ディスク装置
【課題】真円形状でない異物を確実に排出できるディスク装置を提供する。
【解決手段】レバー部2a,3aが、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の異物14を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面2a−5,3a−5を備える。
【解決手段】レバー部2a,3aが、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の異物14を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面2a−5,3a−5を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク装置に係り、特にディスク装置に誤挿入された異物の排出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク装置では、ディスク挿入口近傍に設けたディスク検知レバーでディスクを検知し、正しい形状(円形状)のディスクであると、その搬送または排出が行えるような構成となっている。
また、特許文献1,2には、異物を機構的にブロックして内部に挿入させないディスク装置が開示されている。例えば、特許文献1に記載のディスク装置は、テレフォンカードなどの撓みやすいカード状の異物を対象としており、搬送ローラの近傍にストッパとなる段差部が設けられている。このディスク装置では、挿入されようとしている異物が搬送ローラに当接して撓むと、上記段差部の段差面に導かれてそれ以上の挿入が規制される。
さらに、特許文献2のディスク装置は、特許文献1の段差部に加え、テレフォンカードなどの異物を対象としており、この異物のサイズに合わせた位置に突起部を設けることにより、当該異物のディスク装置内への挿入を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−178723号公報
【特許文献2】特開2004−272980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のディスク検知レバーは、カード形状などの真円形状ではない異物が誤挿入された場合、排出動作の際に異物の外縁に沿ってレバーが移動することができず、排出方向への異物の動きを妨げてしまうという課題があった。この場合、異物は排出されずに装置内にスタックされる。
【0005】
また、特許文献1,2に代表される従来の技術では、クレジットカードのように可撓性がない硬質なカード状の異物に対しては、段差部や突起部での挿入規制が効かない場合があり、誤挿入される可能性がある。このような異物が一旦挿入されると、従来のディスク装置では、外部に排出することができない。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、真円形状でない異物を確実に排出できるディスク装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るディスク装置は、挿入または排出されるディスクに当接されてその外縁に沿って移動し、この移動に応じてディスクの挿入または排出が検知されるレバー部を備えたディスク装置において、レバー部が、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の挿入物を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面を備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、真円形状でない異物を確実に排出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るディスク装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係るディスク装置の平面図である。
【図3】ディスク検知機構の要部を示す平面図である。
【図4】ディスク排出時のディスク装置の平面図である。
【図5】挿入時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図である。
【図6】排出時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図である。
【図7】カード形状の異物の排出時のディスク装置の平面図である。
【図8】排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図である。
【図9】排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を示す図である。
【図10】実施の形態1に係るディスク検知レバーのレバー部を示す図である。
【図11】実施の形態1に係るディスク装置によるカード形状の異物の排出処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るディスク装置の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係るディスク装置の平面図である。また、図3は、ディスク検知機構の要部を示す平面図である。なお、図2および図3は、実施の形態1に係るディスク装置1におけるディスク搬送機構およびディスク検知機構の要部を示すため、外部カバー、クランパおよびクランプレバーを取り外した状態を示している。
