ディスク用ケース
【課題】 光ディスクをディスク収容部から容易に取り出すことができるディスク用ケースを提供すること。
【解決手段】 一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4の周壁部のうち、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向の両側部分にそれぞれ1つずつ設けられている。これらの各割れ目6,6は、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向に沿って、補強紙8の外縁部からディスク収容部4の内周部まで連通している。
光ディスクDを抜脱する場合は、収容トレイ2を一対の割れ目6,6に沿って割るように外力が加えられると、一対の割れ目6,6を稜線としてトレイ台紙7が側面視略アーチ状に撓められる。すると、ディスク収容部4がトレイ台紙7の紙目方向両端よりも湾出されるように迫り出されて、光ディスクDが、保持突起5に嵌合されたままディスク収容部4から浮き上がって取り出しやすくなる。
【解決手段】 一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4の周壁部のうち、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向の両側部分にそれぞれ1つずつ設けられている。これらの各割れ目6,6は、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向に沿って、補強紙8の外縁部からディスク収容部4の内周部まで連通している。
光ディスクDを抜脱する場合は、収容トレイ2を一対の割れ目6,6に沿って割るように外力が加えられると、一対の割れ目6,6を稜線としてトレイ台紙7が側面視略アーチ状に撓められる。すると、ディスク収容部4がトレイ台紙7の紙目方向両端よりも湾出されるように迫り出されて、光ディスクDが、保持突起5に嵌合されたままディスク収容部4から浮き上がって取り出しやすくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクを収容するための紙製のケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CD−ROMやDVDなどの光ディスクを収容するためのディスク用ケースについては、例えば、特開2000−264388に記載されている文庫本型の段ボール製ケースが提案されている。このディスク用ケースは複数枚の段ボールを折り重ねて形成されており、光ディスクが収容される正六角形の収容凹部には、光ディスクの出し入れを容易とするために切欠部が形成されている。
【特許文献1】特開2000−264388
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した段ボール製のディスク用ケースでは、複数枚の段ボールを重ね合わせることで形成されているため、光ディスクの収容凹部が光ディスクの厚みに対して深くなり過ぎて、切欠部があっても光ディスクを収容凹部から取り出し難い場合があるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、光ディスクをディスク収容部から容易に取り出すことができるディスク用ケースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために請求項1記載のディスク用ケースは、弾性的可撓性及び強度のある板紙製の台紙とその台紙の一面に重着される補強紙とを有した紙積層板と、その紙積層板の前記補強紙の一部が光ディスクの外形に合った形状に除去されていることで、前記台紙からなる底面部と前記補強紙からなる周壁部とを有した有底凹陥状に形成されているディスク収容部と、そのディスク収容部の周壁部のうち、前記台紙の紙目に略直交する方向の両側部分にそれぞれ設けられ、その台紙の紙目に略直交する方向に沿って、前記補強紙の外縁部から前記ディスク収容部まで連通している一対の割れ目と、そのディスク収容部の底面略中央から突設され、光ディスクの保持孔に嵌脱可能で弾性変形可能な円柱状の保持突起とを備えている。
【0006】
この請求項1記載のディスク用ケースによれば、光ディスクを収容する場合は、その光ディスクがディスク収容部へ嵌入され、光ディスクの保持孔の周辺部が保持突起の頂部に載置される。それから光ディスクがディスク収容部の底面へ向けて押圧されると、保持突起が弾性変形しながら光ディスクの保持孔内へ嵌入される。そして、光ディスクがディスク収容部の底面(即ち、台紙表面)に当接されるまで押し込まれると、光ディスクの収容が完了する。
【0007】
一方、光ディスクを抜脱する場合は、まず、ディスク用ケースの紙積層板が両手で掴まれて、その紙積層板を一対の割れ目に沿って割るようにして紙積層板が側面視略アーチ状に撓められる。このとき、紙積層板の中でも台紙と補強紙との積層部分は厚みがあって撓みにくいが、一対の割れ目の入れられた部分は補強紙が割けているため、弾性的可撓性のある台紙のみがスムーズに撓められる。
【0008】
すると、その紙積層板のディスク収容部が、その紙積層板の台紙の紙目方向両端よりも湾出されるように迫り出され、それに伴って、光ディスクが、保持突起に嵌合されたままディスク収容部の底面から浮き上がって、ディスク収容部から離反される。そして、このディスク収容部から離反した部分が摘まれて光ディスクがディスク収容部から持ち上げられると、光ディスクの保持孔から保持突起が抜脱され、光ディスクがディスク収容部の外へと取り出される。
【0009】
請求項2記載のディスク用ケースは、請求項1記載のディスク用ケースにおいて、前記ディスク収容部の中央を通って前記紙積層板を横断する仮想直線上には、前記保持突起が突設され、かつ、前記一対の割れ目が前記仮想直線に沿って形成されている。
【0010】
請求項3記載のディスク用ケースは、請求項1又は2に記載のディスク用ケースにおいて、前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と略同一方向の幅が人の指先幅と略等しく形成され、かつ、前記台紙を底面とする溝状に形成されており、前記補強紙は、前記一対の割れ目を挟んで前記台紙の紙目方向に2分割されている。
【0011】
請求項4記載のディスク用ケースは、請求項1から3のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記台紙は、前記ディスク収容部の底面略中央を横切るように、その台紙の紙目に略直交する方向の幅全体にわたって設けられ、なおかつ、前記台紙の紙目方向に間隔を隔てている2本の撓め用筋目を備えており、前記保持突起は、その2本の撓め用筋目の間隔部分に突設されており、前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と同一方向に一定幅を有する溝状に形成されており、その溝幅が前記2本の撓め用筋目の間隔と略等しく形成され、なおかつ、その底面が前記台紙における前記2本の撓め用筋目の間隔部分である。
【0012】
請求項5記載のディスク用ケースは、請求項1から4のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記補強紙は、その補強紙の紙目が前記台紙の紙目に略直交した状態で、その台紙に重着されている。
【0013】
請求項6記載のディスク用ケースは、請求項1から5のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記台紙に少なくとも1本の折曲げ用筋目を介して一体的に連設され、その折曲げ用筋目を介して折り重ねられることで、前記紙積層板における前記ディスク収容部の形成面に覆設されるカバー紙を備えている。
【0014】
請求項7記載のディスク用ケースは、請求項6記載のディスク用ケースにおいて、前記台紙及びカバー紙は一枚の板紙に前記折曲げ用筋目を設けて折曲げ可能に形成されたものであり、前記折曲げ用筋目は、前記台紙及びカバー紙を形成する板紙の紙目方向に沿って形成されている。
【0015】
請求項8記載のディスク用ケースは、請求項6又は7に記載のディスク用ケースにおいて、前記補強紙における前記台紙との非重着面に貼着されるマグネットシートと、前記カバー紙が前記紙積層板に対して折り重ねられる場合に、前記マグネットシートに対する対向位置に貼着される磁性材シートとを備えている。
【0016】
請求項9記載のディスク用ケースは、請求項6から8のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記カバー紙には、所望の形状の穿設された窓穴が形成されている。
【0017】
請求項10記載のディスク用ケースは、請求項1から9のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記保持突起は、光ディスクの保持孔よりも外径が大きな弾性発泡材製の略円柱状体で形成されており、その保持突起の突出量は光ディスクの厚みより大きくされている。
【0018】
請求項11記載のディスク用ケースは、請求項1から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記台紙若しくは補強紙の紙面、又は、請求項6から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記カバー紙の紙面は、前記ディスク収容部内に収容される光ディスクに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を表示するための表示スペースである。
【0019】
請求項12記載のディスク用ケースは、請求項1から11のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記紙積層板又はカバー紙の平面サイズは、それらの紙目方向に縦長な略長方形状に形成されており、単行本、書籍、又は、DVD用トールケースと略等しいサイズに形成されている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載のディスク用ケースによれば、光ディスクは、その保持孔内に弾性変形したまま嵌合されている保持突起によって、その保持突起の弾性復元力を介して確実に保持される。よって、例えば、薄板状の紙積層板に凹設可能な浅めのディスク収容部であっても、光ディスクを脱落させることなく確実に保持することができるという効果がある。一方、光ディスクをディスク収容部から抜脱させる場合、紙積層板の台紙を撓めることでディスク収容部から光ディスクを離反させることができ、その状態にある光ディスクを摘み上げれば、その光ディスクを保持突起及びディスク収容部から容易に抜脱することができるという効果がある。
【0021】
また、光ディスクをディスク収容部から抜脱させる場合、紙積層板は、台紙の紙目方向両側が支えられて台紙の紙目方向中間部を弧状に迫り出すように撓められる。ここで、紙積層板の台紙に使用される板紙には、その紙目方向に伸縮しにくいとともに弾性的にも撓りやすく、それを撓めようとする外力に抵抗する弾性的な反発力を発揮することができるという特性がある。よって、積層板の台紙が光ディスクを取り出すときに加えられる外力に耐えきれずに折損することもなく、逆に、撓めやすい構造の紙積層板を創出することができるという効果がある。
【0022】
また、紙積層板は、補強紙が台紙に重着されることで全体的には撓みにくくなるところが、補強紙に一対の割れ目が入れられることで、その一対の割れ目が入れられた部分では台紙が撓められ易い構造となっている。このように構成されることで、ディスク収容部を有する紙積層板は、光ディスクを収容して保護するために必要な剛性強度に加えて、それとは相反する特性、即ち、ディスク収容部から光ディスクを取り出すために必要となる可撓性を併有することができるという効果がある。
【0023】
請求項2記載のディスク用ケースによれば、請求項1記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、ディスク収容部の中央を通る仮想直線上には、保持突起及び一対の割れ目がほぼ一直線状に配置されるので、光ディスクを取り出すために紙積層板の台紙が撓められるときに、その台紙が側面視略アーチ状に撓んだときの頂部に保持突起を位置させることができる。このため、紙積層板の台紙が撓められた場合に、その台紙の紙目方向両側を光ディスクから均等に離反させることができるので(図3参照)、このとき、その離反したどちら側からでも、光ディスクを摘み上げて取り出すことができるという効果がある。
【0024】
請求項3記載のディスク用ケースによれば、請求項1又は2に記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、ディスク収容部の両側にある各割れ目は、その溝幅が人の指先幅と略等しくされているので、これらの各割れ目に指先を差し入れて、ディスク収容部内に収容されている光ディスクの両端を摘んで取り出すこともできるという効果がある。しかも、一対の割れ目の溝幅を人の指先幅程度の大きさとすることで、その一対の割れ目に沿って紙積層板を割るように台紙を撓ませる場合にも、かかる台紙を滑らかに撓めることができるものとなり、かつ、台紙の折損も更に起こりにくくなるという効果もある。
【0025】
請求項4記載のディスク用ケースによれば、請求項1から3のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、一対の割れ目に沿って紙積層板を割るようにして台紙を撓ませる場合、この台紙は、その紙目方向と略直交して設けられる2本の撓め用筋目で折れ曲がって側面視略山形状に湾曲される。このため、例えば、厚手の板紙等のように薄手のものに比べて撓みにくい素材が台紙に使用されるような場合でも、かかる台紙を撓めやすくすることができ、台紙が弾性変形範囲を超えて無理に撓められることで折損してしまうことを防止できるという効果がある。
