説明

ディスク装置

【課題】 ディスクの装着を容易で、自由度の高い方法で行えるディスク装置を提供するものである。
【解決手段】 光ピックアップ2とターンテーブル1とが搭載され、記録再生位置と待機位置との間を移動可能に配されたトラバースベース5と、ディスク4が載置されるディスク載置面3aと、ディスク載置面3aに形成されかつトラバースベース5が記録再生位置と待機位置との間を移動する際ターンテーブル1が挿通可能に形成されている開口部3bとを備えたフロントカバー3と、ディスク4の中心とターンテーブル1の中心とが一致する位置へ、ディスク4を保持して移送させるセンタリング部材8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等の記録用または再生用のディスク、あるいはケースに収納されているディスクを装着可能とし、ディスクに対して各種情報信号を記録または再生させるためのディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、DVDに情報信号を記録再生可能なDVDレコーダーが急速に普及し始めているが、今後の更なる普及拡大のために、ユニバーサルデザインなどのように誰にでも使いやすい、より使いやすさを追求したディスク装置の開発が求められている。ディスク装置の使いやすさを向上させるために、ディスク装置へのディスク装着を容易に行える構成が提案されている。
【0003】
従来のディスク装置では、ディスクを載置可能なトレイを挿入及び引出し可能に搭載した「トレイ方式」が、一般に採用されている。トレイ方式のディスク装置においては、装置から引出されるトレイ上にディスクを載置して、トレイを装置内に挿入させることで、ディスクをディスク装置へ装着させている。
【0004】
以下に従来のディスク装置について説明する。
【0005】
従来、ディスク装置は、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のディスク装置は、ディスク使用機器の前面パネルにトレイ出し入れ用の開口部が設けられ、この開口部から出てきたトレイ上にディスクが載置された後、ディスクがトレイとともに装置内部の所定位置(ターンテーブルへの着脱位置)に引き込まれるように構成されている。そして、装置内部に引き込まれたトレイ上のディスクを、ターンテーブル上に装着してクランパとの間に挟み込んだ状態で、ディスクを所定の回転数で回転させる。回転されているディスクに対して、情報信号の記録あるいは再生を行っている。例えば再生する場合は、ディスクの情報層における情報信号が記録されたトラック位置に、信号読み取りのためのピックアップを移動させる。次に、情報層へ光ビームを照射させて、ディスクで反射された光ビームをピックアップで受光することにより、情報信号の再生を行うことができる。
【特許文献1】特公平4−67712号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来の構成では、ディスクを装置に装着させるには、トレイを引き出し、トレイにディスクを載置後、再度トレイを装置内に戻すという一連の動作が必要であることや、ディスクをトレイに設けられたディスク載置用の凹部に位置決めして載置させる必要があり、ディスク装着に手間が掛かり、ディスクの装着方法に自由度が少ないという問題点を有していた。
【0007】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、ディスクの装着を容易で、自由度の高い方法で行えるディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のディスク装置は、ディスクに対して情報信号を記録/再生可能なディスク装置であって、前記ディスクに対して情報信号を記録/再生させる光ピックアップと、前記ディスクが載置されかつ前記光ピックアップが前記ディスクに対して情報信号を記録再生可能な位置で前記ディスクを回転させるターンテーブルとが搭載され、記録再生位置と待機位置との間を移動可能に配されたトラバースベースと、前記ディスクを載置するディスク載置面と、前記ディスク載置面に形成されかつ前記トラバースベースが記録再生位置と待機位置との間を移動する際前記ターンテーブルが挿通可能に形成されている開口部とを備えたフロントカバーと、前記ディスクの中心と前記ターンテーブル中心とが一致する位置へ、前記ディスクを保持して移送させるセンタリング部材とを備え、前記センタリング部材は、前記ターンテーブルの中心を通り、前記ターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第1の平面、及び前記ターンテーブルの中心を通り前記第1の平面と略直角に交わる第2の平面を中心に対称的に前記ディスクに当接し、前記第1の平面を中心に対称的に一対ずつ設けられ、それぞれ前記第2の平面を中心に対称的に回動可能に構成されている。
【発明の効果】
【0009】
上記構成のディスク装置によれば、ディスクの装着を容易で、自由度の高い方法で行えるという優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のディスク装置は、前記一対のセンタリング部材の一部には、それぞれ歯車を有し、各々の前記歯車が噛み合うように配置されている構成とすることができる。
【0011】
また、前記一対のセンタリング部材は、各々の回動中心側とは反対側の端部が、お互いに近づく方向に弾性部材で付勢されている構成とすることができる。
【0012】
また、前記一対のセンタリング部材が互いに閉じる方向への回動を規制する閉方向規制部材と、前記一対のセンタリング部材が互いに開く方向への回動を規制する開方向規制部材とを有する構成とすることができる。
【0013】
また、前記センタリング部材は、前記ターンテーブル及び前記光ピックアップの中心を通り、前記ターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第1の平面、及び前記ターンテーブルの中心を通り前記第1の平面と略直角に交わる第2の平面を中心に対称的に前記ディスクに当接し、前記第1の平面を中心に対称的に一対ずつ設けられ、それぞれ前記第2の平面を中心に対称的に回動されている第1のセンタリング部材及び第2のセンタリング部材とを備え、前記ターンテーブル中心と前記光ピックアップの光軸中心を通る線に対して略直角方向かつ相対向する方向に移動する第1の規制部材及び第2の規制部材と、前記第1の規制部材及び第2の規制部材を駆動させる駆動機構とを有し、前記第1の規制部材及び前記第2の規制部材は、前記第1の規制部材が前記第1のセンタリング部材のセンタリング方向への回動を規制し、前記第2の規制部材が第2のセンタリング部材のセンタリング方向への回動を規制する第1の位置と、前記第1の規制部材が前記第2のセンタリング部材の前記ディスクから離間する方向への回動を規制し、前記第2の規制部材が前記第1のセンタリング部材の前記ディスクから離間する方向への回動を規制する前記第1の位置と相対向する第2の位置との間を、移動可能に構成することが好ましい。
【0014】
また、前記一対のセンタリング部材の一部にはそれぞれ歯車を有し、各々の前記歯車が、噛み合うように配置される構成とすることができる。
【0015】
また、前記一対のセンタリング部材は、各々の回動中心側とは反対側の端面が、お互いに近づく方向に弾性部材で付勢されている構成とすることができる。
【0016】
また、前記一対のセンタリング部材のいずれか一方の歯車に噛み合う歯車を有したセンタリング調整部材を設け、前記センタリング調整部材に規制部材を当接させて前記センタリング調整部材の回動を規制することで、前記センタリング部材の回動を規制する構成とすることができる。
【0017】
また、前記センタリング部材の歯車のピッチ円直径より、前記センタリング調整部材の歯車のピッチ円直径を大きくする構成とすることができる。
【0018】
また、前記開口部を開閉可能な開閉部材を備え、前記開閉部材は、前記第1の規制部材の移動に連動させて開閉される構成とすることができる。
【0019】
また、前記トラバースベースにピンを設け、前記第1の規制部材にカム溝を設け、前記ピンを前記カム溝に移動自在に係合させ、前記カム溝は、前記第1の規制部材の移動に連動して、前記トラバースベースを記録再生位置と待機位置との間を移動させるように形成されている構成とすることができる。
【0020】
(実施の形態1)
まず、本発明のディスク装置が搭載されたディスクシステムの構成について説明する。
【0021】
