説明

ディスペンサーポンプ

本発明は、ポンプ作用ノズルデバイス及びそれを製造する方法に関する。本発明のディスペンサーノズルは、内部チャンバー(700)を画定する本体を有し、該チャンバーは、チャンバー内へ流体を吸入することができる入口と、チャンバー内に存在する流体を該ノズルから吐出することができる出口を有する。前記入口は、入口弁を含み、前記出口は、出口弁を含む。前記本体の第1部分(602a)に圧力を印加すると、本体の第2部分(2504)が弾性的に変形又は変位せしめられてチャンバーを圧縮し、それによって、チャンバー内の流体をノズルから分配供給することができる。好ましい実施形態では、アクチュエータは、操作者が圧力を加えることができる剛性のアクチュエータ表面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルデバイスにおける、又は、ノズルデバイスに関する改良に関し、限定的ではないが、特に、ポンプ作用ノズルデバイスにおける、又は、ノズルデバイスに関する改良、及び、そのようなデバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ作用ノズルデバイス(以下、単に「ノズルデバイス」、「ノズル」、「デバイス」、「ディスペンサーノズル」又は「ディスペンサー」とも称する)は、非与圧容器から流体を分配供給する(ディスペンスする、小出しする)ことができる手段を提供するものとして一般に使用されている。
【0003】
しかしながら、従来のポンプ作用(ポンプの機能を果たす)ノズルデバイスは、構造が複雑になる傾向があり、典型的な例では、多数の構成部品(通常、ポンプノズルデバイスでは8〜10個の個別部品、トリガー型ノズルデバイスでは10〜14個の個別部品)から成る。その結果として、このようなノズルデバイスは、個々の構成部品を形成するのに要する材料の量と、それらの部品の組立工程が多くなるために製造コストが高くなる。更に、従来のデバイスの多くは、外部サイズが大きくなる(嵩張る)(このことがやはり原材料のコスト増を招く)傾向があり、この嵩張るノズルデバイスの一部分が、必ずそのノズルデバイスが取り付けられる容器の内部に挿入される。これは、ノズルが容器の内部容積の一部分を占有することになるので、更なる欠点であり、容器内の利用可能なスペースが限られている小型容器においては、特に問題となる。
【0004】
比較的簡単な構造のポンプ作用ノズルデバイスの例は、ヨーロッパ特許EP0442885A2、米国特許US3,820,689及びヨーロッパ特許EP0649684に開示されている。これらの文献に開示されているノズル構造はは、ベース部品と上側部品を含む少くとも2つの別個の構成部品から成っている。上側部品は、ベース部品の上面に嵌着されて、入口弁を備えた入口と出口弁を備えた出口を有する内部チャンバーを画定する。上側部品は、弾性変形自在の材料で形成され、他方、ベース部品は、硬質(剛性)プラスチック材で形成されている。上側部品は、デバイスの上面にほぼドーム形の凸部を形成し、操作者はこの凸部を押圧することによって内部チャンバーを圧縮してチャンバー内の流体を分配供給することができるようになされている。
【0005】
上述したデバイスの1つの欠点は、内部チャンバーから流体を分配供給するためには、操作者は指を使って弾性変形自在のドーム形部分を内方へ押圧しなければならないことである。そのためには、操作者の側にかなりの押圧力のみならず、相当な身体運動の協調(指と目の連係動作など)が求められる。このことが、そのようなデバイスをある種の個人にとって使用上不適当な器具としている。しかも、これらのデバイスは、身体の指以外の部分、例えば手のひら、手首、肘などを使って操作することが困難である。
【0006】
従って、
(i)構造が簡単であり、
(ii)使用部品数が少なく、そして、
(iii)操作し易い、
ポンプ作用ノズルデバイスを求める要望がある。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、従来のポンプ作用ノズルデバイスに随伴する上述した問題のうちの少くとも幾つかを解決することを企図する。この目的のために、本発明は、その第1側面においては、容器(流体源)から流体を分配供給することができるようになされたポンプ作用ノズルデバイスであって、内部チャンバーを画定する本体を有し、該チャンバーは、該チャンバー内へ流体を吸入することができる入口と、該チャンバー内に存在する流体を該ノズルから吐出することができる出口を有し、該入口は、該チャンバー内の圧力が当該デバイスが装着されている前記容器の内部の圧力より低下したとき流体を該入口を通して該チャンバー内へ流入させることができるようになされた入口弁を含み、該出口は、該チャンバー内の圧力が該出口のところの外部圧力より少くとも最少限の閾値量だけ超えたときにのみ流体を該チャンバーから流出させて該ノズルから吐出させることができるようになされた出口弁を含み、該チャンバーを画定する前記本体の第1部分は、印加圧力を受け止めることができる剛性又は実質的に剛性のアクチュエータ表面を構成し、該チャンバーを画定する前記本体の第2部分は、
(i)弾性的に偏倚(付勢)された初期形状(以下、単に「初期弾性偏倚形状」とも称する)から圧力の印加に応答して膨張又は変形した形状に弾性的に変形し、それによって、該本体の該第2部分が該初期形状から該膨張又は変形した形状に変形されるにつれて本体の該第2部分によって画定される前記チャンバーの容積が減小し、その容積の減小によって該チャンバー内の圧力を増大させ、流体を前記出口弁を通して流出させるように構成されており、
(ii)その後、前記印加された圧力が除去されると、前記弾性的に偏倚された初期形状に復帰して前記アクチュエータ表面をその弾性的に偏倚された初期形状に復帰させ、それによって、前記チャンバーの容積を増大させ、流体が前記入口弁を通して該チャンバー内へ吸入されるように該チャンバー内の圧力を低下させるように構成されていることを特徴とするポンプ作用ノズルデバイスを提供する。
【0008】
ここでいう「実質的に剛性」とは、アクチュエータ表面が前記本体の第2部分より高い剛性を有し、アクチュエータ表面に圧力を印加した(加えた)とき、アクチュエータ表面の最小限の変形で本体の第2部分を変形させるのに十分な剛性を有することを意味する。
【0009】
本発明のノズルデバイスは、構造を極めて簡単にしたことと、せいぜい僅か6個の別個の構成部品を嵌め合わせて形成される組み立てデバイスとすることによって多くの従来のポンプ作用スプレーノズルデバイスに随伴する上述した欠点を解決する。本発明の好ましい実施形態では、このデバイスは、せいぜい3個の別個の構成部品、より好ましくは2個の別個部品から形成され、更に好ましくは、一体形成された単一の部品から構成される。ここで、「別個の構成部品」又は「別個部品」とは、部品同志がいかなる態様ででもリンクされていないこと、即ち、部品同志が互いに一体的に形成されていないことを意味する(ただし、各別個の構成部品は、1つ又は複数の一体部品又は部分から成るものであってもよい)。所要部品数を少なくするための鍵は、デバイスの本体内に所要の特徴(機構)を一体的に形成することができるか否かにある。例えば、上述したチャンバー、入口、入口弁、出口及び出口弁は、すべて、本体によって画定することができ、それによって、部品コスト及び組み立てコストの増大を招来する別個部品を用いる必要性を少なくすることができる。
【0010】
本発明のノズルデバイスは、更に、デバイスからの流体の吐出を始動させるために操作者が圧力を加えるための実質的に剛性のアクチュエータ表面又は区域を設けることによって、上記ヨーロッパ特許EP0442885A2、米国特許US3,820,689及びヨーロッパ特許EP0649684に開示されている比較的簡単な構造のポンプ作用ノズルデバイスに随伴する問題を解決するように構成される。この構成によれば、操作者は、剛性又は実質的に剛性のアクチュエータ表面を押圧し、チャンバーを画定する本体の(アクチュエータを構成する部分とは)別の部分(上記第2部分)を変形させ、剛性のアクチュエータ表面自体をほとんど変形させないで、チャンバーを圧縮することができる。
【0011】
アクチュエータ表面は、デバイスの上面に形成することが好ましく、デバイスの上面の実質的に全面を覆うようにすることが極めて好ましい。
【0012】
アクチュエータ表面の面積は、操作者が手のひら、肘及び、又は手首を用いて押圧するのに十分な大きさとすることが好ましい。
【0013】
又、アクチュエータ表面は、平坦又は実質的に平坦であることが好ましいが、ある種の実施形態においては曲面とすることもできる。又、アクチュエータ表面は、圧力を印加されたとき、その形状保持するものであることが好ましいが、ある程度(一定限度まで)撓むように構成してもよい。
【0014】
又、アクチュエータ表面が押圧されたとき、弾性変形することができる前記チャンバーを画定する前記本体の前記第2部分は、該チャンバーの一側壁又は前記ベースの一部分とすることが好ましい。本体のこの部分(第2部分)は、コンサーティーナ又はベロー(蛇腹)のような形状とすることもでき、それによって、前記第1部分を押圧すすることにより該ベロー形第2部分を圧縮させる構成とすることができる。
【0015】
アクチュエータ表面は、又、圧力が印加されたとき、摺動又は枢動してチャンバーを圧縮するように構成することもできる。
【0016】
本発明のある種の実施形態においては、ノズルデバイスの出口は、ノズルデバイスのチャンバーから吐出される流体のスプレーを創生するように構成することができる。ノズルデバイスの出口は、斯界において周知の任意の適当な手段によってこの機能を果たすように構成することができる。例えば、出口の出口オリフィスは、圧力下で該オリフィスを通って流れる流体を多数の小滴に砕解させるように細い孔とすることができる。ただし、そのような実施形態においては、出口は、出口オリフィスと、チャンバーを該出口オリフィスに接続する出口通路から成るものとすることが好ましい。又、出口通路内に出口弁を配設することが好ましい。出口通路は、使用中ノズルデバイスの出口オリフィスを通して分配供給される液滴のサイズを小さくするようになされた1つ又は複数の内部スプレー改変機構を備えたものとすることが特に好ましい。出口通路内に設けることができる内部スプレー改変機構の例としては、1つ又は複数の膨張室、1つ又は複数の渦巻室、(出口通路内を通る流体のスプレーを創生するようになされた)1つ又は複数の内部スプレーオリフィス、及び、1つ又は複数のベンチューリ室等がある。ノズルデバイスの使用において創生されるスプレー液滴のサイズを変更するために上述した機構の1つ又はそれ以上を設けることは周知である。これらの機構は、単独で、あるいは、組み合わせて用いられ、創生される液滴を霧化させる働きをする。これらのスプレー改変機構、及び、それらが創生されるスプレーの特性に及ぼす作用は、斯界において周知であり、例えば国際特許公開WO01/89958(その全記載内容が本明細書に編入されているものとする)に記載されている。出口弁を出口通路及び出口オリフィスより上流に設けることにより、流体が液体を小滴に砕解してスプレーを形成するのに十分な力で出口通路内に流入するのを保証することができる。
【0017】
本発明のある種の実施形態においては、出口通路及び出口オリフィスは、別個の単一のユニット又はインサート(差し替え自在の挿入部品)とすることができる。そのようなユニット又はインサートをチャンバーの出口に接続してノズルデバイスの出口を構成することができる。このユニット又はインサートは、又、選択的に使用のための所要位置へ旋回又は枢動させ、不要のときは所要位置外へ旋回させることができるようにヒンジによってデバイスの本体に連結することもできる。
【0018】
本発明の別の実施形態では、チャンバー内の液体を液滴に砕解されない液体の流れとして分配供給することができる。この形で分配供給される液体の例としては、ソープ、シャンプー、クリーム等がある。
【0019】
あるいは別法として、分配供給すべき流体は、ガス、又は例えば空気等のガス混合物であってもよい。
【0020】
ノズルデバイスの本体
本体によって画定されるチャンバーは、本体の2つ以上の互いに結合された部品の間に画定することができる。ノズルデバイスのチャンバーは、2つの部品を互いに嵌め合わせることによって結合してそれらの部品の間に画定することが特に好ましい。それらの2つの部品は、それぞれ別個に形成された構成部品であってよいが、より好ましくは、それらの2つの部品は、単一の構成部品として一体的に形成する。後者の場合、2つの部品は、同じ金型内で一緒に成形した後、互いに接触させてチャンバーを画定することを可能にするヒンジ又は折り曲げ自在の連結素子によって互いに連結させることが好ましい。
【0021】
出口が出口弁と、出口オリフィスと、該出口弁を出口オリフィスに接続する出口通路とで構成される本発明の好ましい実施形態においては、チャンバーを画定する少くとも2つの結合部品が、出口通路の少くとも一部分をも画定する構成とすることが好ましい。極めて好ましいのは、2つの結合部品が、それらの間に出口オリフィスを形成し、出口通路全体と、出口オリフィスをも画定する構成とすることである。
【0022】
出口通路は、前記部品のうちの1つの衝接表面と、それと対向する他方の部品の衝接表面との間に画定することが好ましい。それらの衝接表面の1つ又はそれ以上の衝接表面に、1つ又は複数の溝及び、又は凹所を形成し、それらの衝接表面が互いに衝接されたとき、それらの溝及び、又は凹所が出口通路を画定する構成とすることが好ましい。極めて好ましくは、前記各衝接表面に溝及び、又は凹所を形成し、それらの衝接表面が互いに衝接されたとき、それらの溝及び、又は凹所が整列して出口通路を画定する構成とする。これらの溝及び、又は凹所は、チャンバーから、衝接表面の、チャンバーのある側とは反対側の縁にまで延長させることが好ましく、それらの衝接表面を互いに衝接させたとき、出口通路の終端のところに出口オリフィスが画定されるようにする。出口通路に1つ又はそれ以上のスプレー改変機構を設ける好ましい実施形態では、それらの機構は、国際特許公開WO01/89958に例示され、記載されているように、対向する衝接表面に形成された凹所又はその他のフォーメーション(何らかの形状に形成された手段)を整合させることによって形成することができる。
【0023】
デバイス本体の前記2つの部品は、例えば超音波溶接又は加熱溶接によって恒久的に固着させてもよい。ベース部品と上側部品を一緒に成形するか、あるいは、溶接によって接合する場合は、それらの部品は、互いに適合性のある材料で形成することが好ましい。
【0024】
あるいは別法として、前記2つの部品は、溶接を用いることなく、(例えば、スナップ嵌め結合によって)互いに密着又は抵抗嵌合してノズルを形成するように構成することができる。例えば、一方の部品の縁が他方の部品の保持溝内に嵌合してノズルデバイスを形成するように構成することができる。
【0025】
更なる別法として、適合性のあるプラスチック材を前記2つの部品の接合部を覆って成形し、それらの部品を結合することもできる。これは、2つの構成部品を単一の金型工具内で同時に成形し、それらをその工具内で結合させてノズルデバイスを形成し、次いで、それらの2つの部品の外周を覆って適当なプラスチック材を成形して両部品を結合状態に保持することによって達成することができる。
【0026】
ある種の実施形態においては、前記2つの部品は、使用中チャンバー及び、又は出口を洗浄するために分離させることができるように、互いに解放自在に取り付けたままにしておくこともできる。
【0027】
極めて好ましいのは、ノズルデバイスの本体の、前記チャンバーを画定する前記2つの部品をベース部品と上側部品とすることである。ベース部品(以下、単に「ベース」とも称する)は、適当な手段、例えばねじ山又はスナップ嵌め結合によって容器(流体源)の開口に嵌合させることができるように構成することが好ましい。更に、ベースは、チャンバーを画定する本体の一部分を構成することに加えて、入口と、好ましい実施形態においてチャンバーから出口オリフィスにまで通じる出口通路の一部分をも画定することが好ましい。
