説明

ディミング制御装置、LED駆動装置及びディミング制御方法

【課題】本発明はディミング制御装置、LED駆動装置及びディミング制御方法を提供する。
【解決手段】本発明のディミング制御装置は、基準信号及び入力電圧からパルス幅変調(PWM)信号を生成するPWM信号生成部10と、該PWM信号生成部10から出力されるPWM信号を内部クロック信号を用いて補償する信号補償部30と、該補償信号と外部クロック信号とを同期化させて、ディミング制御のための同期化されたPWM制御信号を出力する同期化部50とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディミング制御装置、LED駆動装置及びディミング制御方法に関し、詳しくは、PLLを使うことなく、外部クロックと同期化させるディミング制御装置、LED駆動装置及びディミング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDでは、輝度を調節する方法としてPWM制御方式が一般に使われている。LEDを特定な周波数以上に点滅させると、人間の目には光が持続して点灯しているような状態で見え、点滅信号の一周期内のON区間の比率が高くなるほど、LED光の明るさは明るくなる。したがって、所望の輝度を有するように調節されたデューティ比付きPWM信号を生成してスイッチング手段に与える方法によって、LEDを制御して該LEDを点滅させている。LEDは、PWM信号、すなわち、デューティ比を用いて輝度調節が可能なので、所望の輝度に当たるデューティ比を提供するためのPWM信号発生装置が別に必要である。
【0003】
従来、一周期内にハイ区間が0%〜100%のPWM信号を別に生成し、外部で駆動回路へ印加していた。最近では、これを簡素化するために、PWM発生装置を駆動回路に組み込んだ、いわゆる内部(Internal)PWM方式を採用している。このような方式によれば、内部で基準波形を発生し、これを印加されたDC電圧と比較してPWM信号を発生する。ここで、DC入力電圧の大きさによってデューティ比が決まる。
【0004】
このような従来方式の場合、生成されたPWM信号が外部の映像信号と同期しないと、画面が下に流れるような現象、いわゆるウォーターフォール(waterfall)が現われることになる。これを防止するために、主にPLLを使っている。しかし、このPLLを使うと、初期状態(外部クロックとPWM信号とが同期しない場合)から正常状態(外部クロックとPWM信号とが同期する場合)に進む過渡状態が存在するようになる。このような過渡状態で、PWM信号の周波数及びデューティーが変化するため、LED駆動時にLEDがちらつくフリッカー(flicker)現象が生ずるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許第10−0587022号公報
【特許文献2】韓国特許第10−0892431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のようにPLLを用いる場合、過渡状態が存在するようになり、該過渡状態の区間の間にフリッカー現象を防止するためには、LEDを駆動しないような付加の回路が要求された。
【0007】
また、従来の方式によると、基準波形である三角波や入力電圧にノイズが発生すると、出力PWM信号の誤りが発生するかまたはPWM信号の立ち上がりまたは/及び立ち下がりエッジがばらつくジッタが発生するなど、さまざまな問題がある。このような問題によってディユティ値が変化し続けるため、LEDの明るさにも影響を及ぼすようになる。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、その目的は、内部のPWM信号生成時に発生する問題、例えばクロックジッタ(jitter)または/及びノイズ干渉による誤動作を防止すると共に、従来主に用いていたPLLを使わず、外部クロックと同期を合わせることができる技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決するために、本発明の一実施形態によれば、基準信号及び入力電圧からパルス幅変調(PWM)信号を生成するPWM信号生成部と、該PWM信号生成部から出力されるPWM信号を、内部クロック信号を用いて補償する信号補償部と、該補償信号と外部クロック信号とを同期化させ、ディミング制御のための同期化されたPWM制御信号を出力する同期化部と、を含むディミング制御装置が提供される。
