説明

ディスク再生装置

【課題】 ユーザの意思に反してディスク排出禁止機能のオン/オフ設定が切り替わることを防止することが出来るディスク再生装置1を提供する。
【解決手段】 本発明のディスク再生装置1は、ユーザにより入力されたディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効、及びディスク排出禁止機能設定のオン/オフを記憶している。該ディスク再生装置1は、ユーザによりディスク排出禁止機能設定のオンが入力されたとき、及び/又はディスク排出禁止機能設定のオフが入力されたとき、ディスク排出禁止機能設定入力の有効を記憶している場合にディスク排出禁止機能設定のオン/オフを記憶する動作を実行する一方、無効を記憶している場合には該オン/オフ記憶動作を禁止する。そして、ユーザによりディスク排出操作が行なわれたとき、ディスク排出禁止機能設定のオンを記憶している場合に、ディスク排出禁止機能を動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクを再生位置から排出位置まで移動させる動作を禁止するディスク排出禁止機能を有するディスク再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤやCDプレーヤ等のディスク再生装置においては、ディスクの装填/取出しを行なう際に操作すべきディスクトレイ開閉キーが配備されており、該キーを押下することにより、ディスクトレイが開かれてディスクの装填/取出しが可能となる。
ところで、ディスクの盗難を防止すべく装置本体に配備されたキーが所定時間以上に亘って押下された場合にのみディスクトレイを開くディスク再生装置が提案されている(特許文献1参照)。
又、ディスクトレイの開閉動作を禁止するディスクトレイロック機能を有するディスク再生装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。該ディスク再生装置においては、ディスクトレイロック機能をオンに設定しておけば、ディスクトレイ開閉キーが押下されたとしてもディスクトレイは開かれないので、ディスクの盗難を防止することが出来る。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3085946号公報[G11B 19/16]
【特許文献2】特開平7−37320号公報[G11B 19/04]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスクトレイロック機能を有する従来のディスク再生装置においては、ディスクトレイロック機能の設定をオン/オフするキー操作を行なうだけで該機能の設定をオン/オフすることが出来たので、ユーザが他の操作を行なうべく操作キーを触っているうちに、意思に反して前記キー操作が行なわれて該機能の設定が切り替わることがあった。
本発明の目的は、ユーザの意思に反してディスクトレイロック機能等のディスク排出禁止機能のオン/オフ設定が切り替わることを防止することが出来るディスク再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るディスク再生装置は、ディスクから信号を再生するディスク再生機能を含む複数の機能を有すると共に、ディスクを再生位置から排出位置まで移動させる動作を禁止するディスク排出禁止機能を有しており、
ディスクからの信号読出し動作を制御すると共にディスクから読み出された信号に対する信号処理を行なう第1制御回路と、
前記ディスク排出動作を制御する第2制御回路と、
前記第1制御回路をディスク再生機能が選択されている状態でのみ動作状態に維持する一方、前記第2制御回路をディスク再生機能が選択されている状態及びディスク再生機能以外の機能が選択されている状態で動作状態に維持する電力供給回路
とを具えている。そして、前記第1制御回路は、
ユーザにより入力されたディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効を前記第2制御回路に通知する通知手段
を具えている一方、前記第2制御回路は、
ユーザにより入力されたディスク排出禁止機能設定のオン/オフを記憶するオン/オフ記憶手段と、
ユーザによりディスク排出禁止機能設定のオンが入力されたとき、及び/又はディスク排出禁止機能設定のオフが入力されたとき、前記第1制御回路からディスク排出禁止機能設定入力の有効が通知された場合に前記オン/オフ記憶手段を動作させる一方、ディスク排出禁止機能設定入力の無効が通知された場合には前記オン/オフ記憶手段の動作を禁止する第1制御手段と、
ユーザによりディスク排出操作が行なわれたとき、前記オン/オフ記憶手段にディスク排出禁止機能設定のオンが記憶されている場合に、ディスク排出禁止機能を動作させる第2制御手段
とを具えている。
【0006】
上記本発明に係るディスク再生装置においては、ディスク排出禁止機能設定入力の無効を入力しておけば、ディスク排出禁止機能設定のオン/オフが入力されたとしても、オン/オフ記憶手段の動作が禁止されてディスク排出禁止機能設定のオン/オフは記憶されない。又、この状態で、ユーザの意思に反してディスク排出禁止機能設定入力の有効が入力された後、ディスク排出禁止機能設定のオンが入力される事態の可能性は低い。然も、ディスク再生機能以外の機能が選択されている状態では、第1制御回路は動作を停止しているのでディスク排出禁止機能設定入力の有効を入力することは出来ず、該入力を可能とするためにはディスク再生機能を選択しなければならないが、この状態で、ユーザの意思に反してディスク再生機能が選択された後、ディスク排出禁止機能設定入力の有効が入力され、更にディスク排除禁止機能設定のオン/オフが入力されるという事態の可能性は極めて低い。従って、ユーザの意思に反してディスク排除禁止機能のオン/オフ設定が切り替わることを防止することが出来る。