【0028】
前記上側部品は、ベース部品との間にチャンバーを画定し、好ましい実施形態では、出口弁、出口通路及び、又は出口オリフィスを画定するようにベース部品に嵌合するようになされる。本発明のある種の好ましい実施形態では、前記ベース部品と上側部品とは、出口オリフィスを画定する。又、上側部品は、チャンバーを画定する本体の前記弾性変形自在部分を形成するようにすることが好ましい。
【0029】
上側部品は、デバイス本体の上述した第1部分を構成し、ベース部品は、本体の第2部分を構成することが好ましい。
【0030】
材料
ノズルデバイスの本体は、任意の適当な材料から製造することができる。
【0031】
本体が互いに嵌合してチャンバーを画定する2つの部品から成る本発明のある種の実施形態においては、それらの2つの部品は、同じ材料から製造してもよく、あるいは、異なる材料から製造してもよい。例えば、それらの部品の一方を弾性変形自在のプラスチック又はゴム材のような可撓性又は弾性変形自在材料から製造し、他方の部品を硬質プラスチックのような剛性材料から製造することができる。そのような実施形態は、可撓性又は弾性変形自在材料がチャンバーを画定する本体の第2部分を構成しており、操作者がチャンバー内の流体の吐出を始動させるためにアクチュエータ表面を押圧することによって容易に変形させることができるので、ある種の用例にとって好ましい。可撓性材料は、又、操作者に柔らかい手触り感を与えることもできる。このような実施形態は、前記2つの部品を別々に成形して、それらを結合し、組み立てノズルデバイスを構成することによって形成してもよく、あるいは、2つの部品を同一の成形工具内でダブル射出成形(bi-injection moulding)法を用いて成形することによって形成してもよい。後者の場合、2つの部品を同一の成形工具内で同時に成形し、その工具内で嵌合させてもよく、あるいは、一方の部品を第1材料で成形し、第2材料で成形する他方の部品を直接一方の部品上に成形してもよい。
【0032】
あるいは別法として、2つの部品を両方とも、剛性材料又は可撓性材料から製造することもできる。ただし、後者の場合(2つの部品を両方とも可撓性材料で製造する場合)は、本体の第1部分は実質的に剛性となるように形成しなければならない。剛性材料及び可撓性材料は、ノズルデバイスを製造することができる任意の適当な材料であってよい。例えば、アルミニウムフォイルのような金属材であってもよく、あるいは、ゴムのような可撓性材料であってもよい。デバイスの本体は、その全体を硬質プラスチック材で形成することが好ましいが、本体の第1部分を硬質プラスチック材で形成すれば、他の部分には、所望ならば、可撓性材料を用いてもよい。
【0033】
本体の第1部分は硬質プラスチック材で形成することが好ましい。極めて好ましいのは、ポンプ作用ノズルデバイス全体(即ち、本体とアクチュエータ)を単一の硬質プラスチック材で形成することである。
【0034】
ここでいう「硬質プラスチック材」とは、所望の形状に成形されたとき高度の剛性と強度を有するが、同時に又、プラスチックの肉厚を減ずることによって部分的に比較的可撓性又は弾性変形自在性を付与することができるプラスチック材のことをいう。従って、デバイス本体の、少くともチャンバーを画定する弾性的に変形自在とされる一部分を形成するためにプラスチック材の薄肉化された一部片(セクション)を用いることができる。
【0035】
ここでいう「可撓性プラスチック」とは、チャンバーの圧縮を容易にするためにデバイス本体の少くとも一部分の弾性変位を可能にするように固有の性質として可撓性又は弾性変形自在であるプラスチック材のことをいう。プラスチックの可撓性の度合は、そのプラスチックの任意の区域又は領域の肉厚に依存する。そのような「可撓性プラスチック」材料は、例えば、シャンプーボトル又はシャワー用ジェル容器の製造に用いられる。本発明のノズルデバイスの製造においては、本体の一部分はその構造体に所要の剛性を付与するために比較的厚肉のプラスチック部片で形成し、他の部分は、所要の変形特性を付与するために比較的薄肉のプラスチック部片で形成することができる。一部の区域に特別な剛性が必要とされる場合は、一般に支持リブとして知られている比較的断面の厚いプラスチックのフレームを設けることができる。
【0036】
ノズルデバイスの製造に単一の材料を用いることの利点は、以下に述べるように、ノズルデバイス全体を単一の成形(金型)工具内で1回の成形操作で成形することができることである。
【0037】
特に前記2つの部品を一体的に形成し、上側部品がベース部品に接触する位置へ旋回させることができるように折り曲げ自在の連結素子又はヒンジ継手によって両部品を結合して組み立てノズルデバイスを形成する好ましい実施形態では、単一材料からのノズルデバイスの形成は、多数の別個の構成部品を組み立てる必要性を回避する。更に、単一材料からのノズルデバイスの形成は、前記2つの部品を(例えば、加熱溶接又は超音波溶接により)溶接することを可能にし、あるいは、使用するプラスチックが硬質プラスチック材である場合は、上側部品とベース部品との間をスナップ嵌めによって結合することも可能である。後者のオプションは、又、上側部品とベースとを洗浄のために定期的に脱着することを可能にする。
【0038】
大抵の用例において、アクチュエータ表面に所要の強度を与え、2つの部品をスナップ嵌め又は溶接によって結合することを可能にするるために剛性材料から形成することが必要とされることがある。そのような場合は、デバイス本体の変形自在部分は、所定の最小限閾値圧力を印加されたときのみ変形することになり、それにより、このデバイスのポンプ作用を在来のポンプ作用ノズルデバイスのオン・オフ動作により近いものとする。ただし、ある種の用例においては、可撓性材料の方が好ましい場合がある。
【0039】
デバイス本体の、弾性変形するように構成された第2部分は、圧力が印加されたとき弾性的に変形してチャンバーを圧縮させ、次いで、印加圧力が除去されたとき初期弾性偏倚形状に復帰する硬質プラスチック材料の比較的薄肉の部片とすることができる。
【0040】
しかしながら、いずれの場合も、出口の出口通路を画定する衝接表面は、硬質プラスチック材料で形成することが好ましい。この目的のためにも可撓性又は弾性変形自在材料を用いることができるが、一般には、何らかのスプレー改変機構を設ける場合、それを剛性材料で正確に形成することが必要とされるので、可撓性又は弾性変形自在材料の使用はそれほど好ましくない。従って、本発明の幾つかの実施形態においは、前記2つの部品のうち、出口とチャンバーを画定する一方の部品は、2種類の材料、即ち、出口通路と出口オリフィスを画定する衝接表面を形成する剛性材料と、チャンバーを画定する弾性変形自在材料から形成することができる。
【0041】
出口弁
最適の機能を得るためには、チャンバーの出口に一方弁を設けるか、チャンバーの出口が一方弁として機能するように構成することが必要である。一方弁は、(本体の弾性変形自在部分がその初期弾性偏倚形状から変位されることによって惹起される内部チャンバーの容積が減小されることの結果として)チャンバー内に所定の最小限閾値圧力が得られたときにのみチャンバー内に貯留されている製品を出口を通して分配供給することができ、その他のときは常時チャンバーの出口を閉鎖して気密シールを設定することができる。チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値圧力より低いときは、弁が閉じているので、デバイス本体の弾性変形自在部分への印加圧力が解放されてチャンバーの弾性変形自在壁がその初期弾性偏倚形状を取り戻すにつれてチャンバーの容積が増大しても、出口を通してチャンバー内へ空気を吸引するのを防止する。
【0042】
気密シールを設定することができる任意の適当な一方弁組立体を出口に設けることができるが、一方弁はノズルデバイス本体の構成部品によって形成することが好ましい。極めて好ましいのは、一方弁を出口通路を画定する対向する衝接表面の間に形成することである。
【0043】
本発明のある種の実施形態においては、出口弁は、出口通路を画定する衝接表面のうちの一方の衝接表面をそれと対向する他方の衝接表面に圧接して出口通路の長手の一部分を閉鎖するように弾性的に偏倚させた構成とすることによって形成する。この場合、弁は、各チャンバー内の圧力が弾性的に偏倚された衝接表面を対向する衝接表面から離れる方向に変形させ、それによって各チャンバーからの流体を通す開放チャンネルを形成させるのに十分に増大したときにのみ解放し、流体をチャンバーから分配供給することができる。圧力が所定の最小限閾値より低下すると、弾性偏倚衝接表面がその初期弾性偏倚形状に復帰し、出口通路を閉鎖する。
【0044】
本発明のある種の実施形態においては、前記弾性偏倚衝接表面を、デバイス本体の、チャンバーを画定する弾性変形自在部分と一体に形成することが、特に好ましい。
【0045】
デバイス本体全体を硬質プラスチック材で形成する実施形態においては、弾性偏倚表面(例えば、硬質プラスチックの薄肉部片)によって示される抵抗力が、デバイスの最適作動に必要とされる最小限圧力閾値を得るのに十分な弾性をもたらさない場合がある。そのような場合は、出口通路/出口弁に所要の強度及び抵抗力を付与するために、出口通路を横切って延長するプラスチックの厚肉リブを形成することができる。あるいは別法として、出口通路/出口弁の一部の上方に剛性の補強リブを設けてもよい。
【0046】
別の好ましい実施形態では、出口弁又は事前圧縮弁は、出口通路を閉鎖し、シール(密封)するために前記衝接表面の一方に出口通路を横切って延長する弾性変形自在部材を形成することによって構成することができる。この弾性変形自在部材は、その両端縁の一方だけをノズルデバイスに取り付けられ、他方の端縁(好ましくは、一方の端縁と対向する端縁)はデバイスに取り付けずに自由にしておく。この自由端は、チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値を超えると、変位するように構成される。自由端は、チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値より低下すると、出口チャンネル(出口通路)の表面に衝接して該衝接表面との間にシールを設定する。しかしながら、圧力が所定の最小限閾値を超えると、弾性変形自在部材の自由端は、チャンネルの衝接表面から離され、チャンバー内に存在する流体を出口へ通すことができる開口を形成する。弾性変形自在部材は、出口チャンネル又は通路の長手に沿って形成された室内に配置することが好ましい。最小限閾値より低い圧力下において弾性変形自在部材の自由端と協同してシールを設定する前記衝接表面は、該自由端と接触する点をテーパー又は傾斜面とすることが極めて好ましい。それによって、点シール接触を設定し、はるかに効果的なシールが得られる。もちろん、衝接表面のテーパー又は傾斜度は、チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値より低下したときは弾性変形自在部材の自由端が傾斜面に接触するが、圧力が所定の最小限閾値を超えたときは弾性変形自在部材の自由端が該傾斜面から離れて拡開するように、設定しなければならない。
【0047】
あるいは別法として、出口弁は、対向する衝接表面に接触して出口通路を閉鎖しシールする、ベース部品と上側部品のうちのどちらか一方の部品の衝接表面に形成された柱状体又はプラグ(栓)とすることができる。この柱状体又はプラグは、チャンバー内の圧力が所定の閾値を超えたとき、流体を出口を通して流出させることができる開口を画定するように変形されうるように、ベース部品又は上側部品の変形自在部分に取り付けられる。
【0048】
出口弁を開放するためにチャンバー内に醸成しなければならない前記所定の最小限圧力の値は、対象とする用例に応じて決定される。例えば適当な弾性変形自在材料を選択することによって、あるいは、弾性変形自在の表面を形成する態様(例えば、補強うね(隆起条)を含めるなど)によって、弾性変形自在の表面の特性を改変する方法は、当業者には明らかであろう。
【0049】
入口弁
本体の弾性変形自在部分をその初期弾性偏倚形状からチャンバー内へ押し込み変位させることによってチャンバーが圧縮されたときにのみ流体が出口を通して吐出されるのを確実にするためには、ノズルデバイスの入口のところ又は入口内に一方弁を設けることが必要である。そのための入口弁としては、任意の適当な入口弁を用いることができる。
【0050】
入口弁は、(チャンバーを圧縮させるためにチャンバーの弾性変形自在部分に印加された圧力が解放され、該弾性変形自在部分がその初期弾性偏倚形状を取り戻すにつれてチャンバーの容積が増大するときと同様に)チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値圧力より低下したときにのみ開放して流体をチャンバー内へ流入させるように構成することができる。その場合、入口弁は、入口開口を覆うように配置された弾性変形自在のフラップから成るフラップ弁(羽打弁、蝶形弁)とすることができる。このフラップは、入口開口に圧接するように弾性的に偏倚させ、チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値圧力より低下したときにのみ変形して流体をチャンバー内へ流入させるように構成することが好ましい。それ以外のときは常時、入口は閉鎖されており、それによって、流体がチャンバーから入口へ流入するのを防止する。弾性変形自在のフラップは、本体の、チャンバーを画定する弾性変形自在部分の一体延長部分として形成することが特に好ましい。又、ベース部品が入口を画定し、上側部品が本体の弾性変形自在部分を形成する構成とすることが特に好ましい。従って、上側部品が、チャンバー内で該チャンバーへの入口開口を覆うように延在し、入口弁を構成する弾性変形自在フラップを含むものとすることが好ましい。
【0051】
あるいは別法として、前記フラップは、入口開口に圧接するように弾性的に偏倚させるのではなく、入口開口を覆うように配設し、チャンバーが圧縮されてチャンバー内の圧力が増大したときにのみ入口に圧接されるように構成してもよい。
【0052】
しかしながら、入口開口を覆うように弾性的に偏倚させたフラップ弁を単純に設けることには、いろいろな問題が随伴することがある。具体的にいえば、時間が経つにつれて、フラップ弁の素材の弾性限界を超えてしまうことがあり、その結果、フラップ弁が適正に機能しなくなる。この問題は、フラップが剛性材料の薄肉部片によって形成されている実施形態に特に当てはまるが、可撓性材料にも、剛性材料ほどではないが、当てはまる。この問題は、フラップが変形して弁を開放するときにも、又、チャンバーが圧縮されてフラップが変形されたことによっても起こりうる。その結果として、流体がチャンバーから入口を通って容器(流体源)内へ漏れ戻る(逆流する)ことがある。
【0053】
これらの理由から、フラップ弁は、ある種の改変を施されたものとすることが好ましい。特に、入口にはその入口開口の周りを取り巻く隆起リップを形成し、弾性変形自在のフラップがその隆起リップに衝接して入口オリフィスの周りに密なシールを創生するように構成することが好ましい。リップは、フラップに対する良好な接触が得られることを保証する。リップが非常に小さい実施形態においては、適正なシールが設定されるのを保証するとともに、リップが損傷するのを防止するために、入口開口のどちらか一方又は両方の側に1つ又は複数の追加の支持リブを設けることが必要とされる場合もある。
【0054】
更に好ましい特徴は、フラップの表面に突起又はプラグを形成することである。この突起又はプラグは、入口開口内へ短い距離だけ(僅かに)突入し、入口開口の側縁に衝接してシールの密封作用を更に高める。
【0055】
又、チャンバーへの入口開口は、入口を通ってチャンバー内へ流入した流体がチャンバーの流体保持又は貯留領域内へ落下するように、チャンバー内の高い位置に配設することが好ましい。この構成は、入口開口をチャンバーの流体保持又は貯留領域から効果的に離隔させることによって流体が入口弁の頂面に長時間に亘って載っているのを防止し、それによって、時間が経つにつれて液体の漏れが起きる可能性を少なくする。
