説明

ディスク再生装置及びステッピングモータ制御装置

【課題】サーボ制御をマイクロステップ分割数が多い場合にも精度良く行える「ディスク再生装置及びステッピングモータ制御装置」を提供する。
【解決手段】、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルThを超えたならば、マイクロ駆動信号Aの値を、ステッピングモータ6の回転角φを、1マイクロステップ角、トラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に変化させる値に変化させる。そして、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルTh以下に変化したかどうかより調べ、変化しなかった場合には、マイクロ駆動信号の大きさを変化させる前の大きさに復帰させた上で、マイクロ駆動信号Aの値を、ステッピングモータ6の回転角φを、2マイクロステップ角、トラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に変化させる値に変化させる(b、c)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク再生装置におけるピックアップのフィード等に用いられるステッピングモータをマイクロステップ駆動する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光ディスク再生装置におけるピックアップのフィードに用いられるステッピングモータを、マイクロステップ駆動する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。ここで、マイクロステップ駆動とは、ステッピングモータの基本ステップ角を複数に分割した角度を単位として、ステッピングモータの回転を制御する駆動法である。ここで、以下では、このマイクロステップ駆動において、基本ステップ角を複数に分割する分割数を、便宜上「マイクロステップ分割数」と、基本ステップ角をマイクロステップ分割数で分割した角度を、便宜上「マイクロステップ角」呼ぶこととする。
【0003】
また、光ディスク再生装置におけるピックアップのフィードに用いられるステッピングモータを駆動する技術としては、ステッピングモータの回転角が1基本ステップ角進むように駆動信号の値を変化させたときに、これに応答してステッピングモータが回転しなかった場合に、徐々に駆動信号の値を増加していく技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2001-76448号公報
【特許文献2】特開2004-139656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスク再生装置におけるピックアップのフィードに用いられるステッピングモータをマイクロステップ駆動する場合、マイクロステップ分割数が多くなると、ステッピングモータの回転角を1マイクロステップ角変化させる際の駆動信号の変化も小さくなり、当該変化によってステッピングモータのロータに与えられるインパクトが小さくなる。そして、このために、ステッピングモータの回転角が1マイクロステップ角変化するように駆動信号の値を変化させても、当該時点の負荷に打ち勝ってステッピングモータのロータを回転させることができなくなる頻度が大きくなり、この結果、ステッピングモータの回転角の駆動信号の値の変化に対する追従性が劣化する。
【0005】
一方、このような場合に、前記特許文献2の技術を適用して、ステッピングモータが回転するまで徐々に駆動信号の値を所定値づつ変化させると次のような問題が生じる。
すなわち、各回の駆動信号の値の変化によってステッピングモータのロータに与えられるインパクトが等しいため、当該インパクトがステッピングモータのロータの回転開始に不足する場合、ステッピングモータが回転するまでに、駆動信号の値の所定値毎の変化を多数回繰り返すことが必要とになる。そして、この結果、ステッピングモータのロータを回転するまでに長時間を要し、また、駆動信号の値が累積的に大きくなるため、ステッピングモータが回転した際の、ステッピングモータの回転角の変化が所望の回転角変化よりも遙かに大きくなってしまうことがある。一方、前記所定値を充分に大きくすれば、ステッピングモータを即座に回転することができるが、このようにすると、ステッピングモータが回転した際の、ステッピングモータの回転角の変化の所望の回転角変化とのずれが、常に大きくなってしまう。
【0006】
そして、これらのことより、従来の技術によれば、マイクロステップ分割数を多くすると、ステッピングモータのサーボ制御を充分に精度良く行うことが困難となっていた。
そこで、本発明は、光ディスク再生装置におけるピックアップのフィード等に用いられるステッピングモータのサーボ制御を、マイクロステップ分割数が多い場合にも、精度良く行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題達成のために、本発明は、記録媒体であるディスクの再生を行うディスク再生装置に、前記ディスクから信号を読み出すピックアップと、前記ピックアップをディスクの半径方向に移動するステッピングモータと、前記ステッピングモータに提供する駆動信号の値を変化させることにより、当該ステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行う駆動制御部と、前記駆動制御部を制御して前記ピックアップのトラッキングサーボを行うサーボ制御部とを備え、前記駆動制御部において、前記サーボ制御部の制御に従って、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータが回転しなかったときの駆動信号の変化量よりも大きな変化量で当該駆動信号の値を変化させるようにしたものである。
【0008】
ここで、このようなディスク再生装置は、より具体的には、前記駆動制御部において、たとえば、前記サーボ制御部の制御に従って、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、前記駆動信号の値の変化量を増加させながら、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値への復帰と変化を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すように構成してもよい。