実施の形態1に係るディスク装置1では、図1に示す矢印方向からディスクをディスク挿入口aに挿入する。ディスク挿入口aには、一対のディスク検知レバー2,3が設けられている。ディスク検知レバー2,3が、挿入または排出されるディスクに当接してその外縁に沿って連動して検知スイッチをオンオフすることで、ディスクの挿入または排出が検知される。つまり、ディスク挿入口から図2に示す矢印Pの方向にディスク9を挿入すると、ディスク検知レバー2,3のレバー部2a,3aがディスク9に当接し、さらに矢印Pの方向に挿入されると、図3に示すようにディスク検知レバー2,3がリンク部材6,7により連動して、レバー部2a,3aがディスク9の外縁に沿って両側に開くように移動する。
【0011】
この後、ディスク9が搬送ローラ5に当接すると、図2に示すローラ支持部材5aが回動してディスク9と搬送ローラ5とが圧着され、ディスク9がさらに内部に搬送される。内部には、ディスク9を保持するターンテーブル10およびターンテーブル10が保持したディスク9の径方向に移動する光ピックアップ11が、ベース樹脂部材4に支持されている。
【0012】
左側のディスク検知レバー2は、図3に示すように、ベース樹脂部材4に形成したボス4aを軸として回動自在に支持される。同様に、右側のディスク検知レバー3は、ベース樹脂部材4に形成されたボス4bを軸として回動自在に支持される。
また、ディスク検知レバー2の長穴2bにリンク部材6のピン6aが嵌合し、ディスク検知レバー3の長穴3bにリンク部材7のピン7aが嵌合する。リンク部材6は、ベース樹脂部材4に形成したボス4cを軸として回動自在に支持され、リンク部材7は、ベース樹脂部材4に形成したボス4dを軸として回動自在に支持される。リンク部材6のカム穴6bにリンク部材7のピン7bが嵌合する。
【0013】
さらに、図2および図3に示すように、リンク部材6,7を連結するばね8によって、リンク部材6がボス4cを中心として時計回りの向きに回動付勢されており、リンク部材7がボス4dを中心として反時計回りの向きに回動付勢されている。リンク部材6,7が回動すると、ピン7bがカム穴6bの右端部に向けて移動し、ピン7aが長穴3bのストロークエンドまで移動し、ピン6aが長穴2bのストロークエンドまで移動して、ディスク検知レバー2,3およびリンク部材6,7の回動が停止し、図3に示す所定の開き位置でレバー部2aとレバー部3aが停止する。これが、ディスク挿排待機位置である。
【0014】
さらにディスク9が挿入されると、レバー部2a,3aがディスク9に当接してレバー部2aとレバー部3aとの間が開かれる。このとき、ディスク検知レバー2が時計回りの向きに回動し、ディスク検知レバー2に設けたカムが検知スイッチをオンすることで、ディスク9の挿入が検知される。これを契機として搬送ローラ5が回転を開始する。
【0015】
さらにディスク9が挿入されていくと、ディスク検知レバー2,3が回動することで、レバー部2a,3aがディスク9の外縁に沿って移動して、レバー部2aとレバー部3aとの間が押し広げられる。これに伴って、ピン7bがカム穴6bを左に移動し、レバー部2aとレバー部3aとの間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられるとディスク9が通過する。
【0016】
レバー部2aとレバー部3aとの間を通過したディスク9は、回転している搬送ローラ5によってさらに内部に送られる。ディスク9が所定量送られると、トリガーがかかり、ディスク9は、搬送ローラ5による保持が解除され、ターンテーブル10上に中心が合致した状態で降下し、クランパによってターンテーブル10に保持される。この後、光ピックアップ11によってディスク9の再生が行われる。
【0017】
図4は、ディスク排出時の実施の形態1に係るディスク装置の平面図である。再生位置まで搬送されたディスク9を排出する場合、まず、クランプレバー13を稼働させてクランパ12によるターンテーブル10へのディスク9のクランプを解除する。このクランプレバー13の動きに同期してローラ支持部材5aが回動し、搬送ローラ5が上昇してディスク9に接触する。この後、ディスク9は、回転する搬送ローラ5によって図4の矢印Qの方向に搬送される。ディスク9が排出方向に搬送されてくると、レバー部2a,3aがディスク9に当接して、レバー部2aとレバー部3aとの間が押し開かれる。
【0018】
さらにディスク9が排出されていくと、それに伴ってディスク検知レバー2,3が回動して、レバー部2a,3aがディスク9の外縁に沿って移動し、レバー部2aとレバー部3aとの間がさらに押し広げられる。このとき、図3に示したピン7bがカム穴6bを左に移動して、レバー部2aとレバー部3aとの間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられる。これにより、ディスク9がディスク装置1の外部へ排出される。
【0019】
図5は、挿入時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図であり、従来のディスク検知レバーのレバー部を本発明に係るレバー部2a,3aと区別するため、符号2a’,3a’を付している。なお、レバー部以外の機構自体は、本発明も従来と同様である。図5(a)は、ディスク9が矢印Pの方向に挿入された際のレバー部2a’,3a’およびディスク9を示している。図5(a)および図5(b)に示すように、従来のレバー部2a’,3a’は、上面が略三角形の三角柱形状をしている。
【0020】
ディスク9をディスク挿入口から矢印P方向に挿入すると、図5(a)に示すように、ディスク挿排待機位置におけるディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’の上面の辺2a−1,3a−1を含む周面にディスク9が当接する。
さらにディスク9が挿入されると、レバー部2a’,3a’は、上記辺2a−1,3a−1を含む周面の一部がディスク9に当接しながらその外縁を摺動していき、これに伴ってディスク検知レバー2が矢印Aの方向に回動し、ディスク検知レバー3が矢印Bの方向に回動する。これにより、ディスク9の挿入に併せてレバー部2a’とレバー部3a’との間が開かれる。
