説明

ディスク形状の記録媒体綴じ込み頁部材

【課題】本体及び記録媒体が頁に固定されて蓋が開くものであり、また、収納ケースから記録媒体を取り出しやすいディスク形状の記録媒体綴じ込み頁部材を得る。
【解決手段】 収納ケース本体10が合成樹脂製の可撓性を有する一枚シートで作られ、本体係止部19を備え、記録媒体9と係止したときに、本体係止部の外周は、記録媒体9のスピンドル穴の内周面92と複数の接触線97a、97b、97cと97dで接触する。本体フランジ16を板紙と遊離状態で、かつ、台紙70と表紙80間に挟み込んで取り付ける。収納ケースの蓋板40に保護溝46を備え、保護溝46は収納皿部11の内周に入り込む大きさである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(コンパクトディスク)やDVD等のディスク形状の記録媒体を、書籍や雑誌の綴じ込み付録として添付することに好適な、ディスク形状の記録媒体綴じ込み頁部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク型記録媒体の綴じ込み頁部材は収納ケースと板紙からなる。当該収納ケースは、ディスク型記録媒体のスピンドル穴を嵌合させるセンターピースが凸設された本体と、該本体に被せる蓋体とを備えたディスク型記録媒体の収納ケースにおいて、センターピースにホックの片方側が形成され、蓋体にそのホックの他方側が形成され、ホックを係止して本体と蓋体を閉じるものであり、同時に、蓋体は、記録媒体を収納する円形の凹部と、該凹部の周縁に沿って突出する環状のフランジ部を有している。
【0003】
板紙は窓穴が穿設されている。そして、窓穴に、蓋体の凹部の外面側を嵌め込むと同時に、フランジ部を板紙の表面に接着剤で貼り付けて固定している。(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案公報第3133646号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の綴じ込み頁部材は、書籍などの運搬、持ち運び中に記録媒体が飛び出すことがなく、また、開封後にも、繰り返し取り出しと収納が可能な収納ケースである。
【0006】
しかし、蓋体を板紙に固定しているので、本体に記録媒体を取り付けた状態のまま、本体を動かして本体と蓋体とのフックを解除する必要がある。この解除動作は、傷つき易い記録媒体を移動させる動作であり、記録媒体がセンターピースとの係合を放れて飛び出すかも知れないという不安感を誘う操作である。
【0007】
また、記録媒体のスピンドル穴とセンターピースとの嵌合を確実にする必要があるので、当該嵌合の解除にも強い力を必要とする設計にせざるを得ない。このため、操作者は取り出し操作にあたり記録媒体の破損、とりわけスピンドル穴の破損を懸念することになる。
【0008】
そこで、本発明は、本体及び記録媒体が頁に固定され蓋が開く、という操作者心理に適合した記録媒体の綴じ込み頁を得ることを課題とする。さらに、収納ケースから記録媒体を取り出しやすい記録媒体綴じ込み頁部材を得ることを課題とする。また、移動運搬中に記録媒体の破損が増加、あるいは製造コストの上昇など新たな欠点が生じない記録媒体綴じ込み頁部材を得ることを課題とする。
【0009】
本発明のその他の課題は、本発明の説明により明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するために以下の手段を採用する。理解を容易にするために、本発明の実施態様に対応する符号を付けて説明するが、本発明は当該実施態様に限定されるものではない。
【0011】
本発明の一の態様にかかる記録媒体綴じ込み頁部材は、
印刷物にディスク形状の記録媒体を綴じ込む為に用いる、記録媒体の収納ケースを板紙に取り付けた記録媒体綴じ込み頁部材において、
収納ケース(2)は記録媒体(9)を収納する収納皿部(11)を備える本体(10)と、前記収納皿部を蓋内面(41)で覆う蓋体(40)からなり、前記本体と前記蓋体が連続した二つ折り型であり、