【0010】
本発明によれば、信号補償部は、内部クロック信号を用いてPWM信号を補償した1次補償信号を生成し、予め決められた周期間該1次補償信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均して2次補償信号を生成する。
【0011】
また、一実施形態において、信号補償部は、PWM信号の立ち上がりパルス間の内部クロック信号のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数が予め決められた値以上の場合、該立ち上がりパルスを有効なクロックパルスと判断し、カウントしたクロック数が予め決められた値未満の場合は、該立ち上がりパルスを取り除いて1次補償信号を生成する。
【0012】
本発明の実施形態によれば、PWM信号生成部は、基準信号発生回路で生成された基準信号と入力電圧とを比較する比較器を用いてPWM信号を生成する。
【0013】
一実施形態において、基準信号は、三角波または鋸波電圧信号である。
【0014】
また、上記目的を解決するために、本発明の他の実施形態によれば、前述の実施形態中のいずれか一つのディミング制御装置と、該ディミング制御装置から出力されたPWM制御信号によってスイッチング動作し、該スイッチング動作に伴ってLEDへ電源を供給する駆動スイッチと、を含むLED駆動装置が提供される。
【0015】
本発明の実施形態によれば、LED駆動装置は、バックライトユニットに使われることができる。
【0016】
また、上記目的を解決するために、本発明のさらに他の実施形態によれば、基準信号及び入力電圧からパルス幅変調(PWM)信号を生成するPWM信号生成ステップと、内部クロック信号を用いて生成されたPWM信号を補償する信号補償ステップと、該補償信号と外部クロック信号とを同期化させて、ディミング制御のための同期化されたPWM制御信号を出力する同期化ステップと、を含むディミング制御方法が提供される。
【0017】
本発明によれば、前記信号補償ステップは、内部クロック信号を用いてPWM信号を補償した1次補償信号を生成するステップと、予め決められた周期間該1次補償信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均して2次補償信号を生成するステップと、を含む。
【0018】
また、一実施形態によれば、前記1次補償信号を生成するステップにて、PWM信号の立ち上がりパルス間の内部クロック信号のクロック数をカウントして、カウントしたクロック数が予め決められた値以上の場合、該立ち上がりパルスを有効なクロックパルスと判断し、カウントしたクロック数が予め決められた値未満の場合は、該立ち上がりパルスを取り除いて1次補償信号を生成する。
【0019】
また、本発明によれば、前記PWM信号生成ステップにて、前記基準信号発生回路で生成された基準信号と入力電圧とを比較してPWM信号を生成する。
【0020】
一実施形態において、前記基準信号は三角波または鋸波電圧信号であり、前記PWM信号生成ステップにて、前記基準信号が前記入力電圧より大きい区間で立ち上がりパルスを生成させてPWM信号を生成する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、内部のPWM信号生成時に発生される問題、例えばクロックジッタまたは/及びノイズ干渉による誤動作を防止すると共に、従来用いていたPLLを使わず、外部クロックと同期を合わせることができる。
【0022】
また、本発明によれば、生成されたPWM信号を補償することによって、ノイズによるPWM信号の歪みを減らすことができる。
【0023】
また、PLLブロックがないので、内部ディミング回路の構成を簡素化すると共に、PLLの使用によって発生するフリッカー現象を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態によるディミング制御装置を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態によるLED駆動装置を概略的に示す図面である。
【図3】内部PWM信号生成時に発生する問題を例示的に示す図面である。
