもできる。すなわち、デッキアーム200は、ディスクドライブ装置1が大径(例えば直径12cm)の光ディスク2専用に形成されている場合に、ユーザが誤って小径(例えば直径8cm)の光ディスク101を挿入してしまう事態に備えることができる。
【0214】
小径ディスク101がイジェクトアーム52の押出アーム72に当接された場合には、図36に示すように、第1のリンクアーム54に係止されている引っ張りコイルバネ56あるいは押出アーム72に係合されているコイルバネ73による矢印b2方向への付勢力によってディスク挿脱口19外へ押し戻され、またイジェクトアーム52を駆動機構120が駆動される位置まで回動することはない。一方、小径ディスク101がローディングアーム51側に偏倚して挿入された場合には、イジェクトアーム52の押出アーム72に当接されず筐体3の奥まで挿入され、イジェクトアーム52の回動領域から外れた位置に残存してしまうおそれがある。
【0215】
そこでイジェクトアーム52と反対側のデッキ部4aに設けられたデッキアーム200によって、小径ディスク101がローディングアーム51側に偏倚して挿入されたときにも、筐体3の奥まで小径ディスクが挿入されることを防止することができる。
【0216】
次いで、以上のようなデッキアーム200及び規制アーム212の、光ディスク2の挿入、引き込み及び排出工程における動作について説明する。図11に示すように光ディスク2の挿入を待機している状態においては、規制アーム212は、回動ガイド部215がローディングカムプレート53の第4のガイド部66dにガイドされることによりバネ係止部214が矢印j2方向へ回動されている。またデッキアーム200は、バネ係止部214が矢印j2方向へ回動されることにより、コイルバネ203の一端203aに付勢されアーム部材201が矢印i2方向へ回動されている。このときデッキアーム200は、ガイド片206の先端部がローディングカムプレート53の先端に当接することにより矢印i2方向への回動が規制されている。
【0217】
また光ディスク2の挿入を待機している状態において、イジェクトアーム52及びデッキアーム200は、押出アーム72と当接部材205との少なくとも一方が、ディスク挿脱口19より挿入された小径ディスク101と当接可能とされている。そして図38に示すように、デッキ部4a側に偏倚して筐体3内に小径ディスク101が挿入されると、デッキアーム200は、当接部材205が小径ディスク101に押圧されることにより、アーム部201bが矢印i1方向へ回動される。したがってアーム部201bに係止されているコイルバネ203の一端203aがバネ係止部214に係止されている他端203bと離間されることから、デッキアーム200には排出方向である矢印i2方向へコイルバネ203の付勢力が生じる。小径ディスク101はディスク挿脱口19から全部挿入されたときでも駆動機構120は駆動されないため、デッキアーム200によって筐体3外へ排出される。これにより誤って小径ディスク101が挿入されたときでも、小径ディスク101が筐体3内に残存することなく確実に排出することができる。
【0218】
大径の光ディスク2が挿入されると、デッキアーム200は、光ディスク2に押圧されてアーム部材201が矢印i1方向へ回動する。図12に示すように、光ディスク2の挿入工程においては、駆動機構120は駆動されずスライダー122及びローディングカムプレート53はスライドされないため、規制アーム212のバネ係止部214は回動されない。したがってアーム部材201が矢印i1方向へ回動されると、コイルバネ203は、アーム部材201に係止されている一端203aと、バネ係止部214に係止されている他端203bとが離間していき、デッキアーム200に矢印i2方向への付勢力を付与する。
【0219】
光ディスク2の引き込み工程に移ると、スライダー122の矢印f1方向へスライドに伴ってローディングカムプレート53が同方向へスライドされる。ローディングカムプレート53がスライドされると、図13、図14及び図15に示すように、ローディングアーム51による光ディスク2の引き込みによりデッキアーム200がさらに矢印i1方向へ回動されると共に、第1のカム溝66の第4のガイド部66dにガイドされて規制アーム212が挿通片216を支点に回動されバネ係止部214が矢印j1方向へ回動され、デッキアーム200に追従していく。したがって、デッキアーム200に装着されているコイルバネ203は、アーム部材201に係止されている一端203aと、バネ係止部214に係止されている他端203bとが離間されることがなく、デッキアーム200に働く付勢力が増加することがない。これによりコイルバネ203によるデッキアーム200の矢印i2方向への付勢力が光ディスク2を引き込むにつれて増加し、ローディングアーム51による引き込み動作を阻害してしまうことを防止することができる。なお光ディスク2の引き込み工程においても、デッキアーム200にはコイルバネ203による矢印i2方向への付勢力が効いているため、当接部材205は、光ディスク2の外周部を同方向に所定の力で付勢しており、光ディスク2を支持することができる。
【0220】
光ディスク2がほぼディスク装着部23上に引き込まれると、図16に示すように、デッキアーム200は、押圧板202の当接片209がローディングカムプレート53の先端部に突き当てられ、さらに矢印i1方向へ回動される。押圧板202がローディングカムプレート53に押圧されると、主面部202aから延設されている押圧アーム202bがアーム部材201のアーム部201bを矢印i1方向へ付勢する。これによりデッキアーム200は、アーム部201bに取り付けられている当接部材205をターンテーブル23aに装着された光ディスク2の外周面から確実に離間させることができる。
【0221】
光ディスク2の排出工程においては、ローディングカムプレート53がスライダー122により矢印f2方向へ移動される。ローディングカムプレート53がスライドされると、ローディングアーム51が筐体3の前面側である矢印a2方向へ回動され、またイジェクトアーム52が矢印b2方向へ回動されることにより光ディスク2が排出されていく。また図18に示すように、ローディングカムプレート53がスライドされることにより規制アーム212は回動ガイド部215が第4のガイド部66dにガイドされて挿通片216を支点に回動され、バネ係止部214が矢印j2方向へ回動されていく。これによりバネ係止部214とともにコイルバネ203の他端203bが矢印j2方向へ回動されることから、コイルバネ203の一端203a及びこの一端203aに係止されるアーム部材201がコイルバネ203の付勢力によって同方向へ回動されていく。なおデッキアーム200は、規制アーム212の回動に応じてコイルバネ203が回転されているため、コイルバネ203の付勢力は増加されず、コイルバネ203の付勢力によって光ディスク2を弾き出すことはない。
【0222】
ローディングカムプレート53のスライドが停止されると、規制アーム212の回動も停止されることから、コイルバネ203の付勢力によるデッキアーム200の回動も停止され、光ディスク2の挿入を待機する初期位置に戻る。
【0223】