前記本体は合成樹脂製の可撓性を有する一枚シートからなる一体物であり、前記蓋体は合成樹脂製の可撓性を有する一枚シートからなる一体物であり、
前記本体の前記収納皿部(11)は本体底板(12)と前記本体底板の外周縁より立ち上がる縦壁(14)からなり、前記本体は前記縦壁の上端から前記本体の外側に向けて張り出す環状の本体フランジ(16)を有し、
前記本体は、さらに、前記本体底板(12)の中央部に本体底板から収納皿部側に突出した本体係止部(19)を有し、前記本体係止部は記録媒体のスピンドル穴(91)に係止して記録媒体を保持するものであり、記録媒体と係止したときに、前記本体係止部の外周は、スピンドル穴の内周面(92)に縦に形成される線である複数の接触線(97)で接触するものであり、
前記本体係止部の中央部は窪みである蓋止凹部(22)であり、
前記蓋体は、蓋天板(42)と蓋天板の外周縁より蓋内面(41)側に立ち上がる溝内壁(43)と、前記溝内壁の上端より蓋体の外側に向けて張り出した環状の溝梁部(44)と、前記溝梁部の外周縁より立ち下がる溝外壁(45)を有し、前記溝内壁、溝梁部と溝外壁により形成される保護溝(46)を備え、前記保護溝は前記収納皿部の内周に入り込む大きさであり、
前記蓋体は、さらに、前記溝外壁の下端から蓋体の外側に向けて張り出す環状の蓋フランジ(47)を有し、
前記蓋天板の中央部に蓋天板から蓋内面側に突出した蓋止突起部(51)を有し、
前記本体フランジの一部分が延長されて本体連続部(17)が形成され、前記蓋フランジの一部分が延長されて蓋体連続部(48)が形成され、前記本体連続部と蓋体連続部が折り曲げ線(56)を挟んで連続しており、
前記本体フランジの幅(18)は、前記蓋フランジの幅(49)よりも大きく、
前記折り曲げ線から折り曲げて、前記蓋止突起部を前記蓋止凹部に係止することにより前記蓋体を前記本体に被せて固定するものであって、固定時に前記溝梁部(44)と前記本体底板(12)が接触し、
板紙は、台紙(70)と表紙(80)からなり、
前記台紙は台紙窓穴(71)を有し、前記台紙窓穴は前記収納皿部が入り込む大きさであり、
前記表紙は表紙窓穴(81)を有し、前記表紙窓穴は前記蓋フランジ及び蓋体連続部が入り込む大きさであり、
前記台紙の前記台紙窓穴に前記収納皿部を入れて、前記表紙窓穴並びに、前記蓋フランジ及び蓋体連続部が重なり合う配置に、前記台紙、前記収納ケースと前記表紙を重ね、前記台紙と前記表紙が直接接する領域を接着し、前記本体フランジを前記板紙と遊離可能で、かつ、前記台紙と前記表紙間に挟み込んで取り付けた。
【0012】
本発明の好ましい実施態様において、記録媒体綴じ込み頁部材は、
前記本体係止部の外周形状は、正n角柱状(nは3以上12以下の正の整数)であり、前記柱状の各縦辺が前記記録媒体のスピンドル穴の内周面と接触して前記接触線を形成するものであってもよい。
【0013】
本好ましい実施態様によれば、スピンドル穴の内周面が均等な間隔で保持されるので、記録媒体の収納ケースへの収納と取り外しが、より一層スムースに行われる記録媒体綴じ込み頁部材となる。
【0014】
本発明の好ましい実施態様において、記録媒体綴じ込み頁部材にあって、前記収納ケースは前記蓋体に、
前記蓋フランジの一部であって、前記蓋体連続部の対面側の一部分から、外方に向って突出する指係りタブを設け、
前記表紙の一部であって、前記指係りタブが位置する領域をタブ埋め込み領域とし、前記タブ埋め込み領域の輪郭線にミシン目切断線を設けたものであってもよい。
【0015】
本好ましい実施態様によれば、流通段階では指係りタブが台紙と表紙の間に挟まれているので収納ケースが不測の事態で開くことが無い。そして、購入者に渡り、タブ埋め込み領域輪郭線のミシン目が切断された後は、指係りタブにより収納ケースの開蓋操作がより一層容易な記録媒体綴じ込み頁部材となる。
【0016】
