説明

デカンタ型遠心分離機

【課題】デカンタ型遠心分離機において、動力ロスを削減する。
【解決手段】軽液Y2を分離領域から放出する軽液放出口19が外胴2の外壁面よりも回転軸L寄りに設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デカンタ型遠心分離機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、デカンタ型遠心分離機は、内胴と外胴とを備えており、内胴と外胴との間の分離領域において原液を遠心分離する。
3相分離を行うデカンタ型遠心分離機に供給される原液には、比重の小さい軽液と比重の大きな重液と固体とが混合されており、デカンタ型遠心分離機は、これらの3つを分離して各々を別の放出口から外胴の外側に放出するように構成されている。
固体は、最も比重が大きいため、外胴側に寄ることとなるが、スクリュー型搬送機にて回転軸の一方の端部側に集められる。この結果、回転軸の他方の端部側には液体のみが存在することとなり、この液体は、遠心力により外胴寄りの重液と内胴よりの軽液とに分離される。
そして、外胴の端部に対してはフランジ部が固定されており、軽液と重液とは、当該フランジ部に独立して形成される軽液用流路と重液用流路とを介して分離領域から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−74373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のデカンタ型遠心分離機においては、特許文献1に示すように、フランジ部の外周面に軽液放出口が形成されており、当該軽液放出口に上記軽液用流路が接続されている。フランジ部が外胴と固定されることから、フランジ部の外周面の半径方向位置は、回転軸方向から見て、外胴の外壁面に対して同一の位置または外側に存在することとなる。この結果、軽液放出口が外胴の外壁面に対して同一の位置または外側に位置している。
【0005】
つまり、軽液放出口は、デカンタ型遠心分離機において最も移動速度が速い領域に形成されている。このため、軽液放出口から放出される軽液は大きな運動エネルギが与えられて放出されることとなる。
このように従来のデカンタ型遠心分離機は、軽液放出口が外胴の外壁面に対して同一の位置または外側に位置しているため、動力ロスが大きい。このため、従来のデカンタ型遠心分離機では、大型のモータを設置する必要があった。
なお、このような動力ロスの問題は、3相分離を行う場合に限られず、例えば固体を含まない原液を軽液と重液とに分離する2相分離を行う場合にも同様に生じるものである。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、デカンタ型遠心分離機において、動力ロスを削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、内胴を囲んで回転軸を中心として回転する外胴と上記内胴との間の分離領域において原液を重液と軽液とに遠心分離するデカンタ型遠心分離機であって、上記軽液を上記分離領域から放出する軽液放出口が上記外胴の外壁面よりも上記回転軸寄りに設けられているという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記回転軸方向から上記外胴に対して固定される第1段部と、該第1段部の外周面よりも外周面が上記回転軸寄りに位置すると共に回転シャフトに対して固定される第2段部とを有するフランジ部を備え、上記軽液放出口が、上記第2段部の外周面に開口されているという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記軽液放出口が複数設けられているという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記外胴の外側に設けられる上記軽液案内流路及び上記重液案内流路と、上記軽液案内流路の外壁と上記重液案内流路の外壁との間に差し込まれる差込板とを備えるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、分離領域から軽液を放出する軽液放出口が外胴の外壁面よりも回転軸寄りに設けられている。
このため、本発明によれば、従来のデカンタ型遠心分離機よりも軽液放出口から放出される軽液に与えられる運動エネルギが少なくなり、動力ロスを削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態におけるデカンタ型遠心分離機の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるデカンタ型遠心分離機が備えるフランジ部を含む拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるデカンタ型遠心分離機の効果を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るデカンタ型遠心分離機の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0015】
図1は、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1の概略構成を示す断面図である。この図に示すように、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1は、内胴1と、外胴2と、ケーシング3と、ギアボックス4と、回転シャフト5と、フランジ部6とを備えている。
【0016】