図1及び図2は、ディスクシステムの外観を示す斜視図であり、図1は記録再生可能状態で、図2はディスク装着可能状態を示す。「記録再生可能状態」とは、ターンテーブルとクランパ(いずれも図示せず)によってディスク4がクランプされ、ディスク4に対して情報信号の記録再生が可能な状態を指す。また、「ディスク装着可能状態」とは、クランプベース10(後述)が外部から目視できない位置に退避され、ユーザーが、装置に対してディスク4を着脱可能な状態を指す。
【0022】
図1及び図2において、ディスクシステム50は、据え置き型のディスクプレーヤーまたはディスクレコーダーであり、正面部に開口部52が形成されている。開口部52が形成されている外装カバーの内側には、ディスクをクランプし情報信号を記録または再生可能なディスク装置(後述)が、縦置きで内蔵されている。ユーザーは開口部52を通してディスク4をディスク装置へ装着させることができる。
【0023】
また、ディスクシステム50における開口部52の近傍には、ディスクシステム50の各種操作を行うことができる操作部51が配されている。操作部51で行える操作は、例えば、ディスク4に記録された情報信号を再生する再生操作、ディスク4に情報信号を記録させる記録操作、ディスク4を記録再生可能状態からディスク装着可能状態へ移行させるイジェクト操作などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
フロントカバー3は、ディスクシステム50の開口部52内において、ユーザーによって、ディスク装置にディスク4が装着された際にディスク4を支持するものである。フロントカバー3は、ディスク載置面3aと、ディスク載置面3aの背面部に配されたターンテーブル1や光ピックアップ2(図3、図4参照)を露出させる開口部3bと、ディスク4の下方向への位置規制を行うリブ3cとを備えている。ディスク装置へ装着されたディスク4は、記録面の一部がディスク載置面3aで支持され、ディスク4の外周縁部の一部(下端)がリブ3cで支持される。
【0025】
センタリング部材8a〜8dは、支軸8eを軸に回動自在に配されている。また、センタリング部材8a〜8dは、ディスク4がリブ3cに載置され、図1に示す記録再生可能状態に至る間に、ディスク4の縁部を保持し、ディスク4をセンタリングさせている。「センタリング」とは、ディスク4の中心と、ターンテーブル1の中心とが一致するよう、ディスク4の位置を調整することである。また、図1に示すようにディスク4がクランプされた後は、ディスク4の縁部から離間され、図示の位置で待機する。また、図2に示すディスク装着可能状態では、センタリング部材8a〜8dは、開口部52から目視できない位置へ退避されている。
【0026】
開閉部材9は、略板状の部材で構成され、主面は開口部3bを覆うことが可能な大きさを有している。また、開閉部材9は、ディスク載置面3aの裏面側に配され、矢印PあるいはQ方向へ移動自在に配されている。
【0027】
クランプベース10は、ディスクシステム50内におけるディスク載置面3a上を、矢印PあるいはQ方向へ移動自在に配されている。また、クランプベース10の裏面には、ディスク4をクランプするクランパ11が配されている。
【0028】
以下、ディスクシステム50の動作について説明する。
【0029】
まず、ディスクシステム50の電源がオフの時は、図2に示す状態となっている。すなわち、クランプベース10およびセンタリング部材8a〜8dは、開口部52に露出しない外周の待機位置にあり、開閉部材9は開口部3bを覆う位置にある。
【0030】
ディスクシステム50を動作させる際は、図2に示す状態において操作部51を操作して、ディスクシステム50の電源をオンにする。次に、ディスク4をディスク載置面3a及びリブ3c上に載せる。次に、操作部51における例えば再生ボタンを操作すると、クランプベース10が矢印Q方向へ移動を開始し、それと同時にセンタリング部材8a〜8dが支軸8eを中心に回動されてディスク4の縁部を保持する。ディスク4は、センタリング部材8aから8dによって保持されて、センタリング位置まで移動される。クランプベース10がディスク4の中心と重なる位置まで移動された後、開閉部材9が矢印Q方向へ移動が開始される。開閉部材9が待機位置まで移動された状態が図1である。図1に示す状態では、クランプベース10は開口部3d(図2参照)を覆う位置にあり、開閉部材9は開口部3dを開放する位置にある。
【0031】
次に、フロントカバー3の裏側に配されているトラバースベース5(後述)がフロントカバー3の前面方向へ移動され、トラバースベース5に搭載されたターンテーブル1及びピックアップ2が、開口部3bを介してディスク4にアクセス可能な位置まで移動されることにより、ターンテーブル1とクランパ11とでディスク4をクランプさせることができる。ディスク4のクランプが完了すると、センタリング部材8a〜8dは支軸8eを軸に回動されて、図1に示すようにディスク4の縁部から離間した状態へ移行される。
【0032】
次に、ターンテーブル1がディスク4を回転させ、光ピックアップ2でディスク4の情報層へ光ビームを照射させることにより、ディスク4に記録された情報信号を再生させることができる。
【0033】
なお、上記の説明では、ディスク4の再生動作について説明したが、ディスク4に情報信号を記録させる記録動作であっても、同様に動作を行うことができる。また、上記説明では、電源をオンにした後、再生ボタンを操作する構成としたが、電源がオフの状態で再生ボタンのみを操作することで、ディスクシステム50の電源がオンになり、再生状態へ移行させるよう制御してもよい。
【0034】
次に、ディスク4をディスクシステム50から取り出す際は、図1に示す状態において、操作部51におけるイジェクトボタンを操作することで、光ピックアップ2からの光ビームの照射動作が停止され、ターンテーブル1の回転動作が停止される。次に、センタリング部材8a〜8dが、ディスク4の縁部を保持し、トラバースベース5が待機位置(ディスク4の中心方向の奥側)へ移動されることで、クランパ11とターンテーブル1とによるクランプ状態が解除される。次に、図2に示すように、クランプベース10と開閉部材9とが、矢印Pに示す方向へ移動されるとともに、センタリング部材8a〜8dがディスク4から離間した位置へ移動されることにより、ディスク4がディスク載置面3a及びリブ3c上に載置される。これにより、ユーザーが、ディスク載置面3a及びリブ3c上に載置されているディスク4を取り出すことができる。
【0035】
次に、実施の形態1におけるディスク装置の具体的な構成について説明する。
【0036】
図3は、本発明の実施の形態1におけるディスク装置のディスク装着可能状態(第1の位置)を示す平面図である。ここで「ディスク装着可能状態」とは、ユーザーが装置にディスクを着脱可能な状態のことである。図4はディスク装置のディスク装着可能状態を示す側面断面図で、図3におけるZ−Z部の断面である。図5及び図8はディスク装置のディスクのセンタリング完了状態(第3の位置)を示す平面図である。図6はディスク装置の記録再生可能状態(第2の位置)を示す断面図である。図7はディスク装置のディスクの記録再生可能状態(第2の位置)を示す側面断面図であり、図6におけるY−Y部の断面である。なお、図3〜図7は大径ディスク(例えば直径12センチのディスク)を着脱可能な構成を示す。また、図1及び図2における構成と同様の構成については、同一番号を付与してさらに詳しく説明する。
【0037】
図において、ターンテーブル1は、ディスク4が載置され、記録または再生時にディスク4を回転させる。光ピックアップ2は、ディスク4に対して情報信号を記録または再生させるものである。また、光ピックアップ2は、ディスク4の記録面に対向する位置に配され、ディスク4の半径方向へ移動可能に配されている。ここで、ターンテーブル1と光ピックアップ2は、トラバースベース5上に搭載されている。
【0038】
フロントカバー3は、ディスク装置の前面を覆い、ディスク載置面3aと開口部3bとリブ3cと壁部3eとを備えている。ディスク載置面3aは、光ピックアップ2の光軸方向に対し直交方向に設けられている。開口部3bは、ディスク載置面3aの一部に設けられ、ディスク装着可能状態と記録再生可能状態との切換時に、ターンテーブル1のディスク載置面が挿通移動される。
【0039】
リブ3cは、フロントカバー3のディスク載置面3aにおけるターンテーブル1及び光ピックアップ2から離間した位置に設けられ、ユーザーによってディスク4が載置される部位である。リブ3cにおいて、ディスク載置面3aに対する略垂直方向の突出量は、本装置を縦置き(ディスク載置面3aが、本装置の設置面に対して略垂直になるような設置方法)に設置した際に、少なくともディスク4及びカートリッジ19(後述)を載置可能な寸法に設定されている。また、リブ3cは、カートリッジ19を載置時、カートリッジ19に収納されたディスク4の中心と、記録再生可能状態のターンテーブル1の中心とが合うような位置に設けられている。