なお、デッキアーム200は、小径の光ディスク101の誤挿入を防止させるようにしてもよい。この場合、光ディスク2の挿入を待機している状態において、イジェクトアーム52及びデッキアーム200は、押出アーム72と当接部材205の少なくとも一方が、ディスク挿脱口19より挿入された小径ディスク101と当接可能とされている。そして図38に示すように、デッキ部4a側に偏倚して筐体3内に小径ディスク101が挿入されると、デッキアーム200は、当接部材205が小径ディスク101に押圧されることにより、アーム部201bが矢印i1方向へ回動される。したがってアーム部201bに係止されているコイルバネ203の一端203aがバネ係止部214に係止されている他端203bと離間されることから、デッキアーム200には排出方向である矢印i2方向へコイルバネ203の付勢力が生じる。小径ディスク101はディスク挿脱口19から全部挿入されたときでも駆動機構120は駆動されないため、デッキアーム200によって筐体3外へ排出される。これにより誤って小径ディスク101が挿入されたときでも、小径ディスク101が筐体3内に残存することなく確実に排出することができる。
【0224】
大径の光ディスク2が挿入されると、デッキアーム200は、光ディスク2に押圧されてアーム部材201が矢印i1方向へ回動する。図12に示すように、光ディスク2の挿入工程においては、駆動機構120は駆動されずスライダー122及びローディングカムプレート53はスライドされないため、規制アーム212のバネ係止部214は回動されない。したがってアーム部材201が矢印i1方向へ回動されると、コイルバネ203は、アーム部材201に係止されている一端203aと、バネ係止部214に係止されている他端203bとが離間していき、デッキアーム200に矢印i2方向への付勢力を付与することとなる。
【0225】
なおデッキアーム200は、当接部材205が光ディスク2の外周部に当接するとともに、筐体3の背面側に回動され光ディスク2がほぼディスク装着部23近傍まで引き込まれると、コイルバネ203によって矢印i2方向へ光ディスク2を一定の力で付勢する。このとき当接部材205の付勢方向には、メインシャーシ6に係止されているセンタリングガイド220が設けられ、光ディスク2を筐体3内に引き込むローディングアーム51とこれらデッキアーム200及びセンタリングガイド220とによって光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aの直上にセンタリングする。
【0226】
このようにデッキアーム200は、デッキ部4a上であってディスク装着部23よりも筐体3の背面側の位置に回動可能に支持されることにより、小径ディスク101の誤挿入防止及び光ディスク2のセンタリングガイドの両機能を果たすことができる。またデッキ部4aの筐体3背面側の領域は、光ディスク2がディスク装着部23に装着されたときにも空きスペースとして確保されているため、デッキアーム200は、この領域に回動支点を持つことにより狭小化された筐体3内のスペースを有効に活用することができ、筐体3の大型化を招くことがない。
【0227】
次いでかかるデッキアーム200とともに光ディスク2のセンタリングを図るセンタリングガイド220について説明する。センタリングガイド220は、図3に示すように、メインシャーシ6のセンタリングガイド用開口部6hから上面6a側に突出され光ディスク2の側面を支持することによりセンタリングをガイドするものであり、図39及び図40に示すように、光ディスク2の側面を支持するガイド片221が設けられたガイド板222と、このガイド板222を回動させる回動板223とを備え、ガイド板222及び回動板223とが一体に取り付けられると共にメインシャーシ6の上面6aに裏面側から回動自在に取り付けられている。
【0228】
ガイド板222は、樹脂成型品からなり、主面部222aの一端から光ディスク2の外周面をガイドするガイド片221が立設されている。また主面部222aには回動板223に形成された開口部229と連続されカシメピンが挿通される挿通孔224が形成されている。また主面部222aには、回動板223に立設されている係止片228に係止される係止部225aが形成された係止孔225が形成されている。さらに主面部222aは裏面及び側面に回動板223の連結孔230に挿入される連結凸部226が突設されている。そしてガイド板222は、係止部225aが係止片228に係止され、また連結凸部226が連結孔230に挿入されることにより回動板223と一体に回動可能とされる。
【0229】
ガイド片221は、ガイド板222の主面より立設されるとともにセンタリングガイド用開口部6hの側縁に当接される当接壁221aと、メインシャーシ6上に突出され光ディスク2の外周部に当接することによりセンタリングをガイドするガイド部221bとを備える。ガイド片221は、ガイド板222が回動板223とともに、筐体3内に引き込まれた光ディスク2の外周側に向かって回動付勢されることにより、当接壁221aがセンタリングガイド用開口部6hの側縁に当接されガイド部221bの位置決めが図られ、このガイド部221bによって光ディスク2の外周面を支持する。
【0230】
回動板223は、板金部材からなり、主面部223aには、ガイド板222に立設されているガイド片221を支持する支持壁227と、係止孔225に挿通される係止片228と、挿通孔224と同軸に連続される開口部229と、連結凸部226に挿入される連結孔230が形成されている。
【0231】
支持壁227にはガイド片221の当接壁221aから側方に突設されている連結凸部226が挿入される連結孔230が形成されている。そして支持壁227は、当接壁221aを支持するとともに回動板223が後述する引っ張りコイルバネ234によって回動付勢されることにより、ガイド片221を光ディスク2の外周面側に付勢する。係止片228は、回動板223の主面部223aより立設されると共に先端が略直交方向に折り曲げられることにより、ガイド板222の係止孔225の係止部225aに係止される。これにより係止片228は、支持壁227とともにガイド板222を光ディスク2の外周面側に付勢する。
【0232】
また開口部229は、ガイド板222の挿通孔224と連続され、図示しないカシメピンが挿通される。これによりセンタリングガイド220は、メインシャーシ6の上面6aに回動自在に支持され、ガイド片221が光ディスク2の外周面側に回動する図40中矢印k1方向及びガイド片221が光ディスク2の外周面と離間する矢印k2方向へ回動可能とされる。
【0233】
また回動板223は、主面部223aにイジェクトアーム52の回転支持部材71に形成された回動片82によって回転されるカム軸233が形成されている。カム軸233は、回動板223の主面部223aにカシメピンが取り付けられることにより形成されている。センタリングガイド220は、イジェクトアーム52が光ディスク2を引き込む矢印b1方向へ回動されることにより、回転支持部材71の回動片82がカム軸233と当接し、押圧することにより、挿通孔224及び開口部229を挿通するカシメピンを支点にガイド片221が光ディスク2の外周面から離間する矢印k2方向へ回転される。
【0234】
また回動板223は、主面部223aにイジェクトアーム52の回転支持部材71に係合される係合片231が形成されている。係合片231は、図40に示すように、主面部223aより上方に折り曲げられた後、回転支持部材71側に折り曲げられていることにより、主面部223aよりも高い位置に形成され、回転支持部材71上に延設される。これにより回動板223は、回転支持部材71の主面と係合され、カム軸233と回動片82とを当接させることができる。