【0026】
また、台紙にはその台紙の紙目方向に略直交する方向に2本の撓め用筋目が入れられて、予め折目が付けられているので、光ディスクをディスク収容部から取り出すときに、台紙を小さな力でも容易に撓めることができるという効果もある。しかも、保持突起は、2本の撓め用筋目の間に突設されるものであるので、例えば、かかる保持突起を台紙上に固着させる以前に2本の撓め用筋目を入れておけば、これらの筋目を、保持突起の固着位置を指示するためのマーキングとしても利用することができるという効果がある。
【0027】
請求項5記載のディスク用ケースによれば、請求項1から4のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、台紙と補強紙とは互いの紙目が略直交した状態で重着されているので、紙積層板における台紙及び補強紙の重着部分の折曲げに対する剛性強度をより一層高めることができるという効果がある。
【0028】
請求項6記載のディスク用ケースによれば、請求項1から5のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、紙積層板の台紙には、ディスク収容部の形成面に覆設されるカバー紙が、少なくとも1本の折曲げ用筋目を介して一体的に連設されているので、このカバー紙によってディスク収容部を覆って光ディスクを保護することができるという効果がある。
【0029】
請求項7記載のディスク用ケースによれば、請求項6記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、一枚の板紙の紙目方向に沿って折曲げ用筋目を入れて、その折曲げ用筋目に沿って板紙を折り曲げるだけで、台紙及びカバー紙を極めて容易に一体的に形成することができるという効果がある。しかも、折曲げ用筋目は、台紙及びカバー紙の元となる板紙に、折れ曲がり易い方向である紙目方向に沿って入れられるので、台紙及びカバー紙の折目を奇麗なものとすることができるという効果がある。
【0030】
請求項8記載のディスク用ケースによれば、請求項6又は7に記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、紙積層板に対してカバー紙を折り重ねて閉じる場合に、マグネットシートと磁性材シートとを当接させて両者を磁気的な吸着力によって吸着させることで、カバー紙を紙積層板に密着させて止着することができ、カバー紙をディスク収容部に確実に覆い被せることができるという効果がある。
【0031】
請求項9記載のディスク用ケースによれば、請求項6から8のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、カバー紙が紙積層板に折り重ねられて、カバー紙によりディスク収容部が被覆されている場合でも、ディスク用ケースに収容されている光ディスクをカバー紙の窓穴から露呈させて、光ディスク表面の装飾デザインを目視させることもでき、その光ディスク表面の装飾デザインをカバー紙表面のデザインの一部とすることもできるという効果がある。
【0032】
請求項10記載のディスク用ケースによれば、請求項1から9のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、保持突起は弾性発泡材製の略円柱状体なので、その端面を台紙表面に貼着させるだけで容易に組み立てることができるという効果がある。しかも、保持突起自体を光ディスクの保持孔に押し込むようにするだけで、極めて簡単に光ディスクを保持できるという効果がある。
【0033】
請求項11記載のディスク用ケースによれば、請求項1から10のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、台紙、補強紙、又はカバー紙の紙面を表示スペースとして使用することで、ディスク収容部内に収容される光ディスクに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を、利用者が思いのままに自由に表示することができ、独自のディスクケースとしての付加価値を高めることができるという効果がある。しかも、表示スペースとなるは台紙、補強紙、又はカバー紙はそもそも紙製の素材なので、各種情報を描出する場合に印刷を容易に施すことができるという効果もある。
【0034】
請求項12記載のディスク用ケースによれば、請求項1から11のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、紙積層板又はカバー紙の平面サイズが単行本、書籍、又は、DVD用トールケースと略等しいサイズに形成されるので、このディスク用ケースを整理する場合に、単行本、書籍、又はDVD用トールケースと並べて収納することができ、特製の収納ラックなどがなくても、既存の書棚やDVDラックなどを用いても整理収納することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のディスク用ケースの一実施例である紙製ディスクケース1の外観斜視図であって、光ディスクDを抜脱してカバー紙3を開いた状態を図示したものである。
【0036】
ここで、光ディスクDは、図1に示すように、略円形状の保持孔dが平面視略中央部分に貫穿される円形板状体であり、具体的には、CDやDVDなどの光学的に記憶情報を読み取り可能な電子情報記憶媒体である。なお、図1に示す光ディスクDに関する代表的な寸法値は、例えば、直径が略120mm、厚みが略1mm、保持孔dの内径が略15mmである。
【0037】
図1に示すように、紙製ディスクケース1は、上記した光ディスクDを収容するためのケース体であり、主として、収容トレイ2と、カバー紙3と、ディスク収容部4と、保持突起5と、一対の割れ目6,6とを備えている。この紙製ディスクケース1は、光ディスクDの厚みに比べて略2倍程度の厚みを有する極薄型の光ディスク用ケースである。
【0038】
例えば、本実施例では、1枚の光ディスクDを収容するものであるので、この紙製ディスクケース1の厚みが略2mm(大きくても略3mm)程度となる。なお、複数枚の光ディスクDを収容可能な紙製ディスクケース1の場合、その紙製ディスクケース1の厚みは、複数枚の光ディスクDを重ねた厚みの略2倍程度となる。
【0039】
紙製ディスクケース1の収容トレイ2、及び、カバー紙3は平面視略縦長矩形状に形成されており、この紙製ディスクケース1の平面サイズは、例えば、単行本、書籍又はDVD用トールケースのサイズと略等しいものとされている。このため、紙製ディスクケース1を他の単行本、書籍、又はDVD用トールケースと並べて収納しても、それらと背丈に高低差ができることもなく、極めて整然と収納することができる。
【0040】
収容トレイ2は、光ディスクDをディスク収容部4に収容して保持するものであり、弾性的可撓性及び剛性強度のあるトレイ台紙7と、そのトレイ台紙7の一面に重着される補強紙8とからなる積層紙材で形成されている。トレイ台紙7は、主として、板紙(JIS_P0001(番号4001)及びJIS_Z0108(番号2002)参照)で形成されており、なかでも特に、白ボールやマニラボールなどの白板紙(JIS_Z0108(番号2013)参照)が好適である。
【0041】
補強紙8は、トレイ台紙7の剛性強度を補強するとともに、トレイ台紙7の上面にディスク収容部4を形成するための厚紙製の板材である。この補強紙8を形成する厚紙には、種々のものを用いることができ、本実施例では、光ディスクDと略等しい厚みのある段ボールが用いられている。
【0042】
カバー紙3は、トレイ台紙7と略等しい平面サイズに形成されており、折曲げ用筋目9を介してトレイ台紙7に一体的に連設されている。このカバー紙3は、折曲げ用筋目9を介して収容トレイ2のディスク収容部4の形成面に折り重ねられることで、そのディスク収容部4に覆設される蓋として機能するものである。このカバー紙3があることで、ディスク収容部4内の光ディスクDを覆って保護することができるのである。
【0043】
ディスク収容部4は、補強紙8の一部が光ディスクDの外形に合った平面視略円形状に除去されることで、収容トレイ2の略中央部に形成された平面視略円形状の有底凹陥部であって、その底面部がトレイ台紙7で形成され、その周壁部が補強紙8で形成されている。このディスク収容部4は、その内径が光ディスクDの外径と略等しいか又は僅かに大きく形成されており、例えば、本実施例におけるディスク収容部4の内径は、光ディスクDの外径よりも略3.0mm程度大きく形成されている。このディスク収容部4は、光ディスクDの厚みと略等しいか又はそれ以上の凹設深さを有しており、例えば、本実施例におけるディスク収容部4の凹設深さは、略1.0mm前後とされている。
【0044】
保持突起5は、ディスク収容部4の底面の略中央部に突設されている略円柱状体である。この保持突起5は、光ディスクDの保持孔dと嵌脱可能に嵌合されて光ディスクDの収容トレイ2からの脱落を防止するためのものであり、例えば、発泡ウレタンやその他の弾性発泡材などのように弾性変形可能な材料で形成されている。この保持突起5の突出量(高さ)は、光ディスクDの厚みと略等しいか又はそれより僅かに大きくされており、更には、ディスク収容部4の凹設深さ以下であることが好ましい。なお、本実施例における保持突起5の突出量は、例えば、本実施例では、略1.0mm〜略1.5の範囲とされている。
【0045】
この保持突起5は、その下端面がトレイ台紙7の上面に接着剤などを介して貼着され、ディスク収容部4の底面から植立されている。このため、保持突起5とトレイ台紙7との貼着部には段差がなく、ディスク収容部4内に光ディスクDが収容される場合に、光ディスクDの表面全体がディスク収容部4の底面に当接され、光ディスクDがディスク収容部4の底面から浮き上がってガタつくことが防止される。しかも、保持突起5の取り付けは、それをトレイ台紙7の表面に貼着させるだけなので、紙製ディスクケース1の組立作業を容易に行うことができる。
【0046】
また、保持突起5の外径は、光ディスクDの保持孔dの内径よりも僅かに大きく形成されており、例えば、本実施例では、保持孔dに比べて直径で略1mm前後大きく形成されている。もっとも、かかる保持突起5は、弾性変形可能に形成されるので、その外径よりも小さな内径の光ディスクDの保持孔d内へも弾性変形しながら極めてスムーズに嵌入可能とされている。このように、保持突起5によれば、それ自体を光ディスクDの保持孔dに押し込むようにするだけで、極めて簡単に光ディスクDを保持できる。
【0047】
図2は、紙製ディスクケース1の展開平面図であり、図中の矢印はトレイ台紙7及びカバー紙3の紙目方向(図2上下方向)と、補強紙8の紙目方向(図2左右方向)とを示している。図2に示すように、収容トレイ2は平面視縦長矩形状に形成されており、トレイ台紙7の紙目方向は、トレイ台紙7の縦方向(長辺方向)に向けられている。また、トレイ台紙7及びカバー紙3は、一枚の板紙に折曲げ用筋目9を設けて折曲げ可能に形成されたものであり、その折曲げ用筋目9は、トレイ台紙7及びカバー紙3を形成する板紙の紙目方向(図2上下方向)に沿って形成されている。
【0048】
ここで、トレイ台紙7及びカバー紙3の材料である板紙は、その抄造工程にロール状に巻き取られるときに湾曲するが、この湾曲に伴う撓みに対する強度が、巻き取り時の紙の流れ方向に強く、これに直交する方向に弱くなる。そして、板紙の撓みに強い方向、すなわち、抄造時の板紙の進行方向(巻き取り方向)を、本明細書では「紙目」と称しており、一般には「縦目」や「流目」とも称されている。
【0049】
このようにトレイ台紙7及びカバー紙3は、一枚の板紙に、その紙目方向に沿って折曲げ用筋目9を入れて、その折曲げ用筋目9に沿って板紙を折り曲げただけのものである。しかも、折曲げ用筋目9は、トレイ台紙7及びカバー紙3の元となる板紙に、折れ曲がり易い方向である紙目方向に沿って入れられるので、トレイ台紙7及びカバー紙3の折目を奇麗なものとすることができる。
【0050】
また、補強紙8は、その補強紙8の紙目がトレイ台紙7の紙目に略直交した状態で、そのトレイ台紙7に重着されており、一対の割れ目6,6を挟んでトレイ台紙7の紙目方向に2分割されている。このようにトレイ台紙7と補強紙8とは、互いの紙目が略直交した状態で重着されているので、収容トレイ2におけるトレイ台紙7及び補強紙8の重着部分の折曲げに対する剛性強度をより一層高めることができる。
【0051】
なお、本実施例では、補強紙8の材料として段ボール紙を用いているので、この場合には、段ボール紙の中心紙における波形の稜線に平行な方向が湾曲に強い方向、即ち、「紙目」方向となる。
【0052】
一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4の周壁部のうち、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向の両側部分(図2左右両側)にそれぞれ1箇所ずつ設けられている。また、これらの各割れ目6,6は、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向(図2左右方向)に沿って、補強紙8の外縁部からディスク収容部4の内周部まで連通している切欠部である。更に、一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4に突設される保持突起5とともに、ディスク収容部4の中央を通って収容トレイ2を横断する仮想直線L(図中の1点鎖線)上に配置されている。
【0053】
