説明

ディスプレイデバイス

汎用データネットワークで、リモートデバイスに画像データを送信するためのディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスが、画像データを保存するフレームバッファメモリと;前記ディスプレイデバイスへの、及び前記ディスプレイデバイスからの画像データの双方向ネットワーク送信を維持して、前記フレームバッファメモリに対し、読み込み、又は書き込み可能なネットワークインターフェイスと;を具え、前記ネットワークインターフェイスが前記フレームバッファメモリの内容を前記ネットワークを介して少なくとも1のリモートデバイスに送信するディスプレイデバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔地でのディスプレイデバイスのモニタリングに関する。
【0002】
離れた場所からスクリーンを読み取れるようにする機能は多くの利点を有する。ユーザは、遠隔地からPCを操作することを望んでいる。教師は生徒の活動を確かめることを望んでいる。金融機関又はコールセンタは、従業員の活動を監視する必要がある。ヘルプデスクのアシスタントは、ユーザが電話で彼らに説明している問題を見る必要がある。2人又はそれ以上の人が電話会議中に同じディスプレイを見ることを望むかもしれない。このようなリモートビューイングを可能にするソフトウェアは入手可能であるが、ユーザのマシンにインストールされなければならず、現在使用中のオペレーティングシステムに依存し、一般的にオペレーティングシステムがブートする前、例えばPCの「CMOSセットアップ」スクリーンで、用いることができない。
【0003】
データネットワークのスピード及びユビキタス性が上がってコストが下がっているので、PCの後ろに差し込まれる従来の特化したケーブルを用いるよりも、ネットワークに直接様々なコンピュータの周辺機器を接続することが益々実行可能になる。我々は、デスクトップグラフィックを、USB、イーサネット、又はワイヤレスネットワークを介して付属のモニタ上に出力表示するネットワークビデオアダプタに送信できる製品を現在見始めている。現在のリモートビューイングシステムは、ディスプレイ技術のこれらの最近の開発の利点を得ていない。
【0004】
本発明によると、汎用データネットワークで、リモートデバイスに画像データを伝送するディスプレイデバイスが提供され、このディスプレイデバイスは:
画像データを保存するフレームバッファメモリと;
ディスプレイデバイスに、及びディスプレイデバイスから画像データの双方向ネットワーク送信を維持し、前記フレームバッファメモリに読み込み又は書き込み動作可能なネットワークインターフェイスと;を具え、
このネットワークインターフェイスが、ネットワークを介して少なくとも1のリモートデバイスにフレームバッファメモリの内容を送信することを特徴とする。
【0005】
有利なことに、このディスプレイデバイスは:視覚的に画像データを表示するディスプレイスクリーンと;ネットワークインターフェイスから画像データを受けて、このデータをピクセル値に変換するドライバ回路と;このピクセル値を得てディスプレイスクリーン上にこのピクセル値をラスタし、これによってディスプレイデバイス上に画像データを表示するラスタモジュールと;を更に具える。
【0006】
前記ネットワークインターフェイスは、ローカルディスプレイデバイスから命令を受けてデータを送信することが好ましい。
【0007】
代替として、前記ネットワークインターフェイスは、リモートデバイスから命令を受けてデータを送信する。
【0008】
前記リモートデバイスは、それ自身ディスプレイデバイスであってよい。代替として、前記リモートデバイスはレコーディングデバイスであってもよい。
【0009】
本発明の更なる態様によると、汎用データネットワークを介してリモートデバイスに画像データを送信する方法が提供され、この画像データは、ローカルディスプレイデバイス上に視覚的にも表示され、前記方法が:
ローカルディスプレイデバイスに表示するための画像データをフレームバッファメモリに保存するステップと;
ディスプレイデバイスに、及びディスプレイデバイスから画像データの双方向ネットワーク送信を維持するステップと;
前記フレームバッファメモリからデータを読み込むステップと;
前記ネットワークを介して少なくとも1のリモートデバイスに前記フレームバッファメモリの内容を送信するステップと;
を具える。
【0010】
この方法は:フレームバッファメモリから画像データを受けるステップと;この画像データをピクセル値に変換するステップと;ローカルディスプレイデバイスのディスプレイスクリーン上にピクセル値をラスタするステップと;を更に具えていてもよい。
【0011】
1の好適な代替例では、前記フレームバッファメモリの内容を送信するステップは:ローカルディスプレイデバイスから命令を受けるステップと;この命令によって内容を送信するステップと;を具える。
【0012】
別の代替例では、前記フレームバッファメモリの内容を送信するステップは:リモートデバイスから命令を受けるステップと;この命令によって内容を送信するステップと;を具える。
【0013】
本発明は、標準的な映像と、ネットワークビデオアダプタを用いることによる画面のリモート読み込み用のネットワーク接続との双方を有するモニタを提供し、このネットワークビデオアダプタは、モニタ自身に組み込まれている。このようなモニタは、VGA、DVI、又はS−Video等の映像接続規格から、又はUSB、イーサネット、IEEE−1394、Bluetooth、802.11又はUWBワイヤレス等の汎用データネットワークを介して、そのデータを受け取る。このモニタは、ユーザの制御の下で、おそらくフロントパネル上の選択ボタンを介して、又は自動で、2種類の接続間を切り換えてもよく、又はこの2つのやり方を、何らかの方法で統合してもよい。1つの例は、ネットワークで送られる全社的なアナウンスが、ユーザのスクリーン(通常の使用のためのPCに付属している)上に短く出現する場合であろう。