【0040】
壁部3eは、図3に示すように、ディスク載置面3aの周囲に形成され、ディスク載置面3aにディスク4が載置された際に、ディスク4の横方向の位置決めを行う。
【0041】
ガイド溝3fは、フロントカバー3の上端に形成され、クランプベース10の上端がスライド可能に支持されている。
【0042】
シャーシ20は、ディスク載置面3aに対する背面側を覆っており、フロントカバー3と固定されている。
【0043】
トラバースベース5は、ターンテーブル1と光ピックアップ2が搭載され、支軸5aを中心にディスク装着可能状態の待機位置と記録再生位置との間で回動可能に構成されている。「待機位置」とは、ターンテーブル1のディスク載置面及び光ピックアップ2はフロントカバー3のディスク載置面3aより突出しない位置(つまり、ディスク載置面3aより下部に位置した状態)である。また、「記録再生位置」とは、ターンテーブル1のディスク載置面がフロントカバー3のディスク載置面3aより突出して、ディスク4を載置して記録再生可能な位置である。トラバースベース5の回動機構については後述する。
【0044】
ガイド軸6には、光ピックアップ2が移動自在に支持されている。駆動モータ7は、回転駆動力を出力可能なシャフト7aが配されている。シャフト7aには、光ピックアップ2が螺合され、シャフト7aを回転させることで、光ピックアップ2をガイド軸6に支持させながらディスク4の半径方向へ移動させることができる。
【0045】
センタリング部材8は、リブ3cに載置されたディスク4の中心とターンテーブル1の中心とが合うように、ディスク4を移送させる部材である。センタリング部材8は、ターンテーブル1を中心に上下左右対称に配された4個のセンタリング部材8a〜8dによって構成されている。また、センタリング部材8は、それぞれ支軸8eを中心に、回動可能に構成されている。
【0046】
センタリング部材8a〜8dは、ターンテーブル1の回転中心軸と光ピックアップ2の光軸とを含む第1の平面、及びターンテーブル1の中心を通り第1の平面と略直角に交わる第2の平面を中心にして対称的に、ディスク4に当接させている。また、第1及び第2のセンタリング部材8a及び8bは、ディスク4をセンタリングさせる際、ディスク4の上側を支持するものである。また、第3及び第4のセンタリング部材8c及び8dは、ディスク4をセンタリングさせる際、ディスク4の下側を支持するものである。本実施の形態では、センタリング部材8は、ディスク4の外周縁部を支持しているが、ディスク4の外周部以外の部位を支持して移送させてもよい。また、各センタリング部材8a〜8dは、図3に示すようにディスク4及びカートリッジ19をディスク載置面3aに載置可能なように退避されている第1の位置と、図5に示すようにディスク4を支持してセンタリング位置へ移動が完了している第3の位置と、図6に示すようにディスク4がセンタリング後にクランプされて記録再生可能状態へ移行されている第2の位置とに移動可能なように、それぞれ矢印AあるいはD方向へ回動可能に構成されている。本実施の形態では、ディスク装着時は第1の位置、第3の位置、第2の位置の順で変位し、ディスク取り出し時は第2の位置、第3の位置、第1の位置の順で変位するよう動作する。
【0047】
また、各センタリング部材8a〜8dの端部にはそれぞれギヤ8fが設けられている。センタリング部材8aと8cに設けられたギヤ8fは互いに噛み合い、センタリング部材8bと8dに設けられたギヤ8fは互いに噛み合うように構成されているため、センタリング部材8aと8cは同タイミングで回動し、センタリング部材8bと8dは同タイミングで回動する。また、センタリング部材8a〜8dが同じタイミングで回動するように、ディスク装置内部のメカニズムが構成されている。
【0048】
各センタリング部材8a〜8dは、回動時に、フロントカバー3のディスク載置面3a及びリブ3cに載置された大径ディスクまたは小径ディスクを、すくい上げることができる長さで構成されている。
【0049】
カートリッジ19は、ケースに収納されたディスクであり、例えば一般に流通しているDVD−RAMカートリッジに相当するが、これに限定されない。カートリッジ19には、開閉自在なシャッター19bが配され、開くことで内蔵されているディスク4の一部を露出させることができ、閉じることでディスク4を保護することができる。よって、ディスク4に対して情報信号を記録または再生させる際はシャッター19bが開かれ、ディスク装置から離脱されている時は、ディスク4を埃などから保護するためにシャッター19bが閉じられる。
【0050】
クランプベース10は、フロントカバー3のディスク載置面3aにディスク4が載置される際にディスク4と接触しないように、ディスク載置面3aと重ならないように壁部3eの外側位置に待機させている。本実施の形態では、クランプベース10は、図3に示すようにディスク載置面3aの右側の位置に待機させている。なお、ディスク載置面3aの左側の位置に待機させてもよい。また、クランプベース10は、光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向でかつターンテーブル1のディスク載置面に平行に、待機位置からクランプ位置まで移動可能に構成されている。なお、「クランプ位置」とは、クランプベース10がターンテーブル1のディスク載置面の真上に移動して、ターンテーブル1とともにクランプ動作が可能な位置である。また、クランプベース10は移動機構21によって移動される。なお、クランプベース10は、クランプ位置にある時、およびクランプ位置と待機位置との間を移動している時に、ディスク載置面3aに載置されたディスク4に接触しないように構成されている。
【0051】
移動機構21は、図4に示すように、モーター23と、クランプベース10に一体に設けたラック10fに噛み合うギヤ22とから構成され、ギヤ22にモーター23から駆動力を伝達させることで、クランプベース10を移動させることができる。
【0052】
クランパ11は、クランプベース10におけるフロントカバー3に対向する面に配され、ターンテーブル1のディスク載置面にディスク4をクランプさせることができる。また、クランパ11は、クランプベース10において、ターンテーブル1の回転軸方向に僅かに移動可能にように配されている。また、クランパ11は、磁性体が内蔵され、ターンテーブル1に内蔵された被磁性体(鉄板など)に磁力で吸着される構成になっている。
【0053】
バネ13a及び13bは、センタリング部材8c及び8dを矢印Aに示すセンタリング方向へ付勢させている。なお、バネ13a及び13bは、本実施の形態ではコイルバネで構成されているが、センタリング部材8c及び8dをセンタリング方向へ付勢させることができれば、板バネなど他の弾性部材で実現してもよい。また、本実施の形態ではバネ13a及び13bを、コイル部分がセンタリング部材8c及び8dの回動中心に対して略同軸になるよう配したが、センタリング部材8a及び8bの回動中心に配してもよい。また、センタリング部材8a〜8dの各回動中心に配してもよい。また、バネ13a及び13bは、バネ13aがセンタリング部材8cに付与する負荷と、バネ13bがセンタリング部材8dに付与する負荷とが同じになるように、バネレートが設定されているため、ディスク4を正確にセンタリングさせることができる。なお、バネ13a及び13bの一端はフロントカバー3の一部に支持され、他端はセンタリング部材8c及び8dの一部に支持されている。
【0054】
センタリング調整部材14a及び14bは、センタリング部材8c及び8dと同軸位置、またはセンタリング部材8c及び8dの近傍位置において、回動自在に軸支されている。また、センタリング調整部材14a及び14bは、一端にギヤが形成され、センタリング調整部材14aのギヤはセンタリング部材8aのギヤ8fに噛み合い、センタリング調整部材14bのギヤはセンタリング部材8bのギヤ8fに噛み合っている。また、センタリング調整部材14a及び14bは、バネ13a及び13bにより矢印A方向へ付勢されたセンタリング部材8c及び8dに、センタリング部材8a及び8bを介して噛み合っているため、矢印A方向へ付勢されている。また、センタリング調整部材14a及び14bの他端側には、ラック16及び17(後述する)が当接されることにより、センタリング調整部材14a及び14bの矢印A方向への回動が規制されている。これにより、センタリング部材8a及び8bの回動が規制され、センタリング部材8a及び8bに噛み合ったセンタリング部材8c及び8dの回動も規制され、センタリング部材8a〜8d全ての回動が規制されることになる。よって、センタリング調整部材14a及び14bの回動を制御することで、センタリング部材8a〜8dの回動を制御することができる。