内胴1は、回転軸Lを中心として回転可能とされた中空の円筒部材である。この内胴1は、回転軸L方向の中央部に、内部から外部に原液Xを排出するための供給口1aを有している。この供給口1aは、回転軸L周りに複数設けられている。
内胴1の内部には、内胴1の内部に原液Xを供給するための供給パイプ7が挿入されている。そして、本実施形態において原液Xは、図1の右側から左側に向けて供給パイプ7内を流れて内胴1の内部に供給される。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、原液Xの流れに倣い、図1の紙面右側の上流側と称し、図1の紙面左側の下流側と称する。
【0017】
また、この内胴1の外壁面1bには、回転軸Lを中心として螺旋状に巻回されたスクリュー板8が設けられている。なお、このスクリュー板8は、内胴1の回転に伴って、内胴1と外胴2との間に存在する固体Y1を上流側に搬送するように巻回されている。
【0018】
後に詳説するが、回転シャフト5は、内胴用回転シャフト5aと、ギアボックス支持シャフト5bとから構成されている。そして、内胴1は、下流側の端部が内胴用回転シャフト5aに連結されており、内胴用回転シャフト5aが回転することによって回転軸Lを中心として回転する。
そして、内胴1は、上流側が軸受9を介して外胴2に対して回転可能に支持され、下流側が軸受10を介して後に説明するギアボックス支持シャフト5bに対して回転可能に支持されている。
【0019】
外胴2は、内胴1と同様に回転軸Lを中心として回転可能とされた中空の円筒部材であり、内胴1を内部に収容するように内胴1の外側を囲って配置されている。
この外胴2は、上流側が軸受11を介して設置台に支持されており、下流側が開口端とされると共にフランジ部6と固定されている。なお、フランジ部6は、ギアボックス支持シャフト5bに固定されており、外胴2は、不図示の駆動装置により回転軸Lを中心として回転する。
また、外胴2の上流側の端部には、内胴1と外胴2との間に存在する固体Y1を外胴2の外側に排出するための固体放出口2aが設けられている。
【0020】
そして、内胴1と外胴2とによって挟まれた領域は、原液Xに対して遠心力を働かせることによって原液Xを、固体Y1と軽液Y2と重液Y3とに遠心分離する分離領域Rとなっている。
【0021】
ケーシング3は、外胴2のさらに外側を囲って設置されており、設置台に対して固定されている。このケーシング3の内部には、軽液Y2を案内する軽液案内流路12と、重液Y3を案内する重液案内流路13とが形成されている。つまり、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1は、外胴2の外側に設けられる軽液案内流路12及び重液案内流路13を備えている。
これらの軽液案内流路12及び重液案内流路13の下端は開口端とされている。そして、軽液案内流路12に案内される軽液Y2は軽液案内流路12の下端からデカンタ型遠心分離機S1の外部に排出され、重液案内流路13に案内される重液Y3は重液案内流路13の下端からデカンタ型遠心分離機S1の外部に排出される。
【0022】
なお、軽液案内流路12の内部には、回転軸Lを中心とする半径方向の上方に向けて放出された軽液Y2の進行方向を回転軸L方向に変更する案内板14と、案内板14によって進行方向が変更された軽液Y2のフランジ部6への落下を防止する落下防止板15とが設けられている。
そして、上方に向けて放出された軽液Y2は、案内板14で案内されることによって、フランジ部6に落下することなく進行する。
【0023】
また、ケーシング3の内部には、外胴2の固体放出口2aから放出された固体Y1を受けて案内する固体案内路16が設けられている。
この固体案内路16の下端は開口端とされており、固体Y1は、固体案内路16の下端からデカンタ型遠心分離機S1の外部に排出される。
【0024】
外胴1及び内胴2は、不図示の駆動装置に接続されており、同一方向に所定の回転数(例えば、2000〜6000rpm)で回転するようになっている。なお、外胴1、内胴2の間には速度差が設けられている。内胴2の単位時間あたりの回転数は、外胴1よりもわずかに少なくなるように定められている。
そして、ギアボックス4は、内胴1及び外胴2の回転差を定めるためのギヤを有している。
【0025】
回転シャフト5は、ギアボックス4の支持及び内胴1に動力を伝達するものであり、中実の棒状とされた内胴用回転シャフト5aと、当該内胴用回転シャフト5aを囲う中空のギアボックス支持シャフト5bとから構成されている。
そして、ギアボックス支持シャフト5bは、軸受17によって設置台に対して回転可能に支持されている。
【0026】
フランジ部6は、ギアボックス支持シャフト5bに対して設けられている。図2は、フランジ部6を含む拡大図であり、(a)が断面図、(b)が下流側から見た正面図である。この図に示すように、フランジ部6は、回転軸Lを中心とする円板形状に形状設定されている。
【0027】
このフランジ部6は、図1及び図2に示すように、下流側(回転軸L方向)から外胴2に対して固定される第1段部6aと、この第1段部6aの外周面6a1よりも外周面6b1が回転軸L寄りに位置すると共にギアボックス支持シャフト5bに対して固定される第2段部6bとを有している。
より詳細に説明すると、第1段部6aは、外胴2よりも大径の円板形状に設定されており、ボトル締めによって外胴2の下流側の端部に対して固定されている。また、第2段部6bは、第1段部6aよりも下流側に位置し、当該第1段部6a及び外胴2よりも小径の円板形状に設定されることで外周面6b1が第1段部6aの外周面6a1よりも回転軸L寄りに位置されている。
また、図2に示すように、第1段部6aと、第2段部6bと、ギアボックス支持シャフト5bとは、同一材料によって一体成形されている。
【0028】
