説明

ディスク装置

【課題】ディスク装置が耐え得る加速度の限界を大きくすること。
【解決手段】ディスク10は、ディスクテーブル5とクランパ3とによって狭持され、電気モータ6により回転される。また、クランパ3がディスク10を保持していないとき、クランパ3は、その外周部に形成されるフランジ部3fが、蓋体2に形成される支持孔2hの内周部と係合して、蓋体2に支持される。ディスク10から情報を読み出す場合、またはディスク10へ情報を記録する場合においては、クランパ3とケース体11との距離t1と、クランパ3と蓋体2の支持孔2hが設けられる部分(ディスク保持手段支持部2s)との距離t2と、ディスク保持手段支持部2sとディスク10との距離t3とが略等しくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筺体内に機器類が配置されたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時において、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等のディスクを再生、あるいは前記ディスクに記録・再生するディスク装置が広く利用されてきている。このようなディスク再生装置においては、高密度で記録された情報を再生したり、情報を高密度で記録したりする必要がある。このため、情報読み取り手段、あるいは情報記録手段は、ディスク装置に与えられる加速度に起因する読み取りあるいは書き込み不良を極力発生させない対策が施されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されているディスク装置では、弾性部材を介して、ディスクから情報を読み取る再生手段が搭載される台座を枠体に対して固定している。そして、ディスク装置に与えられる加速度に起因して枠体から伝わる振動が、前記再生手段に直接伝わらないようにしている。これにより、ある程度の大きさの加速度がディスク装置に加わっても、情報の読み取りあるいは記録が行えるようにしている。また、情報の読み取り、あるいは書き込み中に、ディスクがディスク装置内の構造物に接触しないようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−100069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、より大きな加速度にディスク装置が耐え得るように改善する余地はある。そこで、本発明は、上述した課題をその一例として解決するものであって、ディスク装置が耐え得る加速度の限界を大きくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ディスクに記録された情報の読み込み、またはディスクへの情報の記録のうち少なくとも一方を実行するものであり、前記ディスクの回転時にはこれを保持して前記ディスクとともに回転するディスク保持手段と、前記ディスク保持手段が前記ディスクを保持していないときには、前記ディスク保持手段を一定の位置に支持するディスク保持手段支持部と、前記ディスク保持手段と、前記ディスク保持手段支持部とを格納する筺体と、を備え、前記ディスクから情報を読み出す場合、または前記ディスクへ情報を記録する場合においては、前記ディスク保持手段と前記筺体との距離と、前記ディスク保持手段と前記ディスク保持手段支持部との距離と、前記ディスク保持手段支持部と前記ディスクとの距離とが略等しいディスク駆動装置であることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、この発明につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、以下に説明する実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、本発明は、ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクその他のディスクに情報を記録し、あるいは情報を記録するディスク装置全般に対して適用でき、ディスクの種類は問わない。
【0008】
(実施の形態)
この実施の形態に係るディスク装置は、ディスクから情報を読み出す場合、あるいはディスクに情報を記録する場合においては、ディスク保持手段と筺体との距離t1と、ディスク保持手段とディスク保持手段支持部との距離t2と、ディスク保持手段支持部とディスクとの距離t3とを略等しくする点に特徴がある。
【0009】
図1は、この実施の形態に係るディスク装置を示す全体図である。図2は、この実施の形態に係るディスク装置のケース体を外した状態を示す全体図である。図3は、この実施の形態に係るディスク装置の内部構成を示す概略図である。このディスク装置100は、ディスクであるCDやDVD等の光ディスク(以下ディスクという)10に記録された情報を再生する。なお、このディスク装置100は、ディスク10に記録された情報の再生、またはディスク10への情報の記録のうち、少なくとも一方を実現できればよい。