【0055】
また、センタリング調整部材14a及び14bは、図4に示すようにフロントカバー3のディスク載置面3aの裏面側に配置されている。したがって、図3におけるセンタリング調整部材14a及び14bの歯車と噛み合うセンタリング部材8a及び8bのギヤ8fは、フロントカバー3の裏面側まで到達するように配されている。また、センタリング調整部材14a及び14bに設けられたギヤのピッチ円直径(PCD:Pitch Circle Diameter)は、ギヤ8fのピッチ円直径よりも大きく設定されており、これによりセンタリング調整部材14a及び14bを回動させた時、センタリング部材8a〜8dの回動量をセンタリング調整部材14a及び14bの回動量よりも大きくすることができる。本実施の形態では、センタリング調整部材14a及び14bのピッチ円直径を、ギヤ8fのピッチ円直径に対して約2倍に設定しているので、センタリング調整部材14a及び14bの回動角度(回動量)はセンタリング部材8a〜8dの回動角度(回動量)の半分となり、ラック16及び17の移動量も半分となる。
【0056】
第1ラック16及び第2のラック17は、ターンテーブル1の中心と光ピックアップ2の中心とを通る線を中心に、略直角方向でかつ相対向する方向に、同速度で移動可能に配されている。第1のラック16は、ディスク装置がディスク装着可能状態の時は、図3に示すようにセンタリング部材8c側に位置しており、その左端部16aがセンタリング調整部材14aに当接し、センタリング調整部材14aの矢印A方向への回動を規制している。また、第2のラック17は、ディスク装置がディスク装着可能状態の時は、図3に示すようにセンタリング部材8d側に位置しており、その右端部17aがセンタリング調整部材14bに当接し、センタリング調整部材14bの矢印A方向への回動を規制している。また、第1のラック16は、別途設けられたモータなどの駆動源からの駆動力により、矢印E方向へ移動可能で、第2のラック17は、矢印B方向へ移動可能に構成されている。なお、第1のラック16及び第2のラック17の駆動機構については後述する。
【0057】
また、第1のラック16と第2のラック17の移動開始タイミングを同時にすることで、ディスク4のセンタリング精度を高めることができる。さらに、移動開始タイミングを同時とするとともに移動速度を同速度とすることで、さらにセンタリング精度を高めることができる。
【0058】
なお、駆動源からの駆動力は、それぞれ独立してラック16及び17に伝達されるように構成してもよいが、本実施の形態では、ラック16及び17の相対向する位置に歯16c及び17cを形成し、両方の歯16c及び17cに噛み合うギヤ31を設け、駆動源からの駆動力をギヤ31に伝達することで、ギヤ31に噛み合った歯16c及び17cに駆動力が伝達され、ラック16及び17をそれぞれ相対向する矢印B及びE方向へ移動させることができる。
【0059】
また、センタリング部材8a及び8cとセンタリング部材8b及び8dとが同じタイミングで回動するように、ラック16及び17はセンタリング調整部材14a及び14bのできるだけ同じ部分に当接するように構成する。
【0060】
また、ラック16及び17は、図3に示すようにディスク装置を正面から見た時の配置は、互いに接触しないように配置され、図4に示すように側面から見た時の配置は、縦方向に並ぶように配されている。
【0061】
また、ラック16及び17の保持については図示していないが、例えば各ラック16及び17の長手方向に沿ってカム溝を設け、装置側にカム溝と係合するピンを設けて、ラックをスライド自在に保持する構成が考えられるが、他の構成であってもよい。
【0062】
以上のように構成されたディスク装置について、以下動作を説明する。
【0063】
(大径ディスクの着脱動作)
図3において、ユーザーによってディスク4がディスク載置面3a及びリブ3c上に載置された状態では、ディスク4は、その中心がターンテーブル1の中心よりも下方向にずれた位置にある。また、ディスク4の左右方向の位置規制は、壁部3eで規制されるとともに、センタリング部材8a〜8dにディスク4が当たることで、ある程度の位置規制がなされている。この時、センタリング部材8a〜8dは、ディスク載置面3aの投影面上に位置しないように、退避されている。また、センタリング調整部材14a及び14bは、図3に示す位置にある。また、第1のラック16は左端部16aがセンタリング調整部材14aに当接し、第2のラック17は右端部17aがセンタリング調整部材14bに当接し、センタリング調整部材14a及び14bとセンタリング部材8a〜8dの矢印A方向への回動を規制している。
【0064】
次に、記録再生開始のスイッチ(図示せず)が操作されると、クランプベース10が図3に示す待機位置から矢印B方向(光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向)へ移動を開始し、図5に示すクランプ位置まで移動される。
【0065】
次に、図4に示すように、モータ33からの回転駆動力がモータギヤ34を介してギヤ31に伝達され、ギヤ31に噛み合った第1のラック16及び第2のラック17に伝達される。第1のラック16は図3に示す位置から矢印E方向へ移動が開始され、第2のラック17は図3に示す位置から矢印B方向へ移動が開始される。すると、センタリング調整部材14a及び14bは、バネ13a及び13bの付勢力によりラック16及び17に当接されたまま、矢印A方向へ回動する。これに伴い、センタリング調整部材14a及び14bに噛み合ったセンタリング部材8a及び8bが、支軸8eを軸に矢印A方向へ回動され、センタリング部材8a及び8bに噛み合ったセンタリング部材8c及び8dが、支軸8eを軸に矢印A方向へ回動される。
【0066】
また、第2のラック17が矢印Bに示す方向へ移動されることで、第2のラック17に固定されたピン17dがレバー32を矢印B方向へ押圧し、レバー32は支軸32cを軸に反時計方向へ回動される。レバー32は開閉部材9に連結されており、レバー32が回動されることで、開閉部材9が矢印Bに示す方向へ移動される。なお、レバー32と開閉部材9との関係、および開閉部材9の詳しい移動動作については後述する。
【0067】
第1のラック16及び第2のラック17の移動に伴って回動されているセンタリング部材8a〜8dは、やがてディスク4の外周部に当接し、さらに回動されると、図5に示すように、センタリング部材8a〜8dのディスク当接部をディスク4の縁部が摺動しながら、ディスク4をターンテーブル1の中心方向へ移動させることができる。
【0068】
本実施の形態では、センタリング部材8a〜8dの回動時、まず下側のセンタリング部材8c及び8dをディスク4の外周部に当接させ、そのまま回動動作を継続することでディスク4をターンテーブル1の中心方向へ持ち上げることができる。次に、上側のセンタリング部材8a及び8bをディスク4の外周部に当接させることで、ディスク4の縁部を4ヵ所で支持させることができる。
【0069】
図5に示すように、ディスク4がセンタリング完了位置(第3の位置)まで到達すると、第1〜第4のセンタリング部材8a〜8dは、バネ13a及び13bの付勢力によりディスク4の縁部を押圧保持した状態で停止する。この時、センタリング部材8a〜8dは、ディスク縁部を押圧支持した状態で、力が釣り合って停止している。また、図5において、第2のラック17の移動に伴って移動されていた開閉部材9は、開口部3bを一部開いた位置へ移動されているが、ラック16及び17が更に移動することにより、開口部3bを完全に開く状態の位置へ移動されることとなる。
【0070】
なお、ラック16及び17は、センタリング部材8a〜8dがディスク4の縁部に支持されても、矢印B及びE方向への移動動作は継続される。センタリング部材8a及び8cがディスク4の縁部に当接されているため、センタリング部材8a及び8cの回動が規制され、センタリング調整部材14aの回動が規制されている。したがって、ラック16が矢印E方向へ移動を続けることで、やがてセンタリング調整部材14aとラック16とが離間される。また、センタリング部材8b及び8dがディスク4の縁部に当接されているため、センタリング部材8b及び8dの回動が規制され、センタリング調整部材14bの回動が規制されている。したがって、ラック17が矢印B方向へ移動を続けることで、やがてセンタリング調整部材14bとラック17とが離間される。