【0056】
又、第2補強フラップ又は部材がそれと対向する前記弾性変形自在フラップ(主フラップ)の衝接表面に接触してそれを入口開口に密に衝接させるようにすることが好ましい。又、この第2補強フラップは、入口開口を覆う主フラップの垂直(上下)方向の圧力を最大限にするために、弾性変形自在フラップの対向表面に、該対向表面の、入口オリフィスを覆う部分のところ、又はそれに近いところで接触するように構成することが好ましい。この構成も、やはり、シールの完全性を維持するのを助成する。
【0057】
ロック(錠)
このノズルデバイスには、又、流体が偶発的に分配供給されるのを防止するために錠止手段(ロック)を設けることができる。
【0058】
ロックを設ける実施形態においては、ロックは、好ましくは、デバイス本体の一体部分とされ、本体に結合される別個部品とはされない。例えば、錠止手段は、本体(例えば、ベース部品又は上側部品)に一体的に結合されており、出口弁が解放するのを防止する位置へ枢動させることができる蝶着バー又は蝶着部材(ヒンジによって枢動自在に連結されたバー又は部材)とすることができる。
【0059】
錠止手段は、又、本体の弾性変形自在部分が圧縮されるのを防止するために該変形自在部分を覆って配置することができる剛性カバーから成るものとすることができる。このカバーは、必要に応じて折り返すことができるようにヒンジによってノズルデバイスに連結することができる。あるいは別法として、上記剛性カバーは、使用中チャンバーを圧縮するために下方へ摺動させることができる摺動自在の覆いキャップとすることができる。このカバーは、それを捻ることによってロックすることができ、それによって、デバイスの偶発的始動を防止することができる。
【0060】
空気逃し又は漏らし弁
このデバイスには、更に、容器の内部と外部環境との間に圧力差が生じたときはその圧力差を均衡化するために空気を通すことができる空気漏らし手段を設けることができる。ディスペンサーノズルと容器との間の結合部の隙間から単純に空気漏れが起こる場合があるが、それは、容器を逆さにしたり、振ったりした場合に空気漏れが生じるので、好ましくない。好ましい実施形態では、ディスペンサーノズルに、空気漏らし弁、即ち、空気が容器内へ流入するのは許すが、容器が逆さにされた場合でも、容器から流体が漏出するのを防止する一方弁を設けることができる。任意の適当な一方弁で十分であるが、この空気漏らし弁は、ディスペンサーの本体内に一体的に形成することが好ましく、より好ましくは、ディスペンサー本体の2つの部品の間に一体的に形成する。
【0061】
極めて好ましくは、空気漏らし弁は、ディスペンサーノズルのチャンバーを画定する上側部品とベース部品の間に形成する。
【0062】
好ましくは、空気漏らし弁は、デバイス本体によって画定され、流体源(容器)の内部を外部環境に接続するチャンネル内に配設された弁部材から成る。極めて好ましくは、弁部材は、チャンネルの側壁に接触してそれに密封係合し、液体が容器内から漏出するのを防止するように弾性的に偏倚されており、更に、容器内の圧力が外部圧力より少くとも最少限閾値量だけ低下したときは弾性的に変形し、あるいは、変位してチャンネルの側壁との密封係合から離脱して、空気を容器内へ流入(漏入)させることができる開口を画定するようになされる。容器の内外の圧力差が最小限閾値より低いレベルにまで低下すると、弁部材は、チャンネルを閉鎖する位置へ復帰する。
【0063】
好ましくは、弁部材は、前記チャンネル内に突入するプランジャの形とし、チャンネルの側壁に衝接してシールを設定する外方延長壁を有するものとする。好ましくは、この外方延長壁は、更に、容器の内部に向かって傾斜したものとする。この構成は、弁部材に及ぼされる容器内の高い圧力が該壁をチャンネルの側壁に衝接した状態に維持させることを意味する。従って、シールの完全性が維持され、それによって、容器内の液体が空気漏らし弁を通って外部に漏出するのを防止する。反対に、容器内の圧力が外部圧力より少くとも最少限閾値量だけ低下したときは、弁部材の外方延長壁は、容器の側壁から離れるように撓まされ、空気を容器内へ流入させて内外の圧力差を均衡化又は減小させる。
【0064】
前記プランジャは、前記空気漏らし弁内に少しでも残留物が溜まっていれば、その残留物を排斥するために前記ドームが押圧されたとき、若干の動きをすることができる変形自在のベース又はフラップに取り付けることが特に好ましい。更に、空気漏らし弁内に可動(例えば、弾性変形自在の)素子を設けることは、該弁が使用中に詰まるのを防止する働きをするので好ましい。
【0065】
本発明のある種の実施形態においては、又、容器が逆さにされたり、強く振られたとき、容器の内部に存在する液体が前記弁部材に大きい又は過度の力で接触するのを防止するために、デバイスの内表面に臨む前記雌管の開口を覆う防護カバーを設けることが好ましい。このカバーは、空気及び若干の流体が通るのを許すが、流体が前記プランジャのフレア(拡開)端によって形成されるシールに直接衝突するのを防止し、従って、シールが過度の力にさらされるのを防止する。
【0066】
変型実施形態においては、前記空気漏らし弁の雄側(弁部材)ではなく、空気漏らし弁のチャンネル(雌側)を弾性変形自在とすることができる。この構成は、チャンネルの側壁が歪曲して空気を容器内に流入させることができるようにすることができる。
【0067】
前記弁部材とチャンネルは、同じ材料で形成してもよく、異なる材料で形成してもよい。例えば、弁部材とチャンネルを両方とも半可撓性プラスチック材で形成してもよく、あるいは、雌素子(チャンネル)を硬質プラスチックで形成し、雄部品(弁部材)を弾性変形自在の材料で形成することもできる。
【0068】
長時間容器内に収容されるある種の製品の場合、時間が経つにつれてボトル(容器)内にガスが溜まることに随伴する問題がある。その場合不可避的に起こる圧力の上昇を緩和するために、逃し弁が必要とされる。この目的のために、上述した空気漏らし弁は、前記チャンネルの側壁に1つ又は複数の細い溝を設けることによってガス逃し機能を追加的に果たすように改変することができる。この細い溝は、ガスを、弁部材とチャンネルの側壁との接触によって設定されるシールをバイパスしてゆっくりと容器から滲出させることができるが、液体(製品)の滲出を阻止するか、滲出できる液体の量を最少限にする。チャンネルの側壁に形成する溝は、容器内の圧力が増大し、プランジャに作用してそれを容器に対して外方へ変形させたときにのみ該溝が露出されるように、弁部材とチャンネルの側壁との接触点の外側に形成することが好ましい。過剰ガスが排除されたならば、プランジャは、溝を露出させない弾性偏倚位置に復帰する。この過程中、液体製品が失われることがない。
【0069】
あるいは別法として、弁部材がチャンネルから変位され(押しのけられ)てガスを通すことができる開口を画定するように、弁部材が容器内のガス圧によって外方へ付勢されるように構成することができる。
【0070】
シール
少くとも2つの構成部品から成る本発明の好ましい実施形態では、そのディスペンサーノズルから流体が漏出するのを防止するために、互いに結合された該少くとも2つの部品の間の接合部にシール(密封又は密封材)を設定することが好ましい。任意の適当なシールを用いることができる。例えば、前記2つの部品を互いに溶接接合してもよく、あるいは、一方の部品を他方の部品に密封係合状態にスナップ嵌めするように構成してもよく、あるいは又、一方の部品の外周にフランジを形成し、そのフランジを他方の部品の上面の周りに密着嵌合させて該上面との間にシールを形成するようにしてもよい。
【0071】
シールは、前記少くとも2つの部品のうちの一方の部品の衝接表面に形成された雄突起と、他方の部品の対向衝接表面に形成された、該突起に対応する雌溝とから成り、両部品が結合されたとき、雄突起が雌溝に密封係合する構成とすることが好ましい。
【0072】
シールは、チャンバー内及び、又は出口通路のどの位置から漏出した流体も前記2つの構成部品の間の接合部から滲出することがないように、チャンバー及び出口通路の側壁の全周に亙って形成することが好ましい。出口オリフィスがデバイス本体の2つの構成部品の間に画定されないある種の実施形態においては、シールは、チャンバーの全周と、前記出口の、該2つの構成部品の間に画定される部分の周りに形成することが好ましい。
【0073】
出口通路を有するある種の実施形態においては、前記突起部材が、該出口通路を横切って延長し、出口弁の弾性変形自在の弁部材を構成するようにすることができる。突起部材のこの部分(弁部材を構成する部分)は、通常、弁部材としての機能を達成するための所要の弾性が得られるように比較的薄肉とされる。
【0074】
本発明のある種の実施形態においては、雄突起は、溝にスナップ嵌合するように形成してもよく、あるいは、プラグ(栓)が流しの穴にはまりこむのと同様の態様で溝内に抵抗嵌合するように形成してもよい。
【0075】
浸漬チューブ
大抵の場合、ノズルと一体に浸漬チューブが形成される。あるいは、ディスペンサーの本体に、別個の浸漬管を嵌めることができる凹所を設けることができる。浸漬チューブは、使用中容器内の深部から流体を吸い上げるためのものであり、ほとんどあらゆる場合に設けられる。
【0076】
あるいは別法として、ある種の容器、特に、にかわびん、香水びん、鼻腔スプレー等の小容量容器の場合は、浸漬チューブを設けないことが望ましい場合がある。なぜなら、使用においてディスペンサーノズル自体を容器内に突入させて、容器内の製品をノズル内に吸引することができるからである。あるいは、ディスペンサーノズルに液体を入れる(呼び水を差す)のを容易にするために容器を逆さにしてもよいからである。あるいは別法として、ノズルデバイスにその一体部分として流体画室を設け、その流体画室から浸漬チューブを介さずに直接ノズルの入口に流体を吸入することができるように構成することもできる。
【0077】
チャンバー
ノズルデバイスのチャンバーは、任意の形とすることができるが、ドームの寸法及び形状は、特定のノズルデバイス及び対象とする用例に適合するように選定されることはいうまでもない。同様に、チャンバーが圧縮されたときチャンバー内に存在する流体の全部が放出されるようにしてもよく、あるいは、チャンバー内の流体の一部分だけが放出されるようにしてもよい。これも、やはり、対象とする用例に依存して決められる。
【0078】
ある種のケースでは、デバイス本体の、チャンバーを画定する弾性変形自在部分が、一旦変形した後、元の弾性偏倚形状を保持するのにはその弾性が十分でない場合がある。例えば、それは、対象とする流体が高い粘性を有しており、従って、入口を通してチャンバー内へ吸入されるのに抵抗して流入し難い場合である。そのようなケースでは、チャンバー内に1つ又は複数の弾性変形自在の柱状体を配置することによって余分の弾性を付与することができる。これらの弾性変形自在の柱状体は、チャンバーが圧縮されたときは屈曲し、チャンバーへの印加圧力が解除されたときはデバイス本体の変形された部分をその元の弾性偏倚形状へ押し戻す働きをする。あるいは別法として、1つ又は複数のプラスチックの厚肉リブを弾性変形自在部分の縁から該部分の中央に向かって延設させてもよい。これらのリブは、デバイス本体の弾性変形自在部分に圧力が印加されたときは圧縮し、印加圧力が解除されたときはデバイス本体の弾性変形自在部分をその初期弾性偏倚形状へ押し戻すこと、即ち、実効上、板ばねとして機能することによって弾性変形自在部分の弾性を増大させる。
【0079】
更に別の変型例は、チャンバー内にばね又は他のタイプの弾性手段を設けることである。上述した実施形態の場合と同様に、ばねは、チャンバーの壁が変形されたときは圧縮し、印加圧力が除去されたときはデバイス本体の変形された部分をその元の弾性偏倚形状に復帰するように付勢し、それによって、圧縮されたチャンバーをその元の「非圧縮形状」に戻るように付勢する。
【0080】
2つ又はそれ以上のチャンバー
本発明のノズルデバイスは、2つ又はそれ以上の別個のチャンバーを有するものとすることもできる。
【0081】
各個別チャンバーは、異なる流体源、例えば、同じ容器内の別々の流体充填画室からそれぞれ別個の入口を通してノズルデバイス内へ流体を吸入するものとすることができる。
【0082】
あるいは別法として、追加のチャンバーの1つ又はそれ以上のチャンバーは、入口を備えていないものとすることもできる。その場合、追加のチャンバー自体に第2流体の蓄えを貯留しておくことができ、追加のチャンバー又はその出口が、1回の操作毎にその第2流体の所定量だけを分配供給することができるように構成してもよい。
【0083】
更なる別法として、追加のチャンバーの1つ又はそれ以上のチャンバーは、ノズルデバイスの外部から空気を吸入するものとすることができる。追加の1つ又は複数のチャンバーが空気を収容するものであれ、あるいは、流体源の容器内の別個の画室から吸引される他の流体を収容するものであれ、2つ又はそれ以上のチャンバーの内容物は、それらのチャンバーを同時に圧縮することによって同じ又は別々の出口を通して同時に吐出させることができる。それぞれのチャンバーの内容物は、ノズルデバイスから吐出されるとき、又は、吐出された後、又は吐出される前に出口内で混合される。各個別チャンバーの相対容積及び、又は出口の寸法を変更することにより、出口から吐出される最終混合物中の成分の相対割合に影響を与えることが可能であることを理解されたい。更に、出口通路は、各々別個のチャンバーから延長させた2つ又はそれ以上の個別チャンネルに分割することができ、各個別チャンネルから上述したようにスプレーノズル通路内へ流体を供給させ、該通路内で流体を混合させた後吐出させるようにすることができる。
【0084】
空気を放出するための追加のチャンバーが設けられている場合は、空気の放出が完了し、印加圧力が解除されてチャンバーの弾性変形自在部分がその初期弾性偏倚形状へ変形し戻されたならば、空気の放出分を補給するためにチャンバー内へ追加の空気を吸入する必要がある。それは、出口を通して空気を吸い戻すこと(即ち、この追加のチャンバーに気密出口弁を設けないこと)によって、あるいは、より好ましくは、チャンバーを画定する本体に形成した入口孔を通して空気を吸入することによって達成することができる。後者の場合、入口孔に、上述した入口弁と同様の一方弁を設けることが好ましい。一方弁は、空気の吸入だけを許し、チャンバーが圧縮されたとき空気が入口孔を通して放出されるのを阻止する。
【0085】
大抵の場合、追加のチャンバーからの空気と容器から流体をほぼ同じ圧力で共吐出(同時吐出)させることが望ましい。そのためには、空気チャンバーを流体又は液体収容チャンバーより大きく(用例に応じて異なるが、例えば、3〜200倍大きく)圧縮させる必要がある。それは、圧力が印加されたとき、空気収容チャンバーの圧縮が優先的に起こり、それによって空気と液体を同じ、又は実質的に同じ圧力で吐出させることができるように、両方のチャンバーを配置することによって達成することができる。例えば、圧力が印加されたとき、最初に空気収容チャンバーが圧縮され、しかる後、空気収容チャンバーと液体収容チャンバーの両方が共に圧縮される局面に到達するように、空気収容チャンバーを液体収容チャンバーの後方に配置することができる。
【0086】
あるいは別法として、空気圧力が液体圧力より高く、又は低くなるようにノズルデバイスを構成することもできる。これは、ある種の用例には有用である。
【0087】
上述した複数のチャンバーは、横に並置して配置してもよく、あるいは、上下に重ねて配置してもよい。追加のチャンバーの1つに空気を収容させるようにした好ましい実施形態においては、その追加の空気チャンバーは、それが圧縮されたとき前記本体の弾性変形自在部分を変形させ、それによってノズルデバイスのチャンバーを圧縮させるように、ノズルデバイスのチャンバーに対して位置づけされる。
【0088】
各チャンバー内の流体は、同時に吐出させることが好ましいが、ある種の用途においては、1つのチャンバーから流体を吐出させ、その前又は後に他のチャンバーから流体を吐出させる構成とすることもできる。
