説明

ディスペンサー及び方法

表面に取り付けられるように構成されているディスペンサーが開示されており、当該ディスペンサーは、分配供給される材料の容器が接続されるブラケットを備える。ブラケットは、容器を支持する少なくとも1つのアームを有することができ、当該少なくとも1つのアームに、容器が解放可能かつ回転可能に接続されている。それによって、ユーザーが容器を持ち上げて、容器から材料を分配供給するように圧搾することができる。代替的には、ユーザーが容器をブラケットに押し付けて材料を分配供給することができる。いくつかの実施の形態では、容器には、当該容器の前面を実質的に覆うカバーが設けられている。カバーは、容器を介してブラケットに連結することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な材料、例えば限定はされないが、石鹸、消毒剤、殺菌剤を分配供給する多種多様なディスペンサー、並びに他のディスペンサー、及びローション並びに香水を分配供給するように構成されているディスペンサーが存在する。そのようなディスペンサーは、どのような形態の材料でも分配供給することができる。例えば、そのようなディスペンサーは、ガス、蒸気、液体、ゲル、泡、錠剤、ペレット、又は他の形態のものを計量式若しくは非計量式に分配供給するように構成することができる。
【背景技術】
【0002】
多くの環境及び用途では、ディスペンサーは、単に要求に応じて材料を分配供給すること以上の要件を満たさなければならない。これらの要件は、ディスペンサーの洗浄のし易さ、外観、アクセスのし易さ、及び/又は使い易さに関連付けることができる。例えば、多くの既存のディスペンサーは、それらのハウジング、取り付けブラケット及び他の要素の設計に起因して多くの環境に受け入れ可能というわけではない。これらのディスペンサーの多くは、継目、孔及び他の特徴部を有する複雑な設計を有し、これによって汚れ、分配供給された材料及び他の物質が蓄積する可能性ができてしまうか、又は清掃員がディスペンサーに隣接するエリアを十分に清掃することができることを妨げる。1つのそのようなディスペンサーが、特許文献1に開示されており、これは、壁に固定されるとともに石鹸又は消毒剤のリザーバーを収容しているリアハウジングと、リザーバーを覆っており、リアハウジング及びリザーバーに対して回転可能であるカバープレートとを有するディスペンサー設計を開示している。ユーザーは、特許文献1に開示されているディスペンサーの操作においては、カバープレートを押して当該カバープレートをリアハウジングに向かって回転させ、石鹸を分配供給する。リザーバーが空になると、カバープレートのロックを外して当該カバープレートを上方に回転させることで、リザーバーを取り外して交換し、この時点で、リアハウジングの内部を洗浄することができる。特許文献1に開示されているディスペンサーのリアハウジング又はカバープレートは、カバープレートのロックを外して該カバープレートをリアハウジングから離れるように回転させた場合にしか洗浄することができず、それによって、ディスペンサーを洗浄する難しさが相当に増し、ディスペンサーを多くの環境に適しないものとする可能性がある。
【0003】
別の例として、ユーザーにとって満足のいく外観を有するディスペンサーは多くは存在せず(また存在するようには容易に適合することができず)、すなわち、多くのディスペンサーは容易に変えることができない外観を有する。多くの場合、これらのディスペンサーの外観は、ディスペンサーの環境に調和するように変えることができないが、これは、例えばホテル及びレストランのバスルーム、並びに美観がより関係する他の場所において特に重要な特徴である。単に例として特許文献1に開示されているディスペンサーを再び参照すると、ユーザーがディスペンサーの色又は全体的な外観を変えることを可能にするような対策はとられていない。
【0004】
また、多くの既存のディスペンサーは、様々なユーザーが様々なやり方でディスペンサーを操作することが必要な場合がある用途においてはあまり適していない。ユーザーによっては(例えば身体障害のあるユーザー、汚れた手でディスペンサーを触ることを望まないユーザー等)、手を用いることなくディスペンサーを操作する必要があるであろうが、他のユーザーは、片手又は両手でディスペンサーを保持するとともに圧搾することによってディスペンサーを操作することを望む場合がある。