【図4】本発明の一実施形態によるPWM信号の補正及び同期化の例を概略的に示す図面である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態によるディミング制御方法を概略的に示す流れ図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態によるディミング制御方法を概略的に示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0026】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは、言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0027】
まず、本発明の一実施形態によるディミング制御装置を図面を参照して詳記する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態によるディミング制御装置を概略的に示すブロック図である。図3は、内部PWM信号生成時に発生する問題を例示的に示す図面である。図4は、本発明の一実施形態によるPWM信号の補正及び同期化の例を概略的に示す図面である。
【0029】
図1を参照して、本発明の一実施形態によるディミング制御装置について説明する。
【0030】
この実施形態によるディミング制御装置は、PWM信号生成部10と、信号補償部30と、同期化部50とを含む。
【0031】
PWM信号生成部10は、基準信号及び入力電圧からパルス幅変調(PWM)信号を生成する。例えば、基準信号の中で入力電圧を超過する部分を立ち上がりパルスとし、該入力電圧に及ばない部分を立ち下がりパルスとして形成することによって、パルス幅変調(PWM)信号を生成する。
【0032】
図2を参照して、ディミング制御装置100の他の実施形態について説明する。図2に示すように、PWM信号生成部10は、基準信号発生回路11で生成された基準信号と入力電圧とを比較する比較器13を備えてPWM信号を生成する。基準信号発生回路11は、PWM信号生成部10内に設けられてもよい。例えば、比較器13において基準信号と入力電圧とを比較し、基準信号の電圧が入力電圧のものより大きい区間で立ち上がりパルスを生成することによってPWM信号を生成する。ここで、基準信号には、三角波または鋸波が挙げられる。また、入力電圧にはDC電圧が挙げられる。基準信号は三角波や鋸波以外にも、入力電圧と比較してパルス波を具現可能な波動であればよく、入力電圧は、DC電圧だけではなく、振幅が小さく周波数が基準信号に比べて非常に小さい交流波形の電圧であってもよい。すなわち、入力電圧は基準信号の波形を比較器などで比較してパルス波を生成し得る基準になるのであればよい。
【0033】
PWM信号生成部10で生成されたPWM信号は、多くのエラーを含むことになる。例えば、図3の(a)に示すように、ノイズの影響によってパルス波の立ち上がりまたは/及び立ち下がり寄りで多数の高周波パルスが現われることがある。また、図3の(b)に示すように、ジッタの影響によって生成されたPWM信号のパルス立ち上がりまたは/及び立ち下がり部分が進んだり遅れたりして、立ち上がりクロック区間が拡大したり減少したりすることがある。PWM信号生成時に現われる、このような問題を克服する必要がある。
【0034】
一実施形態において、基準信号は三角波電圧信号または鋸波電圧信号であってもよい。ここで、基準信号が入力電圧より大きい区間で立ち上がりパルスが形成されてPWM信号が生成される。一例として、図3では、基準信号が三角波であり、入力電圧は点線で示されたDC電圧の場合を示している。
【0035】
続いて、図1を参照して、信号補償部30について説明する。この実施形態で、信号補償部30は、PWM信号生成部10から出力されるPWM信号を内部クロック信号を用いて補償する。信号補償部30での補償は、前述のPWM信号生成時に現われる問題を補償するためのものである。図示していないが、内部クロック信号は内部クロック信号生成部で生成される。内部クロック信号を用いるPWM信号の補償は、例えばノイズ、ジッタなどの干渉を補償するものである。本発明の実施形態において、信号補償部30の信号補償方式はさまざまな方式で行われてもよい。例えば、一例として、ディジタル回路による補償方式が行われてもよい。
【0036】