【0235】
さらに回動板223は、主面部223aにセンタリングガイド220を、ガイド片221が光ディスク2の外周面と当接する矢印k1方向へ回動付勢する引っ張りコイルバネ234が係止されている。この引っ張りコイルバネ234は、一端を回動板223に係止され、他端をメインシャーシ6に係止させることにより、センタリングガイド220のガイド片221を常時矢印k1方向へ回動付勢している。またガイド片221は、矢印k1方向へ回動付勢されることにより、当接壁221aがメインシャーシ6に設けられたセンタリングガイド用開口部6hの側縁に押し当てられガイド部221bの位置決めが図られる。かかるセンタリングガイド220は、当接壁221aが引っ張りコイルバネ234の付勢力によってセンタリングガイド用開口部6hに付勢されて位置決めされることにより、ガイド部221bが光ディスク2の外周面から離間する矢印k2方向へ揺動することを防止できる。
【0236】
次いで、このセンタリングガイド220を用いた光ディスク2のセンタリング工程について説明する。上述したように、光ディスク2の挿入及び引き込み工程においては、イジェクトアーム52の回転支持部材71に形成された回動片82によって回動板223のカム軸233が押圧されるまでは、引っ張りコイルバネ234の付勢力によってガイド片221が光ディスク2の外周面方向である矢印k1方向に回動付勢され、ガイド部221bにより光ディスク2の外周面をガイド可能とされている。
【0237】
また係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66にガイドされることによりローディングアーム51が光ディスク2を、中心孔2aがターンテーブル23aの直上に位置するセンタリング位置に引き込む。具体的にローディングアーム51は、係合凸部64が第1のカム溝66の第1のガイド部66aにガイドされることにより光ディスク2を引き込む矢印a1方向に回動されほぼセンタリング位置まで搬送する。そしてローディングアーム51は、係合凸部64が第2のガイド部66bにガイドされることにより矢印a1方向及びa2方向への回動が規制される。
【0238】
さらに光ディスク2がほぼセンタリング位置まで搬送されると、上記デッキアーム200も光ディスク2の外周面に押圧されることにより矢印i1方向へ回動される。このときデッキアーム200は、コイルバネ203によってアーム部材201に矢印i2方向への付勢力を光ディスク2に対して付与している。この付勢力は、アーム部材201に取り付けられた当接部材205より光ディスク2に対してターンテーブル23aの方向に向かって作用する。またこの付勢力は上述したように規制アーム212の回動に伴うバネ係止部214の移動によって、増加することなく一定量に保たれている。
【0239】
すなわちディスクドライブ装置1は、図15に示すように光ディスク2が筐体3内に引き込まれると、ローディングアーム51及びセンタリングガイド220の揺動が規制されるとともに、デッキアーム200によって一定の付勢力が光ディスク2に対して作用している。そしてディスクドライブ装置1は、ターンテーブル23aを中心に、ローディングアーム51の当接部61と、センタリングガイド220のガイド片221と、デッキアーム200の当接部材205とが、ディスク装着部23を中心に3点で光ディスク2の外周面を支持する。また3点のうち、当接部61及びガイド片221の2点で揺動を規制されたリジットな状態で光ディスク2を支持し、残りの1点から当接部材205によりターンテーブル23aに向かって付勢力が付与されている。
【0240】
このように本ディスクドライブ装置1は、光ディスク2をディスク装着部23上まで引き込むローディングアーム51が光ディスク2のセンタリング位置に応じてリジットに位置決めされることで、確実に光ディスク2のセンタリングを図ることができる。
【0241】
また本ディスクドライブ装置1は、ローディングアーム51に加えてセンタリングガイド220が光ディスク2のセンタリング位置に応じてリジットに位置決めされることで、より確実に光ディスク2のセンタリングを図ることができる。
【0242】
さらに本ディスクドライブ装置1は、ターンテーブル23aを中心として略均等に配された当接部61、当接部材205及びガイド片221のうち2つを光ディスク2のセンタリング位置に応じてリジットにし、残り1つにより光ディスク2をターンテーブル23a側に向かって付勢することにより、さらに確実にセンタリングを行うことができる。これにより後述するスライダー122及びサブスライダー151によってベースユニット22がチャッキング位置へ上昇されると、光ディスク2とターンテーブル23aとがスムーズにチャッキングできる。したがって、光ディスク2の中心孔2aとターンテーブル23aとがずれている状態でチャッキングすることによる音の発生や、光ディスク2あるいはターンテーブル23aに対する負荷を無くすことができる。
【0243】
ここでセンタリングの際に、光ディスク2の外周面を支持する当接部61,ガイド片221及び当接部材205の3点がいずれもリジットに規制されていると、光ディスク2の外形寸法の誤差や各部品の精度誤差等により光ディスク2のセンタリング位置ズレが生じるおそれがあり、あらゆる光ディスク2に対するスムーズなチャッキングを行うことができない。一方、当接部材205をリジットとせずに回動可能に付勢するよう構成することで、かかる光ディスク2や構成部品の精度誤差を吸収することができ、光ディスク2のセンタリングを確実に行うことができる。
【0244】
なお、このときデッキ部4aに回動可能に支持されているローディングアーム51は、係合凸部64をガイドするローディングカムプレート53がスライダー122と一体化され、このスライダー122が後述するようにボトムケース4によってスライド方向に亘って支持されることにより、これらローディングカムプレート53及びスライダー122を介して同じくボトムケース4に配設されているメインシャーシ6に対して位置決めが図られている。またセンタリングガイド220は、ガイド片221がメインシャーシ6のセンタリングガイド用開口部6hに回動付勢されることによりメインシャーシ6に対して位置決めが図られている。そしてターンテーブル23aが設けられたベースユニット22も、後述するようにメインシャーシ6に対して昇降自在に支持されている。すなわち、メインシャーシ6に対して、一方でローディングアーム51及びセンタリングガイド220の位置決めが図られ、他方でターンテーブル23aの位置決めが図られることとなる。
【0245】
したがって、光ディスク2は、メインシャーシ6に対してそれぞれ位置決めが図られているローディングアーム51及びセンタリングガイド220によって、同じくメインシャーシ6に対して位置決めされているターンテーブル23aへのセンタリングが図られることとなるため、確実にセンタリングされる。
【0246】
なおセンタリングの際、イジェクトアーム52は、光ディスク2の引き込み工程においては、第2のリンクアーム55のガイド凸部113がループカム57の引き込みガイド壁112bにガイドされることにより、第1のリンクアーム54の係止部96とメインシャーシ6に形成された係止部98とが近接され、引っ張りコイルバネ56は伸張状態から戻されていく。このとき、イジェクトアーム52は、光ディスク2に対して微力であれば、付勢力をディスク装着部23側となる矢印b2方向へ作用させる構成としてもよい。これによりディスクドライブ装置1は、ディスク装着部23側に付勢するイジェクトアーム52と、光ディスク2のセンタリング位置に規制されたローディングアーム51及びセンタリングガイド220とによっても、ディスク装着部23を中心に3点で光ディスク2を支持することで、光ディスク2のセンタリングを行うことができる。