【0007】
具体的には、前記第1制御回路は、ユーザによりディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効設定開始操作が行なわれたとき、ディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効設定画面を表示するための画像表示信号を出力する画像処理手段を具えている。
該具体的構成においては、第1制御回路の出力端に、例えばモニタ装置が接続され、該モニタ装置にディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効設定画面が表示されるので、ユーザは該画面を見ながら容易にディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効設定を行なうことが出来る。
【0008】
又、具体的には、前記第1制御手段は、ディスク再生機能が選択されている場合に限って、前記オン/オフ記憶手段を動作させる。
【0009】
該具体的構成においては、ディスク排出禁止機能設定入力の有効が入力されている場合であっても、ディスク再生機能以外の機能が選択されている状態では、ディスク排出禁止機能設定のオン/オフが入力されたとしても、オン/オフ記憶手段の動作は実行されず、ディスク排出禁止機能設定のオン/オフは記憶されない。又、この状態で、ユーザの意思に反してディスク再生機能が選択された後、ディスク排出禁止機能設定のオン/オフが入力されるという事態の可能性は低い。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るディスク再生装置によれば、ユーザの意思に反してディスク排出禁止機能のオン/オフ設定が切り替わることを防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を、DVDから信号を再生するDVD再生機能及びラジオ放送信号を受信するラジオ放送受信機能を有するディスク再生装置に実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
図1に示す如く、本発明に係るディスク再生装置(1)は、直方体の筐体(10)を具え、該筐体(10)には、矢印で示す如く開閉可能なディスクトレイ(100)が配備されており、ディスクトレイ(100)を開いた状態で該ディスクトレイ(100)にDVD(4)を載置した後、該ディスクトレイ(100)を閉じることによってDVD(4)を所定の再生位置にセットすることが出来る。
【0012】
又、筐体(10)の前面には、例えばVFD(Vacuum Fluorescent Display)からなる表示装置(11)と、複数の操作キーからなるキー入力装置(12)とが配備されている。複数の操作キーには、前記ディスクトレイ(100)の開閉を行なう際に操作すべきディスクトレイ開閉キー(120)が含まれている。
【0013】
図2は、上記ディスク再生装置(1)の電気的構成を表わしており、DVDドライブ装置(13)、チューナ回路(14)、DVDからの信号読出し動作を制御すると共にDVDから読み出された信号に対する信号処理を行なうディスク再生制御回路(15)、前記チューナ回路(14)及び前記ディスク再生制御回路(15)から得られる音声信号に対する信号処理を行なう音声信号処理回路(16)、及びアンプ回路(17)が装備されている。
又、前記チューナ回路(14)及び前記音声信号処理回路(16)に対する制御動作を含む装置全体の制御動作を行なうシステム制御マイコン(18)が装備されており、該マイコン(18)には、上記の表示装置(11)及びキー入力装置(12)が接続されている。
【0014】
前記DVDドライブ装置(13)は、上記ディスクトレイを開閉するディスクローディング装置(130)を具えている。
又、前記ディスク再生制御回路(15)は、DVDドライブ装置(13)から読み出された信号に対するMPEGデコード処理及びオンスクリーン表示のための映像処理を行なうMPEGデコーダ回路(151)と、前記システム制御マイコン(18)との間で通信を行ないつつDVDドライブ装置(13)の信号読出し動作及びMPEGデコーダ回路(151)の動作を制御するMPEG制御マイコン(152)とを具えている。
【0015】
更に、商用電源(図示省略)からの電力をシステム制御マイコン(18)及びディスク再生制御回路(15)に供給する電源回路(19)が装備されており、システム制御マイコン(18)には、該電源回路(19)から常に電力が供給される。ディスク再生制御回路(15)に対する電力供給動作は、システム制御マイコン(18)によって制御されており、電源回路(19)は、DVDファンクションが選択されている状態では、ディスク再生制御回路(15)に対する電力供給動作を実行する一方、ラジオ放送受信ファンクションが選択されている状態では、該電力供給動作を停止する。従って、ラジオ放送番組の聴取時に、ディスク再生制御回路(15)の発振子(図示省略)から高周波のクロック信号が発生することはなく、放送信号の受信感度が低下することはない。