また、各割れ目6,6は、トレイ台紙7を底面とする溝状に形成されており、トレイ台紙7の紙目方向と略同一方向に一定の溝幅、具体的には、人の指先幅と略等しい溝幅を有している。しかも、この各割れ目6,6の溝幅方向両端にある補強紙8には平面視略円弧状に丸み付がなされており、この各割れ目6,6に指先を差し込んで光ディスクDの両端を摘むときに、補強紙8の先端で指先を損傷することがないようにされている。
【0054】
更に、トレイ台紙7、補強紙8又はカバー紙3の紙面は、ディスク収容部4内に収容される光ディスクDに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を表示するための表示スペースとして用いることもできる。しかも、トレイ台紙7、補強紙8、又はカバー紙3はそもそも紙材なので、各種情報を描出する場合に印刷を容易に施すこともできる。
【0055】
例えば、収容トレイ2の外面のうちディスク収容部4を除く部分、即ち、補強紙8の表面に、所望内容のデザイン(文字、図形、模様若しくは色彩又はこれらが結合したもの)を施す一方で、ディスク収容部4内のトレイ台紙7表面に、補強紙8表面のデザインに付随または関連した内容のデザインを施すこともできる。また、光ディスクDのデザインを収容トレイ2のデザインの一部に組み込んだようなデザインを施すこともできる。
【0056】
次に、図1から図3を参照して、上記のように構成された紙製ディスクケース1の使用方法について説明する。図3は、図2のIII−III線における断面図であって、収容トレイ2を側面視略アーチ状(又は側面視略凸状)に撓めた状態を示している。まず、紙製ディスクケース1に光ディスクDを収容する場合、まず、図1に示すように、光ディスクDの読取面がディスク収容部4に向けられて、光ディスクDの保持孔dの周辺部が保持突起5の頂部に載置される。それから光ディスクDがディスク収容部4の底面へ向けて押圧されると、保持突起5が弾性変形しながら光ディスクDの保持孔d内へ嵌入される。
【0057】
そして、光ディスクDがディスク収容部4の底面(即ち、トレイ台紙7表面)に当接されるまで押し込まれると、光ディスクDがディスク収容部4内に嵌合されて収容される。それから、図2に示す折曲げ用筋目9に沿って、カバー紙3が収容トレイ2のディスク収容部4に覆い被せられるように折り重ねられると、ディスク収容部4にカバー紙3が覆設されて、紙製ディスクケース1が閉じられる。
【0058】
一方、光ディスクDを抜脱する場合は、まず、カバー紙3が折曲げ用筋目9を介して開かれて、図2に示すように紙製ディスクケース1が展開される。それから、収容トレイ2の長手方向両側(図2上下両側)が両手で掴まれて、その収容トレイ2を一対の割れ目6,6に沿って割るように外力が加えられると、トレイ台紙7と補強紙8との積層部分は厚みがあって撓みにくいが、一対の割れ目6,6の入れられた部分は補強紙8が割けているため、図3に示すように、この一対の割れ目6,6を稜線としてトレイ台紙7が側面視略アーチ状に撓められる。
【0059】
すると、その収容トレイ2のディスク収容部4が、そのトレイ台紙7の紙目方向両端よりも湾出されるように迫り出され、それに伴って、光ディスクDが、保持突起5に嵌合されたままディスク収容部4の底面から浮き上がって、収容トレイ2のディスク収容部4から離反される。そして、このディスク収容部4から離反した部分が摘まれて光ディスクDがディスク収容部4から持ち上げられると、光ディスクDの保持孔dから保持突起5が抜脱され、光ディスクDがディスク収容部4の外へと取り出される。
【0060】
このようにして光ディスクDが取り出された後、収容トレイ2を撓める力を弱めると、側面視略アーチ状に撓んでいた収容トレイ2が、トレイ台紙7の弾性復元力によって側面視略水平状の元の状態に復元される。
【0061】
以上説明したように、本実施例の紙製ディスクケース1によれば、光ディスクDをディスク収容部4から抜脱させる場合、トレイ台紙7を撓めることでディスク収容部4から光ディスクDを離反させることができ、その状態にある光ディスクDを摘み上げれば、その光ディスクDを保持突起5及びディスク収容部4から容易に抜脱することができる。しかも、図3に示すように、収容トレイ2がトレイ台紙7の紙目方向に沿ってカーブを描くように略アーチ状に撓められるとき、このトレイ台紙7は紙目方向に強い弾性的反発力を発生するので、収容トレイ2を撓める外力で折損するような事態を回避できる。
【0062】
また、図2に示すように、保持突起5及び一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4の中央を横断するようにほぼ一直線状に配置されるので、図3に示すように光ディスクDを取り出すためにトレイ台紙7が略アーチ状に撓められるときに、そのトレイ台紙における略アーチ状の撓みの頂部に保持突起5を位置させることができる。このため、トレイ台紙7が撓められた場合に、図3に示すように、光ディスクDの直径方向両側を収容トレイ2から均等に離反させて、その離反させたどちら側からでも、光ディスクDを摘み上げて取り出すことができる。
【0063】
更に、図2に示すように、ディスク収容部4の両側にある各割れ目6,6は、その溝幅が人の指先幅と略等しくされているので、これらの各割れ目6,6に指先を差し入れて、ディスク収容部4内に収容されている光ディスクDの両端を摘んで取り出すこともできる。しかも、一対の割れ目6,6の溝幅を人の指先幅程度の大きさとすることで、図3に示すように一対の割れ目6,6で収容トレイ2を割るようにトレイ台紙7を撓ませる場合にも、かかるトレイ台紙7を滑らかに撓めることができるものとなり、かつ、トレイ台紙7の折損も更に起こりにくくなる。
【0064】
次に、図4から図10を参照して、上記実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する各実施例では、それ以前に説明された別の実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
【0065】
図4(a)は、第2実施例の紙製ディスクケース20の展開平面図であり、図4(b)は、第2実施例の紙製ディスクケース20の平面図である。この第2実施例の紙製ディスクケース20は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、カバー紙の形態を変更したものである。図4に示すように、第2実施例の紙製ディスクケース20には、そのカバー紙21に所望の平面形状の窓穴22が穿設されている。なお、本実施例では、窓穴22の平面形状を略瓢箪状に形成したが、かかる窓穴22の平面形状は必ずしもこれに限定されるものではなく、他の形状を採用しても良い。
【0066】
この第2実施例の紙製ディスクケース20によれば、図4(b)に示すように、カバー紙21が収容トレイ2に折り重ねられて、カバー紙21によりディスク収容部4が被覆されている場合でも、紙製ディスクケース20に収容されている光ディスクDをカバー紙21の窓穴22から露呈させて、光ディスクD表面の装飾デザインを目視させることもでき、その光ディスクDの装飾デザインをカバー紙21表面のデザインの一部とすることもできる。
【0067】
図5は、第3実施例の紙製ディスクケース30の展開平面図であり、図6は、図5のVI−VI線における断面図であって、収容トレイ2を側面視略アーチ状に撓めた状態を示している。この第3実施例の紙製ディスクケース30は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、トレイ台紙の形態を一部変更したものである。
【0068】
図5に示すように、第3実施例の紙製ディスクケース30によれば、トレイ台紙7の表面には、2本の撓め用筋目31,31がトレイ台紙7の紙目方向(図5上下方向)に一定間隔をあけて設けられている。これらの2本の撓め用筋目31,31は、ディスク収容部4から光ディスクDを取り出すときに収容トレイ2を撓める場合の折目となるものであり、ディスク収容部4の底面略中央を横切るように、そのトレイ台紙7の紙目に略直交する方向(図5左右方向)の幅全体にわたって設けられている。
【0069】
また、2本の撓め用筋目31,31の間隔部分には上記した保持突起5が突設されており、2本の撓め用筋目31,31の間隔幅は保持突起5の外径と略等しくされている。更に、2本の撓め用筋目31,31の間隔幅は上記した各割れ目6,6の溝幅と略等しくされており、この各割れ目6,6の底面は、トレイ台紙7における各撓め用筋目31,31の間隔部分で形成されている。つまり、2本の撓め用筋目31,31は、ディスク収容部4の底面をトレイ台紙7の紙目に略直交する方向(図5左右方向)に横断して、そのディスク収容部4の両側にある各割れ目6,6を通ってトレイ台紙7の横幅方向両端(図6左右方向両側)に達している。
【0070】
この第3実施例の紙製ディスクケース30によれば、図6に示すように、収容トレイ2を各割れ目6,6で割るようにしてトレイ台紙7を撓ませる場合、このトレイ台紙7は、2本の撓め用筋目31,31で折れ曲がって側面視略山形状に湾曲される。したがって、例えば、トレイ台紙7が撓みにくい厚手の板紙で形成されるような場合でも、そのトレイ台紙7が弾性変形範囲を超えて無理に撓められて折損してしまうようなことを防止できる。
【0071】
図7は、第4実施例の紙製ディスクケース40の外観斜視図であって、光ディスクDを抜脱してカバー紙3を開いた状態を図示したものである。この第4実施例の紙製ディスクケース40は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、閉じられたカバー紙3を収容トレイ2に密着させる手段を追加したものである。図7に示すように、第4実施例の紙製ディスクケース40によれば、補強紙8には、トレイ台紙7との非重着面(図7上側)、即ち、カバー紙3との対向面に、合計2個の矩形小片状のマグネットシート41,41が貼着されている。
【0072】
この各マグネットシート41,41は、収容トレイ2の四隅のうち、折曲げ用筋目9に隣接する2つのコーナー部を除く、残る2つのコーナー部にそれぞれ1個ずつ貼着されている。また、カバー紙3には、そのカバー紙3が折り重ねられる場合に収容トレイ2と対向する位置に、各マグネットシート41,41により吸着される金属シートなどの磁性材シート42,42が貼着されている。
【0073】
図8は、第5実施例の紙製ディスクケース50の展開平面図である。第5実施例の紙製ディスクケース50は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、カバー紙の形態を変更したものである。図8に示すように、第5実施例の紙製ディスクケース50は、第1実施例のものと同形態に形成された収容トレイ2と2枚のカバー紙51,52とを備えており、トレイ台紙7と2枚のカバー紙51,52とが1枚の板紙で形成されている。
【0074】
具体的には、トレイ台紙7における一方の長辺(左辺)は、折曲げ用筋目9を介して、中カバー紙51における一方の長辺(右辺)に連設されており、その中カバー紙51における他方の長辺(左辺)は、別の折曲げ用筋目53を介して、外カバー紙52における一方の長辺(右辺)に連設されている。
【0075】
この第5実施例の紙製ディスクケース50によれば、図8に示すように展開状態にしてから、光ディスクDがディスク収容部4に収容される。その後、収容トレイ2を折曲げ用筋目9で中カバー紙51に対して折り曲げて、収容トレイ2を中カバー紙51の上に折り重ねてから、更に、それらを別の折曲げ用筋目53で折り曲げて外カバー紙52の上に折り重ねると、収容トレイ2が2枚のカバー紙51,52で包み込まれるような格好で、紙製ディスクケース50が三つ折り状に折り畳まれる。
【0076】
図9は、第6実施例の紙製ディスクケース60の展開平面図である。第6実施例の紙製ディスクケース60は、上記した第5実施例の紙製ディスクケース50に対して、外カバー紙の形態を変更したものである。図9に示すように、第6実施例の紙製ディスクケース60によれば、外カバー紙61には、中カバー紙51と連設されている長辺(右辺)の対辺(左辺)から外方へ突出される略凸字状の差込片62が一体的に形成されている。一方、収容トレイ2のディスク収容部4における底面には、トレイ台紙7の紙目方向に長細いスリット63が穿設されている。
【0077】
この第6実施例の紙製ディスクケース60によれば、図9に示すように展開状態にしてから、光ディスクDがディスク収容部4に収容される。その後、収容トレイ2を折曲げ用筋目9で中カバー紙51に対して折り曲げて、収容トレイ2を中カバー紙51の上に折り重ねてから、更に、それらを別の折曲げ用筋目53で折り曲げて外カバー紙61の上に折り重ねると、紙製ディスクケース60が三つ折り状に折り畳まれる。このとき、トレイ台紙7に外カバー紙61が折り重なる状態となるので、トレイ台紙7に穿設されているスリット63に、外カバー紙61の差込片62を差し込めば、外カバー紙61がトレイ台紙7に係合される。
【0078】
図10は、第7実施例の紙製ディスクケース70の展開平面図である。第7実施例の紙製ディスクケース70は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、収容トレイの形態を変更したものである。図10に示すように、第7実施例の紙製ディスクケース70は、第1実施例のものと同形態に形成された一対の収容トレイ71,72とカバー紙3とを備えており、これらの一対の収容トレイ71,72の各トレイ台紙73,74とカバー紙3とが1枚の板紙で形成されている。
【0079】
具体的には、一方のトレイ台紙73における一方の長辺(左辺)は、折曲げ用筋目75を介して、他方のトレイ台紙74における一方の長辺(右辺)に連設されており、その他方のトレイ台紙74における他方の長辺(左辺)は、別の折曲げ用筋目9を介して、カバー紙3における一方の長辺(右辺)に連設されている。そして、各トレイ台紙73,74には、それぞれ第1実施例のものと同形態の補強紙8がそれぞれ重着されてディスク収容部4,4が形成されている。