【0089】
別の実施形態においては、空気と容器(流体源)からの流体を、それぞれ別々のチャンバーにではなく、単一の同じチャンバー内に収容してもよい。そのような場合は、流体と空気を共吐出させ、出口を通って流出する際に混合させることができる。例えば、出口が出口通路に配置された膨張室、即ち、拡幅室を有する場合、チャンバーから吐出された内容物をチャンネル(出口通路)の複数の個別分岐通路内へ分割して流入させて膨張室へそれぞれ異なる部位から流入させ、混合を促進するように構成することができる。
【0090】
容器との一体形成
大抵の場合、ノズルデバイスは、何らかの適当な手段、例えば、スナップ嵌め、螺合(ねじ山結合)によって容器に嵌合されるように構成される。しかしながら、ある場合には、ノズルデバイスは、容器内にその一体部分として組み込むことができる。例えば、ノズルデバイスは、剛性の容器又はバッグ等のいろいろな形態のプラスチック容器と一体的に成形することができる。それが可能なのは、ノズルデバイスは単一の材料で成形することが好ましく、従って、同じ又は同様な適合性のある材料から製造される容器と一体に成形することができるからである。
【0091】
本発明の第2側面によれば、使用において容器内に貯留された流体をポンプ作用ノズルデバイスを通して分配供給することができるように、上述したようなポンプ作用ノズルデバイスを開口部に嵌合させた容器が提供される。
【0092】
本発明の第3側面によれば、使用において容器内に貯留された流体をポンプ作用ノズルデバイスを通して分配供給することができるように、上述したようなポンプ作用ノズルデバイスを一体的に形成した容器が提供される。
【0093】
本発明の第4側面によれば、容器に貯留された流体を使用においてノズルを通して分配供給することができるようになされたポンプ作用ノズルデバイスであって、内部チャンバーを画定する本体を有し、該チャンバーは、該チャンバー内へ流体を吸入することができる入口と、該チャンバー内に存在する流体を該ノズルから吐出することができる出口を有し、該入口は、該チャンバー内の圧力が、該ノズルデバイスが取り付けられている前記容器の内の圧力より低下したとき流体を該入口を通して該チャンバー内へ流入させることができるようになされた入口弁を含み、該出口は、該チャンバー内の圧力が該出口のところの外部圧力より少くとも最少限の閾値量だけ超えたときにのみ流体を該チャンバーから流出させて該ノズルから吐出させることができるようになされた出口弁を含み、前記チャンバーを画定する前記本体の第1部分は、圧力を印加することができる剛性又は実質的に剛性のアクチュエータ表面を構成し、該チャンバーを画定する前記本体の第2部分は、
(i)弾性的に偏倚された初期形状(以下、単に「初期弾性偏倚形状」とも称する)から圧力の印加に応答して膨張又は変形した形状に変位され、それによって、該本体の該第2部分が該初期形状から該膨張又は変形した形状に変形されるにつれて該本体の該第2部分によって画定される前記チャンバーの容積が減小し、その容積の減小によって該チャンバー内の圧力を増大させ、流体を前記出口弁を通して流出させるように構成されており、
(ii)その後、前記印加された圧力が除去されると、前記初期位置に復帰し、それによって、流体が前記入口弁を通して前記チャンバー内へ吸入されるように前記チャンバーの容積を増大させ、該チャンバー内の圧力を低下させるように構成されていることを特徴とするポンプ作用ノズルデバイスが提供される。
【0094】
好ましくは、ノズルデバイスは、上述した構成とされる。
【0095】
更に、前記チャンバーの容積を減小させ、それによって該チャンバー内の流体を前記出口弁を通して流出させるように変位させることができる前記デバイス本体の前記第2部分は、ピストンチャンネル内に装着されたピストンであることが好ましい。ピストンチャンネルは、チャンバー全体を構成するものとしてもよく、あるいは、チャンバーの一部分だけを構成するものとしてもよい。
【0096】
このノズルデバイスは、ピストンをその初期位置から内方へ変位させ(押しやり)、その後、その初期位置を回復させるための手段を備えていることが好ましい。それは、所望に応じてピストンを変位させるために操作することができる任意の適当な手段、例えば、ピストンに連結されたトリガー又は覆いキャップであってよい。トリガー型アクチュエータは、圧力を印加されていないときは、デバイス本体の前記第2部分をその初期位置に保持するように弾性的に偏倚されていることが好ましい。
【0097】
製造方法
本発明のノズルデバイスは、斯界において周知の任意の適当な技法によって製造することができる。
【0098】
先に述べたように、本発明の好ましい実施形態は、デバイスの少くともチャンバーを、より好ましくは、チャンバーと出口の少くとも一部分を画定するように互いに嵌合する2つの部品(ベースと上側部品)を有する本体から成る。
【0099】
本発明の更に別の側面によれば、少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、上述したようなノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記少くとも2つの部品を成形する工程と、
(ii)前記本体の前記少くとも2つの部品を互いに結合して前記ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法が提供される。
【0100】
前記本体の各部品は、それぞれ別個の部品とすることができ、その場合、それらの構成部品は、最初にそれぞれ別個に形成しておき、次いで、それらを組み合わせてノズルを形成する。
【0101】
あるいは別法として、そしてより好ましくは、本体の2つの部品、又は、本体のどちらか一方の部品と、トリガー型アクチュエータとは、互いに一体的に形成し、屈曲又は折り曲げ自在の連結素子によって連結することができる。その場合、本体の2つの結合部品を1回の成形工程で形成し、次いでそれらを残りの部品と組み合わせてノズルデバイスを製造することができる。例えば、好ましい実施形態では、本体のベース部品と上側部品を一体的に形成し、それらを折り曲げ又は屈曲自在の連結素子によって相互に連結することができる。このように、デバイス全体を単一の材料から1回の成形工程で形成することができる。ベース部品と上側部品が形成されたならば、上側部品をベースの上に重ねるように折り返してベースに結合し、組み立てノズルデバイスを得ることができる。
【0102】
あるいは別法として、このノズルデバイスは、本体の第1構成部品を形成し、次いでその第1構成部品の上に第2構成部品を成形するダブル射出成形法によって形成することもできる。各部品は、同じ材料から成形してもよく、異なる材料から成形してもよい。先の実施形態の場合と同様に、トリガー型アクチュエータは、別個部品として後からノズルデバイスの本体に取り付けてもよく、あるいは、本体の部品の1つと一体的に形成してもよい。
【0103】
本体の2つの部品が結合されてデバイスの組み立て本体が形成されたならば、それらの2つの部品を結合状態に保持するためにそれらの部品の上に別のプラスチック材を被せ成形することができる。
【0104】
本発明の更に別の側面によれば、少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、上述したようなノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を第1加工工程において成形する工程と、
(ii)第2加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第2部品を前記第1部品の上に被せ成形して前記ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法が提供される。
【0105】
前記少くとも2つの部品は、同じ成形工具内でダブル射出成形法で成形することが好ましい。通常、前記第1部品は、ノズルデバイスのベース部品であり、前記第2部品は、上側部品である。
【0106】
本発明の更に別の側面によれば、少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、上述したようなノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)第1加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を該少くとも2つの部品のうちの第2部品のためのベース又はフレームと一緒に成形する工程と、
(ii)前記ベース又はフレームの上に被せ成形して組み立てノズルデバイスの第2部品を形成する工程と、
から成る方法が提供される。
【0107】
前記第2部品のためのフレームは、前記被せ成形工程の前に前記ベースに嵌着することができる。
【0108】
あるいは別法として、前記被せ成形は、前記第2部品のための前記フレームを第1部品に嵌着させる前に行うことができる。
【0109】
前記被せ成形は、前記第1部品及び前記第2部品のためのフレームの材料と同じ材料で行ってもよく、あるいは、異なる材料としてもよい。
【0110】
前記ベースは、最初に、上側部品のためのフレーム支持体と一緒に硬質プラスチック材で成形することが特に好ましい。上側部品のためのフレームは、ヒンジ式又は折り曲げ自在の連結部材によってベースに連結することが好ましい。ヒンジ式又は折り曲げ自在の連結部材は、最終製品の組み立て段階で、フレームをベースの上に折り曲げてベースに嵌着させるのを可能にする。このフレームの上に、前記本体の、前記チャンバーを画定する弾性変形自在部分を構成する、該フレームと適合性のある可撓性弾性変形自在プラスチック材料を被せ成形する。この弾性変形自在プラスチック材料は、又、出口弁及び入口弁のための弾性変形自在弁部材をも構成することができる。又、それは、操作者がデバイスを握ったとき柔らかい手触り感触を与えるためにノズルの表面の他の部部を覆うようにすることもできる。上側部品のこの剛性フレームは、ベースとの連結点を構成する上側部品の外縁をも形成することができ、スプレーノズルの通路が設けられる実施形態においては、このフレームは、前記ベースに形成された下側衝接表面に接触して該スプレー通路と出口オリフィスを画定する上側衝接表面をも形成することができる。
【0111】
本発明の更に別の側面によれば、少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、上述したようなノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)第1加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を該少くとも2つの部品のうちの第2部品のためのフレーム又はベースと一緒に成形する工程と、
(ii)前記本体のインサート部分を、前記本体の第2部品のフレームが前記本体の前記第1部品に結合されたとき該インサート部分が該フレーム内に保持されるように位置づけして、該インサート部分とフレームとで該本体の該第2部品を構成する工程と、
から成る方法が提供される。
【0112】
本発明の更に別の側面によれば、少くとも2つの結合部品から成る本体を有し、該結合部品が互いに移動自在とされるように該結合部品が連結素子によって互いに連結されている、上述したようなノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記各部品を前記連結素子と一緒に1回の成形工程で成形する工程と、
(ii)前記本体の前記少くとも2つの部品を互いに係合する位置へ動かして該ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法が提供される。
【0113】
本発明のディスペンサーノズルは、いろいろな異なる成形法によって製造することができる。
【0114】
発泡剤
プラスチック材料と一緒に発泡剤を金型内に装入することが好ましい。発泡剤は、成形プラスチック内にいわゆる「ひけ」と称される現象が生じるのを防止する起泡を創出する。ひけの問題、及び、この問題に対処するために成形プラスチックの製造に発泡剤を使用することは、本出願人自身の国際特許公開WO03/049916(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に詳述されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0115】
以下に添付図を参照して、本発明の実施態様を例として説明する。
以下の説明では、各図を通して同様な部分は同様な符号で示される。
【0116】
図1A及び1Bに示されたノズルデバイスは、折り曲げ自在の連結素子103によって互いに結合された2つの部品、即ちベース部品101と上側部品102とで形成された本体100から成る。
【0117】
この本体100は、1回の成形工程で単一の硬質プラスチック材から形成される。このデバイスは、図1A及び1Bに示されるような形態に成形され、次いで、上側部品102が折り曲げ自在の連結素子103を中心として折り返され、ベース部品(以下、単に「ベース」とも称する)101に嵌着されて組み立てノズルデバイスを形成する。ベース101と上側部品102とが嵌め合わされると、上側部品102の下面の衝接部分又は表面102aがベース101の上面の衝接部分又は表面101aに衝接する。ベース部品101の上面の隆起部分101bが上側部品102の上面に形成された凹部102bに受容され、内部チャンバーを画定する。
【0118】
ベース101の隆起部分101bに形成された溝104は、組み立てられたノズルデバイスにおいて内部チャンバーから出口弁にまで通じる出口通路の始端部分を構成する。出口弁は、上側部品102の下面に形成された弾性変形自在のフラップ(出口弁部材)105と、それを受容する、ベースの対向する衝接表面101aに形成された凹所106とで形成される。フラップ105は、ベースと上側部品が結合されると、溝104の端部を覆い、出口通路(流体流通路とも称する)を閉鎖するが、内部チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値を超えると、後述するように、弾性的に変形して溝104の端部から離れ、出口通路を開放する。又、フラップ105は、後述するように、うね状突条112の延長部分として形成される。
【0119】
流体流通路の残部は、ベース101の衝接表面101aに形成された溝及び、又は凹所104a,104b及び104cと、それらに対応して上側部品102の衝接表面102aに形成された溝及び、又は凹所107a,107b及び107cとが整合することによって画定される。部分104cと107cとは、互いに整合し、使用において出口通路を通る液体に回転流を誘起する円形渦巻室を形成する半円形の凹所である。液体は、この渦巻室から溝104dと107dとの整合によって形成される出口を通して吐出される。
【0120】
ベース101は、又、その隆起部分101bに形成された凹所108a内に配置された入口オリフィス108を画定する。入口弁は、上側部品102の下面に形成された弾性変形自在のフラップ109(入口弁部材)と、それを受容する、組み立てノズルデバイスの凹所108aとで形成される。フラップ109は、常態では入口を閉鎖するように入口開口に圧接する位置へ弾性的に偏倚されている。フラップ109は、内部チャンバー内の圧力が、該ノズルデバイスが取り付けられている容器内の圧力より少くとも所定の最少限閾値量だけ低下すると、弾性的に変形して入口開口から離れ、流体をチャンバー内へ吸入させる。入口108の開口には、フラップ109が圧接してシールを設定するためのリップが形成されている。又、フラップ109がリップに過度の力を及ぼすのを防止するために支持リブ108b,108cが設けられている。
【0121】