以上説明した本発明、本発明の好ましい実施態様、これらに含まれる構成要素は可能な限り組み合わせて実施することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にかかる記録媒体綴じ込み頁部材は、その他の構成とともに、収納ケース本体が合成樹脂製の可撓性を有する一枚シートからなる一体物であって、本体係止部を備え、記録媒体と係止したときに、前記本体係止部の外周は、スピンドル穴の内周面と複数の接触線で接触するものであり、本体フランジを板紙と遊離可能で、かつ、前記台紙と前記表紙間に挟み込んで取り付けている。また、収納ケースの蓋板に保護溝を備え、前記保護溝は前記収納皿部の内周に入り込む大きさである。
【0018】
よって、本体及び記録媒体が頁部材に固定され蓋が開く、綴じ込み頁部材となる。蓋開閉操作を行っても収納ケース本体に係合された記録媒体は移動しないので、操作者が記録媒体の損傷を気遣う事態が生じない。
【0019】
収納ケースから記録媒体を取り出す操作は、本体係止部を記録媒体方向に押し込む操作であり、(1)本体係止部と記録媒体が線で接触しているので少ない力で係止が解放され、(2)本体が板紙と遊離可能であるから、可撓性を有する一枚シートである本体が自由に撓むことができるため、容易となる。
【0020】
また、収納ケースと板紙が遊離状態に取り付けられていて、移動運搬中に記録媒体が、台紙窓穴中を振動することがあっても、当該振動による外力は保護溝によって吸収される。さらに一枚のシートからなる一体物であるので、製造コストの上昇もない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は記録媒体綴じ込み頁部材の組み立て説明図である。
【図2】図2は収納ケース2の斜視図である。
【図3】図3は収納ケースの説明図であり、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)中のA−B線で示す直線の断面図である。図3(b)は説明図であり、紙面横と紙面縦の縮尺は異なる。
【図4】図4は本体係止部外周と記録媒体のスピンドル穴の接触線を示す説明図である。
【図5】図5は収納ケース内に記録媒体を収納し、蓋体を閉じた状態を示す断面説明図である。
【図6】図6は本体と記録媒体との係合を解放する操作の説明図であり、図6(a)は解放操作開始時の説明図であり、図6(b)は解放直後の説明図である。
【図7】図7は変形実施例である分離型の本体係止部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施例にかかる記録媒体綴じ込み頁部材をさらに説明する。本発明の実施例に記載した部材や部分の寸法、材質、形状、その相対位置などは、とくに特定的な記載のない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例にすぎない。
【0023】
記録媒体綴じ込み頁部材1は収納ケース2を板紙に取り付けたものである。板紙は台紙70と表紙80を重ね合わせたものである。
【0024】
収納ケース2は本体10と蓋体40からなる。本体10と蓋体40は折り曲げ線56を境に連続している。通常、本体と蓋体は一体成形される。したがって本体と蓋体が連続した一体物である。もっとも、本発明において、本体と蓋体は個別に作成し、その後に連続物となるように連結してもよい。
【0025】
本体10は記録媒体9を収納する収納皿部11を有している。蓋体40は本体10に被せられ、収納皿部11を蓋内面41で覆うものである。
【0026】
本体10と蓋体40は合成樹脂製の可撓性を有する一枚シートからなる。合成樹脂は、例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ハイインパクトスチレン樹脂などが使用できる。シートは、例えば、厚さが0.2mm〜0.4mmである。成形は、例えば、真空成形を行えばよい。
【0027】
本体10は、可撓性と弾力性を有する。後述するように、本体10を撓ませて本体から記録媒体9を取り出す。このため、本体10は、指で力を加えれば撓む程度の可撓性を持ち、外力がなくなれば元の形状に戻る程度の弾力性を持つ。
【0028】