【0016】
上記ディスク再生装置(1)においては、ユーザがキー入力装置(12)に対してDVDファンクションを選択する操作を行なうと、システム制御マイコン(18)から電源回路(19)に電力供給開始指令が発せられて、電源回路(19)からディスク再生制御回路(15)に対する電力の供給が開始される。この状態で、ユーザがキー入力装置(12)に対してDVDからの信号再生を開始するための再生操作を行なうと、システム制御マイコン(18)からMPEG制御マイコン(152)に再生要求コマンドが送信されて、該マイコン(152)からDVDドライブ装置(13)に信号読出し開始指令が発せられる。この結果、DVDから信号が読み出され、読み出された信号は、MPEGデコーダ回路(151)にてデコード処理が施されて、映像信号と音声信号とが分離される。映像信号は、モニタ装置(2)に供給される一方、音声信号は、音声信号処理回路(16)に供給されてサラウンド処理や減衰処理等の音声処理が施された後、アンプ回路(17)にて増幅され、スピーカ(3)に供給される。
又、MPEG制御マイコン(152)からシステム制御マイコン(18)に、信号再生状態を表わす状態情報や信号再生に関する時間情報等が供給されて、それらの情報が表示装置(11)に表示される。
【0017】
これに対し、ユーザがキー入力装置(12)に対してラジオ放送受信ファンクションを選択する操作を行なうと、システム制御マイコン(18)から電源回路(19)に電力供給停止指令が発せられて、電源回路(19)からディスク再生制御回路(15)に対する電力の供給が停止される。この状態で、ユーザがキー入力装置(12)に対して選局操作を行なうと、システム制御マイコン(18)からチューナ回路(14)に選局指令が発せられ、チューナ回路(14)により該指令に応じた選局動作が実行される。チューナ回路(14)から得られる音声信号は、音声信号処理回路(16)に供給されてサラウンド処理や減衰処理等の音声処理が施された後、アンプ回路(17)にて増幅され、スピーカ(3)に供給される。
【0018】
上記ディスク再生装置(1)は、ディスクローディング装置(130)のディスクトレイ開閉動作を禁止するディスクトレイロック機能を有しており、ディスクトレイロック機能をオンに設定しておけば、ディスクトレイ開閉キー(120)が押下されたとしてもディスクトレイの開閉は行なわれず、ディスクの盗難を防止することが出来る。そして、上記ディスク再生装置(1)は、特徴的構成において、ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効を設定することが可能であって、ディスクトレイロック機能設定入力を無効に設定しておけば、ディスクトレイロック機能をオンに設定するためのトレイロック設定オン操作が行なわれたとしてもディスクトレイロック機能はオンに設定されず、ユーザの意思に反してディスクトレイロック機能がオンとなることを防止することが出来る。
【0019】
図3は、ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定時に上記システム制御マイコン(18)によって実行される手続きを表わしており、先ずステップS1では、ユーザによりディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定開始操作が行なわれたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS1にて同じ判断を繰り返す。
ユーザにより有効/無効設定開始操作が行なわれると、ステップS2に移行して、DVDファンクションが選択されているか否かを判断する。ここで、ラジオ放送受信ファンクションが選択されている場合には、MPEG制御マイコン(152)は動作を停止しているので、ステップS1に戻って、ユーザによる有効/無効設定開始操作に待機する。
これに対し、DVDファンクションが選択されている場合には、ステップS3に移行して、MPEG制御マイコン(152)にディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定の要求があった旨の設定コマンドを送信する。その後、ユーザが図8に示す有効/無効設定画面を見ながらディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効を選択すべくキー入力装置(12)に対し入力操作を行なうと、ステップS4では、入力された情報をMPEG制御マイコン(152)に送信する。
【0020】
続いてステップS5では、MPEG制御マイコン(152)からディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定情報を受信し、次にステップS6では、受信した設定情報がディスクトレイロック機能設定入力の無効を表わすか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS1に戻って、ユーザによる有効/無効設定開始操作に待機する。
受信した設定情報がディスクトレイロック機能設定入力の無効を表わしている場合には、ステップS7に移行して、ディスクトレイロック機能がオンに設定されているか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS1に戻ってユーザによる有効/無効設定開始操作に待機する一方、イエスと判断された場合には、ステップS8にてディスクトレイロックをオフに設定した後、ステップS1に戻ってユーザによる有効/無効設定開始操作に待機する。