【0009】
または、このようなディスク再生装置は、より具体的には、前記駆動制御部において、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角二つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるように構成してもよい。
【0010】
または、このようなディスク再生装置は、より具体的には、前記駆動制御部において、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、iを2から1づつ増加させながら、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角i個分変化するように、前記駆動信号の値を変化させる動作を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すように構成してもよい。
【0011】
これらのようなディスク再生装置によれば、前記サーボ制御部の制御に従ってマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を一旦元の値に復帰させた上で、上記ステッピングモータが回転しなかったときの駆動信号の値の変化量より大きい変化量で駆動信号を変化させる。そして、このような処理によれば、ステッピングモータが回転しなかった場合に、当該ステッピングモータが回転しなかったときに与えたインパクトよりも大きなインパクトがステッピングモータのロータに与えられることになるので、すみやか、かつ、確実にステッピングモータを回転させることができるようになる。また、このような、より大きい変化量による駆動信号の変化は、駆動信号の値を変化前の元の値へ復帰させた後に行うので、ステッピングモータが回転した際のステッピングモータの回転角の目標とする回転角とのずれを小さく抑えることができる。
【0012】
よって、マイクロステップ分割数を大きく設定した際に、駆動信号の変化に応答してステッピングモータが回転せずサーボ制御が凍結してしまった場合でも、すみやかに、適正なサーボ制御が行われる状態に復帰させることができ、これにより、マイクロステップ分割数を大きく設定した場合におけるサーボ制御の精度を向上することができる。
【0013】
なお、以上のディスク再生装置において、前記ディスクは光ディスクであってよい。また、
以上のディスク再生装置において、前記駆動制御部は、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させた際の前記ステッピングモータの回転の有無を、前記ピックアップのトラッキングエラー量を表すトラッキングエラー信号に基づいて判定するようにしてもよい。
【0014】
ここで、以上のようなディスク再生装置における駆動制御部の構成は、ステッピングモータを備えた任意の装置において当該ステッピングモータのサーボ制御を行うステッピングモータ制御装置に同様に適用することができ、また、これにより、当該装置において、マイクロステップ分割数が多い場合でも精度の良いサーボ制御を行うことができるようになる。
【0015】
すなわち、この場合には、ステッピングモータ制御装置に前記駆動制御部と共に、当該駆動制御部を制御して前記ステッピングモータのサーボ制御を行うサーボ制御部を設け、前記駆動制御部において、前記サーボ制御部の制御に従って、上述のようにマイクロステップ駆動を行うと共に、当該マイクロステップ駆動によって当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、上述したステッピングモータが回転しなかった場合の各動作を行うようにすればよい。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、光ディスク再生装置におけるピックアップのフィード等に用いられるステッピングモータのサーボ制御を、マイクロステップ分割数が多い場合にも、精度良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る光ディスクドライブの構成を示す。
図示するように、光ディスクドライブは、クランパ1、ターンテーブル2、スピンドルモータ3、ピックアップ4(PU4)、スレッド5、ステッピングモータ6、RFアンプ7、信号処理部8、システムコントローラ9、ホスト装置に接続するホストインタフェース10、フォーカスサーボ制御部11、トラッキングサーボ制御部12、フィード制御部13とを備えている。また、フィード制御部13は、ステッピングモータ制御部131とマイクロステップ駆動部132とを備えている。
【0018】
このような構成において、クランパ1とターンテーブル2は、光ディスクドライブに装着されたDVDなどの光ディスク100をクランプし、スピンドルモータ3はターンテーブル2とクランパ1の間にクランプされた光ディスク100を回転する。
また、ピックアップ4は、スレッド5に支持されており、ステッピングモータ6の回転に伴って、スレッド5はピックアップ4を支持したまま光ディスク100の半径方向に移動する。そして、フィード制御部13はステッピングモータ6の回転をマイクロステップ駆動により制御して、ピックアップ4を光ディスク100の半径方向に移動するフィード動作を行う。
【0019】
次に、ピックアップ4は、レーザ光源と、光電素子と、レーザ光源からの照射光を光ディスク100の記録層上に集光すると共に光ディスク100の記録層からの反射光を光電素子に導く対物レンズと、この対物レンズを光ディスク100の信号記録面に垂直方向に移動させるフォーカスアクチュエータと、対物レンズを光ディスク100の半径方向に移動させるトラッキングアクチュエータとを含んでいる。そして、ピックアップ4は、光電素子で検出した、光ディスク100の信号記録面からの反射光を光電変換した検出信号を出力する。
【0020】
次に、RFアンプ7は、ピックアップ4から出力される検出信号からRF信号を生成して信号処理部8に出力する。また、RFアンプ7は、ピックアップ4から出力される検出信号から、フォーカスエラー信号(FE)およびトラッキングエラー信号(TE)を生成する。