【0247】
図16に示すように、光ディスク2のチャッキングが行われると、センタリングガイド220は、イジェクトアーム52の回転支持部材71に設けられた回動片82によって回動板223に形成されたカム軸233が押圧されることにより、回動板223及びガイド板222が引っ張りコイルバネ234の付勢力に対抗して挿通孔224を中心に回動され、ガイド片221が矢印k2方向へ移動される。これによりガイド片221は、ガイド部221bが光ディスク2の外周面から離間される。
【0248】
また、上述したように、ローディングアーム51は、係合凸部64がローディングカムプレート53の第1のカム溝66の第3のガイド部66cにガイドされることにより矢印a2方向へ回動され、当接部61が光ディスク2の外周部から離間される。またデッキアーム200も、押圧板202の当接片209がローディングカムプレート53の先端に矢印f1方向に押圧されることにより、押圧アーム202bに付勢されたアーム部材201が矢印i1方向へ回動され、アーム部材201に取り付けられている当接部材205が光ディスク2の外周部から離間される。なおイジェクトアーム52も、スライダー122のスライドに伴い、操作アーム58を介して矢印b1方向へ回転され、支持部88及びピックアップ部90が光ディスク2の外周部から離間される。
【0249】
これによりターンテーブル23aにチャッキングされた光ディスク2は、外周部を支持するアーム類やセンタリングガイド220からリリースされ、ディスク回転駆動機構24によって回転可能とされる。
【0250】
ディスク搬送機構50に駆動力を供給する駆動機構120は、図11に示すように、駆動モータ121と、駆動モータ121の駆動力を受けてボトムケース4内をスライドするスライダー122と、駆動モータ121の駆動力をスライダー122に伝達するギヤ列123とを備え、これらがメインシャーシ6のボトムケース4側に配設されている。駆動機構120は、駆動モータ121によってスライダー122をスライドさせることにより、ディスク搬送機構50及びベース昇降機構150を駆動させるものである。
【0251】
駆動モータ121は、光ディスク2が所定の位置まで挿入され、イジェクトアーム52の回転支持部材71によって第1のスイッチSW1が押圧されると、スライダー122を矢印f1方向に移動する正転方向に駆動される。また駆動モータ121は、イジェクト操作がされると、スライダー122を矢印f2方向に移動する逆転方向に駆動される。スライダー122は、光ディスク2のローディング及びイジェクトに応じて図11中矢印f1方向又はf2方向に移動されることにより、ディスク搬送機構50の各アームや、ベース昇降機構150を駆動させる。ギヤ列123は、駆動モータ121の駆動力をラック部131を介してスライダー122に伝える。
【0252】
スライダー122は、図41に示すように、全体が略直方体状に形成された樹脂部材からなり、上面122aに第3のリンクアーム100に形成された係合凸部109が係合する第1のガイド溝125と、後述するベース昇降機構150のサブスライダー151を駆動させる連結アーム165が係合される第2のガイド溝126と、ローディングカムプレート53に形成された一対の係合突起68,68と係合する一対の係合凹部127,127と、詳細を省略する光ディスク2の二重挿入を規制する開閉アームの一端が係合する第3のガイド溝128とが形成されている。
【0253】
またスライダー122は、ベースユニット22側の側面122bに、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第1の支軸47が挿通される第1のカムスリット130と、ギヤ列123と係合するラック部131とが形成されている。第1のカムスリット130には、サブシャーシ29の第1の支軸47のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第1のガイド板152が組み付けられている。なお、スライダー122は、下面122cに、ボトムケース4より突設された一対のガイド突起124,124にスライド方向がガイドされるスライドガイド溝129が長手方向に沿って形成されている(図9参照)。
【0254】
このようなスライダー122は、ボトムケース4の底面部において、このボトムケース4のデッキ部4aが設けられた一方の側面部とベースユニット22との間に配置されている。また、このスライダー122は、ディスク挿脱口19から筐体3の内部に挿入される光ディスク2よりも下方に位置しており、その上面部がデッキ部4aよりもやや低い高さを有している。そして、このスライダー122は、メインシャーシ6により覆われて、ボトムケース4の底面部に設けられた駆動モータ121やギヤ列123を介して前後方向である矢印f1方向及びf2方向にスライド駆動される。
【0255】
そして、駆動機構120では、このスライダー122のスライド動作に連動して、第3のリンクアーム100及び第3のリンクアーム100と係合された操作アーム58を移動させて、イジェクトアーム52の回動を規制するとともに、ローディングカムプレート53を前後に移動させ、ローディングアーム51を回動させる。これにより、駆動機構120は、スライダー122のスライドに応じて、光ディスク2を筐体3内に引き込むローディング動作と、光ディスク2をディスク装着部23からディスク挿脱口19外へと排出するイジェクト動作とを行う。
【0256】
次いで、上述したスライダー122のスライド動作に連動して、ベースユニット22を昇降操作するベース昇降機構150について説明する。ベース昇降機構150は、ベースユニット22を上昇させてディスク装着位置にセンタリングされた光ディスク2をディスク装着部23のターンテーブル23aに装着するチャッキング位置と、ベースユニット22を下降させてターンテーブル23aから光ディスク2を離脱するチャッキング解除位置と、ベースユニット22をチャッキング位置とチャッキング解除位置との間に位置させて光ディスク2に対する信号の記録又は再生を行う記録再生位置との間でベースユニット22を昇降操作する。
【0257】
具体的に、ベース昇降機構150は、スライダー122及びスライダー122のスライド動作に応じてスライドされるサブスライダー151によってベースユニット22に形成されている第1の支軸47及び第2の支軸48を昇降させることにより、ベースユニット22の昇降を行うものである。スライダー122のベースユニット22と対向する側面には、図41に示すように、ベースユニット22を上記チャッキング解除位置及び上記記録再生位置に亘って昇降操作する第1のカムスリット130が長手方向に亘って形成されている。第1のカムスリット130は、チャッキング解除位置に対応した下側水平面部130aと、記録再生位置に対応した上側水平面部130bと、これら下側水平面部130aと上側水平面部130bとを繋ぐ傾斜面部130cと、後述する第1のガイド板152が取り付けられる取付部130dが形成され、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第1の支軸47がスライド可能に挿通される。
