説明

ディスプレイ装置および3Dメガネ、そしてこれを含むディスプレイシステム

【課題】 本発明の目的は、3Dメガネと連動するディスプレイ装置において、提供される映像に合ったオーディオが提供できるディスプレイ装置を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、ディスプレイ装置および3Dメガネ、そしてこれを含むディスプレイシステムに関し、本発明に係るディスプレイ装置と連動する3Dメガネは、外部ディスプレイ装置から同期信号およびオーディオ信号を受信する無線受信部と、受信した同期信号に従ってシャッターを駆動するシャッター駆動部と、受信したオーディオ信号を処理して出力するオーディオ出力部とを含む。これにより、ディスプレイ装置を通じて視聴する映像に対応するオーディオを選択して聴取し、干渉されることなく、別個のコンテンツを鑑賞することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置および3Dメガネ、そしてこれを含むディスプレイシステムに関し、より詳細には、互いに連動するディスプレイ装置および3Dメガネを含むディスプレイシステムにおいて、オーディオ信号の効果的な送受信のためのディスプレイ装置および3Dメガネ、そしてこれを含むディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
3D技術の発展とともに、3D映像技術を応用した多様な装置が登場している。3Dカメラのような3D製作関連装置をはじめ、3D映像が視聴可能な3DTVと、それと連動して立体感のある映像を実現する3Dメガネが代表的である。
【0003】
最近では、映画やドキュメンタリのようなエンターテイメントコンテンツが3D技術で製作されて世界的な脚光を浴びており、特に、3Dで製作された映画は記録的な観客動員数を示している。それに伴い、3Dコンテンツを開発するエンターテイメント業者間の競争は更に激化し、3D映像装置を生産するメーカらも技術の確保に躍起になっている。
【0004】
この3D映像は、今や電波を通じて茶の間に浸透しつつある。3D映像提供装置は、既に普及段階にあり、これにより3D映像の質的向上と視聴の便宜性の増大を求める視聴者の声が一段と高くなっている。
【0005】
茶の間に普及した3D映像の視聴のためのシステムの中核を占めているのは、3DTVのような3D映像提供装置、そして3D映像提供装置と連動して立体感のある映像を提供するための3Dメガネであろう。3D映像提供装置と3Dメガネは限られた空間で連動し、視聴者に立体映像を提供する。
【0006】
一方、3Dメガネと連動する3D映像提供装置を用いて、複数のユーザに互いに異なるコンテンツを提供できるようになる。ところが、映像に関しては、3Dメガネを制御することにより、複数のユーザが互いに異なるコンテンツを視聴できるが、オーディオに関しては複数のユーザに互いに異なるオーディオを提供しにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特開第2006−7003795号公報
【特許文献2】日本特開第2009−500672号公報
【特許文献3】韓国特開第2008−0050821号公報
【特許文献4】韓国特開第2003−0036737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、3Dメガネと連動するディスプレイ装置において、提供される映像に合ったオーディオが提供できるディスプレイ装置を提供することにある。
【0009】
一方、本発明の別の目的は、複数のコンテンツに対する映像を提供するディスプレイ装置と連動する3Dメガネにおいて、提供される映像に合ったオーディオを選択して出力できる3Dメガネを提供することにある。
【0010】
そして、本発明の更に別の目的は、複数の映像をそれぞれ視聴する複数のユーザが映像に合ったオーディオを選択して聞くことができるディスプレイシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成ための本発明の一実施形態に係る3Dメガネは、外部ディスプレイ装置と連動する3Dメガネにおいて、前記外部ディスプレイ装置から同期信号およびオーディオ信号を受信する無線受信部と、前記受信した同期信号に従ってシャッターを駆動するシャッター駆動部と、前記受信したオーディオ信号を処理して出力するオーディオ出力部とを含む。
【0012】