【0010】
図1に示すように、ディスク装置100は、パネル18にケース体11が取り付けられている。ケース体11の外形形状は略6面体であり、ディスクの取り出し側にはパネル18が備えられる。図2に示すように、ケース体11を取り除くと、クランパ3を支持する蓋体2が現れる。図3に示すように、ケース体11内には装置本体101が格納される。
【0011】
装置本体101は、ディスク10の駆動手段や、ディスク10に記録された情報を読み出す情報読み取り手段等を備えており、ディスク装置100の中核をなす部分である。装置本体101は、ディスク駆動手段、情報読み取り手段、回路基板等が取り付けられる枠体1と、枠体1に取り付けられ、ディスク保持手段の一部であるクランパ3を支持するとともに、回転中のディスク10を保護する蓋体2とを備える。枠体1は、例えば樹脂材料により作られる。また、蓋体2は、伝熱を考慮して熱の良導体である金属材料によって作られることが好ましいが、これに限られず樹脂材料によって製造してもよい。
【0012】
ディスク駆動手段である電気モータ6および情報読み取り手段であるピックアップ7は、例えば金属板により構成される台座12に取り付けられる。電気モータ6は、例えばスピンドルモータ等であり、ディスク保持手段を介して、これに保持されるディスク10を回転させる。この実施の形態において、ディスク保持手段は、クランパ3と、クランパ3と吸着してディスク10を狭持するディスクテーブル5と、ディスクテーブル5から突出するディスク保持ボス4とを含んで構成される。
【0013】
クランパ3は略円形であり、ディスク10から情報を読み込まない待機状態のときには、クランパ3の外周部に張り出したフランジ部が蓋体2に穿孔されたクランパ支持孔の内周部と係合する。これによって、前記待機状態において、クランパ3は前記蓋体2に支持される。ディスク保持ボス4は、ディスク10の中心に穿孔された軸孔と嵌合する。ディスクテーブル5には磁石5Mが組み込まれており、ディスクテーブル5の磁石と、クランパ3の金属部の吸着力とにより、クランパ3がディスク10を挟持すると、ディスク10がディスク保持手段に保持される。
【0014】
ピックアップ7は、レーザーダイオード等の光源と、この光源からの光を収束してディスク10に照射するレンズと、ディスク10から反射された光を検出する光ピックアップとを含んで構成される。そして、ピックアップ7は、ディスク10の回転中に、その中心部から外側へ向かってディスク10の径方向と平行に直線移動する。その過程で、ピックアップ7は、ディスク10の情報記録面に記録された情報を読み取る。
【0015】
台座12は、枠体1と一体に形成される取り付け台座14に、例えばゴム等の弾性材料で作られる防振部材15を介して取り付けられる。これによって、枠体1から台座16、および台座12を介してピックアップ7へ伝達する外部からの衝撃や振動が減衰され、また、ディスク10の蓋体2等に対する接触を抑えることができる。その結果、ピックアップ7はディスク10に記録された情報を、より確実に読み取ることができる。
【0016】
枠体1には、回路基板16が取り付けられる。回路基板16は、枠体1の外側部分であって、前記台座12とケース体11との間に配置される。回路基板16には、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)やコンデンサ等の電気・電子部品17が取り付けられており、電気モータ6やピックアップ7の動作を制御したり、ピックアップ7によって読み取ったディスク10の情報を処理したりする。
【0017】
装置本体101には、ディスク10を載置するディスクトレイ9が備えられる。ディスクトレイ9は、トレイ駆動手段であるトレイ駆動モータ13によって駆動されて、ディスク装置100のパネル18側へ送り出される。この位置で、ディスクトレイ9にディスク10を載置し、また、ディスクトレイ9からディスク10取り出す。ディスクトレイ9にディスク10が載置されると、トレイ駆動モータ13によってディスクトレイ9は装置本体101内へ引き込まれる。そして、前記ディスク保持手段によって保持された後、前記電気モータ6によって回転し、ピックアップ7により情報が読み出される。
【0018】
図4は、この実施の形態に係るディスク装置のディスク保持状態を示す拡大図である。図4は、ディスク10から情報を読み取る状態を示している。この状態において、ディスク10の回転中心軸と、電気モータ6の回転中心軸と、クランパ3の回転中心軸と、ディスクテーブル5の回転中心軸とは一致する。また、図4は、ディスク装置100をいわゆる横置き、すなわち、ディスク10の回転中心軸Zが重力の作用方向と略平行となるようにディスク装置100を設置した状態を示している。図5は、この実施の形態に係るクランパと蓋体の支持孔との関係を示す平面図である。
【0019】
