説明

ディスク装置

【課題】 ディスクを簡単安価な構造で確実にクランプすること。
【解決手段】 メインシャーシ2の一方の側壁部2aに基端部が上下動h,g可能に枢支さればね16により下方gに付勢された揺動アーム15を有し、該揺動アーム15の先端部下面に形成したクランパ室20内にディスククランパ7の上部が一定範囲内昇降可能に嵌入され、前記揺動アーム15を若干持ち上げるためのカム板17Aがトレイ1の側縁凹段部1aに前後進a,bに沿って一体形成されており、プレイモードでばね16により揺動アーム15を押し下げることにより、ディスククランパ7とターンテーブル4とでディスクDをクランプし、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブル4を降下させ、それとほぼ同時に、トレイ1を前進aさせてカム板17Aにより揺動アーム15を介してディスククランパ7を若干持ち上げるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばDVDプレーヤなどのディスクの再生や記録または消去を行うためのディスク装置に関し、特に、ディスクを簡単安価な構造で確実にクランプすることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、DVDプレーヤの技術として特許文献1などに記載したものがあり、その一例を図7及び図8に基づいて説明すると、これは、ディスクD載置用トレイ1を前後進a,b可能に支持するメインシャーシ2と、該メインシャーシ2に枢支軸6a回りで上下動c,d可能に枢支されて光ピックアップ3及びターンテーブル4付きスピンドルモータ5を搭載したドライブシャーシ6とを有し、前記ターンテーブル4に対向するディスククランパ7がメインシャーシ2の両側壁部2a,2b間に架設した横桁8に一定範囲内昇降可能に配置され、そのディスククランパ7にマグネット9が設けられると共に、ターンテーブル4にヨーク10が設けられ、ドライブシャーシ6の前面に突設したカム軸11がカムスライダ12のカム溝12aに嵌入され、該カムスライダ12がメインシャーシ2に前後進a,b方向とは直交する左右方向e,fにスライド可能に配置されており、該カムスライダ12を左方向e(または右方向d)にスライドさせることにより、ドライブシャーシ6を上下動c,dさせる。なお、図7中、13はメインシャーシ2の両側壁部2a,2bからトレイ1の両側縁凹段部1aの上方まで延びる浮き上がり防止片である。
【0003】
動作原理を説明すると、図7の実線及び図8(a)はプレイモードを示しており、マグネット9及びヨーク10の吸着力でターンテーブル4とディスククランパ7とによりディスクDをクランプし、スピンドルモータ5によりターンテーブル4を介してディスクDを高速回転させ、該ディスクDに記録されている情報を光ピックアップ3で読み取り、モニターに映像を再生する。
【0004】
プレイモードからアンローディング信号が入力されると、図8(b)に示すように、カムスライダ12を左方向e(または右方向f)にスライドさせてドライブシャーシ6を下動dさせ、ターンテーブル4を降下させることにより、マグネット9及びヨーク10の吸着力を解除し、ターンテーブル4上のディスクDをトレイ1上に受け渡した後、該トレイ1を前進aさせ、そのトレイ1からディスクDを取り出し新たなディスクDをトレイ1上に載置する。
【0005】
続いて、ローディング信号が入力されると、図8(a)に示すように、トレイ1を後進bさせた後、カムスライダ12を右方向f(または左方向e)にスライドさせてドライブシャーシ6を上動cさせ、ターンテーブル4を上昇させることにより、マグネット9及びヨーク10の吸着力でターンテーブル4とディスククランパ7とによりディスクDをクランプする。
【特許文献1】特開平7−312008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の構成では、ディスクDをクランプするために比較的高価なマグネット9及びヨーク10を用いているから、製作費が高くつくと共に、クランプの際に、「カチッ」という不快な動作音が生じる。
【0007】
そこで、特許文献1に記載しているように、マグネット9及びヨーク10を省略し、前
記横桁8に代えて用いた揺動アームを前後進a,bに沿って配置すると共に、該揺動アームの基端部をメインシャーシ2の後部に上下動可能に枢支させると共に、その揺動アームの先端部にディスククランパ7を一定範囲内昇降可能に設け、これによって、プレイモードで駆動機構により揺動アームを介してディスククランパ7を押し下げることにより、そのディスククランパ7とターンテーブル4とでディスクDをクランプし、アンローディング信号に基づいて駆動機構により揺動アームを介してディスククランパ7を若干持ち上げることが考えられる。
【0008】