そして、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においてフランジ部6には、軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20が設けられている。
軽液取込口18は、分離領域Rで分離された軽液Y2をフランジ部6の内部に取込むための開口であり、フランジ部6の外胴2側の端面に設けられると共に分離領域Rの最も回転軸L寄りに配置されている。
軽液放出口19は、分離領域Rから軽液Y2を軽液案内流路12に放出するための開口であり、フランジ部6の第2段部6bの外周面6b1に設けられている。
軽液用流路20は、フランジ部6の内部に形成されており、軽液取込口18で取込んだ軽液Y2を軽液放出口19まで案内するための流路である。
なお、軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20は、フランジ部6に対して回転軸L周りに複数設けられており、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、図2(b)に示すように、各々4つ設けられている。
【0029】
ここで、上述のようにフランジ部6の第2段部6bの外周面6b1は、外胴2よりも大径とされた第1段部6aの外周面6a1よりも回転軸L寄りに位置している。すなわち、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1では、軽液放出口19は、外胴2の外壁よりも回転軸L寄りに設けられている。
【0030】
また、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においてフランジ部6には、重液取込口21、重液放出口22及び重液用流路23が設けられている。
重液取込口21は、分離領域Rから重液Y3をフランジ部6の内部に取込むための開口であり、フランジ部6の外胴2側の端面に設けられると共に分離領域Rの最も外胴2寄りに配置されている。
重液放出口22は、分離領域Rから重液Y3を重液案内流路13に放出するための開口であり、第2段部6bの下流側の端面に設けられている。
重液用流路23は、フランジ部6の内部に形成されており、重液取込口21で取込んだ重液Y3を重液放出口22まで案内するための流路である。
なお、重液取込口21、重液放出口22及び重液用流路23は、上述の軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20と重ならないように、フランジ部6に対して回転軸L周りに複数設けられており、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、図2(b)に示すように、各々4つ設けられている。
【0031】
また、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1は、軽液案内流路12の外壁と重液案内流路13の外壁との間に差し込まれる差込板25を備えている。
この差込板25は、軽液案内流路12と重液案内流路13との間の隙間をラビリンス構造とすることによって、軽液案内流路12と重液案内流路13との間で軽液Y2及び重液Y3が混入しないようにするものである。
そして、差込板25は、フランジ部6の第2段部6bの外周面6b1に設置されており、図2(b)に示すように、回転軸Lを中心とする円環状に形状設定されている。
【0032】
このような構成を有する本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1では、不図示の駆動装置によって回転シャフト5が回転されると、内胴1と外胴2とが同一方向に異なる速度で回転される。このように内胴1と外胴2とが回転され、さらに供給パイプ7を介して原液Xが内胴1の内部に供給されると、原液Xは、内胴1の供給口1aから分離領域Rに供給される。
そして、分離領域Rに供給された原液Xは、遠心力によって、固体Y1と、軽液Y2と、重液Y3とに分離される。
【0033】
固体Y1は、スクリュー板8によって上流側に運ばれ、固体放出口2aを介して分離領域Rから固体案内路16に放出され、その後固体案内路16の下端から外部に排出される。
【0034】
軽液Y2は、重液Y3に対して比重が小さいため、分離領域Rにおいて内胴1寄り(すなわち回転軸L寄り)に集まる。そして、軽液Y2は、軽液取込口18からフランジ部6の内部に取込まれ、軽液用流路20を通って軽液放出口19に到達し、軽液放出口19から半径方向に放出される。
軽液放出口19から放出された軽液Y2は、軽液案内流路12に放出されることとなり、軽液案内流路12の下端から外部に排出される。なお、軽液放出口19から上方に放出された軽液Y2は、案内板14によって回転軸L方向に進行方向が変更されて落下防止板15上に案内され、フランジ部6上に落下することなく軽液案内流路12の下端まで案内される。
【0035】
重液Y3は、軽液Y2に対して比重が大きいため、分離領域Rにおいて外胴2寄りに集まる。そして、重液Y3は、重液取込口21からフランジ部6の内部に取込まれ、重液用流路23を通って重液放出口22に到達し、重液放出口22から下流側に向けて放出される。
重液放出口22から放出された重液Y3は、重液案内流路13に放出されることとなり、重液案内流路13の下端から外部に排出される。
【0036】
ここで、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、軽液放出口19が外胴2の外壁面よりも回転軸L寄りに設けられている。
このため、従来のデカンタ型遠心分離機よりも軽液放出口から放出される軽液に与えられる運動エネルギが少なくなり、動力ロスを削減することが可能となる。
【0037】