上側部品102の下面に形成された位置決め柱状体110a,110bは、ベースに形成された穴111a,111b内に受容され、ベースと上側部品とを互いに密に衝接した状態に保持するのを助成する。更に、凹部102bの周りを囲繞するうね状突条112が、ベース101の上面に隆起部分101bの周りに形成された、対応する形状の溝113内に受容され、該溝と密封係合する。この突条112と溝113は、密に嵌合し、ベース101と上側部品102とを互いに密に衝接した状態に保持するのを助成する。この突条と溝は、又、流体がチャンバーから漏出し、上側部品とベースとの間から滲出するのを防止するシール(密封)を形成する。更に、突条112の延長部分112aと溝113の延長部分113aによって出口通路及び出口オリフィスをも囲繞するシールが形成される。
【0122】
本体100は、又、上側部品102の下面に形成された弾性変形自在の弁部材115と、ノズルデバイスが組み立てられたとき、部材115受容する、ベースの衝接表面101aに形成された開口116とから成る空気漏らし弁を含む。開口116は、変形自在の弁部材115と協同して、組み立てられたノズルデバイスの外部から容器内へ空気を流入させることができる通路を画定する。変形自在の弁部材115の先端は、ラッパ状拡開リムを有しており、該リムの縁が対応する開口116の内壁に衝接して気密シールを形成する。流体をノズルデバイスを通して放出した結果として容器内の圧力が減小すると、容器の内部と外部環境との間の圧力差により弁部材115の拡開リムを内方へ変形させ、それによって外部環境から容器内へ空気を流入させる。圧力差が均衡化されたならば、拡開リムは、その初期弾性偏倚形状に復帰し、それ以上の空気が開口116を通して流入するのを阻止する。又、容器が逆さにされた場合、容器内の製品は、変形自在の弁部材の拡開リムを通り抜けて漏出することはできないし、例えば容器を握り締めることなどによって圧力が加えられると、拡開リムを開口116の壁により強く衝接させることが理解されるであろう。
【0123】
変型実施形態として、空気漏らし弁は、穴内に配置されており、圧力差が生じたとき弾性変形して通路を開放し、空気を外部環境から容器内へ流入させることができる柱状体又はフラップとすることもできる。
【0124】
更なる変型例として、弾性変形自在の上側部品402に、開口1102に類似した開口の上方に細いスリットを設けることができ、このスリットが、圧力差が生じたとき、開放するように構成することができる。
【0125】
使用において、操作者は、本体の、内部チャンバーを画定する弾性変形自在部分である、上側部品の部分102bの外表面を内方へ押し込む。上側部品のこの部分102bは、ベースの部分101bの上面に衝接するまで容易に押し込むことができ、それによって、両者の間に画定される内部チャンバーを圧縮し、その内部の圧力を増大させる。チャンバー内の圧力が所定の最小限閾値を超えると、フラップ105がその弾性偏倚位置から変位されて(押しのけられて)液体を出口通路の残部を通して出口オリフィスへ通流させることができる開口を画定し、液体は出口オリフィスからスプレーの形で吐出される。チャンバー内の圧力が再び上記所定の最小限閾値より低下すると、直ちにフラップ105はその弾性偏倚形状に復帰し、チャンバーの容積が増大する。その結果、チャンバー内の圧力が低下し、入口弁のフラップ109が変位せしめられて容器から追加の液体を入口弁を通してチャンバー内へ吸入させる。
【0126】
流体をスプレーの形で分配供給するようになされたノズルデバイスの別の実施形態が図2に示されている。この例では、図示の便宜上、内部チャンバー201と出口通路202だけが示されている。入口は、図に示されていないが、実際には存在する。
【0127】
図2に示された実施形態は、硬質プラスチック材から製造されたベース部品101と、上側部品102とから成る。上側部品102は、硬質プラスチック材から形成された衝接表面部分102aと、弾性変形自在材料から形成された弾性変形自在部分102bから成る。弾性変形自在部分102bは、ベース101の部分101bと協同して内部チャンバー201を画定する。ノズルデバイスのこの実施形態では、ベース101と上側部品102の部分102aとを硬質プラスチック材から同じ成形工具内でダブル射出成形法によって形成することができ、次いで、部分102bを弾性変形自在のプラスチック材で部分102aの上に成形する。次いで、ベース101と上側部品102を嵌合させて組み立てられたノズルデバイスを形成する。随意選択(オプション)として、部分102aとベース101を同じ材料で成形し、それらを折り曲げ自在の連結素子によって相互に結合してもよい。
【0128】
図2に示された実施形態でも、やはり、出口弁は、上側部品102の下面に形成された弾性変形自在のフラップ(出口弁部材)105と、それを受容する、ベースの対向する衝接表面101aに形成された凹所106とで構成される。凹所106の側壁106aは斜面とされており、フラップ105は、傾斜側壁106aの縁に衝接するように弾性的に偏倚されており、その下端に密なシールを形成するようになされている。
【0129】
フラップ105は、チャンバー201内の圧力が所定値に達すると、変位せしめられて側壁106aから離れ、流体を通すことができる開口を形成する。流体は、出口弁から出口通路に沿って出口オリフィス(図示せず)にまで流れるが、その途中、互いに対向した衝接表面102aと101aに形成された整合凹所によって形成された膨張室204を通る。
【0130】
図3は、図2の実施形態の上側部品102とベース101を示す。図には示されていないが、やはりこの実施形態でも、上側部品102は、先の実施形態に関連して上述したように、入口弁を構成するようにベース101に形成された入口108と、それを覆う突出フラップ109を備えている。この実施形態では、上側部品102は、上述したように、弾性変形自在材料の部分102bと、それを囲繞する硬質プラスチック材のフレーム部分102aとから成る。硬質プラスチック材のフレーム部分即ち衝接部分102aは、図2に示されるようにベース101の衝接部分101aに衝接して出口通路を画定する。図3から分かるように、出口通路202は、凹所301と302の整合によって形成される第1膨張室204と、凹所303と304の整合によって形成される第2出口室を含む。
【0131】
上側部品102とベース101との間の密な衝接を保証するために、上側部品102の衝接表面102aにいろいろなクリップ機構1220が設けられている。上側部品102の衝接表面102aに形成されたクリップ305は、ベース101の衝接表面101aに形成された凹所又はキャビティに係合して上側部品とベースを位置ぎめし、しっかりと結合した状態に保持する。
【0132】
図4に示される示された実施形態は、流体をスプレーとしてではなく、液体のボーラス(即ち、液滴の形に砕解されていない液体)として分配供給するように構成されたノズルデバイスの一例である。このデバイスは、2つの部品、即ち、ベース部品401と、ベース部品401の上面に嵌着された上側部品402とで形成された本体400から成る。本体400は、硬質プラスチック材から形成されるが、上側部品402は、弾性変形自在の材料で形成することもできる。
【0133】
ベース部品401は、デバイス本体を容器のねじ付き頸部に固定することができるように、下面にねじ付き凹所を有しており、実効上ベース部品はねじ付きキャップを構成する。上側部品402は、図4に示されるように、ベース部品401の上面に嵌着され、本体400の実質的にドーム形凸部を構成する。このドーム形凸部は、本体の弾性変形自在部分であり、操作者がそれを押圧することによって内方へ変形させ内部チャンバーの容積を減小させることができる。それによって、流体をチャンバーから出口オリフィス403を通して吐出させる。
【0134】
ベース部品401の透視図が図5に示されている。図5を参照して説明すると、ベース部品401は、垂下部分501を有し、その下面に上述したねじ付き凹所が形成されている。ベース部品401の上面は、中央凹部502を囲繞する外周縁504を有する。凹部502は、実質的に逆さドームのような形状の深凹部分502aから成り、深凹部分502aは前方へ延長してほぼスパウト(注ぎ口、ノズル)状の出口の下方部分を構成する。この出口は、出口オリフィスの403の一部を画定する縁505を有する。ベース部品401のこの出口縁505のところに、凹部502は、上側部品402と協同して出口通路弁を画定する衝接表面502bを有する。この出口通路弁は、縁505と、それに対応する上側部品402の縁によって形成される出口オリフィス403に通じる。
【0135】
縁504の直ぐ内側で凹部502内にチャンネル506が配設される。チャンネル506の目的は、図6を参照して後述する。又、凹部502の領域502a内には、使用において結合された容器からノズルデバイス内へ流体を吸入することができる入口開口503が配設されている。入口503の開口は、更なる凹所503a内に配設されている。凹所503aの目的は、図6を参照して後述する。
【0136】
上側部品402の上面は、図6に詳細に示されている。ただし、図6では、説明の便宜上、上側部品402を上下逆にして示されている。上側部品402の下面は、リップ又はうね状突条601によって囲繞されている。リップ601は、上側部品402をベース部品401に嵌着させると、チャンネル又は溝506内に受容され、ベースと上側部品との間に密なシールを設定し、それによって、ベース401と上側部品402との間に流体漏れが生じるのを防止する。上側部品402の下面は、リップ601の間に延長し、上側部品とベース部品とが結合されたとき、ベースの凹部502aと整合する実質的にドーム形の凹部602aを画定するとともに、前方に延長して、組み立てノズルデバイスにおいてベース401の対向する衝接表面502bと整合して出口通路を画定する衝接表面602bを形成する。上側部品402は、更に、ベース401に嵌着されたとき、凹所503a内に座置し、入口開口503に圧接するように弾性的に偏倚される突出フラップ603を備えている。突出フラップ603は、入口弁の弾性変形自在弁部材を構成する。
【0137】
図4に示されたノズルデバイスの内部構造及び作動を図7A及び7Bの断面図を参照することによってよりよく理解されるであろう。図7Aを参照して説明すると、ベース401は、その下面に凹所701,702を有する。凹所701は、円形であり、容器の円形ねじ付き頸部に螺合させることができるようにねじ山(図示せず)を有している。一方、凹所702は、浸漬チューブ704を受容するようになされており、上方に延長してディスペンサー弁(入口弁)の入口開口503を画定する。ベース401の上面の部分502(凹部)は、上側部品402の下面の部分602aと協同して内部チャンバー700を画定する。ベースの上面の衝接部分502bは、上側部品402の下面の衝接部分602bと協同して、ベースの縁505と上側部品の縁605によって画定される出口オリフィス403に通じる出口通路を画定する。上側部品402の部分602aは、弾性変形を受けることができる硬質プラスチック材の薄肉セクションで形成される。従って、本体400のこの部分は、本体の、チャンバー700を画定する弾性変形自在部分である。又、上側部品402の部分602bによって形成される衝接表面は、図7A及び7Bに示されるように出口通路を閉鎖する弾性偏倚された形状から出口通路を開放する位置へ弾性変形するように構成される。かくして、弾性変形自在の出口通路は、実効上、デバイスの出口弁を構成する。更に、上側部品402の突出フラップ603は、チャンバーの入口503を囲繞する凹所503a内に受容され、上述したように入口フラップ弁を構成する。
【0138】
従って、上側部品402の領域602aの弾性変形自在部分は、例えば操作者が指でこの部分を押圧することなどにより圧力を印加することによって下方へ変形させることができる。圧力を印加すると、チャンバー700の容積を減小させ、その内部の圧力を増大させる。チャンバー700内の圧力が所定の最小閾値を超えると、上側部品402の衝接表面602bが変形されてベース401の対向する衝接表面502bから離脱し、出口通路を開放するので、チャンバー内の流体が、開放した出口通路を通り、ノズルデバイスの出口403を通して吐出される。このとき、流体がチャンバーから入口を通して流出するのは、フラップ603によって防止されていることを留意されたい。流体が出口403から吐出されるにつれて、チャンバー700内流体が減小し、チャンバー内の圧力が徐々に低下し、最小閾値より低下すると、出口通路602bの弾性変形自在の衝接表面が変形して対向する衝接表面502bに衝接する位置へ戻り、出口通路が閉鎖される。
【0139】
領域602aにおいてチャンバー700に印加された圧力が解除されると、チャンバーがその固有の弾性によって変形し膨張した形状に戻るにつれてチャンバー内の圧力が低下する。この圧力低下の結果として、入口503とチャンバー700との間の圧力差により突出フラップ603を撓ませて入口オリフィスから離脱させるので、流体を入口503を通してチャンバー内へ吸入する。本体の上側部品402の部分602aがその初期弾性偏倚形状を回復すると、突出フラップ603は、変形して図4Aに示される位置に戻り入口503が閉鎖される。
【0140】
変型例として、図4〜7に示された実施形態の本体は、可撓性プラスチック材で製造することができる。その場合、ディスペンサーは任意の適当な成形法で製造することができる。例えば、ベース部品401と上側部品402とを同じ金型又は別々の金型内で別個に成形した後、結合してもよく、あるいは、ベース部品と上側部品の一方を先に成形し、他方の部品を先に成形された部品上に成形してもよい。
【0141】
図8A及び8Bは、流体をスプレーとしてではなく、液体のボーラスとして分配供給するように構成されたノズルデバイスの別の例である。図8A及び8Bに示された実施形態は、空気漏らし弁を追加の手段として備えており、上側部品とベースが、互いに一体的に形成され、折り曲げ自在の連結素子801によって結合されている点を除いては、図4〜7に示された実施形態とほぼ同じである。この空気漏らし弁は、容器と外部環境との間に圧力差が生じた場合、その圧力差を均衡化するために外部環境から容器内へ空気を流入させるようになされている。ただし、空気漏らし弁は、例えば容器が逆さにされたとき、流体が容器から該弁を通って外部へ流出するのを防止するようになされている。
【0142】
この実施形態では、上側部品は、全体的に硬質プラスチック材で形成されているが、変型実施形態として、(ベースの硬質プラスチック材と同じ)硬質プラスチック材のフレームに可撓性プラスチック材を被せ成形することによって形成してもよい。
【0143】
図8A及び8Bに示された実施形態の主要な利点は、ベース401と上側部品402とが一体的に形成されることである。このことは、ディスペンサーの本体全体を単一の材料から1回の工程で成形することができることを意味し、その結果、組み立て及び加工時間を最少限にすることができるので、製造コストを削減するという利点が得られる。例えば、このディスペンサーは、図8Aに示されるように開放した形態で成形することができ、次いで、上側部品を連結素子801を中心として折り返して組み立てられたノズルデバイスを形成することができる。
【0144】
流体をスプレーとしてではなく、液体のボーラスとして分配供給するように構成されたノズルデバイスの更に別の例が、図9に示されている。図9に示されたディスペンサーデバイスは、同じ参照番号で示されている、先に述べた各実施形態の多くの特徴を備えているが、幾つかの改変を有している。
【0145】
具体的にいえば、このデバイス1401は、製品が矢印1405の方向に下方へ分配供給されるように改変されている。ただし、出口703は、製品を任意の角度(例えば、垂直線に対して30〜45°の角度)に分配供給するように構成することができることはいうまでもない。
【0146】