詳しくは、図4を参照して、さらに他の実施形態について説明する。信号補償部30は、内部クロック信号を用いてPWM信号を補償した1次補償信号を生成し、予め決められた周期間該1次補償信号のデューティ比または立ち上がりパルス(ハイ区間)持続時間を平均して2次補償信号を生成する。1次的にPWM信号の歪みは、内部のクロックINT_CLKを使って取り除くことができる。内部クロック信号を用いてPWM信号を補償した1次補正信号は、例えば、PWM信号に含まれたノイズを取り除いた補償信号であってもよい。図4には、PWM信号生成部10で生成されたPWM信号PWM_1が示されている。PWM信号PWM_1は、ノイズの干渉などによってパルス立ち上がりまたは/及び立ち下がり付近で高周波パルスが現われており、このようなノイズの干渉による高周波パルスを取り除く必要がある。
【0037】
ここで、図4に示された内部クロック信号INT_CLKを用いて、PWM信号PWM_1のパルス立ち上がりまたは/及び立ち下がり付近での高周波パルスを取り除くことができる。詳しくは、一実施形態において、信号補償部30はPWM信号(図4のPWM_1)の立ち上がりパルス間の内部クロック信号(図4のINT_CLK)のクロック数をカウントし、予め決められた値以上の場合、該立ち上がりパルスを有効なクロックパルスと判断し、未満の場合は、立ち上がりパルスを取り除いて1次補償信号を生成する。ここで、内部クロック信号であるINT_CLKは、生成されたPWM信号または基準信号より非常に大きい周波数を用いてPWM信号の立ち上がりパルス(ハイ区間)間十分な内部クロック回数がカウントされるようにする。これによって、PWM_1のパルス立ち上がりまたは/及び立ち下がり付近での高周波パルスを取り除いて、PWM_1信号のうち、内部クロック信号INT_CLKのカウント値が予め決められた値以上になる立ち上がりパルス区間を有効な立ち上がりパルス(ハイ区間)とすると、1次補償信号として図4のPWM_2信号を得ることができる。ノイズの干渉などによる高周波パルスを取り除いても、ジッタなどの干渉によって立ち上がりパルスの区間が一定にならないことがある。
【0038】
また、信号補償部30は、予め決められた周期間該1次補償信号のデューティ比または立ち上がりパルス(ハイ区間)の持続時間を平均して2次補償信号を生成する。図4に示すように、進んだ4個のPWM_2パルスの立ち上がりパルス持続時間を平均するかまたはデューティ比を平均して2次補償信号を生成する。ここで、デューティ比は、周期(T)時間に対する立ち上がりパルス持続時間によって示す。図4のPWM_2信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均することによって、パルスの立ち上がりまたは/及び立ち下がり付近で、ジッタなどの干渉による問題を解決することができる。一例として、ジッタの干渉などによって周期が異なることがあるため、PWM_2信号の立ち上がりパルス持続時間を平均化して2次補償信号を生成する。1次補償信号であるPWM_2信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均するための予め決められた周期数は、実施形態によって変わってもよく、例えば、略3〜5周期範囲内で決めてもよい。このような平均化に必要な周期時間は、略300ms程度に過ぎないので、従来のようにPLLを用いる場合、過渡状態のフリッカーを防止するための遅延時間が秒単位まで持続するのに比べてずっと短い。
【0039】
本発明の一実施形態によって、図4に示すように、PWM_1のようにエラーが含まれた信号を信号補償部30によって図4のPWM_2のように作り、このPWM_2の立ち上がりパルス持続時間またはデューティ比を数回周期で平均すると、ノイズによるPWM信号の歪みやジッタのような問題を解決することができる。
【0040】
再び、図1を参照して同期化部50を詳記する。同期化部50は、信号補償部30で補償された信号と外部クロック信号とを同期化させ、ディミング制御のための同期化されたPWM制御信号を出力する。該外部クロック信号の周波数によってPWM制御信号の周波数が決まる。また、該外部クロック信号の周波数は基準信号周波数と等しい。
【0041】