図4、図5に示すように、クランパ3は、蓋体2に設けられた支持孔2hに取り付けられ、クランパ3のフランジ部3fが支持孔2hの内周部と係合するようになる。すなわち、図5に示すように、クランパ3のフランジ径D3は、支持孔2hの内径D2よりも大きい。なお、蓋体2の支持孔2hが設けられる部分が、ディスク保持手段支持部2sとなる。
【0020】
ディスク保持ボス4のクランパ3側の面には、位置決め用凹部4hが形成されている。また、クランパ3の中心軸Zc上には、ディスク保持ボス4側に設けられる前記位置決め用凹部4hと嵌め合わされる位置決め用凸部3tが設けられる。ディスク10が、クランパ3とディスクテーブル5とで狭持される際には、前記位置決め用凸部3tが前記位置決め用凹部4hに導かれる。そして、ディスクテーブル5とクランパ3とに前記ディスク10が狭持されると、電気モータ6の回転軸と、クランパ3の中心軸とが一致する。
【0021】
上述したように、ディスク10から情報を読み取る場合、ディスク10は、クランパ3とディスクテーブル5とによって挟持されて、電気モータ6により回転される。この実施の形態においては、ディスク10から情報を読み取る場合には、クランパ3とケース体11との距離t1と、クランパ3とディスク保持手段支持部2sとの距離t2と、ディスク保持手段支持部2sとディスク10との距離t3とが、略等しくなるようにしてある。すなわち、t1≒t2≒t3となる。ここで、「略等しく」とは、t1、t2、t3のうち一つを基準とした場合、基準とした距離に対して、他の2つがそれぞれ±10%〜15%の範囲にあることをいう。なお、この説明においては、ケース体11が筺体に相当する。
【0022】
前記距離t1、t2、t3のうち、少なくとも一つの寸法が他の寸法と大きく異なると、ディスク装置100が回転中心軸Z方向の加速度を受けた場合、前記距離t1、t2、t3のうち最も小さい寸法によって耐加速度限界が決定される。すなわち、前記距離t1、t2、t3のうち最も小さい部分において、蓋体2またはケース体11と、ディスク10またはクランパ3とが接触する。
【0023】
しかし、この実施の形態のように、t1≒t2≒t3とすれば、ディスク10の回転中心軸Z方向の加速度を受けた場合、クランパ3とケース体11とが接触する距離と、クランパ3と蓋体2とが接触する距離と、蓋体2とディスク10とが接触する距離とが略等しくなる。その結果、前記回転中心軸Z方向の加速度を受けた場合、蓋体2またはケース体11と、ディスク10またはクランパ3とは略同時に接触することになり、それぞれの耐加速度限界を略等しくできる。これにより、十分な耐加速度限界を確保できるとともに、ディスク装置100の高さを低くして、これを小型化することもできる。ディスク装置100を横置きとした場合、例えば、クランパ3の厚さや蓋体2の寸法等を調整することで、t1≒t2≒t3とすることができる。
【0024】
ここで、耐加速度限界は、ディスク装置100が耐え得る加速度の大きさを意味し、より具体的には、情報の読み取りや情報の記録不良が発生したり、ディスク10の接触が発生したりするまでの加速度の大きさを表す。また、ディスク装置100の高さとは、ディスク10の回転中心軸方向におけるディスク装置100の寸法をいう。
【0025】
ところで、ディスク装置100をいわゆる縦置き、すなわち、ディスク10の回転中心軸Zが重力の作用方向と略直交するようにディスク装置100を設置した状態では、t1≒t2≒t3を実現しようとすると、次のような問題が生ずる。図6、図7は、ディスク装置を縦置きした場合のディスク保持状態を示す説明図である。ディスク10が狭持される場合、クランパ3がディスクテーブル5に内蔵された磁石5M(図3参照)に吸着される。ディスク装置100を縦置きとした場合、クランパ3は、蓋体2の支持孔2hに、クランパ3のテーパー部3cでガイドされる。このため、クランパ3の厚みhが十分でないと、ディスク10を狭持する際に、クランパ3はディスクテーブル5に対して大きなずれ(図6中のZとZcとの差)を生じ、ディスク10を狭持できないという問題がある。
【0026】
クランパ3とディスクテーブル5とのずれを抑制するため、蓋体2の支持孔2hの内径を小さくする方法もある。しかし、クランパ3と支持孔2hとの隙間が小さくなる結果、ディスク10の回転中心軸Zと直交する方向の耐加速度限界を十分に確保できない。また、図7に示すクランパ3xのように、図6に示すクランパ3のテーパー部3cを除いて、円筒状のクランパ3xとすることにより、クランパ3xとディスクテーブル5とのずれを抑制する方法もある。しかし、縦置きの場合にはディスク10がディスクトレイ9のディスク載置面から浮いてしまい、ディスク10を装置内へ搬送すると、これがクランパ3xと接触してしまうおそれがある(図7)。このときに、図7に示すクランパ3xのように、テーパー部を除いてしまうと、ディスク10の接触時にクランパ3xが蓋体2側へ移動しないので、ディスク10とクランパ3xとでロックしてしまうおそれがある。
【0027】