特許文献1に開示されているディスペンサーは、多くの他の利用可能なディスペンサーと同様、そのような多用途性を提供することができていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許出願公開番号第2001/028397号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、依然として新たなディスペンサー設計が当該技術分野に加えられることが待ち望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの実施の形態は、表面に取り付けられるように構成されているディスペンサーであって、該ディスペンサーは、該表面から離れる方向に延在する少なくとも1つのアームを有するブラケットと、該表面から或る距離を置いて該アームに回転可能に連結されている容器であって、該容器は、該表面には概ね面しない露出している前部と、該表面に概ね向かって面する後部と、該容器の該前部及び該後部の間に延在するとともに該前部及び該後部を接続している露出している上部及び底部と、該容器の該前部及び該後部間に延在するとともに該前部及び該後部を接続している露出している両側側部と、材料が該容器内から分配供給されるときに通る出口と、を有し、該容器は、該出口が実質的に下方向に面した状態で該容器が配向される静止位置を有し、該容器は、該静止位置に向かいかつ該静止位置から離れるように該ブラケットに対して枢動可能である、容器と、を備える、ディスペンサーを提供する。
【0008】
本発明のいくつかの実施の形態では、表面に取り付けられるように構成されているディスペンサーであって、該ディスペンサーは、該表面から離れる方向に延在する少なくとも1つのアームを有するブラケットと、該表面から或る距離を置いて該アームに回転可能に連結されている容器であって、該容器は、該表面には概ね面しない前部と、該表面に概ね向かって面する後部と、該容器の該前部及び該後部間に延在するとともに該前部及び該後部を接続している上部及び底部と、該容器の該前部及び該後部間に延在するともに該前部及び該後部を接続している両側側部と、材料が該容器内から分配供給されるときに通る出口と、を有し、該容器は、該容器と該ブラケットの少なくとも1つのアームとの間の一対にする嵌合によって該ブラケットに解放可能かつ回転可能に連結されており、該容器は、該出口が実質的に下方向に面した状態で該容器が配向される静止位置を有し、該容器は、該静止位置に向かいかつ該静止位置から離れるように該ブラケットに対して枢動可能である、容器と、該容器に連結されているとともに該容器の該前部を実質的に覆うカバーと、を備える、ディスペンサーが提供される。
【0009】
本発明のいくつかの実施の形態は、材料を収容し選択的に分配供給するように動作可能なディスペンサーであって、該ディスペンサーは、容器であって、突起及びリセスの少なくとも一方を有する第1の端と、該第1の端から離間しているとともに出口を有する第2の端と、前面と、後面と、該容器の該前面と該後面との間に画定されており、該ディスペンサーから分配供給される材料を収容するように構成されているキャビティとを含む、容器と、ブラケットであって、該容器を該ブラケットに回転可能に連結するとともに該容器を表面上で支持するように、該容器の該突起及びリセスの該少なくとも一方とそれぞれ一対に嵌合する該リセス及び突起の少なくとも一方を含み、該表面から該容器に向かって延在するとともにユーザーが押圧するときに該容器を支持する突出部を更に含む、ブラケットと、該容器を少なくとも部分的に覆うカバーであって、該カバーを該ブラケットから離すように回転させるときに該容器を持ち上げるように該容器に連結されているカバーと、を備える、ディスペンサーを提供する。
【0010】
本発明のいくつかの実施の形態は、選択的に取り外し可能な分配供給可能な容器を表面に固定取り付けする取り付けシステムに関する。取り付けシステムは、第1の突出部及び第2の突出部を有する容器であって、該第1の突出部は、該容器の回転のアクセスを画定するように該第2の突出部と位置合わせされている、容器を備える。取り付けシステムは、該第1の突出部を受け入れるリセスを有する第1のアーム、及び該第2の突出部を受け入れるリセスを有する第2のアームを含むブラケットであって、該第1のアームは該第2のアームから離れるように選択的に移動可能である、ブラケットも備える。取り付けシステムは、ロック状態及び非ロック状態を有するロック機構であって、該ロック状態では、該第1のアームと該第2のアームとの間の距離が固定され、該非ロック状態では、該第1のアームが該第2のアームから離れるように移動することを可能にする、ロック機構も備える。いくつかの実施の形態では、該第1のアームは、入れ子式機構を介して該第2のアームに接続されており、該入れ子式機構は該アーム間の移動を画定する。
【0011】
本発明の他の態様は、詳細な説明及び添付の図面を検討することによって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態によるディスペンサーの斜視図である。
【図2】図1のディスペンサーの側面図である。
【図3】図1のディスペンサーをカバーとともに示す斜視図である。
【図4】図1に示されるディスペンサーのブラケットの一実施形態の斜視図である。
【図5】容器に連結されている、図4に示されているブラケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のいずれの実施形態も詳細に説明する前に、本発明は、その適用が以下の説明に記載されるか又は添付の図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施するか又は行うことが可能である。