本体10に形成された収納皿部11は、本体底板12と縦壁14に囲まれた扁平な円柱状である。当該円柱の上面は蓋体の蓋天板42である。縦壁14は本体底板の外周縁13から立ち上がっている。縦壁14は円形の本体底板12を一周している。
【0029】
また、本体10は本体フランジ16を有している。本体フランジ16は縦壁の上端15から本体の外側に向けて張り出している。本体フランジ16は一周する縦壁の全領域に設けられている為、その形状は環状である。
【0030】
本体10は、また、本体底板11の中央部に、本体底板から収納皿部内側に突出した本体係止部19を有している。本体係止部19は記録媒体のスピンドル穴91に係止して、記録媒体を収納ケース内に保持するものである。本体係止部19と記録媒体9が係止したときに、本体係止部の外周は、スピンドル穴の内周面92に縦に形成される線である複数の接触線97で接触する。
【0031】
図4を参照して本体係止部とスピンドル穴の接触状態を更に説明する。図4に示した本体係止部19bは外形が正四角柱状である。本体係止部19bに記録媒体9のスピンドル穴を係止する。スピンドル穴91の内周面92と本体係止部19bは、4本の接触線97a、97b、97cと97dで接触する。接触線97a、97b、97cと97dは内周面92に縦に形成される線である。縦とはスピンドル穴の挿入方向と言い換えることができる。また、接触線97a、97b、97cと97dは、記録媒体の表面93に開口した表開口線94と、記録媒体の裏面95に開口した裏開口線96を、表面93に垂直に結ぶ線であると表現することもできる。
【0032】
以上のように、本体係止部19と記録媒体9が係止したときに、スピンドル穴の内周面92と複数の接触線97で接触する本体係止部の外周形状は、正n角柱形状とすることができる。nは3〜12の任意の整数にすることができる。汎用されているディスク型記録媒体はそのスピンドル穴が直径15mm程度である。この大きさのスピンドル穴に事実上線で接するために、前記したnの最大値が定まる。nが大きい数になると円柱と同様に、内周面と面で接触することになるからである。また、最小値は円形の記録媒体を一定位置で保持する必要性から3となる。
【0033】
本体係止部19の中央部は窪みである蓋止凹部22である。本実施例では、蓋止凹部22の形状は正四角柱である。蓋止凹部22は、後に説明する蓋止突起部51と係合する。蓋止突起部51はその外周形状が円柱である。したがって、蓋止凹部22と蓋止突起部51は、互いに、接触線で接触し係合する。
【0034】
なお、図4中には本体係止部に設けられる蓋止凹部の図示を省略している。
【0035】
蓋体40は、円形の蓋天板42を有し、蓋天板の外周縁421から蓋内面41側に立ち上がる溝内壁43を有する。溝内壁43は円形の蓋天板42を一周している。溝内壁の上端431から蓋体の外周側に向けて溝梁部44が張り出している。溝梁部44は溝内壁の一周全てから張り出していて、その形状は環状である。溝梁部の外周縁441から溝外壁45が立ち下がっている。
【0036】
溝内壁43、溝梁部44と溝外壁45に囲まれて、保護溝46が形成される。保護溝46の溝外壁43は、収納皿部11の内周にちょうど入り込む大きさである。
【0037】
溝外壁の下端451から蓋体の外周側に向けて蓋フランジ47が張り出している。蓋フランジ47は、溝外壁45の一周全てに形成されていて、その形状は環状である。
【0038】
蓋天板42の中央部に、蓋天板から蓋内面41側に突出した蓋止突起部51が形成されている。すでに述べたように、本例では、蓋突起部51は円柱状である。蓋突起部51は蓋止凹部22と係止して本体10に蓋体40が被さった状態を保持するものであり、これらの係止状態を保持可能で、かつ、解放可能であれば、その形状に制限はない。例えば、本実施例において、蓋止突起部51を正四角柱や正六角柱状にしてもよい。また、例えば、本実施例において、蓋止凹部の内部形状を円柱形状にしてもよい。
【0039】
本体フランジ16の一部分が延長されて本体連続部17が形成されている。蓋フランジ47の一部分が延長されて蓋体連続部48が形成されている。本体連続部17と蓋体連続部48は折り曲げ線56を挟んで連続している。折り曲げ線56はカットとアンカットを連続した線である。もっとも、折り曲げ線56はカットなしで、折り目をクセ付けた線であってもよい。