【0021】
図4は、ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定時に上記MPEG制御マイコン(152)によって実行される手続きを表わしており、先ずステップS11では、上述の如くシステム制御マイコン(18)から送信される設定コマンドを受信したか否かを判断し、ノーと判断された場合にはステップS11にて同じ判断を繰り返す。
システム制御マイコン(18)から設定コマンドを受信してステップS11にてイエスと判断された場合には、ステップS12に移行して、図8に示す有効/無効設定画面をモニタ装置(2)に表示する。その後、ステップS13では、上述の如くシステム制御マイコン(18)から送信されたキー入力情報を受信し、続いてステップS14では、受信したキー入力情報に基づきディスクトレイロック機能設定入力の有効或いは無効の何れが選択されたのかを判断して、ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定情報をシステム制御マイコン(18)に送信する。最後にステップS15にて、ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効を記憶した後、ステップS11に戻って設定コマンドの受信に待機する。
【0022】
図3及び図4に示す手続きによれば、ユーザによりディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定開始操作が行なわれたとき、その時点でDVDファンクションが選択されている場合には、システム制御マイコン(18)からMPEG制御マイコン(152)に設定コマンドが送信されて、図8に示す有効/無効設定画面がモニタ装置(2)に表示される。この状態で、キー入力装置(12)に対する操作により有効/無効が選択されると、システム制御マイコン(18)からMPEG制御マイコン(152)にキー入力情報が送信されて、MPEG制御マイコン(152)によりディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効が記憶される。そして、MPEG制御マイコン(152)からシステム制御マイコン(18)にディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定情報が送信され、該設定情報が無効を表わしており、且つディスクトレイロック機能がオンに設定されている場合には、システム制御マイコン(18)によりディスクトレイロック機能設定のオフが記憶されて該機能設定がオフに切り換えられる。
【0023】
図5は、ディスクトレイロック機能のオン設定時にシステム制御マイコン(18)によって実行される手続きを表わしており、先ずステップS21にて、ユーザによりトレイロック設定オン操作が行なわれたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS21にて同じ判断を繰り返す。
ユーザによりトレイロック設定オン操作が行なわれると、ステップS22に移行して、DVDファンクションが選択されているか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS21に戻って、ユーザによるトレイロック設定オン操作に待機する一方、イエスと判断された場合にはステップS23に移行して、MPEG制御マイコン(152)から有効/無効設定情報を取得して該情報に基づきディスクトレイロック機能設定入力が有効であるか否かを判断する。ここでノーと判断された場合はステップS21に戻って、ユーザによるトレイロック設定オフ操作に待機する。
ディスクトレイロック機能設定入力が有効である場合には、ステップS24に移行して、ディスクトレイロック機能の設定がオフであるか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS21に戻って、ユーザによるトレイロック設定オン操作に待機する。
【0024】
ディスクトレイロック機能の設定がオフである場合には、ステップS25に移行して、ディスクトレイロック機能設定のオンを記憶し、最後にステップS26にてディスクトレイロック機能の設定をオンとした旨を表示装置(11)に表示した後、ステップS21に戻って、ユーザによるトレイロック設定オン操作に待機する。
上記手続きによれば、ユーザによりトレイロック設定オン操作が行なわれたとき、DVDファンクションが選択されており、且つディスクトレイロック機能の設定入力が有効である場合に限って、ディスクトレイロック機能の設定がオフからオンに切り換えられることになる。
【0025】
図6は、ディスクトレイロック機能のオフ設定時にシステム制御マイコン(18)によって実行される手続きを表わしており、先ずステップS31にて、ユーザによりトレイロック設定オフ操作が行なわれたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS31にて同じ判断を繰り返す。
ユーザによりトレイロック設定オフ操作が行なわれると、ステップS32に移行して、DVDファンクションが選択されているか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS31に戻って、ユーザによるトレイロック設定オフ操作に待機する一方、イエスと判断された場合にはステップS33に移行して、ディスクトレイロック機能の設定がオンであるか否かを判断する。ここでノーと判断された場合は、ステップS31に戻って、ユーザによるトレイロック設定オフ操作に待機する。