【0014】
ディスペンサー10の第1の実施形態が図1及び図2に示されており、1つ又は複数の材料を収容して選択的に分配供給するように動作可能である。図1及び図2に示されているディスペンサー10は、液体形態の石鹸を分配供給するように構成されているが、その代わりに、他の形態の任意の他の種類の材料、例えば限定はされないがガス状、蒸気、液体、ゲル、泡、錠剤、ペレット又は他の形態で見られる消毒剤、殺菌剤、シャンプー、及び他の洗浄剤、コンディショナー、ボディーオイル、ローション、香水等のような材料を分配供給するように構成することができる。
【0015】
図1及び図2に示されているディスペンサー10はブラケット34を含み、当該ブラケット34に、容器12が解放可能かつ回転可能に取着されている。ユーザーは、容器12を押圧するか、又はユーザーが自身の指の間で容器12を圧搾することができる位置まで容器12を回転させることによって容器12を圧搾し、それによって、容器内から流体を分配供給することができる。ブラケット34は、壁、天井、調理台、又は他の表面に連結して、ディスペンサー(及び容器12)をこれらの表面に対して支持することができる。
【0016】
図1及び図2に示されているディスペンサー10は、上面14、底面16、前面18、後面20、第1の側面22及び第2の側面24を有する容器12を備える。容器12は、分配供給される少なくとも1つの材料28(図示される実施形態では単なる例としてシャンプー)を保持するように構成されている内部キャビティ26を画定している。容器12は、プラスチック、金属、又は、分配供給される材料及びディスペンサー10が用いられることになる環境に適した他の材料を含むことができる。
【0017】
図1及び図2に示されている容器12は、概ね縦に細長い円形の形状を有するが、他の容器形状が可能であり、本発明の精神及び範囲内に入る。例えば、容器12は、実質的に円筒形、楕円形又は丸くすることができ、三角形、五角形又は六角形とすることができ、平行六面体又は立方形形状を有することができ、規則的、不規則的、対称、又は非対称な形状を有することができる、といった具合である。したがって、「上部」、「底部」、「前」、「後」、「第1の」及び「第2の」という用語は、容器12を指すように本明細書において用いる場合、全てのそのような容器形状に適用される。
【0018】
容器12は、(以下でより詳細に説明する)ブラケット34と一対となって嵌合するような形状であり、この目的で適合される1つ又は複数の特徴部を有する。例えば、容器12は、ブラケット34と一対となって嵌合するような形状及び寸法の1つ又は複数の突出部又はリセスを有することができる。いくつかの実施形態では、容器12はブラケット34に回転可能に連結されており、この場合、突出部又はリセスはそのような相対的な回転を可能にするような形状である。単に例として、図1及び図2に示されている容器12は、容器12から、容器12の上面14に近接して外方へ延在する2つの突出部30を有する。図示される実施形態の突出部30は実質的に円錐形又は切頭円錐形(frusto-conical)の形状とすることができ、ブラケット34の孔44と回転可能に一対となる。しかし、ブラケット34の孔44と一対となる(実施形態によっては回転可能に一対となる)他の好適な突出部の形状、例えば限定はされないが、円筒形、半球形、平行六面体、及び他の規則的又は不規則的な突出部の形状が可能である。
【0019】
図4及び図5に示されるようないくつかの実施形態では、ブラケット34は、ボトル12をブラケットに設置するとともにブラケットから取り外すために移動するようにともに連結される2つ以上の部品から構成される。図4及び図5に示される実施形態では、ブラケットは3つの部品(35、37、39)を含む。ブラケット34の第1の部分35は壁に連結される。ブラケット34の第2の部分37は、摺動式又は入れ子式の相互接続部を介してブラケット34の第1の部品に連結される。ブラケット34のロックが外された状態では、第2の部分37を、第1の部分35に対して入れ子式に移動させて、ブラケットの幅を約10mmだけ増やすことができる。いくつかの実施形態では、第1の部分と第2の部分との間の移動を制御するために、第1の部分にばね機構が設けられる。いくつかの実施形態では、ブラケットのロックを外すために解放キーを用いることができる。ばねがキーによって作動されると、ロック機構が解放され、ブラケット34の第2の部分37が開位置(図5)へ摺動し、したがってユーザーがボトルを取り外して充填又は交換することを可能にする。
【0020】