次に、信号処理部8は、RFアンプ7から出力されるRF信号からのデータの復調や、復調したデータに発生したエラーの検出や訂正を行って、光ディスク100に記録されたデータを再生し、再生したデータをホストインタフェース10に送る。
そして、システムコントローラ9は、以上の各部を制御し、ホストインタフェース10を介してホスト装置から受け取ったホストコマンドに応じて、光ディスク100よりホストコマンドによって要求されたデータを再生して、ホストインタフェース10を介してホスト装置に転送するリード処理などを行う。
【0021】
一方、フォーカスサーボ制御部11は、フォーカスエラー信号(FE)に基づいて、ピックアップ4のフォーカスアクチュエータを駆動して、対物レンズの光ディスク100のディスク面と垂直な方向の焦点位置を光ディスク100の記録面上に調整するフォーカスサーボ制御を行う。
【0022】
また、トラッキングサーボ制御部12は、トラッキングエラー信号(TE)に基づいて、フィード制御部13のフィード動作の制御と、ピックアップ4のトラッキングアクチュエータの駆動とを行って、対物レンズの光ディスク100の半径方向の焦点位置を光ディスク100のトラック上に調整するトラッキングサーボ制御を行う。
【0023】
ここで、トラッキングアクチュエータによって対物レンズの焦点位置を光ディスク100の半径方向に移動できる範囲は比較的小範囲に限られており、トラッキングサーボ制御部12のトラッキングサーボ制御では、トラッキングアクチュエータによって焦点位置を調整可能な範囲内に、焦点位置を位置づけるトラックが含まれるように、フィード制御部13に、スレッド5を移動させながら、ピックアップ4のトラッキングアクチュエータによって焦点位置を目的とするトラック上に調整させる。
【0024】
また、このようなトラッキングサーボ制御における、フィード制御部13によるピックアップ4の移動は次のように行われる。
すなわち、トラッキングサーボ制御部12は、RFアンプ7から入力するトラッキングエラー信号(TE)の低域成分を抽出し所定の位相補償等を施してトラバース信号TRVSとしてフィード制御部13に出力する。ここで、このトラバース信号TRVSは、焦点位置のトラックからの半径方向の位置のずれの大きさであるトラッキングエラー量の概略的な変化を表すものとなる。
【0025】
一方、フィード制御部13のステッピングモータ制御部131は、後述するフィード制御処理において、入力するトラバース信号TRVSが所定レベル以上大きくなったならば、マイクロステップ駆動部132に、トラッキングエラーを打ち消す回転方向に1マイクロステップ角相当分ステッピングモータ6を回転する駆動信号をステッピングモータ6に出力させる。なお、前記所定レベルは、トラック位置が、トラッキングアクチュエータによって焦点位置を調整可能な範囲の限界に近づいたときのトラバース信号TRVSのレベルとする。ここで、トラック位置が、トラッキングアクチュエータによって焦点位置を調整可能な範囲の限界に近づくほど、対物レンズの光軸からのずれが大きくなりトラバース信号TRVSは増大する。
【0026】
なお、システムコントローラ9は、以上のようなフィード制御部13のステッピングモータ6の制御機能を利用して、トラバース信号TRVSによらずにステッピングモータ6の回転を制御させることにより、焦点位置を位置づけるトラックを所望のトラックに移動させるシーク動作なども行う。
【0027】
さて、ここで、図2に、マイクロステップ駆動部132が出力するマイクロステップ駆動信号と、ステッピングモータ6の回転角との関係の例を示す。
図示した例は、ステッピングモータ6として2層ステッピングモータを用い、マイクロステップ分割数を4とした場合のものである。
この場合、マイクロステップ駆動信号はA相電流信号とB相電流信号となり、ステッピングモータ6の機械回転角を横軸にとったA相電流信号の波形は、4基本ステップ角を1周期とする正弦波状の1基本ステップ角あたり4段の階段波形となり、ステッピングモータ6の機械回転角を横軸にとったB相電流信号の波形は、4基本ステップ角を1周期とする余弦波状の1基本ステップ角あたり4段の階段波形となる。
【0028】
なお、図中、θは、ステッピングモータ6の基本ステップ角を表す。また、この場合、マイクロステップ分割数が4であるので、マイクロステップ角はθ/4となる。
次に、フィード制御部13のステッピングモータ制御部131が、前述のようにトラバース信号TRVSに応じてステッピングモータ6の回転を制御するために行うフィード制御処理について説明する。
図3に、このフィード制御処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、変数iを1に設定し(ステップ302)、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルThを超えるのを監視する(ステップ304)。
そして、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルThを超えたならば、マイクロステップ駆動部132に、マイクロ駆動信号の値を、ステッピングモータ6の回転角を、iマイクロステップ角、トラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に変化させる値に変化させる(ステップ306)。ここで、このトラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向は、通常は、光ディスク100の内周側に向かう方向と外周側に向かう方向のうちに、トラックの螺旋が進む方向(一般的には外周側に向かう方向)にスレッド5を進めるステッピングモータ6の回転方向となる。
【0029】
そして、ステッピングモータ6が回転したかどうかを、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルTh以下に変化したかどうかより調べ(ステップ308)、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルTh以下に変化していれば、ステップ302からの処理に戻る。
【0030】