【0021】
この後、ディスク9がさらに挿入されていくと、レバー部2a’,3a’は、図5(b)に示すように、その稜線2a−2,3a−2がディスク9に当接しながらその外縁を摺動する。レバー部2a’とレバー部3a’との間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられると、ディスク9が通過してディスク装置1内に搬送される。
このように、ディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’において、挿入時のディスク9の検知に寄与する部分は、挿入されたディスク9に当接する上面の辺2a−1,3a−1を含む周面および稜線2a−2,3a−2である。
【0022】
図6は、排出時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図であり、図5と同様に従来のディスク検知レバーのレバー部に符号2a’,3a’を付している。なお、レバー部以外の機構自体は、本発明も従来と同様である。図6(a)は、ディスク装置1の内部に搬送されたディスク9を、矢印Qの方向に排出した際のレバー部2a’,3a’およびディスク9を示している。
【0023】
ディスク9を矢印Qの方向に搬送すると、ディスク9が、図6(a)に示すように、ディスク挿排待機位置におけるディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’の上面の線分2a−3,3a−3を含む周面の一部に当接する。なお、この線分2a−3,3a−3を含む周面は、レバー部2a’,3a’の上面の三角形の一辺(内部側の辺)におけるディスク9の円との接点から、稜線2a−2,3a−2を規定する頂点までの線分に相当する。
【0024】
この後、ディスク9がさらに矢印Qの方向に搬送されると、レバー部2a’,3a’は線分2a−3,3a−3を含む周面の一部がディスク9に当接ながら摺動していき、これに伴ってディスク検知レバー2が矢印Aの方向に回動し、ディスク検知レバー3が矢印Bの方向に回動していく。これにより、ディスク9の排出に併せてレバー部2a’とレバー部3a’との間が開かれる。
【0025】
ディスク9がさらに搬送されていくと、レバー部2a’,3a’が、図6(b)に示すように、その稜線2a−2,3a−2にディスク9が当接しながら摺動する。この後、レバー部2a’とレバー部3a’との間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられると、ディスク9が通過してディスク挿入口から排出される。
このように、ディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’において、排出時のディスク9の検知に寄与する部分は、排出方向に搬送したディスク9の外縁に当接する、上面の線分2a−3,3a−3(稜線2a−2,3a−2を含む)で規定される周面の一部である。
【0026】
図7は、カード形状の異物の排出時のディスク装置の平面図である。図7において、カード形状の異物14は、ディスク検知レバー2,3による検知を強制的に経させて、内部に誤挿入されたものである。このような異物14を排出する場合においても、通常のディスク9の場合と同様に、搬送ローラ5によって異物14が矢印Qの方向に搬送され、レバー部2a,3aに当接する。このとき、挿入物がディスク9のような円形状であれば、ディスク検知レバー2が、ボス4aを中心とした時計回りの向きに回動することで、レバー部2aが、挿入物の外縁に沿って矢印Aの方向に移動する。また、ディスク検知レバー3についても、ボス4bを中心とした反時計回りの向きに回動することで、レバー部3aが、挿入物の外縁に沿って矢印Bの方向に移動する。これにより、ディスク装置1の外部に挿入物を排出することができる。
しかしながら、カード形状の異物14のように、挿入物が、レバー部2a,3aの移動軌跡に張り出してその移動を妨げる外形状であると、レバー部2a,3aが挿入物の外縁に沿って矢印A,Bの方向へ移動できなくなる。
【0027】
図8は、排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図であり、図5と同様に、従来のディスク検知レバーのレバー部に符号2a’,3a’を付している。なお、レバー部以外の機構自体は、本発明も従来と同様である。また、図9は、排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を示す図であり、図7で示した矢印Rの方向から見た排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示している。
【0028】
図8に示すように、ディスク装置1内に誤挿入された異物14を矢印Qの方向に搬送していくと、異物14が、ディスク挿排待機位置におけるディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’の稜線2a−4,3a−4の一部に当接する。このとき、異物14の外形がレバー部2a’,3a’の移動軌跡に張り出した形状であるため、レバー部2a’,3a’は、異物14の外縁に沿って移動することができない。従って、異物14は、ディスク装置1の内部にスタックされる。すなわち、図9に示すように、レバー部2a’,3a’が、搬送ローラ10の駆動力により排出方向(矢印Q)へ搬送される異物14の移動を規制するストッパとなってしまい、異物14が、レバー部2a’,3a’の稜線2a−4,3a−4の一部に当接した状態のままとなる。
【0029】
そこで、本発明では、ディスク検知レバー2,3のレバー部の形状を下記のごとく改良した。これにより、異物の外形がレバー部の移動軌跡に張り出した形状であっても確実に排出することができる。