ブラケット34の第2の部分37が手動で第1の部分35内へ押し戻されると(図4)、第1の部分及び第2の部分は共に閉位置にロックされる。第1の部分及び第2の部分にはそれぞれ、ボトル12の対になる突起30を受け入れるように動作可能な第1の円筒形リセス41が設けられている。第1の部分及び第2の部分は、第2の円筒形リセス43を含むことができ、該第2の円筒形リセス43には、対応する突起(図示せず)を有するボトル12及びカバー160が受け入れられる。第1の円筒形リセス41及び第2の円筒形リセス43は、第1の直径及び第2の直径を有し、第1の深さ及び第2の深さを延在する。第1の直径は第2の直径よりも小さく、それによって、ボトル12を第1の円筒形リセス41を介してブラケット34に連結することが可能であり、かつボトル12及びカバー160を第2の円筒形リセス43を介してブラケット34に連結することが可能である。ボトル12がブラケット34に連結されている場合、ボトル12はブラケット34に対して約180度にわたって枢動することができる。
【0021】
引き続き図1及び図2を参照すると、図示されている容器12は、容器12の上端付近でブラケット34に回転可能に連結されており、それによって、容器12がその上端を中心に回転することが可能となり、かつユーザーが、簡便な分配供給動作のために容器12を回転位置の範囲で配向することが可能となる。いくつかの実施形態では、容器12は、このために容器12の上側半分の1つ又は複数の場所でブラケット34に連結(例えば回転可能に連結)されている。しかし、他の実施形態では、容器12は、容器12の底部を中心に回転するために容器12の下半分の1つ又は複数の場所でブラケット34に連結(例えば回転可能に連結)される。更に他の実施形態では、容器12は、垂直軸、又は垂直軸及び水平軸に対して斜めの軸を中心に回転するようにブラケット34に連結(例えば回転可能に連結)される。そのような実施形態では、容器12がブラケット34に連結される場所は、互いに対して垂直方向に変位させることができる。単に例として、図1及び図2に示されている容器12及びブラケット34は、90度(すなわち容器12の前面18に対して実質的に直交する軸を中心に)回転することができ、それによって、容器12が、図示されているように実質的に水平な軸ではなく実質的に垂直な軸を中心に回転することが可能となる。
【0022】
図1及び図2に示されている容器12は、容器12の底面16に又は底面16の近くに位置決めされている分配供給出口32も含むが、分配供給出口32は、容器12の所望の任意の他の表面にも位置付けることができる。容器12を圧搾するか若しくは押圧するか、又はディスペンサー10を他の方法で作動させると、内部キャビティ26内に収容されている或る量の材料が分配供給出口32を通して分配供給される。分配供給出口32はまた、容器12が圧搾も押圧もされない場合、又はディスペンサー10が他の方法で作動されない場合には、内部キャビティ26内に材料を保持する。「作動させる」という用語(及びその変化形)は、本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる場合、材料を容器12から分配供給させる任意の動作を指し、以下でより詳細に説明するように、同じディスペンサー10を「作動」させるには2つ以上の方法があり得ることが理解される。
【0023】
いくつかの実施形態では、ディスペンサー10を作動させると、一定であるか又は実質的に一定の量の材料28が容器12から分配供給される。他の実施形態では、ディスペンサー10を作動させると、例えば容器12に加えられる異なる量の力及び/又は異なる長さの作動時間によって可変量の清浄剤28を容器12から分配供給することができる。
【0024】
図1及び図2に示されているディスペンサーのブラケット34は、壁、パーティション、隔壁、又は任意の他の取り付け表面に所望の任意の向きで連結することができ、図示されている実施形態では、分配供給出口32が容器12の底部にある状態で、また突出部30が容器12の上部にある状態で取り付けられて示されており、この場合、容器12は、容器12の上部において実質的な水平な軸を中心に回転するように構成されている。
【0025】
図1及び図2に示されているブラケット34は、壁表面36に対して実質的に平行に延在するプレート38を含む。プレート38は、任意の形状及びサイズを有することができ、図示されている実施形態では、実質的に矩形であり、容器12の上面14から実質的に水平方向に離間した場所から、容器12の底面16から水平方向及び垂直方向に離間した場所まで延在している。他の実施形態では、プレート38は容器12の長さ及び/又は幅の全体に延在することができるが、他の実施形態では、プレート28は、容器12の長さ及び/又は幅の全体には延在していない。
【0026】
図示されているブラケット34はまた、プレート38から、壁表面36から離れるように延在する少なくとも1つのアーム40を含む。図示されているブラケット34は2つのアーム40を含み、当該2つのアーム40間に容器12が受け入れられる。各アーム40は、容器12の対応する突出部30を受け入れるような形状及び寸法の孔44を有する。孔44はそれぞれ、(孔44内で回転する突出部30によって)ブラケット34に対する容器12の回転を可能にするようにプレート38から離間している。