ディスクトレイロック機能の設定がオンである場合には、ステップS34に移行して、ディスクトレイロック機能設定のオフを記憶し、最後にステップS35にてディスクトレイロック機能の設定をオフにした旨を表示装置(11)に表示した後、ステップS31に戻って、ユーザによるトレイロック設定オフ操作に待機する。
上記手続きによれば、ユーザによりトレイロック設定オフ操作が行なわれたとき、DVDファンクションが選択されている場合に限って、ディスクトレイロック機能の設定がオンからオフに切り換えられることになる。
【0026】
図7は、ディスクトレイのオープン時にシステム制御マイコン(18)によって実行される手続きを表わしており、先ずステップS41にて、ユーザによりディスクトレイ開閉キー(120)が押下されたか否かを判断し、ノーと判断された場合はステップS41にて同じ判断を繰り返す。
ディスクトレイが閉じられている状態でユーザによりディスクトレイ開閉キー(120)が押下されると、ステップS42に移行して、ディスクトレイロック機能がオフに設定されているか否かを判断し、イエスと判断された場合には、ステップS43にてディスクトレイをオープンした後、ステップS44にてディスクトレイがオープンされた旨を表示装置(11)に表示して、ステップS41に戻る。
これに対し、ディスクトレイロック機能がオンに設定されている場合には、ステップS45にてディスクトレイロックがオンに設定されている旨を表示装置(11)に表示して、ステップS41に戻る。
上記手続きによれば、ディスクトレイロック機能がオンに設定されている場合には、ディスクトレイ開閉キー(120)が押下されたとしてもディスクトレイは開かれず、ディスクトレイロック機能がオフに設定されている場合に限ってディスクトレイが開かれることになる。
【0027】
本発明に係るディスク再生装置においては、図5に示す如く、ディスクトレイロック機能設定入力を無効に設定しておけば、トレイロック設定オン操作が行なわれたとしてもディスクトレイロック機能はオンに設定されない。又、この状態で、ユーザの意思に反してディスクトレイロック機能設定入力の有効が入力された後、ディスクトレイロック機能設定のオンが入力される事態の可能性は低い。然も、図3に示す如く、ディスクトレイロック機能設定入力の有効を入力するためにはDVDファンクションが選択されている状態でなければならないが、ラジオ放送受信機能が選択されている状態で、ユーザの意思に反してディスク再生機能が選択された後、ディスクトレイロック機能設定入力の有効が入力され、更にディスクトレイロック機能設定のオンが入力されるという事態の可能性は極めて低い。
又、図5に示す如く、ディスクトレイロック機能設定入力が有効に設定されている場合であっても、ラジオ放送受信機能が選択されている状態では、トレイロック設定オン操作が行なわれたとしてもディスクトレイロック機能はオンに設定されない。又、この状態で、ユーザの意思に反してDVDファンクションが選択された後、ディスクトレイロック機能設定のオンが入力されるという事態の可能性は低い。
従って、ユーザの意思に反してディスクトレイロック機能の設定がオフからオンに切り替わることを防止することが出来る。
【0028】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、MPEG制御マイコン(152)がディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効を記憶しており、トレイロック設定オン操作が行なわれたときにシステム制御マイコン(18)がMPEG制御マイコン(152)からディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定情報を取得する構成を採用しているが、ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定操作が行なわれたときにシステム制御マイコン(18)がMPEG制御マイコン(152)から有効/無効設定情報を取得して有効/無効を記憶する構成を採用することも可能である。
又、上記実施の形態においては、本発明を、システム制御マイコン(18)とMPEG制御マイコン(152)の2つのマイコンを具えたディスク再生装置に実施しているが、1つのマイコンを具えたディスク再生装置に実施することも可能である。該ディスク再生装置においては、1つのマイコンによって、ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効、及びディスクトレイロック機能設定のオン/オフが記憶される。
又、トレイロック設定オフ操作が行なわれたときに、ディスクトレイロック機能設定入力が有効に設定されている場合に限って、ディスクトレイロック機能設定をオンからオフに切り換える構成を採用することも可能である。
更に、本発明は、DVDがディスク挿入口に挿入されると該DVDを筐体内に収容して再生位置にセットする一方、ディスク排出操作に応じて筐体内のDVDをディスク挿入口から排出するディスク再生装置に実施することも可能である。
更に又、本発明は、DVDに限らず、CD等の周知のディスクから信号を再生する機能を有するディスク再生装置に実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るディスク再生装置の外観を表わす斜視図である。