出口通路も、錠止手段(ロック)を組み入れた構造に改変されている。錠止手段は、上側部品402に形成されたプラグ1406から成る。プラグ1406は、上側部品402の上面にボタン1407を形成するように延長しており、ボタン1407を押し下げることによってプラグ1406を図7に示されるように出口オリフィス703と密封係合するように押圧する。この位置では、プラグ1406は、出口703を密封(シール)し、流体がチャンバーから分配供給されるのを防止する。シールを解放して流体を出口703を通して分配供給することができるようにするためには、操作者は、プラグ1406を出口703から引き抜くためにボタン1407を引っ張り上げなければならない。シールが解放された後、チャンバーを圧縮すると、上側部品402の部分602bが弾性的に変形してベース401の衝接表面502bから離脱し、出口通路を開放する。又、流体が出口703に向かって流れているとき上側部品402の部分602bのこの変形は、又、プラグ1406を出口703の近傍から引き抜き、流体を通すことができる通路を画定する働きをする。チャンバーの内容物が分配供給されたならば、上側部品402の部分602b及びプラグ1406は、変形して原形に復帰し出口通路を閉鎖する。この点、プラグ1406は、出口703を覆う位置に座置し、実効上、空気又は製品流体がチャンバー内へ逆吸入されるのを防止する逆止弁を構成する。使用後、操作者は、ボタン1407を押し下げてロックし、出口を閉鎖してデバイスの偶発的作動を防止することができる。
【0147】
リップ1408aを有するほぼL字形の部材1408が、プラグ1406の底面から垂下し、出口703を貫通して突出している。図7に示されるようにプラグ1406が出口703に密封係合しているときは、リップ1408aはベース401の下面から離れているが、ボタン1407が引き上げられてプラグ1406を出口から引き抜くと、部材1408のリップ1408aがベース401の下面に衝接し、ボタン1407が過度に引き上げられるのを防止する。ボタン1407が過度に引き上げられるのを防止するための手段としては他の任意の手段を用いることができる。
【0148】
突条601が対応する溝506内に受容されることによって形成されるシールも、2つの点で改変されている。第1に、シールは、チャンバー700の全周を囲繞し、更に、ベース401の部分502bの衝接表面と上側部品402の部分602bの衝接表面との間に画定される出口通路をも囲繞している。従って、流体が上側部品402とベース401の間から滲出し、ノズルから漏出するのを防止する完全なシールが形成される。第2に、うね状突条の厚みは、その底部に向かってテーパーしており、それに対応して溝506の幅がその開口に向かってテーパしている。従って、突条601は、溝506内に押し込む、又は、スナップ嵌めすることができ、それによって溝の側壁との間に密な密封係合を形成し、上側部品402とベース401とを結合状態に保持する働きをもする。
【0149】
又、入口のところのフラップ弁部材603は、支持腕1420を備えている。支持腕1420は、フラップ603を入口オリフィスを覆うように弾性的に偏倚させるように構成されており、それによって、フラップとオリフィスとの間に形成されるシールを強固にするとともに、使用中フラップ603を入口オリフィス503から離脱させて開放する方向に変形させるのに要する圧力を高くする。
【0150】
図1〜9に示されたポンプ作用ディスペンサーは、上面にほぼドーム形の凸部を有しており、チャンバーを圧縮してその中に貯留されている内容物を出口を通して吐出させるためにはドーム形凸部を押圧しなければならない。このような構造の1つの欠点となりうる問題は、操作者は指を使ってドームを内方へ押圧しなければならず、チャンバーを確実に完全に圧縮させるためには指を正しい位置に位置づけしなければならないことである。又、ドームを十分に押圧するためには、比較的高い圧力が必要とされることも判明しており、それが更なる欠点ともなりうる。なぜなら、人は、慣用のポンプディスペンサーを操作する場合、例えば手のひらを用いたり、手の肘や前腕さえ用いるなど、手の指以外の異なる部分で押圧力を加えることがよくあるからである。このような場合、デバイスからの流体の吐出を始動するために例えば手のひらを用いてドームを十分に圧縮することは非常に難しい。
【0151】
従って、本発明は、操作者が手又は腕のどの部分を用いても操作することができる更に別の実施形態を開発した。この実施形態は、図10A〜10Cに示されている。図10Aは、この実施形態をベース401と上側部品402とが脱着された分解状態にあるところを示す。ベース401は、屈曲自在又は折り曲げ自在の連結素子2002によって上側部品402に結合されている。図10A〜10Cに示された実施形態は、硬質プラスチック材で形成されるが、可撓性プラスチック材で形成することも可能である。ノズルデバイス全体が1回の加工工程で成形される単一構成部品として形成され、図10Aに示される形態で金型から取り出される。先に述べたように、上側部品402を連結素子2002の周りに折り返してベース401の上面に嵌着させれば、図10Bに示されるように、組み立てられたノズルデバイスが得られる。
【0152】
図10Bを参照すると、この組み立てられた状態では、ベース401の上面の外周に延設されたうね状突条1210が、上側部品402の下面に形成された溝1211に密封係合状態で受容され、ベース401と上側部品402との間に密封結合を設定する。又、弾性変形自在のフラップ603が、ベース401に入口503を囲繞して形成された凹所内に受容されて入口弁を構成する。これらの2つの構成は、先に述べたものと同様であるが、先に述べた実施形態とは異なり、上側部品402は、ベース401の上面に形成された2つのピボット突起2502の先端を受容するようになされたくぼみ2501aを有する2つの素子2501を備えている。この構成によれば、チャンバー700を圧縮するべく上側部品402の部分602aを図10Cに示されるようにベース401の上面の部分502aに向けて変位させるために、上側部品402をベース401に対してピボット突起2502を中心として枢動させることができる。
【0153】
上側部品402は、デバイスの本体の第1部分即ちアクチュエータ表面を構成する。デバイスの本体の第2部分即ち弾性変形自在部分は、ベース401の弾性変形自在の側壁2504によって構成される。壁2504は、常態では、アクチュエータ表面602aをベース401から引き離し、チャンバー700の容積を最大限にする、図10Bに示される形態を取るように弾性的に偏倚されている。
【0154】
アクチュエータ表面602aに矢印2505の方向に圧力が印加されると、弾性変形自在壁2504が変形し、アクチュエータ表面がベース401の上面の部分502aに向かって変位せしめられ、それによって、チャンバー700を圧縮する。チャンバー内の圧力が増大すると、プラグ1406を出口403から引き離し、チャンバーから流体を分配供給する。プラグ1406に代えて、先に述べたような任意の適当な出口弁を用いることができる。印加圧力が解放されると、壁2504がその弾性的に偏倚された図10Bに示される初期形状に復帰し、チャンバーの容積を増大させ、チャンバー内の圧力を減小させるので、追加の流体が入口503を通してチャンバー内へ吸入される。
【0155】
プラグ1406は、実効上、チャンバー700内の圧力が該プラグ1406を出口オリフィス403から変位させるのに十分に高いときにのみチャンバー700から流体を吐出させることを保証する事前圧縮弁として機能する。流体がプラグ1406を通り越すことができるようにするために、プラグ1406は、変形してチャンネルを画定することができるように中空にすることが好ましいが、別法として、プラグ1406を変位(移動)自在としてもよく、その場合は、プラグ1406が変位又は変形することができるようにプラグの上方に十分な空間を設けなければならない。
【0156】
更に、このデバイスは、随意選択として、上側部品402と一体に形成された錠止(ロック)部材2510を含むものとすることができる。錠止部材2510は、上側部品402が枢動してチャンバー700を圧縮するのを防止するために図10Bには示さるように回動させてベース401に衝接させることができる。かくして、デバイスはロックされ、その偶発的な作動が防止される。錠止部材2510をベース401から脱係合させれば、デバイスを上述した態様で操作することができる。
【0157】
この実施形態と先に述べた各実施形態との主要な相異は、この実施形態では上側部品402のアクチュエータ表面602aが実質的に剛性であり、圧力が加えられたとき変形しないことである。アクチュエータ表面602aに圧力が加えられたとき変形するのは、壁2504である。この構成は、アクチュエータ表面が操作者に対してしっかりした接触点を提供するという利点を有する。更に、操作者は、容器からの流体の分配供給を始動させるために手のどの部分をも、腕でさえも用いることができる。この構成は、又、機械効率(てこ作用等)を高めるという利点も提供する。
【0158】
この実施形態のもう1つの相異は、圧力を印加したとき、本体のうち動かされる部分割合が、他の実施形態に比べてはるかに高いことである。
【0159】
図10A、10B、10Cに示された実施形態は、液体、特にソープ、シャンプー、クリーム等の粘性の液体のボーラスを分配供給するように構成されたノズルデバイスであるが、例えば出口を上述した図1〜3のノズルデバイスと同様な態様に改変することによって流体をスプレーの形で分配供給するように容易に構成することができることを理解されたい。
【0160】
本発明の更に別の実施形態が図11A及び11Bに示されている。この実施形態は、実効上、図10A〜10Cに示されたノズルデバイスの2つを一体的に結合させたものである。従って、図11A、11Bに示されたデバイスは、2つのチャンバーを有し、2つの別個の流体を分配供給することができる。各チャンバーは、2つの別個の流体源、例えば同じ容器の別々の画室から流体を吸入することができる。
【0161】
変型実施形態として、各チャンバーから分配供給される流体を、図11A、11Bに示される実施形態の場合のようにそれぞれ別々の出口通路を通すのではなく、混合させることもできる。更に、一方のチャンバーからは、異なる種類の液体ではなく、空気を吐出させるように構成することもできる。
【0162】
図12は、チャンバーを圧縮させるために本体の弾性変形自在部分を用いるのではなく、チャンバーを画定する本体の一体部分としてピストンシリンダ2301を組み入れた本発明の更なる変型実施形態を示す。ピストンシリンダ2301内にピストン2302が摺動自在に装着される。チャンバー201を圧縮し、チャンバー内に貯留されている内容物を吐出させるためのピストン2302の移動は、図12の実施形態では、ピストン2302に取り付けられたアクチュエータ部材(アーム部分)2303を矢印2310の方向に押し下げることによって容易にされる。アクチュエータ部材2303は、弾性変形自在のヒンジ2304によってベース101に連結されている。アーム部分2303に印加された圧力が解放されると、アーム部分2303は、ヒンジ2304の固有の弾性により図12示される位置に復帰する。
【0163】
やはり、このアクチュエータ部材も、操作者がデバイスを作動させるために押圧することができる剛性のアクチュエータ表面を提供する。
【0164】
添付図に示された実施形態に関連して記述された本発明の説明は、例として述べられたものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】図1Aは、2つの構成部品で形成された本体から成り、流体をスプレーの形で分配供給するようになされたノズルデバイスの一実施形態の透視図である。 図1Bは、図1Aに示されたデバイスの別の角度からみた透視図である。
【図2】図2は、2つの構成部品で形成された本体から成り、流体をスプレーの形で分配供給するようになされたノズルデバイスの変型実施形態の概略断面図である。
【図3】図3は、図1に示されたデバイスの上側部品102の透視図である。
【図4】図4は、流体のボーラス(即ち、液滴の形に砕解されていない流体)を分配供給するようになされたノズルデバイスの一実施形態の透視図である。
【図5】図5は、図4に示されたベース部品401の透視図であり、上側部品402を除去した状態で示す。
【図6】図6は、図4に示された上側部品402の透視図である。
【図7】図7Aは、図4に示されたノズルデバイスの断面図である。 図7Bは、図7Aの線A−Aに沿ってみた断面図である。
【図8】図8Aは、流体のボーラスを分配供給するようになされたノズルデバイスの別の実施形態の透視図である。 図8Bは、図8Aの実施形態の断面図である。
【図9】図9は、流体のボーラスを分配供給するようになされたノズルデバイスの更に別の実施形態の断面図である。
【図10】図10Aは、本発明の一実施形態の透視図である。 図10Bは、図10Aの実施形態の断面図である。 図10Cは、図10Bと同様な図であるが、アクチュエータを操作したときの状態を示す。
【図11】図11Aは、本発明の第2実施形態の透視図である。 図11Bは、図11Aの実施形態の上側部品を閉じたときの透視図である。
【図12】図12は、本発明の別の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
【0166】
100 本体
101 ベース部品、ベース
101a 衝接表面、衝接部分
101b 隆起部分
102 上側部品
102a 衝接表面、衝接部分、フレーム部分
102b 凹部、弾性変形自在部分
103 連結素子
104 溝
104a,104b,104c,104d 溝又は凹所
105 フラップ
106a 側壁
106 凹所
107a,107b 凹所
108 入口、入口オリフィス
108a 凹所
108b,108c 支持リブ
109 フラップ
110a,110b 柱状体
111a,111b 穴
112a 延長部分
112 うね状突条、突条
113 溝
113a 延長部分
115 弁部材
116 開口
201 チャンバー、内部チャンバー
202 出口通路
204 膨張室
301 凹所
303 凹所
305 クリップ
400 本体
401 ベース、ベース部品
402 上側部品
403 出口、出口オリフィス
501 垂下部分
502 中央凹部、凹部
502a 深凹部分
502b 衝接表面、衝接部分
503 入口、入口オリフィス、入口開口
503a 凹所
504 外周縁、縁
505 出口縁、縁
506 チャンネル、溝
601 リップ、うね状突条
602a アクチュエータ表面、凹部
602b 出口通路
602b 衝接表面、衝接部分
603 フラップ、フラップ弁部材
605 縁
700 チャンバー、内部チャンバー
701,702 凹所
703 出口、出口オリフィス
704 浸漬チューブ
801 連結素子
1102 開口
1210 うね状突条
1211 溝
1220 クリップ機構
1401 デバイス
1406 プラグ
1407 ボタン
1408 L字形部材
1408a リップ
1420 支持腕
2002 連結素子
2301 ピストンシリンダ
2302 ピストン
2303 アーム部分、アクチュエータ部材
2304 ヒンジ
2501 素子
2502 ピボット突起
2504 側壁、弾性変形自在壁
2510 錠止部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器から流体を分配供給することができるようになされたポンプ作用ノズルデバイスであって、内部チャンバーを画定する本体を有し、該チャンバーは、該チャンバー内へ流体を吸入することができる入口と、該チャンバー内に存在する流体を該ノズルから吐出することができる出口を有し、前記入口は、前記チャンバー内の圧力が当該デバイスが装着されている前記容器の内部の圧力より低下したとき流体を該入口を通して該チャンバー内へ流入させることができるようになされた入口弁を含み、前記出口は、前記チャンバー内の圧力が該出口のところの外部圧力より少くとも最少限の閾値量だけ超えたときにのみ流体を該チャンバーから流出させて該ノズルから吐出させることができるようになされた出口弁を含み、該チャンバーを画定する前記本体の第1部分は、印加圧力を受け止めることができる剛性又は実質的に剛性のアクチュエータ表面を構成し、該チャンバーを画定する前記本体の第2部分は、