【0080】
この第7実施例の紙製ディスクケース70によれば、図10に示すように展開状態にしてから、光ディスクがディスク収容部4,4に収容される。このとき、収容トレイ71,72が一対あるので、各収容トレイ71,72にそれぞれ光ディスクDを収容させることができる。そして、この後に、一方の収容トレイ71を折曲げ用筋目74で他方の収容トレイ72に対して折り曲げて、双方のディスク収容部4,4が向かい合わせとなるように折り重ねてから、更に、それらを別の折曲げ用筋目9で折り曲げてカバー紙3の上に折り重ねると、紙製ディスクケース70が三つ折り状に折り畳まれる。
【0081】
図11(a)は、第8実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片80の展開平面図であり、図11(b)は、第9実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片90の展開平面図である。これら第8又は第9実施例の裁断片80,90は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1のようにトレイ台紙7にそれとは別体の補強紙8を重着して収容トレイ2を製造するものとは異なり、1枚の紙片から収容トレイを製造するためのものである。なお、図中では、トレイ台紙7の表面に保持突起5が貼着された状態を図示している。
【0082】
第8実施例の裁断片80は、図11(a)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、補強紙81,82を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。補強紙81,82は、トレイ台紙7の紙目方向両側の縁辺(短辺)に、折目81a,82aを介してそれぞれ1片ずつ連設されている。この第8実施例の裁断片80によれば、折目81a,82aに沿って補強紙81,82を折り曲げて、それらをトレイ台紙7に重着させることで、第1実施例のものと同様な形態のディスク収容部及び収容トレイを製造することができる。
【0083】
第9実施例の裁断片90は、図11(b)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、補強紙91,92を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。補強紙91,92は、トレイ台紙7の紙目に直交する方向における片方の縁辺(長辺)に、折目91a,92aを介して平面視略「=」字形に連設されている。この第9実施例の裁断片80によれば、折目91a,92aに沿って補強紙91,92を折り曲げて、それらをトレイ台紙7に重着させることで、第1実施例のものと同様な形態のディスク収容部及び収容トレイを製造することができる。
【0084】
図12(a)は、第10実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片100の展開平面図であり、図12(b)は、第11実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片110の展開平面図である。これら第10又は第11実施例の裁断片100,110は、上記した第8又は第9実施例の裁断片80,90に対して、ディスク収容部の深さを大きくするために裁断片の形態を変更したものである。なお、図中では、トレイ台紙7の表面に保持突起5が貼着された状態を図示している。
【0085】
第10実施例の紙製ディスクケースの裁断片100は、図12(a)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、4片の補強紙101〜104を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。2片の補強紙101,102は、トレイ台紙7の紙目方向両側の縁辺(短辺)に、折目101a,102aを介してそれぞれ1片ずつ連設されている。また、残る2片の補強紙103,104は、トレイ台紙7の紙目に直交する方向における片方の縁辺(長辺)に、折目103a,104aを介して平面視略「=」字形に連設されている。
【0086】
この第10実施例の裁断片100によれば、例えば、折目103a,104aに沿って補強紙103,104をトレイ台紙7の上に折り重ねて重着させてから、更に、折目101a,102aに沿って補強紙101,102を補強紙103,104の上にそれぞれ折り重ねて重着することで、ディスク収容部の深さを大きくすることができる。
【0087】
第11実施例の紙製ディスクケースの裁断片110は、図12(b)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、4片の補強紙111〜114を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。2片の補強紙111,112は、トレイ台紙7の紙目に直交する方向における片方の縁辺(長辺)に、折目111a,112aを介して平面視略「=」字形連設されている。そして、残る1片の補強紙113は折目113aを介して補強紙111と左右対称に連設され、残るもう1片の補強紙114は折目114aを介して補強紙112と左右対称に連設されている。
【0088】
この第11実施例の裁断片110によれば、折目113a,114aに沿って補強紙113,114を補強紙111,112の上にそれぞれ折り重ねて重着させるとともに、折目111a,112aに沿って補強紙111,112をトレイ台紙7の上にそれぞれ折り重ねて重着することで、ディスク収容部の深さを大きくすることができる。
【0089】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、第1乃至第11実施例では、光ディスクDの平面形状が円形状で、保持孔dの開口形状が略円形状のものについて説明したが、光ディスクの平面形状および保持孔の開口形状は必ずしもこれに限定されるものではなく、平面形状が略長方形状のカード型の光ディスクであっても良い。
【0090】
また、保持孔の開口形状が矩形状など非円形状の光ディスクがあれば、その光ディスクの形態に適合するように、第1乃至第11実施例のディスク収容部や保持突起、又は、第2実施例の窓穴の形態を随時変更しても良い。また、光ディスクの外径又は保持孔の内径は上記例示以外のものでも良い。
【0091】
更に、第4実施例の紙製ディスクケースでは、収容トレイ2にマグネットシート41,41を、カバー紙3に磁性材シート42,42を、それぞれ貼着したが、収容トレイの各マグネットシートとの間に磁気的吸着力を発生するマグネットシートを、カバー紙に貼着するようにしても良い。また更に、第4実施例とは逆に、収容トレイに磁性材シートを、カバー紙にマグネットシートを、それぞれ貼着するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施例である紙製ディスクケースの外観斜視図であって、光ディスクを抜脱してカバー紙を開いた状態を図示したものである。
【図2】紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図であって、収容トレイを側面視略アーチ状に撓めた状態を示している。
【図4】(a)は、第2実施例の紙製ディスクケースの展開平面図であり、(b)は、第2実施例の紙製ディスクケースの平面図である。
【図5】第3実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図6】図5のVI−VI線における断面図であって、収容トレイを側面視略アーチ状に撓めた状態を示している。
【図7】第4実施例の紙製ディスクケースの外観斜視図であって、光ディスクを抜脱してカバー紙を開いた状態を図示したものである。
【図8】第5実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図9】第6実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図10】第7実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図11】(a)は、第8実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図であり、(b)は、第9実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図である。
【図12】(a)は、第10実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図であり、(b)は、第11実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図である。
【符号の説明】
【0093】
1,50,60,70 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
2,71,72 収容トレイ(紙積層板)
3,51,52,61 カバー紙
4 ディスク収容部
5 保持突起
6,6 割れ目
7,73,74 トレイ台紙(台紙)
8,81,81,91,91 補強紙
9,53,75 折曲げ用筋目
20 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
21 カバー紙
22 窓穴
30 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
31,31 撓め用筋目
40 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
41 マグネットシート
42 磁性材シート
D 光ディスク
d 保持孔
L 仮想直線
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクを収容するための紙製のケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CD−ROMやDVDなどの光ディスクを収容するためのディスク用ケースについては、例えば、特開2000−264388に記載されている文庫本型の段ボール製ケースが提案されている。このディスク用ケースは複数枚の段ボールを折り重ねて形成されており、光ディスクが収容される正六角形の収容凹部には、光ディスクの出し入れを容易とするために切欠部が形成されている。
【特許文献1】特開2000−264388
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した段ボール製のディスク用ケースでは、複数枚の段ボールを重ね合わせることで形成されているため、光ディスクの収容凹部が光ディスクの厚みに対して深くなり過ぎて、切欠部があっても光ディスクを収容凹部から取り出し難い場合があるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、光ディスクをディスク収容部から容易に取り出すことができるディスク用ケースを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために請求項1記載のディスク用ケースは、弾性的可撓性及び強度のある板紙製の台紙とその台紙の一面に重着される補強紙とを有した紙積層板と、その紙積層板の前記補強紙の一部が光ディスクの外形に合った形状に除去されていることで、前記台紙からなる底面部と前記補強紙からなる周壁部とを有した有底凹陥状に形成されているディスク収容部と、そのディスク収容部の周壁部のうち、前記台紙の紙目に略直交する方向の両側部分にそれぞれ設けられ、その台紙の紙目に略直交する方向に沿って、前記補強紙の外縁部から前記ディスク収容部まで連通している一対の割れ目と、そのディスク収容部の底面略中央から突設され、光ディスクの保持孔に嵌脱可能で弾性変形可能な円柱状の保持突起とを備えている。
【0006】
この請求項1記載のディスク用ケースによれば、光ディスクを収容する場合は、その光ディスクがディスク収容部へ嵌入され、光ディスクの保持孔の周辺部が保持突起の頂部に載置される。それから光ディスクがディスク収容部の底面へ向けて押圧されると、保持突起が弾性変形しながら光ディスクの保持孔内へ嵌入される。そして、光ディスクがディスク収容部の底面(即ち、台紙表面)に当接されるまで押し込まれると、光ディスクの収容が完了する。
【0007】
一方、光ディスクを抜脱する場合は、まず、ディスク用ケースの紙積層板が両手で掴まれて、その紙積層板を一対の割れ目に沿って割るようにして紙積層板が側面視略アーチ状に撓められる。このとき、紙積層板の中でも台紙と補強紙との積層部分は厚みがあって撓みにくいが、一対の割れ目の入れられた部分は補強紙が割けているため、弾性的可撓性のある台紙のみがスムーズに撓められる。
【0008】
すると、その紙積層板のディスク収容部が、その紙積層板の台紙の紙目方向両端よりも湾出されるように迫り出され、それに伴って、光ディスクが、保持突起に嵌合されたままディスク収容部の底面から浮き上がって、ディスク収容部から離反される。そして、このディスク収容部から離反した部分が摘まれて光ディスクがディスク収容部から持ち上げられると、光ディスクの保持孔から保持突起が抜脱され、光ディスクがディスク収容部の外へと取り出される。
【0009】
請求項2記載のディスク用ケースは、請求項1記載のディスク用ケースにおいて、前記ディスク収容部の中央を通って前記紙積層板を横断する仮想直線上には、前記保持突起が突設され、かつ、前記一対の割れ目が前記仮想直線に沿って形成されている。
【0010】
