説明

ディスク装置

【課題】 トレイのオープン・クローズの状態を一つのスイッチで検出することができて、材料費を削減してコストダウンを図れ、不具合発生要因も減らすことができる。
【解決手段】 装置本体に装着したスイッチ1に近接してON・OFF用レバー2を枢着状態で回動可能に配設し、トレイ3のオープン・クローズ動作で上下移動と左右移動をするトラバース4の先端にL字片4aを設け、トレイの内向きにスイッチを押す突起部3aを設け、トレイがクローズ時にトラバースがスイッチ側に移動しL字片の先端がON・OFF用レバーの下側を押しレバーを枢着部分を中心に上側がスイッチ側に向けて回動し、レバーの上端部がスイッチを押してON状態とし、トレイが不定状態のときはレバーの上端部はスイッチを押さずにOFF状態とされトレイがオープンした時に突起部がレバーの上端部を介してスイッチを押しON状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクがセットされるトレイのオープン・クローズ状態をスイッチで検出するようにしたディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のディスク装置は、図5に示すように、トレイがクローズされたときにこのクローズ状態を検出するスイッチ1と、トレイがオープンされたときにこのオープン状態を検出するスイッチ2の二つのスイッチ1、2を使用していたために、部品点数が多くてコスト高になるという問題があった。
【0003】
第1の従来技術を図6に示す。これは、図6に示すように、トレイは、モータ116によってオープン状態の位置からクローズ状態の位置に移動される。トレイの移動に応じてロータリスイッチ128が回転して、所定のタイミングで出力信号を発生する。ロータリスイッチ128からの出力信号はトレイの移動途中の所定タイミングにおいて発生する。トレイ移動の開始時点からロータリスイッチ128の出力信号の発生時点までの時間間隔が所定の範囲内にあるか否かによって、トレイの動作異常を検出する。トレイの移動途中において動作異常の検出が可能であり、異常検出に要する時間を短縮することができる。
【0004】
(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところが、これにおいてはロータリスイッチ128を用いていたために、コスト高になるという問題があった。
【0006】
第2の従来技術を図7(a)(b)に示す。これは、図7(a)(b)に示すように、トレイ202の位置検出用としてトレイ検出スイッチ251が設けられ、光ピックアップ(図示略)の位置検出用としてピックアップ検出スイッチ252が設けられている。トレイ検出スイッチ251は、メインギヤ223の突部231によって切り替えられる。また、ピックアップ検出スイッチ252は、光ピックアップを上下に駆動する水平移動カム246によって切り替えられる。水平移動カム246はメインギヤ223によって、所定のタイミングで左右に移動する。トレイ202と光ピックアップの位置は、両スイッチ251、252の状態で判断される。すなわち、あるモードにおいてモータ233を所定方向に回転させると、最初にどちらかのスイッチ251、252が切り替わる。これで現在のモードを判断できる。(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
ところが、これにおいては、トレイ202と光ピックアップの状態を二つのスイッチ251、252を用いたいたので、コスト高になるという問題があった。
【特許文献1】特開2003−77204号公報
【特許文献2】特開平7−262670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、トレイのオープン・クローズの状態を一つのスイッチで検出することができて、材料費を削減してコストダウンを図れ、不具合発生要因も減らすことができるディスク装置を提供することを目的としている。。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、請求項1に記載の発明は、ディスクがセットされるトレイのオープン・クローズ状態をスイッチで検出するようにしたディスク装置において、装置本体に装着されたスイッチに近接してON・OFF用レバーが枢着状態で回動可能に配設され、トレイのオープン・クローズ動作に伴って上下移動と左右移動をするトラバースの先端の下側にL字片が設けられ、前記トレイには、その側方の内向きに前記スイッチを押すための突起部が設けられており、前記トレイがクローズしている時には、前記トラバースが前記スイッチ側に移動されて前記L字片の先端が前記ON・OFF用レバーの下側を押して前記レバーを枢着部分を中心に上側が前記スイッチ側に向けて回動することによって、このレバーの上端部が前記スイッチを押してスイッチをON状態とし、前記トレイがクロース状態からオープン状態に至る間は前記レバーの上端部は前記スイッチを押さずにOFF状態とされ、前記トレイがオープンした時には前記突起部が前記レバーの上端部を介して前記スイッチを押してON状態とし、一つのスイッチで前記トレイのオープン・クローズ状態を検出するように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記レバーの先端に前記スイッチを押すための円形押し部が設けられている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、トレイのオープン・クローズの状態を一つのスイッチで検出することができて、材料費を削減してコストダウンを図れ、不具合発生要因も減らすことができる。また、ON・OFF用レバーを設けただけなので構造も極めて簡単化することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、スイッチをレバーに設けた円形押し部で押すので、スイッチが痛まず、スイッチの耐久性を良くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るディスク装置の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は本発明のディスク装置の実施形態におけるトレイがクローズ状態のときのスイッチONの状態を示す部分正面図、図2はトレイがクローズ状態からオープン状態に至るときのスイッチOFFの状態を示す部分正面図、図3はトレイがオープン状態のときのスイッチONの状態を示す部分正面図、図4はトレイがクローズからオープンするときまでのスイッチのON・OFF状態を示すグラフである。