そして、前記シャッター駆動部は、前記外部ディスプレイ装置が互いに異なるコンテンツに該当する複数の映像を表示する場合、前記同期信号に対応して前記複数の映像のうちいずれか一つのみがユーザに見せられるようにシャッターを駆動することが望ましい。
【0013】
なお、前記オーディオ信号は、前記複数の映像に対応する複数のチャネルのオーディオ信号であり、前記オーディオ出力部は、前記受信した複数のチャネルのオーディオ信号のうち、ユーザに見せられる映像に該当するオーディオ信号を出力することが望ましい。
【0014】
そして、本実施形態に係る3Dメガネは、ユーザからチャネルの選択を入力されるチャネル選択部を更に含み、前記オーディオ出力部は、前記チャネル選択部を介して選択されたチャネルに該当するオーディオ信号を出力することが望ましい。
【0015】
なお、前記外部ディスプレイ装置は、複数の映像を交互に出力するディスプレイ装置であって、前記同期信号は、前記複数の映像のうちいずれか一つの映像が出力されるタイミングと同期化した信号であることが望ましい。
【0016】
そして、前記備えられたシャッターは左眼シャッターおよび右眼シャッターを含み、前記シャッター駆動部は、前記同期信号に従って左眼シャッターおよび右眼シャッターの開閉を同時に駆動させることが望ましい。
【0017】
なお、前記無線受信部は、Zigbee規格に従って前記オーディオ信号を受信することが望ましい。
【0018】
一方、上述の目的を達成するための本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置は、3Dメガネと通信するディスプレイ装置において、複数の映像を信号処理する信号処理部と、信号処理された複数の映像を出力するディスプレイ部と、前記複数の映像に該当する同期信号およびオーディオ信号を前記3Dメガネに伝送する通信部とを含む。
【0019】
そして、前記ディスプレイ部は、互いに異なるコンテンツに該当する複数の映像を表示することが望ましい。
【0020】
なお、前記オーディオ信号は、前記複数の映像に対応する複数のチャネルのオーディオ信号であることが望ましい。
【0021】
そして、前記同期信号は、前記複数の映像のうちいずれか一つの映像が出力されるタイミングと同期化した信号であることが望ましい。
【0022】
なお、前記通信部は、Zigbee規格に従ってオーディオ信号を伝送することが望ましい。
【0023】
一方、上述の目的を達成するための本発明の別の実施形態に係るディスプレイ装置は、複数の映像信号および前記複数の映像信号のそれぞれに対応する複数のオーディオ信号を受信する受信部と、前記受信された複数の映像を順次に繰り返し出力するディスプレイ部と、前記複数の映像信号それぞれの出力タイミングに同期化した同期信号を生成する同期信号生成部と、複数の外部機器との通信を行なう通信部と、前記通信部を介して前記複数のオーディオ信号および前記複数の同期信号を複数の外部機器に伝送する制御部とを含む。
【0024】
そして、前記制御部は、前記複数のオーディオ信号を多チャネルに合成し、前記通信部を介して前記複数の外部機器に伝送することが望ましい。
【0025】
なお、前記制御部は、前記複数の映像のうちいずれか一つの映像に該当する同期信号およびその映像に対応するオーディオ信号を同時に伝送することが望ましい。
【0026】
そして、前記受信部が受信する映像は、外部から無線で受信された映像または前記ディスプレイ装置に有線で接続された外部装置から受信される映像であることが望ましい。
【0027】
なお、前記同期信号は、前記複数の映像のうちいずれか一つの映像が、前記ディスプレイ部に出力されるタイミングと同期化した信号であることが望ましい。
【0028】
そして、前記複数の外部機器は3Dメガネであり、前記3Dメガネは前記ディスプレイ装置と連動することが望ましい。
【0029】
一方、上述の目的を達成するための本発明の更に別の実施形態に係る3Dメガネは、外部ディスプレイ装置と連動する3Dメガネにおいて、前記外部ディスプレイ装置から同期信号およびオーディオ信号を受信する無線受信部と、前記受信した同期信号に従ってシャッターを駆動するシャッター駆動部と、前記受信した同期信号に対応する映像に該当するオーディオ信号を選択して出力するオーディオ出力部とを含む。
【0030】
そして、前記オーディオ信号は、前記外部ディスプレイ装置から出力される複数の映像に対応する複数のオーディオ信号が多チャネルに合成された信号であり、前記オーディオ出力部は、前記受信した多チャネルオーディオ信号のうちいずれか一つを選択して、選択されたオーディオ信号を出力することが望ましい。
【0031】