上記構成によれば、揺動アームが前後進a,bに沿って配置されているため、該揺動アームを格納するための格納空間をメインシャーシ2の後部に確保する必要があり、該メインシャーシ2が大型化すると共に、その揺動アームを上下動するため駆動機構の構造が複雑となり、製作費が高くつく。
【0009】
本発明は、上記従来の欠点に鑑み、ディスクを簡単安価な構造で確実にクランプすることができるようにしたディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ディスク載置用トレイを前後進可能に支持するメインシャーシと、該メインシャーシに上下動可能に枢支されて光ピックアップ及びターンテーブルを搭載したドライブシャーシとを有し、前記ターンテーブルに対向するディスククランパがメインシャーシの両側壁部間に架設した横桁に一定範囲内昇降可能に配置され、そのディスククランパとターンテーブルとのうち、その一方にマグネットが設けられると共に、その他方にヨークが設けられており、プレイモードにして、マグネット及びヨークの吸着力でターンテーブルとディスククランパとによりディスクをクランプし、該ディスクを高速回転させてそのディスクに記録されている情報を光ピックアップで読み取り、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルを降下させることにより、マグネット及びヨークの吸着力を解除し、ターンテーブル上のディスクをトレイ上に受け渡した後、該トレイを前進させるようにしたディスク装置において、前記マグネット及びヨークを省略し、前記横桁に代えて揺動アームが用いられ、該揺動アームの基端部がメインシャーシの一方の側壁部に上下動可能に枢支されると共に、その揺動アームを下方に付勢するばねが設けられ、前記ディスククランパの上部が揺動アームの先端部下面に形成したクランパ室内に一定範囲内昇降可能に嵌入され、そのディスククランパの上面中央に略半球状凸部が一体形成されると共に、該凸部に対向して前記クランパ室の底面中央に略半球状凹部が形成され、前記凸部の曲率半径よりも凹部の曲率半径を大きく設定することにより、その凸部の頂点だけが凹部の内周面に接触するように形成され、アンローディング時に揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるための持ち上げ機構が設けられ、該持ち上げ機構が揺動アームに対向してトレイに前後進方向に沿って一体形成したカム板からなり、該カム板の高さをクランプ時のトレイから揺動アームまでの間隔よりも若干大きく設定しており、プレイモードで、ディスクの回転時に該ディスクが滑らないようなターンテーブルとディスククランパとの挟持力を付与可能な位置まで、ばねにより揺動アームを押し下げて該揺動アームの凹部の内周面をディスククランパの凸部の頂点に押し付けることにより、該ディスククランパとターンテーブルとでディスクをクランプし、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルをトレイと接触しない位置まで降下させ、それとほぼ同時に、トレイを前進させることにより、カム板を揺動アームの下にくぐらせて該揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるようにしたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、ディスク載置用トレイを前後進可能に支持するメインシャーシと、該メインシャーシに上下動可能に枢支されて光ピックアップ及びターンテーブルを
搭載したドライブシャーシとを有し、前記ターンテーブルに対向して一定範囲内昇降可能なディスククランパが設けられており、プレイモードにして、ターンテーブルとディスククランパとによりディスクをクランプし、該ディスクを高速回転させてそのディスクに記録されている情報を光ピックアップで読み取り、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルを降下させることにより、該ターンテーブル上のディスクをトレイ上に受け渡した後、該トレイを前進させるようにしたディスク装置において、前記メインシャーシの一方の側壁部に基端部が上下動可能に枢支さればねにより下方に付勢された揺動アームを有し、該揺動アームの先端部下面に形成したクランパ室内に前記ディスククランパの上部が一定範囲内昇降可能に嵌入され、アンローディング時に揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるための持ち上げ機構が設けられており、プレイモードで、ディスクの回転時に該ディスクが滑らないようなターンテーブルとディスククランパとの挟持力を付与可能な位置まで、ばねにより揺動アームを介してディスククランパを押し下げることにより、該ディスククランパとターンテーブルとでディスクをクランプし、