【0015】
本実施形態のディスク装置は、図1、図2、図3に示すように、装置本体に装着されたスイッチ1に近傍してON.OFF用レバー2が枢着状態で回動可能に配設されている。更に、トレイ3のオープン・クローズ動作に伴って上下移動と左右移動をするトラバース4の先端の下側にL字片4aが設けられ、トレイ3には、その側方の内向きにスイッチ1を押すための突起部3aが設けられている。また、レバー2の先端にスイッチ1を押すための円形押し部2aが設けられている。
【0016】
図1に示すように、トレイ3がクローズしている時には、トラバース4がスイッチ1側に移動されてL字片4aの先端がON・OFF用レバー2の下側を押してレバー2を枢着部分を中心に上側がスイッチ1側に向けて回動することによって、このレバー2の上端部の円形押し部2aがスイッチ1を押してスイッチ1をON状態とする。
【0017】
図2に示すように、トレイ3がクロース状態からオープン状態に至る間はレバー2の上端部の円形押し部2aはスイッチ1を押さずにOFF状態とされる。更に、図3に示すように、トレイ3がオープンした時には突起部3aがレバー2の上端部の円形押し部2aを介してスイッチ1を押してON状態とする。このように、一つのスイッチ1でトレイ3のオープン・クローズ状態を検出するようにしている。
【0018】
ここで、不定状態からスタートするのであれば、スイッチ1がOFFであればONになるまでトレイ3を引き込む。この状態で不定状態を脱出し、トレイ3がクローズ状態であることが確認される。また、スイッチ1がONのときには。ある短い時間トレイ3を引き込む。その後のスイッチのON/OFFによって現時点のトレイ3の状態を判別するようになっている。また、図4のグラフに示すように、一つのスイッチ1のON/OFF状態でトレイ3がクローズされた状態とトレイ3がオープンした状態とを検出することができる。
【0019】
従って、本実施形態によれば、トレイ3のオープン・クローズの状態を一つのスイッチ1で検出することができて、材料費を削減してコストダウンを図れ、不具合発生要因も減らすことができる。また、ON・OFF用レバー2を設けただけなので構造も極めて簡単化することができる。また、スイッチ1をレバー2に設けた円形押し部2aで押すので、スイッチ1が痛まず、スイッチ1の耐久性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のディスク装置の実施形態におけるトレイがクローズ状態のときのスイッチONの状態を示す部分正面図である。
【図2】トレイがクローズ状態からオープン状態に至るときのスイッチOFFの状態を示す部分正面図である。
【図3】トレイがオープン状態のときのスイッチONの状態を示す部分正面図である。
【図4】トレイがクローズからオープンするときまでのスイッチのON・OFF状態を示すグラフである。
【図5】従来のディスク装置における二つのスイッチによるトレイのクローズ・オープン状態を示すグラフである。
【図6】従来のディスク搬送装置の内部構造を示す平面図である。
【図7】従来のディスク装置を示し、(a)はその内部構造をしめす平面図、(b)はそのトレイ及び光ピックアップの検出機構を示す部分平面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 スイッチ
2 ON.OFF用レバー
2a 円形押し部
3 トレイ
3a 突起部
4 トラバース
4a L字片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクがセットされるトレイのオープン・クローズ状態をスイッチで検出するようにしたディスク装置において、装置本体に装着されたスイッチに近接してON・OFF用レバーが枢着状態で回動可能に配設され、トレイのオープン・クローズ動作に伴って上下移動と左右移動をするトラバースの先端の下側にL字片が設けられ、前記トレイには、その側方の内向きに前記スイッチを押すための突起部が設けられており、前記トレイがクローズしている時には、前記トラバースが前記スイッチ側に移動されて前記L字片の先端が前記ON・OFF用レバーの下側を押して前記レバーを枢着部分を中心に上側が前記スイッチ側に向けて回動することによって、このレバーの上端部が前記スイッチを押してスイッチをON状態とし、前記トレイがクロース状態からオープン状態に至る間は前記レバーの上端部は前記スイッチを押さずにOFF状態とされ、前記トレイがオープンした時には前記突起部が前記レバーの上端部を介して前記スイッチを押してON状態とし、一つのスイッチで前記トレイのオープン・クローズ状態を検出するように構成したことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記レバーの先端に前記スイッチを押すための円形押し部が設けられている請求項1に記載のディスク装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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