図4に示すように、信号補償部30で補償された信号、例えばデューティ比または立ち上がりパルス持続時間が平均化されたPWM_2信号を外部クロック信号であるVsync信号に同期化させ、PWM制御信号であるPWM_IN信号を出力する。すると、従来のようなPLLを使わないで、外部クロック信号との同期を取ることができる。ここで、予め決められた周期間平均を出したPWM_2信号、例えば、立ち上がりパルス持続時間の値を外部クロック信号であるVsyncクロックの立ち上がりエッジに合わせて出力する。この時、デューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均化する間に、外部クロック信号Vsyncが予め一定の周期分経過した後、外部クロック信号Vsyncの立ち上がりエッジに合わせて平均化されたPWM_2信号が同期化される。例えば、一例として、PWM_2信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均するための略3〜5周期間、外部クロック信号Vsyncが経過した後、該外部クロック信号Vsyncの立ち上がりエッジに合わせて平均化されたPWM_2信号が同期化されるようにする。一例として、このようなPWM_2信号の平均化遅延期間は略300ms程度に過ぎないので、従来のようにPLLを用いる場合、過渡状態のフリッカーを防止するための遅延時間が秒単位まで持続するのに比べてずっと短い。
【0042】
従来のようにPLLを使う場合、周波数の同期化が取られない初期状態から周波数の同期化が取られる期間、すなわち、ロッキングタイム(locking time)間過渡状態にあるようになる。この状態で、周波数及びデューティーが変化するようになり、例えばバックライトのLEDの状態がちらつくフリッカー現象が現われるようになる。これに対して、この実施形態では、平均化されたPWM_2信号と外部クロック信号Vsyncとを同期化させるため、そのような現象を解決することができる。
【0043】
次に、本発明の他の実施形態によるLED駆動装置を図面を参照して説明する。図2は、本発明の他の一実施形態によるLED駆動装置を概略的に示す図面である。
【0044】
図2に示すように、この実施形態によるLED駆動装置は、ディミング制御装置100及び駆動スイッチ200を含む。
【0045】
本発明の実施形態の一つの構成であるディミング制御装置100を説明するにあたって、図2に加えて、前述のディミング制御装置の各実施形態、図1、図3及び図4が参照される。前述のように、ディミング制御装置100は、PWM信号生成部10と、信号補償部30と、同期化部50とを含む。このディミング制御装置100に対する具体的な説明は、前述の各実施形態と重複するので略する。
【0046】
次に、図2の駆動スイッチ200について説明する。駆動スイッチ200は、ディミング制御装置100から出力されたPWM制御信号によってスイッチング動作し、該スイッチング動作に伴ってLEDへ電源を供給する。一例として、駆動スイッチ200は電界効果トランジスタ(FET)である。例えば、MOSFETを駆動スイッチとして用いてもよい。
【0047】
本発明の他の実施形態によれば、LED駆動装置は、バックライトユニットに用いられてもよい。この実施形態によって、LEDバックライトユニットにおいてLEDがちらつくフリッカー現象を解決することができる。
【0048】
次に、本発明のさらに他の実施形態によるディミング制御方法を図面を参照して説明する。
【0049】
図5は、本発明のさらに他の実施形態によるディミング制御方法を概略的に示す流れ図で、図6は、本発明のさらに他の実施形態によるディミング制御方法を概略的に示す流れ図である。
【0050】
これらの実施形態を説明するにあたって、図5及び図6に加えて、前述のディミング制御装置の各実施形態、図1乃至図4が参照される。また、前述の各実施形態と重複する部分に対する説明を省略する。
【0051】
図5及び図6に示すように、本発明の一実施形態によるディミング制御方法は、PWM信号生成ステップ(S100,S1100)、信号補償ステップ(S200,S1200)及び同期化ステップ(S300,S1300)を含む。
【0052】
まず、PWM信号生成ステップ(S100,S1100)について説明する。基準信号及び入力電圧からパルス幅変調(PWM)信号が生成される。
【0053】
本発明の実施形態によれば、PWM信号生成ステップ(S100,S1100)において、基準信号発生回路で生成された基準信号と入力電圧とを比較してPWM信号を生成する。例えば、基準信号の中で入力電圧を超過する部分を立ち上がりパルスとし、入力電圧に及ばない部分を立ち下がりパルスとして形成してパルス幅変調(PWM)信号を生成する。ここで、基準信号には三角波、鋸波などが挙げられ、入力電圧にはDC電圧が挙げられる。基準信号は、三角波や鋸波以外にも、入力電圧と比較してパルス波を作り出すことができる波動ならよく、入力電圧もDC電圧だけではなく振幅が小さく周波数が基準信号に比べて非常に小さい交流波形の電圧でもよい。すなわち、入力電圧は、基準信号の波形を比較器によって比較してパルス波を生成可能な基準になるのであればよい。