【0071】
次に、トラバースベース5が、支軸5aを中心に図4に示す矢印C方向へ回動されて、ターンテーブル1が開口部3bを挿通して記録再生位置まで移動される。なお、トラバースベース5の詳しい回動動作については後述する。
【0072】
これにより、ディスク4はターンテーブル1のディスク載置面に載って持ち上げられる。ターンテーブル1が、ディスク4のクランプ位置近傍まで移動すると、クランパ11が磁力によってターンテーブル1のディスク載置面に引き寄せられて、ディスク4はターンテーブル1とクランパ11によってクランプされる。なお、この時ラック16及び17は、矢印B及びE方向への移動動作を継続されている。
【0073】
ディスク4をクランプさせた後、第1のラック16及び第2のラック17の移動が継続されると、やがて第1のラック16の右端部16bがセンタリング調整部材14bに当接し、第2のラック17の左端部17bがセンタリング調整部材14aに当接する。
【0074】
さらに第1のラック16が矢印E方向、第2のラック17が矢印B方向へそれぞれ移動されると、第1のラック16がセンタリング調整部材14bを押圧してセンタリング調整部材14bが矢印D方向へ回動し始め、また、第2のラック17がセンタリング調整部材14aを押圧してセンタリング調整部材14aが矢印D方向へ回動し始める。
【0075】
それに伴って、センタリング調整部材14aの回動力がギヤを介してセンタリング部材8a及び8cに伝達され、センタリング調整部材14bの回動力がギヤを介してセンタリング部材8b及び8dに伝達される。これにより、図6に示すように、センタリング部材8a〜8dはそれぞれ矢印D方向へ回動され、ディスク4の外周から離間する位置に退避される。この時、ディスク4は、図7に示すようにクランパ11及びターンテーブル1によりクランプされている。
【0076】
次に、ターンテーブル1が回転されてディスク4を回転させ、光ピックアップ2によりディスク4に対して情報信号を記録または再生させることができる。
【0077】
なお、第1〜第4のセンタリング部材8a〜8dにおける、ディスク4から離間後の退避位置は、ターンテーブル1に載置されたディスク4の外周から離間していれば、第2の位置と第3の位置との間のどの位置に退避させても良い。
【0078】
なお、上記ディスク装着動作は、クランプベース10の移動動作、センタリング動作、トラバース移動(クランプ)動作という順序で行っているが、必ずしもこの順序にする必要はなく、ディスク4をクランプ状態まで移行できるのであれば順序が変わってもよい。
【0079】
次に、ディスク装置からディスク4を取り出す場合の動作について説明する。
【0080】
図6に示すように、ディスク4が記録再生位置にある状態において、ディスク取出し用のスイッチ(図示せず)が操作されると、ターンテーブル1の回転が停止され、ディスク4の回転が停止する。次に、モータ33(図4参照)から出力される駆動力が、ラック16及び17に伝達される。
【0081】
次に、第1のラック16は、図6に示す位置から矢印B方向へ移動が開始される。また、第2のラック17は、図6に示す位置から矢印E方向へ移動が開始される。それに伴って、バネ13a及び13bの付勢力により、センタリング調整部材14aがラック17に当接されたまま矢印A方向へ回動され、センタリング調整部材14bがラック16に当接されたまま、矢印A方向へ回動される。さらに、センタリング調整部材14a及び14bにギヤを介して噛み合っているセンタリング部材8a〜8dが、支軸8eを軸に矢印A方向へ回動される。
【0082】
次に、図5に示すように、センタリング部材8a〜8dが、第2の位置(ディスク4から離間した位置)から、ディスク4の縁部を支持する第3の位置まで回動され、ディスク4の縁部をバネ13a及び13bによる付勢力により押圧支持する。なお、ラック16及び17は、センタリング部材8a〜8dがディスク4の縁部を支持しても、矢印B及びE方向への移動動作は継続される。また、ラック16及び17が所定位置まで移動されると、第1のラック16の右端部16bとセンタリング調整部材14bとが離間し、第2のラック17の左端部17bとセンタリング調整部材14aとが離間する。
【0083】
次に、トラバースベース5は、図7に示すように支軸5aを中心に矢印F方向へ回動され、記録再生可能状態から図4に示す待機状態に移動される。それに伴って、ターンテーブル1とクランパ11とは、磁気吸引力に抗して離間され、クランプされていたディスク4は、図5に示すように、センタリング部材8a〜8dのみにより支持された状態となる。
【0084】
さらに、第1のラック16が矢印B方向、第2のラック17が矢印E方向へ移動されると、図3に示すように、第1のラック16の左端部16aがセンタリング調整部材14aに当接し、第2のラック17の右端部17aがセンタリング調整部材14bに当接する。当接後、さらに第1のラック16が矢印B方向へ移動されると、第1のラック16によって押圧されるセンタリング調整部材14aは、バネ13aの付勢力に抗して回動される。センタリング調整部材14aに噛み合ったセンタリング部材8a及び8cは、それぞれバネ13a及び13bの付勢力に抗して矢印D方向へ回動される。それに伴って、ディスク4が、センタリング部材8cと8dのディスク当接面を滑り降りて、リブ3c上に載置される。そして、第1のラック16及び第2のラック17が図3に示す第1の位置に到達した時にモータ33が停止し、モータギヤ34及びギヤ31の回転が停止し、第1のラック16及び第2のラック17の移動が停止される。
【0085】
次に、クランプベース10が、モータなどの駆動機構によって図5に示すクランプ位置から矢印E方向へ移動され、図3に示す待機位置に待機する。これにより、ユーザーがディスク装置からディスク4を取り出し可能な状態になる。
【0086】
ここで、開講部材9は、ラック17の矢印E方向への移動に伴って、図3に示すように開口部3bを覆う位置へ移動される。
【0087】
なお、上記ディスク取り出し動作は、クランプ解除、センタリング解除、クランプベース待避という順序で行っているが、必ずしもこの順序にする必要はなく、ディスクをクランプ状態から取り出し可能状態へ移行できるのであれば順序が変わってもよい。
【0088】
(小径ディスク18の着脱動作)
本実施の形態のディスク装置は、図8に示すように小径ディスク18も装着可能としている。図8は小径ディスク18(例えば直径8センチのディスク)が装着された状態を示す平面図である。
【0089】
小径ディスク18の装着動作は、前述の大径ディスク4の装着動作とほぼ同じであるが、センタリング調整部材14a及び14bとセンタリング部材8a〜8dの回動量が異なる。すなわち、小径ディスク18は大径ディスク4よりも直径が小さいため、小径ディスク18をセンタリングさせる際は、センタリング部材8a〜8d、センタリング調整部材14a及び14bを大きく回動させる必要がある。
【0090】
各部材の回動量を大きくするためには、センタリング部材8a〜8dに形成されたギヤ8f、センタリング調整部材14a及び14bに形成されたギヤの形成範囲を大きくするとともに、バネ13a及び13bの配置やバネレートを最適化する必要がある。また、センタリング部材8a〜8dの長さや配置を、リブ3c上に載置された小径ディスクを保持可能に最適化させておく必要がある。
【0091】
本実施の形態では、大径ディスク4および小径ディスク18を保持可能なように、センタリング部材8a〜8dの長さ及び配置を最適化しているとともに、バネ13a及び13bの配置やバネレートも最適化している。
【0092】
なお、小径ディスク18のセンタリング動作は、前述の大径ディスク4のセンタリング動作と同様であるため、詳しい動作説明は省略する。
【0093】
(カートリッジ19の着脱動作)
次に、カートリッジ19の装着動作について、図9及び図10を参照して説明する。
【0094】
図9はディスク装置にケースに収納されたディスク(以降カートリッジと呼ぶ)が装着された状態の平面図である。図10はディスク装置にカートリッジが装着された時の側面断面図で、図9におけるX−X部の断面である。
【0095】
図9に示すように、第1〜第4のセンタリング部材8a〜8dが第1の位置にある状態において、ユーザーはカートリッジ19をディスク載置面3a及びリブ3cに載置させることができる。ユーザーによってカートリッジ19がディスク載置面3a及びリブ3cに載置された状態では、ディスク載置面3aの平面方向左右端に位置したセンタリング部材8a〜8dにより、左右方向の位置規制がなされる。