【0027】
図示されている孔44は、実質的に円錐形又は切頭円錐形の形状であり、容器12の突出部30と回転可能に一対になる。しかし、容器12の突出部30、例えば限定はされないが円筒形、半球形、平行六面体、及び他の規則的又は不規則的な突出部形状と一対になる(またいくつかの実施形態では回転可能に一対になる)他の好適な孔の形状が可能である。いくつかの実施形態では、突出部30は、孔44内で隙間嵌めによって一対になるが、他の実施形態では、孔44は突出部30よりも1つ又は複数の寸法が実質的に大きい。
【0028】
図1及び図2に示されているディスペンサー10の容器12は、ブラケット34の孔44と回転可能に一対になる2つの突出部30を有するが、いずれか又は両方の突出部30及び孔44の場所を他の実施形態では逆にすることができることが理解されるであろう。また、容器12をブラケット34と連結するために任意の数の対になる突出部及び孔を用いることができる。
【0029】
上述したアーム40に加えて、ブラケット34の1つ又は複数の更なる部分が壁表面36から延在していることで、容器12から材料を分配供給するように容器12がユーザーによって押圧されるときに容器12を支持することができる。例えば、図1及び図2に示されているブラケット34は、プレート38に連結されているとともに壁表面36から離れるように概ね延在している後方支持部46を含む。後方支持部46は、限定はされないがプレート38と一体的である(例えばプレート38と同じ材料片から形成される)ことを含む任意の好適な方法でプレート38に連結することができ、プレート38と相互に係合する要素を用いてプレート38と連結することができ、締結具、接着剤、又は粘着結合材料を用いてプレート38と連結することができる。後方支持部46は、ユーザーが容器12を押圧することによる圧縮力に抗して容器12に対する支持を提供するのに好適な任意の形状を有することができる。図示されている実施形態では、後方支持部46は、容器12に向かって延在する第1のアーム48及び第2のアーム50と、第1のアーム48及び第2のアーム50を接合するとともにプレート38から離間している第3のアーム52とを含む。いくつかの実施形態では、容器12は、図2に示されているような静止位置にある場合、第3のアーム52に当接する。図示されている後方支持部46の第3のアーム52は、上面14と底面16との間で容器12に接触する。
【0030】
他の実施形態では、後方支持部46は、例えば限定はされないが、プレート38に連結されているか又はプレート38によって画定されている弾性材料の円形若しくは丸みを帯びたループ、板ばね、又は容器12の背後に位置決めされている他の種類のばね、容器12の背後のプレート38の湾曲した、波形若しくは弓形の部分、容器12を保持するいずれか又は両方のアーム40の延長部等、他の形状をとる。
【0031】
後方支持部46は弾性であり、そのため、容器12が当該後方支持部46に押し付けられると後方支持部46が容器12に対して反力を加え、かつ、容器12に対する力が取り除かれた後でその元の形状(又は実質的にその元の形状)に戻る。後方支持部46を用いて、容器12から材料を分配供給するように容器12をユーザーと後方支持部46の1つ又は複数の表面との間で圧搾させること等によって容器12からの材料の分配供給を助けることができる。ユーザーは、容器12を、手、腕、肘、肩、膝、脚等で押圧することができる。後方支持部46は、ユーザーが容器12を把持する必要なくユーザーが容器12から材料を容易に分配供給することを可能にする。これは、肉屋、病院、診療所、及び、容器12又はディスペンサー10の他の部分に触れるのにユーザーの手を用いるべきではない他の場所のような場所において望ましいであろう。図1及び図2の示される実施形態のディスペンサー10は、容器12から材料を分配供給するのにユーザーが体の別の部分(例えば手首、腕、肘、肩、膝及び/又は脚)を用いて容器12を押圧することを可能にする。
【0032】
図1及び図2に示されている容器12は、ブラケット34に回転可能に連結されており、それによって、ユーザーは、容器12を後方支持部46から離れるように回転させ、容器の前面18及び後面20を共に圧搾して容器12から材料を分配供給することができる。そのようにすることができることによって、潜在的により多くの材料分配供給を得ることを好むユーザーが、容器12を自身の指の間で、所望の力を用いて所望の長さの時間だけ圧搾することができることの制御を可能にする。また、容器12とブラケット34との間の回転可能な接続によって、容器12、ブラケット34及び壁表面36(特に壁表面36上でのブラケット34の占有面積が容器12の占有面積よりも大幅に小さい実施形態において)の容易な洗浄、並びに/又は容器12の容易な再充填若しくは取り替えを可能にする。洗浄のし易さの改善は、容器12及びブラケット34が(肉屋及び病院におけるように)細菌若しくは他の病原体、汚れ、埃、デブリ、及び残渣に晒される場所、並びに/又は容器12及びブラケット34が、変色、若しくは汚れ、埃、デブリ及び残渣の存在が望ましくないような公の場にある場所では特に望ましい。