一方、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルTh以下に変化しなかった場合には、マイクロステップ駆動部132に、マイクロ駆動信号の値を、前回ステップ306でマイクロ駆動信号の値を変化させる前の値に復帰させる(ステップ310)。そして、iを1増加して(ステップ312)、ステップ306に戻り、増加後のiについて、マイクロステップ駆動部132に、マイクロ駆動信号の値を、ステッピングモータ6の回転角を、iマイクロステップ角、トラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に変化させる値に変化させる。
【0031】
そして、以下、上述のようにステップ308以降の処理を行う。
以上、ステッピングモータ制御部131が行うフィード制御処理について説明した。
次に、図4a、b、cに、このようなフィード制御処理の処理例を示す。
ただし、マイクロ駆動信号のステッピングモータ6のA相電流信号AとB相電流信号Bは同様に制御されるので、図4a、b、cには、代表としてA相電流信号Aの波形のみを示している。
まず、図4aの処理例について説明する。
この処理例では、t1の時点で、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルThを超えたならば、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を、現在のA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1)、IB(Φ1)から、図2に示した関係に従って、ステッピングモータ6の回転角を現在の回転角Φ1からトラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に1マイクロステップ角θ/M進めた回転角Φ1+θ/Mに対応するA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1+θ/M)、IB(Φ1+θ/M)に変化させる。なお、θは基本ステップ角を、Mはマイクロステップ分割数を表す。
【0032】
そして、当該A相電流信号AとB相電流信号Bの変化に応答して、ステッピングモータ6の回転角ΦがΦ1+αに変化し、これによりトラバース信号TRVSの大きさが所定のレベル以下となったならば、今回のトラバース信号TRVSの大きさの所定のレベルTh超への変化に対する処理シーケンスを終了し、次回のトラバース信号TRVSの大きさの所定のレベルTh超への変化を待つ。なお、αは、その時点のステッピングモータ6や負荷の状態などによって異なる値をとることになる。
【0033】
次に、図4bの処理例について説明する。
この処理例では、t1の時点で、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルThを超えたならば、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を、現在のA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1)、IB(Φ1)から、図2に示した関係に従って、ステッピングモータ6の回転角を現在の回転角Φ1からトラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に1マイクロステップ角θ/M進めた回転角Φ1+θ/Mに対応するA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1+θ/M)、IB(Φ1+θ/M)に変化させる。
【0034】
そして、当該A相電流信号AとB相電流信号Bの変化に応答して、ステッピングモータ6の回転角Φが変化せず、これによりトラバース信号TRVSの大きさが所定のレベル以下とならなかったならば、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を一旦変化前の値IA(Φ1)、IB(Φ1)に復帰する。
【0035】
そして、次に、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を、現在のA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1)、IB(Φ1)から、図2に示した関係に従って、ステッピングモータ6の回転角を現在の回転角Φ1からトラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に2マイクロステップ角θ/M進めた回転角Φ1+2θ/Mに対応するA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1+2θ/M)、IB(Φ1+2θ/M)に変化させる。
【0036】
そして、当該A相電流信号AとB相電流信号Bの変化に応答して、ステッピングモータ6の回転角ΦがΦ1+βに変化し、これによりトラバース信号TRVSの大きさが所定のレベル以下となったならば、今回のトラバース信号TRVSの大きさの所定のレベルTh超への変化に対する処理シーケンスを終了し、次回のトラバース信号TRVSの大きさの所定のレベルTh超への変化を待つ。なおβは、その時点のステッピングモータ6や負荷の状態などによって異なる値をとることになる。
【0037】
次に、図4cに示す処理例について示す。
この処理例では、t1の時点で、トラバース信号TRVSの大きさが所定のレベルThを超えたならば、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を、現在のA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1)、IB(Φ1)から、図2に示した関係に従って、ステッピングモータ6の回転角を現在の回転角Φ1からトラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に1マイクロステップ角θ/M進めた回転角Φ1+θ/Mに対応するA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1+θ/M)、IB(Φ1+θ/M)に変化させる。
【0038】