(i)弾性的に偏倚された初期形状から圧力の印加に応答して膨張又は変形した形状に弾性的に変形し、それによって、該本体の該第2部分が該初期形状から該膨張又は変形した形状に変形されるにつれて本体の該第2部分によって画定される前記チャンバーの容積が減小し、その容積の減小によって該チャンバー内の圧力を増大させ、流体を前記出口弁を通して流出させるように構成されており、
(ii)その後、前記印加された圧力が除去されると、前記弾性的に偏倚された初期形状に復帰して前記アクチュエータ表面をその弾性的に偏倚された初期形状に復帰させ、それによって、前記チャンバーの容積を増大させ、流体が前記入口弁を通して該チャンバー内へ吸入されるように該チャンバー内の圧力を低下させるように構成されている
ことを特徴とするポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項2】
前記アクチュエータ表面は、該デバイスの上面であることを特徴とする請求項1に記載のノズルデバイス。
【請求項3】
前記アクチュエータ表面は、平坦又は実質的に平坦であることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルデバイス。
【請求項4】
前記アクチュエータ表面は、湾曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルデバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータ表面は、圧力を印加されたときもその形状を保持していることを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルデバイス。
【請求項6】
前記チャンバーを画定する前記本体の第2部分は、該チャンバーの一側壁、又は、ベースの一部分であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項7】
前記アクチュエータ表面は、操作者が押圧することができる剛性表面であり、該アクチュエータ表面は、圧力を印加されると、前記チャンバーを画定する前記本体の対向する部分に向かって摺動又は枢動することができ、それによって、該チャンバーの容積を減小させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項8】
前記アクチュエータ表面は、硬質プラスチック材で形成されていることを特徴とする請求項7に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項9】
該ノズルデバイスは、使用において容器内に貯留されている流体を分配供給することができるように該容器の開口に嵌着することができるようになされていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項10】
該ノズルデバイスは、使用において容器内に貯留されている流体を分配供給することができるように該容器と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項11】
前記本体は、2つ又はそれ以上の相互に結合された部品から成り、それらの部品が互いに結合されて前記チャンバーを画定するようになされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項12】
前記チャンバーは、2つの相互に結合された部品の間に画定されていることを特徴とする請求項11に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項13】
なし
【請求項14】
前記部品の1つは、ベース部品であり、他方の部品は、上側部品であることを特徴とする請求項9又は13に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項15】
前記上側部品が、前記アクチュエータ表面を構成することを特徴とする請求項14に記載のノズルデバイス。
【請求項16】
前記出口は、前記出口弁と、出口オリフィスと、前記チャンバーを該出口オリフィスに接続する出口通路から成ることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項17】
前記チャンバーを画定する前記少くとも2つの相互に結合された部品が、前記出口通路の少くとも一部分をも画定することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項18】
前記入口、入口弁、出口、出口弁、及びチャンバーは、すべて、前記本体によって画定されていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項19】
前記本体は、最大限3つの構成部品から成ることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項20】
前記本体は、2つの別個の構成部品から成ることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項21】
前記本体は、単一の構成部品から成ることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項22】
流体が偶発的に吐出されるのを防止するための錠止手段を含むことを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項23】
前記錠止手段は、前記本体と一体的に形成されていることを特徴とする請求項22に記載のノズルデバイス。
【請求項24】
容器の内部と外部環境との間に圧力差が生じたときはその圧力差を均衡化するために空気を通すことができるが、該容器が逆さにされても、該容器から流体が漏出するのを防止する空気漏らし弁を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項25】
出口通路を有し、該前記出口通路は、使用において該ノズルデバイスの前記出口オリフィスを通して分配供給される液体の液滴のサイズを小さくするように形成された1つ又は複数の内部スプレー改変機構を備えていることを特徴とする請求項16に記載のノズルデバイス。
【請求項26】
前記内部スプレー改変機構は、1つ又は複数の膨張室、1つ又は複数の渦巻室、(前記出口通路内を流れる流体のスプレーを創生するようになされた)1つ又は複数の内部スプレーオリフィス、及び1つ又は複数のベンチューリ室から成る群から選ばれたものであることを特徴とする請求項25に記載のノズルデバイス。
【請求項27】
前記出口通路と出口オリフィスは、該ノズルデバイスの出口を構成するように前記チャンバーの出口に接続される別個の単一のユニット又はインサートの形とされていることを特徴とする請求項16に記載のノズルデバイス。
【請求項28】
前記インサートは、選択的に使用のための所要位置へ旋回又は枢動させ、不要のときは所要位置外へ旋回させることができるようにヒンジによってデバイスの本体に連結されていることを特徴とする請求項27に記載のノズルデバイス。
【請求項29】
該前記出口通路は、使用において該ノズルデバイスの前記出口オリフィスを通して分配供給される液体の液滴のサイズを小さくするように形成された1つ又は複数の内部スプレー改変機構を備えていることを特徴とする請求項27又は28に記載のノズルデバイス。
【請求項30】
前記内部スプレー改変機構は、1つ又は複数の膨張室、1つ又は複数の渦巻室、(前記出口通路内を流れる流体のスプレーを創生するようになされた)1つ又は複数の内部スプレーオリフィス、及び1つ又は複数のベンチューリ室から成る群から選ばれたものであることを特徴とする請求項29に記載のノズルデバイス。
【請求項31】
使用において容器内に貯留されている流体を該容器からノズルデバイスを通して分配供給することができるように容器の開口に取り付けられた請求項1〜30のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイスを有する容器。
【請求項32】
使用において容器内に貯留されている流体を該容器からノズルデバイスを通して分配供給することができるように一体的に形成された請求項1〜30のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイスを有する容器。
【請求項33】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜30のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記少くとも2つの部品を成形する工程と、
(ii)前記本体の前記少くとも2つの部品を互いに結合して前記ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項34】
前記本体の前記少くとも2つの部品を別々に成形することを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記本体の前記少くとも2つの部品を同じ材料又は異なる材料から形成することを特徴とする請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜30のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を第1加工工程において成形する工程と、
(ii)第2加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第2部品を前記第1部品の上に被せ成形して前記ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項37】
前記被せ成形は、金型工具内で現場で行われることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜30のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)第1加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を該少くとも2つの部品のうちの第2部品のためのベース又はフレームと一緒に成形する工程と、
(ii)前記ベース又はフレームの上に被せ成形して組み立てノズルデバイスの第2部品を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項39】
前記第2部品のためのフレームは、前記被せ成形工程の前に前記ベースに嵌着することを特徴とする請求項33に記載の方法。
を特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記被せ成形は、前記第2部品のための前記フレームを第1部品に嵌着させる前に行うことを特徴とする請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記被せ成形は、前記第1部品及び前記第2部品のためのフレームの材料と同じ材料で行うことを特徴とする請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記被せ成形は、前記第1部品及び前記第2部品のためのフレームの材料とは異なる材料で行うことを特徴とする請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜30のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)第1加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を該少くとも2つの部品のうちの第2部品のためのフレーム又はベースと一緒に成形する工程と、
(ii)前記本体のインサート部分を前記本体の第2部品のフレームが前記本体の前記第1部品に結合されたとき該インサート部分が該フレーム内に保持されるように位置づけして、該インサート部分とフレームとで該本体の該第2部品を構成する工程と、
から成る方法。
【請求項44】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有し、該結合部品が互いに移動自在とされるように該結合部品が連結素子によって互いに連結されている、請求項1〜30のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記各部品を前記連結素子と一緒に1回の成形工程で成形する工程と、
(ii)前記本体の前記少くとも2つの部品を互いに係合する位置へ動かして該ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項45】
プラスチック材料と一緒に発泡剤を金型内に装入することを特徴とする請求項33〜44のいずれか1項に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器から流体を分配供給することができるようになされたポンプ作用ノズルデバイスであって、内部チャンバーを画定する本体を有し、該チャンバーは、該チャンバー内へ流体を吸入することができる入口と、該チャンバー内に存在する流体を該ノズルから吐出することができる出口を有し、前記入口は、前記チャンバー内の圧力が当該デバイスが装着されている前記容器の内部の圧力より低下したとき流体を該入口を通して該チャンバー内へ流入させることができるようになされた入口弁を含み、前記出口は、前記チャンバー内の圧力が該出口のところの外部圧力より少くとも最少限の閾値量だけ超えたときにのみ流体を該チャンバーから流出させて該ノズルから吐出させることができるようになされた出口弁を含み、前記チャンバーは、前記本体の第1部分と第2部分の間に画定され、該チャンバーを画定する前記本体の第1部分は、ユーザーが直接圧力を印加することができる剛性又は実質的に剛性のアクチュエータ表面を構成し、該チャンバーを画定する前記本体の第2部分は、変形自在のセクション又は壁から成り、該変形自在のセクション又は壁は、
(i)弾性的に偏倚された初期形状から圧力の印加に応答して膨張又は変形した形状に弾性的に変形し、それによって、該本体の該変形自在のセクション又は壁が該初期形状から該膨張又は変形した形状に変形されるにつれて前記チャンバーの容積が減小し、その容積の減小によって該チャンバー内の圧力を増大させ、流体を前記出口弁を通して流出させるように構成されており、
(ii)その後、前記印加された圧力が除去されると、前記弾性的に偏倚された初期形状に復帰して前記アクチュエータ表面をその初期形状に復帰させ、それによって、前記チャンバーの容積を増大させ、流体が前記入口弁を通して該チャンバー内へ吸入されるように該チャンバー内の圧力を低下させるように構成されている
ことを特徴とするポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項2】
圧力を印加すると、前記剛性又は実質的に剛性のアクチュエータ表面が水平軸線の周りに下向きに傾動されることを特徴とする請求項1に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項3】
前記水平軸線は、前記アクチュエータ表面の両端の間に位置していることを特徴とする請求項2に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項4】
前記アクチュエータ表面は、該デバイスの上面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータ表面は、平坦又は実質的に平坦であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項6】
前記アクチュエータ表面は、湾曲していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項7】