そして、本発明の一実施形態に係る3Dメガネは、ユーザからチャネルの選択を入力されるチャネル選択部を更に含み、前記オーディオ出力部は、前記多チャネルオーディオ信号のうち、チャネル選択部を介して選択されたチャネルに該当するオーディオ信号を出力することが望ましい。
【0032】
そして、前記オーディオ信号は、前記受信した同期信号に対応する映像に該当するオーディオ信号であり、前記オーディオ出力部は、前記受信したオーディオ信号をそのまま出力することが望ましい。
【0033】
なお、前記外部ディスプレイ装置は複数の映像を交互に出力するディスプレイ装置であって、前記同期信号は、前記複数の映像のうちいずれか一つの映像が出力されるタイミングと同期化した信号であることが望ましい。
【0034】
そして、前記シャッター駆動部は、前記同期信号に基づいて、備えられたシャッターを駆動させることが望ましい。
【0035】
なお、前記備えられたシャッターは左眼シャッターおよび右眼シャッターを含み、前記シャッター駆動部は、前記同期信号に従って左眼シャッターおよび右眼シャッターの開閉を同時に駆動させることが望ましい。
【0036】
一方、上述の目的を達成するための本発明の一実施形態に係るディスプレイシステムは、複数の映像を交互に出力するディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置と連動する3Dメガネとを含み、前記ディスプレイ装置は3Dメガネに同期信号およびオーディオ信号を伝送し、前記3Dメガネは前記受信した同期信号に対応する映像に該当するオーディオ信号を選択して出力する。
【0037】
なお、前記オーディオ信号は、前記ディスプレイ装置から出力される複数の映像に対応する複数のオーディオ信号が多チャネルに合成された信号であり、前記3Dメガネは、前記受信した多チャネルオーディオ信号のうちいずれか一つを選択し、選択されたオーディオ信号を出力することが望ましい。
【0038】
そして、前記オーディオ信号は、前記3Dメガネが受信した同期信号に対応する映像に該当するオーディオ信号であり、前記3Dメガネは、前記受信したオーディオ信号をそのまま出力することが望ましい。
【0039】
なお、前記同期信号は、前記ディスプレイ装置から出力される複数の映像のうちいずれか一つの映像が出力されるタイミングと同期化した信号であり、前記3Dメガネは、前記受信した同期信号に従って備えられたシャッターを制御することが望ましい。
【発明の効果】
【0040】
上述した本発明の実施形態に係るディスプレイ装置および3Dメガネによると、ディスプレイ装置を通じて視聴する映像に対応するオーディオを選択して聴取できるようになる。これにより、複数のユーザが互いに干渉されることなく、別個のコンテンツを鑑賞することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスプレイシステムの環境を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る3Dメガネの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る3Dメガネの動作を説明するための図である。
【図6A】オーディオ出力が可能な3Dメガネの例を示す図である。
【図6B】オーディオ出力が可能な3Dメガネの例を示す図である。
【図6C】オーディオ出力が可能な3Dメガネの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るディスプレイシステムの環境を示す図である。本実施形態に係るディスプレイシステムは、ディスプレイ装置100および複数の3Dメガネ300、310で構成される。
【0043】
ディスプレイ装置100は、複数のコンテンツを交互に出力する機能をもつ。これを用いて、ディスプレイ装置100は左眼映像および右眼映像でない、互い異なるコンテンツを交互に出力し、二つ以上の3Dメガネ300、310で左眼シャッターおよび右眼シャッターの同時開閉を用いることにより、二つ以上のユーザが互いに異なるコンテンツを視聴できるようにする。以下では、このように、左眼映像および右眼映像でない、互いに異なるコンテンツを交互に出力して2以上のユーザが互いに異なるコンテンツを鑑賞できるモードをデュアルビューモード(Dual View Mode)と称して説明する。
【0044】
一方、立体映像サービスを提供する場合、ディスプレイ装置100は左眼映像と右眼映像とを交互に出力し、その出力タイミングと同期化した同期信号を3Dメガネに赤外線送信する。3Dメガネ300、310はディスプレイ装置100から赤外線受信した同期信号に基づいて、左眼シャッターと右眼シャッターの開閉を交互に駆動し、ユーザに立体感のある映像を提供する。