【0040】
矢印18で示す本体フランジの幅は、矢印49で示す蓋フランジの幅よりも大きい。このため、収納ケースの蓋体を閉じた状態で、蓋フランジ47に覆われない本体フランジ16の食み出し領域が存在する。
【0041】
蓋フランジ47の一部は蓋体の外側に突出させて指係りタブ52を形成している。蓋体40の中で、指係りタブ52は、蓋体連続部48から蓋天板42の中心部に在る蓋止突起部51を挟んで、反対側に在る。
【0042】
図5は収納ケース内に記録媒体を収納し、蓋体を閉じた状態を示す断面説明図である。収納ケース2は折り曲げ線56で折り曲げて、蓋止突起部51を蓋止凹部22に係止することにより蓋体を本体に被せて固定する。蓋体を閉じた状態で、保護溝46の溝梁部44と本体底板12が接触する。
【0043】
記録媒体9の外周は保護溝46に取り巻かれ、不測の外力から保護される。
【0044】
台紙70には台紙窓穴71が貫通している。表紙80には表紙窓穴81が貫通している。表紙窓穴81は蓋フランジ通過部82と蓋体連続部通過部83を合わせた形状である。蓋フランジの内周に蓋天板があるので、蓋フランジ通過部82を蓋フランジと蓋天板が通過する。
【0045】
次に収納ケース2を板紙に固定する。台紙窓穴71に収納皿部11を入れて、表紙窓穴81並びに、蓋フランジ及び蓋体連続部が重なり合う配置に、前記台紙、前記収納ケースと前記表紙を重ねる。
【0046】
台紙70と表紙80が直接接する領域を接着する。本体フランジ16の食み出し領域を板紙と遊離可能で、かつ、台紙70と表紙80間に挟み込んで取り付ける。すなわち、本体フランジ16と台紙70が当接する領域に、接着剤などの固着手段は無い。また、本体フランジ16と表紙80が当接する領域に、接着剤などの固着手段は無い。
【0047】
収納ケース2を板紙に固定する時に、指係りタブ52はタブ埋め込み領域84に覆われる。
【0048】
次に、記録媒体綴じ込み頁部材から記録媒体を取り出す操作を説明する。
【0049】
まず、タブ埋め込み領域の輪郭線をミシン目から切り離し、当該領域を覆う表紙を取り除く。そして、指係りタブを手がかりにして、本体から蓋体を開く。
【0050】
図6(a)を参照して、本体の周辺部66を矢印62に示す上向き力で支えつつ、本体係止部19に矢印61に示す下向き力を加える。図6(b)に図示したように、本体底板の周辺部63が撓み、本体係止部19とスピンドル穴の係止が解放される。本体フランジは板紙と遊離しているので、このとき、本体底板などはほぼ制限なく撓むことができる。
【0051】
続いて、収納皿部11から記録媒体9を取り出す。このとき、保護溝46が入っていた空間は、好ましい指がかり隙間となり、指により容易に記録媒体を引き出すことができる。
【0052】
本発明は、その技術的範囲内で、様々な実施態様で実施することができる。例えば、蓋止凹部を備えた本体係止部の形状は、一体型に限られない。図7に、4の正四角柱で構成した蓋止凹部を備えた本体係止部を図示している。分離型の本体係止部31a、31b、31cと31dは、スピンドル穴の内周面92と接触線98a、98b、98cと98dで接触する。また、本体係止部31a、31b、31cと31dに囲まれる内部空間は蓋止凹部32となる。
【符号の説明】
【0053】
1 記録媒体綴じ込み頁部材
2 収納ケース
9 記録媒体
10 本体
11 収納皿部
12 本体底板
14 縦壁
16 本体フランジ
17 本体連続部
19 本体係止部(一体型)
22 蓋止凹部(一体型)
31a、31b、31c、31d 本体係止部(分離型)
32 蓋止凹部(分離型)
40 蓋体
41 蓋内面
42 蓋天板
421 蓋天板の外周縁
43 溝内壁
431 溝内壁の上端
44 溝梁部
441 溝梁部の外周縁
45 溝外壁
451 溝外壁の下端
46 保護溝
47 蓋フランジ
48 蓋体連続部
51 蓋止突起部
52 指係りタブ
56 折り曲げ線