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルをトレイと接触しない位置まで降下させ、それとほぼ同時に、持ち上げ機構により揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるようにしたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ディスククランパの上面中央に略半球状凸部が一体形成されると共に、該凸部に対向して前記クランパ室の底面中央に略半球状凹部が形成され、前記凸部の曲率半径よりも凹部の曲率半径を大きく設定することにより、その凸部の頂点だけが凹部の内周面に接触するように形成されており、プレイモードで、ディスクの回転時に該ディスクが滑らないようなターンテーブルとディスククランパとの挟持力を付与可能な位置まで、ばねにより揺動アームを押し下げて該揺動アームの凹部の内周面をディスククランパの凸部の頂点に押し付けることにより、該ディスククランパとターンテーブルとでディスクをクランプするようにしたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2または3に記載の発明において、前記持ち上げ機構が揺動アームに対向してトレイに前後進方向に沿って一体形成したカム板からなり、該カム板の高さをクランプ時のトレイから揺動アームまでの間隔よりも若干大きく設定しており、アンローディング信号に基づいてトレイを前進させることにより、カム板を揺動アームの下にくぐらせて該揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明は実施の一形態(図1〜図6参照)に対応するものであって、これによれば、ディスクをクランプするため従来必要であった比較的高価なマグネット及びヨークを省略しているから、その省略した分だけ製作費を安くすることができると共に、クランプの際の「カチッ」という不快な動作音を消すことができる。
【0015】
また、ディスククランパを支持する揺動アームがメインシャーシの中央部上方に配置されているから、メインシャーシの後部に従来のように揺動アーム用格納空間を確保することが不要で、その不要となった分だけ該メインシャーシを小型化することができ、経済的である。
【0016】
更に、プレイモードでばねにより揺動アームを押し下げ、該揺動アームの凹部の内周面をディスククランパの凸部の頂点に押し付けるようになっており、その凸部の頂点を中心にディスククランパが揺動可能に形成されているから、該ディスククランパの下面外周縁の全体をターンテーブル上のディスクに押し付けて、該ディスクを確実にクランプするこ
とができる。
【0017】
また更に、前記凹部の内周面と凸部の頂点とが点接触しているだけであり、その両者間の摩擦抵抗が極めて小さいから、ディスクを小さな駆動力で高速回転させることができ、しかも、その点接触箇所でディスクが支えられているから、該ディスクを芯振れさせることなく高速回転させて、光ピックアップによる読取り精度を高めることができる。
【0018】
更に、持ち上げ機構がトレイに一体形成したカム板からなっており、その部品点数が少なく、しかも、トレイの前後進を利用してカム板により揺動アームを上下動させるようになっており、その構造が簡単であるから、製作費を極めて安くすることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明は基本形態に対応するものであって、これによれば、ディスクをクランプするため従来必要であった比較的高価なマグネット及びヨークを省略しているから、その省略した分だけ製作費を安くすることができると共に、クランプの際の「カチッ」という不快な動作音を消すことができる。
【0020】
また、ディスククランパを支持する揺動アームがメインシャーシの中央部上方に配置されているから、メインシャーシの後部に従来のように揺動アーム用格納空間を確保することが不要で、その不要となった分だけ該メインシャーシを小型化することができ、経済的である。
【0021】
更に、ばねと持ち上げ機構とにより揺動アームを介してディスククランパを上下動させることにより、該ディスククランパとターンテーブルとでディスクを確実にクランプしたりそのクランプを確実に解除することができる。
【0022】
請求項3に記載に発明によれば、プレイモードでばねにより揺動アームを押し下げ、該揺動アームの凹部の内周面をディスククランパの凸部の頂点に押し付けるようになっており、その凸部の頂点を中心にディスククランパが揺動可能に形成されているから、該ディスククランパの下面外周縁の全体をターンテーブル上のディスクに押し付けて、該ディスクを確実にクランプすることができる。
【0023】
