説明

ディスク装置

【課題】トラバースシャーシの自励振動についての吸振性を改善することによって、光ピックアップによる光学的読取りエラーを生じにくくする。
【解決手段】トラバースシャーシ50、トラバースシャーシ50を傾動可能に支持する支持機構、トラバースシャーシ50を傾動させるカム機構10などを備える。カム機構10が、トラバースシャーシ50に設けられた従動子20と、カム板30と、カム板30のカム溝31と、案内面41を有する補助ガイド部材40とでなる。従動子20はダンパー作用を発揮する弾性体23を備える。カム溝31の乗上り面に乗り上がった従動子20を斜めに押圧する押圧手段を備える。押圧手段を、補助ガイド部材40と共に樹脂で一体成形した樹脂ばねでなるばね体80によって形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク装置、特に、クランパとの間でディスクを挟持して回転させるターンテーブルがトラバースシャーシに搭載されているものにおいて、そのトラバースシャーシの自励振動に起因するディスクの読取りエラーを抑制するための対策を講じたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のディスク装置では、固定側フレーム(ローダシャーシ)にトラバースシャーシの一端部が支持されていて、そのトラバースシャーシは固定側フレームとの支持位置を支点として直線路に沿って傾動可能(往復移動可能)になっている。また、トラバースシャシには、光ピックアップなどの光学要素のほか、ターンテーブルが搭載されていて、トラバースシャーシがターンテーブルを伴って往動すると、ターンテーブルに載架されているディスクが、上記固定側フレーム取り付けられて定位置で待ち受けているクランパとターンテーブルとの共働により挟持される。そして、クランパとターンテーブルとにより挟持されたディスクがターンテーブルと共に回転され、その回転中に、光ピックアップによりディスクが光学的に処理される。
【0003】
この種のディスク装置にあっては、トラバースシャーシの往復移動を行わせる手段として次に説明するカム機構を採用したものが知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に示されているカム機構10とを示した概略分解斜視図である。
【0004】
図5は特許文献1に記載されているディスク装置のカム機構10を示した概略正面図である。このカム機構10は、上記したトラバースシャーシ(不図示)に設けられている従動子20と、トラバースシャーシの他端部の往復移動方向に直交する方向に矢印Xのように正逆移動されるカム板30と、このカム板30に設けられて従動子20を摺動させることによりトラバースシャーシの他端部を直線路に沿って往復移動させるカム溝31と、カム板30が正逆移動するときに従動子20を摺動させてその従動子20の往復移動を案内するまっすぐな案内面41を有する補助ガイド部材40とでなる。カム板30のカム溝31には、従動子20がその往動限位置で乗り上がる水平な第1乗上り面32と、従動子20がその復動限位置で乗り上がる水平な第2乗上り面33と、第1及び第2の各乗上り面32,33を連続させる傾斜面34とが備わっている。
【0005】
上記カム機構10を備えるディスク装置において、トラバースシャーシに搭載されているターンテーブルと上記したクランパとが共働してディスクを挟持しているときには、図5に示したように、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がっているカム機構10の従動子20が、案内面41により挟まれている。このため、従動子20及びその従動子20を備えているトラバースシャーシの他端部は、同図に矢印Aで示したトラバースシャーシの往復移動方向(上下方向)及び同図に矢印Bで示したトラバースシャーシの往復移動方向に直交する方向(左右方向)で一応は位置決めされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図5を参照して説明したカム機構10において、従動子20の弾性体23による吸振作用を効率よく発揮させるためには、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がっているカム機構10の従動子20が案内面41により挟まれて矢印A、矢印Bのように互いに直交する方向で正確に位置決めされていることが望まれる。
【0007】