図10は、実施の形態1に係るディスク検知レバーのレバー部を示す図である。実施の形態1に係るディスク検知レバー2,3のレバー部2a,3aは、図10(a)および図10(b)に示すように、その端部に傾斜面2a−5,3a−5を有する。
【0030】
傾斜面2a−5,3a−5は、レバー部2a,3aの端部における挿入時および排出時のディスク9が当接する部分を残し、カード形状の異物が当接する部分のみを傾斜させたものに相当する。すなわち、図10(a)で上方から示すように、挿排出時にディスク9が当接する、図5および図6に示したレバー部2a,3aの上面の辺2a−1,3a−1を含む周面、稜線2a−2,3a−2および上面の線分2a−3,3a−3を含む周面はそのまま維持するが、排出方向に搬送された異物14が当接する、図8に示したレバー部2a,3aの稜線2a−4,3a−4側に、図10(b)に示すようにディスク装置1の内部側に向かって下る傾斜面2a−5,3a−5を形成する。
【0031】
また、傾斜面2a−5,3a−5の最下点は、稜線2a−4,3a−4において、排出方向に搬送されてきた異物14が当接する部分と同一位置か、この位置よりも低い位置とする。このようすることで、排出方向に搬送されてきた異物14の外縁が、レバー部2a,3aの傾斜面2a−5,3a−5上を摺動していき、異物14が、レバー部2a,3aを乗り上げて排出される。
【0032】
このような傾斜面2a−5,3a−5を形成することで、正規のディスク9では、その外縁に沿ってレバー部2a,3aが移動することにより、ディスク9の挿排が行われる。その一方で、カード形状の異物14のような挿入物を傾斜面2a−5,3a−5を介してディスク装置1の外部へ排出する。
【0033】
図11は、実施の形態1に係るディスク装置によるカード形状の異物の排出処理を示す図であり、図7で示した矢印Rの方向から見た様子を概略的に示している。図11(a)に示すように、異物14は、搬送ローラ5によってレバー部2a,3aに当接するまで搬送される。このとき、異物14は、傾斜面2a−5,3a−5またはその最下点に当接する。傾斜面2a−5,3a−5の最下点は、異物14が当接する位置(搬送ローラ10の軸中心から高さaの位置)か、この位置よりも低い位置となる。なお、異物14を、確実にレバー部2a,3aを乗り上げる経路で排出するために、レバー部2a,3aの高さを従来よりも短くしてもよい。
【0034】
異物14の外形はレバー部2a,3aの移動軌跡に張り出した形状であるため、レバー部2a,3aは、その外縁に沿って移動できず、ディスク検知レバー2,3が、ディスク挿排待機位置から回動できない。このとき、搬送ローラ10の駆動力によって異物14がさらに搬送されてレバー部2a,3aを押す。これにより、図11(b)に示すように、異物14の当接部分が、搬送ローラ5の駆動力によって傾斜面2a−5,3a−5を摺動しながら上っていく。
【0035】
この後、図11(c)に示すように異物14がさらに搬送されていくと、異物14が、傾斜面2a−5,3a−5を介してレバー部2a,3aを乗り上げるようにしてディスク装置1の外部に排出される。このように、本発明は、挿排時にレバー部2a,3aが外縁に沿って移動可能なディスク9については水平面に平行な経路で挿排が行われるが、レバー部2a,3aの移動を規制する外形状の異物14については、レバー部2a,3aを乗り上げる経路で排出される。
【0036】
以上のように、この実施の形態1によれば、レバー部2a,3aが、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の異物14を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面2a−5,3a−5を備えるので、カード形状のような真円形状でない異物14が誤挿入された場合であっても当該異物14を確実に排出することができる。
【0037】
また、この実施の形態1によれば、レバー部2a,3aが、挿入または排出されるディスク9が当接する部分以外の、排出方向に搬送された異物14が当接する部分に傾斜面2a−5,3a−5を備えるので、レバー部2a,3aが外縁に沿って移動しながら挿排する正規のディスク9に関する動作を損なうことなく、レバー部2a,3aの外縁に沿った移動を規制する外形状の異物14について、レバー部2a,3aを乗り上げる経路で確実に排出することができる。
【0038】
上記実施の形態1では、カード形状の異物14を排出する場合を示したが、本発明は、レバー部2a,3aの移動軌跡に張り出した外形状を有する異物であれば、同様の効果を得ることができる。例えば、三角形状や星形状などの異物であっても的確に排出できる。
【0039】
なお、本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 ディスク装置、2,3 ディスク検知レバー、2a,3a レバー部、2b,3b 長穴、2a−1,3a−1 辺、2a−2,3a−2,2a−4,3a−4 稜線、2a−3,3a−3 線分、2a−5,3a−5 傾斜面、4 ベース樹脂部材、4a〜4d ボス、5 搬送ローラ、5a ローラ支持部材、6,7 リンク部材、6a,7a,7b ピン、6b カム穴、8 ばね、9 ディスク、10 ターンテーブル、11 光ピックアップ、12 クランパ、13 クランプレバー、14 異物。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク装置に係り、特にディスク装置に誤挿入された異物の排出機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク装置では、ディスク挿入口近傍に設けたディスク検知レバーでディスクを検知し、正しい形状(円形状)のディスクであると、その搬送または排出が行えるような構成となっている。