そして、当該A相電流信号AとB相電流信号Bの変化に応答して、ステッピングモータ6の回転角Φが変化せず、これによりトラバース信号TRVSの大きさが所定のレベル以下とならなかったならば、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を一旦変化前の値IA(Φ1)、IB(Φ1)に復帰する。
【0039】
そして、次に、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を、現在のA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1)、IB(Φ1)から、図2に示した関係に従って、ステッピングモータ6の回転角を現在の回転角Φ1からトラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に2マイクロステップ角θ/M進めた回転角Φ1+2θ/Mに対応するA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1+2θ/M)、IB(Φ1+2θ/M)に変化させる。
【0040】
そして、それでも、当該A相電流信号AとB相電流信号Bの変化に応答して、ステッピングモータ6の回転角Φが変化せず、これによりトラバース信号TRVSの大きさが所定のレベル以下とならなかったならば、再度、A相電流信号AとB相電流信号Bの値を再度変化前の値IA(Φ1)、IB(Φ1)に復帰する。
【0041】
そして、相電流信号AとB相電流信号Bの値を、現在のA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1)、IB(Φ1)から、図2に示した関係に従って、ステッピングモータ6の回転角を現在の回転角Φ1からトラバース信号TRVSの大きさが減少する回転方向に3マイクロステップ角θ/M進めた回転角Φ1+3θ/Mに対応するA相電流信号AとB相電流信号Bの値IA(Φ1+3θ/M)、IB(Φ1+3θ/M)に変化させる。
【0042】
そして、当該A相電流信号AとB相電流信号Bの変化に応答して、ステッピングモータ6の回転角ΦがΦ1+γに変化し、これによりトラバース信号TRVSの大きさが所定のレベル以下となったならば、今回のトラバース信号TRVSの大きさの所定のレベルTh超への変化に対する処理シーケンスを終了し、次回のトラバース信号TRVSの大きさの所定のレベルTh超への変化を待つ。なおβは、その時点のステッピングモータ6や負荷の状態などによって異なる値をとることになる。
【0043】
以上、ステッピングモータ制御部131が行うフィード制御処理の処理例を示した。
このように、本実施形態に係るフィード制御処理によれば、マイクロステップ駆動信号の変化量を増加させながら、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値への復帰と変化を、ステッピングモータ6が回転するまで繰り返すが、このような処理によれば、マイクロステップ駆動信号を変化させる各回でステッピングモータ6のロータに与えられるインパクトが漸次大きくなる。したがって、たとえば、図4dに示すように、マイクロステップ駆動信号の変化に応答してステッピングモータ6が回転しなかった場合に、マイクロステップ駆動信号を、1マイクロステップ角θ/M相当分づつ増加させるような場合、すなわち、マイクロステップ駆動信号を変化させる各回でステッピングモータ6のロータに与えられるインパクトが等しい場合に比べ、よりすみやか、かつ、確実にステッピングモータ6を回転させることができる。また、マイクロステップ駆動信号の変化は、常に、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値へ復帰させた後に行うので、ステッピングモータ6が回転した際のステッピングモータ6の回転角の目標とする回転角とのずれを小さく抑えることができる。
【0044】
よって、マイクロステップ分割数を大きく設定した際に、マイクロステップ駆動信号の変化に応答してステッピングモータ6が回転せずサーボ制御が凍結してしまった場合でも、すみやかに、適正なサーボ制御が行われる状態に復帰させることができ、これにより、マイクロステップ分割数を大きく設定した場合におけるサーボ制御の精度を向上することができる。
【0045】
ところで、以上の実施形態における、マイクロステップ駆動信号の変化に応答してステッピングモータ6が回転しない場合に、マイクロステップ駆動信号の変化量を増加させながら、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値への復帰と変化を、ステッピングモータ6が回転するまで繰り返す、ステッピングモータ6のマイクロステップ駆動の技術は、光ディスクドライブのピックアップ4のフィードに用いられるステッピングモータ6以外の、任意の用途に用いられるステッピングモータ6のサーボ制御に同様に適用することができる。なお、この場合には、ステッピングモータ6の回転の有無は、ステッピングモータモータの回転を直接検出するようにしても良いし、ステッピングモータ6の回転に伴って変化する任意の状態に応じて検出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスクドライブの構成を示すブロック図である。
【図2】ステッピングモータのマイクロステップ駆動信号の例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るフィード制御処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係るフィード制御処理の処理例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1…クランパ、2…ターンテーブル、3…スピンドルモータ、4…ピックアップ、5…スレッド、6…ステッピングモータ、7…RFアンプ、8…信号処理部、9…システムコントローラ、10…ホストインタフェース、11…フォーカスサーボ制御部、12…トラッキングサーボ制御部、13…フィード制御部、100…光ディスク、131…ステッピングモータ制御部、132…マイクロステップ駆動部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体であるディスクの再生を行うディスク再生装置と、
前記ディスクから信号を読み出すピックアップと、
前記ピックアップを前記ディスクの半径方向に移動するステッピングモータと、