しかしながら、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がっているカム機構10の従動子20と案内面41との相互間、並びに、そのような従動子20とカム溝31の相互間には、従動子20の円滑移動を許容する上で不可欠な隙間や製作誤差に起因する隙間などが存在しているために、従動子20が上記した矢印A、矢印Bのように互いに直交する方向でがたつきなく正確に位置決めされることはない。そのため、上記カム機構10では、ディスク回転中にトラバースシャーシが自励振動を起こしたときに、従動子20の全体が振動してその従動子20の弾性体23による吸振作用が効率よく発揮されないという事態の起こるおそれがある。そして、そのように従動子20が自励振動して弾性体23の吸振性が低下すると、回転中のディスクが振動して光ピックアップによる光学的読取りエラーを生じやすくなり、画像乱れや音飛びなどを発生しやすくなるという問題がある。
【0008】
この問題は、特に偏重心を持つディスクを再生するときなどに起こりやすいことが判っている。また、トラバースシャーシの自励振動に伴う従動子の振動によって発生する熱の影響でカム溝34の第1乗上り面32や補助ガイド部材40の案内面41などが変形して光学的読取りエラーを生じさせやすくなるおそれがあり、そのおそれは、温度65℃、湿度80%といった高温環境下や、温度65℃、湿度80%、貯蔵時間120時間といった高温貯蔵後において特に顕著に現れることが判っている。
【0009】
そこで、本発明は、ターンテーブルとクランパとによって挟持されたディスクの回転中に、カム溝の乗上り面に乗り上がっているカム機構の従動子が、トラバースシャーシの自励振動に伴う振動を起こすことを抑制することによって、光ピックアップによる光学的読取りエラーを生じにくくすることのできるディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
特に、本発明は、従動子に弾性体の作用に基づく吸振作用が付与されているようなカム機構を備えるディスク装置において、カム溝の乗上り面に乗り上がっている従動子の弾性体についての吸振性の低下を防ぐことによって、光ピックアップによる光学的読取りエラーを生じにくくすることのできるディスク装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、図5を参照して説明したディスク装置のカム機構の一部の構成を改善するだけで済み、余分な部品を追加することなく上記した各目的を達成することのできるディスク装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るディスク装置は、ターンテーブルを備えるトラバースシャーシと、このトラバースシャーシの一端部を固定側フレームに支持する支持機構と、この支持機構による支持位置を支点として上記トラバースシャーシの他端部を直線路に沿って往復移動させるカム機構と、このカム機構が上記トラバースシャーシの他端部を往動させたときに上記ターンテーブルに載架されているディスクをそのターンテーブルと共働して回転可能に挟持するクランパとを備えている。また、上記カム機構が、上記トラバースシャーシに設けられた従動子と、上記トラバースシャーシの他端部の往復移動方向に直交する方向に正逆移動されるカム板と、このカム板に設けられて上記従動子を摺動させることにより上記トラバースシャーシの他端部を直線路に沿って往復移動させるカム溝と、上記カム板が正逆移動するときに上記従動子を摺動させてその従動子の往復移動を案内する補助ガイド部材とでなる。さらに、上記従動子が上記カム溝と摺動して往動限位置に達したときに、その従動子が、上記カム溝の乗上り面に乗り上り、かつ、その乗上り面に対して直交する上記補助ガイド部材の案内面に対峙するようになっている。そして、上記乗上り面に乗り上がってきた上記従動子を押圧して上記乗上り面と上記案内面とに弾圧させる押圧手段を備えている。
【0013】
この構成であると、従動子がカム溝と摺動して往動限位置に達することによってターンテーブルとクランパとがディスクを挟持したときには、カム溝の乗上り面に乗り上がっているカム機構の従動子がカム溝の乗上り面と補助ガイド部材の案内面との両方に弾圧されている。そのため、従動子が互いに直交する2方向でがたつきなく正確に位置決めされるようになり、トラバースシャーシの自励振動を抑制することに役立つ。そのため、回転中のディスクが振動して光ピックアップによる光学的読取りエラーを生じやすいという問題が解消されて、画像乱れや音飛びなどを発生しにくいディスク装置を提供することが可能になる。
【0014】