これらの問題点を解決するためには、クランパにテーパー部を設け、このテーパー部を搬送中のディスクに接触させてクランパを退避できるようにするとともに、縦置き時のためにクランパの厚さを十分に確保して、クランパの円筒部で支持孔2hにガイドさせるようにすればよい。しかし、このようにすると、クランパを厚くした分、ディスク10から情報を読み取る位置が蓋体2から離れる結果、蓋体2とディスク10との距離t3(図4参照)が必要以上に大きくなってしまう。その結果、ディスク駆動装置の高さが大きくなってしまう。また、耐加速度限界はクランパ3とケース体11との距離t1、またはクランパ3と蓋体2との距離t2のうち小さい方によって規制されてしまう。その結果、ディスク駆動装置の高さが大きくなっても、耐加速度限界の向上には結びつかない。
【0028】
そこで、この実施の形態においては、次のような構成を採用する。この実施の形態に係るクランパの支持構造は、次のような構成である。すなわち、蓋体に設けられる筒状のディスク保持手段支持部にディスク保持手段を格納する。そして、ディスクから情報を読み込まない待機状態のときには、ディスク保持手段の外周部とディスク保持手段支持部の内周部とを接触させて、クランパを支持する。
【0029】
図8(a)〜図8(c)、図9は、この実施の形態に係るクランパの支持構造を示す説明図である。いずれの図においても、矢印G方向が重力の作用方向である。なお、この例では、蓋体2が筺体に相当する。図8(b)に示すように、ディスク保持手段支持部であるクランパ支持部材20は、円筒状の部材であり、蓋体2に取り付けられる。クランパ支持部材20が蓋体2と取り付けられる側の反対側には、支持孔20hが開口している。
【0030】
図8(b)に示すように、クランパ3は、外周部にフランジ部3fを備えており、円筒状のクランパ支持部材20内に格納される。なお、図8(c)に示すように、平面視が四角形の筒状の部材で、クランパ支持部材21を構成してもよい。前記待機状態のとき、すなわち、クランパ3がディスク10を保持していないときには、クランパ3のフランジ外周部(ディスク保持手段の外周部に相当)3foとクランパ支持部材20の内周部20iとが、少なくとも一部で接触する。これによって、クランパ支持部材20がクランパ3を支持する。
【0031】
図8(a)、図8(b)に示す状態において、ディスク10の回転中心軸Zからクランパ支持部材20の内周部20iまでの距離をl1と、クランパ3の半径をr3とした場合、前記距離l1と前記半径r3との差rcの最大限の大きさは、ディスク10を狭持する際に、ディスク保持ボス4側に設けられる位置決め用凹部4hの内側へクランパ3の位置決め用凸部3tの外側が接する程度である。より好ましくは、前記rcの大きさは、ディスク10を狭持する際には、位置決め用凸部3tが位置決め用凹部4hへ滑らかに入り込む程度とする。
【0032】
図9は、図8(a)、図8(b)等に示すクランパの支持構造で、ディスク10を狭持した状態を示している。このように、図8(a)、図8(b)等に示すクランパの支持構造によれば、クランパ3の厚さhを無闇に大きくしなくとも、クランパ支持部材20によってクランパ3とディスクテーブル5とのずれを許容範囲内に維持できる。これによって、クランパ支持部材20とディスク10との距離t3が必要以上に大きくなることはない。その結果、ディスク10を狭持して情報を読み込む際において、クランパ3と筺体である蓋体2との距離t1と、クランパ3とクランパ支持部材20との距離t2と、クランパ支持部材20とディスク10との距離t3とが、略等しくなるように設定できる。
【0033】
これによって、ディスク装置の高さを小さくすることができ、また、かかる方向の耐加速度限界も十分確保することができる。また、クランパ支持部材20によってクランパ3を支持するので、クランパ支持部材20に設けた支持孔20hは、クランパ3の支持には関与しない。これによって、クランパ3とクランパ支持部材20の内周部、またはクランパ3と支持孔20hとの隙間t4を十分に確保できるので、回転中心軸Zと直交する方向の耐加速度限界も十分に確保できる。
【0034】
図10は、この実施の形態に係る、他のクランパの支持構造を示す説明図である。この例では、図10に示すように、クランパ3aは、傾斜部3sを備えており、外形は略円錐台形状である。そして、図10に示すように、クランパ3aはクランパ支持部材20の内部に配置されるとともに、傾斜部3sがクランパ支持部材20の支持孔20hと接する。これにより、クランパ3aが、クランパ支持部材20の外に脱落することを防止する。
【0035】
クランパ3aの外周部3aoをクランパ支持部材20の内周部20iで支持するようにしてもよい。このようにすれば、クランパ3aにフランジ部を設ける必要はないので、クランパ3aの製造が容易になるとともに、クランパ3aの製造に用いる材料も少なくすることができる。また、ディスク装置を横置きにした場合において、クランパ3がディスク10を支持していないときには、クランパ3の自重によってクランパ3が支持孔20hに押し付けられる。このとき、傾斜部3sが支持孔20hに押し付けられるので、クランパ3の中心軸Zcと支持孔20hの中心軸Zgとが一致するようになる。その結果、ディスクテーブル5がディスク10を狭持するときには、ディスクテーブル5とクランパ3aとの芯出しが容易になる。