70 台紙
71 台紙窓穴
80 表紙
81 表紙窓穴
82 蓋フランジ通過部
83 蓋体連続部通過部
84 タブ埋め込み領域
91 スピンドル穴
92 スピンドル穴の内周面
97a、97b、97c、97d 接触線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物にディスク形状の記録媒体を綴じ込む為に用いる、記録媒体の収納ケースを板紙に取り付けた記録媒体綴じ込み頁部材において、
収納ケースは記録媒体を収納する収納皿部を備える本体と、前記収納皿部を蓋内面で覆う蓋体からなり、前記本体と前記蓋体が連続した二つ折り型であり、
前記本体は合成樹脂製の可撓性を有する一枚シートからなる一体物であり、
前記蓋体は合成樹脂製の可撓性を有する一枚シートからなる一体物であり、
前記本体の前記収納皿部は本体底板と前記本体底板の外周縁より立ち上がる縦壁からなり、前記本体は前記縦壁の上端から前記本体の外側に向けて張り出す環状の本体フランジを有し、
前記本体は、さらに、前記本体底板の中央部に本体底板から収納皿部側に突出した本体係止部を有し、前記本体係止部は記録媒体のスピンドル穴に係止し記録媒体を保持するものであり、記録媒体と係止したときに、前記本体係止部の外周は、スピンドル穴の内周面に縦に形成される線である複数の接触線で接触するものであり、
前記本体係止部の中央部は窪みである蓋止凹部であり、
前記蓋体は、蓋天板と蓋天板の外周縁より蓋内面側に立ち上がる溝内壁と、前記溝内壁の上端より蓋体の外側に向けて張り出した環状の溝梁部と、前記溝梁部の外周縁より立ち下がる溝外壁を有し、前記溝内壁、溝梁部と溝外壁により形成される保護溝を備え、前記保護溝は前記収納皿部の内周に入り込む大きさであり、
前記蓋体は、さらに、前記溝外壁の下端から蓋体の外側に向けて張り出す環状の蓋フランジを有し、
前記蓋天板の中央部に蓋天板から蓋内面側に突出した蓋止突起部を有し、
前記本体フランジの一部分が延長されて本体連続部が形成され、前記蓋フランジの一部分が延長されて蓋体連続部が形成され、前記本体連続部と蓋体連続部が折り曲げ線を挟んで連続しており、
前記本体フランジの幅は、前記蓋フランジの幅よりも大きく、
前記折り曲げ線から折り曲げて、前記蓋止突起部を前記蓋止凹部に係止することにより前記蓋体を前記本体に被せて固定するものであって、固定時に前記溝梁部と前記本体底板が接触し、
板紙は、台紙と表紙からなり、
前記台紙は台紙窓穴を有し、前記台紙窓穴は前記収納皿部が入り込む大きさであり、
前記表紙は表紙窓穴を有し、前記表紙窓穴は前記蓋フランジ及び蓋体連続部が入り込む大きさであり、
前記台紙の前記台紙窓穴に前記収納皿部を入れて、前記表紙窓穴並びに、前記蓋フランジ及び蓋体連続部が重なり合う配置に、前記台紙、前記収納ケースと前記表紙を重ね、前記台紙と前記表紙が直接接する領域を接着し、前記本体フランジを前記板紙と遊離可能で、かつ、前記台紙と前記表紙間に挟み込んで取り付けた記録媒体綴じ込み頁部材。
【請求項2】
前記本体係止部の外周形状は、正n角柱状(nは3以上12以下の正の整数)であり、前記柱状の各縦辺が前記記録媒体のスピンドル穴の内周面と接触して前記接触線を形成することを特徴とする請求項1に記載した記録媒体綴じ込み頁部材。
【請求項3】
前記収納ケースは前記蓋体に、前記蓋フランジの一部であって、前記蓋体連続部の対面側の一部分から、外方に向って突出する指係りタブを設け、
前記表紙の一部であって、前記指係りタブが位置する領域をタブ埋め込み領域とし、前記タブ埋め込み領域の輪郭線にミシン目切断線を設けたことを特徴とする請求項1に記載した記録媒体綴じ込み頁部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−173678(P2010−173678A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17407(P2009−17407)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】