【0033】
図1及び図2に示されている実施形態の容器12は、上記でより詳細に説明したようにブラケット34の第2の部分37のロックを外すとともに該第2の部分37を動かすことによってブラケット34から取り外すことができる。他の実施形態では、容器12は、アーム40のうちの一方を容器12から離すように曲げ、かつ/又は別のロック機構(図示せず)を解放してアーム40のうちの一方を外方へ枢動させることを可能にすることによって、ブラケット34から取り外すことができる。容器12は、空になると、リサイクルされ、再充填され、かつ/又は取り替えることができる。
【0034】
図3は、本発明によるディスペンサーの別の実施形態を示す。この実施形態は、図1及び図2と関連して上述したディスペンサー10の実施形態と同じ構造の大部分を採用しており、かつ、当該実施形態と同じ特性の多くを有している。したがって、以下の説明は、図1及び図2と関連して上述した実施形態とは異なる構造及び特徴に主に焦点を当てる。上記の構造及び特徴に関する、並びに図3に示されるとともに以下で記載されるディスペンサー110の構造及び特徴に対する可能な代替形態に関する更なる情報については、図1及び図2と関連する上記の記載を参照されたい。図1及び図2と関連して上述した実施形態における特徴及び要素に対応する図3の実施形態における特徴及び要素には、100番台の参照符号が付されている。
【0035】
図1及び図2に示されているディスペンサー10と同様に、図3に示されているディスペンサー110は、プレート138に連結されているとともに壁表面136から離れるように延在する第1のアーム148及び第2のアーム150を有する後方支持部146を有するブラケット134を含む。図示されている後方支持部146は、第1のアーム148及び第2のアーム150を接合するとともにプレート138から離間している(図2に示されている第3のアーム52と同様の)第3のアームを含む。
【0036】
図3に示されているディスペンサーは、容器112に連結されているカバー160を含む。カバー160は、フェースプレート162及び周壁164を含む。図示されているカバー160は、容器112の前面118、上面114、並びに第1の側面122及び第2の側面124を実質的に覆う。他の実施形態では、カバー160は、容器112の前面18のみ、又は前面118と、上面114、底面116、第1の側面122、第2の側面124及び/又は後面120とのいずれかの組み合わせを実質的に覆う。いくつかの実施形態では、底面116の少なくとも一部が覆われていないことで、分配供給出口132を通した材料128の分配供給を可能にする。
【0037】
カバー160は、例えば限定はされないが、金属、プラスチック、木材、ガラス繊維等の任意の所望の材料を含むことができ、いくつかの実施形態では異なる材料で作製される異なる部分を有することができる。単なる例として、カバー160は全体的にプラスチックから作製することができる。しかし、図3のような他の実施形態では、カバーは、フェースプレート162を画定する金属シートに重なっているプラスチックで作製することができる。図3の示されている実施形態では、カバー160のプラスチックの部分は、容器112の前面118、上面114、並びに第1の側面122及び第2の側面124を実質的に覆っており、容器112の前面118及び上面114を実質的に覆う金属のフェースプレート162に成形されている。他の実施形態では、カバー160の金属の部分は、接着剤又は粘着結合材料、クリップ又は他の締結具、スナップ嵌め等による任意の他の好適な方法でカバー160の残りの部分に連結される。
【0038】
図3に示されているカバーはプラスチックで作製されており、フェースプレート162は金属で作製されているが、他の種類の材料の組み合わせ、例えば限定はされないが、容器112の前面118、上面114及び第1の側面122及び第2の側面124を実質的に覆うプラスチック部分、並びに木材、ガラス繊維、石、セラミック又は他の材料で作製されるフェースプレート162が可能である。
【0039】
図3に示されているカバー160を引き続き参照すると、カバー160は、示されているBrandingのような印166を含むことができる。印166は、特定のブランド名又はシンボル、使用説明書、又は任意の他の所望の情報を示すことができる。ブランド表示(branding)、及びカバーの色、色調及びテクスチャーの任意の組み合わせを所望に応じて用いることができる。例えば、カバーに印166を印刷することの代替として、印166をカバー160に彫刻するか、スタンピングするか、プレスするか、機械加工するか、成形するか又はエンボス加工して、カバー160の周囲部分内に窪ませるか又は当該周囲部分の上に隆起させることができる。
【0040】