また、前記凹部の内周面と凸部の頂点とが点接触しているだけであり、その両者間の摩擦抵抗が極めて小さいから、ディスクを小さな駆動力で高速回転させることができ、しかも、その点接触箇所でディスクが支えられているから、該ディスクを芯振れさせることなく高速回転させて、光ピックアップによる読取り精度を高めることができる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、持ち上げ機構がトレイに一体形成したカム板からなっており、その部品点数が少なく、しかも、トレイの前後進を利用してカム板により揺動アームを上下動させるようになっており、その構造が簡単であるから、製作費を極めて安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1〜図6は本発明の実施の一形態であるDVDプレーヤ(ディスク装置)を示すものであって、ディスククランパ7を支持する揺動アーム15がメインシャーシ2の中央部上方に前後進a,bとは直交する左右方向e,fに沿って配置され、該揺動アーム15を下向きに付勢するばね16と、揺動アーム15をアンローディング時にトレイ1のディスクDを接触しない位置まで持ち上げるための持ち上げ機構17とが設けられている。上記以外の構成は図7及び図8に示す構成とほぼ同じであるから、同一部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0026】
前記揺動アーム15は、図2〜図4に示すように、直線状アーム本体15aと、該アーム本体15aの先端に一体形成した円形状先端部15bとからなり、アーム本体15aの基端部が枢支軸18を介して一方の側壁部2aに一体突設した一対の軸受ブラケット19に上下動g,h可能に枢支されており、その揺動アーム15がメインシャーシ2の中央部上方に配置されているから、該メインシャーシ2の後部に従来のように揺動アーム用格納空間を確保することが不要で、その不要となった分だけそのメインシャーシ2を小型化することができ、経済的である。また、前記先端部15bの下面に円形のクランパ室20が形成され、該クランパ室20の下面外周縁に周方向所定間隔をおいて複数の抜け止め片21が一体突設されている。なお、図2中、22は一方の側壁部2aの内周面に突設した略L字状ストッパであって、揺動アーム15の下がり過ぎを阻止するものである。
【0027】
前記ばね16は、図2に示すように、前記枢支軸18に巻回されて、その一端を一方の側壁部2aに係合させると共に、その他端を揺動アーム15に係合させることにより、該揺動アーム15を下向きgに付勢している。
【0028】
前記ディスククランパ7は、図3及び図4に示すように、ターンテーブル4とほぼ同径の円筒状クランパ本体7aと、該クランパ本体7aの外周面に一体突設した環状鍔部7bとを有しており、該環状鍔部7bを各抜け止め片21を押し分けてクランパ室20内に嵌入させることにより、そのディスククランパ7が揺動アーム15の先端部15bに一定範囲内昇降可能に設けられ、ばね16により揺動アーム15を介してディスククランパ7を押し下げることにより、そのディスククランパ7とターンテーブル4とでディスクDをクランプするようになっており、従来の比較的高価なマグネット9及びヨーク10(図8参照)が不要であるから、その不要となった分だけ製作費が安くつく。
【0029】
図3に示すように、クランパ本体7aの上面中央に略半球状凸部23が一体形成されると共に、該凸部23に対向して前記クランパ室20の底面中央に略半球状凹部24が形成され、前記凸部23の曲率半径r1よりも凹部24の曲率半径r2を大きく設定することにより、その凸部23の頂点23aだけが凹部24の内周面に接触するように形成されている。
【0030】
前記持ち上げ機構17は、図2に示すように、揺動アーム15のアーム本体15aに対向してトレイ1の側縁凹段部1aに前後進a,b方向に沿って一体形成したカム板17Aからなり、該カム板17Aの前端縁17aが前方下向きに傾斜され、そのカム板17Aの高さh1をクランプ時のトレイ1の側縁凹段部1aから揺動アーム15までの間隔h2よりも若干大きく設定している〔図5(c)参照〕。なお、図2中、26はカム板17Aに対向してアーム本体15aから前方aに延びる補助杆であって、該補助杆26aの下面をアーム本体15aの下面と面一状に形成している。
【0031】
動作原理を説明すると、図1の実線及び図5はプレイモードを示しており、ディスクDの回転時に該ディスクDが滑らないようなターンテーブル4とディスククランパ7との挟持力を付与可能な位置まで、ばね16により揺動アーム15を押し下げ、該揺動アーム15の凹部24の内周面をディスククランパ7の凸部23の頂点23aに押し付けることにより、該ディスククランパ7とターンテーブル4とでディスクDをクランプし(図3参照)、スピンドルモータ5によりターンテーブル4を介してディスクDを高速回転させ、該ディスクDに記録されている情報を光ピックアップ3で読み取り、モニターに映像を再生する。