前記ステッピングモータに提供する駆動信号の値を変化させることにより、当該ステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行う駆動制御部と、
前記駆動制御部を制御して前記ピックアップのトラッキングサーボを行うサーボ制御部とを有し、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、当該駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータが回転しなかったときの駆動信号の変化量よりも大きな変化量で当該駆動信号の値を変化させることを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
請求項1記載のディスク再生装置であって、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、前記駆動信号の値の変化量を増加させながら、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値への復帰と変化を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするディスク再生装置。
【請求項3】
請求項1記載のディスク再生装置であって、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、前記駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角二つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させることを特徴とするディスク再生装置。
【請求項4】
請求項2記載のディスク再生装置であって、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、iを2から1づつ増加させながら、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角i個分変化するように、前記駆動信号の値を変化させる動作を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするディスク再生装置。
【請求項5】
請求項1記載のディスク再生装置であって、
前記ディスクは光ディスクであることを特徴とするディスク再生装置。
【請求項6】
請求項1記載のディスク再生装置であって、
前記駆動制御部は、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させた際の前記ステッピングモータの回転の有無を、前記ピックアップのトラッキングエラー量を表すトラッキングエラー信号に基づいて判定することを特徴とするディスク再生装置。
【請求項7】
ステッピングモータのサーボ制御を行うステッピングモータ制御装置であって、
前記ステッピングモータに提供する駆動信号の値を変化させることにより、当該ステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行う駆動制御部と、
前記駆動制御部を制御して前記ステッピングモータのサーボ制御を行うサーボ制御部とを有し、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、前記駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータが回転しなかったときの駆動信号の変化量よりも大きな変化量で当該駆動信号の値を変化させることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【請求項8】
請求項7記載のステッピングモータ制御装置であって、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、前記駆動信号の値の変化量を増加させながら、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値への復帰と変化を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【請求項9】
請求項7記載のステッピングモータ制御装置であって、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角二つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させることを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【請求項10】
請求項8記載のステッピングモータ制御装置であって、
前記駆動制御部は、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行ったときに、当該ステッピングモータが回転しなかった場合に、iを2から1づつ増加させながら、前記駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角i個分変化するように、前記駆動信号の値を変化させる動作を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするステッピングモータ制御装置。
【請求項11】
記録媒体であるディスクの再生を行うディスク再生装置において、前記ディスクから信号を読み出すピックアップのトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ制御方法であって、
トラッキングエラー量に応じて、前記ピックアップをディスクの半径方向に移動するステッピングモータの、前記ピックアップのトラッキングのための回転の要否を検出する回転要否検出ステップと、
前記回転要否検出ステップにおいて、回転要と判定された場合に、前記ステッピングモータに提供する駆動信号の値を変化させることにより、当該ステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行う駆動制御ステップを有し、
前記駆動制御ステップは、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行う基本駆動ステップと、