また、特許文献1,2には、異物を機構的にブロックして内部に挿入させないディスク装置が開示されている。例えば、特許文献1に記載のディスク装置は、テレフォンカードなどの撓みやすいカード状の異物を対象としており、搬送ローラの近傍にストッパとなる段差部が設けられている。このディスク装置では、挿入されようとしている異物が搬送ローラに当接して撓むと、上記段差部の段差面に導かれてそれ以上の挿入が規制される。
さらに、特許文献2のディスク装置は、特許文献1の段差部に加え、テレフォンカードなどの異物を対象としており、この異物のサイズに合わせた位置に突起部を設けることにより、当該異物のディスク装置内への挿入を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−178723号公報
【特許文献2】特開2004−272980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のディスク検知レバーは、カード形状などの真円形状ではない異物が誤挿入された場合、排出動作の際に異物の外縁に沿ってレバーが移動することができず、排出方向への異物の動きを妨げてしまうという課題があった。この場合、異物は排出されずに装置内にスタックされる。
【0005】
また、特許文献1,2に代表される従来の技術では、クレジットカードのように可撓性がない硬質なカード状の異物に対しては、段差部や突起部での挿入規制が効かない場合があり、誤挿入される可能性がある。このような異物が一旦挿入されると、従来のディスク装置では、外部に排出することができない。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、真円形状でない異物を確実に排出できるディスク装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るディスク装置は、挿入または排出されるディスクに当接されてその外縁に沿って移動し、この移動に応じてディスクの挿入または排出が検知されるレバー部を備えたディスク装置において、レバー部が、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の挿入物を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面を備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、真円形状でない異物を確実に排出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係るディスク装置の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係るディスク装置の平面図である。
【図3】ディスク検知機構の要部を示す平面図である。
【図4】ディスク排出時のディスク装置の平面図である。
【図5】挿入時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図である。
【図6】排出時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図である。
【図7】カード形状の異物の排出時のディスク装置の平面図である。
【図8】排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図である。
【図9】排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を示す図である。
【図10】実施の形態1に係るディスク検知レバーのレバー部を示す図である。
【図11】実施の形態1に係るディスク装置によるカード形状の異物の排出処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るディスク装置の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係るディスク装置の平面図である。また、図3は、ディスク検知機構の要部を示す平面図である。なお、図2および図3は、実施の形態1に係るディスク装置1におけるディスク搬送機構およびディスク検知機構の要部を示すため、外部カバー、クランパおよびクランプレバーを取り外した状態を示している。
実施の形態1に係るディスク装置1では、図1に示す矢印方向からディスクをディスク挿入口aに挿入する。ディスク挿入口aには、一対のディスク検知レバー2,3が設けられている。ディスク検知レバー2,3が、挿入または排出されるディスクに当接してその外縁に沿って連動して検知スイッチをオンオフすることで、ディスクの挿入または排出が検知される。つまり、ディスク挿入口から図2に示す矢印Pの方向にディスク9を挿入すると、ディスク検知レバー2,3のレバー部2a,3aがディスク9に当接し、さらに矢印Pの方向に挿入されると、図3に示すようにディスク検知レバー2,3がリンク部材6,7により連動して、レバー部2a,3aがディスク9の外縁に沿って両側に開くように移動する。
【0011】
この後、ディスク9が搬送ローラ5に当接すると、図2に示すローラ支持部材5aが回動してディスク9と搬送ローラ5とが圧着され、ディスク9がさらに内部に搬送される。内部には、ディスク9を保持するターンテーブル10およびターンテーブル10が保持したディスク9の径方向に移動する光ピックアップ11が、ベース樹脂部材4に支持されている。
【0012】
左側のディスク検知レバー2は、図3に示すように、ベース樹脂部材4に形成したボス4aを軸として回動自在に支持される。同様に、右側のディスク検知レバー3は、ベース樹脂部材4に形成されたボス4bを軸として回動自在に支持される。
また、ディスク検知レバー2の長穴2bにリンク部材6のピン6aが嵌合し、ディスク検知レバー3の長穴3bにリンク部材7のピン7aが嵌合する。リンク部材6は、ベース樹脂部材4に形成したボス4cを軸として回動自在に支持され、リンク部材7は、ベース樹脂部材4に形成したボス4dを軸として回動自在に支持される。リンク部材6のカム穴6bにリンク部材7のピン7bが嵌合する。