請求項3記載のディスク用ケースは、請求項1又は2に記載のディスク用ケースにおいて、前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と略同一方向の幅が人の指先幅と略等しく形成され、かつ、前記台紙を底面とする溝状に形成されており、前記補強紙は、前記一対の割れ目を挟んで前記台紙の紙目方向に2分割されている。
【0011】
請求項4記載のディスク用ケースは、請求項1から3のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記台紙は、前記ディスク収容部の底面略中央を横切るように、その台紙の紙目に略直交する方向の幅全体にわたって設けられ、なおかつ、前記台紙の紙目方向に間隔を隔てている2本の撓め用筋目を備えており、前記保持突起は、その2本の撓め用筋目の間隔部分に突設されており、前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と同一方向に一定幅を有する溝状に形成されており、その溝幅が前記2本の撓め用筋目の間隔と略等しく形成され、なおかつ、その底面が前記台紙における前記2本の撓め用筋目の間隔部分である。
【0012】
請求項5記載のディスク用ケースは、請求項1から4のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記補強紙は、その補強紙の紙目が前記台紙の紙目に略直交した状態で、その台紙に重着されている。
【0013】
請求項6記載のディスク用ケースは、請求項1から5のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記台紙に少なくとも1本の折曲げ用筋目を介して一体的に連設され、その折曲げ用筋目を介して折り重ねられることで、前記紙積層板における前記ディスク収容部の形成面に覆設されるカバー紙を備えている。
【0014】
請求項7記載のディスク用ケースは、請求項6記載のディスク用ケースにおいて、前記台紙及びカバー紙は一枚の板紙に前記折曲げ用筋目を設けて折曲げ可能に形成されたものであり、前記折曲げ用筋目は、前記台紙及びカバー紙を形成する板紙の紙目方向に沿って形成されている。
【0015】
請求項8記載のディスク用ケースは、請求項6又は7に記載のディスク用ケースにおいて、前記補強紙における前記台紙との非重着面に貼着されるマグネットシートと、前記カバー紙が前記紙積層板に対して折り重ねられる場合に、前記マグネットシートに対する対向位置に貼着される磁性材シートとを備えている。
【0016】
請求項9記載のディスク用ケースは、請求項6から8のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記カバー紙には、所望の形状の穿設された窓穴が形成されている。
【0017】
請求項10記載のディスク用ケースは、請求項1から9のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記保持突起は、光ディスクの保持孔よりも外径が大きな弾性発泡材製の略円柱状体で形成されており、その保持突起の突出量は光ディスクの厚みより大きくされている。
【0018】
請求項11記載のディスク用ケースは、請求項1から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記台紙若しくは補強紙の紙面、又は、請求項6から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記カバー紙の紙面は、前記ディスク収容部内に収容される光ディスクに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を表示するための表示スペースである。
【0019】
請求項12記載のディスク用ケースは、請求項1から11のいずれかに記載のディスク用ケースにおいて、前記紙積層板又はカバー紙の平面サイズは、それらの紙目方向に縦長な略長方形状に形成されており、単行本、書籍、又は、DVD用トールケースと略等しいサイズに形成されている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載のディスク用ケースによれば、光ディスクは、その保持孔内に弾性変形したまま嵌合されている保持突起によって、その保持突起の弾性復元力を介して確実に保持される。よって、例えば、薄板状の紙積層板に凹設可能な浅めのディスク収容部であっても、光ディスクを脱落させることなく確実に保持することができるという効果がある。一方、光ディスクをディスク収容部から抜脱させる場合、紙積層板の台紙を撓めることでディスク収容部から光ディスクを離反させることができ、その状態にある光ディスクを摘み上げれば、その光ディスクを保持突起及びディスク収容部から容易に抜脱することができるという効果がある。
【0021】
また、光ディスクをディスク収容部から抜脱させる場合、紙積層板は、台紙の紙目方向両側が支えられて台紙の紙目方向中間部を弧状に迫り出すように撓められる。ここで、紙積層板の台紙に使用される板紙には、その紙目方向に伸縮しにくいとともに弾性的にも撓りやすく、それを撓めようとする外力に抵抗する弾性的な反発力を発揮することができるという特性がある。よって、積層板の台紙が光ディスクを取り出すときに加えられる外力に耐えきれずに折損することもなく、逆に、撓めやすい構造の紙積層板を創出することができるという効果がある。
【0022】
また、紙積層板は、補強紙が台紙に重着されることで全体的には撓みにくくなるところが、補強紙に一対の割れ目が入れられることで、その一対の割れ目が入れられた部分では台紙が撓められ易い構造となっている。このように構成されることで、ディスク収容部を有する紙積層板は、光ディスクを収容して保護するために必要な剛性強度に加えて、それとは相反する特性、即ち、ディスク収容部から光ディスクを取り出すために必要となる可撓性を併有することができるという効果がある。
【0023】
請求項2記載のディスク用ケースによれば、請求項1記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、ディスク収容部の中央を通る仮想直線上には、保持突起及び一対の割れ目がほぼ一直線状に配置されるので、光ディスクを取り出すために紙積層板の台紙が撓められるときに、その台紙が側面視略アーチ状に撓んだときの頂部に保持突起を位置させることができる。このため、紙積層板の台紙が撓められた場合に、その台紙の紙目方向両側を光ディスクから均等に離反させることができるので(図3参照)、このとき、その離反したどちら側からでも、光ディスクを摘み上げて取り出すことができるという効果がある。
【0024】
請求項3記載のディスク用ケースによれば、請求項1又は2に記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、ディスク収容部の両側にある各割れ目は、その溝幅が人の指先幅と略等しくされているので、これらの各割れ目に指先を差し入れて、ディスク収容部内に収容されている光ディスクの両端を摘んで取り出すこともできるという効果がある。しかも、一対の割れ目の溝幅を人の指先幅程度の大きさとすることで、その一対の割れ目に沿って紙積層板を割るように台紙を撓ませる場合にも、かかる台紙を滑らかに撓めることができるものとなり、かつ、台紙の折損も更に起こりにくくなるという効果もある。
【0025】
請求項4記載のディスク用ケースによれば、請求項1から3のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、一対の割れ目に沿って紙積層板を割るようにして台紙を撓ませる場合、この台紙は、その紙目方向と略直交して設けられる2本の撓め用筋目で折れ曲がって側面視略山形状に湾曲される。このため、例えば、厚手の板紙等のように薄手のものに比べて撓みにくい素材が台紙に使用されるような場合でも、かかる台紙を撓めやすくすることができ、台紙が弾性変形範囲を超えて無理に撓められることで折損してしまうことを防止できるという効果がある。
【0026】
また、台紙にはその台紙の紙目方向に略直交する方向に2本の撓め用筋目が入れられて、予め折目が付けられているので、光ディスクをディスク収容部から取り出すときに、台紙を小さな力でも容易に撓めることができるという効果もある。しかも、保持突起は、2本の撓め用筋目の間に突設されるものであるので、例えば、かかる保持突起を台紙上に固着させる以前に2本の撓め用筋目を入れておけば、これらの筋目を、保持突起の固着位置を指示するためのマーキングとしても利用することができるという効果がある。
【0027】
請求項5記載のディスク用ケースによれば、請求項1から4のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、台紙と補強紙とは互いの紙目が略直交した状態で重着されているので、紙積層板における台紙及び補強紙の重着部分の折曲げに対する剛性強度をより一層高めることができるという効果がある。
【0028】
請求項6記載のディスク用ケースによれば、請求項1から5のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、紙積層板の台紙には、ディスク収容部の形成面に覆設されるカバー紙が、少なくとも1本の折曲げ用筋目を介して一体的に連設されているので、このカバー紙によってディスク収容部を覆って光ディスクを保護することができるという効果がある。
【0029】
請求項7記載のディスク用ケースによれば、請求項6記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、一枚の板紙の紙目方向に沿って折曲げ用筋目を入れて、その折曲げ用筋目に沿って板紙を折り曲げるだけで、台紙及びカバー紙を極めて容易に一体的に形成することができるという効果がある。しかも、折曲げ用筋目は、台紙及びカバー紙の元となる板紙に、折れ曲がり易い方向である紙目方向に沿って入れられるので、台紙及びカバー紙の折目を奇麗なものとすることができるという効果がある。
【0030】
請求項8記載のディスク用ケースによれば、請求項6又は7に記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、紙積層板に対してカバー紙を折り重ねて閉じる場合に、マグネットシートと磁性材シートとを当接させて両者を磁気的な吸着力によって吸着させることで、カバー紙を紙積層板に密着させて止着することができ、カバー紙をディスク収容部に確実に覆い被せることができるという効果がある。
【0031】
請求項9記載のディスク用ケースによれば、請求項6から8のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、カバー紙が紙積層板に折り重ねられて、カバー紙によりディスク収容部が被覆されている場合でも、ディスク用ケースに収容されている光ディスクをカバー紙の窓穴から露呈させて、光ディスク表面の装飾デザインを目視させることもでき、その光ディスク表面の装飾デザインをカバー紙表面のデザインの一部とすることもできるという効果がある。
【0032】
請求項10記載のディスク用ケースによれば、請求項1から9のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、保持突起は弾性発泡材製の略円柱状体なので、その端面を台紙表面に貼着させるだけで容易に組み立てることができるという効果がある。しかも、保持突起自体を光ディスクの保持孔に押し込むようにするだけで、極めて簡単に光ディスクを保持できるという効果がある。
【0033】
請求項11記載のディスク用ケースによれば、請求項1から10のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、台紙、補強紙、又はカバー紙の紙面を表示スペースとして使用することで、ディスク収容部内に収容される光ディスクに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を、利用者が思いのままに自由に表示することができ、独自のディスクケースとしての付加価値を高めることができるという効果がある。しかも、表示スペースとなるは台紙、補強紙、又はカバー紙はそもそも紙製の素材なので、各種情報を描出する場合に印刷を容易に施すことができるという効果もある。
【0034】
請求項12記載のディスク用ケースによれば、請求項1から11のいずれかに記載のディスク用ケースの奏する効果に加え、紙積層板又はカバー紙の平面サイズが単行本、書籍、又は、DVD用トールケースと略等しいサイズに形成されるので、このディスク用ケースを整理する場合に、単行本、書籍、又はDVD用トールケースと並べて収納することができ、特製の収納ラックなどがなくても、既存の書棚やDVDラックなどを用いても整理収納することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のディスク用ケースの一実施例である紙製ディスクケース1の外観斜視図であって、光ディスクDを抜脱してカバー紙3を開いた状態を図示したものである。
【0036】
ここで、光ディスクDは、図1に示すように、略円形状の保持孔dが平面視略中央部分に貫穿される円形板状体であり、具体的には、CDやDVDなどの光学的に記憶情報を読み取り可能な電子情報記憶媒体である。なお、図1に示す光ディスクDに関する代表的な寸法値は、例えば、直径が略120mm、厚みが略1mm、保持孔dの内径が略15mmである。
【0037】
図1に示すように、紙製ディスクケース1は、上記した光ディスクDを収容するためのケース体であり、主として、収容トレイ2と、カバー紙3と、ディスク収容部4と、保持突起5と、一対の割れ目6,6とを備えている。この紙製ディスクケース1は、光ディスクDの厚みに比べて略2倍程度の厚みを有する極薄型の光ディスク用ケースである。