【0054】
一実施形態において、基準信号は三角波電圧信号または鋸波電圧信号であってもよい。ここで、基準信号が入力電圧より大きい区間で立ち上がりパルスを生成させてPWM信号を生成する。一例として、図3に示すように、基準信号は三角波で、入力電圧はDC電圧である。三角波電圧信号の中でDC電圧以上の区間で立ち上がりパルスを生成させてPWM信号を生成する。
【0055】
次に、図5に示すように、信号補償ステップ(S200)で内部クロック信号を用いて生成されたPWM信号を補償する。このPWM信号補償は、PWM信号生成時に引き起こされる問題を補償するためのもので、例えばノイズ、ジッタなどの干渉の影響を補償するのである。
【0056】
次に、図6を参照して、本発明の他の実施形態について説明する。信号補償ステップ(S1200)は、1次補償信号を生成するステップ(S1210)及び2次補償信号を生成するステップ(S1230)を含む。
【0057】
1次補償信号を生成するステップ(S1210)では、内部クロック信号を用いてPWM信号を補償した1次補償信号を生成する。内部クロック信号を用いてPWM信号を補償した1次補正信号は、例えば、PWM信号に含まれたノイズを取り除いた補償信号であってもよい。例えば、図4に示された内部クロック信号INT_CLKを用いて、PWM信号PWM_1のパルス立ち上がりまたは/及び立ち下がり付近での高周波パルスを取り除く。
【0058】
より詳しくは、一実施形態によれば、1次補償信号を生成するステップ(S1210)において、PWM信号の立ち上がりパルス間の内部クロック信号のクロック数をカウントし、予め決められた値以上の場合、該立ち上がりパルスを有効なクロックパルスと判断し、未満の場合は、立ち上がりパルスを取り除いて1次補償信号を生成する。図4に示すように、内部クロック信号であるINT_CLKは、生成されたPWM信号または基準信号より非常に大きい周波数を用いて、PWM信号の立ち上がりパルス間に十分な内部クロック回数がカウントされるようにする。これによって、PWM_1のパルス立ち上がりまたは/及び立ち下がり付近での高周波パルスを取り除いた1次補償信号として図4のPWM_2信号を得ることができる。
【0059】
また、図6に示すように、2次補償信号を生成するステップ(S1230)では、予め決められた周期間該1次補償信号のデューティ比または立ち上がりパルス(ハイ区間)持続時間を平均して2次補償信号を生成する。図4に示すように、進んだ4個のPWM_2パルスの立ち上がりパルス持続時間を平均するかデューティ比を平均して2次補償信号を生成する。デューティ比は、周期(T)時間に対する立ち上がりパルス持続時間として示すことができる。一例として、ジッタの干渉などによって周期が異なることがあるので、PWM_2信号の立ち上がりパルス持続時間を平均化して2次補償信号を生成する。1次補償信号であるPWM_2信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均するための予め決められた周期数は、実施形態によって変わり、例えば略3〜5周期範囲内で決まってもよい。
【0060】
また、図5及び図6に示すように、同期化ステップ(S300,S1300)において、補償された信号と外部クロック信号とが同期化され、ディミング制御のための同期化されたPWM制御信号が出力される。該外部クロック信号の周波数によって、PWM制御信号の周波数が決まる。
【0061】
図4に示すように、補償された信号、例えばデューティ比または立ち上がりパルス(ハイ区間)持続時間が平均化されたPWM_2信号を、外部クロック信号であるVsync信号に同期化させてPWM制御信号であるPWM_IN信号を出力する。すると、従来のようにPLLを使わなくても、外部クロック信号と同期を合わせることができる。ここで、決まった周期間平均を出したPWM_2信号、例えば、立ち上がりパルス持続時間の値を外部クロック信号であるVsyncクロックの立ち上がりエッジに合わせて出力する。一例として、PWM_2信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均するための略3〜5周期間、外部クロック信号Vsyncが経過した後、外部クロック信号Vsyncの立ち上がりエッジに合わせて平均化されたPWM_2信号が同期化されるようにする。