【0045】
図1は、デュアルビューモードで互いに異なる映像を交互に出力する方式を示す。図1に示すように、ディスプレイ装置100は、第1のコンテンツ100−1および第2のコンテンツ100−2を交互に出力するようになる。即ち、60Hz、120Hzまたは240Hzなどのタイミングで、第1のコンテンツ100−1および第2のコンテンツ100−2がディスプレイ装置100のディスプレイ部に交互に出力される。
【0046】
このとき、ディスプレイ装置100はそれぞれのコンテンツ100−1、100−2の出力タイミングと同期化した同期信号をそれぞれの3Dメガネに無線で伝送する。即ち、第1のコンテンツ100−1を視聴しようとする第1の3Dメガネ300には、ディスプレイ装置100のディスプレイ部から第1のコンテンツ100−1が出力されるタイミングに同期化した第1の同期信号が伝送され、第2のコンテンツ100−2を視聴しようとする第2の3Dメガネ310には、ディスプレイ装置100のディスプレイ部から第2のコンテンツ100−2が出力されるタイミングに同期化した第2の同期信号が伝送される。このような伝送は、赤外線信号またはRF信号を用いて行なわれる。
【0047】
そして、第1の3Dメガネ300は、受信した第1の同期信号に基づいて、ディスプレイ装置100のディスプレイ部に第1のコンテンツ100−1が出力される際には備えられている左眼シャッターと右眼シャッターとを同時にオープンし、次いで、ディスプレイ装置100のディスプレイ部に第2のコンテンツ100−2が出力される際には左眼シャッターおよび右眼シャッターを同時にクローズする。
【0048】
同様に、第2の3Dメガネ310は、受信した第2の同期信号に基づいて、ディスプレイ装置100のディスプレイ部に第1のコンテンツ100−1が出力される際には備えられている左眼シャッターと右眼シャッターとを同時にクローズし、次いで、ディスプレイ装置100のディスプレイ部に第2のコンテンツ100−2が出力される際には左眼シャッターおよび右眼シャッターを同時にオープンする。
【0049】
このような過程を経て、第1の3Dメガネ300を着用したユーザは第1コンテンツ100−1のみを鑑賞するようになり、第2の3Dメガネ310を着用したユーザは第2コンテンツ100−2のみを鑑賞できるようになる。
【0050】
上述の複数のコンテンツに対応する映像伝送と違って、オーディオ伝送においては別の方法が用いられる。即ち、二つ以上のユーザが同じ空間内で一つのディスプレイ装置を通じてコンテンツを鑑賞しているため、互いに異なるオーディオ信号が同時に出力されることは望ましくない。従って、本発明の一実施形態に係るディスプレイシステムでは、ディスプレイ装置100は第1のコンテンツ100−1に対応する第1のオーディオ信号を第1の3Dメガネ300に無線で伝送し、第2のコンテンツ100−2に対応する第2のオーディオ信号は第2の3Dメガネ310に無線で伝送できる。
【0051】
なお、その一方で、ディスプレイ装置100は、第1のコンテンツ100−1に該当する第1のオーディオ信号および第2のコンテンツ100−2に該当する第2のオーディオ信号を多チャネルに合成して複数の3Dメガネ300、310に伝送し、それぞれの3Dメガネが視聴しようとするコンテンツに該当するオーディオ信号のチャネルを選択することにより、当該コンテンツに対応するオーディオ信号を聴取できるようになる。選択されたチャネルに該当するオーディオ信号は受信された同期信号に対応するコンテンツに含まれたオーディオ信号、即ち、3Dメガネを着用したユーザに見せられる映像に該当するオーディオ信号となる。
【0052】
上述の説明において、ディスプレイ装置100は3Dディスプレイ装置のような3Dコンテンツを提供する映像出力装置であることが望ましいが、複数のコンテンツを交互に出力可能なディスプレイ装置なら、これに限ることなく、3D映像を出力しない如何なるディスプレイ装置でも構わない。なお、本システムにおいて、二つの3Dメガネを想定して説明したが、三つ以上のコンテンツを提供するディスプレイ装置100なら、3Dメガネの個数も三つ以上で構成され得ることは当業者には自明である。
【0053】
これまで、二つ以上のコンテンツを鑑賞できるディスプレイシステムについて説明してきたが、以下では、そのシステムを構成するディスプレイ装置および3Dメガネについて、その装置別に詳細に説明する。
【0054】