【0013】
さらに、図2および図3に示すように、リンク部材6,7を連結するばね8によって、リンク部材6がボス4cを中心として時計回りの向きに回動付勢されており、リンク部材7がボス4dを中心として反時計回りの向きに回動付勢されている。リンク部材6,7が回動すると、ピン7bがカム穴6bの右端部に向けて移動し、ピン7aが長穴3bのストロークエンドまで移動し、ピン6aが長穴2bのストロークエンドまで移動して、ディスク検知レバー2,3およびリンク部材6,7の回動が停止し、図3に示す所定の開き位置でレバー部2aとレバー部3aが停止する。これが、ディスク挿排待機位置である。
【0014】
さらにディスク9が挿入されると、レバー部2a,3aがディスク9に当接してレバー部2aとレバー部3aとの間が開かれる。このとき、ディスク検知レバー2が時計回りの向きに回動し、ディスク検知レバー2に設けたカムが検知スイッチをオンすることで、ディスク9の挿入が検知される。これを契機として搬送ローラ5が回転を開始する。
【0015】
さらにディスク9が挿入されていくと、ディスク検知レバー2,3が回動することで、レバー部2a,3aがディスク9の外縁に沿って移動して、レバー部2aとレバー部3aとの間が押し広げられる。これに伴って、ピン7bがカム穴6bを左に移動し、レバー部2aとレバー部3aとの間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられるとディスク9が通過する。
【0016】
レバー部2aとレバー部3aとの間を通過したディスク9は、回転している搬送ローラ5によってさらに内部に送られる。ディスク9が所定量送られると、トリガーがかかり、ディスク9は、搬送ローラ5による保持が解除され、ターンテーブル10上に中心が合致した状態で降下し、クランパによってターンテーブル10に保持される。この後、光ピックアップ11によってディスク9の再生が行われる。
【0017】
図4は、ディスク排出時の実施の形態1に係るディスク装置の平面図である。再生位置まで搬送されたディスク9を排出する場合、まず、クランプレバー13を稼働させてクランパ12によるターンテーブル10へのディスク9のクランプを解除する。このクランプレバー13の動きに同期してローラ支持部材5aが回動し、搬送ローラ5が上昇してディスク9に接触する。この後、ディスク9は、回転する搬送ローラ5によって図4の矢印Qの方向に搬送される。ディスク9が排出方向に搬送されてくると、レバー部2a,3aがディスク9に当接して、レバー部2aとレバー部3aとの間が押し開かれる。
【0018】
さらにディスク9が排出されていくと、それに伴ってディスク検知レバー2,3が回動して、レバー部2a,3aがディスク9の外縁に沿って移動し、レバー部2aとレバー部3aとの間がさらに押し広げられる。このとき、図3に示したピン7bがカム穴6bを左に移動して、レバー部2aとレバー部3aとの間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられる。これにより、ディスク9がディスク装置1の外部へ排出される。
【0019】
図5は、挿入時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図であり、従来のディスク検知レバーのレバー部を本発明に係るレバー部2a,3aと区別するため、符号2a’,3a’を付している。なお、レバー部以外の機構自体は、本発明も従来と同様である。図5(a)は、ディスク9が矢印Pの方向に挿入された際のレバー部2a’,3a’およびディスク9を示している。図5(a)および図5(b)に示すように、従来のレバー部2a’,3a’は、上面が略三角形の三角柱形状をしている。
【0020】
ディスク9をディスク挿入口から矢印P方向に挿入すると、図5(a)に示すように、ディスク挿排待機位置におけるディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’の上面の辺2a−1,3a−1を含む周面にディスク9が当接する。
さらにディスク9が挿入されると、レバー部2a’,3a’は、上記辺2a−1,3a−1を含む周面の一部がディスク9に当接しながらその外縁を摺動していき、これに伴ってディスク検知レバー2が矢印Aの方向に回動し、ディスク検知レバー3が矢印Bの方向に回動する。これにより、ディスク9の挿入に併せてレバー部2a’とレバー部3a’との間が開かれる。
【0021】
この後、ディスク9がさらに挿入されていくと、レバー部2a’,3a’は、図5(b)に示すように、その稜線2a−2,3a−2がディスク9に当接しながらその外縁を摺動する。レバー部2a’とレバー部3a’との間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられると、ディスク9が通過してディスク装置1内に搬送される。
このように、ディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’において、挿入時のディスク9の検知に寄与する部分は、挿入されたディスク9に当接する上面の辺2a−1,3a−1を含む周面および稜線2a−2,3a−2である。
【0022】
図6は、排出時のディスクと従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図であり、図5と同様に従来のディスク検知レバーのレバー部に符号2a’,3a’を付している。なお、レバー部以外の機構自体は、本発明も従来と同様である。図6(a)は、ディスク装置1の内部に搬送されたディスク9を、矢印Qの方向に排出した際のレバー部2a’,3a’およびディスク9を示している。
【0023】