【0258】
また、第1のカムスリット130は、第1の支軸47の移動をガイドするとともに、記録再生位置における第1の支軸47のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第1のガイド板152が配設されている。第1のガイド板152は、板バネ部材からなり、一端152aに係合孔が設けられ、この係合孔が第1のカムスリット130の取付部130dに突設された係合凸部と係合されるとともに、一端152aがスライダー122の上面122aより取付部130d側に向かってに形成された突片153に係止されている。また第1のガイド板152は、他端152bに、第1のカムスリット130に設けられた係止部154に係止される係止片140が形成されている。また第1のガイド板152は、上側水平面部130bと傾斜面部130cとの接点上部において、ベースユニット22をチャッキング位置に上昇させる際に第1の支軸47が移動するとともに、第1の支軸47が上側水平面部130bに移動されるとスライダー122の上面122a側に突出する突出部155が形成されている。
【0259】
また、第1のカムスリット130の下側水平面部130aは、第1の支軸47の径よりもやや大きな高さを有してスライド自在に形成されている。一方、上側水平面部130bは、第1のガイド板152との高さが第1の支軸47の径と同一かやや低くされている。したがって第1のガイド板152は、第1の支軸47が上側水平面部130bに移動されると、第1の支軸47が圧入され第1の支軸47を上側水平面部130bとの間で挟持する。したがって、第1のガイド板152は、ベースユニット22に設けられたディスク回転駆動機構24のスピンドルモータ24aによる振動を抑制し、光ディスク2を安定して回転させることができる。
【0260】
また第1のガイド板152は、第1の支軸47を上側水平面部130bとの間で挟持することにより、突出部155がスライダー122の上面122a上に突出し、メインシャーシ6の上面6aに押しつけられる。したがって、スライダー122は、光ディスク2の記録再生中は、第1のガイド板152によってボトムケース4側に押圧されることとなり、ベースユニット22の駆動による振動や外乱の影響を抑えることができる。
【0261】
この第1のガイド板152の他端152bに形成された係止片140は、他端152bがスライダー122の長手方向と直交する方向に折り曲げられるとともに、この他端152bの主面部の一部を他端152bの該折り曲げ方向に沿って略矩形状に突出して形成されている。また係止片140が係止される係止部154は、第1のカムスリット130の上側水平面部130bの前方に設けられ、スライダー122の上面122aから厚み方向に向かう側壁154aに厚み方向に亘るスリット154bが設けられている。そして第1のガイド板152が第1のカムスリット130に係止されることにより、図42に示すように、第1のガイド板152の他端152bが側壁154aと対峙すると共に係止片140がスリット154bに挿通し、係止片140の上面140aがスリット154bの上部と当接可能とされる。
【0262】
係止片140がスリット154bに挿通することにより、第1のガイド板152は、面方向に衝撃がかかった場合には、係止片140の上面140aとスリット154bの上部とが当接され、かかる衝撃を係止片140の上面140aを介してスライダー122で受けることができる。したがって第1のガイド板152は、ディスクドライブ装置1の落下事故などにより面方向の衝撃がかかった場合でも、塑性変形することを防止することができる。
【0263】
特に第1のガイド板152は、長尺状の弾性部材からなり、面方向の衝撃に対して塑性変形のおそれがある。またディスクドライブ装置1が製造元から出荷される際やディスクドライブ装置1が搭載された電子機器が搬送される際に、梱包が簡素化されることによって、落下事故などの際に加わる衝撃に対処する必要があるが、係止片140をスライダー122に係止可能に形成することで、第1のガイド板152の変形を防止することができる。
【0264】
サブスライダー151は、ベースユニット22のサブシャーシ29より突設された第2の支軸48を支持するとともに、スライダー122と係合され、このスライダー122のスライド動作に伴って光ディスク2のローディング方向と直交する図11矢印h1方向あるいは矢印h2方向にスライド可能に配設されている。
【0265】
サブスライダー151は、図11及び図43に示すように、合成樹脂製からなる長尺状の平板部材からなり、上面151aに、メインシャーシ6より突出されているガイド凸部157が係合される上ガイド溝158が長手方向に亘って形成されている。また、サブスライダー151は、下面151cの上ガイド溝158と一部ずれた位置に、ボトムケース4より突出されているガイド凸部159が係合される下ガイド溝160が長手方向に亘って形成されている(図9参照)。そして、サブスライダー151は、上ガイド溝158にメインシャーシ6より突出されているガイド凸部157が係合されることにより、このガイド凸部157が上ガイド溝158をスライドし、かつ、下ガイド溝160にボトムケース4より突出されているガイド凸部159が係合されることにより、このガイド凸部159が下ガイド溝160をスライドするため、スライダー122のスライド動作に連動して、矢印h1方向あるいは矢印h2方向にスライドされる。
【0266】
また、サブスライダー151は、スライダー122側に位置する長手方向の一端部に、スライダー122と連結される連結アーム165が係合される係合溝166が形成されている。係合溝166は、サブスライダー151の長手方向と直交する方向に延設された係合片167に設けられている。また、サブスライダー151は、係合片167が形成された一端部と反対側の他端部が、光ディスク2のローディング時において上記イジェクトアーム52の回転支持部材71に当接される当接凸部168とされている。当接凸部168は図16に示すように、光ディスク2がローディングされる際に、回転支持部材71の折曲げ片81に当接されることにより、押出アーム72を光ディスク2の側面からリリースさせる方向へ回転支持部材71を回転させると共に、光ディスク2の側面と離間する位置まで回動された押出アーム72が光ディスク2の側面方向に回動しないよう回転支持部材71の回転を規制する。したがってサブスライダー151は、イジェクトアーム52の押出アーム72が光ディスク2の側面からリリースした状態を保持する。
【0267】
このサブスライダー151は、ディスク挿脱口19側の側面151bに、上記第1のカムスリット130とともに、ベースユニット22を上記チャッキング位置、チャッキング解除位置及び記録再生位置に亘って昇降操作する第2のカムスリット170が長手方向に亘って形成されている。第2のカムスリット170は、チャッキング解除位置に対応した下側水平面部170aと、記録再生位置に対応した上側水平面部170bと、これら下側水平面部170aと上側水平面部170bとを繋ぐとともにチャッキング位置に対応した傾斜面部170cと、後述する第2のガイド板171が取り付けられる取付部170dとが形成され、ベースユニット22のサブシャーシ29に突設された第2の支軸48がスライド可能に挿通される。
【0268】