別の例として、透明又は半透明なプラスチック又はガラスのカバー160の場合等、印166をフェースプレート162の後側に印刷することができる。図示されている印166は、下層の明色と対照をなす暗色で示されているが、色、色調及びテクスチャーの任意の組み合わせを所望に応じて用いることができる。
【0041】
図1及び図2の実施形態と関連して上述したように、後方支持部146は弾性であり、そのため、容器112及びそれぞれのカバー160、180が後方支持部146に対して押し上げられると、後方支持部146が反力をもたらし、容器112がユーザーと後方支持部146との間で圧搾される。したがって、後方支持部146を用いて、容器112からの材料128の分配供給を助けることができる。
【0042】
図3に示されている容器112は、ブラケット134に対して枢動可能に動くようにカバー160に連結されている。これに関して、カバー160は、当該カバー160が動くときに容器112を動かすように容器112を十分に囲んでいるとともに容器112と十分に係合している。例えば、図3に示されているカバー160は、それらのそれぞれの容器112の前面118、上面114、並びに第1の側面122及び第2の側面124を実質的に囲み、そのような係合によって、それらのそれぞれのカバー160が動くと容器112が動く。いくつかの実施形態では、カバー160はこのために容器112の1つ又は複数の部分を把持するか、又は、容器112をカバー160とともに動かすように容器112の1つ又は複数の部分に解放可能に取着される。したがって、ユーザーは、容器112を後方支持部146から離れるように回転させ、カバー160、180及び容器112を自身の指の間で圧搾することができ、これによって更に、容器112の前面118及び後面120がともに圧搾されて、容器112から材料が分配供給される。
【0043】
上述したカバー160は、ディスペンサー110の容易な洗浄及び使用済みの容器112の取り替え又は再充填を可能にすることができる。これは、容器112、カバー160及びブラケット134が肉屋、ホテルの客室及び病院におけるようにかなりの細菌若しくは他の病原体、汚れ、埃、デブリ、又は残渣に晒される場所、並びに/又は容器112、カバー160、180及びブラケット134が、変色、又は、汚れ、埃、デブリ若しくは残渣の存在が特に望ましくないような公の場にある場所では望ましいであろう。
【0044】
図3に示されている容器112は、上述したように容器112をブラケット134から係脱させ、容器112を引っ張ってカバー160から出すことによってカバー160から取り外すことができる。容器112は、空になると、リサイクルされ、再充填され、かつ/又は取り替えることができる。
【0045】
上述され、図1乃至図3に示されているディスペンサーの実施形態における容器12、112とブラケット34、134との関係により、ディスペンサー10、110のいくつかの実施形態を、複数の方法、例えばユーザーが自身の体の一部(例えば手、手首、腕等)をディスペンサーに押し当てて容器12、112から材料を分配供給すること、及び/又はユーザーが容器12、112を(カバー60、160を用いる場合はこれらのカバーとともに)ブラケット34、134から離れるように回転させて容器12、112を圧搾することによって作動させることができることが理解されるであろう。この汎用性は、ディスペンサー34、134を様々なやり方で操作することを望むユーザーに有意な利点を提示し、かつ、様々な用途及び環境に良く適したディスペンサー34、134を提供する。
【0046】
上述され、図面に示されている実施形態は、単に例として提示されており、本発明の概念及び原理を限定するものとしては意図されない。したがって、当業者には、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく要素並びにそれらの構成及び配置における種々の変更が可能であることが理解されるであろう。本発明の種々の特徴及び利点は添付の特許請求の範囲に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に取り付けられるように構成されているディスペンサーであって、該ディスペンサーは、
該表面から離れる方向に延在する少なくとも1つのアームを有するブラケットと、
該表面から或る距離を置いて該アームに回転可能に連結されている容器であって、該容器は、
該表面には概ね面しない露出している前部と、該表面に概ね向かって面する後部と、該容器の該前部及び該後部の間に延在するとともに該前部及び該後部を接続している露出している上部及び底部と、該容器の該前部及び該後部間に延在するとともに該前部及び該後部を接続している露出している両側側部と、材料が該容器内から分配供給されるときに通る出口と、
を有し、
該容器は、該出口が実質的に下方向に面した状態で該容器が配向される静止位置を有し、該容器は、該静止位置に向かいかつ該静止位置から離れるように該ブラケットに対して枢動可能である、容器と、
を備える、ディスペンサー。
【請求項2】