【0036】
以上、この実施の形態では、ディスクから情報を読み出す場合、あるいはディスクに情報を記録する場合においては、ディスク保持手段と筺体との距離t1と、ディスク保持手段とディスク保持手段支持部との距離t2と、ディスク保持手段支持部とディスクとの距離t3とを略等しくする。これによって、ディスクがディスク保持手段支持部に接触したり、ディスク保持手段が筺体に接触したりする場合の耐加速度限界を略等しくできる。その結果、ディスク装置の耐加速度限界も十分確保することができるとともに、ディスク装置の高さを小さくすることができる。
【0037】
また、筒状のディスク保持手段支持部の内部にディスク保持手段を配置し、ディスク保持手段の外周部とディスク保持手段支持部の内周部との少なくとも一部を接触させて、ディスク保持手段を支持する。これにより、ディスク装置を縦置きにした場合、ディスク保持手段支持部に設けた支持孔は、ディスク保持手段の支持には関与しない。これによって、ディスク保持手段と支持孔との隙間t4を十分に確保できるので、ディスクの回転中心軸Zと直交する方向の耐加速度限界も十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この実施の形態に係るディスク装置を示す全体図である。
【図2】この実施の形態に係るディスク装置のケース体を外した状態を示す全体図である。
【図3】この実施の形態に係るディスク装置の内部構成を示す概略図である。
【図4】この実施の形態に係るディスク装置のディスク保持状態を示す拡大図である。
【図5】この実施の形態に係るクランパと蓋体の支持孔との関係を示す平面図である。
【図6】ディスク装置を縦置きした場合のディスク保持状態を示す説明図である。
【図7】ディスク装置を縦置きした場合のディスク保持状態を示す説明図である。
【図8(a)】この実施の形態に係るクランパの支持構造を示す説明図である。
【図8(b)】この実施の形態に係るクランパの支持構造を示す説明図である。
【図8(c)】この実施の形態に係るクランパの支持構造を示す説明図である。
【図9】この実施の形態に係るクランパの支持構造を示す説明図である。
【図10】この実施の形態に係る、他のクランパの支持構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 枠体
2 蓋体
2h 支持孔
2s ディスク保持手段支持部
3、3a、3x クランパ
3f フランジ部
3s 傾斜部
3ao 外周部
4 ディスク保持ボス
5 ディスクテーブル
6 電気モータ
7 ピックアップ
9 ディスクトレイ
10 ディスク
11 ケース体
20、21 クランパ支持部材
20h 支持孔
20i 内周部
100 ディスク装置
101 装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの回転時にはこれを保持して前記ディスクとともに回転するディスク保持手段と、
前記ディスク保持手段が前記ディスクを保持していないときには、前記ディスク保持手段を一定の位置に支持するディスク保持手段支持部と、
前記ディスク保持手段と、前記ディスク保持手段支持部とを格納する筺体と、を備え、
前記ディスクから情報を読み出す場合、または前記ディスクへ情報を記録する場合においては、
前記ディスク保持手段と前記筺体との距離と、前記ディスク保持手段と前記ディスク保持手段支持部との距離と、前記ディスク保持手段支持部と前記ディスクとの距離とが略等しいことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記ディスク保持手段支持部は筒状の部材であり、その内部に前記ディスク保持手段が備えられ、
前記ディスク保持手段が前記ディスクを保持していないときには、前記ディスク保持手段支持部の内周部と、前記ディスク保持手段の外周部とが少なくとも一部で接触して、前記ディスク保持手段支持部が前記ディスク保持手段を支持することを特徴とする請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記ディスク保持手段の外形は略円錐台形状であり、前記ディスク保持手段の傾斜部が前記ディスク保持手段支持部に設けられる支持孔に接するように形成されてなることを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図8(c)】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−107601(P2006−107601A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291825(P2004−291825)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】