ディスク9を矢印Qの方向に搬送すると、ディスク9が、図6(a)に示すように、ディスク挿排待機位置におけるディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’の上面の線分2a−3,3a−3を含む周面の一部に当接する。なお、この線分2a−3,3a−3を含む周面は、レバー部2a’,3a’の上面の三角形の一辺(内部側の辺)におけるディスク9の円との接点から、稜線2a−2,3a−2を規定する頂点までの線分に相当する。
【0024】
この後、ディスク9がさらに矢印Qの方向に搬送されると、レバー部2a’,3a’は線分2a−3,3a−3を含む周面の一部がディスク9に当接ながら摺動していき、これに伴ってディスク検知レバー2が矢印Aの方向に回動し、ディスク検知レバー3が矢印Bの方向に回動していく。これにより、ディスク9の排出に併せてレバー部2a’とレバー部3a’との間が開かれる。
【0025】
ディスク9がさらに搬送されていくと、レバー部2a’,3a’が、図6(b)に示すように、その稜線2a−2,3a−2にディスク9が当接しながら摺動する。この後、レバー部2a’とレバー部3a’との間がディスク9の直径の間隔まで押し広げられると、ディスク9が通過してディスク挿入口から排出される。
このように、ディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’において、排出時のディスク9の検知に寄与する部分は、排出方向に搬送したディスク9の外縁に当接する、上面の線分2a−3,3a−3(稜線2a−2,3a−2を含む)で規定される周面の一部である。
【0026】
図7は、カード形状の異物の排出時のディスク装置の平面図である。図7において、カード形状の異物14は、ディスク検知レバー2,3による検知を強制的に経させて、内部に誤挿入されたものである。このような異物14を排出する場合においても、通常のディスク9の場合と同様に、搬送ローラ5によって異物14が矢印Qの方向に搬送され、レバー部2a,3aに当接する。このとき、挿入物がディスク9のような円形状であれば、ディスク検知レバー2が、ボス4aを中心とした時計回りの向きに回動することで、レバー部2aが、挿入物の外縁に沿って矢印Aの方向に移動する。また、ディスク検知レバー3についても、ボス4bを中心とした反時計回りの向きに回動することで、レバー部3aが、挿入物の外縁に沿って矢印Bの方向に移動する。これにより、ディスク装置1の外部に挿入物を排出することができる。
しかしながら、カード形状の異物14のように、挿入物が、レバー部2a,3aの移動軌跡に張り出してその移動を妨げる外形状であると、レバー部2a,3aが挿入物の外縁に沿って矢印A,Bの方向へ移動できなくなる。
【0027】
図8は、排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示す平面図であり、図5と同様に、従来のディスク検知レバーのレバー部に符号2a’,3a’を付している。なお、レバー部以外の機構自体は、本発明も従来と同様である。また、図9は、排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を示す図であり、図7で示した矢印Rの方向から見た排出時の異物と従来のディスク検知レバーとの関係を概略的に示している。
【0028】
図8に示すように、ディスク装置1内に誤挿入された異物14を矢印Qの方向に搬送していくと、異物14が、ディスク挿排待機位置におけるディスク検知レバー2,3のレバー部2a’,3a’の稜線2a−4,3a−4の一部に当接する。このとき、異物14の外形がレバー部2a’,3a’の移動軌跡に張り出した形状であるため、レバー部2a’,3a’は、異物14の外縁に沿って移動することができない。従って、異物14は、ディスク装置1の内部にスタックされる。すなわち、図9に示すように、レバー部2a’,3a’が、搬送ローラ10の駆動力により排出方向(矢印Q)へ搬送される異物14の移動を規制するストッパとなってしまい、異物14が、レバー部2a’,3a’の稜線2a−4,3a−4の一部に当接した状態のままとなる。
【0029】
そこで、本発明では、ディスク検知レバー2,3のレバー部の形状を下記のごとく改良した。これにより、異物の外形がレバー部の移動軌跡に張り出した形状であっても確実に排出することができる。
図10は、実施の形態1に係るディスク検知レバーのレバー部を示す図である。実施の形態1に係るディスク検知レバー2,3のレバー部2a,3aは、図10(a)および図10(b)に示すように、その端部に傾斜面2a−5,3a−5を有する。
【0030】
傾斜面2a−5,3a−5は、レバー部2a,3aの端部における挿入時および排出時のディスク9が当接する部分を残し、カード形状の異物が当接する部分のみを傾斜させたものに相当する。すなわち、図10(a)で上方から示すように、挿排出時にディスク9が当接する、図5および図6に示したレバー部2a,3aの上面の辺2a−1,3a−1を含む周面、稜線2a−2,3a−2および上面の線分2a−3,3a−3を含む周面はそのまま維持するが、排出方向に搬送された異物14が当接する、図8に示したレバー部2a,3aの稜線2a−4,3a−4側に、図10(b)に示すようにディスク装置1の内部側に向かって下る傾斜面2a−5,3a−5を形成する。
【0031】
また、傾斜面2a−5,3a−5の最下点は、稜線2a−4,3a−4において、排出方向に搬送されてきた異物14が当接する部分と同一位置か、この位置よりも低い位置とする。このようすることで、排出方向に搬送されてきた異物14の外縁が、レバー部2a,3aの傾斜面2a−5,3a−5上を摺動していき、異物14が、レバー部2a,3aを乗り上げて排出される。
【0032】