この第2のカムスリット170の傾斜面部170cは、上側水平面部170bの位置よりも高い位置まで設けられ、やや下降することによりベースユニット22を上側水平面部170bへガイドする。これにより第2のカムスリット170にガイドされるベースユニット22は、サブスライダー151が矢印h1方向へスライドすることにより第2の支軸48が下側水平面部170aから傾斜面部170cを上昇し、チャッキング解除位置からチャッキング位置まで移動される。このときベースユニット22は、ディスク装着部23上にセンタリングされた光ディスク2の中心孔2a周辺をターンテーブル23aとトップカバー5の天板部5aに設けられた当接突部8とで挟み込み光ディスク2のチャッキングが行われる。さらにサブスライダー151が矢印h1方向へスライドされると、第2の支軸48が傾斜面部170cから上側水平面部170bへ下降するため、ベースユニット22はチャッキング位置から記録再生位置へ移動される。
【0269】
また、第2のカムスリット170は、上記第1のカムスリット130と同様に、第2の支軸48の移動をガイドするとともに、記録再生位置における第2の支軸48のがたつきを防止してディスク回転駆動機構24を安定して動作させる第2のガイド板171が配設されている。第2のガイド板171は、板バネ部材からなり、一端171aに係合孔が設けられ、この係合孔が第2のカムスリット170の取付部170dに突設された係合凸部と係合されるとともに、一端171aがサブスライダー151の上面151aより取付部170d側に向かってに形成された突片173に係止されている。また第2のガイド板171は、他端171bに、第2のカムスリット170に設けられた係止部174に係止される係止片175が形成されている。また第2のガイド板171は、上側水平面部170bと傾斜面部170cとの接点上部において、ベースユニット22をチャッキング位置に上昇させる際に第2の支軸48が移動するとともに、第2の支軸48が上側水平面部170bに移動されるとサブスライダー151の上面151a側に突出する突出部176が形成されている。
【0270】
また、第2のカムスリット170の下側水平面部170aは、第2の支軸48の径よりもやや大きな高さを有してスライド自在に形成されている。一方、上側水平面部170bは、第2のガイド板171との高さが第2の支軸48の径と同一かやや低くされている。したがって第2のガイド板171は、第2の支軸48が上側水平面部170bに移動されると、第2の支軸48が圧入され第2の支軸48を上側水平面部170bとの間で挟持する。したがって、第2のガイド板171は、上記第1のガイド板152とともに、ベースユニット22に設けられたディスク回転駆動機構24のスピンドルモータ24aによる振動を抑制し、光ディスク2を安定して回転させることができる。
【0271】
また第2のガイド板171は、第2の支軸48を上側水平面部170bとの間で挟持することにより、突出部176がサブスライダー151の上面151a上に突出し、メインシャーシ6の上面6aに押しつけられる。したがって、サブスライダー151は、光ディスク2の記録再生中は、第2のガイド板171によってボトムケース4側に押圧されることとなり、ベースユニット22の駆動による振動や外乱の影響を抑えることができる。
【0272】
この第2のガイド板171の他端171bに形成された係止片175は、他端171bがサブスライダー151の長手方向と直交する方向に折り曲げられるとともに、この他端171bの主面部の一部を他端171bの該折り曲げ方向に沿って略矩形状に長手方向の前方に突出して形成されている。また係止片175が係止される係止部174は、図43及び図44に示すように、第2のカムスリット170の上側水平面部170bの前方に設けられ、サブスライダー151の上面151aから厚み方向に向かう側壁174aに厚み方向に亘るスリット174bが設けられている。そして第2のガイド板171が第2のカムスリット170に係止されることにより、第2のガイド板171の他端171bが側壁174aと対峙すると共に係止片175がスリット174bに挿通し、係止片175の上面175aがスリット174bの上部と当接可能とされる。
【0273】
係止片175がスリット174bに挿通することにより、第2のガイド板171は、面方向に衝撃がかかった場合には、係止片175の上面175aとスリット174bの上部とが当接され、かかる衝撃を係止片175の上面175aを介してサブスライダー151で受けることができる。したがって第2のガイド板171は、上記第1のガイド板152と同様に、ディスクドライブ装置1の落下事故などにより面方向の衝撃がかかった場合でも、塑性変形することを防止することができる。
【0274】
かかるサブスライダー151の係合溝166に係合され、スライダー122とサブスライダー151とを連結する連結アーム165は、略中間部に設けられた支持部165aがメインシャーシ6に回動自在に取り付けられるとともに、この支持部165aの一端165bに形成された係合凸部177がスライダー122の第2のガイド溝126と移動自在に係合され、他端165cに形成された係合凸部178がサブスライダー151の係合溝166に移動自在に係合されている。
【0275】
この連結アーム165は、スライダー122が矢印f1方向へ移動されると、図15に示すように、係合凸部177がスライダー122の第2のガイド溝126を移動することにより、支持部165aを支点に矢印l1方向へ回転され、係合凸部178が係合溝166を移動しながらサブスライダー151を矢印h1方向へスライドさせる。また連結アーム165は、スライダー122が矢印f2方向へ移動されると、図18に示すように、係合凸部177が第2のガイド溝126を移動することにより、支持部165aを支点に矢印l2方向へ回転され、係合凸部178が係合溝166を移動しながらサブスライダー151を矢印h2方向へスライドさせる。
【0276】
このディスクドライブ装置1には、図3及び図45に示すように、ベースユニット22がチャッキング位置まで上昇される際に、ディスク搬送機構50によってセンタリング位置に搬送された光ディスク2の中心孔2aと、ベースシャーシ27に設けられたディスク装着部23のターンテーブル23aとの位置合わせがされるようにベースユニット22をガイドするガイドピン180が設けられている。
【0277】
ガイドピン180は、ボトムケース4の底面部から立設され、図45に示すように、上部に、ベースシャーシ27に形成されたガイド孔181を挿通するフランジ部182が形成されている。フランジ部182は、ベースシャーシ27のガイド孔181の径よりもやや大きな径を有し、上端部に向かって拡径していく傾斜面からなる第1のガイド部183と、上端部に向かって縮径していく傾斜面からなる第2のガイド部184とが形成されている。そして、フランジ部182は、ベースシャーシ27が昇降される際に、ガイド孔181に形成されたガイド壁185に第1、第2のガイド部183,184が摺接されながら挿通することにより、ベースユニット22をチャッキング位置あるいはチャッキング解除位置にガイドする。
【0278】
このガイドピン180が挿通されるベースシャーシ27のガイド孔181は、ベースユニット22の回動支点となる第3の支軸49から離れたターンテーブル23aの近傍に穿設されている。ガイド孔181内は、図45に示すように、ベースシャーシ27の下部にガイド壁185が膨出形成されている。ガイド壁185は、ガイドピン180のフランジ部182の径よりもやや大きなクリアランスを形成し、フランジ部182がこのクリアランスを挿通することで、光ディスク2の中心孔2aと、ディスク装着部23のターンテーブル23aとの位置合わせがされるようにベースユニット22がガイドされる。