【0096】
この時、第1及び第3のセンタリング部材8a及び8cは、カートリッジ19の左端部9aには接触せず、離間した状態となっている。また第2及び第4のセンタリング部材8b及び8dは、カートリッジ19の右端部9cには接触せず、離間した状態となっている。また、センタリング調整部材14a及び14bは、図9に示す位置にある。
【0097】
また、第1のラック16は、左端部16aがセンタリング調整部材14aに当接している。また、第2のラック17は、右端部17aがセンタリング調整部材14bに当接している。よって、センタリング調整部材14a及び14bとセンタリング部材8a〜8dは、矢印A方向への回動が規制されている。
【0098】
次に、記録再生開始のスイッチ(図示せず)が操作されると、クランプベース10が、モータなどの駆動機構によって図9に示す待機位置から矢印B方向(光ピックアップ2の移動方向に対して直交方向)へ移動される。クランプベース10は、ターンテーブル1の中心とクランパ11の中心とが略一致するクランプ位置まで移動される(図示せず)。
【0099】
次に、モータ33(図4参照)からの回転駆動力が、モータギヤ34及びギヤ31を介して、ラック16及び17に伝達される。ラック16は、伝達される駆動力によって、図9に示す位置から矢印E方向へ移動が開始され、ラック17は、伝達される駆動力によって、図9に示す位置から矢印B方向へ移動が開始される。
【0100】
ラック16及び17の移動が開始されると、センタリング調整部材14a及び14bは、バネ13a及び13bの付勢力によってラック16及び17に当接されたまま、矢印A方向へ回動する。センタリング調整部材14a及び14bが回動すると、センタリング調整部材14a及び14bに噛み合っているセンタリング部材8a〜8dが、支軸8eを軸に矢印A方向へ回動される。
【0101】
回動されているセンタリング部材8a〜8dは、カートリッジ19の左端部9a及び右端部9cに当接し、バネ13a及び13bの付勢力によりカートリッジ19の左端部9a及び右端部9cを押圧した状態で停止する。これにより、カートリッジ19の左右方向の位置決めが完了する。なお、カートリッジ19は、リブ3cに載置されている状態で、上下方向は位置決めされている。
【0102】
また、ラック16及び17は、センタリング部材8a〜8dがカートリッジ19の左端部9a及び右端部9cに当接しても、矢印B及びE方向への移動動作は継続する。ラック16及び17が移動を継続すると、第1のラック16の左端部16aとセンタリング調整部材14aとは離間し、第2のラック17の右端部17aとセンタリング調整部材14bとは離間する。
【0103】
その後、カートリッジ19に設けられたシャッター19bが、シャッター開閉機構(図示せず)によって開かれる。
【0104】
次に、トラバースベース5が、図10に示す待機位置から、支軸5aを中心に矢印C方向へ回動される。トラバースベース5が回動されると、ターンテーブル1が開口部3bを挿通して記録再生位置まで移動する。これにより、カートリッジ19内のディスク4は、ターンテーブル1のディスク載置面に載って持ち上げられる。
【0105】
ターンテーブル1によってディスク4が持ち上げられると、ターンテーブル1に対向した位置にあるクランパ11が、磁力によってターンテーブル1のディスク載置面に引き寄せられて、ディスク4はターンテーブル1とクランパ11によってクランプされる。なお、クランプ動作時、ラック16及び17は矢印B及びE方向への移動動作は継続されている。
【0106】
次に、トラバースベース5が記録再生位置に移動を完了した後、第1のラック16の右端部16bがセンタリング調整部材14bに当接し、第2のラック17の左端部17bがセンタリング調整部材14aに当接する。
【0107】
さらに第1のラック16が矢印E方向、第2のラック17が矢印B方向へそれぞれ移動されると、第1のラック16がセンタリング調整部材14bを押圧してセンタリング調整部材14bが矢印D方向へ回動させ、また、第2のラック17がセンタリング調整部材14aを押圧してセンタリング調整部材14aが矢印D方向へ回動させる。
【0108】
センタリング調整部材14a及び14bが回動されると、センタリング調整部材14aの回動力がギヤを介してセンタリング部材8a及び8cに伝達され、センタリング調整部材14bの回動力がギヤを介してセンタリング部材8b及び8dに伝達される。よって、センタリング部材8a〜8dは矢印D方向へ回動され、カートリッジ19の左端部9a及び右端部9cから離間する。
【0109】
次に、ターンテーブル1を回転させてディスク4を回転させ、光ピックアップ2によりディスク4に対して情報信号を記録または再生させる。
【0110】
次に、ディスク装置からカートリッジ19を取り出す場合について説明する。
【0111】
カートリッジ19内のディスク4が記録再生位置にある状態において、ディスク取出し用のスイッチ(図示せず)が操作されると、ターンテーブル1の回転が停止されて、ディスク4の回転が停止する。
【0112】
次に、モータ33(図4参照)からの駆動力が、モータギヤ34及びギヤ31を介してラック16及び17に伝達される。駆動力が伝達されることにより、第1のラック16は、センタリング調整部材14bに当接された状態から矢印B方向へ移動が開始され、第2のラック17はセンタリング調整部材14aに当接した状態から矢印E方向へ移動が開始される。
【0113】
第1のラック16及び第2のラック17が移動されると、センタリング調整部材14a及び14bは、バネ13a及び13bの付勢力によりラック16及び17に当接されたまま、矢印A方向へ回動する。これに伴い、センタリング調整部材14a及び14bにギヤを介して係合したセンタリング部材8a〜8dが、支軸8eを軸に矢印A方向へ回動する。
【0114】
そして、センタリング部材8a〜8dが第2の位置(カートリッジ19から離間した位置)から、カートリッジ19の側面を支持する第3の位置まで回動され、カートリッジ19の左端部9a及び右端部9cをバネ13a及び13bによる付勢力により押圧支持する。
【0115】
なお、ラック16及び17は、センタリング部材8a〜8dがカートリッジ19の左端部9a及び右端部9bに当接しても、矢印B及びE方向への移動動作は継続される。ラック16及び17が移動を継続すると、第1のラック16の右端部16bとセンタリング調整部材14bとは離間し、第2のラック17の左端部17bとセンタリング調整部材14aとは離間する。
【0116】
次に、トラバースベース5は、支軸5aを中心に矢印Cの逆方向へ回動され、図10に示す待機位置に移動する。それに伴って、ターンテーブル1とクランパ11とで保持されていたディスク4は、ターンテーブル1のディスク載置面から外れる。なお、この時ラック16及び17は、それぞれ矢印B及びE方向への移動が継続されている。
【0117】
第1のラック16が矢印B方向、第2のラック17が矢印E方向へ移動が継続されると、第1のラック16の左端部16aがセンタリング調整部材14aに当接し、第2のラック17の右端部17aがセンタリング調整部材14bに当接する。当接後、さらに第1のラック16が矢印B方向、第2のラック17が矢印E方向へ移動すると、センタリング調整部材14a及び14bがバネ13a及び13bの付勢力に抗して回動し、センタリング調整部材14a及び14bに噛み合ったセンタリング部材8a〜8dは、それぞれバネ13a及び13bの付勢力に抗して矢印D方向へ回動する。
【0118】
次に、クランプベース10がクランプ位置から、矢印E方向へ移動し、図9に示す待機位置に移動する。待機位置では、クランプベース10はカートリッジ19に重ならない状態となっているため、ユーザーがカートリッジ19を取り出すことができる。
【0119】
(開閉部材9の移動動作)
図11〜図13は開閉部材9を移動させる機構を示す平面図である。図11は開閉部材9が開口部3b(図3参照)を覆っている位置、図12は開閉部材9の移動途中の位置、図13は開閉部材9が開口部3bを開放した位置である。なお、図示及び説明をわかりやすくするため、説明に必要な構成のみ示している。
【0120】
図11〜図13において、開閉部材9の裏面側にはピン9cが固定されている。
【0121】
開閉レバー32は、フロントカバー3(図3参照)の裏面側に固定されている支軸32cに回動自在に軸支されている。開口部32aには、ピン9cが移動自在に係合されている。溝32bには、第2のラック17(図3参照)に固定されたピン17dが移動自在に係合されている。
【0122】