該容器は該ブラケットに取り外し可能に連結されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項3】
該容器は、該容器の上端付近で該ブラケットに枢動可能に連結されている、請求項1に記載のディスペンサー。
【請求項4】
表面に取り付けられるように構成されているディスペンサーであって、該ディスペンサーは、
該表面から離れる方向に延在する少なくとも1つのアームを有するブラケットと、
該表面から或る距離を置いて該アームに回転可能に連結されている容器であって、該容器は、
該表面には概ね面しない露出している前部と、該表面に概ね向かって面する後部と、該容器の該前部及び該後部間に延在するとともに該前部及び該後部を接続している上部及び底部と、該容器の該前部及び該後部間に延在するとともに該前部及び該後部を接続している両側側部と、材料が該容器内から分配供給されるときに通る出口と、を有し、該容器は、該容器と該ブラケットの少なくとも1つのアームとの間の一対にする嵌合によって該ブラケットに解放可能かつ回転可能に連結されており、該容器は、該出口が実質的に下方向に面した状態で該容器が配向される静止位置を有し、該容器は、該静止位置に向かいかつ該静止位置から離れるように該ブラケットに対して枢動可能である、容器と、
該容器に連結されているとともに該容器の該前部を実質的に覆うカバーであって、該容器を介して該ブラケットに連結されている、カバーと、
を備える、ディスペンサー。
【請求項5】
該カバーは該容器の該両側側部を実質的に覆う、請求項4に記載のディスペンサー。
【請求項6】
該容器は、該容器の上端付近で該ブラケットに枢動可能に連結されている、請求項4に記載のディスペンサー。
【請求項7】
材料を収容し選択的に分配供給するように動作可能なディスペンサーであって、該ディスペンサーは、
容器であって、
突起及びリセスの少なくとも一方を有する第1の端と、
該第1の端から離間しているとともに出口を有する第2の端と、
前面と、
後面と、
該容器の該前面と該後面との間に画定されており、該ディスペンサーから分配供給される材料を収容するように構成されているキャビティと、
を含む、容器と、
ブラケットであって、該容器を該ブラケットに回転可能に連結するとともに該容器を表面上で支持するように、該容器の該突起及び該リセスの該少なくとも一方とそれぞれ一対に嵌合するリセス及び突起の少なくとも一方を含み、該表面から該容器に向かって延在するとともにユーザーが押圧するときに該容器を支持する突出部を更に含む、ブラケットと、
該容器を少なくとも部分的に覆うカバーであって、該カバーを該ブラケットから離すように回転させるときに該容器を持ち上げるように該容器に連結されている、カバーと、
を備える、ディスペンサー。
【請求項8】
該カバーは、該容器の前面、上面及び両側側面を実質的に覆う、請求項7に記載のディスペンサー。
【請求項9】
該カバー上に印を更に含む、請求項7に記載のディスペンサー。
【請求項10】
該容器は、該表面から離れて該容器に向かって延在する1対のアームによって該ブラケットに連結されている、請求項7に記載のディスペンサー。
【請求項11】
該容器は、該容器の上端付近で該ブラケットに枢動可能に連結されている、請求項7に記載のディスペンサー。
【請求項12】
該カバーは該容器を介して該ブラケットに連結されている、請求項7に記載のディスペンサー。
【請求項13】
選択的に取り外し可能な分配供給可能な容器を表面に固定取り付けする取り付けシステムであって、該取り付けシステムは、
第1の突出部及び第2の突出部を有する容器であって、該第1の突出部は、該容器の回転のアクセスを画定するように該第2の突出部と位置合わせされている、容器と、
該第1の突出部を受け入れるリセスを有する第1のアームと、該第2の突出部を受け入れるリセスを有する第2のアームとを含むブラケットであって、該第1のアームは該第2のアームから離れるように選択的に移動可能である、ブラケットと、
ロック状態及び非ロック状態を有するロック機構であって、該ロック状態では、該第1のアームと該第2のアームとの間の距離が固定され、該非ロック状態では、該第1のアームが該第2のアームから離れるように移動することを可能にする、ロック機構と、
を備える、取り付けシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−526024(P2012−526024A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509893(P2012−509893)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/033500
【国際公開番号】WO2010/129519
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(398061050)ディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】