図2は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るディスプレイ装置100は、受信部120と、デマルチプレクサ130と、映像処理部140と、ディスプレイ部150と、オーディオ処理部160と、オーディオ出力部170と、制御部180と、通信部190および同期信号生成部195を含む。
【0055】
受信部120は、アンテナ110を介して無線で映像コンテンツを受信したり、外部装置115を介して有線で映像コンテンツを受信する機能をもつ。ここで、外部装置115とは、DVDやセットトップボックスのような映像コンテンツが提供できる装置のことをいう。一方、受信する映像コンテンツは2D映像および3D映像を含み、二つ以上の映像コンテンツが受信され得る。その後、受信部120は、受信した映像コンテンツをデマルチプレクサ130に提供する。
【0056】
デマルチプレクサ130は、受信部120から受信した映像コンテンツ信号を映像信号及びオーディオ信号に分離して、それぞれ映像処理部140およびオーディオ処理部160に出力し、映像処理部140はデマルチプレクサ130から分離された映像信号を復号化し、ディスプレイ部150で出力可能なフォーマットの映像信号に変換し、変換された映像信号をディスプレイ部150に提供する。そして、オーディオ処理部160はデマルチプレクサ130から分離されたオーディオ信号をデコーディングして、オーディオ出力部170で出力可能なフォーマットのオーディオ信号に変換してオーディオ出力部170に提供する。
【0057】
一方、オーディオ処理部160は、複数の映像コンテンツに含まれたそれぞれのオーディオ信号を以下に説明する通信部190を介して外部機器、即ち、3Dメガネに伝送する場合、多チャネルオーディオ信号に合成して伝送する場合には、受信された複数のオーディオ信号を多チャネルオーディオ信号に合成できる。
【0058】
ディスプレイ部150は、映像処理部140から提供された映像信号を出力する機能をもつ。特に、デュアルビューモードで複数の映像コンテンツに該当する映像信号が入力された場合、複数の映像信号を交互に出力して複数のユーザに複数の映像コンテンツを提供できる。
【0059】
オーディオ出力部170は、オーディオ処理部160から受信したオーディオ信号を出力してユーザに提供する。
【0060】
制御部180は、ディスプレイ装置100の全般的な動作に関与し、受信部120と、デマルチプレクサ130と、映像処理部140と、ディスプレイ部150と、オーディオ処理部160と、オーディオ出力部170と、通信部190および同期信号生成部195の動作を制御する機能をもつ。
【0061】
特に、制御部180は同期信号生成部195を制御し、映像処理部140から受信した映像信号をディスプレイ部150に出力するうえで、出力されるタイミングに同期化した同期信号を生成する。生成された同期信号は通信部190を介して3Dメガネのような外部機器に伝送される。なお、通信部190を介してオーディオ処理部160で処理された複数のオーディオ信号を複数の3Dメガネのような外部機器にそれぞれ伝送したり、オーディオ処理部160で処理された多チャネルオーディオ信号を外部機器に伝送する機能をもつ。
【0062】
通信部190は、制御部180の制御により、同期信号または複数のオーディオ信号を外部機器に伝送する機能をもつ。
【0063】
同期信号生成部195は、ディスプレイ部150に映像を出力されるタイミングに同期化した同期信号を生成し、これを3Dメガネなどの外部機器に伝送することにより、ディスプレイ装置100と外部機器が連動できるようにする。
【0064】
前記ディスプレイ装置100の構成に関する説明において、通信部190を介して同期信号またはオーディオ信号を外部機器に伝送するものとして想定して説明してきたが、同期信号生成部195から生成された同期信号の場合、RF(Radio Frequency)信号でないIR(Infrared Radio)信号を用いることもできるため、通信部190はIR伝送およびRF伝送ができるように構成されている。これとは異なる実施形態においては、通信部190がRF送信部とIR送信部とで別途に構成されることもできる。このような変形は、当業者に自明である。
【0065】
図3は、本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置の動作を説明するための図である。本実施形態に係るディスプレイ装置は、放送受信部200と、放送受信部210と、信号処理部230と、デュアルビュー(Dual View)合成部240と、ディスプレイ部250および通信部260を備える。