【0062】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
10 PWM信号生成部
11 基準信号発生回路
13 比較器
30 信号補償部
50 同期化部
100 ディミング制御装置
200 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号及び入力電圧からパルス幅変調(PWM)信号を生成するPWM信号生成部と、
前記PWM信号生成部から出力される前記PWM信号を内部クロック信号を用いて補償する信号補償部と、
前記補償された信号と外部クロック信号とを同期化させて、ディミング制御のための同期化されたPWM制御信号を出力する同期化部
とを含むディミング制御装置。
【請求項2】
前記信号補償部は、前記内部クロック信号を用いて前記PWM信号を補償した1次補償信号を生成し、予め決められた周期間、前記1次補償信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均して2次補償信号を生成する請求項1に記載のディミング制御装置。
【請求項3】
前記信号補償部は、前記PWM信号の立ち上がりパルス間の前記内部クロック信号のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数が予め決められた値以上の場合、前記立ち上がりパルスを有効なクロックパルスと判断し、カウントしたクロック数が予め決められた値未満の場合は、前記立ち上がりパルスを取り除いて前記1次補償信号を生成する請求項2に記載のディミング制御装置。
【請求項4】
前記PWM信号生成部は、基準信号発生回路で生成された前記基準信号と入力電圧とを比較する比較器を用いてPWM信号を生成する請求項1に記載のディミング制御装置。
【請求項5】
前記基準信号は、三角波または鋸波電圧信号である請求項4に記載のディミング制御装置。
【請求項6】
LED駆動装置において、
請求項1乃至5のうちのいずれか一つのディミング制御装置と、
前記ディミング制御装置から出力された前記PWM制御信号によってスイッチング動作し、該スイッチング動作に伴ってLEDへ電源を供給する駆動スイッチ
とを含むLED駆動装置。
【請求項7】
前記LED駆動装置は、バックライトユニットに用いられることを特徴とする請求項6に記載のLED駆動装置。
【請求項8】
基準信号及び入力電圧からパルス幅変調(PWM)信号を生成するPWM信号生成ステップと、
内部クロック信号を用いて、前記生成されたPWM信号を補償する信号補償ステップと、
前記補償された信号と外部クロック信号とを同期化させて、ディミング制御のための同期化されたPWM制御信号を出力する同期化ステップ
とを含むディミング制御方法。
【請求項9】
前記信号補償ステップは、
前記内部クロック信号を用いて前記PWM信号を補償した1次補償信号を生成するステップと、
予め決められた周期間前記1次補償信号のデューティ比または立ち上がりパルス持続時間を平均して2次補償信号を生成するステップ
とを含む請求項8に記載のディミング制御方法。
【請求項10】
前記1次補償信号を生成するステップにて、
前記PWM信号の立ち上がりパルス間の前記内部クロック信号のクロック数をカウントし、カウントしたクロック数が予め決められた値以上の場合、前記立ち上がりパルスを有効なクロックパルスと判断し、カウントしたクロック数が予め決められた値未満の場合は、前記立ち上がりパルスを取り除いて前記1次補償信号を生成する、請求項9に記載のディミング制御方法。
【請求項11】
前記PWM信号生成ステップにて、基準信号発生回路で生成された前記基準信号と入力電圧とを比較してPWM信号を生成する、請求項8に記載のディミング制御方法。
【請求項12】
前記基準信号は、三角波または鋸波電圧信号で、
前記PWM信号生成ステップにて、前記基準信号が前記入力電圧より大きい区間で立ち上がりパルスを生成させてPWM信号を生成する、請求項11に記載のディミング制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−33720(P2013−33720A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−109154(P2012−109154)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】