【0279】
具体的に、図46及び図45(a)に二点鎖線で示すように、ベースユニット22がチャッキング解除位置に下降されている際には、ガイドピン180は、フランジ部182がガイド孔181よりも上方に位置されている。そして、光ディスク2がセンタリング位置に搬送されると、ベースシャーシ27が上昇され、ガイド孔181内をフランジ部182が挿通されていく。そして、ベースシャーシ27が光ディスク2のチャッキング位置へ上昇される際、図47及び図45(b)に実線で示すように、ガイド孔181内に膨出形成されたガイド壁185がガイドピン180の第1のガイド部183を摺動して、フランジ部182がガイド壁185間のクリアランスを挿通する。このように、ベースシャーシ27がガイドピン180にガイドされながら上昇されることにより、ディスク装着部23のターンテーブル23aは、センタリング位置に搬送された光ディスク2の中心孔2aとの位置合わせがなされるため、光ディスク2やターンテーブル23aに過剰な負荷をかけることなくスムーズにチャッキングを行うことができる。
【0280】
また、ガイドピン180及びガイド孔181が、ベースユニット22の回動を支持する第3の支軸49が設けられた長手方向の一端と反対側の他端側で、かつディスク装着部23の近傍に対応して形成されているため、センタリング位置まで搬送された光ディスク2と、ターンテーブル23aとのズレを最も効率よく修正することができ、確実に光ディスク2の中心孔2aとターンテーブル23aの係合突部33aとの位置合わせをすることができる。
【0281】
次いで、図48及び図45(c)に一点鎖線で示すように、ベースユニット22が記録再生位置まで下降されると、ベースシャーシ27のガイド孔181のガイド壁185がフランジ部182の第2のガイド部184を摺動しガイド孔181にフランジ部182が挿通可能にガイドされた後、ガイド壁185がフランジ部182と離間する位置まで下降される。このように、ベースユニット22が記録再生位置に下降された状態においては、ガイドピン180とガイド孔181とは接触されていないため、ボトムケース4からガイドピン180を介してベースシャーシ27側へ振動等の外乱が伝達されることが防止されている。したがって、外乱がガイドピン180を通じてディスク回転駆動機構24や光ピックアップ25へ伝わり記録再生特性に悪影響を与えることを防止することができる。
【0282】
なお、ガイドピン180は、ディスク回転駆動機構24によって回転駆動される光ディスク2の下面と当接しない程度の高さに形成されており、光ディスク2の情報記録面を傷つけるおそれはない。
【0283】
記録再生動作が終了し、光ディスク2の排出工程に移ると、ベースユニット22はチャッキング解除位置へ下降され、ガイドピン180によって光ディスク2がターンテーブル23aより押し上げられることによりチャッキングが解除される。このときベースシャーシ27は、ガイド孔181がガイドピン180の下部に位置されている。
【0284】
また、本発明が適用されたディスクドライブ装置1においては、ガイドピン180は、光ディスク2のチャッキングを解除するチャッキング解除ピンとしても機能する。すなわち、ガイドピン180は、上端部を半球状に形成するとともに、ガイドピン180及びベースシャーシ27のガイド孔181が、ターンテーブル23aに装着された光ディスク2の中心孔2a近傍に形成された非記録領域に対応させて形成されている。これにより、ベースユニット22が光ディスク2のチャッキング解除位置に下降されたとき、ガイドピン180の上端部によって光ディスク2が押し上げられ、ターンテーブル23aとのチャッキングが解除される。かかる構成によれば、ガイドピン180の他に、光ディスク2のチャッキングを解除するためのチャッキング解除ピンを用いる必要がないため、部品点数の削減やディスクドライブ装置1の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0285】
【図1】本発明が適用されたディスクドライブ装置が搭載される電子機器を示す外観斜視図である。
【図2】本発明が適用されたディスクドライブ装置を示す外観斜視図である。
【図3】本発明が適用されたディスクドライブ装置の内部を示す斜視図である。
【図4】メインシャーシを取り外したディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図5】トップカバーを示す外観斜視図である。
【図6】ベースユニットを示す斜視図である。
【図7】ベースシャーシとサブシャーシとの連結箇所を示す断面図である。
【図8】ベースユニットにおいて、ベースシャーシとサブシャーシとの間のダンパーによる支持構造を説明するための図である。
【図9】ディスクドライブ装置の他の例を示す斜視図である。
【図10】ディスクドライブ装置の他の例を示す断面図である。
【図11】光ディスクの挿入を待機しているディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図12】挿入動作から引き込み動作へ移るディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図13】ローディングアームにより光ディスクの引き込みを開始したディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図14】光ディスクを引き込んでいるディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図15】光ディスクをセンタリング位置まで引き込んだディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図16】光ディスクに対して記録再生を行っているディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図17】光ディスクの排出工程において、ディスク側面を各種アームで支持するディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図18】光ディスクを排出するディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図19】光ディスクを排出位置まで搬送したディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図20】ローディングアームを示す斜視図である。
【図21】ローディングアームを示す平面図である。
【図22】ローディングカムプレートを示す斜視図であり、(a)は表面側を示し、(b)は裏面側を示す図である。
【図23】イジェクトアームを示す分解斜視図である。
【図24】イジェクトアームを示す斜視図である。
【図25】ディスクの排出工程において、ディスク搬送領域上に障害物があった場合のイジェクトアームの動作を説明するための平面図である。
【図26】他のイジェクトアームを示す斜視図である。
【図27】他のイジェクトアームを裏面側から示す斜視図である。
【図28】他のイジェクトアームに用いられる支持板を示す斜視図である。