【0066】
本実施形態に係るディスプレイ装置は、二つ以上のコンテンツを出力するために複数の受信部を備える。放送受信部200および放送受信部210を介して受信される放送コンテンツは、互いに異なるコンテンツでもよく、なお、有線または無線で接続された外部装置220から映像とオーディオとを含むコンテンツを受信することもできる。以下では、コンテンツAおよびコンテンツBの二つのコンテンツを受信するものとして想定して説明する。
【0067】
信号処理部230は、複数の受信部200、210、220から受信した複数のコンテンツに含まれた映像信号およびオーディオ信号を分離し、デコーディングしてディスプレイ部250に表示可能な映像信号に変換したり、出力可能なオーディオ信号に変換する機能をもつ。一方、オーディオ信号を外部に伝送するうえで、複数のコンテンツからオーディオ信号を抽出し、これを多チャネルに合成して多チャネルオーディオ信号を生成することもできる。
【0068】
即ち、信号処理部230は、コンテンツAに対応するオーディオ信号AおよびコンテンツBに対応するオーディオ信号Bを多チャネルに合成した多チャネルオーディオ信号(A+B)を生成し、このように生成された多チャネルオーディオ信号(A+B)は、通信部260を介して無線で外部機器に伝送される。
【0069】
そして、コンテンツAおよびコンテンツBに含まれていた映像信号Aおよび映像信号Bを提供されるデュアルビュー合成部240は、各映像信号が含まれるフレームを交互に出力できるように映像処理する。デュアルビュー合成部240で処理されたデュアルビュー合成映像(A+B)は、ディスプレイ部250を介して出力される。このとき、ディスプレイ部250を介して出力される映像は、コンテンツAに含まれたフレームとコンテンツBに含まれたフレームとが交互に出力される映像である。
【0070】
以上では、図1で示されたシステムを構成するディスプレイ装置100に着目して説明してきたが、以下では図4を参照して本システムの別の構成である3Dメガネ300、310に着目してより詳細に説明する。
【0071】
図4は、本発明の一実施形態に係る3Dメガネ300、310の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る3Dメガネ300、310は、無線受信部320と、オーディオ処理部330、オーディオ出力部340と、制御部350と、チャネル選択部360と、シャッター駆動部370と、右眼シャッター380および左眼シャッター390を含む。
【0072】
無線受信部320は、外部ディスプレイ装置100から同期信号およびオーディオ信号を無線で受信する。特に、無線受信部320はRF信号またはIR信号を通じて同期信号を受信したり、RF信号を通じてオーディオ信号を受信することができる。特に、オーディオ信号の受信は、一例として、Zigbee規格に従って受信できる。
【0073】
ここで、無線受信部320を介して受信されるオーディオ信号は、複数のオーディオ信号が多チャネルに合成された多チャネルオーディオ信号でもよく、単数のオーディオ信号でもよい。
【0074】
オーディオ処理部330は、受信したオーディオ信号を処理して、オーディオ出力部340から出力可能な形態の信号に変換する。特に、オーディオ処理部330は、以下で説明するチャネル選択部360で選択されたチャネルに該当するオーディオ信号を選別してオーディオ出力部340に提供する。
【0075】
オーディオ出力部340は、オーディオ処理部330で処理されたオーディオ信号を出力してユーザに提供する。
【0076】
制御部350は、オーディオ処理部330を制御してオーディオ信号が出力できるようにするか、シャッター駆動部370を制御して備えられた右眼シャッター380および左眼シャッター390の開閉を駆動させる。
【0077】
チャネル選択部360は、無線受信部320から受信されたオーディオ信号が複数のオーディオ信号を含む多チャネルオーディオ信号である場合、そのうち一つのオーディオを選択する機能をもつ。チャネ選択部360で選択されるオーディオ信号は、ユーザの入力により選択されたオーディオ信号でもよく、受信される同期信号に基づいて選択されるオーディオ信号でもよい。一方、チャネル選択部360で選択されたオーディオ信号に基づいて、制御部350はオーディオ処理部330を制御して当該オーディオを出力させる。
【0078】