【図2】上記ディスク再生装置の電気的構成を表わすブロック図である。
【図3】ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定時にシステム制御マイコンによって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図4】ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定時にMPEG制御マイコンによって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図5】ディスクトレイロック機能のオン設定時にシステム制御マイコンによって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図6】ディスクトレイロック機能のオフ設定時にシステム制御マイコンによって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図7】ディスクトレイのオープン時にシステム制御マイコンによって実行される手続きを表わすフローチャートである。
【図8】ディスクトレイロック機能設定入力の有効/無効設定時にモニタ装置に表示される画面例を表わす図である。
【符号の説明】
【0030】
(1) ディスク再生装置
(11) 表示装置
(12) キー入力装置
(120) ディスクトレイ開閉キー
(13) DVDドライブ装置
(130) ディスクローディング装置
(14) チューナ回路
(15) ディスク再生制御回路
(151) MPEGデコーダ回路
(152) MPEG制御マイコン
(16) 音声信号処理回路
(17) アンプ回路
(18) システム制御マイコン
(19) 電源回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを再生位置から排出位置まで移動させる動作を禁止するディスク排出禁止機能を有するディスク再生装置において、
ユーザにより入力されたディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効を記憶する有効/無効記憶手段と、
ユーザにより入力されたディスク排出禁止機能設定のオン/オフを記憶するオン/オフ記憶手段と、
ユーザによりディスク排出禁止機能設定のオンが入力されたとき、及び/又はディスク排出禁止機能設定のオフが入力されたとき、前記有効/無効記憶手段にディスク排出禁止機能設定入力の有効が記憶されている場合に前記オン/オフ記憶手段を動作させる一方、ディスク排出禁止機能設定入力の無効が記憶されている場合には前記オン/オフ記憶手段の動作を禁止する第1制御手段と、
ユーザによりディスク排出操作が行なわれたとき、前記オン/オフ記憶手段にディスク排出禁止機能設定のオンが記憶されている場合に、ディスク排出禁止機能を動作させる第2制御手段
とを具えていることを特徴とするディスク再生装置。
【請求項2】
ディスクから信号を再生するディスク再生機能を含む複数の機能を有すると共に、ディスクを再生位置から排出位置まで移動させる動作を禁止するディスク排出禁止機能を有するディスク再生装置において、
ディスクからの信号読出し動作を制御すると共にディスクから読み出された信号に対する信号処理を行なう第1制御回路と、
前記ディスク排出動作を制御する第2制御回路と、
前記第1制御回路をディスク再生機能が選択されている状態でのみ動作状態に維持する一方、前記第2制御回路をディスク再生機能が選択されている状態及びディスク再生機能以外の機能が選択されている状態で動作状態に維持する電力供給回路
とを具えており、前記第1制御回路は、
ユーザにより入力されたディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効を前記第2制御回路に通知する通知手段
を具えている一方、前記第2制御回路は、
ユーザにより入力されたディスク排出禁止機能設定のオン/オフを記憶するオン/オフ記憶手段と、
ユーザによりディスク排出禁止機能設定のオンが入力されたとき、及び/又はディスク排出禁止機能設定のオフが入力されたとき、前記第1制御回路からディスク排出禁止機能設定入力の有効が通知された場合に前記オン/オフ記憶手段を動作させる一方、ディスク排出禁止機能設定入力の無効が通知された場合には前記オン/オフ記憶手段の動作を禁止する第1制御手段と、
ユーザによりディスク排出操作が行なわれたとき、前記オン/オフ記憶手段にディスク排出禁止機能設定のオンが記憶されている場合に、ディスク排出禁止機能を動作させる第2制御手段
とを具えていることを特徴とするディスク再生装置。
【請求項3】
前記第1制御回路は、ユーザによりディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効設定開始操作が行なわれたとき、ディスク排出禁止機能設定入力の有効/無効設定画面を表示するための画像表示信号を出力する画像処理手段を具えている請求項2に記載のディスク再生装置。
【請求項4】
前記第1制御手段は、ディスク再生機能が選択されている場合に限って、前記オン/オフ記憶手段を動作させる請求項2又は請求項3に記載のディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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