【0014】
しかし、ほとんどの従来型の映像接続とほとんどの汎用ネットワークの重要な差異は、後者が双方向であることである。これらは、データの送信と受信の双方に用いることができる。従って、ネットワーク接続を有するディスプレイは、別の場所にそのスクリーンの内容を送信することができ、同様に、別の場所から内容を受けることができるという結果となる。例えば、1の場所から更新を受け取り、それを別の場所に送ることさえできる。これは、画面上のデータのインテグリティが重要であり、送られた後に再読込されることによって内容を確認しなければならない状況で重要である。
【0015】
このモニタは、従来型の(例えば、VGA)又はネットワーク接続でスクリーンの更新を受けて、このネットワーク接続でスクリーンの内容を離れた場所に送信することができる。この機能をユーザのスクリーンに構築することによって、従来のシステム(例えば、オペレーティングシステムへの依存及びユーザのシステムにソフトウェアをインストールする必要性)の制限を受けることなく、可能にすることができる。
【0016】
多くの状況で、離れたオペレータがユーザの画面を視認できるようにすることに関し、セキュリティ及びプライバシーに関する懸念がある。これは、この機能がユーザの明確なリクエストによって、例えば、モニタの構成メニューの選択枝を選択することによってのみ可能になるようにすることが重要である。スクリーンがリモートエンドで開始されるプロセスによって読み込まれるよりも、ユーザがモニタの内容を特定の場所に送り始めるようにしてもよい。或いは、警告灯、又はスクリーンディスプレイの変化といったいくつかの視覚的インジケータを用いて、スクリーンが検査された場合に表示されるようにしてもよい。
【0017】
本発明を用いて、2つのスクリーンをネットワークを介して「直接」接続することが可能であり、その結果、1のスクリーンの内容が、介在するコンピュータを必要とすることなく別のスクリーンに示される。このような接続は、いずれの側からも、又はネットワークの別のエンティティにより開始することができる。
【0018】
図1を参照すると、PC100は、VGA又はDVI102等の映像接続規格によってPC100に接続されるモニタ103を有する。このモニタは、ネットワークケーブル又はワイヤレスリンク104を介して汎用データネットワーク105にも接続される。また、第2のモニタ106もネットワークに接続されている。第1のディスプレイ103の内容は、従来の接続102で作られて更新されるが、データネットワーク105を通って第2のモニタ106に画像データ101として送られる。この構成は、ネットワーク上の別のエンティティによって、それ自体がネットワークに接続されたモニタの1つによって、又はPC100のソフトウェアによって作られて実行される。
【0019】
モニタ103は、フレームバッファメモリを具え、これはディスプレイの内容を維持するのに用いられ、PC100で用いられる従来のインターフェイスによって、又はネットワークインターフェイスを介して書き込まれ、ネットワークインターフェイスによって読み込まれる。図2は、このような実装におけるモニタ103の内部構造を示す。この「ドライバ」回路201は、PC100又はその他のソースからビデオ信号を得て、このビデオ信号を、おそらくデジタル−アナログ変換、スケーリング、色補正、又はこのプロセス内でのその他の変換を実行して、表示されるピクセル値に変換する。これらのピクセル値は、フレームバッファメモリ202に、画像データ101として保存される。モジュール204が、これらのピクセル値を取得し、ディスプレイパネル205上にこれらのピクセル値をラスタする(又は他に動作する)。
【0020】
また、ネットワークインターフェイスモジュール203は、フレームバッファメモリ202から読み込まれる、又はフレームバッファメモリ202に書き込むことができ、おそらく圧縮及び暗号化された内容(画像データ101)をネットワーク105を介して1又はそれ以上の離れた場所に送信するように構成されるか、リクエストされる。この送信は、例えば、フレームバッファ202の内容が更新される場合に、ローカルディスプレイデバイス103の回路によって、又はPC100のユーザによって、又はリモート受信側エンティティ(図1のディスプレイ106等)によって、又はPC100を含む、ネットワーク上のいくつかの他のエンティティによって開始される。
【0021】
また、ディスプレイのその他の態様は、ネットワーク全体で報告されてもよい。例として、ディスプレイのスイッチを切る又はスタンバイ省電力モードにした場合、データを受けていたその他のディスプレイもまたスイッチを切る、又はスタンバイ省電力モードになるようにネットワークで信号を送るようにしてもよい。入力信号を異なる解像度に変更した場合には、モニタに同様のことが生じ、同じことをするようにリモートディスプレイに命令するようにしてもよい。
【0022】
前記リモートデバイスは、実際にはディスプレイである必要はない。このリモートデバイスは、ソフトウェアの一部又はレコーディングデバイスといったいくつかの他のデバイスであってよい。リモートデバイスは受けた内容を表示するが、例えばディスプレイストリームをディスクに保存すること、異なるコンテキスト(異なる解像度のデバイス上等)で用いるために修正すること、又はスクリーン上で動作量を分析するといったいくつかの分析を実施すること等のいくつかの他の方法で受けた内容を処理してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の例は、添付の図面を参照して詳細に記載される。