まず、図11に示すように開閉部材9が開口部3bを覆っている状態において、第2のラック17が矢印B方向(図3参照)へ移動を開始すると、溝32bに係合されているピン17dが矢印K方向へ移動される。移動されているピン17dは、溝32bの内壁を押圧し、開閉レバー32は支軸32cを中心に反時計方向へ回動される。開閉レバー32が回動されると、開口部32aにピン9cが移動自在に係合されているため、開閉部材9は矢印K方向へ移動されて、図12に示す状態へ至る。
【0123】
さらに、第2のラック17が矢印B方向へ移動されると、開閉レバー32はピン17dに押圧されて、さらに反時計方向へ回動される。開閉レバー32がさらに回動されると、開閉部材32もさらに矢印K方向へ移動され、図13に示す状態へ至る。
【0124】
図13に示す状態では、溝32bの長手方向と、ピン17dの移動方向(すなわち第2のラック17の移動方向)とが略平行となり、図13に示す状態から第2のラック17が矢印B方向(図3参照)へ移動されても、ピン17dは溝32b内を移動するのみで、開閉レバー32は回動動作をしない。よって、開閉部材9は、開口部3b(図3参照)を開放した状態で移動動作が停止される。
【0125】
なお、開閉部材9で開口部3bを閉じる場合は、上記動作の逆手順により、開閉部材9を図13に示す位置から図11に示す位置へ移動させる。
【0126】
以上のように、開閉部材9の開閉動作と、第2のラック17の移動動作とを連動させている。
【0127】
(トラバースベース5の移動動作)
図14〜図16は、トラバースベース5の移動機構を示す要部断面図であり、図3におけるR−R部分の断面である。図14はトラバースベース5が待機位置にある状態で、図4に示す状態に相当する。図15はトラバースベース5が移動途中の状態を示している。図16は記録再生位置にある状態を示し、図7に示す状態に相当する。なお、説明をわかりやすくするため、説明に必要な構成のみ図示している。
【0128】
図14〜図16に示すように、第2のラック17には、ほぼ垂直板部を有し、当該部分に略Z字形状でかつ同形状のカム溝17e及び17fが、互いに平行に形成されている。カム溝17eは、両端に、互いの高さ位置が異なる平坦部17g及び17iを有し、平坦部17g及び17iを空間的に繋いでいる傾斜部17hを有している。また、カム溝17fは、両端に、互いの高さ位置が異なる平坦部17j及び17mを有し、平坦部17j及び17mを空間的に繋いでいる傾斜部17kを有している。
【0129】
また、トラバースベース5にはピン5b及び5cが形成され、それぞれカム溝17e及び17fに、移動自在に係合されている。
【0130】
また、図14〜図16における第2のラック17の移動方向である矢印Gは、図3における矢印Bと同じ方向を指している。また、トラバースベース5の移動方向である矢印Hは、図4における矢印Cと同じ方向を指している。
【0131】
上記構成において、トラバースベース5が図14に示す待機位置にある状態では、ピン5bはカム溝17eの平坦部17gに位置し、ピン5cはカム溝17fの平坦部17jに位置している。
【0132】
図14に示す状態から第2のラック17が矢印G方向へ移動されると、ピン5b及び5cは、カム溝17e及び17f内の平坦部17g及び17j内を移動し、図15に示すように傾斜部17h及び17k内へ移動する。ピン5b及び5cが傾斜部17h及び17k内を移動して第2のラック17に対する相対位置が上昇することで、トラバースベース5が矢印H方向へ移動される。
【0133】
さらに、第2のラック17が矢印G方向へ移動されると、トラバースベース5が矢印H方向へ移動されながら、ピン5b及び5cは、傾斜部17h及び17kから、図16に示すように平坦部17i及び17m内へと移動する。ピン5b及び5cが平坦部17i及び17m内へ移動した時、トラバースベース5は記録再生位置にあり、ターンテーブル1がディスクをクランプ可能な位置まで移動されている。
【0134】
なお、トラバースベース5を記録再生位置から待機位置へ移動させる場合は、上記動作の逆手順によって実現することができる。すなわち、第2のラック17を図16に示す位置から矢印Gの逆方向へ移動させることで、トラバースベース5を矢印Hの逆方向へ移動させることができる。
【0135】
このように、トラバースベース5の移動動作と、第2のラック17の移動とを連動させている。
【0136】
以上のように本実施の形態1によれば、ディスク4をフロントカバー3のディスク載置面3aに載置すれば、ディスク4はセンタリング部材8a〜8dにより支持され、自動的にディスク中心をターンテーブル中心に精度良くセンタリングされるため、ディスク4を細かく位置決めして装着する必要はなく、容易な方法でディスク4を装着できるという作用を有する。
【0137】
また、センタリング部材8a〜8dは弾性部材(バネ13a及び13b)による付勢力によって回動し、4方向から均等な力でディスク4を支持してディスク4の外径を基準にセンタリングさせるため、センタリング部材の駆動力を得る機構やセンタリング完了時のセンタリング部材の回動を停止する機構を、スリップ機構やセンサー等を用いる複雑な構成にすることなく簡単に構成でき、部品点数を少なくできるという作用を有する。
【0138】
また、センタリング部材8a〜8dが弾性部材(バネ13a及び13b)の付勢力の作用方向に回動するセンタリング動作を制御する規制部材(ラック16及び17)を、センタリング部材8a〜8dが弾性部材の付勢力の作用方向と反対方向に回動するセンタリング動作後のディスクからの離間動作の制御にも用いることにより、部品点数を少なく構成できるという作用を有する。
【0139】
また、センタリング部材8a〜8dをラック16及び17に当接させることが困難な構成の場合でも、ラック16及び17に当接の容易な位置にセンタリング調整部材14a及び14bを設けることで、センタリング部材8a〜8dの回動を制御でき、装置の構成を容易にできるという作用を有する。
【0140】
また、センタリング部材8a〜8dの歯車のピッチ円直径より、それに噛み合うセンタリング調整部材14a及び14bの歯車のピッチ円直径を大きくすることにより、少ないセンタリング調整部材の回動角度で、大きなセンタリング部材の回動角度を得ることができるため、センタリング動作に必要なセンタリング調整部材の回動角度を小さくできる。よって、センタリング調整部材の回動を制御する規制部材の移動量を小さくできるため、装置の構成寸法を小さくできるという作用を有する。
【0141】
また、開閉部材9の開閉動作を、第2のラック17の移動動作に連動させているため、開閉部材9を開閉させるためのメカニズムを削減することができ、装置の小型化及び軽量化や、コストダウンを実現することができる。
【0142】
また、トラバースベース5の移動を、第2のラック17の移動に連動させているため、トラバースベース5を移動させるためのメカニズムを削減することができ、装置の小型化及び軽量化や、コストダウンを実現することができる。
【0143】
なお、本実施の形態では、規制部材(ラック)は、相対向して設けられた一対のセンタリング部材8a〜8dのうち、一方のセンタリング部材のセンタリング方向への回動を規制しているとともに、対向するもう一方のセンタリング部材のディスク4から離間する方向への回動を規制している。よって、一方のセンタリング部材のセンタリング方向への回動を規制するためのセンタリング動作専用の規制部材と、相対向するもう一方のセンタリング部材のディスク4から離間する方向への回動を規制するディスク離間動作専用の規制部材とを別々に設けてもよい。
【0144】
なお、本実施の形態ではセンタリング調整部材14a及び14bにラック16及び17(規制部材)を当接させて、センタリング調整部材14a及び14bの回動を規制することで、センタリング部材8a〜8dの回動を規制しているが、ラック16及び17(規制部材)を直接、センタリング部材8a〜8dに当接させて、センタリング部材8a〜8dの回動を規制してもよい。
【0145】
なお、カートリッジ19をディスク載置面3aに押圧して耐振力を高めるカートリッジ押圧部材を設けても良い。この場合は、カートリッジ19がディスク載置面3aに装着され、記録再生のスイッチが押された時、まず、カートリッジ押圧部材を移動させて、カートリッジ19をディスク載置面3aに押圧し、その後、クランプベース10を移動させて、後は本実施の形態で説明した動作を行い、記録再生可能状態に移行させる。また、カートリッジ19を取り出す時は、クランプベース10がクランプ位置から図3の待機位置に移動させた後、カートリッジ押圧部材におけるカートリッジ19の押圧状態を解除して、カートリッジ押圧部材を退避させることで、カートリッジ19を取り出すことが可能になる。カートリッジ押圧部材は、カートリッジの着脱の際に障害とならない位置に退避させるように設ける。