このような傾斜面2a−5,3a−5を形成することで、正規のディスク9では、その外縁に沿ってレバー部2a,3aが移動することにより、ディスク9の挿排が行われる。その一方で、カード形状の異物14のような挿入物を傾斜面2a−5,3a−5を介してディスク装置1の外部へ排出する。
【0033】
図11は、実施の形態1に係るディスク装置によるカード形状の異物の排出処理を示す図であり、図7で示した矢印Rの方向から見た様子を概略的に示している。図11(a)に示すように、異物14は、搬送ローラ5によってレバー部2a,3aに当接するまで搬送される。このとき、異物14は、傾斜面2a−5,3a−5またはその最下点に当接する。傾斜面2a−5,3a−5の最下点は、異物14が当接する位置(搬送ローラ10の軸中心から高さaの位置)か、この位置よりも低い位置となる。なお、異物14を、確実にレバー部2a,3aを乗り上げる経路で排出するために、レバー部2a,3aの高さを従来よりも短くしてもよい。
【0034】
異物14の外形はレバー部2a,3aの移動軌跡に張り出した形状であるため、レバー部2a,3aは、その外縁に沿って移動できず、ディスク検知レバー2,3が、ディスク挿排待機位置から回動できない。このとき、搬送ローラ10の駆動力によって異物14がさらに搬送されてレバー部2a,3aを押す。これにより、図11(b)に示すように、異物14の当接部分が、搬送ローラ5の駆動力によって傾斜面2a−5,3a−5を摺動しながら上っていく。
【0035】
この後、図11(c)に示すように異物14がさらに搬送されていくと、異物14が、傾斜面2a−5,3a−5を介してレバー部2a,3aを乗り上げるようにしてディスク装置1の外部に排出される。このように、本発明は、挿排時にレバー部2a,3aが外縁に沿って移動可能なディスク9については水平面に平行な経路で挿排が行われるが、レバー部2a,3aの移動を規制する外形状の異物14については、レバー部2a,3aを乗り上げる経路で排出される。
【0036】
以上のように、この実施の形態1によれば、レバー部2a,3aが、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の異物14を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面2a−5,3a−5を備えるので、カード形状のような真円形状でない異物14が誤挿入された場合であっても当該異物14を確実に排出することができる。
【0037】
また、この実施の形態1によれば、レバー部2a,3aが、挿入または排出されるディスク9が当接する部分以外の、排出方向に搬送された異物14が当接する部分に傾斜面2a−5,3a−5を備えるので、レバー部2a,3aが外縁に沿って移動しながら挿排する正規のディスク9に関する動作を損なうことなく、レバー部2a,3aの外縁に沿った移動を規制する外形状の異物14について、レバー部2a,3aを乗り上げる経路で確実に排出することができる。
【0038】
上記実施の形態1では、カード形状の異物14を排出する場合を示したが、本発明は、レバー部2a,3aの移動軌跡に張り出した外形状を有する異物であれば、同様の効果を得ることができる。例えば、三角形状や星形状などの異物であっても的確に排出できる。
【0039】
なお、本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 ディスク装置、2,3 ディスク検知レバー、2a,3a レバー部、2b,3b 長穴、2a−1,3a−1 辺、2a−2,3a−2,2a−4,3a−4 稜線、2a−3,3a−3 線分、2a−5,3a−5 傾斜面、4 ベース樹脂部材、4a〜4d ボス、5 搬送ローラ、5a ローラ支持部材、6,7 リンク部材、6a,7a,7b ピン、6b カム穴、8 ばね、9 ディスク、10 ターンテーブル、11 光ピックアップ、12 クランパ、13 クランプレバー、14 異物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入または排出されるディスクに当接されてその外縁に沿って移動し、この移動に応じて前記ディスクの挿入または排出が検知されるレバー部を備えたディスク装置において、
前記レバー部は、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の挿入物を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面を備えることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記レバー部は、挿入または排出されるディスクが当接する部分以外の、排出方向に搬送された前記挿入物が当接する部分に前記傾斜面を備えることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【請求項1】
挿入または排出されるディスクに当接されてその外縁に沿って移動し、この移動に応じて前記ディスクの挿入または排出が検知されるレバー部を備えたディスク装置において、
前記レバー部は、当接されてもその外縁に沿って移動できない外形状の挿入物を、自身を乗り上げる経路で排出する傾斜面を備えることを特徴とするディスク装置。
【請求項2】
前記レバー部は、挿入または排出されるディスクが当接する部分以外の、排出方向に搬送された前記挿入物が当接する部分に前記傾斜面を備えることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−65384(P2013−65384A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204774(P2011−204774)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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