【0024】
【図1】図1は、本発明が好適であるネットワーク構成を示す。
【図2】図2は、本発明による監視可能なディスプレイデバイスの構成要素を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用データネットワークで、リモートデバイスに画像データを送信するためのディスプレイデバイスにおいて、前記ディスプレイデバイスが:
前記画像データを保存するフレームバッファメモリと;
前記ディスプレイデバイスへの、及び前記ディスプレイデバイスからの画像データの双方向ネットワーク送信を維持して、前記フレームバッファメモリに対し読み込み、又は書き込み可能なネットワークインターフェイスと;を具え、
前記ネットワークインターフェイスが、前記フレームバッファメモリの内容を前記ネットワークを介して少なくとも1のリモートデバイスに送信することを特徴とするディスプレイデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のディスプレイデバイスが更に:
画像データを視覚的に表示するディスプレイスクリーンと;
前記ネットワークインターフェイスから前記画像データを受け取り、前記データをピクセル値に変換するドライバ回路と;
前記ピクセル値を取得し、これらを前記ディスプレイスクリーン上にをラスタし、これによって前記ディスプレイデバイス上に前記画像データを表示させるラスタモジュールと;
を具えることを特徴とするディスプレイデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のディスプレイデバイスにおいて、前記ネットワークインターフェイスが、前記ローカルディスプレイデバイスから命令を受けてデータを送信することを特徴とするディスプレイデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のディスプレイデバイスにおいて、前記ネットワークインターフェイスが、前記リモートデバイスから命令を受けてデータを送信することを特徴とするディスプレイデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のディスプレイデバイスにおいて、前記リモートデバイスが、ディスプレイデバイスであることを特徴とするディスプレイデバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のディスプレイデバイスにおいて、前記リモートデバイスが、レコーディングデバイスであることを特徴とするディスプレイデバイス。
【請求項7】
汎用データネットワークでリモートデバイスに画像データを送信する方法において、前記画像データがローカルディスプレイデバイス上にも視覚的に表示され、前記方法が:
ローカルディスプレイデバイス上の表示用の画像データをフレームバッファメモリに保存するステップと;
前記ディスプレイデバイスに、及び前記ディスプレイデバイスからの画像データの双方向ネットワークを維持するステップと;
前記フレームバッファメモリからデータを読み込むステップと;
ネットワークデバイスを介して少なくとも1のリモートデバイスに前記フレームバッファメモリの内容を送信するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法が:
前記フレームバッファメモリから前記画像データを受け取るステップと;
前記画像データをピクセル値に変換するステップと;
前記ローカルディスプレイデバイスのディスプレイスクリーン上に前記ピクセル値をラスタするステップと;
を更に具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法において、前記フレームバッファメモリの内容を送信するステップが:
前記ローカルディスプレイデバイスから命令を受けるステップと;
前記命令によって前記内容を送信するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項7に記載の方法において、前記フレームバッファメモリの内容を送信するステップが:
前記リモートデバイスから命令を受けるステップと;
前記命令によって前記内容を送信するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項7に記載の方法において、前記リモートデバイスが、ディスプレイデバイスであることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項7に記載の方法において、前記リモートデバイスが、レコーディングデバイスであることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−507249(P2009−507249A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525643(P2008−525643)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003006
【国際公開番号】WO2007/020399
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.イーサネット
【出願人】(508039548)ディスプレイリンク(ユーケイ)リミテッド (3)
【Fターム(参考)】