【0038】
例えば、本実施例では、1枚の光ディスクDを収容するものであるので、この紙製ディスクケース1の厚みが略2mm(大きくても略3mm)程度となる。なお、複数枚の光ディスクDを収容可能な紙製ディスクケース1の場合、その紙製ディスクケース1の厚みは、複数枚の光ディスクDを重ねた厚みの略2倍程度となる。
【0039】
紙製ディスクケース1の収容トレイ2、及び、カバー紙3は平面視略縦長矩形状に形成されており、この紙製ディスクケース1の平面サイズは、例えば、単行本、書籍又はDVD用トールケースのサイズと略等しいものとされている。このため、紙製ディスクケース1を他の単行本、書籍、又はDVD用トールケースと並べて収納しても、それらと背丈に高低差ができることもなく、極めて整然と収納することができる。
【0040】
収容トレイ2は、光ディスクDをディスク収容部4に収容して保持するものであり、弾性的可撓性及び剛性強度のあるトレイ台紙7と、そのトレイ台紙7の一面に重着される補強紙8とからなる積層紙材で形成されている。トレイ台紙7は、主として、板紙(JIS_P0001(番号4001)及びJIS_Z0108(番号2002)参照)で形成されており、なかでも特に、白ボールやマニラボールなどの白板紙(JIS_Z0108(番号2013)参照)が好適である。
【0041】
補強紙8は、トレイ台紙7の剛性強度を補強するとともに、トレイ台紙7の上面にディスク収容部4を形成するための厚紙製の板材である。この補強紙8を形成する厚紙には、種々のものを用いることができ、本実施例では、光ディスクDと略等しい厚みのある段ボールが用いられている。
【0042】
カバー紙3は、トレイ台紙7と略等しい平面サイズに形成されており、折曲げ用筋目9を介してトレイ台紙7に一体的に連設されている。このカバー紙3は、折曲げ用筋目9を介して収容トレイ2のディスク収容部4の形成面に折り重ねられることで、そのディスク収容部4に覆設される蓋として機能するものである。このカバー紙3があることで、ディスク収容部4内の光ディスクDを覆って保護することができるのである。
【0043】
ディスク収容部4は、補強紙8の一部が光ディスクDの外形に合った平面視略円形状に除去されることで、収容トレイ2の略中央部に形成された平面視略円形状の有底凹陥部であって、その底面部がトレイ台紙7で形成され、その周壁部が補強紙8で形成されている。このディスク収容部4は、その内径が光ディスクDの外径と略等しいか又は僅かに大きく形成されており、例えば、本実施例におけるディスク収容部4の内径は、光ディスクDの外径よりも略3.0mm程度大きく形成されている。このディスク収容部4は、光ディスクDの厚みと略等しいか又はそれ以上の凹設深さを有しており、例えば、本実施例におけるディスク収容部4の凹設深さは、略1.0mm前後とされている。
【0044】
保持突起5は、ディスク収容部4の底面の略中央部に突設されている略円柱状体である。この保持突起5は、光ディスクDの保持孔dと嵌脱可能に嵌合されて光ディスクDの収容トレイ2からの脱落を防止するためのものであり、例えば、発泡ウレタンやその他の弾性発泡材などのように弾性変形可能な材料で形成されている。この保持突起5の突出量(高さ)は、光ディスクDの厚みと略等しいか又はそれより僅かに大きくされており、更には、ディスク収容部4の凹設深さ以下であることが好ましい。なお、本実施例における保持突起5の突出量は、例えば、本実施例では、略1.0mm〜略1.5の範囲とされている。
【0045】
この保持突起5は、その下端面がトレイ台紙7の上面に接着剤などを介して貼着され、ディスク収容部4の底面から植立されている。このため、保持突起5とトレイ台紙7との貼着部には段差がなく、ディスク収容部4内に光ディスクDが収容される場合に、光ディスクDの表面全体がディスク収容部4の底面に当接され、光ディスクDがディスク収容部4の底面から浮き上がってガタつくことが防止される。しかも、保持突起5の取り付けは、それをトレイ台紙7の表面に貼着させるだけなので、紙製ディスクケース1の組立作業を容易に行うことができる。
【0046】
また、保持突起5の外径は、光ディスクDの保持孔dの内径よりも僅かに大きく形成されており、例えば、本実施例では、保持孔dに比べて直径で略1mm前後大きく形成されている。もっとも、かかる保持突起5は、弾性変形可能に形成されるので、その外径よりも小さな内径の光ディスクDの保持孔d内へも弾性変形しながら極めてスムーズに嵌入可能とされている。このように、保持突起5によれば、それ自体を光ディスクDの保持孔dに押し込むようにするだけで、極めて簡単に光ディスクDを保持できる。
【0047】
図2は、紙製ディスクケース1の展開平面図であり、図中の矢印はトレイ台紙7及びカバー紙3の紙目方向(図2上下方向)と、補強紙8の紙目方向(図2左右方向)とを示している。図2に示すように、収容トレイ2は平面視縦長矩形状に形成されており、トレイ台紙7の紙目方向は、トレイ台紙7の縦方向(長辺方向)に向けられている。また、トレイ台紙7及びカバー紙3は、一枚の板紙に折曲げ用筋目9を設けて折曲げ可能に形成されたものであり、その折曲げ用筋目9は、トレイ台紙7及びカバー紙3を形成する板紙の紙目方向(図2上下方向)に沿って形成されている。
【0048】
ここで、トレイ台紙7及びカバー紙3の材料である板紙は、その抄造工程にロール状に巻き取られるときに湾曲するが、この湾曲に伴う撓みに対する強度が、巻き取り時の紙の流れ方向に強く、これに直交する方向に弱くなる。そして、板紙の撓みに強い方向、すなわち、抄造時の板紙の進行方向(巻き取り方向)を、本明細書では「紙目」と称しており、一般には「縦目」や「流目」とも称されている。
【0049】
このようにトレイ台紙7及びカバー紙3は、一枚の板紙に、その紙目方向に沿って折曲げ用筋目9を入れて、その折曲げ用筋目9に沿って板紙を折り曲げただけのものである。しかも、折曲げ用筋目9は、トレイ台紙7及びカバー紙3の元となる板紙に、折れ曲がり易い方向である紙目方向に沿って入れられるので、トレイ台紙7及びカバー紙3の折目を奇麗なものとすることができる。
【0050】
また、補強紙8は、その補強紙8の紙目がトレイ台紙7の紙目に略直交した状態で、そのトレイ台紙7に重着されており、一対の割れ目6,6を挟んでトレイ台紙7の紙目方向に2分割されている。このようにトレイ台紙7と補強紙8とは、互いの紙目が略直交した状態で重着されているので、収容トレイ2におけるトレイ台紙7及び補強紙8の重着部分の折曲げに対する剛性強度をより一層高めることができる。
【0051】
なお、本実施例では、補強紙8の材料として段ボール紙を用いているので、この場合には、段ボール紙の中心紙における波形の稜線に平行な方向が湾曲に強い方向、即ち、「紙目」方向となる。
【0052】
一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4の周壁部のうち、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向の両側部分(図2左右両側)にそれぞれ1箇所ずつ設けられている。また、これらの各割れ目6,6は、トレイ台紙7の紙目に略直交する方向(図2左右方向)に沿って、補強紙8の外縁部からディスク収容部4の内周部まで連通している切欠部である。更に、一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4に突設される保持突起5とともに、ディスク収容部4の中央を通って収容トレイ2を横断する仮想直線L(図中の1点鎖線)上に配置されている。
【0053】
また、各割れ目6,6は、トレイ台紙7を底面とする溝状に形成されており、トレイ台紙7の紙目方向と略同一方向に一定の溝幅、具体的には、人の指先幅と略等しい溝幅を有している。しかも、この各割れ目6,6の溝幅方向両端にある補強紙8には平面視略円弧状に丸み付がなされており、この各割れ目6,6に指先を差し込んで光ディスクDの両端を摘むときに、補強紙8の先端で指先を損傷することがないようにされている。
【0054】
更に、トレイ台紙7、補強紙8又はカバー紙3の紙面は、ディスク収容部4内に収容される光ディスクDに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を表示するための表示スペースとして用いることもできる。しかも、トレイ台紙7、補強紙8、又はカバー紙3はそもそも紙材なので、各種情報を描出する場合に印刷を容易に施すこともできる。
【0055】
例えば、収容トレイ2の外面のうちディスク収容部4を除く部分、即ち、補強紙8の表面に、所望内容のデザイン(文字、図形、模様若しくは色彩又はこれらが結合したもの)を施す一方で、ディスク収容部4内のトレイ台紙7表面に、補強紙8表面のデザインに付随または関連した内容のデザインを施すこともできる。また、光ディスクDのデザインを収容トレイ2のデザインの一部に組み込んだようなデザインを施すこともできる。
【0056】
次に、図1から図3を参照して、上記のように構成された紙製ディスクケース1の使用方法について説明する。図3は、図2のIII−III線における断面図であって、収容トレイ2を側面視略アーチ状(又は側面視略凸状)に撓めた状態を示している。まず、紙製ディスクケース1に光ディスクDを収容する場合、まず、図1に示すように、光ディスクDの読取面がディスク収容部4に向けられて、光ディスクDの保持孔dの周辺部が保持突起5の頂部に載置される。それから光ディスクDがディスク収容部4の底面へ向けて押圧されると、保持突起5が弾性変形しながら光ディスクDの保持孔d内へ嵌入される。
【0057】
そして、光ディスクDがディスク収容部4の底面(即ち、トレイ台紙7表面)に当接されるまで押し込まれると、光ディスクDがディスク収容部4内に嵌合されて収容される。それから、図2に示す折曲げ用筋目9に沿って、カバー紙3が収容トレイ2のディスク収容部4に覆い被せられるように折り重ねられると、ディスク収容部4にカバー紙3が覆設されて、紙製ディスクケース1が閉じられる。
【0058】
一方、光ディスクDを抜脱する場合は、まず、カバー紙3が折曲げ用筋目9を介して開かれて、図2に示すように紙製ディスクケース1が展開される。それから、収容トレイ2の長手方向両側(図2上下両側)が両手で掴まれて、その収容トレイ2を一対の割れ目6,6に沿って割るように外力が加えられると、トレイ台紙7と補強紙8との積層部分は厚みがあって撓みにくいが、一対の割れ目6,6の入れられた部分は補強紙8が割けているため、図3に示すように、この一対の割れ目6,6を稜線としてトレイ台紙7が側面視略アーチ状に撓められる。
【0059】
すると、その収容トレイ2のディスク収容部4が、そのトレイ台紙7の紙目方向両端よりも湾出されるように迫り出され、それに伴って、光ディスクDが、保持突起5に嵌合されたままディスク収容部4の底面から浮き上がって、収容トレイ2のディスク収容部4から離反される。そして、このディスク収容部4から離反した部分が摘まれて光ディスクDがディスク収容部4から持ち上げられると、光ディスクDの保持孔dから保持突起5が抜脱され、光ディスクDがディスク収容部4の外へと取り出される。
【0060】
このようにして光ディスクDが取り出された後、収容トレイ2を撓める力を弱めると、側面視略アーチ状に撓んでいた収容トレイ2が、トレイ台紙7の弾性復元力によって側面視略水平状の元の状態に復元される。
【0061】
以上説明したように、本実施例の紙製ディスクケース1によれば、光ディスクDをディスク収容部4から抜脱させる場合、トレイ台紙7を撓めることでディスク収容部4から光ディスクDを離反させることができ、その状態にある光ディスクDを摘み上げれば、その光ディスクDを保持突起5及びディスク収容部4から容易に抜脱することができる。しかも、図3に示すように、収容トレイ2がトレイ台紙7の紙目方向に沿ってカーブを描くように略アーチ状に撓められるとき、このトレイ台紙7は紙目方向に強い弾性的反発力を発生するので、収容トレイ2を撓める外力で折損するような事態を回避できる。
【0062】
また、図2に示すように、保持突起5及び一対の割れ目6,6は、ディスク収容部4の中央を横断するようにほぼ一直線状に配置されるので、図3に示すように光ディスクDを取り出すためにトレイ台紙7が略アーチ状に撓められるときに、そのトレイ台紙における略アーチ状の撓みの頂部に保持突起5を位置させることができる。このため、トレイ台紙7が撓められた場合に、図3に示すように、光ディスクDの直径方向両側を収容トレイ2から均等に離反させて、その離反させたどちら側からでも、光ディスクDを摘み上げて取り出すことができる。
【0063】
更に、図2に示すように、ディスク収容部4の両側にある各割れ目6,6は、その溝幅が人の指先幅と略等しくされているので、これらの各割れ目6,6に指先を差し入れて、ディスク収容部4内に収容されている光ディスクDの両端を摘んで取り出すこともできる。しかも、一対の割れ目6,6の溝幅を人の指先幅程度の大きさとすることで、図3に示すように一対の割れ目6,6で収容トレイ2を割るようにトレイ台紙7を撓ませる場合にも、かかるトレイ台紙7を滑らかに撓めることができるものとなり、かつ、トレイ台紙7の折損も更に起こりにくくなる。
【0064】
次に、図4から図10を参照して、上記実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する各実施例では、それ以前に説明された別の実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる部分のみを説明することとする。
【0065】