シャッター駆動部370は、3Dメガネ300、310の右眼シャッター380および左眼シャッター390の開閉に関与する。一般的な3D立体映像の場合には、外部ディスプレイ装置から左眼映像および右眼映像が交互に出力される場合、同期信号に基づいて右眼シャッター380および左眼シャッター390の開閉を交互に動作させるようになるが、本実施形態のように複数のコンテンツを交互に出力するディスプレイ装置100においては、右眼シャッター380および左眼シャッター390が同時に開閉動作を行なう。即ち、交互に出力される複数のコンテンツのうち、視聴しようとするコンテンツに対応する同期信号に基づいて、右眼シャッター380および左眼シャッター390が同時に開閉動作を繰り返す。
【0079】
一方、無線受信部320から受信した音声信号が多チャネルオーディオ信号である場合のオーディオ信号処理過程については、図5を参照して更に詳細に説明する。
【0080】
図5に示すように、3Dメガネは無線受信部400を介して外部ディスプレイ装置から同期信号および多チャネルオーディオ信号(A+B)を受信する。同期信号は、外部ディスプレイ装置と連動するための信号であり、外部ディスプレイ装置の映像出力に関連した3Dメガネの動作は上述したのと同様である。簡略に説明すると、同期信号に基づいてシャッター駆動部420は、左眼シャッターと右眼シャッターの開閉動作を制御する。その過程に存在するシャッター駆動信号変換部410は、同期信号からシャッターを駆動させるための信号を生成するための構成として、図5においては、これを一つの構成として別途に示してあるが、別の実施形態においてはシャッター駆動部420がシャッター駆動信号変換部を含む構成で実現されることもできる。即ち、シャッター駆動信号変換部410の構成は、シャッター駆動部420が左眼シャッターおよび右眼シャッターを駆動させるための信号の生成過程を具体化するためのものである。
【0081】
オーディオ信号に関し、図5では、オーディオ信号Aおよびオーディオ信号Bが多チャネルオーディオ信号(A+B)を構成する。オーディオチャネル選択部430は上述のように、視聴しようとするコンテンツに対応するオーディオを選択するための構成として、チャネル選択は、ユーザによって選択されてよく、受信された同期信号に基づいてチャネルが選択されてよい。
【0082】
オーディオチャネル選択部430で選択された信号(AまたはB)は、オーディオ出力部440に伝達されて出力される。
【0083】
このような過程を経て、3Dメガネを着用しているユーザは複数のコンテンツが出力される外部ディスプレイ装置で、いずれか一つのコンテンツに対する映像および音声のみを鑑賞できるようになる。
【0084】
図6Aないし図6Cは、上述のオーディオ出力が可能な3Dメガネの例を示している。図6Aに示すように、3Dメガネのテンプル(つる)の部分に音声出力が可能なイヤホンが付いている形態でもよく、図6Bに示すように、3D眼鏡のフレームの部分にイヤホンが接続されてもよい。なお、図6Cに示すように、ヘッドホンのような形態で製作され、ユーザに高音質のオーディオを提供することもできる。
【0085】
ところが、図6Aないし図6Cに示された3D眼鏡の形態は、オーディオ出力部を備える3Dメガネの例を示しただけであって、勿論他の形態で製作できる。
【0086】
なお、上述の実施形態は、コンピュータ判読可能な媒体上のコンピュータ判読可能コードを通じて実現できる。コンピュータ判読可能な媒体は、コンピュータによって判読できるデータを保存するデータ保存媒体である。例えば、コンピュータ可能媒体は、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクおよび光データ保存媒体でもよい。コンピュータ判読可能な媒体は、コンピュータ判読可能コードを保存して実行するために、ネットワークと接続されたコンピュータシステムに分布されることができる。なお、別の実施形態では、コンピュータプログラムが搬送波のようなコンピュータ判読伝送媒体を介して伝送されてもよく、一般的なデジタルコンピュータに受信されて実行されてもよい。更に、ディスプレイ装置100および3Dメガネ300、310のうち少なくとも一つのユニットは、コンピュータ判読媒体に保存されたコンピュータプログラムを実行させるためのプロセッサやマイクロプロセッサを含む。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ディスプレイ装置と連動する3Dメガネにおいて、
前記外部ディスプレイ装置から同期信号およびオーディオ信号を受信する無線受信部と、
前記受信した同期信号に従ってシャッターを駆動するシャッター駆動部と、