また、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、下流側から外胴に対して固定される第1段部6aと、この第1段部6aの外周面6a1よりも外周面6b1が回転軸L寄りに位置すると共にギアボックス支持シャフト5bに対して固定される第2段部6bとを有するフランジ部6を備え、軽液放出口19が第2段部6bの外周面6b1に開口されている。
このような構成を採用することによって、軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20を一体成形物に対して形成することができ、軽液取込口18、軽液放出口19及び軽液用流路20を容易に形成することができると共に軽液Y2が漏れることを防止することが可能となる。
【0038】
また、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、軽液放出口19が複数設けられている。このため、軽液Y2の放出量を多量に確保し、軽液Y2の円滑な放出が可能となる。
さらに、複数の軽液放出口19が回転軸L周りに設けられているため、回転軸L方向から見て、軽液Y2が分散して放出されることとなり、内胴1及び外胴2の回転を安定させることができる。
【0039】
また、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1においては、外胴2の外側に設けられる軽液案内流路12及び重液案内流路13と、軽液案内流路12の外壁と重液案内流路13の外壁との間に差し込まれる差込板25とを備えている。
このため、軽液案内流路12と重液案内流路13との間で軽液Y2及び重液Y3が混入することが抑止され、確実に軽液Y2と重液Y3とを分離することが可能となる。
【0040】
図3は、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1と従来のデカンタ型遠心分離機とに対して原液Xの代わりに水を供給した場合における消費動力を示すグラフである。なお、ここでの従来のデカンタ型遠心分離機とは、フランジ部の最外周面(本実施形態においては第1段部6aの外周面6a1)に軽液放出口が設けられたデカンタ型遠心分離機である。
【0041】
図3に示すように、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1の消費動力は、従来のデカンタ型遠心分離機に対して、給水量が12m/Hrの場合で2.3%、20m/Hrの場合で7.6%、30m/Hrの場合で20.3%減少した。
通常、デカンタ型遠心分離機の定格運転における原液の供給量は、30m/Hr程度である。このため、本実施形態のデカンタ型遠心分離機S1によれば、大きく動力ロスを削減することが期待できる。
【0042】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、固体Y1を含む原液Xを3相分離するデカンタ型遠心分離機S1について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、固体を含まない原液を軽液と重液とに2相分離するデカンタ型遠心分離機に適用することも可能である。
【0044】
また、上記実施形態においては、フランジ部6が第1段部6aと第2段部6bとを備え、第2段部6bの外周面6b1に軽液放出口19が開口された構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、軽液放出口が外胴の外壁面よりも回転軸寄りに設けられていれば良い。例えば、フランジ部を第1段部のみからなる形状とし、第2段部に相当する部分を他部品から構成し、当該他部品に対して軽液放出口を設けても良い。
【符号の説明】
【0045】
S1……デカンタ型遠心分離機、1……内胴、2……外胴、5……回転シャフト、6……フランジ部、6a……第1段部、6a1……外周面、6b……第2段部、6b1……外周面、12……軽液案内流路、13……重液案内流路、18……軽液取込口、19……軽液放出口、20……軽液用流路、21……重液取込口、22……重液放出口、23……重液用流路、X……原液、Y1……固体、Y2……軽液、Y3……重液、L……回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内胴を囲んで回転軸を中心として回転する外胴と前記内胴との間の分離領域において原液を重液と軽液とに遠心分離するデカンタ型遠心分離機であって、
前記軽液を前記分離領域から放出する軽液放出口が前記外胴の外壁面よりも前記回転軸寄りに設けられていることを特徴とするデカンタ型遠心分離機。
【請求項2】
前記回転軸方向から前記外胴に対して固定される第1段部と、該第1段部の外周面よりも外周面が前記回転軸寄りに位置すると共に回転シャフトに対して固定される第2段部とを有するフランジ部を備え、
前記軽液放出口は、前記第2段部の外周面に開口されている
ことを特徴とする請求項1記載のデカンタ型遠心分離機。
【請求項3】
前記軽液放出口が複数設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のデカンタ型遠心分離機。
【請求項4】
前記外胴の外側に設けられる前記軽液案内流路及び前記重液案内流路と、
前記軽液案内流路の外壁と前記重液案内流路の外壁との間に差し込まれる差込板と
を備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のデカンタ型遠心分離機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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