前記アクチュエータ表面は、圧力を印加されたときもその形状を保持していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項8】
前記チャンバーを画定する前記本体の第2部分の前記変形自在のセクション又は壁は、該チャンバーの一側壁、又は、ベースの一部分であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項9】
前記アクチュエータ表面は、圧力を印加されると、前記チャンバーを画定する前記本体の対向する部分に向かって摺動又は枢動することができ、それによって、該チャンバーの容積を減小させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項10】
前記アクチュエータ表面は、硬質プラスチック材で形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項11】
該ノズルデバイスは、使用において容器内に貯留されている流体を分配供給することができるように該容器の開口に嵌着することができるようになされていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項12】
該ノズルデバイスは、使用において容器内に貯留されている流体を分配供給することができるように該容器と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項13】
前記本体は、2つ又はそれ以上の相互に結合された部品から成り、それらの部品が互いに結合されて前記チャンバーを画定するようになされていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項14】
前記本体は、ヒンジによって相互に結合された部品を有する単一の構成部品から成り、前記チャンバーは、該2つの部品が組み立て状態で相互に結合されたときそれらの部品の間に画定されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項15】
前記チャンバーは、2つの相互に結合された部品の間に画定されることを特徴とする請求項13に記載のノズルデバイス。
【請求項16】
前記部品の1つは、ベース部品であり、他方の部品は、上側部品であることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項17】
前記上側部品が、前記アクチュエータ表面を構成することを特徴とする請求項16に記載のノズルデバイス。
【請求項18】
前記出口は、前記出口弁と、出口オリフィスと、前記チャンバーを該出口オリフィスに接続する出口通路から成ることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項19】
前記チャンバーを画定する前記少くとも2つの相互に結合された部品が、前記出口通路の少くとも一部分をも画定することを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に従属した請求項18に記載のノズルデバイス。
【請求項20】
前記入口、入口弁、出口、出口弁、及びチャンバーは、すべて、前記本体によって画定されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項21】
前記本体は、最大限4つの構成部品から成ることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項22】
前記本体は、最大限3つの構成部品から成ることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項23】
前記本体は、最大限2つの構成部品から成ることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項24】
前記本体は、単一の構成部品から成ることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項25】
流体が偶発的に吐出されるのを防止するための錠止手段を含むことを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項26】
前記錠止手段は、前記本体と一体的に形成されていることを特徴とする請求項25に記載のノズルデバイス。
【請求項27】
容器の内部と外部環境との間に圧力差が生じたときはその圧力差を均衡化するために空気を通すことができるが、該容器が逆さにされても、該容器から流体が漏出するのを防止する空気漏らし弁を含むことを特徴とする請求項1〜26のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項28】
出口通路を有し、該前記出口通路は、その終端に配置されたスプレーオリフィス及び、又は渦巻室に加えて、使用において該ノズルデバイスの前記出口オリフィスを通して分配供給される液体の液滴のサイズを小さくするように形成された1つ又は複数の内部スプレー改変機構を備えていることを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載のノズルデバイス。
【請求項29】
前記出口通路と出口オリフィスは、該ノズルデバイスの出口を構成するように前記チャンバーの出口に接続される別個の単一のユニット又はインサートの形とされていることを特徴とする請求項18に記載のノズルデバイス。
【請求項30】
前記インサートは、選択的に使用のための所要位置へ旋回又は枢動させ、不要のときは所要位置外へ旋回又は枢動させることができるようにヒンジによってデバイスの本体に連結されていることを特徴とする請求項29に記載のノズルデバイス。
【請求項31】
該前記出口通路は、使用において該ノズルデバイスの前記出口オリフィスを通して分配供給される液体の液滴のサイズを小さくするように形成された1つ又は複数の内部スプレー改変機構を備えていることを特徴とする請求項29又は30に記載のノズルデバイス。
【請求項32】
前記内部スプレー改変機構は、1つ又は複数の膨張室、1つ又は複数の渦巻室、前記出口通路内を流れる流体のスプレーを創生するようになされた1つ又は複数の内部スプレーオリフィス、及び1つ又は複数のベンチューリ室から成る群から選ばれたものであることを特徴とする請求項28又は31に記載のノズルデバイス。
【請求項33】
前記内部スプレー改変機構は、2つ又はそれ以上の膨張室を含むことを特徴とする請求項32に記載のノズルデバイス。
【請求項34】
前記内部スプレー改変機構は、少くとも1つの渦巻室を含むことを特徴とする請求項32に記載のノズルデバイス。
【請求項35】
前記内部スプレー改変機構は、少くとも2つの渦巻室を含むことを特徴とする請求項34に記載のノズルデバイス。
【請求項36】
前記内部スプレー改変機構は、3つ又はそれ以上の渦巻室を含むことを特徴とする請求項35に記載のノズルデバイス。
【請求項37】
前記内部スプレー改変機構は、2つの内部スプレーオリフィスを含むことを特徴とする請求項32に記載のノズルデバイス。
【請求項38】
前記内部スプレー改変機構は、3つ又はそれ以上の内部スプレーオリフィスを含むことを特徴とする請求項37に記載のノズルデバイス。
【請求項39】
前記内部スプレー改変機構は、1つ又はそれ以上のベンチューリを含むことを特徴とする請求項32に記載のノズルデバイス。
【請求項40】
前記入口弁は、前記本体の前記第1部分によって形成され、該本体の前記第2部分の入口通路と協同する弾性変形自在のフラップから成り、該フラップの、前記入口のある側とは反対側の表面に接触する第2の補強フラップ又は補強部材を含むことを特徴とする請求項1−39のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項41】
前記出口弁は、気密シールを形成することができる一方弁組立体であることを特徴とする請求項1〜40のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項42】
前記本体の前記2つの部品は、超音波溶接又は熱溶接によって互いに恒久的に固着されていることを特徴とする請求項13に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項43】
前記部品のうちの少くとも1つは、ダブル射出成形法を用いて2種類の異なる材料から一体的に形成されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項44】
ベース部分と、アクチュエータ部分とから成ることを特徴とする請求項1〜43のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項45】
前記ベース部分とアクチュエータ部分の少くとも一方は、射出成形工程の第1段階で硬質材料を金型内に射出し、射出成形工程の第2段階で該硬質材料の上に比較的可撓性の材料を被せ成形するダブル射出成形法によって形成されていることを特徴とする請求項44に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項46】
前記アクチュエータ部分がダブル射出成形法によって形成され、前記比較的可撓性の材料が少くとも前記入口弁と出口弁を構成することを特徴とする請求項45に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項47】
前記ベース部分がダブル射出成形法によって形成され、前記比較的可撓性の材料が少くとも前記実質的に平坦な又はひだのない変形自在のセクション又は壁を構成することを特徴とする請求項45又は46に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項48】
該ノズルデバイスから流体が漏出するのを防止するために互いに結合された部品の間の結合部にシールが設定されていることを特徴とする請求項13又は14に記載のポンプ作用ノズルデバイス。
【請求項49】
使用において容器内に貯留されている流体を該容器からノズルデバイスを通して分配供給することができるように容器の開口に取り付けられた請求項1〜48のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイスを有する容器。
【請求項50】
使用において容器内に貯留されている流体を該容器からノズルデバイスを通して分配供給することができるように一体的に形成された請求項1〜48のいずれか1項に記載のポンプ作用ノズルデバイスを有する容器。
【請求項51】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜42のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記少くとも2つの部品を成形する工程と、
(ii)前記本体の前記少くとも2つの部品を互いに結合して前記ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項52】
前記本体の前記少くとも2つの部品を別々に成形することを特徴とする請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記本体の前記少くとも2つの部品を同じ材料又は異なる材料から形成することを特徴とする請求項51又は52に記載の方法。
【請求項54】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜42のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を第1加工工程において成形する工程と、
(ii)第2加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第2部品を前記第1部品の上に被せ成形して前記ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項55】
前記被せ成形は、金型工具内で現場で行われることを特徴とする請求項54に記載の方法。
【請求項56】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜42のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)第1加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を該少くとも2つの部品のうちの第2部品のためのベース又はフレームと一緒に成形する工程と、
(ii)前記ベース又はフレームの上に被せ成形して組み立てノズルデバイスの第2部品を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項57】
前記第2部品のためのフレーム又はベースは、前記被せ成形工程の前に前記第2部品に嵌着することを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記被せ成形は、前記第2部品のための前記フレーム又はベースを第1部品に嵌着させる前に行うことを特徴とする請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記被せ成形は、前記第1部品及び前記第2部品のためのフレーム又はベースの材料と同じ材料で行うことを特徴とする請求項56〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記被せ成形は、前記第1部品及び前記第2部品のためのフレームの材料とは異なる材料で行うことを特徴とする請求項56〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有する、請求項1〜42のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)第1加工工程において前記本体の前記少くとも2つの部品のうちの第1部品を該少くとも2つの部品のうちの第2部品のためのフレーム又はベースと一緒に成形する工程と、
(ii)前記本体のインサート部分を、前記本体の第2部品のフレームが前記本体の前記第1部品に結合されたとき該インサート部分が該フレーム内に保持されるように、位置づけして、該インサート部分とフレームとで該本体の該第2部品を構成する工程と、
から成る方法。
【請求項62】
少くとも2つの結合部品から成る本体を有し、該結合部品が互いに移動自在とされるように該結合部品が連結素子によって互いに連結されている、請求項1〜42のいずれか1項に記載のノズルデバイスを製造する方法であって、
(i)前記本体の前記各部品を前記連結素子と一緒に1回の成形工程で成形する工程と、
(ii)前記本体の前記少くとも2つの部品を互いに係合する位置へ動かして該ノズルデバイスの本体を形成する工程と、
から成る方法。
【請求項63】
プラスチック材料と一緒に発泡剤を金型内に装入することを特徴とする請求項43〜47のいずれか1項に記載のノズルデバイス又は請求項51〜62のいずれか1項に記載の方法。



【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図12】
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【公表番号】特表2006−517858(P2006−517858A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502281(P2006−502281)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000610
【国際公開番号】WO2004/073877
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502393958)インクロ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】