【図29】第2のピックアップ部のピックアップアームを示す図である。
【図30】他のイジェクトアームを備えるディスクドライブ装置を示す斜視図である。
【図31】第2のピックアップ部で光ディスクを支持する第2の押出アームを示す斜視図である。
【図32】第2のピックアップで光ディスクをガイドする第2の押出アームを示す斜視図である。
【図33】メインシャーシに設けられ、引っ張りコイルバネの一端部が係止される係止部を示す斜視図である。
【図34】ループカムプレートを示す図であり、(a)はメインシャーシへの取付面側から示す斜視図であり、(b)はガイド溝の形成面側から示す斜視図である。
【図35】ループカムにおけるガイド凸部の移動経路を示す平面図である。
【図36】小径ディスクの誤挿入をイジェクトアームで防止するディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図37】デッキアーム及び規制アームを示す斜視図である。
【図38】小径ディスクの誤挿入をデッキアームで防止するディスクドライブ装置を示す平面図である。
【図39】センタリングガイドを示す分解斜視図である。
【図40】センタリングガイドを示す斜視図である。
【図41】第1のガイド板及びスライダーを示す斜視図である。
【図42】第1のガイド板が係止されたスライダーを示す斜視図である。
【図43】第2のガイド板及びサブスライダーを示す斜視図である。
【図44】第2のガイド板が係止されたサブスライダーを示す斜視図である。
【図45】ガイドピン及びガイド孔の位置関係を示す断面図であり、(a)はチャッキング解除位置、(b)はディスク装着位置、(c)は記録再生位置における各位置関係を示す図である。
【図46】ベースユニットがチャッキング解除位置に下降されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【図47】ベースユニットがチャッキング位置へ上昇されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【図48】ベースユニットが記録再生位置へ上昇されている状態におけるガイドピン及びガイド孔を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0286】
1 ディスクドライブ装置、2 光ディスク、3 筐体、4 ボトムケース、5 トップカバー、6 メインシャーシ、17 エッジ部、18 フロントパネル、19 ディスク挿脱口、22 ベースユニット、23 ディスク装着部、23a ターンテーブル、25 光ピックアップ、27 ベースシャーシ、28 ダンパー、29 サブシャーシ、47〜48 支軸、50 ディスク搬送機構、51 ローディングアーム、52 イジェクトアーム、53 ローディングカムプレート、54 第1のリンクアーム、55 第2のリンクアーム、56 引っ張りコイルバネ、57 ループカム、58 操作アーム、60 挿通孔、61 当接部、63 回転支持部材、66 第1のカム溝、71 回転支持部材、72 押出アーム、73 コイルバネ、82 回動片、88 支持部、90 ピックアップ部、96,98 係止部、100 第3のリンクアーム、101 小径ディスク、108 カム溝、112 カム溝、112a 挿入ガイド壁、112b 引き込みガイド壁、112c 排出ガイド壁、113 ガイド凸部、120 駆動機構、122 スライダー、130 第1のカムスリット、140 係止片、150 ベース昇降機構、151 サブスライダー、152 第1のガイド板、154 係止部、165 連結アーム、170 第2のカムスリット、171 第2のガイド板、180 ガイドピン、200 デッキアーム、201 アーム部材、202 押圧板、203 コイルバネ、212 規制アーム、214 バネ係止部、220 センタリングガイド、221 ガイド片、222 ガイド板、223 回動板、234 引っ張りコイルバネ、240 第2の押出アーム、241 ピックアップ支持部、250 第2のピックアップ部、251 ピックアップアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側にディスクが挿脱される矩形状のディスク挿脱口が設けられた装置本体と、
上記装置本体内に設けられ、上記ディスクが回転自在に保持されるディスク保持部と、
上記ディスク保持部よりも上記装置本体背面側に支点部を有し上記ディスク挿脱口側に回動可能に支持されているアーム部と、該アーム部の先端部に形成され、上記ディスクの挿入方向前面側の側面を支持する支持部とを有し、上記ディスク保持部へ搬送される上記ディスクを支持する支持アームと、
上記支持アームを上記ディスク挿脱口側に回動付勢する付勢部材と、
上記ディスクの上記ディスク保持部への搬送に応じて上記付勢部材の支点を移動させる移動部材とを有するディスクドライブ装置。
【請求項2】
上記移動部材は、上記支持アームが回動されると、上記付勢部材の支点を上記支持アームの回動方向に移動することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
【請求項3】
上記付勢部材は、コイルバネであり、一端を上記アーム部に係止され、他端を上記移動部材に係止され、
上記移動部材は、上記コイルバネの係止部が上記ディスクの搬送に応じて移動されることを特徴とする請求項1又は2記載のディスクドライブ装置。
【請求項4】
上記支持アーム、移動部材及び付勢部材は、装置本体のデッキ部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項記載のディスクドライブ装置。
【請求項5】
上記装置本体の上記ディスクの挿脱方向と直交する方向で上記ディスク保持部に保持されたディスクと平行な面内の一方側に設けられ、上記ディスクの側面を支持する第1のセンタリング部材と、
上記装置本体の上記ディスクの挿脱方向と直交する方向で上記ディスク保持部に保持されたディスクと平行な面内の他方側で、上記ディスク保持部よりも上記装置本体前面側に回動可能に設けられ、上記ディスクの挿入方向背面側の側面を支持する第2のセンタリング部材とを備え、
上記支持アームは、上記ディスクが上記装置本体内に引き込まれると、上記支持部が上記第1のセンタリング部材及び第2のセンタリング部材とともに上記ディスク保持部を中心に3点で上記ディスクの外周を支持することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項記載のディスクドライブ装置。
【請求項6】
上記ディスクが挿入されることにより起動される駆動機構の駆動力を受けて上記第2のセンタリング部材を回動操作するカムプレートを備え、
上記移動部材は、上記カムプレートによって操作されることを特徴とする請求項5記載のディスクドライブ装置。
【請求項7】
上記支持アームは、上記ディスクの挿入待機時において、上記付勢部材によって上記支持部が上記ディスク挿脱口側に回動されることにより、誤挿入された小径のディスクに当接可能とされていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項記載のディスクドライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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