本発明では、上記従動子が、上記トラバースシャーシに設けられた突起部と、この突起部に外嵌合されて往復移動時に上記カム溝及び上記補助ガイド部材の案内面の両方と摺動する円筒状のカバー部と、上記突起部と上記カバー部との間に介在されてダンパー作用を発揮する弾性体とを有している、という構成を採用することが可能である。この構成を備える従動子にあっては、従動子がカム溝と摺動して往動限位置に達することによってターンテーブルとクランパとがディスクを挟持したときには、カム溝の乗上り面に乗り上がっている従動子の円筒状のカバー部が、カム溝の乗上り面と補助ガイド部材の案内面との両方に弾圧される。そのため、従動子のカバー部が互いに直交する2方向でがたつきなく正確に位置決めされるようになり、ダンパー作用を発揮する弾性体の吸振性の低下が防止される。したがって、トラバースシャーシの自励振動が弾性体により効率よく吸収されることになり、そのことが、光ピックアップによる光学的読取りエラーを生じにくくすることに役立つ。また、トラバースシャーシの自励振動に伴う従動子の振動によって発生する熱の影響でカム溝の乗上り面や補助ガイド部材の案内面などが変形するという自体が抑制されて、光学的読取りエラーを生じにくくなる。
【0015】
本発明では、上記押圧手段が、上記乗上り面と上記案内面との両方に対して傾斜する方向に上記カバー部の外周面の1箇所を押圧するばね体でなる、という構成を採用することが可能であり、その場合には、上記ばね体が、樹脂製の上記補助ガイド部材と共に樹脂で一体成形されていることが望ましい。このように、ばね体を補助ガイド部材と共に樹脂で一体成形しておくと、ばね体として余分な部品を追加する必要がないという利点がある。
【0016】
また、本発明では、上記補助ガイド部材が、上記カム板の正逆移動を案内するスライド面を備えた樹脂成形体でなる上記固定側フレームに樹脂で一体成形されている、という構成を採用することも可能である。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明に係るディスク装置によれば、ターンテーブルとクランパとによって挟持されたディスクの回転中にトラバースシャーシが自励振動を起こしたとしても、カム溝の乗上り面に乗り上がっているカム機構の従動子が振動するという自体が抑制されて光ピックアップによる光学的読取りエラーが生じにくくなる。特に、従動子に弾性体の作用に基づく吸振作用が付与されているようなカム機構を備えるディスク装置においては、弾性体による吸振性が改善されて光ピックアップによる光学的読取りエラーが生じにくくなる。さらに、本発明では、余分な部品を追加することなく、カム機構の一部の構成を改善するだけで、トラバースシャーシの自励振動による従動子の振動を抑制して、上記したような光ピックアップによる光学的読取りエラーが生じにくくなるという作用を得ることができるという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の実施形態に係るディスク装置の概略構成を裏面側から見て示した平面図、図2は図1のディスク装置に用いられているトラバースシャーシ50とカム機構10とを示した概略分解斜視図である。また、図3はカム機構10を示した概略正面図、図4は図3の要部を拡大した説明図である。
【0019】
図1において、60は矩形枠形に形成されたローダシャーシとしての固定側フレームであり、この固定側フレーム60に対して仮想線で示したディスクトレイ70を矢印Lで示した出入れ方向(前後方向)に移動させることができるようになっている。図示していないけれども、ディスクトレイ70の上面には円板状のディスクの載置部が凹入状に形成されていて、その載置部に載置されたディスクが、ディスクトレイ70の矢印L方向の移動によって固定側フレーム60の略中央部のセット位置に対して出入れされる。
【0020】
固定側フレーム60には、光ピックアップ61などの光学要素のほか、ターンテーブル62を搭載したトラバースシャーシ50が取り付けられている。トラバースシャーシ50は、その長手方向(前後方向に一致する)の一端部51が固定側フレーム60に取り付けられていて、その取付箇所イを支点としてその反対側の長手方向の他端部(自由端)52が上下方向に傾動自在になっている。図例のディスク装置において、上記取付箇所イには、トラバースシャーシ50に固定側フレーム60などから衝撃が伝達されるのを防ぐために緩衝体53が介在されている。緩衝体53は防振ゴムでなり、図2のようにトラバースシャーシ50の一端部51に形成された割り孔54に嵌め込むことによってトラバースシャーシ50に保持され、その緩衝体53に下方から挿通させた取付ねじ55が図1に示した固定側フレーム60のねじ孔(不図示)にねじ込まれる。こうしてトラバースシャーシ50の一端部51が固定側フレーム60に取り付けられていると、緩衝体53の変形を通じてトラバースシャーシ50の他端部52が取付箇所イを支点として一点鎖線イ’の回りで直線路に沿って往復移動(傾動)することができるようになる。しかも、固定側フレーム60で発生した衝撃が緩衝体53により吸収されてトラバースシャーシ50に伝わりにくくなる。上記した緩衝体53及び取付ねじ55は、トラバースシャーシ50の一端部51を固定側フレーム60に支持する支持機構を構成している。