前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータが回転しなかったときの駆動信号の変化量よりも大きな変化量で当該駆動信号の値を変化させるリカバリステップとを有することを特徴とするトラッキングサーボ制御方法。
【請求項12】
請求項11記載のトラッキングサーボ制御方法であって、
前記リカバリステップにおいて、前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、前記駆動信号の値の変化量を増加させながら、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値への復帰と変化を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするトラッキングサーボ制御方法。
【請求項13】
請求項11記載のトラッキングサーボ制御方法であって、
前記基本駆動ステップにおいて、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行い、
前記リカバリステップにおいて、前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角二つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させることを特徴とするトラッキングサーボ制御方法。
【請求項14】
請求項12記載のトラッキングサーボ制御方法であって、
前記基本駆動ステップにおいて、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行い、
前記リカバリステップにおいて、前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、iを2から1づつ増加させながら、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角i個分変化するように、前記駆動信号の値を変化させる動作を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするトラッキングサーボ制御方法。
【請求項15】
請求項11記載のトラッキングサーボ制御方法であって、
前記ディスクは光ディスクであることを特徴とするトラッキングサーボ制御方法。
【請求項16】
請求項11記載のトラッキングサーボ制御方法であって、
前記リカバリステップにおいて、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させた際の前記ステッピングモータの回転の有無を、前記ピックアップのトラッキングエラー量を表すトラッキングエラー信号に基づいて判定することを特徴とするトラッキングサーボ制御方法。
【請求項17】
ステッピングモータのサーボ制御を行うステッピングモータ制御方法であって、
前記ピックアップの前記サーボ制御のための回転の要否を検出する回転要否検出ステップと、
前記回転要否検出ステップにおいて、回転要と判定された場合に、前記ステッピングモータに提供する駆動信号の値を変化させることにより、当該ステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行う駆動制御ステップを有し、
前記駆動制御ステップは、前記駆動信号の値を変化させてステッピングモータの回転角を変化させるマイクロステップ駆動を行う基本駆動ステップと、
前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータが回転しなかったときの駆動信号の変化量よりも大きな変化量で当該駆動信号の値を変化させるリカバリステップとを有することを特徴とするステッピングモータ制御方法。
【請求項18】
請求項17記載のステッピングモータ制御方法であって、
前記リカバリステップにおいて、前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、前記駆動信号の値の変化量を増加させながら、マイクロステップ駆動信号の値の変化前の値への復帰と変化を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするステッピングモータ制御方法。
【請求項19】
請求項17記載のステッピングモータ制御方法であって、
前記基本駆動ステップにおいて、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行い、
前記リカバリステップにおいて、前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角二つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させることを特徴とするステッピングモータ制御方法。
【請求項20】
請求項18記載のステッピングモータ制御方法であって、
前記基本駆動ステップにおいて、前記サーボ制御部の制御に従って、前記ステッピングモータの回転角が、当該ステッピングモータの基本ステップ角を当該ステッピングモータの基本ステップあたりのマイクロステップ数で分割した角度であるマイクロステップ角一つ分変化するように、前記駆動信号の値を変化させるマイクロステップ駆動を行い、
前記リカバリステップにおいて、前記基本駆動ステップによって前記駆動信号の値を変化させても、前記ステッピングモータが回転しなかった場合に、iを2から1づつ増加させながら、駆動信号の値を変化前の値に復帰した上で、前記ステッピングモータの回転角が前記マイクロステップ角i個分変化するように、前記駆動信号の値を変化させる動作を、前記ステッピングモータが回転するまで繰り返すことを特徴とするステッピングモータ制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−299923(P2008−299923A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−142980(P2007−142980)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】