図4(a)は、第2実施例の紙製ディスクケース20の展開平面図であり、図4(b)は、第2実施例の紙製ディスクケース20の平面図である。この第2実施例の紙製ディスクケース20は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、カバー紙の形態を変更したものである。図4に示すように、第2実施例の紙製ディスクケース20には、そのカバー紙21に所望の平面形状の窓穴22が穿設されている。なお、本実施例では、窓穴22の平面形状を略瓢箪状に形成したが、かかる窓穴22の平面形状は必ずしもこれに限定されるものではなく、他の形状を採用しても良い。
【0066】
この第2実施例の紙製ディスクケース20によれば、図4(b)に示すように、カバー紙21が収容トレイ2に折り重ねられて、カバー紙21によりディスク収容部4が被覆されている場合でも、紙製ディスクケース20に収容されている光ディスクDをカバー紙21の窓穴22から露呈させて、光ディスクD表面の装飾デザインを目視させることもでき、その光ディスクDの装飾デザインをカバー紙21表面のデザインの一部とすることもできる。
【0067】
図5は、第3実施例の紙製ディスクケース30の展開平面図であり、図6は、図5のVI−VI線における断面図であって、収容トレイ2を側面視略アーチ状に撓めた状態を示している。この第3実施例の紙製ディスクケース30は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、トレイ台紙の形態を一部変更したものである。
【0068】
図5に示すように、第3実施例の紙製ディスクケース30によれば、トレイ台紙7の表面には、2本の撓め用筋目31,31がトレイ台紙7の紙目方向(図5上下方向)に一定間隔をあけて設けられている。これらの2本の撓め用筋目31,31は、ディスク収容部4から光ディスクDを取り出すときに収容トレイ2を撓める場合の折目となるものであり、ディスク収容部4の底面略中央を横切るように、そのトレイ台紙7の紙目に略直交する方向(図5左右方向)の幅全体にわたって設けられている。
【0069】
また、2本の撓め用筋目31,31の間隔部分には上記した保持突起5が突設されており、2本の撓め用筋目31,31の間隔幅は保持突起5の外径と略等しくされている。更に、2本の撓め用筋目31,31の間隔幅は上記した各割れ目6,6の溝幅と略等しくされており、この各割れ目6,6の底面は、トレイ台紙7における各撓め用筋目31,31の間隔部分で形成されている。つまり、2本の撓め用筋目31,31は、ディスク収容部4の底面をトレイ台紙7の紙目に略直交する方向(図5左右方向)に横断して、そのディスク収容部4の両側にある各割れ目6,6を通ってトレイ台紙7の横幅方向両端(図6左右方向両側)に達している。
【0070】
この第3実施例の紙製ディスクケース30によれば、図6に示すように、収容トレイ2を各割れ目6,6で割るようにしてトレイ台紙7を撓ませる場合、このトレイ台紙7は、2本の撓め用筋目31,31で折れ曲がって側面視略山形状に湾曲される。したがって、例えば、トレイ台紙7が撓みにくい厚手の板紙で形成されるような場合でも、そのトレイ台紙7が弾性変形範囲を超えて無理に撓められて折損してしまうようなことを防止できる。
【0071】
図7は、第4実施例の紙製ディスクケース40の外観斜視図であって、光ディスクDを抜脱してカバー紙3を開いた状態を図示したものである。この第4実施例の紙製ディスクケース40は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、閉じられたカバー紙3を収容トレイ2に密着させる手段を追加したものである。図7に示すように、第4実施例の紙製ディスクケース40によれば、補強紙8には、トレイ台紙7との非重着面(図7上側)、即ち、カバー紙3との対向面に、合計2個の矩形小片状のマグネットシート41,41が貼着されている。
【0072】
この各マグネットシート41,41は、収容トレイ2の四隅のうち、折曲げ用筋目9に隣接する2つのコーナー部を除く、残る2つのコーナー部にそれぞれ1個ずつ貼着されている。また、カバー紙3には、そのカバー紙3が折り重ねられる場合に収容トレイ2と対向する位置に、各マグネットシート41,41により吸着される金属シートなどの磁性材シート42,42が貼着されている。
【0073】
図8は、第5実施例の紙製ディスクケース50の展開平面図である。第5実施例の紙製ディスクケース50は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、カバー紙の形態を変更したものである。図8に示すように、第5実施例の紙製ディスクケース50は、第1実施例のものと同形態に形成された収容トレイ2と2枚のカバー紙51,52とを備えており、トレイ台紙7と2枚のカバー紙51,52とが1枚の板紙で形成されている。
【0074】
具体的には、トレイ台紙7における一方の長辺(左辺)は、折曲げ用筋目9を介して、中カバー紙51における一方の長辺(右辺)に連設されており、その中カバー紙51における他方の長辺(左辺)は、別の折曲げ用筋目53を介して、外カバー紙52における一方の長辺(右辺)に連設されている。
【0075】
この第5実施例の紙製ディスクケース50によれば、図8に示すように展開状態にしてから、光ディスクDがディスク収容部4に収容される。その後、収容トレイ2を折曲げ用筋目9で中カバー紙51に対して折り曲げて、収容トレイ2を中カバー紙51の上に折り重ねてから、更に、それらを別の折曲げ用筋目53で折り曲げて外カバー紙52の上に折り重ねると、収容トレイ2が2枚のカバー紙51,52で包み込まれるような格好で、紙製ディスクケース50が三つ折り状に折り畳まれる。
【0076】
図9は、第6実施例の紙製ディスクケース60の展開平面図である。第6実施例の紙製ディスクケース60は、上記した第5実施例の紙製ディスクケース50に対して、外カバー紙の形態を変更したものである。図9に示すように、第6実施例の紙製ディスクケース60によれば、外カバー紙61には、中カバー紙51と連設されている長辺(右辺)の対辺(左辺)から外方へ突出される略凸字状の差込片62が一体的に形成されている。一方、収容トレイ2のディスク収容部4における底面には、トレイ台紙7の紙目方向に長細いスリット63が穿設されている。
【0077】
この第6実施例の紙製ディスクケース60によれば、図9に示すように展開状態にしてから、光ディスクDがディスク収容部4に収容される。その後、収容トレイ2を折曲げ用筋目9で中カバー紙51に対して折り曲げて、収容トレイ2を中カバー紙51の上に折り重ねてから、更に、それらを別の折曲げ用筋目53で折り曲げて外カバー紙61の上に折り重ねると、紙製ディスクケース60が三つ折り状に折り畳まれる。このとき、トレイ台紙7に外カバー紙61が折り重なる状態となるので、トレイ台紙7に穿設されているスリット63に、外カバー紙61の差込片62を差し込めば、外カバー紙61がトレイ台紙7に係合される。
【0078】
図10は、第7実施例の紙製ディスクケース70の展開平面図である。第7実施例の紙製ディスクケース70は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1に対して、収容トレイの形態を変更したものである。図10に示すように、第7実施例の紙製ディスクケース70は、第1実施例のものと同形態に形成された一対の収容トレイ71,72とカバー紙3とを備えており、これらの一対の収容トレイ71,72の各トレイ台紙73,74とカバー紙3とが1枚の板紙で形成されている。
【0079】
具体的には、一方のトレイ台紙73における一方の長辺(左辺)は、折曲げ用筋目75を介して、他方のトレイ台紙74における一方の長辺(右辺)に連設されており、その他方のトレイ台紙74における他方の長辺(左辺)は、別の折曲げ用筋目9を介して、カバー紙3における一方の長辺(右辺)に連設されている。そして、各トレイ台紙73,74には、それぞれ第1実施例のものと同形態の補強紙8がそれぞれ重着されてディスク収容部4,4が形成されている。
【0080】
この第7実施例の紙製ディスクケース70によれば、図10に示すように展開状態にしてから、光ディスクがディスク収容部4,4に収容される。このとき、収容トレイ71,72が一対あるので、各収容トレイ71,72にそれぞれ光ディスクDを収容させることができる。そして、この後に、一方の収容トレイ71を折曲げ用筋目74で他方の収容トレイ72に対して折り曲げて、双方のディスク収容部4,4が向かい合わせとなるように折り重ねてから、更に、それらを別の折曲げ用筋目9で折り曲げてカバー紙3の上に折り重ねると、紙製ディスクケース70が三つ折り状に折り畳まれる。
【0081】
図11(a)は、第8実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片80の展開平面図であり、図11(b)は、第9実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片90の展開平面図である。これら第8又は第9実施例の裁断片80,90は、上記した第1実施例の紙製ディスクケース1のようにトレイ台紙7にそれとは別体の補強紙8を重着して収容トレイ2を製造するものとは異なり、1枚の紙片から収容トレイを製造するためのものである。なお、図中では、トレイ台紙7の表面に保持突起5が貼着された状態を図示している。
【0082】
第8実施例の裁断片80は、図11(a)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、補強紙81,82を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。補強紙81,82は、トレイ台紙7の紙目方向両側の縁辺(短辺)に、折目81a,82aを介してそれぞれ1片ずつ連設されている。この第8実施例の裁断片80によれば、折目81a,82aに沿って補強紙81,82を折り曲げて、それらをトレイ台紙7に重着させることで、第1実施例のものと同様な形態のディスク収容部及び収容トレイを製造することができる。
【0083】
第9実施例の裁断片90は、図11(b)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、補強紙91,92を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。補強紙91,92は、トレイ台紙7の紙目に直交する方向における片方の縁辺(長辺)に、折目91a,92aを介して平面視略「=」字形に連設されている。この第9実施例の裁断片80によれば、折目91a,92aに沿って補強紙91,92を折り曲げて、それらをトレイ台紙7に重着させることで、第1実施例のものと同様な形態のディスク収容部及び収容トレイを製造することができる。
【0084】
図12(a)は、第10実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片100の展開平面図であり、図12(b)は、第11実施例の紙製ディスクケースを製造するための裁断片110の展開平面図である。これら第10又は第11実施例の裁断片100,110は、上記した第8又は第9実施例の裁断片80,90に対して、ディスク収容部の深さを大きくするために裁断片の形態を変更したものである。なお、図中では、トレイ台紙7の表面に保持突起5が貼着された状態を図示している。
【0085】
第10実施例の紙製ディスクケースの裁断片100は、図12(a)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、4片の補強紙101〜104を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。2片の補強紙101,102は、トレイ台紙7の紙目方向両側の縁辺(短辺)に、折目101a,102aを介してそれぞれ1片ずつ連設されている。また、残る2片の補強紙103,104は、トレイ台紙7の紙目に直交する方向における片方の縁辺(長辺)に、折目103a,104aを介して平面視略「=」字形に連設されている。
【0086】
この第10実施例の裁断片100によれば、例えば、折目103a,104aに沿って補強紙103,104をトレイ台紙7の上に折り重ねて重着させてから、更に、折目101a,102aに沿って補強紙101,102を補強紙103,104の上にそれぞれ折り重ねて重着することで、ディスク収容部の深さを大きくすることができる。
【0087】
第11実施例の紙製ディスクケースの裁断片110は、図12(b)に示すように、カバー紙3、トレイ台紙7及び、4片の補強紙111〜114を同じ1枚の板紙から一連の形態として裁断したものである。2片の補強紙111,112は、トレイ台紙7の紙目に直交する方向における片方の縁辺(長辺)に、折目111a,112aを介して平面視略「=」字形連設されている。そして、残る1片の補強紙113は折目113aを介して補強紙111と左右対称に連設され、残るもう1片の補強紙114は折目114aを介して補強紙112と左右対称に連設されている。
【0088】
この第11実施例の裁断片110によれば、折目113a,114aに沿って補強紙113,114を補強紙111,112の上にそれぞれ折り重ねて重着させるとともに、折目111a,112aに沿って補強紙111,112をトレイ台紙7の上にそれぞれ折り重ねて重着することで、ディスク収容部の深さを大きくすることができる。
【0089】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、第1乃至第11実施例では、光ディスクDの平面形状が円形状で、保持孔dの開口形状が略円形状のものについて説明したが、光ディスクの平面形状および保持孔の開口形状は必ずしもこれに限定されるものではなく、平面形状が略長方形状のカード型の光ディスクであっても良い。
【0090】
また、保持孔の開口形状が矩形状など非円形状の光ディスクがあれば、その光ディスクの形態に適合するように、第1乃至第11実施例のディスク収容部や保持突起、又は、第2実施例の窓穴の形態を随時変更しても良い。また、光ディスクの外径又は保持孔の内径は上記例示以外のものでも良い。