【0021】
図2に示したカム機構10は、トラバースシャーシ50の他端部に設けられる従動子20と、カム板30と、このカム板30に設けられているカム溝31と、補助ガイド部材40とを備えている。この実施形態において、従動子20は、トラバースシャーシ50の他端部中央部位に設けられた突起部21と、この突起部21に外嵌合されて往復移動時にカム溝31及び補助ガイド部材40の案内面41の両方と摺動する円筒状のカバー部22と、突起部21とカバー部22との間に介在されてダンパー作用を発揮する筒状の弾性体23とを有している。また、カム板30は、トラバースシャーシ50の他端部52の往復移動方向に直交する方向(矢印Xで示した左右方向)に正逆移動されるようになっている。補助ガイド部材40の案内面41は、カム板30が正逆移動するときに従動子20を摺動させてその従動子20のまっすぐな往復移動を案内する役割を果たす。
【0022】
カム機構10に関して上記した構成は、図5を参照して説明したカム機構10と同様である。そして、このディスク装置では、固定側フレーム60にクランパ(不図示)が取り付けられていて、このクランパがトラバースシャーシ50に搭載されているターンテーブル62と共働してディスクを挟持し得るようになっていると共に、クランパとターンテーブル62とによって挟持されているディスクが、ターンテーブル62と共に回転するようになっている。
【0023】
トラバースシャーシ50に搭載されているターンテーブル62と上記クランパとが共働してディスクを挟持しているときには、図3に示したように、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がっているカム機構10の従動子20が、案内面41によって挟まれている。このため、従動子20及びその従動子20を備えているトラバースシャーシ50の他端部52は、トラバースシャーシ50の往復移動方向(上下方向)及びトラバースシャーシ50の往復移動方向に直交する方向(左右方向)で一応は位置決めされている。
【0024】
しかしながら、この構成のままでは、冒頭で説明したようにカム溝31の第1乗上り面32に乗り上がっている従動子20と案内面41との相互間、並びに、そのような従動子20とカム溝31の相互間に、従動子20の円滑移動を許容する上で不可欠な隙間や製作誤差に起因する隙間などが存在しているために、従動子20が互いに直交する上記2方向でがたつきなく正確に位置決めされているとはいえない。したがって、上記した構成を備えているだけに過ぎないカム機構10では、ディスク回転中にトラバースシャーシ50が自励振動を起こしたときに、従動子20の全体が振動してその従動子20の弾性体23による吸振作用が効率よく発揮されないという事態の起こるおそれがある。
【0025】
そこで、この実施形態では、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がってきた従動子20を押圧して第1乗上り面32と補助ガイド部材40の案内面41とに弾圧させる押圧手段を設けてある。この押圧手段は図2〜図4に示したばね体80でなる。図例では、ばね体80が、樹脂製の補助ガイド部材40の案内面41に沿う切込み42をその補助ガイド部材40に具備させることによって、その補助ガイド部材40に一体に樹脂で一体成形された樹脂ばねでなる。さらに具体的には、図3又は図4のように、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がった従動子20に弾接する位置に上記樹脂ばねでなるばね体80を形成してあると共に、そのばね体80に傾斜面81を具備させてある。そして、この傾斜面81が、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がった従動子20のカバー部22の外周面の1箇所を押圧することによって、そのカバー部22を第1乗上り面32と案内面41との両方に対して矢印Mのように傾斜する方向に押圧するようになっている。このため、カム溝31の第1乗上り面32に乗り上がった従動子20が、ばね体80の弾圧作用によって第1乗上り面32と案内面41との両方に弾圧されるようになり、カバー部22が互いに直交する2方向でがたつきなく正確に位置決めされる。その結果、ディスク回転中にトラバースシャーシ50が自励振動を起こしたときに、従動子20の全体が振動してその従動子20の弾性体23による吸振作用が効率よく発揮されないという事態の起こるおそれが少なくなり、トラバースシャーシ50が自励振動を起こしたときの従動子20の弾性体23による吸振性が改善されることになる。こうして弾性体23による吸振性が改善されると、回転中のディスクが振動して光ピックアップによる光学的読取りエラーを生じやすいという問題が解消され、特に偏重心ディスクを取り扱うときであっても画像乱れや音飛びなどが発生しにくくなる。また、トラバースシャーシ50の自励振動に伴う従動子20の振動によって発生する熱の影響でカム溝34の第1乗上り面32や補助ガイド部材40の案内面41などが変形して光学的読取りエラーを生じるというおそれもなくなる。