【0032】
上記構成によれば、凸部23の頂点23aを中心にディスククランパ7が揺動可能に形成されているから、該ディスククランパ7の下面外周縁の全体をターンテーブル4上のディスクDに押し付けて、該ディスクDを確実にクランプすることができる。
【0033】
また、凹部24の内周面と凸部23の頂点23aとが点接触しているだけであり、その両者23,24間の摩擦抵抗が極めて小さいから、スピンドルモータ5の小さな駆動力でディスクDを高速回転させることができ、しかも、その点接触箇所でディスクDが支えられているから、該ディスクDを芯振れさせることなく高速回転させて、光ピックアップ3による読取り精度を高めることができる。
【0034】
プレイモードからアンローディング信号が入力されると、図6に示すように、カムスライダ12を左方向e(または右方向f)にスライドさせてドライブシャーシ6を下動dさせることにより、ターンテーブル4をトレイ1に接触しない位置まで降下させ、それとほぼ同時に、トレイ1を前進aさせることにより、カム板17Aをアーム本体15a及び補助杆26の下にくぐらせて揺動アーム15を介してディスククランパ7をトレイ1のディスクDに接触しない位置まで持ち上げh、これによって、ディスクDのクランプを解除し、ターンテーブル4上のディスクDをトレイ1上に受け渡した後、該トレイ1を前進aさせ、そのトレイ1からディスクDを取り出し新たなディスクDをトレイ1上に載置する。
【0035】
上記構成によれば、持ち上げ機構17がトレイ1に一体形成したカム板17Aからなっており、その部品点数が少なく、しかも、トレイ1の前後進a,bを利用してカム板17Aにより揺動アーム15を上下動g,hさせるようになっており、その構造が簡単であるから、製作費を極めて安くすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上記の実施の一形態では、再生専用のDVDプレーヤを例にあげて説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば再生や録画または消去を行うDVDレコーダやCDプレーヤなどの各種のディスク装置にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の一形態であるディスク装置の平面図である。
【図2】同要部の拡大斜視図である。
【図3】同要部の拡大縦断面図である。
【図4】図3のA−A矢視図である。
【図5】(a)は図1のB−B矢視図、(b)は図1のC−C矢視図、(c)は図1のD−D矢視図である。
【図6】(a)はアンローディング状態のB−B線に沿う縦断面図、(b)は同状態のC−C線に沿う縦断面図、(c)は同状態のD−D線に沿う横断面図である。
【図7】従来例を示す平面図である。
【図8】(a)プレイモード状態の縦断面図、(b)はアンローディング状態の縦断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 トレイ
2 メインシャーシ
2a,2b メインシャーシの両側壁部
3 光ピックアップ
4 ターンテーブル
6 ドライブシャーシ
7 ディスククランパ
8 横桁
9 マグネット
10 ヨーク
15 揺動アーム
16 ばね
17 持ち上げ機構
17A カム板
20 クランパ室
23 凸部
23a 凸部の頂部
24 凹部
D ディスク
a,b 前後進
r1 凸部の曲率半径
r2 凹部の曲率半径
h1 カム板の高さ
h2 クランプ時のトレイの側縁凹段部から揺動アームまでの間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク載置用トレイを前後進可能に支持するメインシャーシと、該メインシャーシに上下動可能に枢支されて光ピックアップ及びターンテーブルを搭載したドライブシャーシとを有し、前記ターンテーブルに対向するディスククランパがメインシャーシの両側壁部間に架設した横桁に一定範囲内昇降可能に配置され、そのディスククランパとターンテーブルとのうち、その一方にマグネットが設けられると共に、その他方にヨークが設けられており、プレイモードにして、マグネット及びヨークの吸着力でターンテーブルとディスククランパとによりディスクをクランプし、該ディスクを高速回転させてそのディスクに記録されている情報を光ピックアップで読み取り、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルを降下させることにより、マグネット及びヨークの吸着力を解除し、ターンテーブル上のディスクをトレイ上に受け渡した後、該トレイを前進させるようにしたディスク装置において、前記マグネット及びヨークを省略し、前記横桁に代えて揺動アームが用いられ、該揺動アームの基端部がメインシャーシの一方の側壁部に上下動可能に枢支されると共に、その揺動アームを下方に付勢