【0091】
更に、第4実施例の紙製ディスクケースでは、収容トレイ2にマグネットシート41,41を、カバー紙3に磁性材シート42,42を、それぞれ貼着したが、収容トレイの各マグネットシートとの間に磁気的吸着力を発生するマグネットシートを、カバー紙に貼着するようにしても良い。また更に、第4実施例とは逆に、収容トレイに磁性材シートを、カバー紙にマグネットシートを、それぞれ貼着するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の一実施例である紙製ディスクケースの外観斜視図であって、光ディスクを抜脱してカバー紙を開いた状態を図示したものである。
【図2】紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図であって、収容トレイを側面視略アーチ状に撓めた状態を示している。
【図4】(a)は、第2実施例の紙製ディスクケースの展開平面図であり、(b)は、第2実施例の紙製ディスクケースの平面図である。
【図5】第3実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図6】図5のVI−VI線における断面図であって、収容トレイを側面視略アーチ状に撓めた状態を示している。
【図7】第4実施例の紙製ディスクケースの外観斜視図であって、光ディスクを抜脱してカバー紙を開いた状態を図示したものである。
【図8】第5実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図9】第6実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図10】第7実施例の紙製ディスクケースの展開平面図である。
【図11】(a)は、第8実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図であり、(b)は、第9実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図である。
【図12】(a)は、第10実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図であり、(b)は、第11実施例の紙製トレイを製造するための裁断片の展開平面図である。
【符号の説明】
【0093】
1,50,60,70 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
2,71,72 収容トレイ(紙積層板)
3,51,52,61 カバー紙
4 ディスク収容部
5 保持突起
6,6 割れ目
7,73,74 トレイ台紙(台紙)
8,81,81,91,91 補強紙
9,53,75 折曲げ用筋目
20 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
21 カバー紙
22 窓穴
30 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
31,31 撓め用筋目
40 紙製ディスクケース(ディスク用ケース)
41 マグネットシート
42 磁性材シート
D 光ディスク
d 保持孔
L 仮想直線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性的可撓性及び強度のある板紙製の台紙とその台紙の一面に重着される補強紙とを有した紙積層板と、
その紙積層板の前記補強紙の一部が光ディスクの外形に合った形状に除去されていることで、前記台紙からなる底面部と前記補強紙からなる周壁部とを有した有底凹陥状に形成されているディスク収容部と、
そのディスク収容部の周壁部のうち、前記台紙の紙目に略直交する方向の両側部分にそれぞれ設けられ、その台紙の紙目に略直交する方向に沿って、前記補強紙の外縁部から前記ディスク収容部まで連通している一対の割れ目と、
そのディスク収容部の底面略中央から突設され、光ディスクの保持孔に嵌脱可能で弾性変形可能な円柱状の保持突起とを備えていることを特徴とするディスク用ケース。
【請求項2】
前記ディスク収容部の中央を通って前記紙積層板を横断する仮想直線上には、前記保持突起が突設され、かつ、前記一対の割れ目が前記仮想直線に沿って形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスク用ケース。
【請求項3】
前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と略同一方向の幅が人の指先幅と略等しく形成され、かつ、前記台紙を底面とする溝状に形成されており、
前記補強紙は、前記一対の割れ目を挟んで前記台紙の紙目方向に2分割されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスク用ケース。
【請求項4】
前記台紙は、前記ディスク収容部の底面略中央を横切るように、その台紙の紙目に略直交する方向の幅全体にわたって設けられ、なおかつ、前記台紙の紙目方向に間隔を隔てている2本の撓め用筋目を備えており、
前記保持突起は、その2本の撓め用筋目の間隔部分に突設されており、
前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と同一方向に一定幅を有する溝状に形成されており、その溝幅が前記2本の撓め用筋目の間隔と略等しく形成され、なおかつ、その底面が前記台紙における前記2本の撓め用筋目の間隔部分であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項5】
前記補強紙は、その補強紙の紙目が前記台紙の紙目に略直交した状態で、その台紙に重着されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項6】
前記台紙に少なくとも1本の折曲げ用筋目を介して一体的に連設され、その折曲げ用筋目を介して折り重ねられることで、前記紙積層板における前記ディスク収容部の形成面に覆設されるカバー紙を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項7】
前記台紙及びカバー紙は一枚の板紙に前記折曲げ用筋目を設けて折曲げ可能に形成されたものであり、
前記折曲げ用筋目は、前記台紙及びカバー紙を形成する板紙の紙目方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項6記載のディスク用ケース。
【請求項8】
前記補強紙における前記台紙との非重着面に貼着されるマグネットシートと、
前記カバー紙が前記紙積層板に対して折り重ねられる場合に、前記マグネットシートに対する対向位置に貼着される磁性材シートとを備えていることを特徴とする請求項6又は7に記載のディスク用ケース。
【請求項9】
前記カバー紙には、所望の形状の穿設された窓穴が形成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項10】
前記保持突起は、光ディスクの保持孔よりも外径が大きな弾性発泡材製の略円柱状体で形成されており、
その保持突起の突出量は光ディスクの厚みより大きくされていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記台紙若しくは補強紙の紙面、又は、請求項6から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記カバー紙の紙面は、前記ディスク収容部内に収容される光ディスクに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を表示するための表示スペースであることを特徴とするディスク用ケース。
【請求項12】
前記紙積層板又はカバー紙の平面サイズは、それらの紙目方向に縦長な略長方形状に形成されており、単行本、書籍、又は、DVD用トールケースと略等しいサイズに形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項1】
弾性的可撓性及び強度のある板紙製の台紙とその台紙の一面に重着される補強紙とを有した紙積層板と、
その紙積層板の前記補強紙の一部が光ディスクの外形に合った形状に除去されていることで、前記台紙からなる底面部と前記補強紙からなる周壁部とを有した有底凹陥状に形成されているディスク収容部と、
そのディスク収容部の周壁部のうち、前記台紙の紙目に略直交する方向の両側部分にそれぞれ設けられ、その台紙の紙目に略直交する方向に沿って、前記補強紙の外縁部から前記ディスク収容部まで連通している一対の割れ目と、
そのディスク収容部の底面略中央から突設され、光ディスクの保持孔に嵌脱可能で弾性変形可能な円柱状の保持突起とを備えていることを特徴とするディスク用ケース。
【請求項2】
前記ディスク収容部の中央を通って前記紙積層板を横断する仮想直線上には、前記保持突起が突設され、かつ、前記一対の割れ目が前記仮想直線に沿って形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスク用ケース。
【請求項3】
前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と略同一方向の幅が人の指先幅と略等しく形成され、かつ、前記台紙を底面とする溝状に形成されており、
前記補強紙は、前記一対の割れ目を挟んで前記台紙の紙目方向に2分割されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスク用ケース。
【請求項4】
前記台紙は、前記ディスク収容部の底面略中央を横切るように、その台紙の紙目に略直交する方向の幅全体にわたって設けられ、なおかつ、前記台紙の紙目方向に間隔を隔てている2本の撓め用筋目を備えており、
前記保持突起は、その2本の撓め用筋目の間隔部分に突設されており、
前記一対の割れ目は、前記台紙の紙目方向と同一方向に一定幅を有する溝状に形成されており、その溝幅が前記2本の撓め用筋目の間隔と略等しく形成され、なおかつ、その底面が前記台紙における前記2本の撓め用筋目の間隔部分であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項5】
前記補強紙は、その補強紙の紙目が前記台紙の紙目に略直交した状態で、その台紙に重着されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項6】
前記台紙に少なくとも1本の折曲げ用筋目を介して一体的に連設され、その折曲げ用筋目を介して折り重ねられることで、前記紙積層板における前記ディスク収容部の形成面に覆設されるカバー紙を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項7】
前記台紙及びカバー紙は一枚の板紙に前記折曲げ用筋目を設けて折曲げ可能に形成されたものであり、
前記折曲げ用筋目は、前記台紙及びカバー紙を形成する板紙の紙目方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項6記載のディスク用ケース。
【請求項8】
前記補強紙における前記台紙との非重着面に貼着されるマグネットシートと、
前記カバー紙が前記紙積層板に対して折り重ねられる場合に、前記マグネットシートに対する対向位置に貼着される磁性材シートとを備えていることを特徴とする請求項6又は7に記載のディスク用ケース。
【請求項9】
前記カバー紙には、所望の形状の穿設された窓穴が形成されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項10】
前記保持突起は、光ディスクの保持孔よりも外径が大きな弾性発泡材製の略円柱状体で形成されており、
その保持突起の突出量は光ディスクの厚みより大きくされていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のディスク用ケース。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記台紙若しくは補強紙の紙面、又は、請求項6から10のいずれかに記載のディスク用ケースにおける前記カバー紙の紙面は、前記ディスク収容部内に収容される光ディスクに記憶される情報に関する文字情報や画像情報を表示するための表示スペースであることを特徴とするディスク用ケース。
【請求項12】
前記紙積層板又はカバー紙の平面サイズは、それらの紙目方向に縦長な略長方形状に形成されており、単行本、書籍、又は、DVD用トールケースと略等しいサイズに形成されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のディスク用ケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−254004(P2007−254004A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81100(P2006−81100)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(506093201)東伸デザイン株式会社 (1)
【出願人】(506073616)株式会社エムネット (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(506093201)東伸デザイン株式会社 (1)
【出願人】(506073616)株式会社エムネット (1)
【Fターム(参考)】
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