【0146】
また、本実施の形態ではディスク4をターンテーブル1にクランプさせるために、クランプベース10をディスク載置面に平行に移動させているが、クランプベース10を別の方向から平行移動させる構成を備えたり、クランプベース10を回動可能な構成を備えてもよい。また、クランプベース10を搭載せず、ターンテーブル1だけでクランプさせる機構を搭載してもよい。
【0147】
また、本発明は、ディスクのみを記録再生できるディスク専用のディスク装置にも、カートリッジのみを記録再生できるディスク装置にも、ディスクとカートリッジの両方を記録再生できるディスク装置にも適用することが可能である。
【0148】
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明にかかるディスク装置は、ディスク装置へのディスクの装着を、容易で自由度の高い方法で行うことが可能であり、DVDプレーヤーやDVDレコーダーなどの据え置き型ディスク装置や、CDプレーヤー、ディスクドライブを備えたコンピュータなどに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本発明の実施の形態1におけるディスク装置を適用した記録再生可能状態のディスクシステムの外観を示す斜視図
【図2】実施の形態1におけるディスク装着可能状態のディスクシステムの外観を示す斜視図
【図3】実施の形態1におけるディスク装置のディスク装着可能状態の平面図
【図4】実施の形態1におけるディスク装置のディスク装着可能状態の側面断面図
【図5】実施の形態1におけるディスク装置のディスクのセンタリング動作終了状態の平面図
【図6】実施の形態1におけるディスク装置のディスクの記録再生可能状態の平面図
【図7】実施の形態1におけるディスク装置のディスクの記録再生可能状態の側面断面図
【図8】実施の形態1におけるディスク装置の小径ディスクのセンタリング動作終了状態の平面図
【図9】実施の形態1におけるディスク装置にディスクを収納したケースの装着状態の平面図
【図10】実施の形態1におけるディスク装置にディスクを収納したケースの装着状態の側面断面図
【図11】実施の形態1における開閉部材を移動させる機構を示し、開閉部材が開口部を覆っている位置の要部平面図
【図12】実施の形態1における開閉部材を移動させる機構を示し、開閉部材の移動途中の位置の要部平面図
【図13】実施の形態1における開閉部材を移動させる機構を示し、開閉部材を開放した位置の要部平面図
【図14】実施の形態1におけるトラバースベースを移動させる機構を示し、トラバースベースが待機位置状態の要部断面図
【図15】実施の形態1におけるトラバースベースを移動させる機構を示し、トラバースベースが移動途中状態の要部断面図
【図16】実施の形態1におけるトラバースベースを移動させる機構を示し、トラバースベースが記録再生位置状態の要部断面図
【符号の説明】
【0151】
1 ターンテーブル
2 光ピックアップ
3 フロントカバー
3a ディスク載置面
3b 開口部
3c リブ
4 ディスク
5 トラバースベース
8 センタリング部材
8a 第1のセンタリング部材
8b 第2のセンタリング部材
8c 第3のセンタリング部材
8d 第4のセンタリング部材
9 開閉部材
10 クランプベース
11 クランパ
13a、13b バネ
14a、14b センタリング調整部材
16 第1のラック
17 第2のラック
18 小径ディスク
19 カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクに対して情報信号を記録/再生可能なディスク装置であって、
前記ディスクに対して情報信号を記録/再生させる光ピックアップと、前記ディスクが載置されかつ前記光ピックアップが前記ディスクに対して情報信号を記録再生可能な位置で前記ディスクを回転させるターンテーブルとが搭載され、記録再生位置と待機位置との間を移動可能に配されたトラバースベースと、
前記ディスクが載置されるディスク載置面と、前記ディスク載置面に形成されかつ前記トラバースベースが記録再生位置と待機位置との間を移動する際前記ターンテーブルが挿通可能に形成されている開口部とを備えたフロントカバーと、
前記ディスクの中心と前記ターンテーブルの中心とが一致する位置へ、前記ディスクを保持して移送させるセンタリング部材とを備え、
前記センタリング部材は、前記ターンテーブルの中心を通り、前記ターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第1の平面、及び前記ターンテーブルの中心を通り前記第1の平面と略直角に交わる第2の平面を中心に対称的に前記ディスクに当接し、前記第1の平面を中心に対称的に一対ずつ設けられ、それぞれ前記第2の平面を中心に対称的に回動可能に構成されていることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記一対のセンタリング部材の一部には、それぞれ歯車を有し、各々の前記歯車が噛み合うように配置されている請求項1記載のディスク装置。
【請求項3】
前記一対のセンタリング部材は、各々の回動中心側とは反対側の端部が、お互いに近づく方向に弾性部材で付勢されている請求項1記載のディスク装置。
【請求項4】
前記一対のセンタリング部材が互いに閉じる方向への回動を規制する閉方向規制部材と、前記一対のセンタリング部材が互いに開く方向への回動を規制する開方向規制部材とを有する請求項1記載のディスク装置。
【請求項5】
前記センタリング部材は、前記ターンテーブル及び前記光ピックアップの中心を通り、前記ターンテーブルのディスク載置面に直角に交わる第1の平面、及び前記ターンテーブルの中心を通り前記第1の平面と略直角に交わる第2の平面を中心に対称的に前記ディスクに当接し、前記第1の平面を中心に対称的に一対ずつ設けられ、それぞれ前記第2の平面を中心に対称的に回動されている第1のセンタリング部材及び第2のセンタリング部材とを備え、
前記ターンテーブル中心と前記光ピックアップの光軸中心を通る線に対して略直角方向かつ相対向する方向に移動する第1の規制部材及び第2の規制部材と、
前記第1の規制部材及び第2の規制部材を駆動させる駆動機構とを有し、
前記第1の規制部材及び前記第2の規制部材は、
前記第1の規制部材が前記第1のセンタリング部材のセンタリング方向への回動を規制し、前記第2の規制部材が第2のセンタリング部材のセンタリング方向への回動を規制する第1の位置と、
前記第1の規制部材が前記第2のセンタリング部材の前記ディスクから離間する方向への回動を規制し、前記第2の規制部材が前記第1のセンタリング部材の前記ディスクから離間する方向への回動を規制する前記第1の位置と相対向する第2の位置との間を、
移動可能に構成されている請求項1記載のディスク装置。
【請求項6】
前記一対のセンタリング部材の一部にはそれぞれ歯車を有し、各々の前記歯車が、噛み合うように配置されている請求項5記載のディスク装置。
【請求項7】
前記一対のセンタリング部材は、各々の回動中心側とは反対側の端面が、お互いに近づく方向に弾性部材で付勢されている請求項5記載のディスク装置。
【請求項8】
前記一対のセンタリング部材のいずれか一方の歯車に噛み合う歯車を有したセンタリング調整部材を設け、前記センタリング調整部材に規制部材を当接させて前記センタリング調整部材の回動を規制することで、前記センタリング部材の回動を規制する請求項5記載のディスク装置。
【請求項9】
前記センタリング部材の歯車のピッチ円直径より、前記センタリング調整部材の歯車のピッチ円直径を大きくする請求項6記載のディスク装置。
【請求項10】
前記開口部を開閉可能な開閉部材を備え、
前記開閉部材は、前記第1の規制部材の移動に連動させて開閉される請求項5記載のディスク装置。
【請求項11】
前記トラバースベースにピンを設け、前記第1の規制部材にカム溝を設け、前記ピンを前記カム溝に移動自在に係合させ、
前記カム溝は、前記第1の規制部材の移動に連動して、前記トラバースベースを記録再生位置と待機位置との間を移動させるように形成されている請求項5記載のディスク装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−127734(P2006−127734A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−274539(P2005−274539)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】