前記受信したオーディオ信号を処理して出力するオーディオ出力部と、
を含むことを特徴とする3Dメガネ。
【請求項2】
前記シャッター駆動部は、
前記外部ディスプレイ装置が互いに異なるコンテンツに該当する複数の映像を表示する場合、
前記同期信号に対応して前記複数の映像のうちいずれか一つのみがユーザに見せられるようにシャッターを駆動することを特徴とする請求項1に記載の3Dメガネ。
【請求項3】
前記オーディオ信号は、
前記複数の映像に対応する複数のチャネルのオーディオ信号であり、
前記オーディオ出力部は、
前記受信した複数のチャネルのオーディオ信号のうち、ユーザに見せられる映像に該当するオーディオ信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の3Dメガネ。
【請求項4】
ユーザからチャネルの選択を入力されるチャネル選択部を更に含み、
前記オーディオ出力部は、
前記チャネル選択部を介して選択されたチャネルに該当するオーディオ信号を出力することを特徴とする請求項3に記載の3Dメガネ。
【請求項5】
前記外部ディスプレイ装置は、複数の映像を交互に出力するディスプレイ装置であって、
前記同期信号は、前記複数の映像のうちいずれか一つの映像が出力されるタイミングと同期化した信号であることを特徴とする請求項1に記載の3Dメガネ。
【請求項6】
前記備えられたシャッターは左眼シャッターおよび右眼シャッターを含み、
前記シャッター駆動部は、
前記同期信号に従って左眼シャッターおよび右眼シャッターの開閉を同時に駆動させることを特徴とする請求項1に記載の3Dメガネ。
【請求項7】
前記無線受信部は、
Zigbee規格に従って前記オーディオ信号を受信することを特徴とする請求項1に記載の3Dメガネ。
【請求項8】
3Dメガネと通信するディスプレイ装置において、
複数の映像を信号処理する信号処理部と、
信号処理された複数の映像を出力するディスプレイ部と、
前記複数の映像に該当する同期信号およびオーディオ信号を前記3Dメガネに伝送する通信部と、
を含むことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項9】
前記ディスプレイ部は、
互いに異なるコンテンツに該当する複数の映像を表示することを特徴とする請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記オーディオ信号は、
前記複数の映像に対応する複数のチャネルのオーディオ信号であることを特徴とする請求項9に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記同期信号は、前記複数の映像のうちいずれか一つの映像が出力されるタイミングと同期化した信号であることを特徴とする請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記通信部は、
Zigbee規格に従ってオーディオ信号を伝送することを特徴とする請求項8に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
複数の映像を交互に出力するディスプレイ装置と、
前記ディスプレイ装置と連動する3Dメガネとを含み、
前記ディスプレイ装置は3Dメガネに同期信号およびオーディオ信号を伝送し、前記3Dメガネは前記受信した同期信号に対応する映像に該当するオーディオ信号を選択して出力することを特徴とするディスプレイシステム。
【請求項14】
前記オーディオ信号は、
前記ディスプレイ装置から出力される複数の映像に対応する複数のオーディオ信号が多チャネルに合成された信号であり、
前記3Dメガネは、
前記受信した多チャネルオーディオ信号のうちいずれか一つを選択し、選択されたオーディオ信号を出力することを特徴とする請求項13に記載のディスプレイシステム。
【請求項15】
前記オーディオ信号は、
前記3Dメガネが受信した同期信号に対応する映像に該当するオーディオ信号であり、
前記3Dメガネは、
前記受信したオーディオ信号をそのまま出力することを特徴とする請求項13に記載のディスプレイシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2011−229146(P2011−229146A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90032(P2011−90032)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】