するばねが設けられ、前記ディスククランパの上部が揺動アームの先端部下面に形成したクランパ室内に一定範囲内昇降可能に嵌入され、そのディスククランパの上面中央に略半球状凸部が一体形成されると共に、該凸部に対向して前記クランパ室の底面中央に略半球状凹部が形成され、前記凸部の曲率半径よりも凹部の曲率半径を大きく設定することにより、その凸部の頂点だけが凹部の内周面に接触するように形成され、アンローディング時に揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるための持ち上げ機構が設けられ、該持ち上げ機構が揺動アームに対向してトレイに前後進方向に沿って一体形成したカム板からなり、該カム板の高さをクランプ時のトレイから揺動アームまでの間隔よりも若干大きく設定しており、プレイモードで、ディスクの回転時に該ディスクが滑らないようなターンテーブルとディスククランパとの挟持力を付与可能な位置まで、ばねにより揺動アームを押し下げて該揺動アームの凹部の内周面をディスククランパの凸部の頂点に押し付けることにより、該ディスククランパとターンテーブルとでディスクをクランプし、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルをトレイと接触しない位置まで降下させ、それとほぼ同時に、トレイを前進させることにより、カム板を揺動アームの下にくぐらせて該揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
ディスク載置用トレイを前後進可能に支持するメインシャーシと、該メインシャーシに上下動可能に枢支されて光ピックアップ及びターンテーブルを搭載したドライブシャーシとを有し、前記ターンテーブルに対向して一定範囲内昇降可能なディスククランパが設けられており、プレイモードにして、ターンテーブルとディスククランパとによりディスクをクランプし、該ディスクを高速回転させてそのディスクに記録されている情報を光ピックアップで読み取り、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルを降下させることにより、該ターンテーブル上のディスクをトレイ上に受け渡した後、該トレイを前進させるようにしたディスク装置において、前記メインシャーシの一方の側壁部に基端部が上下動可能に枢支さればねにより下方に付勢された揺動アームを有し、該揺動アームの先端部下面に形成したクランパ室内に前記ディスククランパの上部が一定範囲内昇降可能に嵌入され、アンローディング時に揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるための持ち上げ機構が設けられており、プレイモードで、ディスクの回転時に該ディスクが滑らないようなターンテーブルとディスククランパとの挟持力を付与可能な位置まで、ばねにより揺動アームを介してディスククランパを押し下げることにより、該ディスククランパとターンテーブルとでディスクをクランプし、アンローディング信号に基づいてドライブシャーシを下動させてターンテーブルをトレイと接触しない位置まで降下させ、それとほぼ同時に、持ち上
げ機構により揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるようにしたことを特徴とするディスク装置。
【請求項3】
前記ディスククランパの上面中央に略半球状凸部が一体形成されると共に、該凸部に対向して前記クランパ室の底面中央に略半球状凹部が形成され、前記凸部の曲率半径よりも凹部の曲率半径を大きく設定することにより、その凸部の頂点だけが凹部の内周面に接触するように形成されており、プレイモードで、ディスクの回転時に該ディスクが滑らないようなターンテーブルとディスククランパとの挟持力を付与可能な位置まで、ばねにより揺動アームを押し下げて該揺動アームの凹部の内周面をディスククランパの凸部の頂点に押し付けることにより、該ディスククランパとターンテーブルとでディスクをクランプするようにしたことを特徴とする請求項2に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記持ち上げ機構が揺動アームに対向してトレイに前後進方向に沿って一体形成したカム板からなり、該カム板の高さをクランプ時のトレイから揺動アームまでの間隔よりも若干大きく設定しており、アンローディング信号に基づいてトレイを前進させることにより、カム板を揺動アームの下にくぐらせて該揺動アームを介してディスククランパをトレイ上のディスクと接触しない位置まで持ち上げるようにしたことを特徴とする請求項2または3に記載のディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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