【0026】
この実施形態では、従動子20が吸振性を発揮する弾性体23を備えているけれども、この弾性体23は必ずしも必要ではない。すなわち、従動子を、トラバースシャーシの他端部に突出させた突起によって形成し、その突起をカム板のカム溝に摺動可能に係合させると共に、その突起を補助ガイド部材の案内面で直線路に沿って案内するように構成したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係るディスク装置の概略構成を裏面側から見て示した平面図である。
【図2】図1のディスク装置に用いられているトラバースシャーシとカム機構とを示した概略分解斜視図である。
【図3】カム機構を示した概略正面図である。
【図4】図3の要部を拡大した説明図である。
【図5】従来例としてのディスク装置に用いられているカム機構を示した概略正面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 カム機構
20 従動子
21 突起部
22 カバー部
23 弾性体
30 カム板
31 カム溝
32 第1乗上り面(乗上り面)
40 補助ガイド部材
41 案内面
50 トラバースシャーシ
51 トラバースシャーシの一端部
52 トラバースシャーシの他端部
53 緩衝体(支持機構)
55 取付ねじ(支持機構)
60 固定側フレーム
62 ターンテーブル
65 スライド面
80 ばね体(押圧手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターンテーブルを備えるトラバースシャーシと、このトラバースシャーシの一端部を固定側フレームに支持する支持機構と、この支持機構による支持位置を支点として上記トラバースシャーシの他端部を直線路に沿って往復移動させるカム機構と、このカム機構が上記トラバースシャーシの他端部を往動させたときに上記ターンテーブルに載架されているディスクをそのターンテーブルと共働して回転可能に挟持するクランパとを備え、
上記カム機構が、上記トラバースシャーシに設けられた従動子と、上記トラバースシャーシの他端部の往復移動方向に直交する方向に正逆移動されるカム板と、このカム板に設けられて上記従動子を摺動させることにより上記トラバースシャーシの他端部を直線路に沿って往復移動させるカム溝と、上記カム板が正逆移動するときに上記従動子を摺動させてその従動子の往復移動を案内する補助ガイド部材とでなり、
上記従動子が上記カム溝と摺動して往動限位置に達したときに、その従動子が、上記カム溝の乗上り面に乗り上り、かつ、その乗上り面に対して直交する上記補助ガイド部材の案内面に対峙するようになっているディスク装置において、
上記乗上り面に乗り上がってきた上記従動子を押圧して上記乗上り面と上記案内面とに弾圧させる押圧手段を備えていることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
上記従動子が、上記トラバースシャーシに設けられた突起部と、この突起部に外嵌合されて往復移動時に上記カム溝及び上記補助ガイド部材の案内面の両方と摺動する円筒状のカバー部と、上記突起部と上記カバー部との間に介在されてダンパー作用を発揮する弾性体とを有している請求項1に記載したディスク装置。
【請求項3】
上記押圧手段が、上記乗上り面と上記案内面との両方に対して傾斜する方向に上記カバー部の外周面の1箇所を押圧するばね体でなる請求項2に記載したディスク装置。
【請求項4】
上記ばね体が、樹脂製の上記補助ガイド部材と共に樹脂で一体成形されている請求項3に記載したディスク装置。
【請求項5】
上記補助ガイド部材が、上記カム板の正逆移動を案内するスライド面を備えた樹脂成形体でなる上記固定側フレームに樹脂で一体成形されている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載したディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−76150(P2009−76150A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−244891(P2007−244891)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】